電気掃除機用吸込具
【課題】ハウジング内に吸い込まれる空気の流れを利用してタービンが回転することで生じた回転力によって回転ブラシを回転させる構成において、床面から離れた場合に確実に回転ブラシの回転速度を低下させることができる電気掃除機用吸込具を提供すること。
【解決手段】吸込具1のハウジング2の底面2Aには検知突起13が備えられている。検知突起13は、ハウジング2の底面2Aが床面Xから離れると、突出位置に変位し、ハウジング2が床面Xに配置されると、非突出位置に変位する。主吸込風路14とタービン用風路15との連通部分16には、開閉部材23が設けられている。開閉部材23は、検知突起13が非突出位置にあるときには、連通部分16を開くので、回転ブラシ10が回転する。一方、開閉部材23は、検知突起13が突出位置にあるときには、連通部分16を閉じるので、回転ブラシ10の回転が停止する。
【解決手段】吸込具1のハウジング2の底面2Aには検知突起13が備えられている。検知突起13は、ハウジング2の底面2Aが床面Xから離れると、突出位置に変位し、ハウジング2が床面Xに配置されると、非突出位置に変位する。主吸込風路14とタービン用風路15との連通部分16には、開閉部材23が設けられている。開閉部材23は、検知突起13が非突出位置にあるときには、連通部分16を開くので、回転ブラシ10が回転する。一方、開閉部材23は、検知突起13が突出位置にあるときには、連通部分16を閉じるので、回転ブラシ10の回転が停止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気掃除機用吸込具に関し、特に、電気掃除機に装着されて使用され、被清掃面上の塵挨を吸い込んで電気掃除機本体へ送るための吸込具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気掃除機用の吸込具では、ハウジングにおいて床面に対向する面に形成された吸込口に回転ブラシが配設されており、この回転ブラシを回転させて床面の塵埃を掻き上げ、掻き上げた塵埃を吸込口から電気掃除機本体側へ送ることで、床面の清掃を行う。
また、タービンを内蔵し、電気掃除機本体の吸引力によってハウジング内に空気が吸い込まれる際に、その空気の流れを利用してタービンが回転することで生じた回転力によって回転ブラシを回転させる吸込具も知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の吸口体(吸込具に相当する。)には、底面に吸込口が形成されており、この吸込口に臨んで回転ブラシを収容するブラシ室と、タービンを収納するタービン室とが設けられており、また、タービン室に外気を流入させるための吸気口が形成されている。そして、吸口体には、掃除機本体側に接続される吸口継手が設けられている。
このような吸口体において、吸気口からタービン室に流入した外気と、吸込口からブラシ室に吸い込まれた空気および塵埃とは、合流した後に、吸口継手を通過して掃除機本体側に送られる。
【特許文献1】特開2002−272653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の吸口体では、電気掃除機本体の吸引力が発生している最中に吸口体を持ち上げて床面から離すと、吸込口全体が開放されることで吸込口から吸引される空気の量が増え、それに応じて、逆に、吸気口からタービン室に流入する外気の量が減少する。これにより、電気掃除機本体の吸引力が発生している最中に吸口体を床面から離しても、タービンがほとんど回転しないので、回転ブラシもほとんど回転しなくなり、この状態で吸込口に誤って手を入れて回転ブラシに触れても安全である。
【0005】
しかし、更なる安全性向上のため、吸口体を床面から離した場合に、より確実に回転ブラシの回転速度を低下させることができると望ましい。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、ハウジング内に吸い込まれる空気の流れを利用してタービンが回転することで生じた回転力によって回転ブラシを回転させる構成において、床面から離れた場合に確実に回転ブラシの回転速度を低下させることができる電気掃除機用吸込具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、底面に主吸込口が形成され、前記主吸込口とは別位置に開口が形成されたハウジングと、一端は前記ハウジングに連結され、他端は前記ハウジングから突出していて、電気掃除機本体と接続され得るベンドパイプと、前記ハウジングに回転可能に設けられ、前記主吸込口に臨む回転ブラシと、前記ハウジングに区画され、前記主吸込口から前記ベンドパイプの一端へと連通する主吸込風路と、前記ハウジングに前記主吸込風路とは別に区画され、前記開口から前記主吸込風路へと連通するタービン用風路と、前記タービン用風路に設けられ、前記開口から流入して前記タービン用風路を流れる空気により回転され、その回転力によって前記回転ブラシを回転させるタービンと、前記ハウジングの底面に備えられ、前記ハウジングの底面が床面から離れることで底面から突出した突出位置と、前記ハウジングが床面に配置されることで前記ハウジング内に引っ込んで底面から突出しない非突出位置とに変位する突起と、前記主吸込風路と前記タービン用風路との連通部分に設けられ、前記突起が非突出位置にあるときには前記連通部分を開く一方で、前記突起が突出位置にあるときには前記連通部分を閉じる開閉部材と、を含むことを特徴とする、電気掃除機用吸込具である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記開閉部材は、前記連通部分を閉じているときには、前記主吸込風路の内面に略沿うように配置されることを特徴とする、請求項1記載の電気掃除機用吸込具である。
請求項3記載の発明は、前記ハウジングの前面には、前記主吸込風路に連通する副吸込口が形成され、前記回転ブラシは、前記主吸込口および前記副吸込口に臨み、前記副吸込口を開閉可能に覆うシャッターと、前記シャッターが前記副吸込口を開いたときに、前記突起を非突出位置に位置決めする位置決め部材と、を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の電気掃除機用吸込具である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、この電気掃除機用吸込具では、床面の塵埃を含む空気が、電気掃除機本体の吸引力によって、ハウジングの底面の主吸込口からハウジング内に吸い込まれて主吸込風路を流れた後に、ハウジングに回動自在に連結されたベンドパイプの一端からベンドパイプ内に流入し、その後、電気掃除機本体へ送られる。ここで、回転ブラシが回転して床面の塵埃を掻き上げるので、主吸込口では、床面の塵埃を効率的に吸い込むことができる。
【0009】
ハウジングには、開口が、主吸込口とは別位置に形成されており、開口から主吸込風路へと連通するタービン用風路に設けられたタービンが、電気掃除機本体の吸引力によって開口から流入してタービン用風路を流れる空気により回転され、その回転力によって回転ブラシを回転させる。タービン用風路を流れた空気は、主吸込風路とタービン用風路との連通部分において、主吸込風路を流れる空気および塵埃と合流し、電気掃除機本体へ送られる。
【0010】
ここで、ハウジングの底面には、突起が備えられている。突起は、ハウジングの底面が床面から離れると、底面から突出した突出位置に変位し、ハウジングが床面に配置されると、ハウジング内に引っ込んで底面から突出しない非突出位置に変位する。
そして、上述した連通部分には、開閉部材が設けられている。
開閉部材は、突起が非突出位置にあるとき(ハウジングが床面に配置されているとき)には、連通部分を開くので、電気掃除機本体の吸引力がタービン用風路に作用し、空気が、開口から流入してタービン用風路を流れてタービンを回転させることができる。これにより、回転ブラシが回転する。
【0011】
一方、開閉部材は、突起が突出位置にあるとき(ハウジングの底面が床面から離れているとき)には、連通部分を閉じるので、主吸込風路とタービン用風路との間が遮断されることから電気掃除機本体の吸引力がタービン用風路に作用せず、空気が開口から流入してタービン用風路を流れることができない。これにより、回転ブラシの回転が停止する(回転ブラシの回転速度が低下する。)。
【0012】
このように、この電気掃除機用吸込具では、突起によって、ハウジングが床面に配置されているか否かを検知し、この検知結果に基づいて、開閉部材が連通部分を開閉するので、ハウジングが床面から離れた場合には、確実に回転ブラシの回転速度を低下させることができる。
請求項2記載の発明によれば、開閉部材は、連通部分を閉じているときには、主吸込風路の内面に略沿うように配置されるので、開閉部材が、主吸込風路を流れる空気の妨げにならず、主吸込風路における流路損失や騒音を低減することができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、ハウジングの前面には、主吸込風路に連通する副吸込口が形成され、回転ブラシは、主吸込口および副吸込口に臨んでいる。そして、副吸込口は、シャッターによって開閉可能に覆われている。このため、シャッターが副吸込口を開いたときには、電気掃除機用吸込具では、主吸込口および副吸込口の両方から塵埃を吸い込むことができる。特に、この電気掃除機用吸込具では、床面において例えば壁と家具とに挟まれた狭い部分を掃除したい場合、開かれた副吸込口が床面に対向するようにハウジングを起立させることで壁と家具との間にハウジングを差し込み、この狭い部分の塵埃を副吸込口から吸い込むことができる。
【0014】
このようにハウジングが起立すると、ハウジングの底面が床面から離れてしまうので、このままでは、突起が突出位置に変位し、これに応じて開閉部材が連通部分を閉じることで回転ブラシの回転が停止してしまう。この場合、副吸込口では、回転する回転ブラシによって上述した狭い部分の塵埃を効率的に吸い込むことができない。また、突出位置に変位した突起が壁や家具に干渉することで、ハウジングを壁と家具との間に円滑に差し込むことができなくなる虞がある。
【0015】
そこで、位置決め部材が、シャッターが副吸込口を開いたときに、突起を非突出位置に位置決めするので、この状態でハウジングを起立させても、突起は、引き続き非突出位置にあり、開閉部材は、連通部分を開く。そのため、ハウジングを起立させた状態では、非突出位置にある突起が邪魔にならないので、ハウジングを壁と家具との間に円滑に差し込むことができ、そして、回転ブラシが回転できることから、副吸込口では、上述した狭い部分の塵埃を効率的に吸い込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る電気掃除機用吸込具1を右前側から見た斜視図である。以下では、図1における吸込具1の姿勢を基準として、吸込具1の前後左右方向を規定する。図1において、手前側が前側であり、奥側が後側である。また、左右方向は、幅方向と同義である。なお、図1の吸込具1は、床面X上に配置されて床面X上を清掃可能な状態にある。
【0017】
図1を参照して、吸込具1は、ハウジング2とベンドパイプ3とを含んでいる。
ハウジング2は、幅方向に長手かつ上下方向に扁平で中空のボックス形状である。ハウジング2の天面の右側部分は、上向きに円弧状に膨出している。ハウジング2の底面2Aには、主吸込口4(図1では図示されておらず、後述する図2参照)が形成されている。ハウジング2の前面には、副吸込口5が形成されている。副吸込口5は、ハウジング2の前面のほぼ全域に亘る大きさを有する幅方向に長手の矩形状である。ハウジング2の右面の後側(主吸込口4とは別の位置)には、上向きに膨出する略半円形状の開口6が形成されている。開口6は、所定の大きさの網目を有するネット24によって覆われている。主吸込口4、副吸込口5および開口6は、ハウジング2内に連通している。
【0018】
ハウジング2の前面には、シャッター7が設けられている。シャッター7は、幅方向に長手の板状である。シャッター7は、幅方向から見て、前上側へ円弧状に膨出するように、湾曲している(後述する図3も参照)。シャッター7の下端部の幅方向全領域には、前上側へ突出する凸部8が一体的に設けられている。シャッター7は、前上側から、副吸込口5を開閉可能に覆っている(図1では、シャッター7が副吸込口5を閉じた状態が示されている。)。
【0019】
ハウジング2の後面の幅方向中央には、接続筒9が取り付けられている。接続筒9は、前後方向に延びる中心軸を有する略円筒状であり、ハウジング2の後面に対して後から挿通され、ハウジング2によって、上述した中心軸を中心として回動自在に支持されており、ハウジング2の一部となっている。接続筒9の内部は、ハウジング2内に連通している。接続筒9の後端面と外周部分の周上1箇所とは、連続して切欠かれており、切欠き部9Aとされる。
【0020】
ベンドパイプ3は、図1では前後方向に長手であり、その前端3Aは、略球体状に形成されている。ベンドパイプ3の前端3Aは、ハウジング2の接続筒9の切欠き部9Aに対して後から挿通されており、これによって、ベンドパイプ3は、接続筒9(ハウジング2)によって支持されている。詳しくは、ベンドパイプ3では、前端3A(一端)がハウジング2に連結され、後端3B(他端)は、ハウジング2から後側へ突出している。この状態で、ベンドパイプ3は、前端3Aを支点として、接続筒9に対して回動自在である。図1では、ベンドパイプ3は、上下に回動自在である。そして、接続筒9が、前後方向に延びる中心軸を中心として回動自在であることから、ベンドパイプ3は、接続筒9に対して回動しつつ、接続筒9とともに、前後方向に延びる中心軸を中心として回動することができる。ベンドパイプ3の内部は、接続筒9の内部を介して、ハウジング2内に連通している。ベンドパイプ3の後端3Bは、ホース(図示せず)等を介して、電気掃除機本体(図示せず)に接続される。
【0021】
電気掃除機本体(図示せず)が運転されると、電気掃除機本体(図示せず)では吸引力が発生し、この吸引力が、ベンドパイプ3およびハウジング2の内部に作用する。これにより、ハウジング2の底面の上述した主吸込口4(図2参照)から、ハウジング2の外部の空気がハウジング2内に吸引される。そのため、主吸込口4を床面Xに対向させると、床面X上の塵埃が、主吸込口4からハウジング2内に吸引される空気に乗って、主吸込口4からハウジング2内に吸引され、その後、ベンドパイプ3、上述したホース(図示せず)を介して、電気掃除機本体(図示せず)に至り、電気掃除機本体(図示せず)内に溜められる。
【0022】
ここで、シャッター7が副吸込口5を開いていれば、主吸込口4だけでなく、副吸込口5からもハウジング2内に塵埃を吸引することができる。例えば、ハウジング2の底面2Aの主吸込口4でなく、副吸込口5が床面Xに上から対向するように、ハウジング2を起立させる。そうすると、ハウジング2において、副吸込口5側が底面となってベンドパイプ3側が天面となることで、ハウジング2が、前後方向(水平方向)に薄くなるので、壁と家具との間といった狭い箇所にハウジング2を差し込むことができる。そして、このような狭い箇所における床面Xの塵埃を、副吸込口5からハウジング2内に吸引することができる。
【0023】
なお、開口6の役割については、以降で説明する。
図2は、吸込具1の底面図である。
図2に示すように、上述した主吸込口4は、ハウジング2の底面2Aにおいて前側(図2における右側)に偏った位置に形成されている。主吸込口4は、幅方向(図2における上下方向)に長手の矩形状である。
【0024】
ハウジング2内には、回転ブラシ10が設けられている。回転ブラシ10は、幅方向に沿って延びる回転軸10Aと、回転軸10Aの外周面に植立されたブラシ10Bとを備えている。回転軸10Aの左端部は、軸受22(後述する図4参照)を介して、ハウジング2の左端部によって回転自在に支持されており、回転軸10Aの右端部は、軸受22(後述する図4参照)を介して、ハウジング2の右端部によって回転自在に支持されている。この状態で、回転ブラシ10の下側部分は、主吸込口4から下側へ露出されている。つまり、回転ブラシ10は、ハウジング2に回転可能に設けられ、主吸込口4に臨んでいる。
【0025】
そして、ハウジング2の後面(図2における左面)には、接続筒9を幅方向から挟みつつ後側へ延びる一対の延設部11が一体的に設けられている。各延設部11の後端には、ローラ12が回転自在に設けられている。ローラ12が床面X(図1および後述する図3を参照)上で回転することによって、ハウジング2を床面X上で円滑に移動させることができる。
【0026】
また、ハウジング2の底面2Aにおける主吸込口4より後側の部分において左側(図2における上側)の領域には、検知突起13(突起)が備えられている。検知突起13の役割については、以降で説明する。
図3は、吸込具1の左側断面図である。
図3に示すように、ハウジング2内には、主吸込風路14が区画されている。主吸込風路14は、太い破線矢印で示すように、主吸込口4から後上側(図3では左上側)へ延び、ベンドパイプ3の前端3Aへと連通している。ここで、上述した接続筒9の内部は、主吸込風路14の一部をなしている。
【0027】
ここで、上述した副吸込口5は、主吸込風路14に対して、前側から連通している。また、回転ブラシ10は、主吸込口4だけでなく、副吸込口5にも臨んでいる。
図3に示すように主吸込口4が床面Xに対して上から対向した状態において電気掃除機本体(図示せず)が運転されると、電気掃除機本体(図示せず)で発生した吸引力は、ベンドパイプ3内および主吸込風路14内に作用する。これにより、床面X上の塵埃は、主吸込口4からハウジング2内に吸引され、主吸込風路14を通って、ベンドパイプ3へ向かう。ここで、回転ブラシ10が回転されることによって、床面X上の塵埃は、回転ブラシ10(詳しくは主吸込口4から床面Xへ露出されたブラシ10B)によって、主吸込口4へ向けて掻き上げられる。これにより、床面X上の塵埃は、主吸込口4からハウジング2(主吸込風路14)内に効率的に吸引される。
【0028】
図4は、ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を右上側から見た斜視図である。
図4に示すように、主吸込風路14は、幅方向に長手の主吸込口4とハウジング2の後面の幅方向中央に配置されたベンドパイプ3とを連通させていることから、上から見て、後側ヘ向かって幅狭となる凸状をなしている。
【0029】
ここで、ハウジング2内には、タービン用風路15が、主吸込風路14とは別に区画されている。タービン用風路15は、ハウジング2内において、右後側(主吸込口4の右側部分より後側)の領域に区画されている。タービン用風路15は、幅方向に延びている。タービン用風路15の右端部は、上述したハウジング2の右面の開口6(図1参照)に連通している。タービン用風路15の左端部15Aは、幅方向に長手で中空のボックス形状であり、主吸込風路14の後端部(詳しくは接続筒9より手前側の部分)に上から連通している。つまり、タービン用風路15は、開口6(図1参照)から主吸込風路14へと連通している。
【0030】
主吸込風路14とタービン用風路15(左端部15A)との連通部分16は、主吸込風路14の後端部の上側部分に形成されている。連通部分16は、主吸込風路14に沿って後上側へ延びる幅広で略U字状の縁17(ハッチングを施した部分を参照)によって区画された幅広で略矩形状の穴である。
そして、タービン用風路15には、タービン18が設けられている。タービン18は、幅方向に延びる回転軸18Aと、回転軸18Aに固定された羽根18Bとを一体的に備えている。回転軸18Aの右端部は、軸受19を介して、ハウジング2の右端部に回転自在に支持されている。そのため、タービン18全体は、回転軸18Aを中心として回転自在である。
【0031】
ここで、タービン18の回転軸18Aの右端部(詳しくは軸受19より左側の部分)には、プーリー(タービンプーリー20という。)が取り付けられており、回転ブラシ10の回転軸10Aの右端部(詳しくは右側の軸受22より左側の部分)には、プーリー(ブラシプーリー21という。)が取り付けられている。タービンプーリー20とブラシプーリー21とは、幅方向において、ほぼ同じ位置にあり、タービンプーリー20とブラシプーリー21との間には、歯付きベルト50(図4では図示せず、後述する図14を参照)が巻回されている。これにより、回転ブラシ10とタービン18とが連結されている。
【0032】
上述したように、電気掃除機本体(図示せず)が運転されることによって電気掃除機本体(図示せず)で吸引力が発生すると、この吸引力は、上述したようにベンドパイプ3内および主吸込風路14内に作用し、さらに、連通部分16を介して、タービン用風路15内にも作用する。これにより、ハウジング2の外の空気が、開口6(図1参照)からタービン用風路15内に流入してタービン用風路15内を左側へ流れ、連通部分16から主吸込風路14に至る(図示した太い破線矢印参照)。そして、タービン18は、このように開口6から流入してタービン用風路15内を流れる空気を羽根18Bで受けることによって、この空気により回転される。タービン18が回転することによって、上述したようにタービン18に連結された回転ブラシ10も回転する。換言すれば、タービン18は、その回転力によって、回転ブラシ10を回転させる。なお、上述したように開口6がネット24によって覆われているので(図1参照)、ハウジング2の外の塵埃が、空気に伴われて開口6からタービン用風路15内に流入することはない。
【0033】
図5は、ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を左上側から見た斜視図であって、開閉部材23が追加されている。
図5を参照して、連通部分16には、開閉部材23が設けられている。開閉部材23は、幅方向に長手の1枚の板状であり、上述したようにタービン用風路15において幅方向に長手で中空のボックス形状である左端部15Aにちょうど収まる大きさを有している。
【0034】
開閉部材23の後縁(図5において上端で幅方向に延びる縁)には、幅方向に沿って延びる支持軸25が一体的に設けられている。支持軸25の右端部は、タービン用風路15の左端部15Aの右壁15Bの上端部に左から挿通され、支持軸25の左端部は、タービン用風路15の左端部15Aの左壁15Cの上端部に右から挿通され、左壁15Cより左側まで突出している。これにより、開閉部材23は、支持軸25を中心として、タービン用風路15の左端部15Aによって回動自在に支持されている。
【0035】
具体的に、開閉部材23は、図5に示すように前下側へ傾斜する閉位置と、略水平に沿う開位置(後述する図6(c)を参照)との間で回動自在である。
閉位置にある開閉部材23は、上述したように後上側へ延びて連通部分16を区画する縁17(図4参照)のほぼ全域に対して上から当接し、これにより、連通部分16を閉じている(図3も参照)。このとき、開閉部材23は、前下側へ傾斜していることから、後上側へ延びる主吸込風路14の内面に略沿うように配置されている(図3参照)。そのため、開閉部材23が、主吸込風路14を流れる空気の妨げにならず、主吸込風路14における流路損失や騒音を低減することができる。ここで、流路損失を低減することができれば、閉位置にある開閉部材23を、円滑に開位置へ回動させることができる。
【0036】
開位置にある開閉部材23は、縁17(図4参照)に対して上側へ離間することで(図示せず)、連通部分16を開く(図6(c)を参照)。
このように、開閉部材23は、回動することによって連通部分16を開閉するので、たとえば縁17(図4参照)と平行にスライドすることによって連通部分16を開閉する場合と比べて、開閉部材23と縁17との間にごみ等の異物が詰まりにくく、開閉部材23は、円滑に連通部分16を開閉することができる。
【0037】
ここで、上述したように、ハウジング2の底面2Aには、検知突起13が備えられている。
図5では、検知突起13は、幅方向に間隔を隔てて配置される一対のプレート26と、1対のプレート26の前端部の間に架設される軸27(点線で示した部分を参照)と、軸27に回転自在に支持されるころ28とを含んでいる。
【0038】
検知突起13に関連して、ハウジング2の底壁には、ハウジング2の底面2Aからハウジング2内に向けて上向きに窪む凹部29が形成され(図2も参照)、凹部29の後端部の上方において幅方向に延びる支持軸30が設けられている。支持軸30の幅方向両端部は、ハウジング2の底壁において凹部29の幅方向両側の部分によって、下側から回動自在に支持されている。
【0039】
そして、検知突起13は、凹部29において、支持軸30に支持されている。詳しくは、検知突起13の各プレート26の後端が支持軸30に接続されている。この状態で、検知突起13は、支持軸30とともに回動自在であり、具体的には、図5に示す突出位置(後述する図6(a)も参照)と、非突出位置(後述する図6(c)参照)との間で回動(変位)自在である。検知突起13は、ばね54(後述する図6および図7参照)によって、常には、非突出位置から突出位置へ向かう方向へ付勢されている。
【0040】
非突出位置にある検知突起13は、図示されていないが、凹部29内に完全に収容されており、換言すれば、ハウジング2内に引っ込んでハウジング2の底面2Aからほとんど突出していない(図6(c)参照)。検知突起13は、ハウジング2が床面Xに配置されて、ハウジング2の底面2Aが床面Xに対して僅かな隙間を隔てて上から対向しているときに、床面Xによって下から押圧されることで、非突出位置に位置決めされている(図6(c)参照)。
【0041】
検知突起13が非突出位置にある状態で、ハウジング2を持ち上げることで、ハウジング2の底面2Aが床面Xからある程度離れると、検知突起13は、その自重および上述したばね54(後述する図6および図7参照)の付勢力によって、凹部29から下側へ外れ、ハウジング2の底面2Aから突出する。このときの検知突起13の位置が、図5に示す突出位置である。つまり、図5では、ハウジング2の底面2Aが床面Xから離れている。
【0042】
そして、開閉部材23と検知突起13とは、リンク機構31によって連結されている。
リンク機構31は、開閉部材23側の支持軸25に一体的に設けられる第1レバー32と、検知突起13側の支持軸30に一体的に設けられる第2レバー33と、第1レバー32と第2レバー33とをつなぐ第3レバー34とを含んでいる。以下では、図5における姿勢を基準として、第1レバー32、第2レバー33および第3レバー34について説明する。
【0043】
第1レバー32は、幅方向に延びる支持軸25と直交しており、支持軸25の左端部から前側へ延びている。
第2レバー33は、幅方向に延びる支持軸30と直交しており、支持軸30の右端部から前上側へ延びている。
第3レバー34は、第1レバー32の前端部と第2レバー33の前側上端部との間に架設されている。
【0044】
第3レバー34の上端部と第1レバー32の前端部とには、幅方向に延びる1本の連結軸35が挿通されている。これにより、第1レバー32と第3レバー34とは、連結軸35を中心として、互いに回動自在である。
また、第3レバー34の下端部と第2レバー33の前側上端部とには、幅方向に延びる1本の連結軸36が挿通されている。これにより、第2レバー33と第3レバー34とは、連結軸36を中心として、互いに回動自在である。
【0045】
図5では、開閉部材23と検知突起13とがリンク機構31によって連結された状態において、上述したように、開閉部材23は、閉位置にあり、検知突起13は、突出位置にある。
ここで、図5では、上述したシャッター7が副吸込口5を閉じた状態が示されている。シャッター7の幅方向両端部は、後側へ折り曲げられており、ハウジング2の幅方向両端部によって、回動自在に支持されている。そのため、シャッター7は、図5に示す状態から後上側(左側面視で反時計回りの方向)へ回動することによって、副吸込口5を前側へ開放する。
【0046】
シャッター7の上端において、幅方向でリンク機構31の第2レバー33と一致する位置には、後側へ延びるリブ37(位置決め部材)が一体的に設けられている(ハッチングを施した部分を参照)。リブ37は、幅方向から見て、シャッター7に連続するように、円弧状に湾曲している。リブ37の後端は、第2レバー33の前側上端部の前側に位置している。
【0047】
図6は、シャッター7、検知突起13、開閉部材23の動きを説明するための、要部左側面図である。
上述したようにハウジング2の底面2Aが床面Xから離れることで開閉部材23が閉位置にあり、かつ、検知突起13が突出位置にある状態が、図6(a)に示されている。
ここで、ハウジング2を下降させ、図6(b)に示すように検知突起13が床面Xによって上向きに押圧されると、突出位置にあった検知突起13は、支持軸30を中心として、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に回動する。このとき、支持軸30と一体化された第2レバー33も、支持軸30を中心として、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に回動する。これにより、第2レバー33に連結された第3レバー34が、上昇しながら、第1レバー32の前端部を、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に押圧する。その結果、第1レバー32は、開閉部材23側の支持軸25に一体化されていることから、支持軸25を中心として、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に回動し、これに伴い、開閉部材23も、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に回動する。
【0048】
そして、図6(c)に示すように、床面Xに配置されるまで(ハウジング2の底面2Aと床面Xとの間隔が僅かになるまで)ハウジング2を下降させると、検知突起13が、左側面視で反時計回りの方向における限界(上限)まで回動し、ハウジング2内(上述した凹部29)に引っ込んでハウジング2の底面2Aからほとんど突出しなくなる。つまり、検知突起13が、非突出位置に到達する。また、このように検知突起13が限界まで回動するのに伴い、開閉部材23も、左側面視で反時計回りの方向における限界(上限)まで回動し、検知突起13が非突出位置に到達するのと同時に、開閉部材23は、開位置に到達する。
【0049】
なお、このように、ハウジング2を下降させる際において、シャッター7は、検知突起13および開閉部材23のいずれにも連動せず、常に、副吸込口5を閉じた状態にある。
そして、図6(c)に示す状態(ハウジング2が床面Xに配置されて開閉部材23が開位置にあり、かつ、検知突起13が非突出位置にある状態)で、ハウジング2を持ち上げると、図6(b)に示すように、検知突起13が、自重および上述したばね54の付勢力によって、支持軸30を中心として、左側面視で時計回りの方向(下向き)に回動する。このとき、第2レバー33も、支持軸30を中心として、左側面視で時計回りの方向(下向き)に回動する。これにより、第2レバー33に連結された第3レバー34が、下降しながら、第1レバー32の前端部を、左側面視で時計回りの方向(下向き)に押圧する。その結果、第1レバー32は、開閉部材23側の支持軸25を中心として、左側面視で時計回りの方向(下向き)に回動し、これに伴い、開閉部材23も、左側面視で時計回りの方向(下向き)に回動する。
【0050】
そして、図6(a)に示すように、さらにハウジング2を持ち上げてハウジング2の底面2Aが床面Xから所定距離だけ離れると、検知突起13が、左側面視で時計回りの方向における限界(下限)まで回動し、ハウジング2の底面2Aから突出する。つまり、検知突起13が、突出位置に到達する。また、このように検知突起13が限界まで回動するのに伴い、開閉部材23も、左側面視で時計回りの方向における限界(下限)まで回動し、検知突起13が突出位置に到達するのと同時に、開閉部材23は、閉位置に到達する。
【0051】
このように、開閉部材23は、図6(c)に示すように検知突起13が非突出位置にあるとき(ハウジング2が床面Xに配置されているとき)には、開位置にあって、上述した連通部分16(図4も参照)を開く。これにより、上述した電気掃除機本体(図示せず)の吸引力がタービン用風路15(図4参照)に作用し、空気が、開口6(図1参照)から流入してタービン用風路15を流れてタービン18を回転させることができ(図4の太い破線矢印参照)、その結果、回転ブラシ10(図4参照)が回転する。
【0052】
その一方で、開閉部材23は、図6(a)に示すように検知突起13が突出位置にあるとき(ハウジング2の底面2Aが床面Xからある程度離れているとき)には、閉位置にあって、連通部分16を閉じる。これにより、主吸込風路14とタービン用風路15との間が遮断されることから電気掃除機本体(図示せず)の吸引力がタービン用風路15に作用せず、空気が開口6(図1参照)から流入してタービン用風路15を流れることができない(図5参照)。そのため、回転ブラシ10(図4参照)の回転が停止する(回転ブラシ10の回転速度が低下する。)。なお、開閉部材23が連通部分16を閉じたとき、回転ブラシ10は、触れても問題ない程度の低速であれば回転していてもよく、この場合、開閉部材23は、連通部分16を完全に閉じていなくてもよい。
【0053】
このように、この吸込具1では、検知突起13によって、ハウジング2が床面Xに配置されているか否かをちゃんと検知し、この検知結果に基づいて、開閉部材23が連通部分16を開閉するので、ハウジング2が床面Xから離れた場合には、確実に回転ブラシ10の回転速度を低下させることができる。
図7は、図6とは別の状態における、シャッター7、検知突起13、開閉部材23の動きを説明するための、要部左側面図である。
【0054】
上述したように副吸込口5が床面Xに上から対向するようにハウジング2を起立させる場合には、ハウジング2の底面2Aが、一旦、床面Xから離れるので、図7(a)に示すように、検知突起13は、突出位置にあり、これに伴い、開閉部材23は、閉位置にある。ここで、図7(a)では、シャッター7は、副吸込口5を閉じた状態にあるとする。
そして、図7(a)に示すように、ハウジング2を、床面Xから浮いた状態で起立させ、床面Xへ向けて下降させると、床面Xにシャッター7の凸部8が上から接触する。これにより、凸部8が床面Xによって下から押圧され、シャッター7は、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に回動する。ここで、この反時計回りの方向は、シャッター7が副吸込口5を開こうとする方向である。
【0055】
このようにシャッター7が、左側面視で反時計回りの方向に回動すると、シャッター7に設けられたリブ37も、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に回動し、その際、検知突起13側の支持軸30に一体的に設けられた第2レバー33を、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に押圧する。これにより、第2レバー33に連結された第3レバー34が、図7(b)に示すように、第1レバー32を、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に押圧する。その結果、第1レバー32は、開閉部材23側の支持軸25を中心として、左側面視で反時計回りの方向に回動し、これに伴い、開閉部材23も、左側面視で反時計回りの方向に回動する。また、リブ37が第2レバー33を左側面視で反時計回りの方向に押圧することで、検知突起13および第2レバー33が、左側面視で反時計回りの方向に回動する。
【0056】
さらにハウジング2を下降させ、図7(c)に示すように、シャッター7が副吸込口5を完全に開くと、検知突起13は、左側面視で反時計回りの方向における限界まで回動し、非突出位置に到達する。これと同時に、開閉部材23も、左側面視で反時計回りの方向における限界まで回動し、開位置に到達する。この状態で、第2レバー33が、シャッター7のリブ37に接触されることで、同じ姿勢を維持していることから、検知突起13が非突出位置にある状態、および、開閉部材23が開位置にある状態がともに維持されている。つまり、シャッター7が副吸込口5を開いたときに、リブ37が、検知突起13を非突出位置に位置決めしている。
【0057】
ハウジング2が起立すると、ハウジング2の底面2Aが床面Xから離れてしまうので、リブ37が設けられていない場合、このままでは、図7(a)に示すように、検知突起13が突出位置に変位し、これに応じて開閉部材23が連通部分16を閉じることで回転ブラシ10(図4参照)の回転が停止してしまう。この場合、副吸込口5では、回転する回転ブラシ10によって上述した狭い箇所(壁と家具との間)における床面Xの塵埃を効率的に吸い込むことができない。また、突出位置に変位した検知突起13が壁や家具に干渉することで、ハウジング2を壁と家具との間に円滑に差し込むことができなくなる虞がある。
【0058】
そこで、リブ37が、図7(c)に示すようにシャッター7が副吸込口5を開いたときに、上述したように検知突起13を非突出位置に位置決めするので、この状態でハウジング2を起立させても、検知突起13は、引き続き非突出位置にあり、開閉部材23は、連通部分16を開く。そのため、ハウジング2を起立させた状態では、非突出位置にある検知突起13が邪魔にならないので、ハウジング2を壁と家具との間に円滑に差し込むことができ、そして、回転ブラシ10(図4参照)が回転できることから、副吸込口5では、上述した狭い箇所の塵埃を効率的に吸い込むことができる。これにより、検知突起13の破損を防止し、また、中断することなく、掃除をすることができる。
【0059】
図8は、ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を左後側から見た斜視図であって、開閉部材23が開位置にあり、かつ、検知突起13が非突出位置にある状態を示している。図9は、ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を左後側から見た斜視図であって、開閉部材23が閉位置にあり、かつ、検知突起13が突出位置にある状態を示している。
【0060】
次に、図8および図9を参照して、検知突起13の周辺について説明する。
なお、上述の説明では、図5および図6等に示すように、検知突起13の回動軸である支持軸30が、検知突起13の後側にあったが、図8および図9では、支持軸30が、検知突起13の前側(図8および図9における右側)にある。これに伴い、リンク機構31の各レバー32〜34の延びる向きが変更されているが、この場合でも、検知突起13が非突出位置にあるときには、開閉部材23が開位置にあり(図8参照)、検知突起13が突出位置にあるときには、開閉部材23が閉位置にある(図9参照)。
【0061】
図8に示すように、支持軸30の左端部(図8における下端部)には、幅方向から見て略U字状のレバー38の一端38Aが一体的に設けられている。そのため、レバー38は、検知突起13および支持軸30と一体となって回動することができる(図8および図9参照)。ここで、ハウジング2内において、検知突起13が配置される凹部29の左側には、レバー38が収容される収容室39が区画されている。
【0062】
図10は、レバー38の動きを説明するための、吸込具1の要部左側断面図であって、(a)は、ハウジング2の底面2Aが床面Xに上から対向しつつ、検知突起13が突出位置にある状態を示し、(b)は、ハウジング2の底面2Aが床面Xに上から対向しつつ、検知突起13が非突出位置にある状態を示し、(c)は、ハウジング2の天面が床面Xに上から対向しつつ、検知突起13が突出位置にある状態を示している。
【0063】
図10(a)および図10(b)に示すように、収容室39は、幅方向から見て、レバー38の回動領域より僅かに広い空間である。そして、収容室39内には、略U字状のレバー38の内側にちょうど嵌り得る大きさのボール40が配置されている(ハッチングを施した部分を参照)。
ハウジング2の底面2Aが、床面Xに対して上から対向している状態では、検知突起13が突出位置にある状態(図10(a)参照)、および、検知突起13が非突出位置にある状態(図10(b)参照)を問わず、ボール40は、レバー38の内側に嵌っており、この状態で、レバー38は、収容室39内で円滑に回動することができる。これに伴い、この状態では、検知突起13も、突出位置と非突出位置との間で円滑に回動することができる。
【0064】
しかし、図10(c)に示すように、ハウジング2の上下の向きを、図10(a)の状態から逆にし、ハウジング2において、底面2Aでなく、天面を床面Xに対して上から対向させると、ボール40が、自重によってレバー38の内側から外れ、収容室39の隅(図10(c)では下端)に落ち込んでしまう。こうなると、ボール40がレバー38の回動領域内に存在することから、レバー38が回動できなくなり、これに伴い、検知突起13は、突出位置にある状態から動けなくなってしまう。
【0065】
なお、図10(c)の状態から、ハウジング2の上下の向きを逆にすると、その途中で、ボール40が自重によって収容室39内で落下してレバー38の内側に再び収まるので(図10(a)参照)、その後、レバー38および検知突起13は、再び円滑に回動することができる。
図11は、変形例に係る吸込具1の正面図であって、ハウジング2を断面で示している。
【0066】
図11に示すように、変形例に係る吸込具1では、主吸込風路14に対して、タービン用風路15の左端部15Aが、右から連通している。これにより、主吸込風路14とタービン用風路15との連通部分16は、主吸込風路14(またはベンドパイプ3の前端)の右側面に形成される穴である。
そして、連通部分16を開閉する開閉部材23は、上述した幅方向に長手の1枚の板状でなく(図5参照)、上下にやや長手で上部が丸められた1対の板状である。
【0067】
図12は、変形例に係る吸込具1の左側断面図であって、(a)は、ハウジング2が床面Xに配置された状態を示し、(b)は、ハウジング2が持ち上げられてハウジング2の底面2Aが床面Xから離れた状態を示している。
図12に示すように、変形例に係る吸込具1では、検知突起13に、上述したローラ12(図3参照)が取り付けられているが、検知突起13は、上述した実施例と同様に、非突出位置(図12(a)参照)と、突出位置(図12(b)参照)とに変位する(支持軸30を中心として回動する)ことができる。
【0068】
図13は、変形例に係る開閉部材23の動きを説明する図である。
次に、図13を参照して、変形例に係る開閉部材23の、検知突起13の回動に伴う動きについて説明する。
まず、図13(a)を参照して、一対の開閉部材23は、いわゆる観音開きができるように、図13(a)においては、左右(実際には前後)に並べて配置されている。この状態で、1対の開閉部材23は、紙面奥側の連通部分16(図11参照)を閉じている。
【0069】
図13(b)は、図13(a)の開閉部材23周辺を上から見た図である。ここで、一対の開閉部材23のうち、図13において、左側の開閉部材23を第1開閉部材23Aとし、右側の開閉部材23を第2開閉部材23Bとする。
図13(a)および図13(b)に示すように、第1開閉部材23Aの左端部には、連通部分16から離れる方向(図13(a)では手前側であり、図13(b)では下側)へ突出する凸部(第1凸部41)が一体的に設けられており、第1凸部41において、第1開閉部材23A側(連通部分16側)に偏った位置には、上下(図13(b)では紙面に垂直な方向)に延びる軸(第1軸42)が挿通され、ハウジング2に支持されている。これにより、第1開閉部材23Aは、第1軸42を中心として回動自在であり、常には、図示しない付勢部材によって、連通部分16を閉じる方向へ付勢されている。
【0070】
そして、第2開閉部材23Bの右端部には、連通部分16から離れる方向へ突出する凸部(第2凸部43)が一体的に設けられており、第2凸部43には、上下に延びる軸(第2軸44)が挿通され、ハウジング2に支持されている。これにより、第2開閉部材23Bは、第2軸44を中心として回動自在であり、常には、図示しない付勢部材によって、連通部分16を閉じる方向へ付勢されている。
【0071】
このように、一対の開閉部材23は、常には、上述した閉位置に位置するように付勢されている。
一対の開閉部材23の下側(図13(b)では奥側)には、スライド板45が配置されている。スライド板45は、図13においては、左右にスライド自在となるように、ハウジング2に支持されている。
【0072】
図13(b)を参照して、スライド板45において、そのスライド方向(図13における左右方向)から見て、第1開閉部材23Aの第1凸部41(詳しくは第1凸部41において第1軸42よりも第1開閉部材23Aから離れた部分)と一致する位置には、第1凸部41側(上側であり、図13(b)では手前側)へ突出する突起(第1突起46)が一体的に設けられている。
【0073】
図13(b)を参照して、スライド板45において、そのスライド方向(図13における左右方向)から見て、第2開閉部材23Bの右端部と一致する位置には、第2開閉部材23Bの右端部側(上側であり、図13(b)では手前側)へ突出する突起(第2突起47)が一体的に設けられている。
そして、スライド板45において、第1突起46と第2突起47とに挟まれた領域には、スライド板45を肉厚方向(図13(b)において紙面に垂直な方向)において貫通する切欠き48が形成されている。切欠き48に関連して、図13(a)に示すように、検知突起13の支持軸30には、支持軸30に直交して延びる角部49が一体的に設けられており、角部49は、切欠き48に対して、常に、下から嵌っている。
【0074】
図13(a)および図13(b)に示すように検知突起13は突出位置にある場合には、スライド板45において、第1突起46が、第1開閉部材23Aの第1凸部41に対して、右側に位置し、第2突起47が、第2開閉部材23Bの右端部に対して、右側に位置している。このとき、一対の開閉部材23は、閉位置にある。
この状態で、ハウジング2を上述した床面Xに配置することで(図12(a)参照)、検知突起13を、突出位置(図13(a)参照)から、非突出位置(図13(e))へ向けて、図13(a)における反時計回りの方向に回動させる。これに伴い、検知突起13の支持軸30に設けられた角部49が、切欠き48に嵌った状態で、左側へ移動する。これにより、スライド板45全体が、左側へ移動する。
【0075】
スライド板45の左側への移動に伴い、スライド板45において、第1突起46が、第1開閉部材23Aの第1凸部41を右側から押圧し、第2突起47が、第2開閉部材23Bの右端部を右側から押圧する。これにより、図13(c)に示すように、第1開閉部材23Aが、上述した付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して、第1軸42を中心として、連通部分16から離れる方向へ回動する。同時に、第2開閉部材23Bが、上述した付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して、第2軸44を中心として、連通部分16から離れる方向へ回動する。そのため、連通部分16が次第に開かれていく。
【0076】
そして、検知突起13を非突出位置まで回動させることで、スライド板45をさらに左側へ移動させる。これにより、図13(d)および図13(e)に示すように、第1開閉部材23Aおよび第2開閉部材23Bのそれぞれが目一杯まで回動して開位置に到達し、連通部分16が完全に開かれる。なお、この状態で検知突起13を突出位置へ向けて回動させると、上述した手順とは逆の手順により、スライド板45が右側へスライドし、一対の開閉部材23は、閉位置に至り、連通部分16を閉じる(図13(a)および図13(b)参照)。
【0077】
このように、変形例に係る吸込具1でも、検知突起13が非突出位置にあるときには、開閉部材23が開位置にあり(図13(d)および図13(e)参照)、検知突起13が突出位置にあるときには、開閉部材23が閉位置にある(図13(a)および図13(b)参照)。
図14は、ハウジング2の右側断面図であって、ハウジング2を分解する様子を示している。図15は、図14のハウジング2とは別の形態に係るハウジング2の右側断面図であって、ハウジング2を分解する様子を示している。
【0078】
図14に示すように、ハウジング2内のメンテナンスをする場合には、上述したように、タービンプーリー20とブラシプーリー21との間に巻回されたベルト50を、ブラシプーリー21から外す(図14(a)および図14(b)参照)。そして、回転ブラシ10をハウジング2から取り外す(図14(b)参照)。
ここで、ハウジング2において、タービン用風路15をなす部分は、タービン18およびタービンプーリー20とともにユニット化されて、タービンユニット51を構成している。タービンユニット51には、ハウジング2(タービンユニット51以外の部分)に係合する爪52が設けられている(図14(b)参照)。
【0079】
上述したようにベルト50をブラシプーリー21から外した状態で、図14(c)に示すように、タービンユニット51を、太い実線矢印で示す方向へ捩じると、爪52がハウジング2から外れるので、タービンユニット51を、ハウジング2から分離することができる。
図15では、タービンプーリー20とブラシプーリー21との間に中継プーリー53を配置して、タービンプーリー20と中継プーリー53との間、および、ブラシプーリー21と中継プーリー53との間のそれぞれにベルト50を巻回している構成が示されている(図15(a)参照)。
【0080】
この場合においても、図14の場合と同様に、まず、ベルト50をブラシプーリー21から外し、その後、タービンユニット51を捩じることで、タービンユニット51(ここでは中継プーリー53も含まれる。)を、ハウジング2から分離することができる(図15(b)参照)。
タービンユニット51に水が入ると、その後のタービン18の動きに支障が生じる虞があることから、タービンユニット51が濡れることは好ましくないが、このようにタービンユニット51をハウジング2から分離すれば、吸込具1においてタービンユニット51以外の部分を丸ごと水洗いすることができる。
【0081】
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】この発明の一実施形態に係る電気掃除機用吸込具1を右前側から見た斜視図である。
【図2】吸込具1の底面図である。
【図3】吸込具1の左側断面図である。
【図4】ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を右上側から見た斜視図である。
【図5】ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を左上側から見た斜視図であって、開閉部材23が追加されている。
【図6】シャッター7、検知突起13、開閉部材23の動きを説明するための、要部左側面図である。
【図7】図6とは別の状態における、シャッター7、検知突起13、開閉部材23の動きを説明するための、要部左側面図である。
【図8】ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を左後側から見た斜視図であって、開閉部材23が開位置にあり、かつ、検知突起13が非突出位置にある状態を示している。
【図9】ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を左後側から見た斜視図であって、開閉部材23が閉位置にあり、かつ、検知突起13が突出位置にある状態を示している。
【図10】レバー38の動きを説明するための、吸込具1の要部左側断面図であって、(a)は、ハウジング2の底面2Aが床面Xに上から対向しつつ、検知突起13が突出位置にある状態を示し、(b)は、ハウジング2の底面2Aが床面Xに上から対向しつつ、検知突起13が非突出位置にある状態を示し、(c)は、ハウジング2の天面が床面Xに上から対向しつつ、検知突起13が突出位置にある状態を示している。
【図11】変形例に係る吸込具1の正面図であって、ハウジング2を断面で示している。
【図12】変形例に係る吸込具1の左側断面図であって、(a)は、ハウジング2が床面Xに配置された状態を示し、(b)は、ハウジング2が持ち上げられてハウジング2の底面2Aが床面Xから離れた状態を示している。
【図13】変形例に係る開閉部材23の動きを説明する図である。
【図14】ハウジング2の右側断面図であって、ハウジング2を分解する様子を示している。
【図15】図14のハウジング2とは別の形態に係るハウジング2の右側断面図であって、ハウジング2を分解する様子を示している。
【符号の説明】
【0083】
1 電気掃除機用吸込具
2 ハウジング
2A 底面
3 ベンドパイプ
3A 前端
3B 後端
4 主吸込口
5 副吸込口
6 開口
7 シャッター
10 回転ブラシ
13 検知突起
14 主吸込風路
15 タービン用風路
16 連通部分
18 タービン
23 開閉部材
37 リブ
X 床面
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気掃除機用吸込具に関し、特に、電気掃除機に装着されて使用され、被清掃面上の塵挨を吸い込んで電気掃除機本体へ送るための吸込具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気掃除機用の吸込具では、ハウジングにおいて床面に対向する面に形成された吸込口に回転ブラシが配設されており、この回転ブラシを回転させて床面の塵埃を掻き上げ、掻き上げた塵埃を吸込口から電気掃除機本体側へ送ることで、床面の清掃を行う。
また、タービンを内蔵し、電気掃除機本体の吸引力によってハウジング内に空気が吸い込まれる際に、その空気の流れを利用してタービンが回転することで生じた回転力によって回転ブラシを回転させる吸込具も知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の吸口体(吸込具に相当する。)には、底面に吸込口が形成されており、この吸込口に臨んで回転ブラシを収容するブラシ室と、タービンを収納するタービン室とが設けられており、また、タービン室に外気を流入させるための吸気口が形成されている。そして、吸口体には、掃除機本体側に接続される吸口継手が設けられている。
このような吸口体において、吸気口からタービン室に流入した外気と、吸込口からブラシ室に吸い込まれた空気および塵埃とは、合流した後に、吸口継手を通過して掃除機本体側に送られる。
【特許文献1】特開2002−272653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の吸口体では、電気掃除機本体の吸引力が発生している最中に吸口体を持ち上げて床面から離すと、吸込口全体が開放されることで吸込口から吸引される空気の量が増え、それに応じて、逆に、吸気口からタービン室に流入する外気の量が減少する。これにより、電気掃除機本体の吸引力が発生している最中に吸口体を床面から離しても、タービンがほとんど回転しないので、回転ブラシもほとんど回転しなくなり、この状態で吸込口に誤って手を入れて回転ブラシに触れても安全である。
【0005】
しかし、更なる安全性向上のため、吸口体を床面から離した場合に、より確実に回転ブラシの回転速度を低下させることができると望ましい。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、ハウジング内に吸い込まれる空気の流れを利用してタービンが回転することで生じた回転力によって回転ブラシを回転させる構成において、床面から離れた場合に確実に回転ブラシの回転速度を低下させることができる電気掃除機用吸込具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、底面に主吸込口が形成され、前記主吸込口とは別位置に開口が形成されたハウジングと、一端は前記ハウジングに連結され、他端は前記ハウジングから突出していて、電気掃除機本体と接続され得るベンドパイプと、前記ハウジングに回転可能に設けられ、前記主吸込口に臨む回転ブラシと、前記ハウジングに区画され、前記主吸込口から前記ベンドパイプの一端へと連通する主吸込風路と、前記ハウジングに前記主吸込風路とは別に区画され、前記開口から前記主吸込風路へと連通するタービン用風路と、前記タービン用風路に設けられ、前記開口から流入して前記タービン用風路を流れる空気により回転され、その回転力によって前記回転ブラシを回転させるタービンと、前記ハウジングの底面に備えられ、前記ハウジングの底面が床面から離れることで底面から突出した突出位置と、前記ハウジングが床面に配置されることで前記ハウジング内に引っ込んで底面から突出しない非突出位置とに変位する突起と、前記主吸込風路と前記タービン用風路との連通部分に設けられ、前記突起が非突出位置にあるときには前記連通部分を開く一方で、前記突起が突出位置にあるときには前記連通部分を閉じる開閉部材と、を含むことを特徴とする、電気掃除機用吸込具である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記開閉部材は、前記連通部分を閉じているときには、前記主吸込風路の内面に略沿うように配置されることを特徴とする、請求項1記載の電気掃除機用吸込具である。
請求項3記載の発明は、前記ハウジングの前面には、前記主吸込風路に連通する副吸込口が形成され、前記回転ブラシは、前記主吸込口および前記副吸込口に臨み、前記副吸込口を開閉可能に覆うシャッターと、前記シャッターが前記副吸込口を開いたときに、前記突起を非突出位置に位置決めする位置決め部材と、を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の電気掃除機用吸込具である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、この電気掃除機用吸込具では、床面の塵埃を含む空気が、電気掃除機本体の吸引力によって、ハウジングの底面の主吸込口からハウジング内に吸い込まれて主吸込風路を流れた後に、ハウジングに回動自在に連結されたベンドパイプの一端からベンドパイプ内に流入し、その後、電気掃除機本体へ送られる。ここで、回転ブラシが回転して床面の塵埃を掻き上げるので、主吸込口では、床面の塵埃を効率的に吸い込むことができる。
【0009】
ハウジングには、開口が、主吸込口とは別位置に形成されており、開口から主吸込風路へと連通するタービン用風路に設けられたタービンが、電気掃除機本体の吸引力によって開口から流入してタービン用風路を流れる空気により回転され、その回転力によって回転ブラシを回転させる。タービン用風路を流れた空気は、主吸込風路とタービン用風路との連通部分において、主吸込風路を流れる空気および塵埃と合流し、電気掃除機本体へ送られる。
【0010】
ここで、ハウジングの底面には、突起が備えられている。突起は、ハウジングの底面が床面から離れると、底面から突出した突出位置に変位し、ハウジングが床面に配置されると、ハウジング内に引っ込んで底面から突出しない非突出位置に変位する。
そして、上述した連通部分には、開閉部材が設けられている。
開閉部材は、突起が非突出位置にあるとき(ハウジングが床面に配置されているとき)には、連通部分を開くので、電気掃除機本体の吸引力がタービン用風路に作用し、空気が、開口から流入してタービン用風路を流れてタービンを回転させることができる。これにより、回転ブラシが回転する。
【0011】
一方、開閉部材は、突起が突出位置にあるとき(ハウジングの底面が床面から離れているとき)には、連通部分を閉じるので、主吸込風路とタービン用風路との間が遮断されることから電気掃除機本体の吸引力がタービン用風路に作用せず、空気が開口から流入してタービン用風路を流れることができない。これにより、回転ブラシの回転が停止する(回転ブラシの回転速度が低下する。)。
【0012】
このように、この電気掃除機用吸込具では、突起によって、ハウジングが床面に配置されているか否かを検知し、この検知結果に基づいて、開閉部材が連通部分を開閉するので、ハウジングが床面から離れた場合には、確実に回転ブラシの回転速度を低下させることができる。
請求項2記載の発明によれば、開閉部材は、連通部分を閉じているときには、主吸込風路の内面に略沿うように配置されるので、開閉部材が、主吸込風路を流れる空気の妨げにならず、主吸込風路における流路損失や騒音を低減することができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、ハウジングの前面には、主吸込風路に連通する副吸込口が形成され、回転ブラシは、主吸込口および副吸込口に臨んでいる。そして、副吸込口は、シャッターによって開閉可能に覆われている。このため、シャッターが副吸込口を開いたときには、電気掃除機用吸込具では、主吸込口および副吸込口の両方から塵埃を吸い込むことができる。特に、この電気掃除機用吸込具では、床面において例えば壁と家具とに挟まれた狭い部分を掃除したい場合、開かれた副吸込口が床面に対向するようにハウジングを起立させることで壁と家具との間にハウジングを差し込み、この狭い部分の塵埃を副吸込口から吸い込むことができる。
【0014】
このようにハウジングが起立すると、ハウジングの底面が床面から離れてしまうので、このままでは、突起が突出位置に変位し、これに応じて開閉部材が連通部分を閉じることで回転ブラシの回転が停止してしまう。この場合、副吸込口では、回転する回転ブラシによって上述した狭い部分の塵埃を効率的に吸い込むことができない。また、突出位置に変位した突起が壁や家具に干渉することで、ハウジングを壁と家具との間に円滑に差し込むことができなくなる虞がある。
【0015】
そこで、位置決め部材が、シャッターが副吸込口を開いたときに、突起を非突出位置に位置決めするので、この状態でハウジングを起立させても、突起は、引き続き非突出位置にあり、開閉部材は、連通部分を開く。そのため、ハウジングを起立させた状態では、非突出位置にある突起が邪魔にならないので、ハウジングを壁と家具との間に円滑に差し込むことができ、そして、回転ブラシが回転できることから、副吸込口では、上述した狭い部分の塵埃を効率的に吸い込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る電気掃除機用吸込具1を右前側から見た斜視図である。以下では、図1における吸込具1の姿勢を基準として、吸込具1の前後左右方向を規定する。図1において、手前側が前側であり、奥側が後側である。また、左右方向は、幅方向と同義である。なお、図1の吸込具1は、床面X上に配置されて床面X上を清掃可能な状態にある。
【0017】
図1を参照して、吸込具1は、ハウジング2とベンドパイプ3とを含んでいる。
ハウジング2は、幅方向に長手かつ上下方向に扁平で中空のボックス形状である。ハウジング2の天面の右側部分は、上向きに円弧状に膨出している。ハウジング2の底面2Aには、主吸込口4(図1では図示されておらず、後述する図2参照)が形成されている。ハウジング2の前面には、副吸込口5が形成されている。副吸込口5は、ハウジング2の前面のほぼ全域に亘る大きさを有する幅方向に長手の矩形状である。ハウジング2の右面の後側(主吸込口4とは別の位置)には、上向きに膨出する略半円形状の開口6が形成されている。開口6は、所定の大きさの網目を有するネット24によって覆われている。主吸込口4、副吸込口5および開口6は、ハウジング2内に連通している。
【0018】
ハウジング2の前面には、シャッター7が設けられている。シャッター7は、幅方向に長手の板状である。シャッター7は、幅方向から見て、前上側へ円弧状に膨出するように、湾曲している(後述する図3も参照)。シャッター7の下端部の幅方向全領域には、前上側へ突出する凸部8が一体的に設けられている。シャッター7は、前上側から、副吸込口5を開閉可能に覆っている(図1では、シャッター7が副吸込口5を閉じた状態が示されている。)。
【0019】
ハウジング2の後面の幅方向中央には、接続筒9が取り付けられている。接続筒9は、前後方向に延びる中心軸を有する略円筒状であり、ハウジング2の後面に対して後から挿通され、ハウジング2によって、上述した中心軸を中心として回動自在に支持されており、ハウジング2の一部となっている。接続筒9の内部は、ハウジング2内に連通している。接続筒9の後端面と外周部分の周上1箇所とは、連続して切欠かれており、切欠き部9Aとされる。
【0020】
ベンドパイプ3は、図1では前後方向に長手であり、その前端3Aは、略球体状に形成されている。ベンドパイプ3の前端3Aは、ハウジング2の接続筒9の切欠き部9Aに対して後から挿通されており、これによって、ベンドパイプ3は、接続筒9(ハウジング2)によって支持されている。詳しくは、ベンドパイプ3では、前端3A(一端)がハウジング2に連結され、後端3B(他端)は、ハウジング2から後側へ突出している。この状態で、ベンドパイプ3は、前端3Aを支点として、接続筒9に対して回動自在である。図1では、ベンドパイプ3は、上下に回動自在である。そして、接続筒9が、前後方向に延びる中心軸を中心として回動自在であることから、ベンドパイプ3は、接続筒9に対して回動しつつ、接続筒9とともに、前後方向に延びる中心軸を中心として回動することができる。ベンドパイプ3の内部は、接続筒9の内部を介して、ハウジング2内に連通している。ベンドパイプ3の後端3Bは、ホース(図示せず)等を介して、電気掃除機本体(図示せず)に接続される。
【0021】
電気掃除機本体(図示せず)が運転されると、電気掃除機本体(図示せず)では吸引力が発生し、この吸引力が、ベンドパイプ3およびハウジング2の内部に作用する。これにより、ハウジング2の底面の上述した主吸込口4(図2参照)から、ハウジング2の外部の空気がハウジング2内に吸引される。そのため、主吸込口4を床面Xに対向させると、床面X上の塵埃が、主吸込口4からハウジング2内に吸引される空気に乗って、主吸込口4からハウジング2内に吸引され、その後、ベンドパイプ3、上述したホース(図示せず)を介して、電気掃除機本体(図示せず)に至り、電気掃除機本体(図示せず)内に溜められる。
【0022】
ここで、シャッター7が副吸込口5を開いていれば、主吸込口4だけでなく、副吸込口5からもハウジング2内に塵埃を吸引することができる。例えば、ハウジング2の底面2Aの主吸込口4でなく、副吸込口5が床面Xに上から対向するように、ハウジング2を起立させる。そうすると、ハウジング2において、副吸込口5側が底面となってベンドパイプ3側が天面となることで、ハウジング2が、前後方向(水平方向)に薄くなるので、壁と家具との間といった狭い箇所にハウジング2を差し込むことができる。そして、このような狭い箇所における床面Xの塵埃を、副吸込口5からハウジング2内に吸引することができる。
【0023】
なお、開口6の役割については、以降で説明する。
図2は、吸込具1の底面図である。
図2に示すように、上述した主吸込口4は、ハウジング2の底面2Aにおいて前側(図2における右側)に偏った位置に形成されている。主吸込口4は、幅方向(図2における上下方向)に長手の矩形状である。
【0024】
ハウジング2内には、回転ブラシ10が設けられている。回転ブラシ10は、幅方向に沿って延びる回転軸10Aと、回転軸10Aの外周面に植立されたブラシ10Bとを備えている。回転軸10Aの左端部は、軸受22(後述する図4参照)を介して、ハウジング2の左端部によって回転自在に支持されており、回転軸10Aの右端部は、軸受22(後述する図4参照)を介して、ハウジング2の右端部によって回転自在に支持されている。この状態で、回転ブラシ10の下側部分は、主吸込口4から下側へ露出されている。つまり、回転ブラシ10は、ハウジング2に回転可能に設けられ、主吸込口4に臨んでいる。
【0025】
そして、ハウジング2の後面(図2における左面)には、接続筒9を幅方向から挟みつつ後側へ延びる一対の延設部11が一体的に設けられている。各延設部11の後端には、ローラ12が回転自在に設けられている。ローラ12が床面X(図1および後述する図3を参照)上で回転することによって、ハウジング2を床面X上で円滑に移動させることができる。
【0026】
また、ハウジング2の底面2Aにおける主吸込口4より後側の部分において左側(図2における上側)の領域には、検知突起13(突起)が備えられている。検知突起13の役割については、以降で説明する。
図3は、吸込具1の左側断面図である。
図3に示すように、ハウジング2内には、主吸込風路14が区画されている。主吸込風路14は、太い破線矢印で示すように、主吸込口4から後上側(図3では左上側)へ延び、ベンドパイプ3の前端3Aへと連通している。ここで、上述した接続筒9の内部は、主吸込風路14の一部をなしている。
【0027】
ここで、上述した副吸込口5は、主吸込風路14に対して、前側から連通している。また、回転ブラシ10は、主吸込口4だけでなく、副吸込口5にも臨んでいる。
図3に示すように主吸込口4が床面Xに対して上から対向した状態において電気掃除機本体(図示せず)が運転されると、電気掃除機本体(図示せず)で発生した吸引力は、ベンドパイプ3内および主吸込風路14内に作用する。これにより、床面X上の塵埃は、主吸込口4からハウジング2内に吸引され、主吸込風路14を通って、ベンドパイプ3へ向かう。ここで、回転ブラシ10が回転されることによって、床面X上の塵埃は、回転ブラシ10(詳しくは主吸込口4から床面Xへ露出されたブラシ10B)によって、主吸込口4へ向けて掻き上げられる。これにより、床面X上の塵埃は、主吸込口4からハウジング2(主吸込風路14)内に効率的に吸引される。
【0028】
図4は、ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を右上側から見た斜視図である。
図4に示すように、主吸込風路14は、幅方向に長手の主吸込口4とハウジング2の後面の幅方向中央に配置されたベンドパイプ3とを連通させていることから、上から見て、後側ヘ向かって幅狭となる凸状をなしている。
【0029】
ここで、ハウジング2内には、タービン用風路15が、主吸込風路14とは別に区画されている。タービン用風路15は、ハウジング2内において、右後側(主吸込口4の右側部分より後側)の領域に区画されている。タービン用風路15は、幅方向に延びている。タービン用風路15の右端部は、上述したハウジング2の右面の開口6(図1参照)に連通している。タービン用風路15の左端部15Aは、幅方向に長手で中空のボックス形状であり、主吸込風路14の後端部(詳しくは接続筒9より手前側の部分)に上から連通している。つまり、タービン用風路15は、開口6(図1参照)から主吸込風路14へと連通している。
【0030】
主吸込風路14とタービン用風路15(左端部15A)との連通部分16は、主吸込風路14の後端部の上側部分に形成されている。連通部分16は、主吸込風路14に沿って後上側へ延びる幅広で略U字状の縁17(ハッチングを施した部分を参照)によって区画された幅広で略矩形状の穴である。
そして、タービン用風路15には、タービン18が設けられている。タービン18は、幅方向に延びる回転軸18Aと、回転軸18Aに固定された羽根18Bとを一体的に備えている。回転軸18Aの右端部は、軸受19を介して、ハウジング2の右端部に回転自在に支持されている。そのため、タービン18全体は、回転軸18Aを中心として回転自在である。
【0031】
ここで、タービン18の回転軸18Aの右端部(詳しくは軸受19より左側の部分)には、プーリー(タービンプーリー20という。)が取り付けられており、回転ブラシ10の回転軸10Aの右端部(詳しくは右側の軸受22より左側の部分)には、プーリー(ブラシプーリー21という。)が取り付けられている。タービンプーリー20とブラシプーリー21とは、幅方向において、ほぼ同じ位置にあり、タービンプーリー20とブラシプーリー21との間には、歯付きベルト50(図4では図示せず、後述する図14を参照)が巻回されている。これにより、回転ブラシ10とタービン18とが連結されている。
【0032】
上述したように、電気掃除機本体(図示せず)が運転されることによって電気掃除機本体(図示せず)で吸引力が発生すると、この吸引力は、上述したようにベンドパイプ3内および主吸込風路14内に作用し、さらに、連通部分16を介して、タービン用風路15内にも作用する。これにより、ハウジング2の外の空気が、開口6(図1参照)からタービン用風路15内に流入してタービン用風路15内を左側へ流れ、連通部分16から主吸込風路14に至る(図示した太い破線矢印参照)。そして、タービン18は、このように開口6から流入してタービン用風路15内を流れる空気を羽根18Bで受けることによって、この空気により回転される。タービン18が回転することによって、上述したようにタービン18に連結された回転ブラシ10も回転する。換言すれば、タービン18は、その回転力によって、回転ブラシ10を回転させる。なお、上述したように開口6がネット24によって覆われているので(図1参照)、ハウジング2の外の塵埃が、空気に伴われて開口6からタービン用風路15内に流入することはない。
【0033】
図5は、ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を左上側から見た斜視図であって、開閉部材23が追加されている。
図5を参照して、連通部分16には、開閉部材23が設けられている。開閉部材23は、幅方向に長手の1枚の板状であり、上述したようにタービン用風路15において幅方向に長手で中空のボックス形状である左端部15Aにちょうど収まる大きさを有している。
【0034】
開閉部材23の後縁(図5において上端で幅方向に延びる縁)には、幅方向に沿って延びる支持軸25が一体的に設けられている。支持軸25の右端部は、タービン用風路15の左端部15Aの右壁15Bの上端部に左から挿通され、支持軸25の左端部は、タービン用風路15の左端部15Aの左壁15Cの上端部に右から挿通され、左壁15Cより左側まで突出している。これにより、開閉部材23は、支持軸25を中心として、タービン用風路15の左端部15Aによって回動自在に支持されている。
【0035】
具体的に、開閉部材23は、図5に示すように前下側へ傾斜する閉位置と、略水平に沿う開位置(後述する図6(c)を参照)との間で回動自在である。
閉位置にある開閉部材23は、上述したように後上側へ延びて連通部分16を区画する縁17(図4参照)のほぼ全域に対して上から当接し、これにより、連通部分16を閉じている(図3も参照)。このとき、開閉部材23は、前下側へ傾斜していることから、後上側へ延びる主吸込風路14の内面に略沿うように配置されている(図3参照)。そのため、開閉部材23が、主吸込風路14を流れる空気の妨げにならず、主吸込風路14における流路損失や騒音を低減することができる。ここで、流路損失を低減することができれば、閉位置にある開閉部材23を、円滑に開位置へ回動させることができる。
【0036】
開位置にある開閉部材23は、縁17(図4参照)に対して上側へ離間することで(図示せず)、連通部分16を開く(図6(c)を参照)。
このように、開閉部材23は、回動することによって連通部分16を開閉するので、たとえば縁17(図4参照)と平行にスライドすることによって連通部分16を開閉する場合と比べて、開閉部材23と縁17との間にごみ等の異物が詰まりにくく、開閉部材23は、円滑に連通部分16を開閉することができる。
【0037】
ここで、上述したように、ハウジング2の底面2Aには、検知突起13が備えられている。
図5では、検知突起13は、幅方向に間隔を隔てて配置される一対のプレート26と、1対のプレート26の前端部の間に架設される軸27(点線で示した部分を参照)と、軸27に回転自在に支持されるころ28とを含んでいる。
【0038】
検知突起13に関連して、ハウジング2の底壁には、ハウジング2の底面2Aからハウジング2内に向けて上向きに窪む凹部29が形成され(図2も参照)、凹部29の後端部の上方において幅方向に延びる支持軸30が設けられている。支持軸30の幅方向両端部は、ハウジング2の底壁において凹部29の幅方向両側の部分によって、下側から回動自在に支持されている。
【0039】
そして、検知突起13は、凹部29において、支持軸30に支持されている。詳しくは、検知突起13の各プレート26の後端が支持軸30に接続されている。この状態で、検知突起13は、支持軸30とともに回動自在であり、具体的には、図5に示す突出位置(後述する図6(a)も参照)と、非突出位置(後述する図6(c)参照)との間で回動(変位)自在である。検知突起13は、ばね54(後述する図6および図7参照)によって、常には、非突出位置から突出位置へ向かう方向へ付勢されている。
【0040】
非突出位置にある検知突起13は、図示されていないが、凹部29内に完全に収容されており、換言すれば、ハウジング2内に引っ込んでハウジング2の底面2Aからほとんど突出していない(図6(c)参照)。検知突起13は、ハウジング2が床面Xに配置されて、ハウジング2の底面2Aが床面Xに対して僅かな隙間を隔てて上から対向しているときに、床面Xによって下から押圧されることで、非突出位置に位置決めされている(図6(c)参照)。
【0041】
検知突起13が非突出位置にある状態で、ハウジング2を持ち上げることで、ハウジング2の底面2Aが床面Xからある程度離れると、検知突起13は、その自重および上述したばね54(後述する図6および図7参照)の付勢力によって、凹部29から下側へ外れ、ハウジング2の底面2Aから突出する。このときの検知突起13の位置が、図5に示す突出位置である。つまり、図5では、ハウジング2の底面2Aが床面Xから離れている。
【0042】
そして、開閉部材23と検知突起13とは、リンク機構31によって連結されている。
リンク機構31は、開閉部材23側の支持軸25に一体的に設けられる第1レバー32と、検知突起13側の支持軸30に一体的に設けられる第2レバー33と、第1レバー32と第2レバー33とをつなぐ第3レバー34とを含んでいる。以下では、図5における姿勢を基準として、第1レバー32、第2レバー33および第3レバー34について説明する。
【0043】
第1レバー32は、幅方向に延びる支持軸25と直交しており、支持軸25の左端部から前側へ延びている。
第2レバー33は、幅方向に延びる支持軸30と直交しており、支持軸30の右端部から前上側へ延びている。
第3レバー34は、第1レバー32の前端部と第2レバー33の前側上端部との間に架設されている。
【0044】
第3レバー34の上端部と第1レバー32の前端部とには、幅方向に延びる1本の連結軸35が挿通されている。これにより、第1レバー32と第3レバー34とは、連結軸35を中心として、互いに回動自在である。
また、第3レバー34の下端部と第2レバー33の前側上端部とには、幅方向に延びる1本の連結軸36が挿通されている。これにより、第2レバー33と第3レバー34とは、連結軸36を中心として、互いに回動自在である。
【0045】
図5では、開閉部材23と検知突起13とがリンク機構31によって連結された状態において、上述したように、開閉部材23は、閉位置にあり、検知突起13は、突出位置にある。
ここで、図5では、上述したシャッター7が副吸込口5を閉じた状態が示されている。シャッター7の幅方向両端部は、後側へ折り曲げられており、ハウジング2の幅方向両端部によって、回動自在に支持されている。そのため、シャッター7は、図5に示す状態から後上側(左側面視で反時計回りの方向)へ回動することによって、副吸込口5を前側へ開放する。
【0046】
シャッター7の上端において、幅方向でリンク機構31の第2レバー33と一致する位置には、後側へ延びるリブ37(位置決め部材)が一体的に設けられている(ハッチングを施した部分を参照)。リブ37は、幅方向から見て、シャッター7に連続するように、円弧状に湾曲している。リブ37の後端は、第2レバー33の前側上端部の前側に位置している。
【0047】
図6は、シャッター7、検知突起13、開閉部材23の動きを説明するための、要部左側面図である。
上述したようにハウジング2の底面2Aが床面Xから離れることで開閉部材23が閉位置にあり、かつ、検知突起13が突出位置にある状態が、図6(a)に示されている。
ここで、ハウジング2を下降させ、図6(b)に示すように検知突起13が床面Xによって上向きに押圧されると、突出位置にあった検知突起13は、支持軸30を中心として、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に回動する。このとき、支持軸30と一体化された第2レバー33も、支持軸30を中心として、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に回動する。これにより、第2レバー33に連結された第3レバー34が、上昇しながら、第1レバー32の前端部を、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に押圧する。その結果、第1レバー32は、開閉部材23側の支持軸25に一体化されていることから、支持軸25を中心として、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に回動し、これに伴い、開閉部材23も、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に回動する。
【0048】
そして、図6(c)に示すように、床面Xに配置されるまで(ハウジング2の底面2Aと床面Xとの間隔が僅かになるまで)ハウジング2を下降させると、検知突起13が、左側面視で反時計回りの方向における限界(上限)まで回動し、ハウジング2内(上述した凹部29)に引っ込んでハウジング2の底面2Aからほとんど突出しなくなる。つまり、検知突起13が、非突出位置に到達する。また、このように検知突起13が限界まで回動するのに伴い、開閉部材23も、左側面視で反時計回りの方向における限界(上限)まで回動し、検知突起13が非突出位置に到達するのと同時に、開閉部材23は、開位置に到達する。
【0049】
なお、このように、ハウジング2を下降させる際において、シャッター7は、検知突起13および開閉部材23のいずれにも連動せず、常に、副吸込口5を閉じた状態にある。
そして、図6(c)に示す状態(ハウジング2が床面Xに配置されて開閉部材23が開位置にあり、かつ、検知突起13が非突出位置にある状態)で、ハウジング2を持ち上げると、図6(b)に示すように、検知突起13が、自重および上述したばね54の付勢力によって、支持軸30を中心として、左側面視で時計回りの方向(下向き)に回動する。このとき、第2レバー33も、支持軸30を中心として、左側面視で時計回りの方向(下向き)に回動する。これにより、第2レバー33に連結された第3レバー34が、下降しながら、第1レバー32の前端部を、左側面視で時計回りの方向(下向き)に押圧する。その結果、第1レバー32は、開閉部材23側の支持軸25を中心として、左側面視で時計回りの方向(下向き)に回動し、これに伴い、開閉部材23も、左側面視で時計回りの方向(下向き)に回動する。
【0050】
そして、図6(a)に示すように、さらにハウジング2を持ち上げてハウジング2の底面2Aが床面Xから所定距離だけ離れると、検知突起13が、左側面視で時計回りの方向における限界(下限)まで回動し、ハウジング2の底面2Aから突出する。つまり、検知突起13が、突出位置に到達する。また、このように検知突起13が限界まで回動するのに伴い、開閉部材23も、左側面視で時計回りの方向における限界(下限)まで回動し、検知突起13が突出位置に到達するのと同時に、開閉部材23は、閉位置に到達する。
【0051】
このように、開閉部材23は、図6(c)に示すように検知突起13が非突出位置にあるとき(ハウジング2が床面Xに配置されているとき)には、開位置にあって、上述した連通部分16(図4も参照)を開く。これにより、上述した電気掃除機本体(図示せず)の吸引力がタービン用風路15(図4参照)に作用し、空気が、開口6(図1参照)から流入してタービン用風路15を流れてタービン18を回転させることができ(図4の太い破線矢印参照)、その結果、回転ブラシ10(図4参照)が回転する。
【0052】
その一方で、開閉部材23は、図6(a)に示すように検知突起13が突出位置にあるとき(ハウジング2の底面2Aが床面Xからある程度離れているとき)には、閉位置にあって、連通部分16を閉じる。これにより、主吸込風路14とタービン用風路15との間が遮断されることから電気掃除機本体(図示せず)の吸引力がタービン用風路15に作用せず、空気が開口6(図1参照)から流入してタービン用風路15を流れることができない(図5参照)。そのため、回転ブラシ10(図4参照)の回転が停止する(回転ブラシ10の回転速度が低下する。)。なお、開閉部材23が連通部分16を閉じたとき、回転ブラシ10は、触れても問題ない程度の低速であれば回転していてもよく、この場合、開閉部材23は、連通部分16を完全に閉じていなくてもよい。
【0053】
このように、この吸込具1では、検知突起13によって、ハウジング2が床面Xに配置されているか否かをちゃんと検知し、この検知結果に基づいて、開閉部材23が連通部分16を開閉するので、ハウジング2が床面Xから離れた場合には、確実に回転ブラシ10の回転速度を低下させることができる。
図7は、図6とは別の状態における、シャッター7、検知突起13、開閉部材23の動きを説明するための、要部左側面図である。
【0054】
上述したように副吸込口5が床面Xに上から対向するようにハウジング2を起立させる場合には、ハウジング2の底面2Aが、一旦、床面Xから離れるので、図7(a)に示すように、検知突起13は、突出位置にあり、これに伴い、開閉部材23は、閉位置にある。ここで、図7(a)では、シャッター7は、副吸込口5を閉じた状態にあるとする。
そして、図7(a)に示すように、ハウジング2を、床面Xから浮いた状態で起立させ、床面Xへ向けて下降させると、床面Xにシャッター7の凸部8が上から接触する。これにより、凸部8が床面Xによって下から押圧され、シャッター7は、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に回動する。ここで、この反時計回りの方向は、シャッター7が副吸込口5を開こうとする方向である。
【0055】
このようにシャッター7が、左側面視で反時計回りの方向に回動すると、シャッター7に設けられたリブ37も、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に回動し、その際、検知突起13側の支持軸30に一体的に設けられた第2レバー33を、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に押圧する。これにより、第2レバー33に連結された第3レバー34が、図7(b)に示すように、第1レバー32を、左側面視で反時計回りの方向(上向き)に押圧する。その結果、第1レバー32は、開閉部材23側の支持軸25を中心として、左側面視で反時計回りの方向に回動し、これに伴い、開閉部材23も、左側面視で反時計回りの方向に回動する。また、リブ37が第2レバー33を左側面視で反時計回りの方向に押圧することで、検知突起13および第2レバー33が、左側面視で反時計回りの方向に回動する。
【0056】
さらにハウジング2を下降させ、図7(c)に示すように、シャッター7が副吸込口5を完全に開くと、検知突起13は、左側面視で反時計回りの方向における限界まで回動し、非突出位置に到達する。これと同時に、開閉部材23も、左側面視で反時計回りの方向における限界まで回動し、開位置に到達する。この状態で、第2レバー33が、シャッター7のリブ37に接触されることで、同じ姿勢を維持していることから、検知突起13が非突出位置にある状態、および、開閉部材23が開位置にある状態がともに維持されている。つまり、シャッター7が副吸込口5を開いたときに、リブ37が、検知突起13を非突出位置に位置決めしている。
【0057】
ハウジング2が起立すると、ハウジング2の底面2Aが床面Xから離れてしまうので、リブ37が設けられていない場合、このままでは、図7(a)に示すように、検知突起13が突出位置に変位し、これに応じて開閉部材23が連通部分16を閉じることで回転ブラシ10(図4参照)の回転が停止してしまう。この場合、副吸込口5では、回転する回転ブラシ10によって上述した狭い箇所(壁と家具との間)における床面Xの塵埃を効率的に吸い込むことができない。また、突出位置に変位した検知突起13が壁や家具に干渉することで、ハウジング2を壁と家具との間に円滑に差し込むことができなくなる虞がある。
【0058】
そこで、リブ37が、図7(c)に示すようにシャッター7が副吸込口5を開いたときに、上述したように検知突起13を非突出位置に位置決めするので、この状態でハウジング2を起立させても、検知突起13は、引き続き非突出位置にあり、開閉部材23は、連通部分16を開く。そのため、ハウジング2を起立させた状態では、非突出位置にある検知突起13が邪魔にならないので、ハウジング2を壁と家具との間に円滑に差し込むことができ、そして、回転ブラシ10(図4参照)が回転できることから、副吸込口5では、上述した狭い箇所の塵埃を効率的に吸い込むことができる。これにより、検知突起13の破損を防止し、また、中断することなく、掃除をすることができる。
【0059】
図8は、ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を左後側から見た斜視図であって、開閉部材23が開位置にあり、かつ、検知突起13が非突出位置にある状態を示している。図9は、ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を左後側から見た斜視図であって、開閉部材23が閉位置にあり、かつ、検知突起13が突出位置にある状態を示している。
【0060】
次に、図8および図9を参照して、検知突起13の周辺について説明する。
なお、上述の説明では、図5および図6等に示すように、検知突起13の回動軸である支持軸30が、検知突起13の後側にあったが、図8および図9では、支持軸30が、検知突起13の前側(図8および図9における右側)にある。これに伴い、リンク機構31の各レバー32〜34の延びる向きが変更されているが、この場合でも、検知突起13が非突出位置にあるときには、開閉部材23が開位置にあり(図8参照)、検知突起13が突出位置にあるときには、開閉部材23が閉位置にある(図9参照)。
【0061】
図8に示すように、支持軸30の左端部(図8における下端部)には、幅方向から見て略U字状のレバー38の一端38Aが一体的に設けられている。そのため、レバー38は、検知突起13および支持軸30と一体となって回動することができる(図8および図9参照)。ここで、ハウジング2内において、検知突起13が配置される凹部29の左側には、レバー38が収容される収容室39が区画されている。
【0062】
図10は、レバー38の動きを説明するための、吸込具1の要部左側断面図であって、(a)は、ハウジング2の底面2Aが床面Xに上から対向しつつ、検知突起13が突出位置にある状態を示し、(b)は、ハウジング2の底面2Aが床面Xに上から対向しつつ、検知突起13が非突出位置にある状態を示し、(c)は、ハウジング2の天面が床面Xに上から対向しつつ、検知突起13が突出位置にある状態を示している。
【0063】
図10(a)および図10(b)に示すように、収容室39は、幅方向から見て、レバー38の回動領域より僅かに広い空間である。そして、収容室39内には、略U字状のレバー38の内側にちょうど嵌り得る大きさのボール40が配置されている(ハッチングを施した部分を参照)。
ハウジング2の底面2Aが、床面Xに対して上から対向している状態では、検知突起13が突出位置にある状態(図10(a)参照)、および、検知突起13が非突出位置にある状態(図10(b)参照)を問わず、ボール40は、レバー38の内側に嵌っており、この状態で、レバー38は、収容室39内で円滑に回動することができる。これに伴い、この状態では、検知突起13も、突出位置と非突出位置との間で円滑に回動することができる。
【0064】
しかし、図10(c)に示すように、ハウジング2の上下の向きを、図10(a)の状態から逆にし、ハウジング2において、底面2Aでなく、天面を床面Xに対して上から対向させると、ボール40が、自重によってレバー38の内側から外れ、収容室39の隅(図10(c)では下端)に落ち込んでしまう。こうなると、ボール40がレバー38の回動領域内に存在することから、レバー38が回動できなくなり、これに伴い、検知突起13は、突出位置にある状態から動けなくなってしまう。
【0065】
なお、図10(c)の状態から、ハウジング2の上下の向きを逆にすると、その途中で、ボール40が自重によって収容室39内で落下してレバー38の内側に再び収まるので(図10(a)参照)、その後、レバー38および検知突起13は、再び円滑に回動することができる。
図11は、変形例に係る吸込具1の正面図であって、ハウジング2を断面で示している。
【0066】
図11に示すように、変形例に係る吸込具1では、主吸込風路14に対して、タービン用風路15の左端部15Aが、右から連通している。これにより、主吸込風路14とタービン用風路15との連通部分16は、主吸込風路14(またはベンドパイプ3の前端)の右側面に形成される穴である。
そして、連通部分16を開閉する開閉部材23は、上述した幅方向に長手の1枚の板状でなく(図5参照)、上下にやや長手で上部が丸められた1対の板状である。
【0067】
図12は、変形例に係る吸込具1の左側断面図であって、(a)は、ハウジング2が床面Xに配置された状態を示し、(b)は、ハウジング2が持ち上げられてハウジング2の底面2Aが床面Xから離れた状態を示している。
図12に示すように、変形例に係る吸込具1では、検知突起13に、上述したローラ12(図3参照)が取り付けられているが、検知突起13は、上述した実施例と同様に、非突出位置(図12(a)参照)と、突出位置(図12(b)参照)とに変位する(支持軸30を中心として回動する)ことができる。
【0068】
図13は、変形例に係る開閉部材23の動きを説明する図である。
次に、図13を参照して、変形例に係る開閉部材23の、検知突起13の回動に伴う動きについて説明する。
まず、図13(a)を参照して、一対の開閉部材23は、いわゆる観音開きができるように、図13(a)においては、左右(実際には前後)に並べて配置されている。この状態で、1対の開閉部材23は、紙面奥側の連通部分16(図11参照)を閉じている。
【0069】
図13(b)は、図13(a)の開閉部材23周辺を上から見た図である。ここで、一対の開閉部材23のうち、図13において、左側の開閉部材23を第1開閉部材23Aとし、右側の開閉部材23を第2開閉部材23Bとする。
図13(a)および図13(b)に示すように、第1開閉部材23Aの左端部には、連通部分16から離れる方向(図13(a)では手前側であり、図13(b)では下側)へ突出する凸部(第1凸部41)が一体的に設けられており、第1凸部41において、第1開閉部材23A側(連通部分16側)に偏った位置には、上下(図13(b)では紙面に垂直な方向)に延びる軸(第1軸42)が挿通され、ハウジング2に支持されている。これにより、第1開閉部材23Aは、第1軸42を中心として回動自在であり、常には、図示しない付勢部材によって、連通部分16を閉じる方向へ付勢されている。
【0070】
そして、第2開閉部材23Bの右端部には、連通部分16から離れる方向へ突出する凸部(第2凸部43)が一体的に設けられており、第2凸部43には、上下に延びる軸(第2軸44)が挿通され、ハウジング2に支持されている。これにより、第2開閉部材23Bは、第2軸44を中心として回動自在であり、常には、図示しない付勢部材によって、連通部分16を閉じる方向へ付勢されている。
【0071】
このように、一対の開閉部材23は、常には、上述した閉位置に位置するように付勢されている。
一対の開閉部材23の下側(図13(b)では奥側)には、スライド板45が配置されている。スライド板45は、図13においては、左右にスライド自在となるように、ハウジング2に支持されている。
【0072】
図13(b)を参照して、スライド板45において、そのスライド方向(図13における左右方向)から見て、第1開閉部材23Aの第1凸部41(詳しくは第1凸部41において第1軸42よりも第1開閉部材23Aから離れた部分)と一致する位置には、第1凸部41側(上側であり、図13(b)では手前側)へ突出する突起(第1突起46)が一体的に設けられている。
【0073】
図13(b)を参照して、スライド板45において、そのスライド方向(図13における左右方向)から見て、第2開閉部材23Bの右端部と一致する位置には、第2開閉部材23Bの右端部側(上側であり、図13(b)では手前側)へ突出する突起(第2突起47)が一体的に設けられている。
そして、スライド板45において、第1突起46と第2突起47とに挟まれた領域には、スライド板45を肉厚方向(図13(b)において紙面に垂直な方向)において貫通する切欠き48が形成されている。切欠き48に関連して、図13(a)に示すように、検知突起13の支持軸30には、支持軸30に直交して延びる角部49が一体的に設けられており、角部49は、切欠き48に対して、常に、下から嵌っている。
【0074】
図13(a)および図13(b)に示すように検知突起13は突出位置にある場合には、スライド板45において、第1突起46が、第1開閉部材23Aの第1凸部41に対して、右側に位置し、第2突起47が、第2開閉部材23Bの右端部に対して、右側に位置している。このとき、一対の開閉部材23は、閉位置にある。
この状態で、ハウジング2を上述した床面Xに配置することで(図12(a)参照)、検知突起13を、突出位置(図13(a)参照)から、非突出位置(図13(e))へ向けて、図13(a)における反時計回りの方向に回動させる。これに伴い、検知突起13の支持軸30に設けられた角部49が、切欠き48に嵌った状態で、左側へ移動する。これにより、スライド板45全体が、左側へ移動する。
【0075】
スライド板45の左側への移動に伴い、スライド板45において、第1突起46が、第1開閉部材23Aの第1凸部41を右側から押圧し、第2突起47が、第2開閉部材23Bの右端部を右側から押圧する。これにより、図13(c)に示すように、第1開閉部材23Aが、上述した付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して、第1軸42を中心として、連通部分16から離れる方向へ回動する。同時に、第2開閉部材23Bが、上述した付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して、第2軸44を中心として、連通部分16から離れる方向へ回動する。そのため、連通部分16が次第に開かれていく。
【0076】
そして、検知突起13を非突出位置まで回動させることで、スライド板45をさらに左側へ移動させる。これにより、図13(d)および図13(e)に示すように、第1開閉部材23Aおよび第2開閉部材23Bのそれぞれが目一杯まで回動して開位置に到達し、連通部分16が完全に開かれる。なお、この状態で検知突起13を突出位置へ向けて回動させると、上述した手順とは逆の手順により、スライド板45が右側へスライドし、一対の開閉部材23は、閉位置に至り、連通部分16を閉じる(図13(a)および図13(b)参照)。
【0077】
このように、変形例に係る吸込具1でも、検知突起13が非突出位置にあるときには、開閉部材23が開位置にあり(図13(d)および図13(e)参照)、検知突起13が突出位置にあるときには、開閉部材23が閉位置にある(図13(a)および図13(b)参照)。
図14は、ハウジング2の右側断面図であって、ハウジング2を分解する様子を示している。図15は、図14のハウジング2とは別の形態に係るハウジング2の右側断面図であって、ハウジング2を分解する様子を示している。
【0078】
図14に示すように、ハウジング2内のメンテナンスをする場合には、上述したように、タービンプーリー20とブラシプーリー21との間に巻回されたベルト50を、ブラシプーリー21から外す(図14(a)および図14(b)参照)。そして、回転ブラシ10をハウジング2から取り外す(図14(b)参照)。
ここで、ハウジング2において、タービン用風路15をなす部分は、タービン18およびタービンプーリー20とともにユニット化されて、タービンユニット51を構成している。タービンユニット51には、ハウジング2(タービンユニット51以外の部分)に係合する爪52が設けられている(図14(b)参照)。
【0079】
上述したようにベルト50をブラシプーリー21から外した状態で、図14(c)に示すように、タービンユニット51を、太い実線矢印で示す方向へ捩じると、爪52がハウジング2から外れるので、タービンユニット51を、ハウジング2から分離することができる。
図15では、タービンプーリー20とブラシプーリー21との間に中継プーリー53を配置して、タービンプーリー20と中継プーリー53との間、および、ブラシプーリー21と中継プーリー53との間のそれぞれにベルト50を巻回している構成が示されている(図15(a)参照)。
【0080】
この場合においても、図14の場合と同様に、まず、ベルト50をブラシプーリー21から外し、その後、タービンユニット51を捩じることで、タービンユニット51(ここでは中継プーリー53も含まれる。)を、ハウジング2から分離することができる(図15(b)参照)。
タービンユニット51に水が入ると、その後のタービン18の動きに支障が生じる虞があることから、タービンユニット51が濡れることは好ましくないが、このようにタービンユニット51をハウジング2から分離すれば、吸込具1においてタービンユニット51以外の部分を丸ごと水洗いすることができる。
【0081】
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】この発明の一実施形態に係る電気掃除機用吸込具1を右前側から見た斜視図である。
【図2】吸込具1の底面図である。
【図3】吸込具1の左側断面図である。
【図4】ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を右上側から見た斜視図である。
【図5】ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を左上側から見た斜視図であって、開閉部材23が追加されている。
【図6】シャッター7、検知突起13、開閉部材23の動きを説明するための、要部左側面図である。
【図7】図6とは別の状態における、シャッター7、検知突起13、開閉部材23の動きを説明するための、要部左側面図である。
【図8】ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を左後側から見た斜視図であって、開閉部材23が開位置にあり、かつ、検知突起13が非突出位置にある状態を示している。
【図9】ハウジング2の内部が露出された状態にある吸込具1を左後側から見た斜視図であって、開閉部材23が閉位置にあり、かつ、検知突起13が突出位置にある状態を示している。
【図10】レバー38の動きを説明するための、吸込具1の要部左側断面図であって、(a)は、ハウジング2の底面2Aが床面Xに上から対向しつつ、検知突起13が突出位置にある状態を示し、(b)は、ハウジング2の底面2Aが床面Xに上から対向しつつ、検知突起13が非突出位置にある状態を示し、(c)は、ハウジング2の天面が床面Xに上から対向しつつ、検知突起13が突出位置にある状態を示している。
【図11】変形例に係る吸込具1の正面図であって、ハウジング2を断面で示している。
【図12】変形例に係る吸込具1の左側断面図であって、(a)は、ハウジング2が床面Xに配置された状態を示し、(b)は、ハウジング2が持ち上げられてハウジング2の底面2Aが床面Xから離れた状態を示している。
【図13】変形例に係る開閉部材23の動きを説明する図である。
【図14】ハウジング2の右側断面図であって、ハウジング2を分解する様子を示している。
【図15】図14のハウジング2とは別の形態に係るハウジング2の右側断面図であって、ハウジング2を分解する様子を示している。
【符号の説明】
【0083】
1 電気掃除機用吸込具
2 ハウジング
2A 底面
3 ベンドパイプ
3A 前端
3B 後端
4 主吸込口
5 副吸込口
6 開口
7 シャッター
10 回転ブラシ
13 検知突起
14 主吸込風路
15 タービン用風路
16 連通部分
18 タービン
23 開閉部材
37 リブ
X 床面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面に主吸込口が形成され、前記主吸込口とは別位置に開口が形成されたハウジングと、
一端は前記ハウジングに連結され、他端は前記ハウジングから突出していて、電気掃除機本体と接続され得るベンドパイプと、
前記ハウジングに回転可能に設けられ、前記主吸込口に臨む回転ブラシと、
前記ハウジングに区画され、前記主吸込口から前記ベンドパイプの一端へと連通する主吸込風路と、
前記ハウジングに前記主吸込風路とは別に区画され、前記開口から前記主吸込風路へと連通するタービン用風路と、
前記タービン用風路に設けられ、前記開口から流入して前記タービン用風路を流れる空気により回転され、その回転力によって前記回転ブラシを回転させるタービンと、
前記ハウジングの底面に備えられ、前記ハウジングの底面が床面から離れることで底面から突出した突出位置と、前記ハウジングが床面に配置されることで前記ハウジング内に引っ込んで底面から突出しない非突出位置とに変位する突起と、
前記主吸込風路と前記タービン用風路との連通部分に設けられ、前記突起が非突出位置にあるときには前記連通部分を開く一方で、前記突起が突出位置にあるときには前記連通部分を閉じる開閉部材と、
を含むことを特徴とする、電気掃除機用吸込具。
【請求項2】
前記開閉部材は、前記連通部分を閉じているときには、前記主吸込風路の内面に略沿うように配置されることを特徴とする、請求項1記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項3】
前記ハウジングの前面には、前記主吸込風路に連通する副吸込口が形成され、前記回転ブラシは、前記主吸込口および前記副吸込口に臨み、
前記副吸込口を開閉可能に覆うシャッターと、
前記シャッターが前記副吸込口を開いたときに、前記突起を非突出位置に位置決めする位置決め部材と、
を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項1】
底面に主吸込口が形成され、前記主吸込口とは別位置に開口が形成されたハウジングと、
一端は前記ハウジングに連結され、他端は前記ハウジングから突出していて、電気掃除機本体と接続され得るベンドパイプと、
前記ハウジングに回転可能に設けられ、前記主吸込口に臨む回転ブラシと、
前記ハウジングに区画され、前記主吸込口から前記ベンドパイプの一端へと連通する主吸込風路と、
前記ハウジングに前記主吸込風路とは別に区画され、前記開口から前記主吸込風路へと連通するタービン用風路と、
前記タービン用風路に設けられ、前記開口から流入して前記タービン用風路を流れる空気により回転され、その回転力によって前記回転ブラシを回転させるタービンと、
前記ハウジングの底面に備えられ、前記ハウジングの底面が床面から離れることで底面から突出した突出位置と、前記ハウジングが床面に配置されることで前記ハウジング内に引っ込んで底面から突出しない非突出位置とに変位する突起と、
前記主吸込風路と前記タービン用風路との連通部分に設けられ、前記突起が非突出位置にあるときには前記連通部分を開く一方で、前記突起が突出位置にあるときには前記連通部分を閉じる開閉部材と、
を含むことを特徴とする、電気掃除機用吸込具。
【請求項2】
前記開閉部材は、前記連通部分を閉じているときには、前記主吸込風路の内面に略沿うように配置されることを特徴とする、請求項1記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項3】
前記ハウジングの前面には、前記主吸込風路に連通する副吸込口が形成され、前記回転ブラシは、前記主吸込口および前記副吸込口に臨み、
前記副吸込口を開閉可能に覆うシャッターと、
前記シャッターが前記副吸込口を開いたときに、前記突起を非突出位置に位置決めする位置決め部材と、
を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の電気掃除機用吸込具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−136826(P2010−136826A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314846(P2008−314846)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
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