説明

電気接続箱

【課題】作業性を改善することができるとともに部品数の低減が図られており、且つ、性能や耐久性が低下し難い電気接続箱を提供する。
【解決手段】電気接続箱1は、ブロック2、筐体3、及び蓋部4を備える。ブロック2には、電気部品5aが設けられている。筐体3は、周壁10,11,12,13及び奥壁14により構成される。筐体3は、ブロック2をブロック2から導出された電線7と共に収納する中空の内部空間8を有する。筐体3は、内部空間8にブロック2を出し入れする一つの開口部9を奥壁14に対向して有する。蓋部4は、開口部9を塞いで内部空間8内のブロック2を覆う。電気部品5aを取り付けたブロック2の部品搭載面2aが周壁10,11,12,13のうちの一つの周壁11に対向した姿勢でブロック2が開口部9からスライドして内部空間8内に収納される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、例えば自動車などの車両に搭載される様々な電気・電子部品間の電気的接続をとるための装置に係り、特にブロック化されたリレーやヒューズなどを収容してなる電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、図示を伴う具体的且つ詳細な説明は省略するが、例えば自動車などの車両には、ヘッドランプ、エンジン始動用モータ、エアコンディショナ、オーディオ、あるいはナビゲーションシステム等々の様々な電気・電子部品が搭載されている。そして、これら各種電気・電子部品にバッテリーから電力を供給したり、あるいはそれら各部品間の電気的な接続をとったりするための装置が必要となる。この装置は、一般に電気接続箱と称されている。
【0003】
現在、電気接続箱の中には、例えば下記特許文献1に開示されている発明のように、いわゆるフレーム構造を採用しているものがある。このフレーム構造からなる電気接続箱を作製するに際しては、先ず、箱本体となるフレームにカセットブロックを取り付ける。続けて、このカセットブロックにリレーやヒューズなどの各種電気部品を装着する。これにより、他の車載部品の各端子との接続を取るための1つのブロックが組み立てられる。最後に、フレームの上方からアッパーカバーを被せるとともにフレームの下方からロアカバーを被せて、ブロックを全面的に覆う。以上の工程により、リレー等を備える電気接続箱が作製される。
【0004】
このようなフレーム構造の電気接続箱においては、車両における搭載スペースが制限されているため、ブロックとロアカバーとの間の高さが最低限に抑えられているものが多い。このため、ブロックから引き出されている電線等の箱の内部への収納性が非常に悪いものが多い。また、例えばフレームにロアカバーを被せる際に、併せて電線を押さえ込むなどの余計な作業が発生し易く、作業性が悪い。さらには、この電線の押さえ込み作業を行う際に、電線を噛み込んでしまうなどの問題が発生し易い。この電線の噛み込みは、電線の性能や品質、信頼性あるいは耐久性などを低下させる原因となる。ひいては、電気接続箱や電気接続箱が搭載される自動車などの性能や品質、信頼性あるいは耐久性などを低下させる原因となる。
【0005】
また、フレーム構造の電気接続箱は、その内部に収納するブロックや各種電気部品のみならず、箱の筐体部分を組み立てるだけでもフレーム、アッパーカバー、及びロアカバーの少なくとも3点の部品が必要となる。このため、部品数が多くなり、組付け箇所が増え、さらには部品の構造も複雑になる。したがって、組み立てに要する作業工数及び作業時間が増大し易く、作業性が悪くなり易い。ひいては、製造コストが高騰し易い。さらには、部品数が増えると各部品間のつなぎ目が必然的に多くなるので、水や粉塵等が箱の内部に進入し易くなる。この水や粉塵等の進入は、前述した電線の噛み込みと同様に、電気接続箱や電気接続箱が搭載される自動車などの性能や品質、信頼性あるいは耐久性などを低下させる原因となる。
【0006】
このようなフレーム構造の電気接続箱が抱える問題を解消するための発明が、例えば下記特許文献2に開示されている。この特許文献2の発明においては、前述した特許文献1のブロックが嵌め込まれるフレームに相当する部分がロアカバーと一体に形成されている。そして、アッパーカバーは、ロアカバーに装着された際にロアカバーと共にブロックを全面的に覆う大きさ及び形状に形成されている。
【0007】
このように、特許文献2の発明においては、フレームとロアカバーとが実質的に一体に形成されている。このため、一見すると、特許文献1の発明に比べて部品数が確かに1つ減っているように思える。しかし、特許文献2の発明においてアッパーカバー及びロアカバーからなる套体に収納されるのは、リレーやヒューズなどの電気部品が装着されたブロックだけではなく、このブロックを内部に収納して覆った電気接続箱全体である。すなわち、特許文献2の発明においては、特許文献1の発明における電気接続箱を、その外側からさらにアッパーカバー及びロアカバーで覆う構造となっている。よって、実際には、特許文献2の発明は、特許文献1の発明に比べて部品数が減るどころか、逆に増えている。したがって、特許文献2の発明では、前述したフレーム構造の電気接続箱が抱える問題を解消することは実質的に極めて困難である。
【0008】
また、特許文献2の発明においては、特許文献1の発明に係るブロックに相当する電気接続箱をロアカバーに対して斜め方向から挿入及び回動させて取り付ける複雑な構造となっている。このため、特許文献1の発明に比べて作業性はむしろ低下していると考えられる。特に、電気接続箱あるいはこれに収納された各種電気部品から引き出される電線の収納性などの問題については、特許文献2の発明においては一切考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−68275号公報
【特許文献2】特開2004−312842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述したように、これまでの電気接続箱では、電線の収納性の悪さや噛み込みの発生、及びこれらに起因する作業性の悪化という問題が存在した。また、部品数の多さに起因する作業工数及び作業時間の増大、ならびに製造コストの高騰や部品の構造の複雑化という問題も存在した。さらには、電線の噛み込みや、箱の内部への水や粉塵等の進入に起因して性能や品質、信頼性あるいは耐久性などが低下するという問題も存在した。そして、これらの様々な問題を一括して解決することができる電気接続箱は存在しなかった。
【0011】
本願発明は、以上説明した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、作業性を改善することができるとともに部品数の低減が図られており、且つ、性能や耐久性が低下し難い電気接続箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決して目的を達成するために、本願の請求項1に係る電気接続箱は、電気部品が設けられたブロックと、周壁及び奥壁により構成され、前記ブロックを前記ブロックから導出された電線と共に収納する中空の内部空間を有すると共に、該内部空間に前記ブロックを出し入れする一つの開口部を前記奥壁に対向して有する筐体と、前記開口部を塞いで前記内部空間内の前記ブロックを覆う蓋部と、を具備し、前記電気部品が設けられた前記ブロックの部品搭載面が前記周壁のうちの一つの周壁に対向した姿勢で前記ブロックが前記開口部からスライドして前記内部空間内に収納されることを特徴とするものである。
【0013】
このような構成からなる本願請求項1に係る電気接続箱においては、電気部品が設けられたブロック及びブロックから導出された電線を、周壁及び奥壁により構成された筐体の内部空間の中に、奥壁に対向する一つの開口部からスライドして収納する。この際、ブロックは、その電気部品を取り付けた部品搭載面を一つの周壁に対向させた姿勢でスライドされる。これにより、ブロックから導出された電線をブロックと共に筐体の内部空間内に円滑に収納することができる。また、開口部を蓋部で塞ぐことにより、筐体の内部空間内に収納したブロック及び電線を蓋部と筐体とで覆うことができる。この結果、ブロック及び電線の収納作業性を向上させることができるとともに、電線の噛み込みの発生も抑制することができる。また、ブロックを収納して覆う部品が筐体及び蓋部の2点で構成されているので、部品数が低減されている。さらには、筐体には開口部が一つしか設けられていないので、水や粉塵等が筐体の内部空間に進入し難い。
【0014】
また、前記課題を解決して目的を達成するために、本願の請求項2に係る電気接続箱は、本願の請求項1に記載の電気接続箱において、前記内部空間内の前記電線を前記筐体の外部に引き出す導出孔が、前記筺体と前記蓋部との合わせ部に形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
このような構成からなる本願請求項2に係る電気接続箱においては、ブロック及び電線を筐体の内部空間にスライドさせて収納する際に、筺体と蓋部との合わせ部に形成された導出孔内に電線をスライド動作により併せて入れることができる。このため、電線の収納作業性のみならず引き出し作業性も向上されており、且つ電線の噛み込みの発生がより抑制されている。
【0016】
また、前記課題を解決して目的を達成するために、本願の請求項3に係る電気接続箱は、本願の請求項1又は2に記載の電気接続箱において、前記周壁のうちの前記部品搭載面と直交する側の対向する一対の周壁の内側に、一対のガイド部が前記開口部から設けられ、前記各ガイド部と係合する一対のガイド受け部が前記一対の周壁と対向する前記ブロックの両側壁に形成され、前記各ガイド部に前記各ガイド受け部がスライド係合して前記ブロックが支持されることを特徴とするものである。
【0017】
このような構成からなる本願請求項3に係る電気接続箱においては、筺体の内部空間内にブロックをスライド収納する際に、筺体を構成する周壁のうちブロックの部品搭載面と直交する一対の周壁と、これら一対の周壁の内側に設けられた一対のガイド部とによって、ブロックはそのスライド方向と直交する二方向への動きを規制される。これにより、ブロックは筺体の内部空間内に円滑に案内されて保持される。この結果、ブロックの収納作業性及び耐振動性がより向上されている。
【0018】
また、前記課題を解決して目的を達成するために、本願の請求項4に係る電気接続箱は、本願の請求項3に記載の電気接続箱において、前記奥壁の内側に、前記奥壁と対向する前記ブロックの奥壁側端部を支持するブロック支持部が設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
このような構成からなる本願請求項4に係る電気接続箱においては、筺体の内部空間内に収納されたブロックは、筐体の奥壁の内側に設けられたブロック支持部によって、その動きをさらに規制される。これにより、ブロックは筐体の内部空間内においてより確実に保持される。この結果、ブロックの耐振動性がより向上されている。
【0020】
また、前記課題を解決して目的を達成するために、本願の請求項5に係る電気接続箱は、本願の請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の電気接続箱において、前記周壁のうちのいずれかの壁部の内側に、前記筐体の内部空間内の前記ブロックの前記開口部側の端面を係止するブロック係止部が設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
このような構成からなる本願請求項5に係る電気接続箱においては、筺体を構成する周壁の内側に設けられたブロック係止部によって、筺体の内部空間内に収納されたブロックは、その開口部側の端面を係止される。これにより、ブロックは筐体の内部空間内においてさらに確実に保持される。この結果、ブロックの耐振動性がさらに向上されている。
【0022】
また、前記課題を解決して目的を達成するために、本願の請求項6に係る電気接続箱は、本願の請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の電気接続箱において、前記蓋部は、前記開口部を開閉自在に前記筐体にヒンジを介して一体に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0023】
このような構成からなる本願請求項6に係る電気接続箱においては、ブロックを収納して覆う部品が、実質的に蓋部が一体となった筐体の1点で構成されている。この結果、部品数がより低減されている。
【0024】
また、前記課題を解決して目的を達成するために、本願の請求項7に係る電気接続箱は、本願の請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の電気接続箱において、前記内部空間内の前記ブロックに対向して、前記蓋部の内面に、前記ブロックを前記奥壁に向けて押圧するブロック押さえ部が設けられていることを特徴とするものである。
【0025】
このような構成からなる本願請求項7に係る電気接続箱においては、蓋部の内面に設けられたブロック押さえ部によって、筐体の内部空間内に収納されたブロックはそのスライド方向への動きをより規制される。これにより、ブロックは筐体の内部空間内においてより確実に保持される。この結果、ブロックの耐振動性がより向上されている。
【0026】
また、前記課題を解決して目的を達成するために、本願の請求項8に係る電気接続箱は、本願の請求項2〜7のうちのいずれか1項に記載の電気接続箱において、前記周壁のうち、前記内部空間内の前記ブロックの電線導出側の端面に対向する周壁に前記導出孔が形成され、前記導出孔を成す筺体側電線ガイド部が前記周壁から延設され、前記蓋部が前記開口部を塞ぐ際に前記筺体側電線ガイド部に接合して筒形状の電線ガイド部を成す蓋側電線ガイド部が前記蓋部に設けられていることを特徴とするものである。
【0027】
このような構成からなる本願請求項8に係る電気接続箱においては、蓋部が筐体の開口部を塞ぐと、蓋部に設けられている蓋側電線ガイド部が、導出孔が形成されている周壁から延設された筺体側電線ガイド部に接合して、筒形状の電線ガイド部を構成する。これにより、ブロックから導出された電線は、導出孔に通された後、電線ガイド部の内側に収納されつつ案内されて筐体の内部空間から外部に向けて引き出される。この結果、電線の収納作業性及び引き出し作業性が共により向上されているとともに、電線の噛み込みの発生がより抑制されている。
【発明の効果】
【0028】
前述したように、本願請求項1に係る発明は、電気部品が設けられたブロック及び電線の収納作業性を向上させることができるとともに、電線の噛み込みの発生も抑制することができる。また、部品数が低減されているとともに、水や粉塵等が筐体の内部空間に進入し難い。したがって、本願請求項1に係る発明によれば、作業性を改善することができるとともに部品数の低減が図られており、且つ、性能や耐久性が低下し難い電気接続箱を提供することができる。
【0029】
また、本願請求項2に係る発明は、電線の収納作業性のみならず引き出し作業性も向上されており、且つ電線の噛み込みの発生がより抑制されている。したがって、本願請求項2に係る発明によれば、作業性をより改善することができるとともに部品数の低減が図られており、且つ、性能や耐久性がより低下し難い電気接続箱を提供することができる。
【0030】
また、本願請求項3に係る発明は、ブロックの収納作業性及び耐振動性がより向上されている。したがって、本願請求項3に係る発明によれば、作業性をより改善することができるとともに部品数の低減が図られており、且つ、性能や耐久性がより低下し難い電気接続箱を提供することができる。
【0031】
また、本願請求項4に係る発明は、ブロックの耐振動性がより向上されている。したがって、本願請求項4に係る発明によれば、作業性をより改善することができるとともに部品数の低減が図られており、且つ、性能や耐久性がより低下し難い電気接続箱を提供することができる。
【0032】
また、本願請求項5に係る発明は、ブロックの耐振動性がさらに向上されている。したがって、本願請求項5に係る発明によれば、作業性を改善することができるとともに部品数の低減が図られており、且つ、性能や耐久性がさらに低下し難い電気接続箱を提供することができる。
【0033】
また、本願請求項6に係る発明は、部品数がより低減されている。したがって、本願請求項6に係る発明によれば、作業性を改善することができるとともに部品数の低減がより図られており、且つ、性能や耐久性が低下し難い電気接続箱を提供することができる。
【0034】
また、本願請求項7に係る発明は、ブロックの耐振動性がより向上されている。したがって、本願請求項7に係る発明によれば、作業性を改善することができるとともに部品数の低減が図られており、且つ、性能や耐久性がより低下し難い電気接続箱を提供することができる。
【0035】
また、本願請求項8に係る発明は、電線の収納作業性及び引き出し作業性が共により向上されているとともに、電線の噛み込みの発生がより抑制されている。したがって、請求項8に記載の本願発明によれば、作業性をより改善することができるとともに部品数の低減が図られており、且つ、性能や耐久性がより低下し難い電気接続箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本願発明の一つの実施の形態に係る電気接続箱を正面側の左斜め上方より臨んで示す斜視図である。
【図2】図1に示す電気接続箱を示す正面図である。
【図3】図1に示す電気接続箱からブロックを除いた筺体及び蓋部を示す正面図である。
【図4】図1に示す電気接続箱を筺体及び蓋部とブロックとに分解して示す斜視図である。
【図5】図1に示す電気接続箱を縦方向に沿った断面にして示す斜視図である。
【図6】図5中破線Xで囲って示す部分を拡大して示す図である。
【図7】図1に示す電気接続箱を構成部品ごとに分解した状態を正面側の右斜め上方より臨んで示す斜視図である。
【図8】図7に示す電気接続箱の構成部品を組み立てた状態を正面側の右斜め上方より臨んで示す斜視図である。
【図9】図7に示す組み立て済みの電気接続箱の蓋部を閉じた状態を正面側の右斜め上方より臨んで示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本願発明の一つの実施の形態に係る電気接続箱について、図1〜図9を参照して説明する。先ず、主に図1〜図6を参照しつつ、一実施形態に係る電気接続箱の構成及び構造について説明する。
【0038】
[電気接続箱の構成及び構造]
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る電気接続箱1は、ブロック2、筐体3、及び蓋部4を備えている。本実施形態においては、ブロック2は、後に図7を参照してより具体的に説明するように、電気部品5aを装着した複数個のカセットブロック5をメインブロック6と組み合わせて構成される。したがって、以下の説明においては、ブロック2をブロック組立体と称することとする。図示は省略するが、電気部品5aとしては、例えばリレーやヒューズ等が用いられる。各カセットブロック5は、メインブロック6の所定の位置に着脱自在に取り付けられる。また、ブロック組立体2からは、各カセットブロック5と外部との電気的接続をとるための電線7が導出されている。本実施形態においては、ブロック組立体2の厚さ方向の両端面2a,2bのうち、電気部品5aが搭載される側の端面2aとは反対側の端面2bに複数本の電線7が電気的に接続されている。以下の説明においては、適宜、ブロック組立体2の電気部品5aが搭載される側の端面2aを、部品搭載面と称することとする。また、ブロック組立体2の電線7が導出される側の端面2bを、電線導出面と称することとする。
【0039】
図1、図2、及び図4に示すように、筐体3は、ブロック組立体2をブロック組立体2から延びる電線7と共にスライドさせて収納する中空の内部空間8を有している。また、筐体3には、その内部空間8の内部にブロック組立体2を出し入れする開口部9が、内部空間8に連通して一つ設けられている。内部空間8及び開口部9は、ブロック組立体2を電線7と共に一括して内部空間8内に収納できる大きさ及び形状に形成されている。内部空間8及び開口部9の大きさ及び形状は、内部空間8内に収納するブロック組立体2の大きさ及び形状、ならびに電線7の量などに応じて、適正に設定される。
【0040】
本実施形態においては、開口部9は、その一辺がブロック組立体2の長手方向に沿った長さよりも僅かに大きい正方形状に形成されている。なお、ブロック組立体2の長手方向に沿った長さとは、後述するようにブロック組立体2の左右方向に沿った長さを指すものとする。ブロック組立体2は、その左右方向を開口部9と平行に保った姿勢で内部空間8に出し入れ及び収納される。また、内部空間8は、その奥行きがブロック組立体2の長手方向と直交するブロック組立体2のスライド方向に沿った長さよりも僅かに大きく設定されている。ブロック組立体2のスライド方向であるブロック組立体2の前後方向に沿った長さは、ブロック組立体2の左右方向に沿った長さよりも短い。したがって、筺体3の奥行き方向の長さは、開口部9の一辺の長さよりも小さい。このため、筐体3は、図1〜図5に示すように、浅底形状の箱を、その一つの周壁13を底壁にして立てた形状に形成されている。筐体3は、電気接続箱1の箱本体となる。
【0041】
また、本実施形態においては、筐体3は、その主要な部分を略平板形状に形成された5枚の壁部10,11,12,13,14により形成されている。より具体的には、筐体3は、その一つの開口部9を四方から囲む周壁を、4枚の壁部10,11,12,13によって構成されている。したがって、筐体3の開口部9は、その縁部9aを4枚の周壁10,11,12,13によって形成されている。これら各周壁10,11,12,13は、略同じ大きさからなる平板の略長方形状に形成されている。そして、筐体3は、その開口部9と反対側の端面を、1枚の壁部14により塞がれている。この開口部9に対向して設けられた壁部14は、平板の略正方形状に形成されている。このように、筐体3は、一面が開口された略長方体の箱形状に形成されている。
【0042】
以下、説明の便宜上、筐体3の開口部9側を筐体3の正面側、前側、もしくは手前側と称し、筐体3の壁部14側を筐体3の背面側、後側、もしくは奥側と称することとする。そして、筐体3をその正面側から臨んで右側を筐体3の左側と称し、左側を筐体3の右側と称することとする。また、筐体3をその正面側から臨んで上側を筐体3の上側と称し、下側を筐体3の下側と称することとする。したがって、本実施形態においては、周壁10が筐体3の右側壁となり、周壁12が筐体3の左側壁となる。また、周壁11が筐体3の上壁となり、周壁13が筐体3の下壁もしくは底壁となる。そして、開口部9と対向する奥側の壁部である周壁14が筐体3の奥壁もしくは後壁となる。
【0043】
また、図1〜図5に示すように、筐体3と後述する蓋部4との合わせ部9aには、筐体3の内部空間8内に収納された電線7を筐体3の外部に引き出す導出孔15が形成されている。ここで、筐体3と蓋部4との合わせ部9aとは、具体的には開口部9の縁部9aを指す。導出孔15は、筺体3の内部空間8内に収納されたブロック組立体2の電線導出面2bと対向する周壁の縁部に形成される。後述するように、本実施形態においては、ブロック組立体2を、その電線導出面2bを下向きにして筐体3の内部空間8内に収納する。したがって、導出孔15は、開口部9の縁部9aを形成する4つの周壁10,11,12,13の縁部のうち、下壁13の縁部13aに形成される。より具体的には、導出孔15は、下壁13の縁部13aの右側壁10寄りの箇所において、開口部9の縁部9aから奥壁14側に向けて略半円形状に凹まされて形成されている。
【0044】
さらに、本実施形態においては、導出孔15を成す筺体側電線ガイド部16が筐体3からその外側に向けて延ばされて設けられている。この筺体側電線ガイド部16は、図1〜図5に示すように、下壁13に形成された導出孔15の縁部15aから連続して下壁13と一体に設けられている。そして、筺体側電線ガイド部16は、下壁13と略直交する方向に沿って筐体3の下方に向けて延ばされている。また、筺体側電線ガイド部16は、円筒をその軸方向に沿って半分に割った略半円筒形状に形成されている。さらに、導出孔15の縁部15aには、導出孔15の中心に向かって凸である滑らかな曲面形状のテーパーがつけられている。
【0045】
また、図1〜図5に示すように、筺体3の内側には、ブロック組立体2を内部空間8内に円滑に案内して保持するための一対のガイド部17,18が設けられている。これら各ガイド部17,18は、各周壁10,11,12,13のうち、ブロック組立体2の部品搭載面2aと直交する方向において開口部9を間に挟んで互いに対向し合う一対の周壁10,12の内側に設けられる。後述するように、本実施形態においては、ブロック組立体2は、その部品搭載面2aを上方に向けた姿勢で筺体3に対してその横方向からスライドされて内部空間8内に収納される。したがって、各ガイド部17,18は、右側壁10及び左側壁12の内側に設けられる。そして、これら左右の各ガイド部17,18は、開口部9の縁部9aから奥壁14に向けてブロック組立体2のスライド方向に沿って略一直線に延びるレール形状に形成されている。このため、各ガイド部17,18は、ガイドレールあるいは単にガイドリブとも称される。
【0046】
具体的には、各ガイドレール17,18は、それぞれブロック組立体2のスライド方向と直交する方向において離間されて互いに対向し合う一対の上側ガイドレール17a,18a及び下側ガイドレール17b,18bから構成される。各上側ガイドレール17a,18aと各下側ガイドレール17b,18bとの間隔は、ブロック組立体2の厚さに応じて適正な大きさに設定される。
【0047】
より具体的には、各上側ガイドレール17a,18aと各下側ガイドレール17b,18bとの間隔は、これら各ガイドレール17a,18a,17b,18bとブロック組立体2の左右両側壁2c,2dのそれぞれの上下各縁部2e,2f,2g,2hとが、ブロック組立体2のスライド方向に沿って円滑に摺接し合うことができる大きさに設定されている。それとともに、上側ガイドレール17a,18aと下側ガイドレール17b,18bとの間隔は、これら各ガイドレール17a,18a,17b,18bがブロック組立体2の左右両側壁2c,2dのそれぞれの上下各縁部2e,2f,2g,2hをブロック組立体2の厚さ方向の両外側から支持することができる大きさに設定されている。
【0048】
また、各ガイドレール17a,18a,17b,18bは、それらの長手方向と直交する断面の形状が略L字形状又は略逆L字形状に形成されている。そして、各ガイドレール17,18は、それぞれの上側ガイドレール17a,18a及び下側ガイドレール17b,18bの折り曲げられた先端部同士が互いに内向きで対向し合う姿勢で配置されている。
【0049】
さらに、各ガイドレール17,18は、それぞれ右側壁10及び左側壁12の高さ方向の中間部に設けられている。各ガイドレール17,18の高さ方向の位置は、ブロック組立体2の部品搭載面2aから突出している各電気部品5aの高さや、ブロック組立体2の電線導出面2bから引き出されている電線7の量などに応じて適正な位置に設定される。具体的には、各ガイドレール17,18の位置は、ブロック組立体2が筺体3の内部空間8内に収納される際に、ブロック組立体2の部品搭載面2aから突出している各電気部品5aが筺体3の上壁11と互いに干渉し合わない高さに設定される。それとともに、各ガイドレール17,18の位置は、ブロック組立体2の電線導出面2bから引き出されている電線7を筺体3の内部空間8内に円滑に収納できる高さに設定される。
【0050】
なお、以下の説明においては、便宜上、メインブロック6の厚さ方向の両主面6a,6bのうち、ブロック組立体2の部品搭載面2a側の主面となるメインブロック6の一方の主面6aを、適宜、メインブロック6の上面と称することとする。同様に、メインブロック6の厚さ方向の両主面6a,6bのうち、ブロック組立体2の電線導出面2b側の主面となるメインブロック6の他方の主面6bを、適宜、メインブロック6の下面と称することとする。
【0051】
図1、図2、図4、及び図5に示すように、ブロック組立体2の左右両側壁2c,2dのそれぞれの上下各縁部2e,2f,2g,2hには、各ガイドレール17,18とスライド係合する一対のガイド受け部19,20が形成されている。ここで、ブロック組立体2の右側壁2c及び左側壁2dは、実質的にメインブロック6の右側壁6c及び左側壁6dである。したがって、各ガイド受け部19,20は、メインブロック6の左右両側壁6c,6dのそれぞれの上下各縁部6e,6f,6g,6hに形成されていることとなる。また、メインブロック6の左右両側壁6c,6dのそれぞれの上下各縁部6e,6f,6g,6hとは、メインブロック6の上下両主面6a,6bのそれぞれの左右両縁部6e,6f,6g,6hのことでもある。
【0052】
各ガイド受け部19,20は、具体的には、メインブロック6の上面6a及び下面6bの左右両側縁部6e,6f,6g,6hにおいて、ブロック組立体2のスライド方向に沿って延ばされて形成されたガイド溝である。これら各ガイド溝19,20は、メインブロック6の奥壁側端部6iから開口部側端面6jにわたってメインブロック6の上下両主面6a,6bから凹まされて形成されている。なお、メインブロック6の奥壁側端部6iは、メインブロック6の背面部もしくは後面部とも称される。そして、このメインブロック6の奥壁側端部6iは、ブロック組立体2の奥壁側端部2iを構成する。また、メインブロック6の開口部側端面6jは、メインブロック6の正面もしくは前面とも称される。そして、このメインブロック6の開口部側端面6jは、ブロック組立体2の開口部側端面2jを構成する。
【0053】
各ガイド溝19,20は、各ガイドレール17,18に対応して、それぞれ上下一対の各ガイド溝19a,19b,20a,20bからなる。各ガイド溝19a,19b,20a,20bには、略L字形状又は略逆L字形状に折り曲げられた各ガイドレール17a,17b,18a,18bが、ブロック組立体2のスライド方向に沿って摺接自在に係合する。より具体的には、右側ガイド溝19の上側溝19aの内側には、右側ガイドレール17の上側レール17aの先端部が嵌入する。また、右側ガイド溝19の下側溝19bの内側には、右側ガイドレール17の下側レール17bの先端部が嵌入する。同様に、左側ガイド溝20の上側溝20aの内側には、左側ガイドレール18の上側レール18aの先端部が嵌入する。また、左側ガイド溝20の下側溝20bの内側には、左側ガイドレール18の下側レール18bの先端部が嵌入する。
【0054】
このような構造により、ブロック組立体2はその厚さ方向の両外側から、各ガイドレール17a,17b,18a,18bによってスライド方向に沿って摺動自在に支持される。それとともに、ブロック組立体2は、各ガイドレール17a,17b,18a,18bによって、そのスライド方向と直交する厚さ方向もしくは上下方向に沿った動きを規制される。さらに、ブロック組立体2は、各ガイドレール17a,17b,18a,18bが形成されている筺体3の左右両周壁10,12によって、そのスライド方向と直交する左右方向に沿った動きを規制される。すなわち、ブロック組立体2は、そのスライド方向と直交する二方向への動きを規制された状態で筺体3の内部空間8内にスライド収納される。
【0055】
また、図3〜図6に示すように、筐体3の開口部9と対向する奥壁14の内側には、奥壁14と対向するブロック組立体2の奥壁側端部2iを支持するブロック支持部21が複数箇所に設けられている。図4、図5、及び図7に示すように、各カセットブロック5は、メインブロック6の奥壁側端部6iに取り付けられる。このため、ブロック組立体2の奥壁側端部2iは、実質的に複数個のカセットブロック5により構成される。したがって、各ブロック支持部21は、各カセットブロック5を直接支持することにより、間接的にブロック組立体2の奥壁側端部2iを支持することとなる。
【0056】
各ブロック支持部21は、具体的には、前述した各ガイドレール17,18と同様に、それぞれ上下一対のリブ21a,21bから成る。以下の説明においては、ブロック支持部21をブロック支持リブと称することとする。各ブロック支持リブ21は、筺体3の内部空間8内に収納されたブロック組立体2の各カセットブロック5と対向する高さに設けられている。本実施形態においては、各ブロック支持リブ21は、ブロック組立体2のスライド方向と直交する筺体3の左右方向に沿って略等間隔で4対設けられている。
【0057】
各ブロック支持リブ21は、図5及び図6に示すように、それらの上側リブ21aと下側リブ21bとの間隔を、各カセットブロック5の被挟持部22の大きさ応じて適正な大きさに設定されている。具体的には、各上側リブ21aと各下側リブ21bとの間隔は、各カセットブロック5の被挟持部22を、ブロック組立体2の厚さ方向の両外側から狭持することができる大きさに設定されている。これにより、筺体3の内部空間8内に収納されたブロック組立体2の保持力を向上させる。なお、図6は、図5中破線Xで囲って示す部分を拡大して示す図である。
【0058】
また、図1〜図5、図7、及び図8に示すように、筺体3の内側には、筐体3の内部空間8内に収納されたブロック組立体2を係止するブロック係止部23が2箇所に設けられている。これら各ブロック係止部23は、前述した各ガイドレール17,18と同様に、各周壁10,11,12,13のうち、ブロック組立体2の左右両側壁2c,2dと対向する右側壁10及び左側壁12の内側に1個ずつ設けられている。
【0059】
より具体的には、各ブロック係止部23は、左右各ガイドレール17,18のそれぞれの上側ガイドレール17a,18aと下側ガイドレール17b,18bとの間に配置されている。それとともに、各ブロック係止部23は、右側壁10及び左側壁12のそれぞれの開口縁部9aに配置されている。このような構造により、筐体3の内部空間8内に収納されたブロック組立体2は、その開口部9側の端面2jを各ブロック係止部23により係止される。なお、各ブロック係止部23は、可撓性を有する材料により形成されている。したがって、各ブロック係止部23を撓ませてメインブロック6の開口部側端面6jから外すことにより、ブロック組立体2を筐体3から容易に取り外すことができる。
【0060】
また、図1〜図4、図7、及び図8に示すように、筺体3の右側壁10、左側壁12、及び下側壁13の外側表面には、後述する蓋部4を係止するための蓋部係止枠24がそれぞれ1個ずつ設けられている。これら各蓋部係止枠24は、右側壁10、左側壁12、及び下側壁13のそれぞれの開口縁部9aに配置されている。蓋部4に設けられた係止爪25が各蓋部係止枠24に嵌入することにより、蓋部4は開口部9を塞いだ状態で筺体3に保持される。また、蓋部係止枠24及び蓋部係止爪25も、前述したブロック係止部23と同様に、可撓性を有する材料により形成されており、取り付け及び取り外しは自在となっている。これにより、蓋部4は、後述するヒンジ27を介して筺体3の開口部9を開閉自在となっている。
【0061】
さらに、図1〜図4及び図7〜図9に示すように、筺体3の右側壁10、左側壁12、及び下側壁13の外側表面には、図示しない取付け側に電気接続箱1を取り付けるための取付けステー26がそれぞれ1個ずつ設けられている。例えば、取付け側である自動車のエンジンルーム内の所定の位置に、図示しないボルト及びナット等を用いて各取付けステー26を固定する。これにより、電気接続箱1は自動車に固定されて搭載される。この際、電気接続箱1は、開口部9が横方向に向けられるとともに導出孔15が下方向に向けられた姿勢で電気接続箱1を配設されることが好ましい。ここで、横方向とは、略水平方向とする。また、下方向とは、略鉛直下向きとする。
【0062】
蓋部4は、後に参照する図9に示すように、開口部9を塞いで筺体3の内部空間8内に収納されたブロック組立体2を全面的に覆う。この蓋部4は、開口部9を開閉自在に筐体3の上側壁11にヒンジ27を介して一体に取り付けられている。ヒンジ27は、例えばポリプロピレン(PP)等の可撓性を有する材料により、薄肉の平板形状に形成されている。
【0063】
また、図1〜図5、図7、及び図8に示すように、蓋部4の表裏両主面のうち、蓋部4を閉じた際に筐体3の内部空間8内に収納されたブロック組立体2と対向する側の主面4a上には、ブロック押さえ部28が1個設けられている。したがって、このブロック押さえ部28が設けられている主面4aは、蓋部4の内面となる。ブロック押さえ部28は、蓋部4の内面4a上において、筐体3の内部空間8内に収納されたブロック組立体2の開口部側端面2jと対向し合う位置に形成されている。ブロック押さえ部28は、蓋部4が開口部9を塞ぐ際にメインブロック6の開口部側端面6jに当接して、ブロック組立体2を筐体3の内部空間8の奥側に向けて押圧する。なお、蓋部4の内面4a上には、補強用のリブ29が格子形状に突設されている。
【0064】
さらに、図1、図4、図5、及び図7〜図9に示すように、蓋部4には、筺体側電線ガイド部16とともに電線ガイド部30を構成する蓋側電線ガイド部31が設けられている。蓋側電線ガイド部31は、蓋部4が開口部9を塞いだ状態において筺体側電線ガイド部16に接合して、筺体側電線ガイド部16と共に筒形状の電線ガイド部30を成す。この際、導出孔15自体は、その開口部が筺体3の内部空間8と外部とを連通する開放された状態に保持される。これに対して、筺体側電線ガイド部16の軸方向に沿った開口部16aは、蓋側電線ガイド部31によって閉じられる。すなわち、蓋部4が開口部9を塞いだ状態においては、導出孔15は、軸方向両端部が開口された筒形状の電線ガイド部30の内部空間として確保される。筺体3の内部空間8内に収納された電線7は、電線ガイド部30の内側の導出孔15を通して案内されて筺体3の外部に引き出される。
【0065】
なお、図1、図2、図7、及び図8においては、各カセットブロック5に電気部品5aを実装した状態を図示している。これに対して、図4及び図5においては、各カセットブロック5に電気部品5aを実装していない状態を図示している。これら2種類の状態は、あくまで図面を見易くするための工夫に過ぎず、本願発明の要旨に何ら関わるものではない。
【0066】
次に、主に図7〜図9を参照しつつ、本実施形態に係る電気接続箱1の組み立て方法及び取り付け方法について、その一例を説明する。
【0067】
[電気接続箱の組み立て方法及び取り付け方法]
先ず、各電気部品5aを電気接続箱1の外部と電気的に接続させるための電線7を、メインブロック6に所定の本数分取り付ける。各電線7は、メインブロック6が有する複数の周面のうち、ブロック組立体2の電線導出面2bとなる面からメインブロック6の内部に差し込まれるなどして、メインブロック6に取り付けられる。この際、図示は省略するが、メインブロック6の内部において各電線7と各電気部品5aとを所定の経路で電気的に接続するためのバスバー等の端子付き内部電線を併せて所定の本数分取り付ける。これら各端子付き内部電線の先端部に設けられている各端子は、後工程においてメインブロック6に組み付けられたカセットブロック5に各電気部品5aを装着する際に、各電気部品5aと各端子付き内部電線との電気的な接続部となる。各電線7は、メインブロック6の内部において所定の端子付き内部電線に電気的に接続されてメインブロック6に取り付けられる。
【0068】
次に、各電線7及び各端子付き内部電線が取り付けられたメインブロック6に、所定の個数のカセットブロック5を取り付ける。各カセットブロック5は、図7に示すように、メインブロック6の奥壁側端部6iにその上方から嵌入される。続けて、メインブロック6に取り付けられた各カセットブロック5にリレーやヒューズ等の所定の電気部品5aを取り付ける。各電気部品5aは、例えば各カセットブロック5にそれらの上方から嵌入されて装着される。この際、各電気部品5aは、メインブロック6の内部に予め設けておいた各端子付き内部電線の各端子に電気的に接続される。これにより、各電気部品5aは、各端子付き内部電線を経由して各電線7と所定の経路で電気的に接続される。これまでの工程により、複数個の電気部品5aが装着された各カセットブロック5をメインブロック6と組み合わせて成るブロック組立体2が組み立てられる。
【0069】
なお、図7においては、各カセットブロック5をメインブロック6に取り付けるのに先立って、各カセットブロック5に各電気部品5aを予め搭載させた状態を図示している。ただし、これは、あくまで各カセットブロック5への電気部品5aの搭載状態を理解し易くするための工夫に過ぎず、先の説明と何ら矛盾するものではない。また、各カセットブロック5及び電気部品5aは、例えば自動車部品業界における標準規格に則って製造されたいわゆる標準部品等の汎用の製品を利用することができる。
【0070】
次に、図8に示すように、ブロック組立体2を、筐体3の内部空間8内に収納する。ここでは、ブロック組立体2を、その部品搭載面2aを上方に向けるとともに電線導出面2bを下方に向けた姿勢で、筐体3の横方向から開口部9を通して筐体3の内部空間8に向けてスライドさせる。この際、筺体3の右側壁10及び左側壁12の内側に設けられた各ガイドレール17a,17b,18a,18bを、メインブロック6の上下両主面6a,6bのそれぞれの左右両縁部6e,6f,6g,6hに形成された各ガイド溝19a,19b,20a,20bに係合させる。これにより、ブロック組立体2は、各ガイドレール17a,17b,18a,18bによってスライド方向に沿って摺動自在に支持されつつ、筐体3の内部空間8の奥側に向けて円滑に案内される。ブロック組立体2は、その奥壁側端部2iが筐体3の奥壁14に当接するまで内部空間8の奥側に向けて押し込まれる。なお、ここで横方向とは略水平方向を指すものとする。また、下方向とは、略鉛直下向きを指すものとする。
【0071】
ブロック組立体2の奥壁側端部2iが筐体3の奥壁14に当接すると、メインブロック6の奥壁側端部6iに取り付けられた各カセットブロック5の被挟持部22が奥壁14の内面上に設けられた各ブロック支持部21によって挟持される。これにより、ブロック組立体2は奥壁14に実質的に保持される。また、これに併せて、メインブロック6の開口部側端面6jを、筺体3の左右両側壁10,12の内側に設けられた左右各ブロック係止部23によって係止する。これにより、一旦筐体3の内部空間8内に収納されたブロック組立体2が、開口部9を経て筐体3の外部に出ることを防止する。この段階において、ブロック組立体2は、各ガイドレール17,18、各ブロック支持部21、及び各ブロック係止部23、ならびにそれらが設けられている各壁部10,12,14によって、その動きを実質的に止められて筺体3に保持されている。すなわち、ブロック組立体2は、筐体3の内部空間8内に適正に収納された段階で、その前後左右上下の各方向への移動を規制されて実質的に筺体3に固定されている。
【0072】
また、前述したブロック組立体2の収納作業に併せて、ブロック組立体2の電線導出面2bから導出されている複数本の電線7も筐体3の内部空間8内に収納される。ここでは、各電線7はブロック組立体2から下垂された略自然な状態で導出孔15に通される。各電線7は、滑らかな曲面からなるテーパーをつけられて形成された導出孔15の縁部15aに沿わされて、筐体3の内部空間8から導出孔15内に円滑に通される。導出孔15内に通された各電線7は、導出孔15の縁部15aに連続して形成された筺体側電線ガイド部16に沿わされて筐体3の外部へと引き出される。
【0073】
最後に、図9に示すように、蓋部4を閉じて筺体3の開口部9を塞ぐ。この際、併せて、導出孔15の両端開口部を開放した状態で筺体側電線ガイド部16の軸方向に沿った開口部16aを閉じる。これまでの工程により、ブロック組立体2は電線7と共に筺体3の内部空間8内に収納される。それとともに、ブロック組立体2は、蓋部4及び筺体3によって全面的に覆われる。この後、蓋部4に設けられた各係止爪25が筺体3に設けられた各蓋部係止枠24に適正に嵌入して係止されたことを確認する。それとともに、各電線7が筺体3と蓋部4との合せ部9aに噛み込まれていないことを確認する。これらの確認の結果が適正であれば、ブロック組立体2の収納作業を終了とする。
【0074】
この段階において、ブロック組立体2は、蓋部4の内面4a上に設けられたブロック押さえ部28によって、そのスライド方向に沿って筐体3の奥側に向けて押圧されている。これにより、ブロック組立体2は、その奥壁側端部2iを筺体3の奥壁14の内面に押し付けられている。このため、ブロック組立体2は、蓋部4を閉じる以前にも増してより確実に筺体3に固定されている。
【0075】
また、蓋部4が閉じられた段階においては、導出孔15内に入れられた各電線7は、筺体側電線ガイド部16及び蓋側電線ガイド部31から成る筒形状の電線ガイド部30内に、事実上、自己整合的に通される。これにより、各電線7は電線ガイド部30に案内されて円滑に筺体3の外部に引き出される。筺体3の外部に引き出された電線7は、図示しないバッテリー等の外部電源や各種ランプ、あるいは車載コンピュータ等に接続される。
【0076】
次に、図示は省略するが、ブロック組立体2を、その取付け側である自動車などの車両に取り付ける。先ず、ブロック組立体2は、前述した工程により適正に組み立てられた状態で、部品メーカーから自動車の生産ラインに運ばれる。この後、自動車のエンジンルーム内の所定の位置に、ボルト及びナット等を用いて各取付けステー26を固定する。これにより、電気接続箱1を自動車に搭載する。この際、筺体3の開口部9を略水平方向に向けるとともに、導出孔15を略鉛直下向きに向けた姿勢で筐体3をエンジンルーム内に固定することが好ましい。以上で本実施形態に係る電気接続箱1の組み立て工程及び取り付け工程を終了とする。
【0077】
以上説明したように、本実施形態に係る電気接続箱1においては、電気部品5aが装着されたカセットブロック5をメインブロック6に取り付けることにより、ブロック組立体2が構成されている。それとともに、ブロック組立体2を収納して覆う部品が、蓋部4が筐体3に一体化された最小限の1部品で構成されている。このような構成によれば、電気接続箱1は、これを構成する部品の数が削減されているので重量が増大し難く、軽量化が図られている。ひいては、電気接続箱1は取り回しが容易になるので、作業性を改善させて作業工数や作業時間の削減も図ることができる。この結果、電気接続箱1は、作業効率が高められることにより、その製造コストを抑制して安価に製造することができる。
【0078】
また、電気接続箱1は、ブロック組立体2を覆う部品が1部品しかないとともに、筐体3には開口部9が一つしか設けられていない。さらに、電気接続箱1は、開口部9が横方向に向けられるとともに、導出孔15が下方向に向けられた姿勢で配設される。このような構成によれば、開口部9や導出孔15を通して筺体3の内部空間8に水や粉塵等が進入するのを抑制することができる。特に、電気接続箱1は、構成部品間のつなぎ目が少なく、且つ、筐体3の上部が塞がれているので、筺体3の内部空間8内に水や粉塵等が進入し難い。それとともに、筺体3の内部空間8に進入した水や粉塵等は筺体3の下方に向けられた導出孔15を通して筺体3の外部に排出され易い。このため、電気接続箱1は、水や粉塵等に起因する故障を抑制することができる。ひいては、電気接続箱1は、性能や品質、信頼性あるいは耐久性などが低下し難い。
【0079】
また、電気接続箱1は、横方向に向けられた筐体3の開口部9を通すことにより、ブロック組立体2を、その下面2bから引き出されている電線と共に、横方向へのスライド操作のみで筐体3の内部空間8内に一括して収納することができる。さらに、電線7を筐体3の外部に引き出すための導出孔15が、筺体3と蓋部4との合わせ部である開口部9の縁部9aに形成されている。このため、ブロック組立体2及び電線7の収納作業に併せて、スライド操作のみで電線7を導出孔15内に円滑且つ容易に入れることができる。
【0080】
このような構成によれば、ブロック組立体2から延びる電線7をブロック組立体2と共に筐体3の内部空間8内に円滑且つ容易に収納することができる。そして、開口部9を蓋部4で塞ぐことにより、筐体3の内部空間8内に収納したブロック組立体2及び電線7を蓋部4と筐体3とで全面的に覆うことができる。したがって、電気接続箱1は、ブロック組立体2及び電線7の収納性を向上させることができるとともに、電線7の噛み込みの発生も抑制することができる。すなわち、従来のフレーム構造の電気接続箱において問題となっていたロアカバーとフレームやブロックとの嵌合作業等が不要となる。それとともに、その嵌合作業時に頻繁に発生していた電線の噛み込み問題が発生し難くなる。さらには、電線の噛み込みを防ぐために電線を押さえ込む作業も不要となる。この結果、電気接続箱1は、作業性がより向上されている。
【0081】
また、電気接続箱1においては、左右の各ガイドレール17,18をブロック組立体2の左右の各ガイド溝19,20に嵌合させて摺接させつつ、横方向のスライド操作によりブロック組立体2を筺体3の内部空間8に向けて押し込む。これにより、ブロック組立体2は、左右の各ガイドレール17,18を用いて、円滑に筺体3の内部空間8内に収納される。またこの際、ブロック組立体2は、左右一対の側壁10,12とこれら各側壁10,12の内側にそれぞれ設けられた上下一対の各ガイドレール17,18とによってスライド方向に直交する二方向への動きを規制されつつ、筺体3の内部空間8内に収納される。具体的には、ブロック組立体2は、上下方向及び左右方向の二方向への動きや、がたつきを最小限に抑えられつつ、筺体3の内部空間8内に収納される。すなわち、本実施形態においては、ブロック組立体2は、図示しない机の引き出しのように円滑に、且つ、適正な姿勢及び向きで筺体3の内部空間8内に収納されて保持される。内部空間8内に収納されたブロック組立体2は、一種の棚構造を構成する。
【0082】
このような構造により、電気接続箱1は、ブロック組立体2の収納性及び耐振動性が向上されている。このため、電気接続箱1は、作業性をより向上することができるとともに、性能や品質、信頼性あるいは耐久性などが低下し難い。また、前述したレール構造を採用することにより、筺体3の内部構造を従来よりも簡素化することができる。
【0083】
また、電気接続箱1においては、筺体3の内部空間8内に収納されたブロック組立体2は、その奥壁側端部2iを構成する各カセットブロック5の被挟持部22を、筐体3の奥壁14に設けられた複数個のブロック支持リブ21によって挟持される。これにより、ブロック組立体2は、スライド方向以外の方向への動きをさらに規制される。また、筺体3の内部空間8内に収納されたブロック組立体2は、そのメインブロック6の開口部側端面6jを左右各側壁10,12に設けられた各ブロック係止部23により係止される。それとともに、筺体3の内部空間8内に収納されたブロック組立体2は、蓋部4が閉じられた際に、蓋部4の内面4a上に設けられたブロック押さえ部28によって、スライド方向奥側に向けて押圧される。これらにより、ブロック組立体2は、スライド方向への動きをさらに規制される。
【0084】
このような構造により、電気接続箱1は、ブロック組立体2の耐振動性が向上されている。このため、電気接続箱1は、性能や品質、信頼性あるいは耐久性などが低下し難い。また、筺体3の内部空間8内に収納されたブロック組立体2は、蓋部4を閉じるのに先立って、一対のブロック係止部23により筺体3に予め係止される。これにより、たとえ開口部9が開口された状態で電線7にブロック組立体2を筺体3の外部に引き出す外力が掛かった場合でも、ブロック組立体2が筺体3の外部に飛び出すおそれは殆ど無い。したがって、ブロック組立体2を筺体3の奥側へ向けて押し込みつつ蓋部4を閉めるという負荷の掛かる作業を行う必要が殆ど無い。この結果、ブロック組立体2の収納作業を含めた電気接続箱1の組み立て作業全体における作業性が向上されている。
【0085】
また、電気接続箱1においては、ブロック組立体2は、電線導出面2bを下側に向けつつ筐体3の横方向から開口部9を通してスライドされて筐体3の内部空間8内に収納される。そして、ブロック組立体2と共に筺体3の内部空間8内に収納された電線7は、ブロック組立体2から下垂された自然な状態で導出孔15に通される。この際、電線7は、ブロック組立体2の電線導出面2bからこの電線導出面2bと対向する下側壁13に形成された導出孔15に向けて、障害物を迂回したりせずに実質的に最短経路を通されて延ばされる。さらに、蓋部4が筐体3の開口部9を塞ぐと、蓋部4に設けられた蓋側電線ガイド部31が、筐体3に設けられた筺体側電線ガイド部16に接合して筒形状の電線ガイド部30を成す。電線7は、筐体3の内部空間8から導出孔15内に通された後、電線ガイド部30の内側に収納されつつ案内されて内部空間8から筐体3の外部に向けて引き出される。
【0086】
このような構造によれば、電気接続箱1は、電線7の収納性がより向上されているとともに電線7の噛み込みの発生がより抑制されているので、作業性をより改善することができる。それとともに、電気接続箱1は、性能や品質、信頼性あるいは耐久性などが低下し難い。
【0087】
以上説明したように、本実施形態に係る電気接続箱1においては、従来のフレーム構造を採用しておらず、フレームレスのボックス構造となっている。このため、電線の収納性の悪さや電線の噛み込みの発生、及びこれらに起因する作業性の悪化という問題が生じ難い。また、部品数の多さに起因する作業工数及び作業時間の増大、ならびに製造コストの高騰や重量増加という問題も生じ難い。さらには、電線の噛み込みや、筺体3の内部空間8内への水や粉塵等の進入に起因して、性能や品質、信頼性あるいは耐久性などが低下するという問題も生じ難い。したがって、本実施形態に係る電気接続箱1によれば、それら従来の技術における様々な問題を一括して解決することができる。すなわち、本実施形態に係る電気接続箱1によれば、作業性を改善することができるとともに軽量化が図ることができ、且つ、性能や耐久性を低下し難くすることができる。
【0088】
なお、本願発明に係る電気接続箱1は、以上説明した一実施形態には制約されない。本願発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば、その構成や形状あるいは設定等々を種々様々に変更したり、あるいは組み合わせたりして実施して構わない。
【0089】
例えば、筺体3の内部空間8内にブロック組立体2を収納する際のブロック組立体2の姿勢は、前述した姿勢には限定されない。例えば、ブロック組立体2を90°横転させて、その部品搭載面2aを筺体3の左側壁12に対向させる。それとともに、電線導出面2bを筺体3の右側壁10に対向させる。このような姿勢でブロック組立体2を筺体3の内部空間8内に収納しても構わない。各ガイドレール17,18やブロック支持リブ21の位置をブロック組立体2の姿勢に合わせて適正な位置に形成することにより、前述した一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0090】
また、ブロック組立体2をそのスライド方向に沿って案内及び支持する各ガイド部17,18は、前述した上下一対のガイドレール17a,17b,18a,18bには限定されない。例えば、各ガイド部17,18は、それぞれ左右各側壁10,12の内側においてブロック組立体2のスライド方向に沿って開口部9から奥壁14に向かって直線形状に延ばされた一本の突条として形成しても構わない。そして、そのような一本の突条が嵌入して摺接自在にスライド係合する一本の溝を、各ガイド受け部19,20としてメインブロック6の左右各側壁6c、6dの筺体3の左右各側壁10,12と対向する面にそれぞれ一本ずつ形成しても構わない。
【0091】
また、ブロック係止部23の個数は前述した2個には限定されない。ブロック係止部23の個数は、メインブロック6の開口部側端面6jを適正に係止できる限りにおいて1個でも、あるいは3個以上でもよい。それとともに、ブロック係止部23が設けられる位置は、前述した筺体3の左右各側壁10,12の内側には限定されない。ブロック係止部23が設けられる位置は、筺体3の内部空間8内に収納されるブロック組立体2の姿勢などに応じて、メインブロック6の開口部側端面6jを適正に係止できる位置に、適宜、変更及び設定されて構わない。
【0092】
また、導出孔15や筺体側電線ガイド部16を設ける位置も前述した位置には限定されない。導出孔15や筺体側電線ガイド部16を、例えば右側壁10や左側壁12に形成しても構わない。蓋側電線ガイド部31を、導出孔15や筺体側電線ガイド部16の位置に合わせた適正な位置に形成することにより、前述した一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0093】
また、導出孔15を、筺体3ではなく蓋部4に形成しても構わない。蓋側電線ガイド部31及び筺体側電線ガイド部16を、蓋部4に形成した導出孔15に合わせて適正な位置に形成することにより、前述した一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】
さらに、開口部9の向きは、前述した水平方向には限定されない。同様に、導出孔15の向きは、前述した鉛直下向きには限定されない。ブロック組立体2をスライドさせる向きや姿勢を、開口部9や導出孔15の向きに応じて適正な状態に設定することにより、前述した一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本願発明に係る電気接続箱においては、電気部品が設けられたブロックを、筐体の内部空間に連通して一つ設けられた開口部を通して筐体の内部空間に向けてスライドさせて、ブロックから延びる電線と共に収納する。そして、開口部を蓋部で塞ぐことにより、筐体の内部空間内に収納したブロック及び電線を蓋部と筐体とで全面的に覆う。これにより、ブロック及び電線の収納性を向上させるとともに、電線の噛み込みの発生も抑制する。また、ブロックを収納して覆う部品が筐体及び蓋部の2点で構成されているので部品数が低減されている。それとともに、筐体には開口部が一つしか設けられていないので、水や粉塵等が筐体の内部空間に進入し難い。したがって、電気接続箱の組み立て作業性を改善したり、部品数の低減を図ったり、あるいは性能や耐久性の低下を抑制したりするために利用することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 電気接続箱
2 ブロック組立体(ブロック)
2a ブロック組立体の部品搭載面(ブロックの上面)
2b ブロック組立体の電線導出面(ブロックの下面)
2c ブロック組立体の右側壁
2d ブロック組立体の左側壁
2e ブロック組立体の右側壁の上側縁部(ブロックの右側壁の部品搭載面側の縁部)
2f ブロック組立体の右側壁の下側縁部(ブロックの右側壁の電線導出面側の縁部)
2g ブロック組立体の左側壁の上側縁部(ブロックの左側壁の部品搭載面側の縁部)
2h ブロック組立体の左側壁の下側縁部(ブロックの左側壁の電線導出面側の縁部)
2i ブロック組立体の奥壁側端部(ブロックの背面部または後面部)
2j ブロック組立体の開口部側端面(ブロックの正面または前面)
3 筺体(箱本体)
4 蓋部
4a 筐体の内部空間に収納されたブロックと対向し合う蓋部の面
5 カセットブロック
5a 電気部品
6 メインブロック
6a メインブロックの上面(ブロックの一方の主面)
6b メインブロックの下面(ブロックの他方の主面)
6c メインブロックの右側壁
6d メインブロックの左側壁
6e メインブロックの上面側の右側縁部(ブロックの右側壁の上側縁部)
6f メインブロックの下面側の右側縁部(ブロックの右側壁の下側縁部)
6g メインブロックの上面側の左側縁部(ブロックの左側壁の上側縁部)
6h メインブロックの下面側の左側縁部(ブロックの左側壁の下側縁部)
6i メインブロックの奥壁側端部(ブロックの背面部または後面部)
6j メインブロックの開口部側端面(ブロックの正面または前面)
7 電線
8 筺体の内部空間
9 筺体の開口部
9a 開口部の縁部(筐体と蓋部との合わせ部)
10 筺体の右側壁(周壁)
11 筺体の上壁(周壁)
12 筺体の左側壁(周壁)
13 筺体の下壁(底壁、周壁)
13a 筺体の下壁の縁部
14 筺体の後壁(奥壁)
15 導出孔
15a 導出孔の縁部
16 筺体側電線ガイド部
16a 筺体側電線ガイド部の軸方向に沿った開口部
17 右側ガイドレール(右側ガイド部)
17a 右側ガイドレールの上側レール
17b 右側ガイドレールの下側レール
18 左側ガイドレール(左側ガイド部)
18a 左側ガイドレールの上側レール
18b 左側ガイドレールの下側レール
19 右側ガイド溝(右側ガイド受け部)
19a 右側ガイド溝の上側溝
19b 右側ガイド溝の下側溝
20 左側ガイド溝(右側ガイド受け部)
20a 左側ガイド溝の上側溝
20b 左側ガイド溝の下側溝
21 ブロック支持リブ(ブロック支持部)
21a ブロック支持リブの上側リブ
21b ブロック支持リブの下側リブ
22 被挟持部
23 ブロック係止部
24 蓋部係止枠
25 蓋部係止爪
26 取付けステー
27 ヒンジ
28 ブロック押さえ部
29 補強用リブ
30 電線ガイド部
31 蓋側電線ガイド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品が設けられたブロックと、
周壁及び奥壁により構成され、前記ブロックを前記ブロックから導出された電線と共に収納する中空の内部空間を有すると共に、該内部空間に前記ブロックを出し入れする一つの開口部を前記奥壁に対向して有する筐体と、
前記開口部を塞いで前記内部空間内の前記ブロックを覆う蓋部と、を具備し、
前記電気部品が設けられた前記ブロックの部品搭載面が前記周壁のうちの一つの周壁に対向した姿勢で前記ブロックが前記開口部からスライドして前記内部空間内に収納されることを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記内部空間内の前記電線を前記筐体の外部に引き出す導出孔が、前記筺体と前記蓋部との合わせ部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記周壁のうちの前記部品搭載面と直交する側の対向する一対の周壁の内側に、一対のガイド部が前記開口部から設けられ、前記各ガイド部と係合する一対のガイド受け部が前記一対の周壁と対向する前記ブロックの両側壁に形成され、前記各ガイド部に前記各ガイド受け部がスライド係合して前記ブロックが支持されることを特徴とする請求項1または2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記奥壁の内側に、前記奥壁と対向する前記ブロックの奥壁側端部を支持するブロック支持部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電気接続箱。
【請求項5】
前記周壁のうちのいずれかの壁部の内側に、前記筐体の内部空間内の前記ブロックの前記開口部側の端面を係止するブロック係止部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の電気接続箱。
【請求項6】
前記蓋部は、前記開口部を開閉自在に前記筐体にヒンジを介して一体に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の電気接続箱。
【請求項7】
前記内部空間内の前記ブロックに対向して、前記蓋部の内面に、前記ブロックを前記奥壁に向けて押圧するブロック押さえ部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の電気接続箱。
【請求項8】
前記周壁のうち、前記内部空間内の前記ブロックの電線導出側の端面に対向する周壁に前記導出孔が形成され、前記導出孔を成す筺体側電線ガイド部が前記周壁から延設され、前記蓋部が前記開口部を塞ぐ際に前記筺体側電線ガイド部に接合して筒形状の電線ガイド部を成す蓋側電線ガイド部が前記蓋部に設けられていることを特徴とする請求項2〜7のうちのいずれか1項に記載の電気接続箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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