説明

電気機器

【課題】電池保持部を有するハウジングベースと、ハウジングベースに着脱可能に構成したカバーケースとで、ボタン電池と回路基板を収納するハウジングを構成し、ハウジングベースとカバーケースとを分離するだけでボタン電池の着脱が可能になる電気機器を得る。
【解決手段】回路基板10と、回路基板10に電力を供給するボタン電池2と、回路基板10及びボタン電池2を収納するハウジング30とを備える無線送受信機1であって、ハウジング30は、ボタン電池2を着脱可能に保持する電池保持部35が設けられたハウジングベース31、及びハウジングベース31に着脱自在に取り付けられ、電池保持部35に保持されるボタン電池2及び回路基板10を収納する空間をハウジングベース31との間に形成するカバーケース51を備え、ボタン電池2は、ハウジングベース31とカバーケース51とを分離したときに露出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回路基板とともにボタン電池を収納するハウジングを有する電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のワイヤレス送信器は、回路基板、及び回路基板を収納するハウジング、ハウジングに支持されるボタン電池を有している。
【0003】
ハウジングは、その底部の内面に開口し、ボタン電池を出し入れするための電池収容穴部、及び電池収容穴部の内周面に設けられて、電池収容穴部に収納されたボタン電池を保持する係止爪を備えている。また、回路基板は、ハウジングの底部の外面側に取り付けられ、回路基板の裏面側が、ハウジングの外部に露出されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−135094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、詳細には記載されていないが、ハウジングには、ボタン電池の着脱用に利用される着脱開口が形成されており、着脱開口を閉塞するための電池蓋をハウジングとは別体に用意する必要がある。
なお、従来のワイヤレス送信器を通信用機器として実用化するには、ハウジングとの間に回路基板を覆うようにハウジングに取り付けられるカバーケースが必要となる。
【0006】
電池蓋は、カバーケースのハウジングへの着脱に関係なく必ず用意する必要があり、従来のワイヤレス送信器では、部品点数が増えてしまう。
【0007】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、ボタン電池を保持する電池保持部を有するハウジングベースと、ハウジングベースに着脱可能に構成したカバーケースとで、ボタン電池と回路基板を収納するハウジングを構成し、ハウジングベースとカバーケースとを分離するだけで、ボタン電池の着脱が可能になる電気機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、回路基板と、回路基板に電力を供給するボタン電池と、回路基板及びボタン電池を収納するハウジングとを備える電気機器において、ハウジングは、ボタン電池を保持する電池保持部が設けられたハウジングベース、及びハウジングベースに着脱自在に取り付けられ、電池保持部に保持されるボタン電池及び回路基板を収納する空間をハウジングベースとの間に形成するカバーケースを備え、ボタン電池は、ハウジングベースとカバーケースとを分離したときに露出される。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係る電気機器によれば、カバーケースをハウジングベースから回路基板とともに分離することで、ボタン電池が露出されて、ボタン電池は、ハウジングベースに対して着脱可能になる。このため、ボタン電池を交換するのに利用される電池蓋を用意する必要がなくなり、無線送受信機の部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の一実施の形態に係る無線送受信機の分解斜視図である。
【図2】この発明の一実施の形態に係る無線送受信機のハウジングベースの正面図である。
【図3】図2のIII−III矢視断面である。
【図4】この発明の一実施の形態に係る無線送受信機の組み立て手順を説明する図であり、ハウジングベースにボタン電池が保持された状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1はこの発明の一実施の形態に係る無線送受信機の分解斜視図、図2はこの発明の一実施の形態に係る無線送受信機のハウジングベースの正面図、図3は図2のIII−III矢視断面である。
【0013】
図1において、電気機器としての無線送受信機1は、回路基板10と、回路基板10に電力を供給するボタン電池2と、回路基板10及びボタン電池2を収納するハウジング30と、ハウジング30内のボタン電池2と回路基板10の配置部とハウジング30の外部との間の防水性を保つシール部材としての防水パッキン50と、機器操作部としての2つのキートップ7,8と、電池接続端子60とを備えている。
【0014】
ボタン電池2は、所定の直径を有する扁平の円柱形状の正極部3と、正極部3の軸方向の一端面側に正極部3に同軸に設けられ、正極部3の直径より若干小さな直径を有する扁平の円柱形状の負極部4を有する。
【0015】
ハウジング30は、ハウジングベース31、及びカバーケース51を備え、樹脂などの非導電部材を材料として作製されている。
【0016】
ハウジングベース31は、図2及び図3にも示されるように、板状のベース本体32と、ベース本体32の周縁の全域からベース本体32の一面側に突出されるベース外周壁33と、ベース外周壁33に囲まれるように、ベース外周壁33の内壁面との間に隙間をあけてベース本体32の一面に立設される筒状のベース内周壁34と、ベース内周壁34の内側に位置するベース本体32の部位の一面上に設けられてボタン電池2を着脱可能に保持する電池保持部35と、ベース本体32の一面上に設けられて、電池接続端子60を保持する端子保持部45とを備えている。
【0017】
ベース本体32は、矩形平板部、及び矩形平板部の長手方向の両側に位置する半円部を有する。各半円部の外縁のうち、直線部の長さは、矩形平板部の短辺と同じ長さを有し、各半円部の直線部が、矩形平板部の短辺に連結されている。
ベース本体32の矩形平板部からのベース外周壁33の高さは、ベース本体32の矩形平板部からのベース内周壁34の高さより若干低くなっている。
【0018】
また、相対するベース外周壁33のそれぞれには、突出端に開口する切り欠き凹部33aが形成されている。このとき、切り欠き凹部33aは、矩形平板部の長手方向の一端側から突出されるベース外周壁33の部位に互いに相対するように形成されている。
また、切り欠き凹部33aに対応するベース内周壁34の外面には、嵌合凹部34aが形成されている。
【0019】
電池保持部35は、ベース本体32の一面に突出される複数の分割保持部材37により構成されるスライド規制部36、及び所定の分割保持部材37からベース本体32の一面に平行に突出する抜け防止部38により形成されている。
【0020】
各分割保持部材37は板状をなし、複数(ここでは4つ)の分割保持部材37が、
ベース本体32の一面上に想定した以下に説明する仮想円に沿った方向に互いに間隔をあけて立設されている。仮想円は、ボタン電池2の正極部3の外形より僅かに大きな直径の円である。なお、仮想円は、ベース内周壁34の内側に想定されている。
【0021】
各分割保持部材37は、仮想円(配列方向)の内側に向けられる内周面を有している。各分割保持部材37の内周面は、仮想円の直径と同じ内径を有する円筒の内壁面を、周方向の所定範囲に亘って切り出した形状を有する。
ベース本体32の矩形平板部からの分割保持部材37の高さは、ボタン電池2の厚みより大きくなっている。
なお、ボタン電池2の厚みとは、正極部3及び負極部4の軸方向の長さを足した長さである。
【0022】
また、一対の抜け防止部38は、例えば、仮想円の周方向に互いに70°程度のピッチをあけて、分割保持部材37の突出端側からベース本体32の矩形平板部に平行に突出されている。このとき、最もベース本体32側に位置する各抜け防止部38の部位とベース本体32との間の距離は、ボタン電池2の厚みより僅かに大きくなっている。なお、抜け防止部38の突出長は、ボタン電池2の直径に比べて十分に短い。
【0023】
これにより、正極部3側をベース本体32の一面に向けてボタン電池2を分割保持部材37に嵌合させることが可能である。このとき、ボタン電池2の軸心は、複数の分割保持部材37の中心(仮想円の中心)に略一致する部位を通過する。ボタン電池2と各分割保持部材37の内周面までの距離は、ボタン電池2の正極部3の直径より僅かに大きな値に設定されているので、ボタン電池2のベース本体32の一面に平行な方向へのスライド移動が規制される。また、抜け防止部38が、負極部4側の端面と相対するので、ボタン電池2が、その軸方向に移動して、スライド規制部36から抜けることが抑制される。
このように、ボタン電池2を電池保持部35に安定して保持させることができる。
【0024】
また、前述の仮想円の周方向、言い換えれば分割保持部材37の配列方向について、一対の抜け防止部38の間に対応する範囲を180度ずらした仮想円の部位には、分割保持部材37が設けられない補助部材配置区間が配置されている。補助部材配置区間に対応するベース本体32の一面の部位には、取外し補助部材42が設けられている。
【0025】
取外し補助部材42は、剛性を有する矩形平板状に作製され、その長辺の長さは、補助部材配置区間の長さより短くなっている。取外し補助部材42は、ベース本体32の一面と相対する側から見て、長辺の長さ方向を仮想円の径方向に直交させて当該仮想円の外側の直近に配置されている。また、取り外し補助部材42は、ベース本体32の一面との間に所定の角度で傾斜している。
【0026】
端子保持部45は、概略矩形形状の端子嵌合穴45aを有する筒状体に形成されている。端子保持部45は、端子嵌合穴45aをベース本体32と相対させてベース本体32に立設されている。
【0027】
カバーケース51は、平板状のケース本体52と、ケース本体52の外周縁部の全域からケース本体52の一面側に突出されるケース外周壁53と、ケース外周壁53に囲まれるようにケース外周壁53の内周壁面との間に隙間をあけてケース本体52の一面に突出された図示しない筒状のケース内周壁とを備えている。
【0028】
ケース本体52、ケース外周壁53、及びケース内周壁の外形形状は、ベース本体32、ベース外周壁33、及びベース内周壁34と同様の外形形状を有している。但し、ケース内周壁の高さは、ケース外周壁53の高さより低くなっている。
そして、ベース外周壁33とケース外周壁53の端面同士を合わせて、ハウジングベース31とカバーケース51とを配置したときには、ベース内周壁34の突出端面とケース内周壁の突出端面との間に隙間が形成されるようになっている。
【0029】
また、このように、ハウジングベース31とカバーケース51とを配置したときに、嵌合凹部34aに対応するケース外周壁53の内周面の部位には、図示しない嵌合凸部が設けられている。
【0030】
そして、ハウジングベース31とカバーケース51とは、ベース本体32とケース本体52とを相対させて互いが接近するように押し込んだときに、嵌合凹部34aに嵌合凸部が嵌合されて、一体化するようになっている。このとき、ベース外周壁33及びケース外周壁53の突出端面が互いに略隙間なく相対するように、嵌合凹部34aと嵌合凸部の位置が設定されている。
【0031】
電池接続端子60は、導電性の板ばねからなり、端子嵌合穴45aに嵌合される嵌合部本体61aを有する嵌合部61、及び嵌合部61から延在し、正極部3の外周面に接触する正極取出し部62を有する。
【0032】
嵌合部本体61aは、U字状に形成され、U字の底部側から端子嵌合穴45aに差し込まれたときにU字の一対の側片が互いに近接するように弾性変形される形状を有している。嵌合部本体61aが、端子嵌合穴45aに挿入されたときには、嵌合部本体61aの一対の側片が互いに離反するように働くように復元力が働き、これによって、電池接続端子60が、端子保持部45に保持される。
【0033】
また、ボタン電池2が、電池保持部35に保持された状態で、嵌合部本体61aを端子嵌合穴45aに挿入したときには、正極取出し部62の先端は、分割保持部材37の間を挿通して、ボタン電池2の外周面に加圧状態に接触するようになっている。
【0034】
回路基板10は、所定の配線パターンを有する基板本体11、及び基板本体11に搭載される電子部品12を有する。電子部品12には、図示しない無線信号の送信器や受信器、第1ボタンスイッチ13a、及び第2ボタンスイッチ13bなどが含まれる。
基板本体11は、ケース内周壁及びベース内周壁34の外形形状と略同じ外形形状を有しており、カバーケース51内に嵌め込可能になっている。
なお、カバーケース51内とは、ケース本体52とケース外周壁53で構成される有底円筒体の内部空間をいう。
【0035】
また、ケース本体52には、円形の第1貫通穴52aと、概略楕円形の第2貫通穴52bが形成されている。
【0036】
2つのキートップ7,8のそれぞれの形状は、第1貫通穴52a及び第2貫通穴52bのそれぞれの形状に対応している。なお、キートップ7,8は、第1貫通穴52a及び第2貫通穴52bに、ケース本体52の裏面側から挿入可能に構成されている。なお、第1貫通穴52a及び第2貫通穴52bを介してケース本体52の表面に露出される側と反対側のキートップ7,8の部位には、第1貫通穴52a及び第2貫通穴52bから抜けるのを防止するためのツバ部が形成されている。
【0037】
防水パッキン50の外形形状は、基板本体11の外形形状と同様の外形形状を有している。
なお、防水パッキン50の表裏両面は、キートップ7,8の形状、及び基板本体11に搭載される電子部品12の形状に応じた凹凸形状を有している。
また、回路基板10を、基板本体11とケース本体52とを相対させて配置したときに、ボタンスイッチ13a,13bのそれぞれが、第1貫通穴52a及び第2貫通穴52bのそれぞれと相対するように、ボタンスイッチ13a,13bが、基板本体11上に搭載されている。
【0038】
次いで、無線送受信機1の組み立て手順について説明する。
図4はこの発明の一実施の形態に係る無線送受信機の組み立て手順を説明する図であり、ハウジングベースにボタン電池が保持された状態を示している。
【0039】
作業者は、各キートップ7,8を貫通穴52a,52bに挿入し、さらに、防水パッキン50を、キートップ7,8をケース本体52との間に支持するように、ケース本体52の裏面に相対させてカバーケース51に嵌め合込む。さらに、作業者は、回路基板10が、防水パッキン50を介してケース本体52の裏面と相対するようにカバーケース51に嵌め込む。このとき、ケース内周壁の端面に防水パッキン50が支持されるようになっている。また、キートップ7,8は、基板本体11に搭載されたボタンスイッチ13a,13bと防水パッキン50を介して相対する。
【0040】
また、作業者は、ボタン電池2の正極部3側をベース本体32に向け、ベース本体32に対して傾斜させた状態で、外周面の一部を抜け防止部38の下方に配置させ、正極部3の端面がベース本体32の一面に相対して載置されるようにボタン電池2を離す。これにより、図4に示されるように、ボタン電池2が、複数の分割保持部材37の内側に配置され、ボタン電池2のベース本体32に沿ったスライド移動が分割保持部材37により規制され、また、ボタン電池2の軸方向への移動が、抜け防止部38により規制される。
【0041】
さらに、作業者は、電池接続端子60の嵌合部本体61aを端子嵌合穴45aに差し込み、正極取出し部62をボタン電池2の外周面に押し当てる。
【0042】
さらに、防水パッキン50及び回路基板10を嵌め込んだカバーケース51のケース外周壁53の端面と、ベース外周壁33の端面とが相対する位置で、ケース本体52とベース本体32とが相対するように、カバーケース51及びハウジングベース31を配置して、ケース本体52とベース本体32を、互いが近接するように押し込む。ケース外周壁53の端面と、ベース外周壁33の端面とが略隙間なく相対する位置で、嵌合凸部と嵌合凹部34aとが嵌合されて、カバーケース51とハウジングベース31が一体化される。
【0043】
このとき、基板本体11の外周縁部が、ベース内周壁34の突出端面に当接される。そして、防水パッキン50と基板本体11の外周縁部は、カバーケース51のケース内周壁と、ハウジングベース31のベース内周壁34との間に加圧状態に挟持され、防水パッキン50は弾性変形される。
以上により、カバーケース51とハウジングベース31とからなるハウジング30に回路基板10、防水パッキン50、キートップ7,8、及びボタン電池2が安定して保持される。また、切り欠き凹部33aが、露出されている。
【0044】
また、ベース本体32と相対する基板本体11の表面には、負極部4に接触する図示しない電極部が設けられているとともに、端子保持部45に接触し、端子保持部45及び電池接続端子60を介して正極部3に接続される電極部を有している。これにより、電力が、ボタン電池2から回路基板10に供給される。
以上により、無線送受信機1の組み立て作業が完了する。
【0045】
そして、キートップ7,8を押圧すると、押圧力に応じて防水パッキン50が弾性変形して、ボタンスイッチ13a,13bが動作する。
【0046】
次いで、無線送受信機1の解体、及びボタン電池2の交換作業について説明する。
図示しないマイナスドライバを、切り欠き凹部33aに差し込み、例えば、ハウジングベース31を把持し、ハウジングベース31からカバーケース51を離す方向にケース外周壁53に負荷がかかるようにマイナスドライバを操作して、ケース外周壁53に設けられた嵌合凸部とベース内周壁34に形成された嵌合凹部34aとの嵌合を解除する。これにより、ハウジングベース31からカバーケース51を回路基板10、及び防水パッキン50とともに分離できる。
【0047】
ボタン電池2を交換するには、マイナスドライバの先端を、露出された取出し補助部材42の表面に沿って、ボタン電池2の正極部3の端面の外周縁部に当接させる。さらに、マイナスドライバが当接したボタン電池2の正極部3側の部位を、ベース本体32から浮かせるようにマイナスドライバを操作してボタン電池2をベース本体32に対して傾け、ボタン電池2の電池保持部35による移動の規制を解除し、ボタン電池2を取り出す。
【0048】
新品のボタン電池2を、無線送受信機1の組み立てで説明したのと同様に分割保持部材37の内側に配置することで、ボタン電池2が安定して電池保持部35に保持される。以上により、ボタン電池2の交換が終了する。
以降、前述と同様に無線送受信機1を組み立てることで、無線送受信機1を再び利用することが可能になる。
【0049】
次いで、無線送受信機1の機能について説明する。
無線送受信機1は、例えば、セキュリティシステムの一部として用いられる。より詳しくは、図示しないドアの開閉制御に用いられる。
例えば、ドア側には、無線送受信機1と無線通信を行う図示しないドア制御部が設けられている。
【0050】
第1ボタンスイッチが押される(操作される)と、例えば、第1制御指令を含む第1無線信号が送信器から送信され、第2ボタンスイッチが操作されると第2制御指令の情報を含む第2無線信号が送信器から送信される。
【0051】
ここでは、第1制御指令は、ドア制御部による以下に説明するようなセキュリティ制御を開始させる指令として用いられる。
ドア制御部は、第1無線信号を受信したときにセキュリティ制御を開始するように構成されている。ここで、セキュリティ制御は、無線送受信機を携帯した者が、ドア制御部(ドア)から所定の範囲の領域に入り込むと、一度だけ、ドアを一時的に開く制御である。
【0052】
また、第2指令信号は、ドアを強制的に、一時的に開動作させるためのものであり、ドア制御部は、第2制御指令を含む第2無線信号を受信すると、強制的にドアを一時的に開くようになっている。
【0053】
例えば、無線送受信機を携帯した者が、ドアから所定の範囲の領域内に入り込んで、ドアが開閉された後に、無線送受信機1を携帯した者が、再度所定の範囲の外側に出ることなく続けてドアを開けたい場合などに用いられる。
【0054】
以上のように組み立てられた無線送受信機1では、ハウジング30が、ボタン電池2を保持する電池保持部35が設けられたハウジングベース31と、ハウジングベース31に着脱自在に取り付けられ、電池保持部35に保持されたボタン電池2及び回路基板10を収納する空間をハウジングベース31との間に形成するカバーケース51とにより構成され、ボタン電池2は、ハウジングベース31とカバーケース51とを分離したときに、露出されるようになっている。
従って、カバーケース51をハウジングベース31から回路基板10とともに分離することで、ボタン電池2が露出されて、ボタン電池2をハウジングベース31に対して着脱することが可能になる。このため、ハウジングの一部にボタン電池2を交換するための開口を形成し、開口を開閉自在に塞口する電池蓋を用意する必要がなくなり、無線送受信機1の部品点数を削減することができる。従って、無線送受信機1の組み立てが容易となるとともに、部材コストを削減することができる。
【0055】
また、カバーケース51がハウジングベース31に取り付けられたときに、防水パッキン50が、ハウジングベース31との間に回路基板10とボタン電池2を密閉するように、カバーケース51及びハウジングベース31の間に挟持されている。
【0056】
ボタン電池2と回路基板10のハウジング30内の配設部位とハウジング30外部との防水性を確保するのに必要な防水パッキン50が、一つだけで済む。ボタン電池2及び回路基板10のそれぞれに対し、ハウジング30の外部との防水性を確保するために複数の防水パッキンを用いる必要がなくなるので、部材コストを削減できる。
【0057】
なお、上記実施の形態では、電気機器は、無線送受信機1であるものとして説明したが、ボタン電池2を有し、ボタン電池2が上記のようにハウジングベース31に保持されて、ハウジング30内にボタン電池2と回路基板10が一体に収納される構造のものであれば、特に無線送受信機に限定されない。例えば、電気機器は、ボタンスイッチが操作されたときに、光を発光させるような機器でもよい。
【0058】
また、回路基板10は、ボタン電池2を覆うように配置されるものとして説明したが、回路基板10とボタン電池2は、重ねて配置するものに限定されず、ハウジングベース3の開口と相対する側から見て、ずらして配置されているものでもよい。
つまり、ボタン電池2は、カバーケース51及び回路基板10、またはカバーケース51をハウジングベース31から分離したときに露出されるように無線送受信機1が構成されていればよい。
【0059】
また、スライド規制部36は、複数の分割保持部材37により構成されるものとして説明したが、複数の部材により構成されるものに限定されず、一つの部材で構成してもよい。例えば、円筒や、円筒の一部を切り欠いたもので構成することもできる。
【符号の説明】
【0060】
1 無線送受信機(電気機器)、2 ボタン電池、10 回路基板、30 ハウジング、35 電池保持部、31 ハウジングベース、50 防水パッキン(シール部材)、51 カバーケース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、
上記回路基板に電力を供給するボタン電池と、
上記回路基板及び上記ボタン電池を収納するハウジングと
を備える電気機器であって、
上記ハウジングは、ボタン電池を着脱可能に保持する電池保持部が設けられたハウジングベース、及び上記ハウジングベースに着脱可能に取り付けられ、上記電池保持部に保持される上記ボタン電池及び上記回路基板を収納する空間を上記ハウジングベースとの間に形成するカバーケースを備え、
上記ボタン電池が、上記カバーケース及び上記回路基板、または上記カバーケースを上記ハウジングベースから分離したときに露出されることを特徴とする電気機器。
【請求項2】
上記ハウジングベースとの間に上記回路基板と上記ボタン電池を密閉するように、上記カバーケース及び上記ハウジングベースとの間に挟持されるシール部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−146595(P2012−146595A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5701(P2011−5701)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】