説明

電気掃除機の床用吸込具

【課題】床面における壁際の隅の領域を容易に掃除できる電気掃除機の床用吸込具を提供すること。
【解決手段】吸込具1のハウジング2内には回転ブラシ10が設けられている。ハウジング2の底面2Aが床面Xと対向されたとき、ハウジング2の左側壁2Lと床面Xとの間に隙間Yが生じる。回転ブラシ10は、左側壁2Lに設けられた軸受部材18で保持される回転軸11と、メインブラシ12とを含んでおり、軸受部材18近傍に位置する回転軸11の端部には、第1サブブラシ15が設けられている。第1サブブラシ15は、先端部が湾曲することによって隙間Yへ進入可能である。そのため、左側壁2Lを室内の壁Zに沿わせれば、隙間Yに進入した第1サブブラシ15が、床面Xにおける壁際の隅に届くので、左側壁2Lを壁Zに沿わせるだけで、この隅の領域を容易かつ確実に掃除できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気掃除機の床用吸込具に関する。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機の床用吸込具として、特許文献1では、掃除機用床ノズルが提案されている。
特許文献1に記載の床ノズルは、底面に横長の開口を有する本体ケース(ハウジング)と、本体ケース内に収容される回転ロータとを主に有している。回転ロータは、両端部が本体ケースの側壁によって回転自在に保持されるロータと、ロータの外周面に設けられたブラシ状の清掃体と含んでいる。
【0003】
床面の清掃時において、床ノズルでは、底面の開口が床面に上から対向しており、掃除機本体の電動送風機が発生する吸引力によって、床面の塵埃が開口から本体ケース内に吸い込まれる。この際、回転ロータが回転しており、回転ロータの回転に伴って、清掃体の自由端が開口からはみ出て床面の塵埃を開口内へ掻き込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−143045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の床ノズルの本体ケースの側壁を室内の壁に沿わせて床面における壁際を掃除する場合、床面において本体ケースの開口に対向する領域には清掃体の自由端が届くので、この領域はきれいに掃除できる。しかし、床面において本体ケースの側壁の下端に対向する(壁際の)隅の領域には清掃体の自由端が届かない。
そのため、特許文献1の床ノズルでは、本体ケースの側壁を室内の壁に沿わせるだけでは、壁際の隅の領域を掃除することが困難である。壁際の隅の領域を掃除したいのであれば、この隅の領域に開口が対向するように床ノズルの向きを変えたり、隅の領域を掃除するための専用ノズルを別途用意したりせねばならず、壁際の隅の領域を容易に掃除することができない。
【0006】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、床面における壁際の隅の領域を容易に掃除できる電気掃除機の床用吸込具を提供することを主たる目的とする。
また、この発明は、接触による床面の傷付きを防止できる電気掃除機の床用吸込具を提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、床と対向する底面に吸込用の開口が形成されたハウジングと、前記ハウジング内に設けられた回転ブラシと、を有する電気掃除機の床用吸込具であって、前記ハウジングは、一方の側縁を形成する一方側壁を備え、当該一方側壁は、前記吸込用の開口が床面と対向されたときに、床面と隙間が生じる側壁とされており、前記回転ブラシは、回転軸および回転軸の周面から突出するブラシを含み、前記回転軸の一端は、前記一方側壁に設けられた軸受部材で回転自在に保持されており、前記軸受部材近傍に位置する前記回転軸の端部には、その周面から外方へ伸び出し、先端部が湾曲することによって前記隙間へ進入可能な相対的に長いブラシが設けられていることを特徴とする、電気掃除機の床用吸込具である。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記吸込用の開口は、前記ハウジングの底面の先端寄りに形成され、前記回転ブラシは、前記開口から床面を臨み、その一部が床面に摺接自在に設けられ、前記回転ブラシには、前記回転軸に外嵌され、床面に接する円環状の外周面を有する車輪が備えられていることを特徴とする、請求項1記載の電気掃除機の床用吸込具である。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記車輪が床面に接することによって、前記ハウジングの底面の先端側と床面との間に隙間が生じており、かつ、前記底面の先端側において前記車輪より前方には、前記底面から突出して床面に接するものが存在しないことを特徴とする、請求項2記載の電気掃除機の床用吸込具である。
請求項4記載の発明は、前記車輪の外周面には、前記車輪の回転方向と逆方向に倒伏加工が施された起毛布が設けられていることを特徴とする、請求項2または3記載の電気掃除機の床用吸込具である。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記車輪は、前記回転軸の両端部寄りにそれぞれ設けられていて、前記車輪の円環状の外周面は、前記回転軸の軸方向に所定の幅を有し、前記車輪の外周面には、その中心軸を中心とする螺旋状をなす清掃用ブラシが設けられていること特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の電気掃除機の床用吸込具である。
請求項6記載の発明は、前記清掃用ブラシは、前記車輪が1回転する間に、前記車輪の接する床面と接し、床面の塵埃を、前記回転軸の軸方向における中心側へ掃き寄せることを特徴とする、請求項5記載の電気掃除機の床用吸込具である。
【0011】
請求項7記載の発明は、前記車輪は、前記回転軸の両端部寄りにそれぞれ設けられていて、前記車輪の円環状の外周面は、前記回転軸の軸方向に所定の幅を有し、前記車輪の外周面には、前記所定の幅よりも小さい幅を有する複数の清掃用ブラシが、前記外周面の周方向に並んで設けられ、前記車輪が1回転する間に、床面において前記車輪の外周面に対向する部分の前記軸方向全域に対して前記清掃用ブラシが接触することを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の電気掃除機の床用吸込具である。
【0012】
請求項8記載の発明は、前記車輪は、前記回転軸の両端部寄りにそれぞれ設けられていて、前記車輪の円環状の外周面は、前記回転軸の軸方向に所定の幅を有し、前記車輪の外周面の前記軸方向両端部には、清掃用ブラシが、前記外周面の周方向における全域に亘って設けられていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の電気掃除機の床用吸込具である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、床用吸込具のハウジングでは、床と対向する底面に吸込用の開口が形成されており、ハウジング内には、回転ブラシが設けられている。
底面の開口が床面と対向されたとき、ハウジングにおいて一方の側縁を形成する一方側壁と床面との間には、隙間が生じるようになっている。
回転ブラシは、一端が一方側壁に設けられた軸受部材で回転自在に保持される回転軸と、回転軸の周面から突出するブラシとを含んでおり、軸受部材近傍に位置する回転軸の端部には、その周面から外方へ伸び出る相対的に長いブラシが設けられている。
【0014】
このブラシは、先端部が湾曲することによって一方側壁と床面との隙間へ進入可能である。これにより、この床用吸込具で床面を掃除する際、床面において開口に対向する領域の塵埃が開口からハウジング内に吸い込まれるのに加えて、床面において一方側壁に対向する領域の塵埃が、このブラシによって開口側へ掻き込まれてハウジング内に吸い込まれる。
【0015】
そのため、一方側壁を室内の壁に沿わせれば、一方側壁と床面との隙間に進入したブラシが、床面における壁際の隅に届くので、一方側壁を室内の壁に沿わせるだけで、この隅の領域を容易かつ確実に掃除できる。
請求項2記載の発明によれば、吸込用の開口は、ハウジングの底面の先端寄りに形成されていて、回転ブラシは、開口から床面を臨み、その一部が床面に摺接自在である。そのため、床面において開口に対向する領域の塵埃が、回転ブラシによって開口側へ掻き込まれてハウジング内に吸い込まれる。
【0016】
そして、回転ブラシの回転軸には、床面に接する円環状の外周面を有する車輪が外嵌されている。
ここで、ハウジングの底面の先端寄りの部分には、開口が形成されていることから、この先端寄りの部分は、スペースに余裕がないが、車輪を、ハウジングの底面でなく、回転ブラシに取り付けることによって、前述したスペースの制約を受けることなく車輪を備えることができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、車輪が床面に接することによって、ハウジングの底面の先端側と床面との間に隙間が生じており、かつ、底面の先端側において車輪より前方には、底面から突出して床面に接するものが存在しない。そのため、底面の先端側の接触による床面の傷付きを防止できる。
請求項4記載の発明によれば、車輪において床面に接する外周面には、床面に対して滑りやすい起毛布が設けられているので、車輪が床面上を回転する際に、車輪の外周面によって床面が傷付くことを防止できる。
【0018】
ここで、この起毛布には、車輪の回転方向と逆方向に倒伏加工が施されているので、車輪の回転に伴って起毛布が毛羽立って痛むことを防止でき、起毛布の耐久性を向上させることができる。
請求項5記載の発明によれば、車輪は、回転ブラシの回転軸の両端部寄りにそれぞれ設けられているので、両方の車輪が床面に接することによって、床用吸込具の姿勢を水平方向に沿って安定させることができる。
【0019】
各車輪の円環状の外周面は、回転軸の軸方向に所定の幅を有していて、この外周面には、その中心軸を中心とする螺旋状をなす清掃用ブラシが設けられている。そのため、車輪が床面上を回転すると、車輪の外周面の清掃用ブラシが、床面において車輪の外周面に対向する領域にある塵埃を捕獲するので、この領域も漏れなく掃除できる。
請求項6記載の発明によれば、車輪の外周面に設けられた螺旋状の清掃用ブラシは、車輪が1回転する間に、車輪の接する床面と接し、床面の塵埃を、回転軸の軸方向における中心側へ掃き寄せるので、掃き寄せられた塵埃は、今度は回転ブラシによって開口側へ掻き上げられ、開口からハウジング内に確実に吸い込まれる。
【0020】
請求項7記載の発明によれば、車輪は、回転ブラシの回転軸の両端部寄りにそれぞれ設けられているので、両方の車輪が床面に接することによって、床用吸込具の姿勢を水平方向に沿って安定させることができる。
各車輪の円環状の外周面は、回転軸の軸方向に所定の幅を有していて、この外周面には、前記所定の幅よりも小さい幅を有する複数の清掃用ブラシが、外周面の周方向に並んで設けられている。
【0021】
そして、車輪が1回転する間に、床面において車輪の外周面に対向する部分の軸方向全域に対して清掃用ブラシが接触して、この領域にある塵埃を捕獲するので、この領域も漏れなく掃除できる。
ここで、清掃用ブラシは、その幅が車輪の外周面の所定の幅よりも小さいことから、車輪の外周面を軸方向に貫通するように設けられておらず、車輪の外周面において周方向における全域には、起毛布が必ず存在する。そのため、車輪の回転中には、車輪の外周面と床面との間には起毛布が必ず存在するので、車輪の外周面が床面に接触することで床面が傷付くことを防止できるとともに、起毛布の厚み分だけ、ハウジングの底面を床から常に浮かせることができる。
【0022】
請求項8記載の発明によれば、車輪は、回転ブラシの回転軸の両端部寄りにそれぞれ設けられているので、両方の車輪が床面に接することによって、床用吸込具の姿勢を水平方向に沿って安定させることができる。
各車輪の円環状の外周面は、回転軸の軸方向に所定の幅を有していて、この外周面の軸方向両端部には、清掃用ブラシが、外周面の周方向における全域に亘って設けられている。そのため、車輪が床面上を回転すると、車輪の外周面の両端部の清掃用ブラシが、互いに接近するように倒れ込むことによって、床面において車輪の外周面に対向する領域にある塵埃を捕獲するので、この領域も漏れなく掃除できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の一実施形態に係る床用吸込具1の斜視図である。
【図2】(a)は、第1の例に係る床用吸込具1の右側面図であり、(b)は、第1の例に係る床用吸込具1の要部の右側断面図である。
【図3】第1の例に係る床用吸込具1の底面図である。
【図4】図2(a)のA−A矢視断面図である。
【図5】第2の例に係る床用吸込具1の底面図である。
【図6】図4に第2の例を適用した図である。
【図7】第3の例に係る床用吸込具1の底面図である。
【図8】図4に第3の例を適用した図である。
【図9】第4の例に係る床用吸込具1の底面図である。
【図10】図4に第4の例を適用した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る床用吸込具1の斜視図である。図2において、(a)は、第1の例に係る床用吸込具1の右側面図であり、(b)は、第1の例に係る床用吸込具1の要部の右側断面図である。図3は、第1の例に係る床用吸込具1の底面図である。図4は、図2(a)のA−A矢視断面図である。
【0025】
以下では、図1における床用吸込具1(以下では、単に「吸込具1」という。)の姿勢を基準として、吸込具1の前後左右方向を規定する。図1において、右下側が前側であり、左上側が後側であり、左下側が左側であり、右上側が右側である。また、左右方向は、幅方向と同義である。なお、図1の吸込具1は、床面X上に配置されて床面X上を清掃可能な状態にある。
【0026】
吸込具1は、電気掃除機の付属部品であって、図1に示すように、ハウジング2とベンドパイプ3とを含んでいる。
ハウジング2は、幅方向に長手かつ上下方向に扁平で中空のボックス形状である。図2(b)を参照して、ハウジング2の底面2Aの前寄りには、幅方向に長手の主吸込口4(開口)が形成されており(図3も参照)、ハウジング2の前面には、幅方向に長手の副吸込口5が形成されている。副吸込口5は、主吸込口4に対して前側から連続している。主吸込口4および副吸込口5は、ハウジング2内に連通している。
【0027】
ハウジング2の前面には、シャッター6が設けられている。シャッター6は、幅方向に長手の板状である。シャッター6は、幅方向から見て、前上側へ円弧状に膨出するように、湾曲している。シャッター6の前端の幅方向両端部には、前上側へ突出する凸部7が一体的に設けられている(図1も参照)。シャッター6は、前上側から、副吸込口5を開閉可能に覆っている(図2(b)では、シャッター6が副吸込口5を閉じた状態が示されている。)。
【0028】
図2(a)を参照して、ハウジング2の後面の幅方向中央には、接続筒8が取り付けられている(図3も参照)。接続筒8は、前後方向に延びる中心軸を有する略円筒状であり、ハウジング2の後面に対して後から挿通され、ハウジング2によって、上述した中心軸を中心として回動自在に支持されており、ハウジング2の一部となっている。接続筒8の内部は、ハウジング2内に連通している。接続筒8の後端面と外周部分の周上1箇所とは、連続して切欠かれており、切欠き部8Aとされる。
【0029】
ベンドパイプ3は、図2(a)では前後方向に長手であり、その前端3Aは、略球体状に形成されている。ベンドパイプ3の前端3Aは、ハウジング2の接続筒8の切欠き部8Aに対して後から挿通されており、これによって、ベンドパイプ3は、接続筒8(ハウジング2)によって支持されている。詳しくは、ベンドパイプ3では、前端3Aがハウジング2に連結され、後端3Bは、ハウジング2から後側へ突出している。この状態で、ベンドパイプ3は、前端3Aを支点として、接続筒8に対して回動自在である。図2(a)では、ベンドパイプ3は、上下に回動自在である。
【0030】
そして、接続筒8が、前後方向に延びる中心軸を中心として回動自在であることから、ベンドパイプ3は、接続筒8に対して回動しつつ、接続筒8とともに、前後方向に延びる中心軸を中心として回動することができる。ベンドパイプ3の内部は、接続筒8の内部を介して、ハウジング2内に連通している。ベンドパイプ3の後端3Bは、ホース(図示せず)等を介して、電気掃除機本体(図示せず)に接続される。
【0031】
清掃時に電気掃除機本体(図示せず)が運転されると、電気掃除機本体(図示せず)に内蔵された電動送風機(図示せず)が吸引力を発生し、この吸引力が、ベンドパイプ3およびハウジング2の内部に作用する。これにより、ハウジング2の底面2Aの上述した主吸込口4(図2(b)参照)から、ハウジング2の外部の空気がハウジング2内に吸い込まれる。そのため、底面2A(主吸込口4)を床面Xに対向させると、床面X上の塵埃が、主吸込口4からハウジング2内に吸引される空気に乗って、主吸込口4からハウジング2内に吸い込まれ、その後、ベンドパイプ3、上述したホース(図示せず)を介して、電気掃除機本体(図示せず)に至り、電気掃除機本体(図示せず)内に溜められる。
【0032】
そして、吸込具1を前側へ移動させると、床面Xにおいて吸込具1が通過した部分の塵埃がハウジング2内に吸い込まれ、この部分の掃除が行われる。ここで、吸込具1では、前側(図2(a)における左側)が、進行方向における先端側となっている。
なお、シャッター6が副吸込口5(図2(b)参照)を開いていれば、主吸込口4だけでなく、副吸込口5からもハウジング2内に塵埃を吸い込むことができる。例えば、ハウジング2の底面2Aの主吸込口4でなく、副吸込口5が床面Xに上から対向するように、ハウジング2を倒立させる。そうすると、ハウジング2において、副吸込口5側が底面となってベンドパイプ3側が天面となることで、ハウジング2が、前後方向(水平方向)に薄くなるので、家具と家具との間といった狭い箇所にハウジング2を差し込むことができる。そして、このような狭い箇所における床面Xの塵埃を、副吸込口5からハウジング2内に吸い込むことができる。ここで、シャッター6を開閉させる際に、シャッター6に設けられた凸部7が操作される。
【0033】
ここで、ハウジング2の底面2Aにおいて主吸込口4より後側には、ローラ9が回転自在に取り付けられている。ローラ9が床面Xに接触することによって、底面2Aの後側部分が床面Xから浮いた状態となる。なお、説明の便宜上、図2(a)では、ローラ9が床面Xから浮いている。
そして、図4を参照して、ハウジング2内には、回転ブラシ10が設けられている。回転ブラシ10は、回転軸11と、メインブラシ12とを含んでいる。
【0034】
回転軸11は、図4では右下へ延びる斜線のハッチングが施された部分であって、幅方向に細長い略円柱形状である。回転軸11では、一部が中空になっていてもよく、また、回転軸11が複数の部品に分割可能であってもよい。
メインブラシ12は、回転軸11の周面において、周方向に間隔を隔てた複数の位置に設けられている。各メインブラシ12は、回転軸11の周面から突出するように設けられている。各メインブラシ12は、幅方向に細長い帯状であって、左端から右端へ向かうのに従って回転軸11の周方向へずれるようにねじれた状態で、回転軸11の周面に取り付けられている(図3参照)。
【0035】
図4の状態を基準として、回転軸11の幅方向(軸方向)における両端部寄り(回転軸11の両側の部分)には、車輪13が取り付けられている。左右の車輪13の間にメインブラシ12が位置している。各車輪13は、幅方向に延びる中心軸を有する円筒形状であり、幅方向に所定の幅をもつ円環状の外周面を有している。各車輪13は回転軸11に対して外嵌されていて、回転軸11に固定されている。各車輪13の外周面には、起毛布14が設けられている。
【0036】
ここで、前述したように、ハウジング2の底面2Aの前寄り(先端寄り)の部分には、主吸込口4が形成されていることから(図2(b)参照)、この先端寄りの部分は、スペースに余裕がない。しかし、車輪13を、ハウジング2の底面2Aでなく、回転ブラシ10に取り付けることによって、前述したスペースの制約を受けることなく車輪13を備えることができる。
【0037】
そして、この車輪13の構成に応じて、吸込具1には、第1〜第4までの例があり、図4では、第1の例の吸込具1が示されている。第1の例では、各車輪13の外周面の全域に起毛布14が設けられている。
回転軸11において左側の車輪13より左側の左端部の外周面には、周方向全域に亘って、第1サブブラシ15が設けられている。第1サブブラシ15は、回転軸11の左端部の外周面から外方(回転軸11の径方向外側)へ伸び出すように設けられている。第1サブブラシ15は、相対的に長いブラシであり、回転ブラシ10全体を見ると、第1サブブラシ15の毛先が、回転ブラシ10の径方向外側へ最も突出している。
【0038】
回転軸11において右側の車輪13より右側の右端部には、駆動受け部16が一体的に設けられている。駆動受け部16は、回転軸11の一部である。駆動受け部16は、回転軸11を中心とする円筒状である。駆動受け部16の外周面には、回転軸11を中心とする環状をなす溝部17が形成されている。
このような回転ブラシ10は、ハウジング2によって回転自在に支持されている。これに関連して、ハウジング2においてハウジング2の内部空間を左右から区画する左側壁2L(一方側壁)および右側壁2Rについて説明する。
【0039】
左側壁2Lは、ハウジング2の左側(一方)の側縁を形成するものであり、幅方向に所定の厚さSを有していて、比較的薄い。右側壁2Rは、ハウジング2の右側(他方)の側縁を形成するものであり、幅方向に所定の厚さTを有していて、比較的厚い。Tは、Sよりも大きい(ここでは、3倍程度大きい)。
左側壁2Lにおいて、ハウジング2の内部に臨む内側面には、ボールベアリング等の軸受部材18が取り付けられている。
【0040】
右側壁2Rは、ハウジング2の内部に臨む中空部分を有しており、この中空部分の前寄り(図4では手前寄り)の位置には、軸受部材19が設けられている。軸受部材18および軸受部材19は、幅方向から見て同じ位置にある。右側壁2Rの中空部分において後寄りの位置には、駆動部(図示せず)が設けられている。この駆動部は、電気掃除機本体(図示せず)から電力を受けて駆動力を発生するモータであってもよいし、前述した吸引力の一部を受けて回転することで駆動力を発生するファンであってもよい。駆動部は、駆動力を出力する出力軸を有している。
【0041】
また、左側壁2Lおよび右側壁2Rのそれぞれの外側面には、前後に細長い帯状をなす起毛布20が取り付けられている。
回転ブラシ10は、左側壁2Lおよび右側壁2Rによって保持されている。詳しくは、回転ブラシ10の回転軸11において、左端11L(一端)が、左側壁2Lに設けられた軸受部材18によって回転自在に保持され、右端11Rが、右側壁2Rの軸受部材19によって回転自在に保持されている。これによって、回転ブラシ10は、左側壁2Lおよび右側壁2Rによって保持された状態で、回転自在である。ここで、回転軸11の右端部の駆動受け部16は、右側壁2Rの中空部分に収容される。
【0042】
この状態で、回転ブラシ10では、下側のメインブラシ12と左右の車輪13の下側外周面(起毛布14)とが、ハウジング2の底面2Aの主吸込口4から下側へ露出されており、前側のメインブラシ12と左右の車輪13の前側外周面(起毛布14)とが、副吸込口5から前側へ露出されている(図3参照)。また、回転軸11の左端部の第1サブブラシ15は、左側壁2Lの内側面(換言すれば、左側壁2Lに設けられた軸受部材18)の近傍に位置しつつ、その下側部分は、主吸込口4から下側へ露出されている。
【0043】
また、この状態で、回転ブラシ10の回転軸11の右端部の駆動受け部16と、前述した駆動部(図示せず)の出力軸との間には、エンドレスベルト21が掛け回されている。エンドレスベルト21は、駆動受け部16において、前述した溝部17に嵌っている。
駆動部が前述した駆動力を発生すると、この駆動力は、駆動部の出力軸から出力された後に、エンドレスベルト21を介して回転ブラシ10に伝達され、これにより、回転ブラシ10全体が回転する。回転ブラシ10は、一方向に回転するものとし、その回転方向は、右側面視で反時計回りの方向であるとする(図2(b)の太線矢印参照)。回転ブラシ10が回転すると、回転ブラシ10に一体化された左右の車輪13および第2サブブラシ15も回転する。
【0044】
ここで、各車輪13の外周面における起毛布14には、車輪13の回転方向とは逆方向の倒伏加工が施されており、起毛布14を構成する毛は、車輪13の回転方向とは逆の方向へ傾斜するように延びている(図2(b)参照)。
このような吸込具1を、ハウジング2の底面2Aおよび主吸込口4が床面Xに上から対向するように、床面Xに載置すると、吸込具1では、左右の車輪13(厳密には、各車輪13の外周面の起毛布14)と、前述したローラ9(図2(a)参照)とが床面Xに接触する。ここで、回転ブラシ10の回転軸11の両端部寄りにそれぞれ設けられた車輪13が床面Xに接することによって、吸込具1の姿勢を水平方向に沿って安定させることができる。
【0045】
このように吸込具1が床面Xに載置された状態では、車輪13が床面Xに接することによって、ハウジング2の底面2Aの前側(先端側)と床面Xとの間に隙間が生じている。特に、ハウジング2において、左側壁2Lの下端と床面Xとの間には、上下方向の隙間Yが確保されている。つまり、左側壁2Lは、主吸込口4が床面Xと対向されたときに床面Xと隙間Yが生じる側壁となっている。そのために、左側壁2Lの下端は、ハウジング2において底面2Aを区画する部分の中で最も上側に位置するように、切り欠かれているとよい。
【0046】
ここで、底面2Aの先端側(図4では手前側)において左右の車輪13より前方には、底面2Aから下方へ突出して床面Xに接するものは存在しない。そのため、底面2Aの先端側の接触による床面Xの傷付きを防止できる。
また、車輪13において床面Xに接する外周面には、床面Xに対して滑りやすい起毛布14が設けられているので、車輪13が床面X上を回転する際に、車輪13の外周面によって床面Xが傷付くことを防止できる。さらに、前述したように、起毛布14には、車輪13の回転方向と逆方向に倒伏加工が施されているので(図2(b)参照)、車輪13の回転に伴って起毛布14が毛羽立って痛むことを防止でき、起毛布14の耐久性を向上させることができる。
【0047】
また、このように吸込具1が床面Xに載置された状態では、回転ブラシ10の下側のメインブラシ12の毛先が主吸込口4から床面Xを臨んで床面Xに接触している。また、このとき、回転軸11の左端部の第1サブブラシ15の下側部分の毛先(先端部)が、床面Xに当たることで左側壁2L側へ湾曲して隙間Yへ進入し、この隙間Yからハウジング2の左外側へ露出されている。
【0048】
この状態で、前述した駆動部(図示せず)の駆動力および電動送風機(図示せず)の吸引力を発生させる。すると、床面X上の塵埃が、吸引力によって主吸込口4からハウジング2内に吸い込まれる。また、この際、回転する回転ブラシ10において主吸込口4から露出されている下側のメインブラシ12(回転ブラシ10の一部)が、床面Xに摺接しながら床面X上の塵埃を主吸込口4側へ掻き上げるので、床面Xにおいて主吸込口4に対向する領域上の塵埃は、効率的に主吸込口4からハウジング2内に吸い込まれる。
【0049】
そして、吸込具1を床面X上で移動させると、各車輪13およびローラ9(図2(b)参照)が床面X上を回転する。吸込具1の移動中に床面Xで主吸込口4と対向する部分にある塵埃が、前述した吸引力および回転ブラシ10の掻き上げによって、主吸込口4からハウジング2内に吸い込まれる。
また、床面Xにおいて壁Zに接する部分(床面Xにおける壁際の隅部分)を掃除する場合には、ハウジング2の左側壁2Lの外側面を壁Zに沿わせる。すると、前述したように左側壁2Lの下端と床面Xとの隙間Yに進入して隙間Yからハウジング2の左外側に露出されている第1サブブラシ15の毛先が、床面Xにおける壁際の隅部分に届き、回転ブラシ10の回転に伴って、この隅部分にある塵埃を隙間Yから主吸込口4内に取り込む。これにより、主吸込口4内に取り込まれた塵埃は、主吸込口4からハウジング2内に吸い込まれる。そのため、左側壁2Lの外側面を壁Zに沿わせた状態で吸込具1を移動させると、床面Xにおける壁際の隅部分にある全ての塵埃は、ハウジング2内に吸い込まれる。つまり、左側壁2Lを室内の壁に沿わせるだけで、この隅の領域を容易かつ確実に掃除できる。
【0050】
このように、この吸込具1で床面Xを掃除する際、床面Xにおいて主吸込口4に対向する領域の塵埃が主吸込口4からハウジング2内に吸い込まれるのに加えて、床面Xにおいて左側壁2Lに対向する領域の塵埃が、第1サブブラシ15によって主吸込口4側へ掻き込まれてハウジング2内に吸い込まれる。
ここで、吸込具1の移動中には、左側壁2Lでは、外側面に設けられた起毛布20が壁Zに柔らかく接触するので、吸込具1による壁Zの傷付きを防止できる。
【0051】
そして、左側壁2Lは、後側に位置して吸込具1を移動させるユーザから見れば、右側に位置するので、一般的な右利きのユーザにとっては、左側壁2Lを壁Zに沿わせ易い。
なお、前述したようにハウジング2を倒立させると、床面Xにおいて家具と家具との間といった狭い箇所にある塵埃が、前述した吸引力および回転ブラシ10の掻き上げによって、副吸込口5(図2(b)参照)からハウジング2内に吸い込まれる。
【0052】
ここで、底面2Aが床面Xに上から対向した状態で吸込具1を床面X上で移動させると、前述したように、各車輪13およびローラ9(図2(b)参照)が床面X上を回転する。この際、各車輪13では、外周面の起毛布14が床面Xに対して滑ることから、起毛布14は、床面Xの塵埃を捕獲する能力が低い。また、床面Xにおいて起毛布14に接触する領域(車輪13の外周面に対向する領域)には、メインブラシ12および第1サブブラシ15のいずれもうまく届かないので、この領域の塵埃は、主吸込口4からハウジング2内に吸込まれにくい。そのため、床面Xにおいて車輪13が通過した領域が掃除されないままになる虞がある。
【0053】
そこで、車輪13の構成に、以下に述べる第2〜第4の例がある。なお、前述した第1の例と、第2〜第4の例とでは、車輪13の構成以外は同じである。
まず、第2の例について説明する。図5は、第2の例に係る床用吸込具1の底面図である。図6は、図4に第2の例を適用した図である。
図5を参照して、各車輪13の外周面には、前述した起毛布14の他に、第2サブブラシ22(清掃用ブラシ)が設けられている。第2サブブラシ22のブラシ毛は、起毛布14の毛よりも硬く(腰が強く)、第2サブブラシ22の方が、起毛布14よりも毛の密度が低い。また、車輪13の外周面において、第2サブブラシ22が設けられた部分は、起毛布14が設けられた部分よりも、少し車輪13の中心軸側(車輪13の径方向における内側)にある(図6参照)。また、第2サブブラシ22のブラシ毛の毛先は、起毛布14の毛先よりも、若干、車輪13の径方向における外側に位置している(図6参照)。
【0054】
そして、第2サブブラシ22は、車輪13の(外周面の)中心軸を中心とする螺旋状の細い帯をなしており、車輪13の外周面の幅方向全域に亘って設けられている。そのため、各車輪13の外周面では、起毛布14と第2サブブラシ22とが幅方向に沿って交互に並ぶように配置されており、起毛布14も、第2サブブラシ22と同様に、螺旋状の帯をなしている。
【0055】
ここで、回転ブラシ10が回転すると、回転ブラシ10とともに回転する各車輪13では、第2サブブラシ22が、底面視で、ハウジング2の幅方向中央(主吸込口4の幅方向中央のメインブラシ12側)へ向かうように見える。
図6に示すようにハウジング2の底面2Aが床面Xに対向するように吸込具1を床面Xに載置すると、各車輪13では、下側の起毛布14とともに、下側の第2サブブラシ22が床面X(床面Xにおいて車輪13に接する領域)に接触する。
【0056】
この状態で回転ブラシ10を回転させると、床面Xにおいて各車輪13の外周面に対向する領域の塵埃は、回転する車輪13の外周面の第2サブブラシ22によって、捕獲され、車輪13が1回転する間に主吸込口4の幅方向中央のメインブラシ12側(回転軸11の幅方向中心側)へ掃き寄せられる。そして、メインブラシ12側へ寄せられた塵埃は、その後、メインブラシ12によって主吸込口4へ掻き上げられてハウジング2内に確実に吸い込まれる。そのため、床面Xにおいて各車輪13の外周面に対向する領域も漏れなく掃除できる。
【0057】
次に、第3の例について説明する。図7は、第3の例に係る床用吸込具1の底面図である。図8は、図4に第3の例を適用した図である。
図7を参照して、第3の例では、第2サブブラシ22が、幅方向へ直線状に延びる細長い帯をなしている。第2サブブラシ22の幅方向寸法は、各車輪13の外周面の幅方向寸法よりも小さく、具体的には、各車輪13の外周面の幅方向寸法の半分より少し大きい。
【0058】
そして、このような第2サブブラシ22が、各車輪13の外周面において、その外周面の周方向に所定の間隔を隔てて並ぶように複数設けられている。詳しくは、各車輪13の外周面では、外周面の左端から右端の手前まで延びる第2サブブラシ22Aと、外周面の右端から左端の手前まで延びる第2サブブラシ22Bとが、外周面の周方向において交互に配置されている。第2サブブラシ22Aの右隣には、起毛布14があり、第2サブブラシ22Bの左隣には、起毛布14がある。そして、外周面の周方向から見て、第2サブブラシ22Aの右側部分と、第2サブブラシ22Bの左側部分とは、重なっている。
【0059】
図8に示すようにハウジング2の底面2Aが床面Xに対向するように吸込具1を床面Xに載置すると、各車輪13では、下側の起毛布14とともに、下側の第2サブブラシ22が床面Xに接触する。
この状態で回転ブラシ10を回転させると、車輪13が1回転する間に、車輪13の外周面の全ての第2サブブラシ22のまとまりは、床面Xにおいて各車輪13の外周面に対向する部分の幅方向全域に接触する。これにより、床面Xにおいて各車輪13の外周面に対向する領域の塵埃は、車輪13の外周面のいずれかの第2サブブラシ22(AまたはB)によって掻き取られる(捕獲される)。そのため、床面Xにおいて各車輪13の外周面に対向する領域も漏れなく掃除できる。
【0060】
ここで、各第2サブブラシ22は、その幅が車輪13の外周面の幅よりも小さいことから、車輪13の外周面を幅方向に貫通するように設けられておらず、車輪13の外周面において周方向における全域には、起毛布14が必ず存在する。そのため、車輪13の回転中には、車輪13の外周面と床面Xとの間には起毛布14が必ず存在するので、車輪13の外周面が床面Xに接触することで床面Xが傷付くことを防止できるとともに、起毛布14の厚み分だけ、ハウジング2の底面2Aを床面Xから常に浮かせることができる。
【0061】
なお、各第2サブブラシ22は、幅方向において途切れていて複数に分割されていてもよい。
最後に、第4の例について説明する。図9は、第4の例に係る床用吸込具1の底面図である。図10は、図4に第4の例を適用した図である。
図9を参照して、第4の例では、第2サブブラシ22が、各車輪13の外周面の幅方向両端部において、その周方向全域に亘って設けられている。
【0062】
そのため、図10に示すようにハウジング2の底面2Aが床面Xに対向するように吸込具1を床面Xに載置し、回転ブラシ10を回転させると、各車輪13では、幅方向両側の第2サブブラシ22の毛先が、互いに接近するように車輪13の外周面の幅方向内側へ倒れ込む。そのため、床面Xにおいて各車輪13の外周面に対向する領域の塵埃は、回転する車輪13の外周面の幅方向両側の第2サブブラシ22によって掻き取られる(捕獲される)。そのため、床面Xにおいて各車輪13の外周面に対向する領域も漏れなく掃除できる。
【0063】
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 床用吸込具
2 ハウジング
2A 底面
2L 左側壁
4 主吸込口
10 回転ブラシ
11 回転軸
11L 左端
12 メインブラシ
14 起毛布
15 第1サブブラシ
18 軸受部材
22 第2サブブラシ
Y 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床と対向する底面に吸込用の開口が形成されたハウジングと、前記ハウジング内に設けられた回転ブラシと、を有する電気掃除機の床用吸込具であって、
前記ハウジングは、一方の側縁を形成する一方側壁を備え、当該一方側壁は、前記吸込用の開口が床面と対向されたときに、床面と隙間が生じる側壁とされており、
前記回転ブラシは、回転軸および回転軸の周面から突出するブラシを含み、
前記回転軸の一端は、前記一方側壁に設けられた軸受部材で回転自在に保持されており、
前記軸受部材近傍に位置する前記回転軸の端部には、その周面から外方へ伸び出し、先端部が湾曲することによって前記隙間へ進入可能な相対的に長いブラシが設けられていることを特徴とする、電気掃除機の床用吸込具。
【請求項2】
前記吸込用の開口は、前記ハウジングの底面の先端寄りに形成され、
前記回転ブラシは、前記開口から床面を臨み、その一部が床面に摺接自在に設けられ、
前記回転ブラシには、前記回転軸に外嵌され、床面に接する円環状の外周面を有する車輪が備えられていることを特徴とする、請求項1記載の電気掃除機の床用吸込具。
【請求項3】
前記車輪が床面に接することによって、前記ハウジングの底面の先端側と床面との間に隙間が生じており、かつ、前記底面の先端側において前記車輪より前方には、前記底面から突出して床面に接するものが存在しないことを特徴とする、請求項2記載の電気掃除機の床用吸込具。
【請求項4】
前記車輪の外周面には、前記車輪の回転方向と逆方向に倒伏加工が施された起毛布が設けられていることを特徴とする、請求項2または3記載の電気掃除機の床用吸込具。
【請求項5】
前記車輪は、前記回転軸の両端部寄りにそれぞれ設けられていて、
前記車輪の円環状の外周面は、前記回転軸の軸方向に所定の幅を有し、
前記車輪の外周面には、その中心軸を中心とする螺旋状をなす清掃用ブラシが設けられていること特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の電気掃除機の床用吸込具。
【請求項6】
前記清掃用ブラシは、前記車輪が1回転する間に、前記車輪の接する床面と接し、床面の塵埃を、前記回転軸の軸方向における中心側へ掃き寄せることを特徴とする、請求項5記載の電気掃除機の床用吸込具。
【請求項7】
前記車輪は、前記回転軸の両端部寄りにそれぞれ設けられていて、
前記車輪の円環状の外周面は、前記回転軸の軸方向に所定の幅を有し、
前記車輪の外周面には、前記所定の幅よりも小さい幅を有する複数の清掃用ブラシが、前記外周面の周方向に並んで設けられ、
前記車輪が1回転する間に、床面において前記車輪の外周面に対向する部分の前記軸方向全域に対して前記清掃用ブラシが接触することを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の電気掃除機の床用吸込具。
【請求項8】
前記車輪は、前記回転軸の両端部寄りにそれぞれ設けられていて、
前記車輪の円環状の外周面は、前記回転軸の軸方向に所定の幅を有し、
前記車輪の外周面の前記軸方向両端部には、清掃用ブラシが、前記外周面の周方向における全域に亘って設けられていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の電気掃除機の床用吸込具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−177214(P2011−177214A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41924(P2010−41924)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】