説明

電気掃除機

【課題】利便性を向上できる電気掃除機を提供する。
【解決手段】開閉自在の蓋部60により底面が閉じられた筒状の集塵容器22内に旋回気流を形成して集塵容器22内に流入する気流に含まれた塵埃を分離して集塵する着脱自在のサイクロン集塵装置20を備えた電気掃除機において、サイクロン集塵装置20が、集塵容器22の上方に配された回転自在のハンドル41と、集塵容器22内に配されて旋回気流が流出する流出口51aを有する内筒51と、流出口51aから流出する気流に含まれた塵埃を捕集するフィルタ37と、ハンドル41の回転によってフィルタ37を叩打して除塵する弾性体から成る除塵部材31eとを備え、サイクロン集塵装置20を脱着してハンドル41を回転した際に蓋部60が開かれるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクロン集塵装置を備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機は特許文献1に開示されている。この電気掃除機は電動送風機を内装した本体部に着脱自在のサイクロン集塵装置が設けられる。サイクロン集塵装置は開閉自在の蓋部により底面が閉じられた筒状の集塵容器を有している。集塵容器の周面の上部には接線方向に気流を流入させる流入口が開口する。集塵容器の周面の下部には蓋部を開く操作部が設けられる。
【0003】
集塵容器内には同軸に内筒が配され、内筒の周面には集塵容器内の空気が流出する流出口が開口する。また、内筒の周面には螺旋状のリブが突設される。流出口の下流側には塵埃を捕集するフィルタが設けられる。フィルタの外周側には弾性体から成る回転自在の除塵部材が配置される。内筒の上方には除塵部材及び螺旋状のリブを回転させるハンドルが設けられる。
【0004】
電動送風機の駆動により塵埃を含む気流が流入口を介して集塵容器に流入し、集塵容器内に旋回気流を形成する。集塵容器内の旋回気流に含まれる塵埃は遠心力により分離され、集塵容器の底部に溜められる。塵埃が除去された気流は流出口から内筒内に流出する。内筒を流通する気流はフィルタにより細かい塵埃が捕集された後、電動送風機を介して排気される。
【0005】
サイクロン集塵装置を脱着して操作部を操作すると、蓋部が開いて集塵容器の底面から塵埃が落下して廃棄される。この時、ハンドルを回転させると除塵部材及び螺旋状のリブが回転する。除塵部材は回転しながらフィルタを叩打し、フィルタに捕集された塵埃を除塵して排出する。螺旋状のリブは集塵容器内に引っ掛かる塵埃を下方に押し出して排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−342492号公報(第4頁−第12頁、第25図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の電気掃除機によると、サイクロン集塵装置を脱着して操作部の操作により蓋部を開いて集塵容器内の塵埃が廃棄される。更に、ハンドルの操作によりフィルタに捕集された塵埃の除塵や集塵容器内に引っ掛かる塵埃が押し出される。このため、操作部の操作とハンドルの操作とを別々に行う必要があり、電気掃除機の利便性が悪い問題があった。また、使用者がハンドルの操作を忘れた際にフィルタの除塵が行われず、フィルタの目詰まりによって吸引力が低下する問題もあった。
【0008】
本発明は、利便性を向上できる電気掃除機を提供することを目的とする。また本発明は、吸引力の低下を防止できる電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、開閉自在の蓋部により底面が閉じられた筒状の集塵容器内に旋回気流を形成して前記集塵容器内に流入する気流に含まれた塵埃を分離して集塵する着脱自在のサイクロン集塵装置を備えた電気掃除機において、前記サイクロン集塵装置が、前記集塵容器の上方に配された回転自在のハンドルと、前記集塵容器内に配されて旋回気流が流出する流出口を有する内筒と、前記流出口から流出する気流に含まれた塵埃を捕集するフィルタと、前記ハンドルの回転によって前記フィルタを叩打して除塵する弾性体から成る除塵部材とを備え、前記サイクロン集塵装置を脱着して前記ハンドルを回転した際に前記蓋部が開かれることを特徴としている。
【0010】
この構成によると、電気掃除機により掃除を行うと塵埃を含む空気がサイクロン集塵装置の集塵容器内に流入し、集塵容器内に旋回気流が形成される。集塵容器内に流入した空気は旋回気流の遠心力により比較的大きな塵埃が分離されて脱落し、流出口から内筒内に流出する。内筒を流通する空気はフィルタにより細かい塵埃が捕集され、サイクロン集塵装置の排気口から排気される。サイクロン集塵装置を脱着してハンドルを回転させると、集塵容器の底面の蓋部が開かれるとともに除塵部材がフィルタを叩打する。これにより、フィルタが除塵され、集塵容器内に溜められた塵埃とともに廃棄される。
【0011】
また本発明は、上記構成の電気掃除機において、前記内筒が下面を開口して前記蓋部に密接し、前記内筒の上方に前記フィルタが配されることを特徴としている。この構成によると、フィルタの除塵により落下する塵埃は内筒内を通って下面から排出される。蓋部を閉じた際に内筒の下面は蓋部に密接し、内筒の下面からの空気の流出が防止される。
【0012】
また本発明は、上記構成の電気掃除機において、前記内筒の周面に突設される螺旋状の押圧部を備え、前記ハンドルを回転した際に前記内筒とともに前記押圧部が回転して塵埃を押し出すことを特徴としている。この構成によると、サイクロン集塵装置を脱着してハンドルを回転させると、集塵容器の底面の蓋部が開かれるとともに内筒とともに押圧部が回転する。これにより、集塵容器内に引っ掛かる塵埃が押し出されて排出される。
【0013】
また本発明は、上記構成の電気掃除機において、前記蓋部に回転自在に取り付けられて前記ハンドルの回転によって回転するとともに前記蓋部の下方に配される回転体下係合部を有する蓋部回転体と、前記蓋部に対して回動自在に取り付けられて前記蓋部の閉じた状態で配される閉成位置と前記蓋部を開く際に配される開成位置との間を回動するとともに前記回転体下係合部に係合する第1レバー係合部と前記集塵容器の周面に沿って配されて前記閉成位置で前記集塵容器に設けた容器係合部に係合する第2レバー係合部とを有するレバーと、前記レバーを前記閉成位置の方向に付勢するレバー付勢部材と、前記集塵容器の周面に配されるとともに第2レバー係合部と前記容器係合部との係合を解除する操作部とを備えたことを特徴としている。
【0014】
この構成によると、レバー付勢部材の付勢によってレバーの第2レバー係合部が集塵容器の容器係合部に係合して蓋部が閉じられる。ハンドルを回転すると蓋部に取り付けられる蓋部回転体が回転する。蓋部回転体の回転によって回転体下係合部と第1レバー係合部とが係合してレバーがレバー付勢部材の付勢力に抗して回動する。これにより、第2レバー係合部との容器係合部との係合が解除され、レバーが開成位置に配されて蓋部が開かれる。また、操作部を操作すると例えば、レバーが押圧されて第2レバー係合部と容器係合部との係合が解除され、レバーが開成位置に配されて蓋部が開かれる。操作部の操作によって容器係合部を押圧して第2レバー係合部と容器係合部との係合を解除してもよい。
【0015】
また本発明は、上記構成の電気掃除機において、前記回転体下係合部を軸方向にスライド自在に形成するとともに前記回転体下係合部を下方に付勢する回転体付勢部材を有し、前記サイクロン集塵装置を装着した際に前記回転体付勢部材の付勢力に抗して前記回転体下係合部が上方に移動し、前記回転体下係合部と第1レバー係合部との係合が解除されることを特徴としている。
【0016】
この構成によると、回転体下係合部は回転体付勢部材により下方に付勢され、サイクロン集塵装置の脱着時に回転体下係合部と第1レバー係合部とが係合する。サイクロン集塵装置が装着されると回転体下係合部が上方にスライドし、回転体下係合部と第1レバー係合部との係合が解除される。これにより、ハンドルを回転してもレバーが閉成位置に保持される。
【0017】
また本発明は、上記構成の電気掃除機において、前記内筒の下部に設けられる内筒下係合部と、前記蓋部回転体に設けられるとともに前記蓋部の上方に配されて前記内筒下係合部に係合する回転体上係合部と、前記除塵部材を回転駆動する除塵モータと、前記ハンドルと前記除塵部材とを連結するクラッチ機構とを備え、前記内筒を前記除塵部材に連結して前記ハンドルの回転によって前記クラッチ機構を介して前記除塵部材及び前記内筒が一体に回転するとともに前記内筒下係合部が前記回転体上係合部に係合して前記蓋部回転体が回転し、掃除の終了時に前記クラッチ機構を切断し、前記除塵モータにより前記除塵部材を回転して前記フィルタを除塵することを特徴としている。
【0018】
この構成によると、ハンドルはクラッチ機構を介して除塵部材に連結し、除塵部材は内筒に連結する。ハンドルを回転すると除塵部材が回転してフィルタを叩打するとともに内筒が回転して内筒下係合部が回転体上係合部に係合し、蓋部回転体が回転して蓋部が開かれる。サイクロン集塵装置を装着して掃除を行い、掃除が終了するとハンドルと除塵部材を連結するクラッチ機構が切断されて除塵モータが駆動される。除塵モータの駆動によって除塵部材が回転してフィルタを叩打する。この時、回転体下係合部と第1レバー係合部との係合が解除されているため、除塵モータを無限に回転させることができる。
【0019】
また本発明は、上記構成の電気掃除機において、前記回転体下係合部が前記蓋部回転体の下面から下方に突出するとともに第1レバー係合部が前記レバーの上面から上方に突出して互いに周方向に当接し、前記内筒の軸上に前記蓋部回転体及び前記レバーの回転軸を配したことを特徴としている。
【0020】
この構成によると、ハンドルを回転させると回転体下係合部が同一の回転軸を有する第1レバー係合部に係合してレバーが内筒の軸を中心に回動する。これにより、第2レバー係合部が集塵容器の周面に沿って移動して蓋部が開き、第1レバー係合部が回転体下係合部から下方に離れる。
【0021】
また本発明は、上記構成の電気掃除機において、前記回転体下係合部と第1レバー係合部との当接面は前記回転軸に垂直な面に対して略垂直かつ上方が前記蓋部の開成時に回転する方向に傾斜することを特徴としている。この構成によると、回転体下係合部と第1レバー係合部との当接面が傾斜するため、蓋部を開く際に第1レバー係合部が回転体下係合部と摺動せずに下方に離れる。また、該当接面が回転軸に垂直な面に対して略垂直に形成されるため、蓋部回転体の回転時に回転体下係合部が第1レバー係合部を押圧する力の軸方向の分力を小さくすることができる。
【0022】
また本発明は、開閉自在の蓋部により底面が閉じられた筒状の集塵容器内に旋回気流を形成して前記集塵容器内に流入する気流に含まれた塵埃を分離して集塵する着脱自在のサイクロン集塵装置を備えた電気掃除機において、前記サイクロン集塵装置が、前記集塵容器の上方に配された回転自在のハンドルと、前記集塵容器内に配されて旋回気流が流出する流出口を有する内筒と、前記内筒の周面に突設される螺旋状の押圧部とを備え、前記ハンドルを回転した際に前記内筒とともに前記押圧部が回転して塵埃を押し出すことを特徴としている。
【0023】
この構成によると、電気掃除機により掃除を行うと塵埃を含む空気がサイクロン集塵装置の集塵容器内に流入し、集塵容器内に旋回気流が形成される。集塵容器内に流入した空気は旋回気流の遠心力により比較的大きな塵埃が分離されて脱落し、流出口から内筒内に流出する。内筒を流通する空気はフィルタにより細かい塵埃が捕集され、サイクロン集塵装置の排気口から排気される。サイクロン集塵装置を脱着してハンドルを回転させると、集塵容器の底面の蓋部が開かれるとともに内筒とともに押圧部が回転する。これにより、集塵容器内に引っ掛かる塵埃が押し出されて排出される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、ハンドルの回転によって集塵容器の底面の蓋部を開くとともに除塵部材がフィルタを叩打するので、ハンドルを操作するだけでフィルタの除塵及び塵埃の廃棄を行うことができる。従って、電気掃除機の利便性を向上することができるとともに、フィルタの除塵を確実に行ってフィルタの目詰まりによる吸引力の低下を防止することができる。
【0025】
また本発明によると、ハンドルの回転によって集塵容器の底面の蓋部を開くとともに押圧部により塵埃を押し出すので、ハンドルを操作するだけで塵埃を押し出して塵埃の廃棄を行うことができる。従って、電気掃除機の利便性を向上することができる
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態の電気掃除機を示す斜視図
【図2】本発明の実施形態の電気掃除機の本体部を示す側面断面図
【図3】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置を示す側面断面図
【図4】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置を示す斜視図
【図5】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置のカバー部を上方から見た斜視図
【図6】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置のカバー部を下方から見た斜視図
【図7】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置の除塵回転体及び内筒部を上方から見た分解斜視図
【図8】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置の除塵回転体及び内筒部を下方から見た分解斜視図
【図9】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置のフィルタを示す斜視図
【図10】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置の内筒部及び集塵容器を上方から見た分解斜視図
【図11】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置の内筒部及び集塵容器を下方から見た分解斜視図
【図12】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置の集塵容器を上方から見た分解斜視図
【図13】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置の集塵容器を下方から見た分解斜視図
【図14】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置の集塵容器の底面図
【図15】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置の集塵容器の底面図
【図16】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置の装着時の要部を示す側面断面図
【図17】本発明の実施形態の電気掃除機のサイクロン集塵装置の要部を示す側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は一実施形態の電気掃除機を示す斜視図である。電気掃除機1は電動送風機6(図2参照)を内装する本体部2を備えている。本体部2の背面には引き出し及び収納が可能な電源コード8が設けられる。電源コード8は電源プラグ9を先端に有し、商用電源のコンセントに差し込んで本体部2に電力供給される。
【0028】
本体部2の前面には可撓性の接続ホース3が接続され、接続ホース3の先端には延長パイプ4が接続される。延長パイプ4の先端には床面に対峙する吸込口(不図示)を有した吸込口体5が設けられる。また、延長パイプ4には把持部13及び操作部14が設けられる。使用者により操作部14を操作して掃除運転が実行され、把持部13を把持して吸込口体5を移動させる。
【0029】
図2は本体部2の側面断面図を示している。本体部2は後部に電動送風機6が配され、電動送風機6の後方には排気口7が開口する。電動送風機6の前方には集塵室19が設けられ、集塵室19内には着脱自在のサイクロン集塵装置20が配される。サイクロン集塵装置20は接続ホース3(図1参照)からの気流が流入する流入口21及び塵埃を除去した気流が流出する集塵装置排気口24が設けられる。集塵装置排気口24と電動送風機6との間はダクト15により連結される。
【0030】
図3、図4はサイクロン集塵装置20の側面断面図及び斜視図を示している。サイクロン集塵装置20は集塵室19を覆って本体部2(図1参照)の上面を形成するカバー部40が上部に配され、塵埃を集塵する集塵容器22が下部に配される。カバー部40の上面には平面視円形のハンドル41が回転自在に保持され、ハンドル41の後方に集塵装置排気口24が開口する。ハンドル41を把持してサイクロン集塵装置20を本体部2に対して着脱することができる。
【0031】
カバー部40の下方には内筒51を有した内筒部50が取り付けられる。円筒状の集塵容器22は内筒部50の下方に取り付けられ、内筒51が集塵容器22内に同軸に配される。集塵容器22の底面は蓋部60により開閉自在になっている。また、内筒部50の上部にはフィルタ37が配され、フィルタ37を除塵する除塵装置30が設けられる。除塵装置30は除塵回転体31、ギア32及び除塵モータ33を備え、フィルタ37を保持する除塵回転体31がカバー部40内に突出して内筒部50の上部に取り付けられる。
【0032】
図5、図6はカバー部40をそれぞれ上方及び下方から見た斜視図を示している。カバー部40は除塵回転体31が配される空間部45を内部に有したカップ状に形成される。カバー部40の上部にはハンドル41と一体に回転して空間部45に突出するクラッチ部42が設けられる。
【0033】
クラッチ部42はハンドル41の内部に形成したスリーブ41a(図3参照)内に嵌合して上下移動可能になっており、付勢部材(不図示)により下方に付勢されている。また、クラッチ部42は下方に突出して周方向に並ぶ複数の三角歯から成るハンドル係合部42aを有している。ハンドル係合部42aは周方向の一面が軸方向に略平行な略鉛直に延びた鉛直面に形成され、他面が軸方向に対して傾斜した斜面に形成される。
【0034】
カバー部40の下部の周面には内筒部50に係合して内筒部50を保持する保持部43、44が対向して設けられる。
【0035】
図7、図8は除塵装置30の除塵回転体31及び内筒部50をそれぞれ上方及び下方から見た分解斜視図を示している。内筒部50は集塵容器22内に配される内筒51に対して拡径した拡径部52を内筒51の上方に有している。内筒51はハンドル41と同軸に配され、拡径部52に対して回転自在に支持されている。
【0036】
拡径部52の下面52aは円錐面に形成されて傾斜し、周面にはギヤ32が突出する開口部52bが形成される。拡径部52の外周面にはカバー部40の保持部43、44に係合する取付係合部53、54が対向して設けられる。一方の取付係合部54は回動自在に形成される。取付係合部53を保持部43に係合し、取付係合部54が回動して保持部44に係合する。これにより、内筒部50がカバー部40に取り付けられる。また、取付係合部54を手指で回動させることにより、内筒部50をカバー部40から脱着することができる。
【0037】
除塵装置30の除塵回転体31は拡径部52内に挿入される。除塵回転体31は軸部31a、腕部31b及び環状部31cを有している。軸部31aはハンドル41と同軸に配されて上下方向に延び、ハンドル係合部42aに係合する上面係合部34を上面に有している。
【0038】
上面係合部34は上方に延びて周方向に並ぶ複数の三角歯から成っている。上面係合部34は周方向の一面が軸方向に略平行な略鉛直に延びた鉛直面に形成され、他面が軸方向に対して傾斜した斜面に形成される。
【0039】
腕部31bは軸線周りに所定の角度間隔で複数設けられ、軸部31aから径方向外側に向かって延びている。環状部31cは軸部31aと同心の円筒形状を成し、腕部31bにより支持されている。環状部31cの内面にフィルタ37が嵌合して配される。
【0040】
図9はフィルタ37の斜視図を示している。フィルタ37は平面視円形のプリーツフィルタから成り、所定の角度間隔で周方向に山部37aと谷部37bとが連続するように折り曲げて形成される。これにより、フィルタ37の捕集面積の拡大が図られている。
【0041】
また、環状部31cの外周面には周方向に沿ってギア部31dが形成されている。ギヤ部31dはギヤ32に噛合し、除塵モータ33(図4参照)の駆動によって除塵回転体31が回転する。
【0042】
ハンドル41を一方向に回転すると、ハンドル係合部42a及び上面係合部34の鉛直面が係合してハンドル41と除塵回転体31とが一体に回転する。除塵モータ33の駆動によって除塵回転体31を同じ方向に回転させると、ハンドル係合部42a及び上面係合部34の斜面が当接する。これにより、クラッチ部42が上方に退避し、ハンドル41の回転を防止して除塵回転体31を回転させることができる。
【0043】
ハンドル41を逆方向に回転させた際も同様にクラッチ部42が上方に退避し、除塵回転体31の回転を防止することができる。従って、クラッチ部42及び軸部31aはハンドル41と除塵回転体31との連結及び連結解除を行うクラッチ機構を構成する。尚、前述の図3はクラッチ部42が上方に退避した状態を示している。
【0044】
除塵回転体31の腕部31bには下方に突出する複数の除塵部材31e(図3参照)が設けられる。除塵部材31eは弾性体から成り、フィルタ37の山部37aを越える位置まで延びている。ハンドル41または除塵モータ33(図4参照)によって除塵回転体31が回転すると、除塵部材31eが一体に回転してフィルタ37の山部37a(図9参照)を順に叩打する。これにより、フィルタ37を振動させてフィルタ37の表面に付着した塵埃を除塵し、内筒部50の拡径部52に塵埃を落下させる。
【0045】
除塵回転体31の軸部31aの下部には可撓性部材36及び下端係合部35が設けられる。可撓性部材36は拡径部52の下面52aに沿って配され、除塵回転体31の回転によって拡径部52の下面52aに摺動する。これにより、拡径部52の下面52a上に付着した塵埃を中央の内筒51に導く。下端係合部35は内筒51の上端に設けた内筒上係合部56に係合する。これにより、除塵回転体31の回転によって内筒51が回転する。
【0046】
内筒51の周面には集塵容器22(図3参照)内の気流が流出する流出口51aが開口する。内筒51は集塵容器22の蓋部60(図3参照)まで延びて形成され、下面に開口部51bが設けられる。フィルタ37の除塵によって内筒51内に落下する塵埃は開口部51bを介して蓋部60上に堆積する。
【0047】
内筒51の下部には径方向に突出した螺旋状の押出部55が設けられる。内筒51が回転すると集塵容器22(図3参照)の下部に堆積する塵埃は押出部55の送り作用によって圧縮される。また、蓋部60(図3参照)を開いた際に内筒51を回転させると、集塵容器22(図3参照)の下部に堆積する塵埃が押出部55により押し出される。
【0048】
図10、図11は内筒部50及び集塵容器22をそれぞれ上方から見た分解斜視図及び下方から見た分解斜視図を示している。拡径部52の外周面の下部には複数の取付リブ57が突設される。集塵容器22は円筒状の円筒部22aの底面が蓋部60で開閉され、取付リブ57に係合する取付溝25が円筒部22aの上端に形成される。集塵容器22を回転して取付溝25を取付リブ57に係脱させることにより、集塵容器22を内筒部50に対して着脱できるようになっている。
【0049】
集塵容器22の周面に開口する流入口21は気流を接線方向に流入させるように設けられ、接続ホース3(図2参照)が接続される。これにより、集塵容器22内には旋回気流が形成され、旋回気流による遠心力によって塵埃が分離される。
【0050】
内筒51の内面の下部には内筒下係合部58が設けられる。内筒下係合部58は蓋部60に設けられる上部回転体63の回転体上係合部63aに係合する。内筒51の回転によって内筒下係合部58が回転体上係合部63aに係合して上部回転体63が回転する。
【0051】
図12、13は集塵容器22を更に分解してそれぞれ上方から見た分解斜視図及び下方から見た分解斜視図を示している。蓋部60は円盤状に形成され、一端に設けられるヒンジ部60aにより円筒部22aに枢支される。蓋部60には上方に突出するボス60bが内筒51と同軸に形成される。ボス60bは中空に形成され、上面に孔部60cが開口する。蓋部60の下面にはボス60bの周囲から径方向に延びて周面の一端を開放する凹部60dが形成される。
【0052】
ボス60bの上面にはリング状のパッキン62が嵌合する。パッキン62が内筒51(図3参照)の内面に接して内筒51が蓋部60に密接し、内筒51の下端の開口部51b(図8参照)からの気流の流出が防止される。
【0053】
蓋部60には上部回転体63、中間リング64、下部回転体65、下部リング66、シャフト67及び固定ネジ68を有した蓋部回転体69が取り付けられる。上部回転体63は蓋部60の上方に配され、中間リング64、下部回転体65、下部リング66及びシャフト67が蓋部60の下方に配される。シャフト67が中間リング64、下部回転体65及び下部リング66を貫通して固定ネジ68によって上部回転体63に固定され、蓋部回転体69が回転自在に蓋部60に取り付けられる。
【0054】
上部回転体63はボス60bの上面に配されてボス60bの周面に嵌合する。上部回転体63の下面には断面矩形のシャフト部63bが突設される。シャフト部63aの上部は断面円形に形成され、ボス60bの孔部60cに嵌合する。これにより、上部回転体63が蓋部60に対して回転自在に配される。上部回転体63の上面には内筒下係合部58(図11参照)に係合する回転体上係合部63aが突設される。
【0055】
シャフト67は断面矩形に形成されるとともにシャフト部63bが挿通される断面矩形の軸孔67aを有している。シャフト67の下端には鍔部67bが径方向に突出して形成される。軸孔67aに上部回転体63のシャフト部63bを挿入して固定ネジ58によりシャフト67が上部回転体63に固定される。
【0056】
中間リング64は滑り性のよい樹脂から成り、シャフト67が挿通される断面矩形の孔部64aを有している。中間リング64はボス60bの下面に当接し、圧縮バネから成る回転体付勢部材61(図3参照)の上面を支持する。
【0057】
下部回転体65はシャフト67が挿通される断面矩形の孔部65bを有し、回転体付勢部材61(図3参照)の下面を支持する。これにより、下部回転体65が回転体付勢部材61によって蓋部60に対して下方に付勢され、上下にスライド移動可能になっている。下部回転体65と一体に回転する回転体付勢部材61とボス60bとの摩擦による捩れを中間リング64により低減し、回転体付勢部材61の破損を防止することができる。
【0058】
また、下部回転体65の下面の孔部65bの周囲は平面から成り、下面の周部には周方向に所定量離れた複数の回転体下係合部65aが下方に向けて突設される。回転体下係合部65aはレバー70の第1レバー係合部70aに係合する。
【0059】
下部リング66は周面が円筒面から成るカップ状に形成され、シャフト67が挿通される孔部66aを上面に有している。下部リング66の上面は下部回転体65の下面に当接し、孔部66aの下面側の周囲にシャフト67の鍔部67bが当接して下部リング66が固定される。
【0060】
蓋部60の凹部60d内にはレバー70が配される。レバー70は蓋部60の下面に沿って配されて径方向に延びる底面部70eと、集塵容器22の円筒部22aの周面に沿って配される周面部70fとを有した略T字型に形成される。レバー70は下部リング66に嵌合する孔部70dを有し、蓋部60に対して蓋部回転体69と同軸に回動自在に支持される。また、レバー70は凹部60dを塞ぐカバー71により覆われ、凹部60dの上面及びカバー71によって上下方向の移動が規制される。
【0061】
孔部70dの周囲の上面側には周方向に所定量離れた複数の第1レバー係合部70aが上方に突出して設けられる。第1レバー係合部70aは下方に付勢された回転体下係合部65aに係合する。これにより、蓋部回転体69が所定角度だけ回転すると、回転体下係合部65aと第1レバー係合部70aとが係合してレバー70が凹部60d内を回動する。また、下部回転体65が上方に移動すると、第1レバー係合部70aと回転体下係合部65aとの係合が解除される。
【0062】
レバー70の周面部70fには突起部70bが設けられ、突起部70bの周方向の前方及び後方には第2レバー係合部70cが突設される。集塵容器22の円筒部22aの下端には第2レバー係合部70cが係脱する容器係合部28が設けられる。また、レバー70は圧縮バネから成るレバー付勢部73(図14参照)によって第2レバー係合部70cが容器係合部28に係合する方向に付勢されている。
【0063】
集塵容器22の円筒部22aの周面の下部には突起部70bに当接して周方向に移動可能な操作部27が設けられる。集塵容器22の下部を把持して操作部27を押圧すると、レバー付勢部73の付勢力に抗して突起部70bが押圧されてレバー70が回動する。
【0064】
また、回転体下係合部65aは下方に突出し、第1レバー係合部70aは上方に突出して互いに周方向に当接する。そして、内筒51、蓋部回転体69及びレバー70が同軸に配される。これにより、レバー70の回転軸が円筒部22aと同軸に配され、簡単な構成でレバー70の周面部70fを円筒部22aの周面に沿って移動させることができる。
【0065】
カバー71はネジ72により蓋部60の下面に固定され、凹部60dを塞ぐ。カバー71には下部リング66が嵌合する孔部71aが設けられる。下部リング66は回転体付勢部材61(図3参照)の付勢によってカバー71の下方に突出する。
【0066】
図14は集塵容器22の底面図を示している。レバー70はレバー付勢部73の付勢によって図中、時計回りに付勢される。レバー70が同図に示す凹部60dの一端の閉成位置に配された時に、第2レバー係合部70c(図13参照)は容器係合部28によって下方を覆われる位置に配される。これにより、蓋部60は容器係合部28に係止され、閉じられた状態が維持される。
【0067】
図15に示すように、操作部27の押圧またはハンドル41の回転によってレバー70はレバー付勢部73の付勢力に抗して凹部60dの他端の開成位置に配される。これにより、第2レバー係合部70cは容器係合部28から周方向に退避して第2レバー係合部70cと容器係合部28との係合が解除される。従って、蓋部60を自重により開くことができる。
【0068】
上記構成の電気掃除機1において電動送風機6の駆動によって吸込口体5から床面の塵埃が吸い込まれ、延長パイプ4及び接続ホース3を流通する。塵埃を含む気流はサイクロン集塵装置20の流入口21から矢印A1(図3参照)に示すように集塵容器22に流入し、矢印A2(図3参照)に示すように集塵容器22内に旋回気流を形成する。旋回気流の遠心力によって気流に含まれる比較的大きな塵埃が除去され、集塵容器22の底部に堆積する。
【0069】
塵埃が除去された気流は矢印A3に示すように流出口51aから内筒51内に流出して上昇し、フィルタ37により細かい塵埃が捕集される。フィルタ37を通過した気流は集塵装置排気口24を介してサイクロン集塵装置20から流出する。サイクロン集塵装置20から流出した気流はダクト15を流通し、電動送風機6を介して排気口7から排気される。
【0070】
操作部14の操作により電動送風機6を停止すると、除塵装置30の除塵モータ33が所定時間だけ駆動される。除塵モータ33の駆動によってギヤ32を介して除塵回転体31が回転する。この時、クラッチ部42を有するクラッチ機構が切断され、ハンドル41と除塵回転体31との連結を解除してハンドル41の回転が防止される。
【0071】
除塵回転体31の回転によって除塵部材31eがフィルタ37を叩打し、フィルタ37に捕集された塵埃が除塵されて内筒部50に落下する。この時、可撓性部材36によって拡径部52の下面52a上の塵埃が内筒51内に導かれ、内筒51の底部に堆積する。
【0072】
また、除塵回転体31の回転によって除塵回転体31の下端係合部35と内筒上係合部56とが係合して内筒51が回転する。内筒51の回転によって押出部55が集塵容器22の底部の塵埃を圧縮する。更に、内筒下係合部58と回転体上係合部63aとが係合して蓋部回転体69が回転する。
【0073】
この時、図16に示すように、蓋部回転体69の下部リング66は集塵室19の所定位置に当接して上昇し、回転体下係合部65aが上方に退避する。これにより、回転体下係合部65aと第1レバー係合部70aとの係合が解除される。このため、凹部60dによって回動範囲が規制されるレバー70の回動が防止され、除塵回転体31を無限に回転させることができる。
【0074】
また、ハンドル41を所定方向に回転すると除塵回転体31と連結して蓋部回転体69が回転する。この時、回転体下係合部65aと第1レバー係合部70aとの係合が解除されている。これにより、サイクロン集塵装置20を脱着した際に蓋部60が開くことによる塵埃の飛散を防止することができる。
【0075】
サイクロン集塵装置20を集塵室19から脱着してハンドル41を回転させると、ハンドル係合部42aが除塵回転体31の上面係合部34に係合する。これにより、除塵回転体31が回転してフィルタ37が除塵される。除塵回転体31の下端係合部35は内筒上係合部56に係合し、除塵回転体31の回転により内筒51が押出部55と一体に回転する。
【0076】
図17に示すように、内筒下係合部58は回転体上係合部63aに係合し、内筒51の回転により蓋部回転体69が回転する。下部リング66がカバー71から下方に突出するため回転体下係合部65aは第1レバー係合部70aに係合し、閉成位置に配されたレバー70が回動する。レバー70が回動して開成位置に配されると、第2レバー係合部70cと容器係合部28との係合が解除されて蓋部60が開かれる。これにより、集塵容器22内の塵埃が押出部55により押し出されて廃棄される。
【0077】
また、操作部27を押圧すると、閉成位置に配されたレバー70が回動して開成位置に配される。この時、第1レバー係合部70aは回転体下係合部65aから離れる方向に回転する。このため、除塵回転体31、内筒51、蓋部回転体69及びレバー70を同時に回転させるハンドル41の操作時よりも負荷を小さくして集塵容器22内の塵埃を廃棄することができる。容器係合部28を回動自在に設け、操作部27の操作によって容器係合部28を押圧して第2レバー係合部70cと容器係合部28との係合を解除してもよい。
【0078】
尚、回転体下係合部65aと第1レバー係合部70aとの当接面は蓋部回転体69及びレバー70の回転軸に垂直な面に対して略垂直かつ上方が蓋部60の開成時に回転する方向に傾斜している。該当接面を傾斜させることにより蓋部60を開く際に第1レバー係合部70aが回転体下係合部65aと摺動せずに下方に離れ、摩擦力の発生を防止できる。
【0079】
また、該当接面が回転軸に垂直な面に対して略垂直に形成されるため、蓋部回転体69の回転時に回転体下係合部65aが第1レバー係合部70aを押圧する力の軸方向の分力を小さくすることができる。従って、軽い操作力でハンドル41を回転して蓋部60を開くことができる。本実施形態では該当接面を回転軸に垂直な面に対して約75゜に形成している。
【0080】
本実施形態によると、ハンドル41の回転によって集塵容器22の底面の蓋部60を開くとともに除塵部材31eがフィルタ37を叩打するので、ハンドル41を操作するだけでフィルタ37の除塵及び塵埃の廃棄を行うことができる。従って、電気掃除機1の利便性を向上することができるとともに、フィルタ37の除塵を確実に行ってフィルタ37の目詰まりによる吸引力の低下を防止することができる。
【0081】
また、ハンドル41の回転によって集塵容器22の底面の蓋部60を開くとともに押圧部55により塵埃を押し出すので、ハンドル41を操作するだけで塵埃を押し出して塵埃の廃棄を行うことができる。従って、電気掃除機1の利便性を向上することができる
【0082】
また、内筒51が下面を開口して蓋部60に密接し、内筒51の上方にフィルタ37が配されるので、フィルタ37の除塵により落下した塵埃が蓋部60上に堆積し、蓋部60の開成によって容易に塵埃を廃棄することができる。加えて、内筒51の下面からの気流の流出を防止することができる。
【0083】
また、回転体下係合部65aを有する回転自在の蓋部回転体69と第1、第2レバー係合部70a、70cを有する回動自在のレバー70とを蓋部60に設け、レバー70を押圧する操作部27を集塵容器22の周面に配したので、簡単な構成でハンドル41の回転によって回転体下係合部65aと第1レバー係合部70aとが係合して蓋部60を開くことができる。加えて、操作部27の操作によってハンドル41の操作時よりも軽い負荷で蓋部60を開くことができる。これにより、集塵容器22内に引っ掛かる塵埃によってハンドル41の操作が重くなる場合や使用者の力が弱い場合に操作部27の操作により容易に塵埃を廃棄することができる。従って、電気掃除機1の利便性をより向上することができる。
【0084】
また、回転体下係合部65aを有する下部回転体65が回転体付勢部材61により下方に付勢され、サイクロン集塵装置20を装着した際に回転体下係合部65aが上方に退避して第1レバー係合部70aとの係合が解除されるので、レバー70が閉成位置に保持される。これにより、ハンドル41を回転した後にサイクロン集塵装置20を脱着しても蓋部60が開くことがなく、塵埃の飛散を防止することができる。
【0085】
また、除塵部材31eを有する除塵回転体31とハンドル41とを連結するクラッチ機構(42、31a)と除塵部材31eを回転駆動する除塵モータ33とを設け、掃除の終了時に除塵モータ33によって除塵部材31eを回転させるので、フィルタ37の除塵を頻繁に行うことができ、目詰まりを防止することができる。この時、サイクロン集塵装置20の装着によって回転体下係合部65aと第1レバー係合部70aとの係合が解除されるので、回動範囲が規制されるレバー70の回動が防止され、除塵回転体31を無限に回転させることができる。
【0086】
また、回転体下係合部65aが下方に突出するとともに第1レバー係合部70aが上方に突出して互いに周方向に当接し、内筒51、蓋部回転体69及びレバー70が同軸に配されるので、簡単な構成でレバー70の周面部70fを集塵容器22の内筒部22aの周面に沿って移動させることができる。従って、操作部27の操作によってレバー70を容易に回動させることができる。
【0087】
また、回転体下係合部65aと第1レバー係合部70aとの当接面は蓋部回転体69及びレバー70の回転軸に垂直な面に対して略垂直かつ上方が蓋部60の開成時に回転する方向に傾斜している。該当接面を傾斜させることにより蓋部60を開く際に第1レバー係合部70aが回転体下係合部65aと摺動せずに下方に離れ、摩擦力の発生を防止できる。従って、蓋部60を確実に開くことができる。
【0088】
また、該当接面が回転軸に垂直な面に対して略垂直に形成されるため、蓋部回転体69の回転時に回転体下係合部65aが第1レバー係合部70aを押圧する力の軸方向の分力を小さくすることができる。従って、軽い操作力でハンドル41を回転して蓋部60を開くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明によると、サイクロン集塵装置を備えた電気掃除機に利用することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 電気掃除機
2 本体部
3 接続ホース
4 延長パイプ
5 吸込口体
6 電動送風機
7 排気口
14 操作部
15 ダクト
19 集塵室
20 サイクロン集塵装置
21 流入口
22 集塵容器
24 集塵装置排気口
27 操作部
28 容器係合部
30 除塵装置
31 除塵回転体
31a 軸部
31e 除塵部材
32 ギヤ
33 除塵モータ
34 上面係合部
35 下端係合部
37 フィルタ
40 カバー部
41 ハンドル
42 クラッチ部
42a ハンドル係合部
50 内筒部
51 内筒
51a 流出口
52 拡径部
55 押出部
56 内筒上係合部
58 内筒下係合部
60 蓋部
61 回転体付勢部材
62 パッキン
63 上部回転体
63a 回転体上係合部
64 中間リング
65 下部回転体
65a 回転体下係合部
66 下部リング
67 シャフト
69 蓋部回転体
70 レバー
70a 第1レバー係合部
70c 第2レバー係合部
71 カバー
73 レバー付勢部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉自在の蓋部により底面が閉じられた筒状の集塵容器内に旋回気流を形成して前記集塵容器内に流入する気流に含まれた塵埃を分離して集塵する着脱自在のサイクロン集塵装置を備えた電気掃除機において、前記サイクロン集塵装置が、前記集塵容器の上方に配された回転自在のハンドルと、前記集塵容器内に配されて旋回気流が流出する流出口を有する内筒と、前記流出口から流出する気流に含まれた塵埃を捕集するフィルタと、前記ハンドルの回転によって前記フィルタを叩打して除塵する弾性体から成る除塵部材とを備え、前記サイクロン集塵装置を脱着して前記ハンドルを回転した際に前記蓋部が開かれることを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記内筒が下面を開口して前記蓋部に密接し、前記内筒の上方に前記フィルタが配されることを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記内筒の周面に突設される螺旋状の押圧部を備え、前記ハンドルを回転した際に前記内筒とともに前記押圧部が回転して塵埃を押し出すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記蓋部に回転自在に取り付けられて前記ハンドルの回転によって回転するとともに前記蓋部の下方に配される回転体下係合部を有する蓋部回転体と、前記蓋部に対して回動自在に取り付けられて前記蓋部の閉じた状態で配される閉成位置と前記蓋部を開く際に配される開成位置との間を回動するとともに前記回転体下係合部に係合する第1レバー係合部と前記集塵容器の周面に沿って配されて前記閉成位置で前記集塵容器に設けた容器係合部に係合する第2レバー係合部とを有するレバーと、前記レバーを前記閉成位置の方向に付勢するレバー付勢部材と、前記集塵容器の周面に配されるとともに第2レバー係合部と前記容器係合部との係合を解除する操作部とを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記回転体下係合部を軸方向にスライド自在に形成するとともに前記回転体下係合部を下方に付勢する回転体付勢部材を有し、前記サイクロン集塵装置を装着した際に前記回転体付勢部材の付勢力に抗して前記回転体下係合部が上方に移動し、前記回転体下係合部と第1レバー係合部との係合が解除されることを特徴とする請求項4に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記内筒の下部に設けられる内筒下係合部と、前記蓋部回転体に設けられるとともに前記蓋部の上方に配されて前記内筒下係合部に係合する回転体上係合部と、前記除塵部材を回転駆動する除塵モータと、前記ハンドルと前記除塵部材とを連結するクラッチ機構とを備え、前記内筒を前記除塵部材に連結して前記ハンドルの回転によって前記クラッチ機構を介して前記除塵部材及び前記内筒が一体に回転するとともに前記内筒下係合部が前記回転体上係合部に係合して前記蓋部回転体が回転し、掃除の終了時に前記クラッチ機構を切断し、前記除塵モータにより前記除塵部材を回転して前記フィルタを除塵することを特徴とする請求項5に記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記回転体下係合部が前記蓋部回転体の下面から下方に突出するとともに第1レバー係合部が前記レバーの上面から上方に突出して互いに周方向に当接し、前記内筒の軸上に前記蓋部回転体及び前記レバーの回転軸を配したことを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載の電気掃除機。
【請求項8】
前記回転体下係合部と第1レバー係合部との当接面は前記回転軸に垂直な面に対して略垂直かつ上方が前記蓋部の開成時に回転する方向に傾斜することを特徴とする請求項7に記載の電気掃除機。
【請求項9】
開閉自在の蓋部により底面が閉じられた筒状の集塵容器内に旋回気流を形成して前記集塵容器内に流入する気流に含まれた塵埃を分離して集塵する着脱自在のサイクロン集塵装置を備えた電気掃除機において、前記サイクロン集塵装置が、前記集塵容器の上方に配された回転自在のハンドルと、前記集塵容器内に配されて旋回気流が流出する流出口を有する内筒と、前記内筒の周面に突設される螺旋状の押圧部とを備え、前記ハンドルを回転した際に前記内筒とともに前記押圧部が回転して塵埃を押し出すことを特徴とする電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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