説明

電気掃除機

【課題】使い勝手の向上を図ることができる電気掃除機を提供する。
【解決手段】掃除機本体1と、前記掃除機本体1に接続されるホース3と、把手を有し前記ホース3に接続される操作管4と、前記操作管4に接続される継手管5と、前記継手管5に接続される第1の吸込具10と、前記第1の吸込具10に接続される第2の吸込具6とを備えた電気掃除機1において、使用者による前記操作管4への引っ張り操作およびひねり操作に応じて、前記第1の吸込具10が前記第2の吸込具6から外れる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関し、特に、延長管等と吸込具との着脱が容易な電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的な電気掃除機は、掃除機本体と、この掃除機本体に一端が接続されるホースと、ホースの他端に接続される手元操作部と、手元操作部に接続される管と、管の他端に着脱可能に取り付けられる吸込具とを備えて構成されている。
通常、管から吸込具を取り外す場合には、操作者が管と吸込具との両方を手に持ったり、これらを被清掃面に置いた状態でかがんだりして、管の一端に設けられた解除ボタンを押圧操作して管と吸込具との係合を解除し、管から吸込具を取り外していた。
【0003】
一方、このような解除操作を行わずに、管と吸込具との係合を解除するようにした電気掃除機も知られている(例えば、特許文献1参照)。
この電気掃除機では、吸込具を床面に置いた状態で、管を略垂直に立てる操作を行うことで、管と吸込具との係合が解除されるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、吸込具に操作ペダルを設けて、この操作ペダルを足で踏むことによって、管と吸込具との係合が解除されるようにしたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
このような電気掃除機によれば、前記のように操作者が管と吸込具とを手に持ったり、かがんだりして解除操作を行う必要がなくなり、解除操作が容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2005−287659号公報
【特許文献2】特許第3826846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1の電気掃除機では、略垂直に管を立てることで管と吸込具との係合が解除されるようになっているため、清掃中に管が略垂直となる姿勢になると、不意に管から吸込具が外れてしまうおそれがあった。
【0007】
また、前記特許文献2の電気掃除機では、掃除中に家具等に操作ペダルが当たると簡単に管と吸込具との係合が解除されてしまうため、清掃中に不意に管から吸込具が外れてしまい使い勝手が悪いという問題があった。
【0008】
本発明は、前記従来の問題を解決するものであり、使い勝手の向上を図ることができる電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、掃除機本体と、前記掃除機本体に接続されるホースと、把手を有し前記ホースに接続される操作管と、前記操作管に接続される継手管と、前記継手管に接続される第2の吸込具と、前記第2の吸込具に接続される第1の吸込具とを備えた電気掃除機において、使用者による前記操作管への引っ張り操作およびひねり操作に応じて、前記第1の吸込具が前記第2の吸込具から外れることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、使用者による操作管への引っ張り操作およびひねり操作の、2つの異なる操作を行ったときに、第1の吸込具を第2の吸込具から切り離すことができる。つまり、引っ張り操作のみ、あるいはひねり操作のみでは、第1の吸込具が第2の吸込具から切り離されないので、清掃中に不意に第1の吸込具が第2の吸込具から外れてしまうのを確実に防止することができ、使い勝手の良い電気掃除機が得られる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、管と吸込具との着脱が簡単で、しかも、清掃中に不意に管から吸込具が外れるおそれのない電気掃除機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態の電気掃除機の全体を示す外観斜視図である。
【図2】第1実施形態の電気掃除機の吸口継手を示す一部透視斜視図である。
【図3】第1実施形態の電気掃除機の吸口継手を示す模式断面図である。
【図4】第1実施形態の電気掃除機の吸口継手を略垂直に立ち上げた状態を示す説明図である。
【図5】(a)は第1の位置にスライド部材が位置するときの第2の継手の要部を示す平面図、(b)は第2の位置にスライド部材が位置するときの第2の継手の要部を示す平面図である。
【図6】(a)は吸口継手を略垂直に立ち上げた状態を示す一部透視斜視図、(b)は同じく模式断面図である。
【図7】(a)は球状部材が転動してロックが解除された状態を示す一部透視斜視図、(b)は同じく模式断面図である。
【図8】ロック解除後に第2の位置にスライド部材が移動した状態を示す斜視図、(b)は同じく模式断面図である。
【図9】(a)〜(c)は第1の吸込具を第2の吸込具から取り外す際の手順を示す説明図である。
【図10】取付態様を示す斜視図である。
【図11】(a)は第2実施形態の電気掃除機の吸口継手を示す一部透視斜視図、(b)は同じく模式断面図である。
【図12】(a)は球状部材が転動してロックが解除された状態を示す一部透視斜視図、(b)は同じく模式断面図である。
【図13】ロック解除後に第2の位置にスライド部材が移動した状態を示す斜視図、(b)は同じく模式断面図である。
【図14】使用例を示す斜視図である。
【図15】使用例を示す模式図である。
【図16】第3実施形態の電気掃除機の吸口継手を示す模式断面図である。
【図17】ロック手段を構成する凹溝と収容室と示す模式拡大断面図である。
【図18】(a)〜(d)は球状部材が転動してロックが解除される際の作用を示す模式拡大断面図である。
【図19】第4実施形態の電気掃除機の吸口継手を示す一部透視斜視図である。
【図20】(a)は吸口継手の要部を示す斜視図、(b)は同じく模式断面図である。
【図21】(a)〜(c)は第1の吸込具を第2の吸込具から取り外す際の手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、電気掃除機1は、掃除機本体2と、ホース3と、手元操作SW等が設けられた操作管4と、継手管(管)としての延長管5と、吸込具として第2の吸込具6と、吸込具としての第1の吸込具10とを備えて構成されている。
掃除機本体2の内部には、図示しない吸引力を発生させる電動送風機や、この電動送風機の吸引力で集塵した塵埃を収容する集塵部等が内蔵されており、手元操作部としての操作管4に設けられた手元操作SWの操作等によって電動送風機の運転の強弱等が切り替えられるようになっている。
なお、以下の説明で各部の方向を言うときには、図1に示す方向を規準とする。なお、各部の方向を言うときに、掃除機本体2に近い側(後側)を一端側ということがあり、これとは反対側(前側)を他端側ということもある。
【0014】
ホース3の一端は、掃除機本体2の集塵部と連通するように掃除機本体2の接続口2aに接続され、ホース3の他端は、操作管4に接続されている。延長管5は、二つの管体5A、5Bから構成されて伸縮可能であり、管体5Aの一端が操作管4の他端に接続されている。
第2の吸込具6は、延長管5の管体5Bの他端に接続された吸込具であり、他端に第1の吸込具10が接続される。第2の吸込具6は、その他端から第1の吸込具10を取り外すことにより、単独で塵埃を吸い込む吸込具として機能するようになっている。なお、第2の吸込具6は、参照する図面において断面や外形を簡略して模式的に表している。
【0015】
第1の吸込具10は、第2の吸込具6の他端に接続された吸込具であり、下面(被清掃面に対峙する面)に吸込口10aが開口されている。なお、第1の吸込具10は、延長管5の管体5Bの他端(上流側)や、操作管4の他端(上流側)に対して接続することも可能である。
【0016】
第1の吸込具10は、下部分を形成する下ケース11、および下ケース11の上部に被着された上ケース12を備える吸口本体10Aと、吸口本体10Aの後方に取り付けられ、内部に吸込通路R1、R2が形成された吸口継手10Bとを備える。
【0017】
吸口継手10Bは、第1の継手20と、この第1の継手20に対して図1中矢印X1方向(左右方向)に回動自在に接続された第2の継手30とから構成されている。
第1の継手20は、図2、図3に示すように、内部に吸込通路R1が形成された基体21と、基体21の上面に被着されたカバー部材22とを備える。
基体21の前端部には、回動軸部21aが形成されており、この回動軸部21aは、図4に示すように、吸口本体10A(図1参照)の後部内側に設けられたモータカバー8の後部と上ケース12(図1参照)との間に図2、図4中矢印Y1方向(上下方向)に回動自在に支持されている。
回動軸部21aの端部には、図4に示すように、切込部21bが形成されており、この切込部21bには、モータカバー8の後部に配置された垂直位置決め手段9の摺動部材9aが係合するようになっている。摺動部材9aは、コイルばね9bにより切込部21bに対して係合する方向(上方向)に付勢されている。
本実施形態では、垂直位置決め手段9によって、図示しない被清掃面に対向する第1の吸込具10の吸込口面を基準面Fとしたときに、基準面Fと延長管5(図1参照)の軸心O1とのなす角度θが90度以上となるように設定されている。
なお、厳密には、角度θが必ず90度以上というわけではなく、後記するように移動部材としての球状部材46によるロックの解除を行うことができる角度であれば、90度未満であってもよい。
【0018】
図3に示すように、回動軸部21aの前端は開口しており、この開口を通じて、第1の継手20の吸込通路R1は、吸口本体10A(図1参照)の吸込口10aに連通している。回動軸部21aの下部には、下部カバー23が被着されており、下部カバー23の後部と基体21との間に、第2の継手30の開口縁部30aが回動自在に挟持されている。
【0019】
カバー部材22は、基体21の上面に被着されており、カバー部材22と基体21との間に、第2の継手30の開口縁部30aが回動自在に挟持されている。
また、カバー部材22は、基体21の上面との間に空間部Kを形成しており、この空間部Kに、吸口本体10Aに内蔵されたモータ等に電力を供給するための図示しないハーネスが収容されるようになっている。
【0020】
カバー部材22の後端には、図2に示すように、左右方向において中央となる部分に、凹状部24が形成されている。この凹状部24には、第2の継手30の後記する位置決め手段の摺動部材35が係合するようになっている。
【0021】
第2の継手30は、内部に吸込通路R2が形成された管状の基体31と、基体31の上面に被着されたカバー部材32とを備え、基体31の後部には、第2の吸込具6(図1参照)が接続可能な筒状接続部33が形成されている。筒状接続部33の上面には、図3に示すように、第2の吸込具6に設けられたフック状の係合部材6aが係合される係合部40が形成されている。
【0022】
係合部40は、図2に示すように、筒状接続部33の上面に形成された四角い凹溝40a内に配置された摺動部材としてのスライド部材41と、このスライド部材41を凹溝40a内にスライド可能に保持する四角枠状の枠部材42とを備える。
【0023】
スライド部材41は、板状の基部41aと、この基部41aの前部に一体的に設けられたガイド部41bと、基部41aの後部に一体的に設けられ、第2の吸込具6の係合部材6aが係止される第2の面41dが形成された係止部41cと、を備える。
【0024】
このようなスライド部材41は、枠部材42の後記する一対の第1の面44、44の間において延長管5(筒状接続部33)の軸方向にスライドして位置変更可能であり、一対の第1の面44、44の間に位置して、第2の吸込具6の係合部材6aの係合を保持する第1の位置(図3、図5(a)参照)と、枠部材42の後端42aに係止部41cが移動して、枠部材42の後記する切欠部45、45の側方に第2の面41dが位置する第2の位置とを採り得るようになっている。別言すれば、切欠部45、45は、第1の面44、44における、第2の面41dの延長上となる部分に形成されている。
【0025】
ガイド部41bは、図5(a)(b)に示すように、縦板状の延設部41b1と、前壁部41b2とを備える。延設部41b1の上部には凹溝41eが形成されている(図2参照)。この凹溝41e内には、ロック手段を構成する球状部材46が配置されている。また、凹溝41eに対応するカバー部材32の内面には、図3に示すように、球状部材46を収容可能な収容室S1が形成されている。凹溝41eの深さは、球状部材46の直径よりも小さい。凹溝41eの深さは、球状部材46の半径よりも大きいのが好ましい。
【0026】
凹溝41eと収容室S1とは、後記するように、スライド部材41の係止部41cが第1の位置(図3、図5(a)に示す位置)にあるときに、相互に連通する位置関係となるように設けられている。これによって、基準面F(図4参照)と延長管5(図1参照)の軸心O1とのなす角度θが90度以上となるように、第1の継手20および第2の継手30を起立させると、凹溝41eにある球状部材46が重力によって収容室S1へと転動するようになっている(図7(a)(b)参照)。球状部材46の形状は、球形状に限らず、凹溝41eから収容室S1へ容易に移動可能な形状であれば、楕円形状、円柱形状、角形状であってもよい。
【0027】
また、凹溝41eは、後記するように、スライド部材41の係止部41cが第2の位置(図5(b)参照)にあるときに、収容室S1よりも後方にスライド移動して、カバー部材32の後方に位置するようになっている。
前壁部41b2は、延設部41b1の前部に一体的に設けられており、基体31に設けられた縦壁31a(図3参照)に沿ってスライド移動可能となっている。ここで、縦壁31aの後端部31bは、後方へ向けて下り傾斜状とされており、図5(b)に示すように、スライド部材41の係止部41cが第2の位置にスライド(最後端へスライド)した場合においても、前壁部41b2が、後端部31bに係合するように構成されている。
これによって、スライド部材41のスムーズなスライドが実現されるようになっている。なお、後端部31bには、延設部41b1の前部の傾斜面41fが係合するようになっている(図3参照)。
【0028】
本実施形態では、後記するように、凹溝41e内から収容室S1内に球状部材46が転動することで(第1の継手20と第2の継手30とを起立させて解除位置に球状部材46を転動させることで)、スライド部材41のロック状態が解除されるようになっており(図7(a)(b)参照)、スライド部材41の後方へのスライドが可能となっている。
一方、図3に示すように、凹溝41e内に球状部材46が位置する場合(保持位置にある場合)には、球状部材46が図5(a)に示す後壁部39bの側壁39cに当接して、スライド部材41の後方へのスライドを邪魔するようになっている。これによって、スライド部材41の後方へのスライドがロック状態とされる。
【0029】
前壁部41b2と後壁部39bとの間には、スライド部材41を第2の位置から第1の位置へ向けて付勢する付勢手段としての一対のコイルばね38が縮設されている。
【0030】
カバー部材32の後端部には、延長管5の軸方向(筒状接続部33の軸方向)に延びる一対の電源端子37、37が突設されている。この電源端子37、37は、第2の吸込具6の前端部に設けられた図示しない接続部に対応して設けられており、第2の継手30に対して第2の吸込具6を差し込まれて接続されると、図示しない接続部に電気的に接続されるようになっている。電源端子37、37は、2本ではなく、3本であってもよい。
【0031】
枠部材42は、図2、図5(a)に示すように、延長管5(筒状接続部33)の軸方向に沿う一対の第1の面44、44を有するとともに、後端部に切欠部45、45を有する。一対の第1の面44、44間には、スライド部材41の係止部41cが軸方向にスライド可能に配置される。また、切欠部45、45は、第2の吸込具6の係合部材6aの周方向の移動を許容する大きさを有しており、係止部41cが図5(b)に示す第2の位置にあるときに、係合部材6aは、第2の面41dから切欠部45を通ることで係合部40から離脱可能となっている。
【0032】
ここで、図3に示すように、第2の吸込具6に設けられたフック状の係合部材6aは、図示しない付勢部材によって、係合部40に向けて突出する側に付勢されており、この付勢によって、スライド部材41の係止部41cの第2の面41dに係止されるようになっている。
なお、係合部材6aは、第2の吸込具6の上面に設けられたボタン6bを押圧操作することによって、前記付勢力に抗して係止状態を解除することが可能である。
【0033】
次に、第1の吸込具10の第2の継手30と第2の吸込具6との係脱操作について説明する。
第2の継手30に第2の吸込具6を接続する際には、第2の継手30の筒状接続部33に第2の吸込具6を差し込んで、第2の継手30の係合部40に第2の吸込具6の係合部材6aを係合させる。
このとき、筒状接続部33に第2の吸込具6を差し込んでいくと、係合部材6aが、スライド部材41の係止部41cを乗り越え、付勢力によって係止部41cの第2の面41dに係止される。これによって、第2の継手30に第2の吸込具6を接続することができる。
【0034】
ここで、接続時には、係止部41cが第1の位置にあり、凹溝41eと収容室S1は連通しているので、前記のように第1の継手20および第2の継手30を起立させなければ、球状部材46は、重力によって凹溝41e内に位置している。
これによって、図5(a)に示すように、球状部材46が後壁部39bの側壁39cに当接して、スライド部材41の後方へのスライドを邪魔し、スライド部材41は、第1の位置にスライド不能にロックされることとなる。
したがって、使用時に、操作管4(図1参照、以下同じ)を手で把持して延長管5を引いたり押したりする操作を加えても、スライド部材41のロック状態が好適に維持されるようになり、スライド部材41の係止部41cから係合部材6aが外れることがない。
【0035】
次に、第1の吸込具10と第2の吸込具6との接続を解除する場合について説明する。
はじめに、図6(a)(b)、図9(a)に示すように、第1の継手20および第2の継手30を起立させる。そして、図4に示すように、基準面Fと延長管5(図1参照)の軸心O1とのなす角度θが90度以上となるようにすると、図6(a)(b)に示すように、凹溝41e(保持位置)に位置していた球状部材46が、図7(a)(b)に示すように、収容室S1側(解除位置側)に転動する。これによって、球状部材46によるスライド部材41のスライドのロックが解除され、スライド部材41の位置変更が可能となる。
【0036】
そして、図9(b)に示すように、操作管4(図1参照)を手で把持しつつ、第1の吸込具10を足で抑える等して延長管5を上方向(矢印A1方向)に引き上げる操作を行うと、図8(a)(b)に示すように、スライド部材41が係合部材6aに引っ張られて上方向(矢印A1方向)にスライド移動し、第2の位置に移動する。
【0037】
この状態で、手で把持している操作管4に、図9(c)に示すような矢印B1方向のひねり操作を加える。そうすると、係止部41cの第2の面41dに当接していた係合部材6aが切欠部45を通じて係合部40から離脱し(図8(a)参照)、係合部40に対する係合部材6aの係合が解除される。
つまり、第1の吸込具10と第2の吸込具6のうち、一方が他方に対して延長管5の軸方向の引っ張り力および延長管5の軸心を基準とした軸心周りのねじり力が作用した場合に、係合部40に対する係合部材6aの係合が解除されることとなる。
【0038】
これによって、第1の吸込具10と第2の吸込具6との接続のロックを解除して、これらを容易に取り外すことができる。
【0039】
以下では、本実施形態において得られる効果を説明する。
(1)使用者による操作管4への引っ張り操作およびひねり操作に応じて、第1の吸込具10が第2の吸込具6から外れる構成であるので、2つの異なる操作を行ったときにはじめて、第1の吸込具10を第2の吸込具6から切り離すことができる。つまり、引っ張り操作のみ、あるいはひねり操作のみでは、第1の吸込具10が第2の吸込具6から切り離されないので、清掃中に不意に第1の吸込具10が第2の吸込具6から外れてしまうのを確実に防止することができ、使い勝手の良い電気掃除機1が得られる。
(2)使用者による操作管4への引っ張り操作およびひねり操作に加え、被清掃面と延長管5(筒状接続部33)とのなす角度が略90度以上となる操作に応じて、第1の吸込具10が第2の吸込具6から外れるので、清掃中に不意に第1の吸込具10が第2の吸込具6から外れてしまうのをより一層確実に防止することができ、使い勝手の良い電気掃除機1が得られる。
(3)使用者による操作管4へのボタン4bの押下操作に応じて、延長管5が操作管4から外れ、使用者による延長管5へのボタン5bの押下操作に応じて、第2の吸込具6が延長管5から外れ、使用者による操作管4への引っ張り操作およびひねり操作以外に、使用者による第2の吸込具6へのボタン押下操作によっても、第2の吸込具6から第1の吸込具10が外れるので、各部を確実に取り外すことが可能であり、使い勝手のよい電気掃除機1が得られる。
(4)第1の吸込具10と第2の吸込具6のうち、一方が他方に対して延長管5の軸方向の引っ張り力および延長管5の軸心を基準とした軸心周りのねじり力が作用した場合にこれらが外れるようになっているので、2つの異なる方向の力が作用した場合にはじめて第2の吸込具6から第1の吸込具10を切り離すことができる。つまり、引っ張り力のみ、あるいはねじり力のみでは、第1の吸込具10が第2の吸込具6から切り離されないので、清掃中に不意に第1の吸込具10が第2の吸込具6から外れてしまうのを確実に防止することができ、使い勝手の良い電気掃除機1が得られる。
また、例えば、図4に示すように、基準面Fと延長管5(図1参照)の軸心O1とのなす角度θが90度以上となるように第1の継手20および第2の継手30を起立させる方向の力が作用したときに、スライド部材41のロック(接続のロック)を解除することができるので、清掃中に不意に第1の吸込具10が第2の吸込具6から外れてしまうのを確実に防止することができ、使い勝手の良い電気掃除機1が得られる。
(5)2以上の異なる方向の力は、延長管5の軸方向の力と延長管5の円周方向の力を含むので、力の方向が明確であり、操作が行い易いという利点が得られる。なお、切り離しに必要な力としては、前記のように第2の継手30を起立させる方向の力や、延長管5の軸心を基準とした軸心周りのねじり力を作用させて後に、延長管5を上方に引き抜く力等がある。
(6)ロック手段は、延長管5の軸方向の力が作用した後に、延長管5の円周方向の力が作用した場合に、接続のロックを解除するように構成されているので、接続のロックを解除するにあたって電源端子37の接続の解除を一連の操作の中で確実にしかも簡単に行うことができる。
(7)第1の位置に係合部材6aが位置するときに、電源端子37が第2の吸込具の接続部に接続され、第2の位置に係合部材6aが位置するときに、電源端子37と接続部との接続が解除されるように構成されているので、接続あるいは解除時に、電源端子37が破損するのを好適に阻止することができる。
(8)係合部40と、係合部40に係合可能な係合部材6aと、による簡単な構造で係脱を行うことができるので、組み付けが簡単になりコストの低減を図ることができる。
(9)スライド部材41は、第1の位置と第2の位置との間でスライド可能に設けられているので、スライド部材41のロック(接続のロック)を解除する構造が簡単になり、組み付けも簡単になってコストの低減を図ることができる。
(10)スライド部材41はコイルばね38によって、第2の位置から第1の位置に向けて付勢されているので、接続の解除後は、スライド部材41が第1の位置に自動的に復帰することとなり、接続時の誤動作等が生じにくいという利点が得られる。
(11)回動軸部21aの端部の切込部21bに、垂直位置決め手段9の摺動部材9aが係合するようになっているので、被清掃面に対して第1の継手20および第2の継手30が垂直に立ち上がる状態で保持することができる。したがって、第2の継手30に対する第2の吸込具6や延長管5等の着脱が容易であるという利点が得られる。
(12)基準面Fと延長管5(図1参照)の軸心O1とのなす角度θが90度以上となった場合にロック(接続のロック)を解除する機構(ロック解除機構)として、特許文献1では軸方向に延びるピンDを用いるのに対して、本実施例では、球状部材46を用いるため、ロック解除機構が第2の継手30上で完結しカバー部材22および基体21に形成されないので、カバー部材22と基体21の上面との間の空間部Kを広くできる。よって、空間部Kにハーネスだけでなく制御回路なども設けることができ、制御回路によって制御される複数の発光体(例えば、LED)をカバー部材22に設けることもできる。この複数の発光体は、第1の吸込具10の吸込口10aに形成される回転ブラシにかかる被清掃面からの負荷に応じてまたは掃除機本体2の運転モード(例えば、強、中、弱)に応じて変色(例えば、青、黄、緑)するのが好ましい。使用者による操作管4への引っ張り操作およびひねり操作がなく、被清掃面と延長管5(筒状接続部33)とのなす角度が略90度以上となる操作に応じて、第1の吸込具10が第2の吸込具6から外れる態様でもよい。
【0040】
なお、図10に示すように、第1の吸込具10に対して、第2の吸込具6だけではなく、延長管5や操作管4を接続することができ、またこれらを、前記と同様の操作を行うことによって切り離すことができる。したがって、清掃中に不意に延長管5や操作管4から第1の吸込具10が外れてしまうのを確実に防止することができ、使い勝手の良い電気掃除機1が得られる。また、係合部材6aは、従来のボタン6bの操作による構造をそのまま採用することができ、部品の共通化や組み付け作業の容易化を図ることができ、コストの低減を図ることができる。なお、図中係合部材6aは、係合部材5a、4aと対応しており、ボタン6bは、ボタン5b、4bに対応している。
【0041】
なお、第1の面44、44は、筒状接続部33に凹部を形成することで設けたが、これに限られることはなく、筒状接続部33にリブ等を設けて、その側面等で第1の面44、44を形成してもよい。また、切欠部45は、第1の面44、44の一方にのみ設けても良い。
【0042】
(第2実施形態)
図11(a)(b)に示すように、本実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、摺動部材35Aにロック機能を設けた点にある。
摺動部材35Aは、同図に示すように、後部に延びる延設部35bを備え、この延設部35bの後部に収容室S1に出没する解除規制部材35aが一体的に設けられている。
【0043】
解除規制部材35aは、図11(a)に示すように、カバー部材22の側面22aに摺動部材35Aの先端が当接している状態では、図11(b)に示すように、後端部35a1が収容室S1内に突出している。これによって、球状部材46が収容室S1側に転動することが規制されるようになっている。
【0044】
一方、図12(a)(b)に示すように、第1の継手20および第2の継手30Aが起立され、カバー部材22に設けられた凹状部24に摺動部材35Aが係合している状態では、収容室S1内から後端部35a1が没し、球状部材46の収容室S1への転動が可能となる。したがって、起立されると球状部材46は、凹溝41eから収容室S1に転動して、スライド部材41のロックが解除されるようになる。
【0045】
このような構成を備えることによって、図13(a)(b)に示すように、第1の継手20および第2の継手30Aが垂直方向に起立した姿勢を採るときにのみ、接続の解除が可能となる。
これにより、例えば、図14に示すように第1の継手20のみを起立するような姿勢で使用した場合に、矢印A1、B1方向への移動が不可となり、球状部材46の転動が確実に防止されるようになる。したがって、清掃中に不意に第1の吸込具10が第2の吸込具6から外れてしまうのを確実に防止することができ、使い勝手の良い電気掃除機1が得られる。
【0046】
なお、前記各実施形態において、第1の継手20や第2の継手30等を起立する際には、図15に示すように壁W等を利用して(壁Wに突き当てるようにして)容易に行うことができる。
【0047】
(第3実施形態)
本実施形態が前記第1、第2実施形態と異なるところは、被清掃面と延長管5(図1参照、以下同じ)とのなす角度θ(図18(b)参照)が略60度以上となる操作で第1の吸込具10が第2の吸込具6(ともに図1参照、以下同じ)から外れるように構成した点にある。
【0048】
図16に示すように、本実施形態では、ロック手段を構成する移動部材としての球状部材46が、傾斜部(傾斜面)としての前側傾斜部52を有する凹溝50に収容されるように構成されている。本実施形態においても、球状部材46は、凹溝50に収容されて第1の吸込具10と第2の吸込具6(延長管5)との接続のロックを保持する保持位置を採り、また、凹溝50に対応するカバー部材32の内面に形成された収容室S2に転動して、ロックを解除する解除位置を採るように構成されている。
【0049】
凹溝50は、図17に示すように、スライド部材41のガイド部41bの延設部41b1に、側面視で略すり鉢形状に形成されており、底面部51と、傾斜部としての前側傾斜部52と、後側傾斜部53とを備えてなる。底面部51は、延長管5の軸心O1(図4参照、以下同じ)と平行に設けられており、また、前側傾斜部52は、底面部51との角度θ1が鈍角となるように底面部51から前側へ向けて傾斜するように形成されている。本実施形態では、角度θ1を120度に設定している。
つまり、図示しない被清掃面に対向する第1の吸込具10の吸込口面を基準面Fとしたときに、基準面Fと延長管5の軸心O1(またはこれに平行な線O1’)とのなす角度が60度になると、前側傾斜部52は、基準面Fと平行になるように設定されている(図18(b)参照、)。
なお、前側傾斜部52は、収容室S2へ向けた直線状の傾斜面としたが、これに限られることはなく、前側へ向けて凹状とされた斜面を有するように形成したものでもよく、また、これとは逆に後側へむけて凸状とされた斜面を有するように形成したものでもよい。また、底面部51は、延長管5の軸心O1と必ずしも平行に設ける必要はない。
【0050】
このような前側傾斜部52を備えることによって、球状部材46は、前記第1実施形態のところで図4を参照して説明したような、基準面Fと延長管5の軸心O1とのなす角度θが90度以上となる前の段階、すなわち、角度θが60度以上となるようにする操作で、第1の吸込具10が第2の吸込具6(延長管5)から外れるようになっている。
【0051】
なお、凹溝50の後側傾斜部53も、底面部51から後側へ向けて鈍角となるように傾斜して形成されている。
また、凹溝50の深さは、球状部材46の直径の2/3以上となるように設定されることが好ましく、さらに、球状部材46の直径の3/4程度に設定されることが好ましい。
【0052】
このような凹溝50に対応する収容室S2には、凹溝50の前側傾斜部52に連続するように戻り用の傾斜部62が形成されている。収容室S2は、天部61と、傾斜部62とを備えて構成され、収容室S2の後側には、球状部材46を凹溝50側と収容室S2側とに振り分けるための振分部材63が配置されている。
【0053】
天部61は、凹溝50の底面部51と略平行とされており、図17に二点鎖線で示すように、球状部材46は、この天部61と振分部材63の内面63aとの間に保持されて解除位置を採るように構成されている。
傾斜部62は、前側へ向けて凹状とされた(円弧状とされた)斜面を形成しており、収容室S2内に球状部材46が位置するときに、解除位置側(収容室S2側)から保持位置側(凹溝50側)へ向けて球状部材46が自然に転動するのを補助する(転動し易くする)役割をなす。
【0054】
振分部材63は、球状部材46を凹溝50側と収容室S2側とに振り分けるためのくさび形状の突出部63bを有している。突出部63bは、先端部63cが収容室S2側(収容室S2内)に位置しており、先端部63cよりも下側(凹溝50側)には、凹溝50に対向するように傾斜した当接面63dが形成されている。この当接面63dには、球状部材46が当接可能であり、凹溝50内に球状部材46がある状態で延長管5が上方向(矢印A1方向、図18(a)参照)に引き上げ操作された際に、球状部材46が当接面63dに当接してスライド部材41の移動を規制するようになっている。
なお、突出部63bの先端部63cは、凹溝50と収容室S2との境界位置となるように配置してもよく、球状部材46の振り分けが所望の角度θで行われるように形状を変更することもできる。
【0055】
次に、第1の吸込具10と第2の吸込具6との接続を解除する際の作用について説明する。
はじめに、図18(a)に示すように、基準面F(図示しない被清掃面)と延長管5の軸心O1(ここでは軸心O1に平行な線O1’)とのなす角度θが60度未満となる45度(一般的な使用状態における角度)である状態では、球状部材46が、凹溝50内にあって、底面部51と前側傾斜部52とに跨るようにして位置して保持位置にある。この状態で、延長管5を上方向(矢印A1方向)に引き上げ操作しても、球状部材46が振分部材63の当接面63dに当接することとなるため、スライド部材41のスライドのロックが保持され、スライド部材41の移動が規制される。
【0056】
次に、図18(b)に示すように、基準面Fと延長管5の軸心O1(線O1’)とのなす角度θが一般的な使用状態よりも高くなる60度に持ち上げられると、凹溝50の底面部51が基準面Fと平行になり、球状部材46が保持位置側(凹溝50側)から解除位置側(収容室S2側)に転動(移動)可能となる。
さらに、図18(c)に示すように、基準面Fと延長管5の軸心O1(線O1’)とのなす角度θが60度より大きくなると、球状部材46が解除位置側(収容室S2側)に向けて自然に転動(移動)し、前側傾斜部52側から傾斜部62側に転動する。この状態で、延長管5を上方向(矢印A1方向)に引き上げ操作すると、振分部材63の突出部63bに球状部材46が当接し、球状部材46が弾かれるようにして収容室S2側に移動する(図18(d)参照)。これによって、球状部材46によるスライド部材41のロックが解除され、スライド部材41の位置変更(第1の位置から第2の位置への変更)が可能となる。
なお、基準面Fと延長管5の軸心O1(線O1’)とのなす角度θが60度であるときにも、延長管5を持ち上げるときの勢い等で、球状部材46が解除位置側(収容室S2側)に向けて移動可能であり、スライド部材41の位置変更が可能である。
【0057】
したがって、第1の吸込具10と第2の吸込具6(延長管5)との接続のロックを解除して、これらを容易に取り外すことができる。
【0058】
一方、第1の吸込具10から第2の吸込具6(延長管5)が外されると、一対のコイルばね38(図5(a)(b)参照)の付勢力によってスライド部材41が第2の位置から第1の位置へ戻される。これによって、球状部材46が収容室S2側から凹溝50側に転動して戻される。この際、収容室S2に形成された傾斜部62によって、収容室S2側から凹溝50側へ球状部材46がスムーズに転動され、球状部材46が凹溝50内に確実に戻されることとなる。
【0059】
このような構成を備えることによって、基準面Fと延長管5の軸心O1(線O1’)とのなす角度θが60度以上となる操作に応じて、第1の吸込具10が第2の吸込具6から外れるので、清掃中に不意に第1の吸込具10が第2の吸込具6から外れてしまうのを確実に防止しつつ、清掃時の角度(略45度)から少し持ち上げた角度(60度)で第1の吸込具10が第2の吸込具6から外れるようになり、扱い易さが増して、より一層使い勝手のよい電気掃除機1が得られる。
【0060】
また、清掃時の角度(略45度)から少し持ち上げた角度(60度)で第1の吸込具10が第2の吸込具6から外れるようになるので、前記実施形態のように、基準面Fと延長管5の軸心O1(線O1’)とのなす角度θが90度以上となる前の段階で取り外し操作を開始することができ、取り外し操作を無理なく行うことができて扱い易い電気掃除機1が得られる。
【0061】
また、振分部材63は、くさび形状の突出部63bを有しているので、先端部63cで球状部材46がうまく弾かれるようになり、振り分けを確実に行うことができる。したがって、扱い易く、より一層使い勝手のよい電気掃除機1が得られる。
【0062】
(第4実施形態)
本実施形態が前記第1、第2実施形態と異なるところは、係合部40からスライド部材41を排除した点にある。
図19、図20(a)(b)に示すように、第2の継手30Bに形成される係合部40’は、筒状接続部33の上面に形成された四角い凹溝内に、四角い枠部材42が嵌め込まれてなり、凹溝内には、前部側が深く、後部側が浅く形成された段付き状の底面部41a’、41b’が形成されている。そして、底面部41a’、41b’の境界部分には、第2の吸込具6の係合部材6aが係止される係止面43c’(図20(b)を併せて参照)が形成されている。
【0063】
このような係合部40’では、接続時に、第2の継手30Bに第2の吸込具6を嵌め込んでいくと、係合部材6aが、付勢力によって凹溝内に入り込み、底面部41b’に当接しながら凹溝内を前方へ進む状態となる。そして、さらに第2の継手30Bに第2の吸込具6を嵌め込んでいくと、凹溝内を前方へ進んできた係合部材6aが、接続の終端で底面部41b’から底面部41a’に移動し、係止面43c’に当接するようにして係止される(図20(a)(b)参照)こととなる。これによって、第2の継手30Bに第2の吸込具6を接続することができる(図21(a)参照)。
【0064】
また、接続の解除時には、図21(b)に示すように、第2の継手30Bを第2の吸込具6から引き抜く操作を行うと(矢印A1方向の力を作用させると)、係合部材6aは、底面部41a’から係止面43c’を乗り越えて底面部41b’に移動し、底面部41b’に当接しながら凹溝内を後方へ進んで、第2の面42aに当接する(図20(a)(b)参照)。
ここで、第2の吸込具6を、図21(c)に示すように、矢印B1方向にひねると、図20(a)に示すように、切欠部45を通じて係合部材6aが係合部40’から離脱する。これによって、第2の吸込具6から第2の継手30Bを切り離すことができる。
【0065】
このような係合部40’を有する電気掃除機1によれば、使用者による操作管4への引っ張り操作およびひねり操作によって、第1の吸込具10を第2の吸込具6から切り離すことができる。つまり、2つの異なる操作を行う(2つの異なる方向の力を作用させる)ことによって、第1の吸込具10が第2の吸込具6から切り離されるので、清掃中に不意に第1の吸込具10が第2の吸込具6から外れてしまうのを確実に防止することができ、使い勝手の良い電気掃除機1が得られる。
【0066】
なお、底面部41a’、41b’を同じ深さに形成して、係止面43c’の代わりに、係合部材6aが係止される溝部を底面部41a’、41b’に形成してもよい。
また、溝部は必ずしも形成する必要はなく、傾斜状(テーパ状)等の底面部としてもよい。
【0067】
なお、前記各実施形態において、各部の形状等は任意に設定することができ、スライド部材41の円周方向の幅や長さ等も任意に設定することができる。
【0068】
また、前記実施形態において移動部材は、球状部材46にて説明したが、これに限られることはなく、転動可能な円柱状の部材であってもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 電気掃除機
2 掃除機本体
3 ホース
4 操作管
4b ボタン
5 延長管(管)
5A、5B 管体
6 第2の吸込具
6a 係合部材
10 第1の吸込具
10B 吸口継手
10a 吸込口
20 第1の継手
30、30A、30B 第2の継手
41 スライド部材
41c 係止部
41d 第2の面
44 第1の面
45 切欠部
46 球状部材
O1 軸心
R1、R2 吸込通路
S1 収容室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機本体と、前記掃除機本体に接続されるホースと、把手を有し前記ホースに接続される操作管と、前記操作管に接続される継手管と、前記継手管に接続される第2の吸込具と、前記第2の吸込具に接続される第1の吸込具とを備えた電気掃除機において、
使用者による前記操作管への引っ張り操作およびひねり操作に応じて、前記第1の吸込具が前記第2の吸込具から外れることを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
請求項1に記載の電気掃除機において、
前記継手管に前記第2の吸込具が接続されずに前記継手管と前記第1の吸込具とが接続されている場合には、使用者による前記操作管への引っ張り操作およびひねり操作に応じて、前記継手管が前記第1の吸込具から外れることを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
請求項1に記載の電気掃除機において、
使用者による前記操作管への引っ張り操作およびひねり操作に加え、被清掃面と前記継手管とのなす角度が略90度以上となる操作に応じて、前記第1の吸込具が前記第2の吸込具から外れることを特徴とする電気掃除機。
【請求項4】
請求項1に記載の電気掃除機において、
使用者による前記操作管への引っ張り操作およびひねり操作に加え、被清掃面と前記継手管とのなす角度が略60度以上となる操作に応じて、前記第1の吸込具が前記第2の吸込具から外れることを特徴とする電気掃除機。
【請求項5】
請求項1に記載の電気掃除機において、
使用者による前記操作管へのボタン押下操作に応じて、前記継手管が前記操作管から外れ、
使用者による前記継手管へのボタン押下操作に応じて、前記第2の吸込具が前記継手管から外れ、
使用者による前記操作管への引っ張り操作およびひねり操作以外に、前記使用者による前記第2の吸込具へのボタン押下操作によっても、前記第1の吸込具が前記第2の吸込具から外れることを特徴とする電気掃除機。
【請求項6】
掃除機本体と前記掃除機本体に接続されるホースと前記ホースに接続される管と前記管に接続される吸込具とを備えた電気掃除機において、
前記管と前記吸込具のうち一方が他方に対して前記管の軸方向の引っ張り力および前記管の軸心を基準とした軸心周りのねじり力が作用した場合に、前記管と前記吸込具とが分離することを特徴とする電気掃除機。
【請求項7】
請求項6に記載の電気掃除機において、
前記管は、把手を有し前記ホースに接続される操作管と、前記操作管に接続される継手管と、前記継手管に接続される他の吸込具とを含み、
前記継手管に前記他の吸込具が接続されている場合には、前記他の吸込具が前記吸込具に接続され、前記管と前記吸込具のうち一方が他方に対して前記管の軸方向の引っ張り力および前記管の軸心を基準とした軸心周りのねじり力が作用した場合に、前記他の吸込具と前記吸込具の接続部分から前記管と前記吸込具とが分離し、
前記継手管に前記他の吸込具が接続されていない場合には、前記継手管が前記吸込具に接続され、前記管と前記吸込具のうち一方が他方に対して前記管の軸方向の引っ張り力および前記管の軸心を基準とした軸心周りのねじり力が作用した場合に、前記継手管と前記吸込具の接続部分から前記管と前記吸込具とが分離することを特徴とする電気掃除機。
【請求項8】
請求項6に記載の電気掃除機において、
前記管と前記吸込具のうち一方が他方に対して前記管の軸方向の引っ張り力および前記管の軸心を基準とした軸心周りのねじり力が作用し、さらに、被清掃面に対向する前記吸込具の吸込口面と前記管の軸心とのなす角度が所定の角度以上になった場合に、前記管と前記吸込具とが分離することを特徴とする電気掃除機。
【請求項9】
掃除機本体と前記掃除機本体に接続されるホースと前記ホースに接続される管と前記管に接続される吸込具とを備えた電気掃除機において、
前記管と前記吸込具との接続をロックするロック手段を備え、
前記ロック手段は、前記管と前記吸込具との少なくとも一方に2以上の異なる方向の力が作用した場合に、前記管と前記吸込具との接続のロックを解除することを特徴とする電気掃除機。
【請求項10】
請求項9に記載の電気掃除機において、
前記2以上の異なる方向の力は、前記管の軸方向の力と前記管の円周方向の力を含むことを特徴とする電気掃除機。
【請求項11】
請求項10に記載の電気掃除機において、
前記ロック手段は、前記管と前記吸込具の少なくとも一方に前記管の軸方向の力が作用した後に、前記管と前記吸込具の少なくとも一方に前記管の円周方向の力が作用した場合に、前記管と前記吸込具との接続のロックを解除することを特徴とする電気掃除機。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか1項に記載の電気掃除機において、
前記2以上の異なる方向の力は、被清掃面に対向する前記吸込具の吸込口面と前記管の軸心とのなす角度が所定の角度以上とする力を含むことを特徴とする電気掃除機。
【請求項13】
請求項12に記載の電気掃除機において、
前記ロック手段は、前記角度に対応して移動可能に設けられた移動部材を有しており、
前記移動部材は、前記角度が所定の角度未満であるときに、前記管と前記吸込具との接続のロックを保持する保持位置と、
前記角度が所定の角度以上であるときに、前記管と前記吸込具との接続のロックを解除する解除位置と、を採るように構成されていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項14】
請求項13に記載の電気掃除機において、
前記移動部材は、前記保持位置と前記解除位置との間を転動可能に設けられており、
前記角度が所定の角度以上であるときに、前記保持位置から前記解除位置に向けて転動し、前記角度が所定の角度未満であるときに、前記第2の位置から前記第1の位置に向けて転動するように構成されていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項15】
請求項14に記載の電気掃除機において、
前記ロック手段は、前記角度が所定の角度以上であるときに、前記移動部材が前記保持位置側から前記解除位置側に向けて自然に転動するように、前記保持位置側から前記解除位置側向けた傾斜部を備えていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項16】
請求項14または請求項15に記載の電気掃除機において、
前記ロック手段は、前記移動部材が前記解除位置側から前記保持位置側に向けて自然に転動するのを補助する、前記解除位置側から前記保持位置側向けた戻り用の傾斜部を備えていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項17】
掃除機本体と前記掃除機本体に接続されるホースと前記ホースに接続される管と前記管に接続される吸込具とを備えた電気掃除機において、
前記管における前記吸込具との接続部、および前記吸込具における前記管との接続部の一方に設けられた係合部と、
他方に設けられ、前記係合部に係合可能な係合部材と、を備え、
前記係合部は、前記管の軸方向に延びる一対の第1の面と、前記管の円周方向に延びる第2の面と、を含み、
前記第1の面における、前記第2の面の延長上となる部分に切欠部が形成されており、
前記係合部材は、前記第2の面から前記切欠部を通ることで前記係合部から離脱可能であることを特徴とする電気掃除機。
【請求項18】
請求項17に記載の電気掃除機において、
前記第2の面が形成された摺動部材を備え、
前記摺動部材は、
前記一対の第1の面の間において前記管の軸方向に摺動して位置変更可能であり、
前記一対の第1の面の間に位置して、前記係合部材の係合を保持する第1の位置と、
前記切欠部の側方に前記第2の面が位置して、前記切欠部を通じた前記係合部材の離脱を許容する第2の位置と、を採り得ることを特徴とする電気掃除機。
【請求項19】
請求項18に記載の電気掃除機において、
前記摺動部材を付勢する付勢手段を備え、
前記付勢手段は、前記摺動部材を前記第2の位置から前記第1の位置に向けて付勢することを特徴とする電気掃除機。
【請求項20】
請求項18または請求項19に記載の電気掃除機において、
前記摺動部材の摺動をロックし、前記摺動部材を前記第1の位置に保持するロック手段を備え、
前記ロック手段は、被清掃面に対する前記吸込具の吸込口面と前記管の軸心とのなす角度が所定の角度以上となった場合に、前記摺動部材の摺動のロックを解除することを特徴とする電気掃除機。
【請求項21】
請求項17から請求項20のいずれか1項に記載の電気掃除機において、
前記一対の第1の面は、前記管の軸方向に延びる一対の突起部または一対の段差部によって形成されていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項22】
請求項18から請求項21のいずれか1項に記載の電気掃除機において、
前記管における前記吸込具との接続部、および前記吸込具における前記管との接続部の一方に設けられ、前記管の軸方向に延びる電源端子と、
他方に設けられ、前記電源端子が接続される接続部と、を備え、
前記第1の位置に前記係合部材が位置するときに、前記電源端子が前記接続部に接続され、
前記第2の位置に前記係合部材が位置するときに、前記電源端子と前記接続部との接続が解除されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項23】
請求項17から請求項22のいずれか1項に記載の電気掃除機において、
前記係合部材は、前記管の半径方向に出没して前記係合部に係脱可能な係合突起を備えて構成されていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項24】
請求項17から請求項23のいずれか1項に記載の電気掃除機において、
前記管は、把手を有し前記ホースに接続される操作管と、前記操作管に接続される継手管と、前記継手管に接続される他の吸込具とを含み、
前記係合部材は、前記操作管の前記継手管との接続部と、前記継手管の前記他の吸込具との接続部と、前記他の吸込具の前記吸込具との接続部との、それぞれに形成されることを特徴とする電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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