説明

電気泳動ディスプレイにおいて輝度を改善する方法及び装置

電気泳動ディスプレイ(1)は、流体中に複数の負に帯電した黒色粒子(6)と複数の正に帯電した白色粒子(6)とを有する電気泳動媒体(5)を有する。駆動電圧の平均dc値は、要求される表示画像の輝度又はコントラスト比を最大化するように、非ゼロであるように決められる。駆動電圧の平均dc値が正極性を有する場合、それ故、小さい正電圧が画素電極(3)に印加される場合、白色レベルは明るさがより小さくなり、黒色レベルはより暗くなり、それにより、駆動シーケンス中、コントラスト比が増加し、そのことは、コントラスト比が最重要表示パラメータである場合に明らかに有利である。他方、最大輝度レベルの維持又は増加が非常に重要である場合、画素電極(3)に制御された小さい負電圧を印加するように、駆動波形全ての平均dc値が負極性を有する駆動シーケンスが適用される。この場合、黒色レベルはより暗くなるが、白色レベルは非常に明るくなり、それ故、輝度は駆動シーケンス中、増大し、そのことは、輝度が最重要の表示パラメータである場合に明らかに有利である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、微少な着色粒子が電極間の流体中を移動する電気泳動ディスプレイに関し、特に、電気泳動ディスプレイにおける輝度を改善するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気泳動ディスプレイは、流体中に帯電粒子を有する電気泳動媒体と、マトリクス状に配列された複数の画素要素(画素)と、各々の画素と関連付けられた第1及び第2電極と、ピクチャを表示するために、印加電位差の値及び持続時間に応じて、各々の画素が電極間の位置を占めるように各々の画素の電極に電位差を印加するための電圧ドライバとを有する。
【0003】
更に詳細には、電気泳動ディスプレイ装置は、データ電極と選択電極とが交差する交差部分に関連付けられた画素のマトリクスを有するマトリクスディスプレイである。階調、即ち、画素の色化レベルは、特定レベルの駆動電圧が画素に印加される時間に依存する。駆動電圧の極性に応じて、画素の光学状態は、現在の光学状態から、2つの極限状態又は極限光学状態輝度の方に変化する、即ち、全ての帯電粒子の一の種類は画素の下部近傍又は画素の上部近傍にある。
【0004】
通常、マトリクスディスプレイの画素全ては、選択電極に適切な電圧を印加することによりライン毎に選択される。データは、選択されたラインに関連付けられている画素にデータ電極により並列に供給される。そのディスプレイがアクティブマトリクスディスプレイである場合、能動素子TFT、MIM、ダイオードを有する選択電極は又、データが画素に供給されるようにする。マトリクスディスプレイの画素全てを一度選択するために必要な時間はサブフレーム期間と呼ばれる。特定の画素は、有効にされる必要がある光学状態における変化に応じて、全サブフレーム期間中に、正の駆動電圧、負の駆動電圧又はゼロ駆動電圧を受ける。ゼロ駆動電圧は、光学状態における変化が有効にされる必要がない場合に、通常、画素に印加される。
【0005】
電気泳動フォイルを用いるディスプレイにおいては、複数の絶縁層がITO電極間に存在し、それらの層は、印加される電位差の結果として帯電する。それらの絶縁層において存在する電荷は、絶縁層において最初に存在する電荷と続く電位差の履歴とにより決定される。それ故、粒子の位置は、印加される電位差ばかりでなく、電位差の履歴に依存する。
【0006】
上記のように、電気泳動ディスプレイにおける画素の色化のレベル、即ち、階調は、一般に、特定の時間の期間の間に電圧パルスを印加することによりもたらされる。それらの階調は、画像履歴、滞留時間、温度、湿度、電気泳動フォイルの横方向の不均一性等により非常に影響される。全体の履歴を考慮するために、遷移マトリクスに基づく駆動スキームが提案された。そのような構成においては、マトリクスルックアップテーブル(LUT)が必要であり、そのLUTにおいて、種々の画層履歴を有する階調遷移に対する駆動信号は予め決定されている。しかしながら、画素が一の階調から他の階調に駆動された後の残留dc電圧の立ち上がりは粒子の位置に影響し、極性に応じて、粒子が電極により近づくように又は更に遠ざかるようにする。従って、特に、多階調遷移の後の積分の後、残留dc電圧は、極限の光学状態の輝度(即ち、黒色及び白色)における変化がもたらされる傾向にあり、一般に、それら黒色及び白色はより灰色になり、それは又、ディスプレイの輝度及びコントラスト比両方の低減をもたらす。DC=0の場合でさえ、それら両方の状態は、粒子拡散のためにより灰色になる。
【0007】
上記のような残留dc電圧の立ち上がりの影響を低減するための既知の方法は、画素全てに対して印加されるリセットパルス(ピクチャ電圧間)を用いる。リセットパルスは、先行するピクチャ電圧と同じ極性値であるがより短い時間の持続時間を有し、表示される画像が、各々のサブフレーム期間の後、完全に白色又は黒色になるようにする。従って、それらのリセットパルスは、ディスプレイが黒色と白色との間で切り替わるため、表示性能を著しく低減させる。
【0008】
未公開の欧州特許第03100575.4号明細書において、画素電圧間に各々の画素に印加されるリセットパルスが先行するピクチャ電圧に対して逆極性を有し、そのことは、画素における不所望の電荷蓄積を低減させ、印加されていないピクチャ電圧のために絶縁体の少なくとも一部の帯電をもたらすことが記載されている。それ故、表示パネルは、続いて、少なくとも相対的に中間の品質のピクチャを表示することが可能である。未公開の欧州特許第02079282.6号明細書において、DC平衡化回路が上記の問題点を克服するために備えられる、代替の構成について記載されている。DC平衡化回路は、各々の画素又は比較的小さい画素のサブグループに関して決定するため、及び、略ゼロの時間平均値を得るようにそれぞれの画素(又は、画素のサブグループ)に印加されるピクチャ電圧の値及び/又は持続時間を適合させるための制御器を有する。駆動電圧の振幅及び/又は駆動パルスの持続時間の振幅の制御は、画素全てに関してリセットパルスの必要性を伴わずに、それ故、上記の先行技術の方法におけるより視覚効果を損ねることが少なくするように、上記の残留dc電圧の影響が低減されるようにする。
【特許文献1】欧州特許第03100575.4号明細書
【特許文献2】欧州特許第02079282.6号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、表示される画像の輝度又はコントラスト比が増加することを可能にするための方法及び装置を提供することである。
【問題を解決するための手段】
【0010】
本発明に従って、表示装置であって:
− 流体中に帯電粒子を有する電気泳動媒体と;
− 複数の画素要素と;
− 電位差を受けるために各々のピクチャ要素に関連付けられた第1及び第2電極と;
− 前記帯電粒子が移動され且つ表示されるべき画像に従って2つの極限階調間でそれぞれのピクチャ要素の光学状態が実質的に連続的に変化されるように、前記ピクチャ要素の各々にピクチャ電位差のシーケンスを印加するように備えられた駆動手段であって、前記ピクチャ電位差は非ゼロ平均dc値を有し、それら非ゼロ平均dc値の極性は、前記極限階調の一の輝度レベルを増加させる又は前記装置により表示される画像のコントラスト比を増加させるように選択される、駆動手段と;
を有する表示装置を備える。
【0011】
又、本発明に従って、表示装置において輝度又はコントラスト比を増大させる方法であって、表示装置は:
− 流体中に帯電粒子を有する電気泳動媒体と;
− 複数の画素要素と;
− 電位差を受けるために各々のピクチャ要素に関連付けられた第1及び第2電極と;
− 前記帯電粒子が移動され且つ表示されるべき画像に従って2つの極限階調間でそれぞれのピクチャ要素の光学状態が実質的に連続的に変化されるように、前記ピクチャ要素の各々にピクチャ電位差のシーケンスを印加するように備えられた駆動手段と;
を有する方法であり、
その方法は、非ゼロ平均dc値を有するピクチャ電位差を供給する段階であって、その非ゼロ平均dc値の極性は、前記極限階調の一の輝度レベルを増加させる又は前記装置により表示される画像のコントラスト比を増加させるように選択される。
【0012】
表示装置を駆動するための駆動手段であって、表示装置は:
− 流体中に帯電粒子を有する電気泳動媒体と;
− 複数の画素要素と;
− 電位差を受けるために各々のピクチャ要素に関連付けられた第1及び第2電極と;
− 前記帯電粒子が移動され且つ表示されるべき画像に従って2つの極限階調間でそれぞれのピクチャ要素の光学状態が実質的に連続的に変化されるように、前記ピクチャ要素の各々にピクチャ電位差のシーケンスを印加するように備えられた駆動手段であって、前記ピクチャ電位差は非ゼロ平均dc値を有し、それら非ゼロ平均dc値の極性は、前記極限階調の一の輝度レベルを増加させる又は前記装置により表示される画像のコントラスト比を増加させるように選択される、駆動手段と;
を有する、駆動手段である。
【0013】
表示装置を駆動するための駆動波形であって、表示装置は:
− 流体中に帯電粒子を有する電気泳動媒体と;
− 複数の画素要素と;
− 電位差を受けるために各々のピクチャ要素に関連付けられた第1及び第2電極と;
− 前記帯電粒子が移動され且つ表示されるべき画像に従って2つの極限階調間でそれぞれのピクチャ要素の光学状態が実質的に連続的に変化されるように、前記ピクチャ要素の各々にピクチャ電位差のシーケンスを印加するように備えられた駆動手段であって、前記ピクチャ電位差は非ゼロ平均dc値を有し、それら非ゼロ平均dc値の極性は、前記極限階調の一の輝度レベルを増加させる又は前記装置により表示される画像のコントラスト比を増加させるように選択される、駆動手段と;
を有する、駆動波形である。
【0014】
本発明の一実施形態においては、複数の帯電粒子画前記流体中に備えられ、それらの粒子の1つ又は幾つかは、第1色、例えば、黒色を有し、そして、それらの粒子の残りの1つ又は幾つかは、第2色、例えば、白色を有する。前記第1色の粒子は第1極性に帯電され、前記第2色の粒子は第2の逆極性に帯電され、それ故、第2極性のピクチャ電位差の印加は、第1色の粒子がそれぞれのピクチャ要素の上部の方に移動され、そのピクチャ要素がその色を呈するようにする。同様に、第1極性のピクチャ電位差の印加は、第2色の粒子がそのピクチャ要素の上部の方に移動され、そのピクチャ要素がその色を呈するようにする。
【0015】
従って、第1色(例えば、黒色)の粒子が負に帯電していて、第2色(例えば、白色)の粒子が正に帯電している場合について考慮する。第1実施形態においては、駆動手段は、ピクチャ電位差の駆動シーケンスを印加するように備えられ、駆動波形(特定の一実施形態においては、16個であることが可能である)全てのdc値は非ゼロであり且つ正極性を有し、それにより、画素電極に小さい正電圧を印加する。白色レベルは輝度が小さく現れるようにされ、黒色レベルはより濃く現れるようにされ、それにより、駆動シーケンス中、コントラスト比を増大することができる。このことは、コントラスト比が最重要の表示パラメータである場合に明らかに有利である。
【0016】
他方、しかしながら、多の状況下では、最大輝度レベルを維持すること又は増加させることが非常に重要である。従って、第2実施形態においては、駆動手段は、全ての駆動波形の平均dc値が負であり、それにより、画素電極に制御された負電圧を印加する駆動シーケンスを適用するように備えられることが可能である。この場合、黒色レベルは暗さが少なく現れるが、白色レベルはより明るく現れ、それ故、輝度は駆動シーケンス中、増加する。このことは、輝度が最も重要なディスプレイパラメータである場合に明らかに有利である。
【0017】
上記の効果は、正に帯電した白色粒子及び負に帯電した黒色粒子を有するシステムにおいて得られることが理解されるであろう。しかしながら、白色粒子が負に帯電していて、黒色粒子が正に帯電している場合、負である平均dc値を有する駆動シーケンスは、上記のようなコントラスト比の改善をもたらし、正である平均dc値を有する駆動シーケンスは、上記のようなコントラスト比の改善をもたらす。
【0018】
輝度レベル又はコントラストの改善とコントラスト比又は輝度それぞれにおける対応する低減との間のトレードオフを変えるように、並びに/若しくは、コントラスト比又は輝度が最重要なディスプレイパラメータであるかどうかに従った選択を可能にするように、駆動波形における平均dc電圧成分の値は可変にされることが可能である。このことは、例えば、コントラスト/輝度制御機構を用いてユーザにより規定されることが可能である。
【0019】
本発明は又、1種類の粒子を有する装置に対して適用することが可能であり、液体は着色されていて、それ故、粒子の色及び極性は、輝度の改善か又はコントラストの改善のどちらかを達成するように画素電極に印加される必要なdc電圧を決定する。
【0020】
本発明の以上の及び他の特徴について、以下、詳述される実施形態に関連して明らかになり、理解することができるであろう。
【0021】
本発明の実施形態について、以下、単なる例示としてそして添付図面に関連して詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1及び2は、第1基板8と、第2の反対側の基板9と、複数のピクチャ要素2とを有するディスプレイパネル1の例示としての実施形態を示している。一実施形態においては、ピクチャ要素2は二次元構造の状態で実質的に直線に沿って配列されることが可能である。他の実施形態においては、画像要素2はハニカム構成の状態で配列されることが可能である。
【0023】
流体中に帯電粒子6を有する電気泳動媒体5は基板8及び9の間に存在する。第1電極3及び第2電極4は、電位差を受けるために各々のピクチャ要素2に関連付けられている。図2に示している構成においては、第1基板8は各々のピクチャ要素2に対して第1電極3を有し、第2基板9は各々のピクチャ要素2に対して第2電極4を有する。帯電粒子6は、電極3及び4の近傍の極限位置及びそれらの電極3、4の中間の位置を占めることができる。各々のピクチャ要素2は、電極3及び4の間の帯電粒子6の位置により決定される外観を有する。
【0024】
電気泳動媒体5自体については、例えば、米国特許第5,961,804号明細書、米国特許第6,120,839号明細書及び米国特許第6,130,774号明細書に記載されていて、EInk社製のものが入手可能である。例として、電気泳動媒体5は、白色流体中に負に帯電した黒色粒子6を有する。帯電粒子6が、電極3、4に印加された電位差、例えば、15Vの結果として、第1極限位置にある、即ち、第1電極3の近傍にあるとき、ピクチャ要素2の外観は、ピクチャ要素2は第2基板9の側から観測される場合、白色である。
【0025】
帯電粒子6が、電極3、4に印加された電位差、例えば、−15Vの結果として、第2極限位置にある、即ち、第2電極4の近傍にあるとき、ピクチャ要素2の外観は黒色である。帯電粒子6が中間位置の一にある、即ち、電極3、4間にあるとき、ピクチャ要素2は、複数の中間的外観、例えば、黒色と白色との間の階調である明るい灰色、中間の灰色及び濃い灰色の一を有する。
【0026】
上記のように、先行技術に従って、電気泳動ディスプレイを長期に駆動した後には、極限光学状態の輝度(即ち、上記の構成における黒色及び白色)は変化している。一般に、それらの極限光学状態の輝度の両方は益々灰色になる傾向にある。その結果、それら両方の輝度及びコントラスト比は低減する。
【0027】
図3は、電圧変調遷移マトリクスを用いて、典型的な従来のランダムな階調遷移シーケンスの一部を示している。画像状態nと画像状態n+1との間には、異なるユーザに応じて、数秒乃至数分の何れであることが可能である有効な特定の時間の期間が存在する。ディスプレイが画像状態n+1から画像状態nまで駆動されるとき、所定の電圧Vn+1(遷移マトリクスルックアップテーブルから利用可能である)が印加される。例示されている実施例において、駆動パルスnは駆動パルスn+1に対して反対符号を有し、それは最小残留dc電圧を与える。理想的には、両方の駆動パルスn及びn+1の振幅が等しいとき、この駆動は自動的に均衡する(パルス幅は同じであるため)。上記のように、しかしながら、この状況でさえ、輝度及びコントラスト比の低減をもたらす。しかしながら、実際のディスプレイにおける階調遷移は完全にランダムであり、それ故、残留dc電圧が画素において現れる傾向にある。DC電圧が画像のデータに付加される場合、これは又、画像品質を低下させる画像残像の影響をもたらす。
【0028】
従って、本発明に従って、(例えば、16個の)駆動波形の平均dc値が非ゼロである駆動シーケンスが適用される。上記の電気泳動ディスプレイにおいて、平均dc値が正極性を有する場合、それ故、小さい正電圧が画素電極に印加される場合、白色レベルの輝度は小さいが、黒色レベルは暗くなり、それにより、駆動シーケンス中のコントラスト比は増加し、そのことは、コントラスト比が最重要であるディスプレイパラメータである場合に明らかに有利である。
【0029】
他方、最大輝度レベルを維持すること又は増加させることが非常に重要である場合、画素電極に制御された小さい負電圧を印加するように、全ての駆動波形の平均dc値が負極性を有する駆動シーケンスが適用される。この場合、黒色レベルは暗くなることが可能であるが、白色レベルは僅かに明るくなり、それ故、輝度は駆動シーケンス中、増加し、そのことは、輝度が最重要であるディスプレイパラメータである場合に明らかに有利である。
【0030】
コントラスト比、輝度のどちらが最重要なディスプレイパラメータであるかは、恐らく、輝度/コントラストボタン等によりユーザが規定することが可能である。制御器が、そのような制御機構からデータ入力を受けるように及びユーザの要求に従って駆動シーケンスの平均dc値を設定するように備えられる。画素電極に印加される付加dc値は、粒子の位置に影響し、上記のように、そのdc値の極性に応じて、粒子が電極に近づく又は遠ざかるようにする。
【0031】
本発明の実施形態については、単なる例示として、上記のように詳述し、そして、同時提出の特許請求の範囲に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対して修正及び変形をなすことが可能であることを当業者は理解するであろう。用語“を有する”は、請求項に記載した要素以外の要素の存在を排除するものではない。単数で表された要素の表現は、そのような要素の複数の存在を排除するものではない。本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアにより及び適切にプログラムされたコンピュータにより実施されることができる。幾つかの手段を挙げている装置請求項においては、それらの手段の幾つかは、ハードウェアにより同一に具現することが可能である。特定の手段が互いに異なる独立請求項において挙げられていることは、それらの手段の組み合わせが有利に使用されることがないことを意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の例示としての実施形態に従った表示パネルの模式的平面図である。
【図2】図1のラインII−IIに沿った断面図である。
【図3】先行技術に従った電圧変調遷移マトリクスを用いる典型的な階調遷移の一部を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置であって:
流体中に帯電粒子を有する電気泳動媒体;
複数の画素要素;
電位差を受けるために各々のピクチャ要素に関連付けられた第1及び第2電極;並びに
前記帯電粒子が移動され且つ表示される画像に従って2つの極限階調間でそれぞれのピクチャ要素の光学状態が実質的に連続的に変化されるように、前記ピクチャ要素の各々にピクチャ電位差のシーケンスを印加するように備えられている駆動手段であって、前記ピクチャ電位差は非ゼロ平均dc値を有し、それら非ゼロ平均dc値の極性は前記極限階調の一の輝度レベルを増加させる又は前記装置により表示される前記画像のコントラスト比を増加させるように選択される、駆動手段;
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、前記流体中に複数の帯電粒子を有し、それらの帯電粒子の1つ又は幾つかは第1色を有し、それらの帯電粒子の残りの1つ又は幾つかは第2色を有する、ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置であって、前記第1色の前記粒子は第1極性に帯電し、前記第2色の前記粒子はそれと逆の第2極性に帯電している、ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の表示装置であって、前記第1色の前記粒子の極性と逆の極性を有する平均dc電圧を有するピクチャ電位差を適用することにより、前記装置により表示される画像のコントラスト比の増大がもたらされる、ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の表示装置であって、前記第2色の前記粒子の極性と逆の極性を有する平均dc電圧を有するピクチャ電位差を適用することにより、前記装置により表示される画像の輝度の増大がもたらされる、ことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の表示装置であって、前記第1色は実質的に黒色であり、前記第2色は実質的に白色である、ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れ一項に記載の表示装置であって、前記平均dc電圧の前記極性は、その平均dc電圧が前記装置により表示される画像の輝度又はコントラスト比のどちらを最大化するために必要とされるかに従ってユーザにより規定される、ことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の表示装置であって、ユーザが前記装置により表示される画像の輝度又はコントラスト比のどちらを最大化するべきかを選択することを可能にする選択手段を有する、ことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項1に記載の表示装置であって、前記流体は着色されている、ことを特徴とする表示装置。
【請求項10】
請求項9に記載の表示装置であって、前記着色されている流体中に単一の荷電粒子を有する、ことを特徴とする表示装置。
【請求項11】
表示装置において輝度及びコントラスト比を増大させる方法であって、前記装置は:
流体中に帯電粒子を有する電気泳動媒体;
複数の画素要素;
電位差を受けるために各々のピクチャ要素に関連付けられた第1及び第2電極;並びに
前記帯電粒子が移動され且つ表示される画像に従って2つの極限階調間でそれぞれのピクチャ要素の光学状態が実質的に連続的に変化されるように、前記ピクチャ要素の各々にピクチャ電位差のシーケンスを印加するように備えられている駆動手段;
を有する表示装置であり、
前記ピクチャ電位差は非ゼロ平均dc値を有し、それら非ゼロ平均dc値の極性は、前記極限階調の一の輝度レベルを増加させる又は前記装置により表示される前記画像のコントラスト比を増加させるように選択される;
表示装置である、ことを特徴とする方法。
【請求項12】
表示装置を駆動するための駆動手段であって、前記装置は:
流体中に帯電粒子を有する電気泳動媒体;
複数の画素要素;
電位差を受けるために各々のピクチャ要素に関連付けられた第1及び第2電極;並びに
前記帯電粒子が移動され且つ表示される画像に従って2つの極限階調間でそれぞれのピクチャ要素の光学状態が実質的に連続的に変化されるように、前記ピクチャ要素の各々にピクチャ電位差のシーケンスを印加するように備えられている駆動手段;
を有する表示装置であり、
前記ピクチャ電位差は非ゼロ平均dc値を有し、それら非ゼロ平均dc値の極性は、前記極限階調の一の輝度レベルを増加させる又は前記装置により表示される前記画像のコントラスト比を増加させるように選択される;
表示装置である、ことを特徴とする駆動手段。
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項13】
表示装置を駆動するための駆動波形であって、前記装置は:
流体中に帯電粒子を有する電気泳動媒体;
複数の画素要素;
電位差を受けるために各々のピクチャ要素に関連付けられた第1及び第2電極;並びに
前記帯電粒子が移動され且つ表示される画像に従って2つの極限階調間でそれぞれのピクチャ要素の光学状態が実質的に連続的に変化されるように、前記ピクチャ要素の各々にピクチャ電位差のシーケンスを印加するように備えられている駆動手段であって、前記ピクチャ電位差は非ゼロ平均dc値を有し、それら非ゼロ平均dc値の極性は、前記極限階調の一の輝度レベルを増加させる又は前記装置により表示される前記画像のコントラスト比を増加させるように選択される、駆動手段;
を有する、ことを特徴とする駆動波形。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−512564(P2007−512564A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540697(P2006−540697)
【出願日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【国際出願番号】PCT/IB2004/052379
【国際公開番号】WO2005/050605
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】