説明

電気活性ポリマーを利用する触覚装置

【課題】触覚的な感覚を与えおよび/またはセンサ機能を提供する電気活性ポリマー(EAP)を利用した触覚フィードバック・インタフェース装置を提供する。
【解決手段】触覚フィードバック・インタフェース装置(12)は、ホストコンピュータ(14)と通信を行い、ユーザによるインタフェース装置への操作を検出するセンサ(112)装置、入力信号に対応して、アクチュエータの移動により生じた力をユーザに出力する電気活性ポリマーアクチュエータを含む。出力された力はユーザに触覚的な感覚を与える。EAPアクチュエータを採用する様々な実施例が記載され、含まれている実施例は、直接的に力を与えるもの、慣性力を与えるもの、ブレーキ力を与えるものがある。触覚フィードバック・インタフェース装置は、さらにボタン(256)を備え、触覚フィードバック力はボタンを介して出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に人間がコンピュータ・システムとのインタフェースをとることを可能とするためのインタフェース装置に関し、より具体的には、ユーザがコンピュータ・システムに入力を行い、そしてコンピュータがユーザに触覚フィードバックを与えることを可能とするための低コストのコンピュータ・インタフェース装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ支援デザイン・システム(computer aided design system)を使用し、グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI: graphical user interface)を操作し、ウェブ画面をナビゲートすることにより、ユーザはコンピュータにより表示された環境と相互作用を行い、例えばゲームを行う、シミュレーションや仮想現実環境を体験するなどの機能やタスクをコンピュータ上で実行することができる。このような相互作用に一般に使用されるヒューマン・コンピュータ・インタフェースは、マウス、ジョイスティック、トラックボール、ゲームパッド、ステアリング・ホイール(steering wheel)、スタイラス、タブレット、感圧スフィア(pressure-sensitive sphere)などを含み、これらは表示環境(displayed environment)を制御するコンピュータに接続される。コンピュータは、一般にジョイスティックのハンドルやマウスのような物理的操作体(physical manipulandum)に対するユーザによる操作に反応して前記環境を更新する。コンピュータは、位置を示す信号をコンピュータに送信するインタフェース装置上のセンサを介して、ユーザによるユーザ・オブジェクトの操作を感知する。他のアプリケーションでは、リモートコントローラのようなインタフェース装置により、ユーザが電気装置や電気器具の機能とインタフェースをとることを可能としている。
【0003】
あるインタフェース装置では、フォース(運動感覚的)フィードバックおよび/または触感(tactile)フィードバックもまたユーザに与えられており、これらはまとめられて、より一般的に「触覚フィードバック」として知られている。これらの形式のインタフェース装置は、ジョイスティックのハンドルや、マウス、ホイールなどのインタフェース装置のユーザ操作体を操作するユーザによって感知される物理的感覚を与えることが可能である。1以上のモータまたは他のアクチュエータが前記操作体に接続されており、制御を行うコンピュータ・システムに接続される。コンピュータは、表示されたイベントに連結および協調させた操作体および/または装置筐体上の力を制御し、前記アクチュエータに制御信号またはコマンドを送信することにより相互作用を行う。したがって、コンピュータ・システムは、ユーザがインタフェース装置またはインタフェース装置の操作可能オブジェクトを握り、または接触しているときに、他のフィードバックと連動して物理的な力の感覚をユーザに伝達することができる。
【0004】
家庭用消費者市場における現在のフィードバック・コントローラの1つの問題は、そのような装置の製造コストが高いため、これらの装置が消費者にとって高価な物となってしまうことである。この製造費用の大部分は、触覚フィードバック装置内に複雑で多数のアクチュエータとこれに対応する制御電子機器を包含することによる。さらに、リンケージやベアリングのような高品質の機械的なフォース伝達部材が装置のコストを増加する。低価格な触覚デバイスもいくつか存在するが、それらの触覚出力能力は非常に限定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、製造コストを低減しつつ、なおユーザに感銘を与える触覚フィードバックを提供して、コンピュータ・アプリケーションとの相互作用を強化しうる触覚フィードバック装置の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電気活性ポリマー(EAP)アクチュエータを使用したインタフェース装置において触覚フィードバックを与えることを対象とする。電気活性ポリマー・アクチュエータは、多くの現存する触覚装置用の技術よりも、より効率的かつ低コストに触覚的な感覚を与えることができる。
【0007】
より具体的には、本発明の触覚フィードバック・インタフェース装置は、ホスト・アプリケーション・プログラムを実行するホストコンピュータと通信を行い、ユーザにより操作される。インタフェース装置は、ユーザによるインタフェース装置の操作を検知するセンサ装置を含み、その操作に対応するセンサ信号を出力する。そして電気活性ポリマー・アクチュエータは、入力信号に応答して、アクチュエータの動きによって生じる力をユーザ出力する。その力の出力はユーザに触覚的な感覚を与える。インタフェース装置は、ユーザと物理的に接触する装置筐体を含む。ある実施例では、力および触覚的な感覚は、ホストコンピュータによって実行されるイベントまたは相互作用に関連付けられる。
【0008】
EAPアクチュエータを採用するインタフェースの様々な実施例が記載される。電気活性ポリマー・アクチュエータによる力の出力は、慣性質量を移動することにより生じる慣性力としてよい。電気活性ポリマー・アクチュエータによる力の出力は、回転力や、直線的な力や、EAP素子が曲がることにより生じる力や、EAP素子の面積が拡大することにより生じる力としてよい。電気活性ポリマー・アクチュエータは、インタフェース装置上のボタンを移動してユーザに力を出力することとしてもよく、アクチュエータは1以上の装置筐体部分を移動することとしてよい。EAPアクチュエータは、インタフェース装置の可動部分に対するブレーキシューとして作用する素子を移動して、車輪軸、医療用具、ディスクや他の部分のような可動部分に対する抵抗力を生じてもよい。EAPアクチュエータは、インタフェース装置上の回転ホイール、トラックポイント・コントローラ、回転ノブ、回転球体(sphere)、スタイラスその他の操作体に触覚的な感覚を与えることとしてよい。1以上(例えばアレイ状の)電気活性ポリマー・アクチュエータを使用し、ユーザの皮膚に直接接触して、皮膚を摺る部材を移動して、触感を与えることとしてもよい。本発明の方法は、同様にEAPアクチュエータに触覚的な感覚の出力を与える。
【0009】
本発明の別の態様では、ホストコンピュータと通信を行う触覚フィードバック・インタフェース装置は、ユーザに物理的に接触する装置筐体を含み、電気活性ポリマー(EAP)素子は、ユーザによるインタフェース装置の操作体の操作を検出して、その操作に対応するセンサ信号を出力するだけでなく、入力信号に応答してユーザに力を出力することが可能である。その力はEAP素子の動きにより生じ、ユーザに触覚的な感覚を与える。EAP素子は操作体に対するユーザの接触や、ユーザによりEAP素子に加えられる圧力を検出することとしてよい。
【0010】
本発明は、電気活性ポリマー・アクチュエータを使用した触感フィードバック装置のための触感フィードバック感覚を有利に提供する。これらのアクチュエータは、高いエネルギー密度、速い応答時間、形状および性能特性のカスタマイズ可能性、コンパクト性、制御容易性、低消費電力、高い力の出力および動きの偏向/量、自然な剛度、センシングおよびアクション機能、比較的低い材料コストならびに比較的低い製造コストなどの種々の利点を有しており、これらの利点は触覚フィードバックおよび検出装置に適している。
【0011】
本発明のこれらおよび他の利点は、以下に記載する本発明の説明および様々な図面を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明と共に使用されることに適する触覚フィードバック・システムを示すブロック図である。
【図2A】曲げ動作中の電気活性ポリマー素子の側面図である。
【図2B】曲げ動作中の電気活性ポリマー素子の平面図である。
【図2C】直線的な移動および曲げ動作を与える電気活性ポリマーのサンドイッチ構造の側面図である。
【図2D】多数の自由度の移動を与える円筒形の電気活性ポリマー素子の斜視図である。
【図2E】素子面積の拡大を与える電気活性ポリマー構造の斜視図である。
【図2F】素子の軸方向の移動を与える円筒形の電気活性ポリマー構造の斜視図である。
【図3】本発明のEAPアクチュエータと共に使用されることに適するマウス・インタフェース装置の例の斜視図である。
【図3A】電気活性ポリマー・アクチュエータによる自由度内で移動するボタンを有するマウス実施例の側面図である。
【図3B】電気活性ポリマー・アクチュエータにより横方向に移動するボタンを有するマウス実施例の平面図である。
【図3C】複数の電気活性ポリマー・アクチュエータ・アレイを含むボタンを有するマウス実施例の平面図である。
【図4A】電気活性ポリマー・アクチュエータにより慣性質量を直線的に移動させて、慣性の感覚を与える実施例の概略図である。
【図4B】電気活性ポリマー・アクチュエータにより慣性質量を回転させて、慣性の感覚を与える実施例の概略図である。
【図4C】電気活性ポリマー・アクチュエータにより多数の慣性質量を移動させる実施例の図である。
【図5A】電気活性ポリマー・アクチュエータによりマウスのカバー部分全体が移動して、触感を与えるマウス実施例の側面図である。
【図5B】電気活性ポリマー・アクチュエータによりマウスのカバー側面部分が移動して、触感を与えるマウス実施例の平面図である。
【図5C】電気活性ポリマー・アクチュエータによりマウスの上部が移動して、触感を与えるマウス実施例の平面図である。
【図5D】電気活性ポリマー・アクチュエータによりマウスの後方上部が移動して、触感を与えるマウス実施例の側面図である。
【図6】電気活性ポリマー・アクチュエータによりブレーキされる球体を有する実施例の平面図である。
【図7A】電気活性ポリマー・アクチュエータにより回転移動する慣性質量を含んだ回転可能なホイールの実施例の側面図である。
【図7B】面積が拡大するいくつかの電気活性ポリマー・アクチュエータを含むホイールの実施例を示す図である。
【図7C】面積が拡大するいくつかの電気活性ポリマー・アクチュエータを含むホイールの実施例を示す図である。
【図7D】電気活性ポリマー・アクチュエータによりブレーキされる回転可能なホイールの実施例の斜視図である。
【図7E】電気活性ポリマー・アクチュエータにより回転可能なホイール全体が横方向および縦方向に移動するホイールの実施例の側面図である。
【図8A】その自由度内で触覚フィードバックを与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するトラックポイント・コントローラの斜視図である。
【図8B】ユーザに対して直線的に棒を移動することにより触覚フィードバックを与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するトラックポイント・コントローラの斜視図である。
【図8C】ユーザに対して直線的に棒を移動することにより触覚フィードバックを与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するトラックポイント・コントローラの断面図である。
【図8D】直線的な自由度において触覚フィードバックを与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するトラックポイント・コントローラの斜視図である。
【図9A】電気活性ポリマー・アクチュエータにより、ユーザの指に対して直線的に移動する垂直ピンの斜視図である。
【図9B】図9Aの垂直ピンのアレイの斜視図である。
【図9C】図9Aの垂直ピンのアレイの斜視図である。
【図9D】電気活性ポリマー・アクチュエータにより、ユーザの指に対して直線的に移動する垂直ピンの側面図である。
【図9E】電気活性ポリマー・アクチュエータにより、ユーザの指に対して直線的に移動する垂直ピンの側面図である。
【図10】医療用具にブレーキ力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有する装置の側面図である。
【図11】インタフェース装置のトリガに力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有する装置の側面図である。
【図12A】つまみの回転自由度において直接回転力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するつまみの前面図である。
【図12B】つまみの回転自由度においてブレーキ力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するつまみの斜視図である。
【図13】ディスクの回転自由度においてブレーキ力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有する回転ディスクの側面図である。
【図14A】スタイラスのチップに直線的な力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するスタイラスの側面図である。
【図14B】スタイラスの前端部に直線的な力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するスタイラスの側面図である。
【図14C】スタイラスのボタンに力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するスタイラスの側面図である。
【図14D】スタイラスの胴体から外方向に力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するスタイラスの側面図である。
【図14E】スタイラスの胴体から外方向に力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するスタイラスの斜視図である。
【図15A】慣性力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するステアリング・ホイールの前面図である。
【図15B】慣性力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するジョイスティック・ハンドルの側面図である。
【図15C】ジョイスティック・ハンドルの自由度内においてブレーキ力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するジョイスティック・ハンドルの斜視図である。
【図15D】ジョイスティック・ハンドルの自由度内においてブレーキ力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有するジョイスティック・ハンドルの側面図である。
【図16】シリンダの自由度内においてブレーキ力を与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有する回転シリンダ・コントローラの側面図である。
【図17A】素子に対して直線的な動きを与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有する触覚素子の側面図である。
【図17B】素子に対して横方向にするような動きを与える電気活性ポリマー・アクチュエータを有する触覚素子の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、記載される本発明の実施例のいずれかと共に使用されることに適する、触覚フィードバック・システムを示すブロック図である。フォース・フィードバック・システムはホストコンピュータ・システム14およびインタフェース装置12を含む。
【0014】
ホストコンピュータ・システム14は、好適にはホスト・マイクロプロセッサ100、クロック102、ディスプレイ画面26、および音声出力装置104を含む。ホストコンピュータは、読み書き可能メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、および入/出力(I/O)電子機器(図示せず)などの他の既知の部品を含む。
【0015】
ホストコンピュータ14は、パーソナル・コンピュータまたはワークステーションとしてよく、既知のオペレーティング・システムのもとで動作しうる。その代わりとして、ホストコンピュータ・システム14は、テレビ受像器や他のディスプレイに一般に接続される、例えば、任天堂(商標)、セガ(商標)、ソニー(商標)またはマイクロソフト(商標)より入手可能な家庭用ビデオゲームのコンソール・システムの種類の1つとしてよい。他の実施例では、例えばテレビ会話機能を提供するセット・トップ・ボックス (set-top box)や、インターネットやワールド・ワイド・ウェブに用いられるような標準的な接続およびプロトコルを使用して、ユーザがローカル・ネットワークまたは汎用ネットワークと対話することを可能とする、ネットワーク・コンピュータまたはインターネット・コンピュータとしてよい。他の装置例では、ホストコンピュータは電気製品、電子装置、車載コンピュータとしてよい。
【0016】
ホストコンピュータ14は、好適には、触覚フィードバック機能を含むインタフェース装置12を介してユーザが相互作用を行う、ホスト・アプリケーション・プログラムを実行する。例えば、ホスト・アプリケーション・プログラムは、ビデオゲーム、ワードプロセッサ、スプレッドシート、ウェブページまたはHTMLやVRML命令を実行するブラウザ、科学分析プログラム、仮想現実訓練プログラムや仮想現実アプリケーションなどの、マウス12からの入力を利用し、装置12へフォース・フィードバック命令を出力するアプリケーション・プログラムとしてよい。ここに簡単のため、ウインドウズ(商標)、MS−DOS(商標)、MacOS(商標)、Linux(登録商標)、Be(商標)などのオペレーティング・システムもまた、「アプリケーション・プログラム」としてみなすこととする。ここに、コンピュータ14は、グラフィカル・ユーザ・インタフェース、ゲーム、シミュレーションや他の視覚的環境であるグラフィカル・エンバイロメント(graphical environment)を提供するものとする。コンピュータは、当業者に既知のように、物理的オブジェクトではなく、コンピュータ14によってディスプレイ画面26上に表示されうる論理ソフトウエア・ユニット・コレクション・データおよび/またはプロシージャである“画像オブジェクト”(graphical object)または“コンピュータ・オブジェクト”(computer object)を表示する。このようなソフトウエアとコンピュータ入出力機器とをインタフェースする適切なソフトウエア・ドライバは、カリフォルニア、サンノゼのイマージョン社から利用可能である。
【0017】
ディスプレイ機器26は、ホストコンピュータに含まれることとしてもよく、標準的なディスプレイ装置(LCD、CRT、平面パネルなど)、3次元ゴーグルや他の映像出力装置としてよい。通常のホスト・アプリケーションはディスプレイ装置26上に表示されるべき画像を提供し、および/または音声信号のような他のフィードバックを与える。スピーカのような音声出力装置104は当業者に既知のように、アンプ装置、フィルタおよび他の回路経由して、ホスト・マイクロプロセッサ100に接続されて、ホスト・アプリケーション・プログラムの実行中に“音声のイベント”が発生したときに、音声出力をユーザに提供する。ホスト・プロセッサ100に接続される他の形式の周辺装置には、例えば記憶装置(ハードディスク・ドライブ、CD−ROMドライブ、フレキシブルディスク・ドライブなど)、プリンターおよび他の入出力装置がありうる。
【0018】
インタフェース装置12は、バス20によってコンピュータ14に接続され、バス20は、装置12とコンピュータ14との間で信号のやりとりを行い、またある実施例においては、装置12に電力を提供する。他の実施例では、信号がワイヤレス送受信によって装置12とコンピュータ14の間を送信される。ある実施例では、アクチュエータへの電力は、装置上に設けられたキャパシタやバッテリーのような蓄電装置により補充されまたは単に供給される。バス20は好適には双方向のもので、ホスト14および装置12の間でいずれの方向にも信号を送信できるものが望ましい。バス20はRS232のようなシリアル・インタフェース・バス、シリアル・インタフェースRS−422、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、MIDIもしくは当業者に既知の他のプロトコル、パラレル・バスまたは無線リンクとすることができる。
【0019】
装置12はローカルのマイクロプロセッサ110を含むこととしうる。ローカル・マイクロプロセッサ110は、任意に装置12の筐体内に含まれ、装置の他の構成部品との効果的な通信を可能とする。プロセッサ110は装置12にローカルに存在しており、ここに「ローカル」とはプロセッサ110がホストコンピュータ・システム14内のいかなるプロセッサとの別のマイクロプロセッサであることをいう。さらに「ローカル」とは、好適にはプロセッサ110が触覚フィードバックを与えること、および装置12のセンサI/Oに専ら供されていることをもいう。マイクロプロセッサ110は、ファームウエアなどのソフトウエア命令を与えられ、コンピュータ・ホスト14からの命令または要求を待つ。そして命令または要求を解読して、その命令または要求に従って入力および出力信号を扱い、制御する。さらに、プロセッサ110は、センサ信号を読み取り、これらセンサ信号、時間信号、ホスト命令に従って選択された、記憶されまたは伝送された命令から適切な力を計算することにより、ホストコンピュータ14と独立に作動することが可能である。ローカル・マイクロプロセッサ110として使用されるのに適したマイクロプロセッサには、イマージョン・タッチセンス・プロセッサ(Immersion Touchsense Processor)のような、より高度なフォースフィードバック・プロセッサだけでなく、ローエンドのマイクロプロセッサも含まれる。マイクロプロセッサ110は、1つのマイクロプロセッサ・チップ、複数のプロセッサおよび/またはコプロセッサ・チップ、および/またはディジタル信号プロセッサ(DSP)機能を含むこととしてよい。
【0020】
マイクロプロセッサ110は、センサ112からの信号を受信し、バス20を介したホストコンピュータ14により与えられる命令に従い、アクチュエータ18信号を与えることが可能である。例えばローカル装置の制御の実施例では、ホストコンピュータ14が、高いレベルの管理用命令をマイクロプロセッサ110にバス20経由で与え、マイクロプロセッサ110はその命令を解読し、高いレベルの命令に従いホストコンピュータ14から独立して、センサおよびアクチュエータに対する低いレベルの力制御ループを管理する。この操作は米国特許5,739,811号および5,734,373号により詳細に記載されている。ホストの制御ループでは、力の命令はホストコンピュータからマイクロプロセッサ110へ出力され、力、または特定の性質を有する力の感覚を出力するように、マイクロプロセッサに命令する。ローカル・マイクロプロセッサ110は、ホストコンピュータに、例えば、与えられた1以上の自由度における装置の位置を示す位置データといったデータを伝える。データはまた、ボタン、スイッチなどの状態を示すこととしてもよい。ホストコンピュータは位置データを使用して、実行されるプログラムを更新する。ローカル制御ループでは、アクチュエータ信号がマイクロプロセッサ110によりアクチュエータ18に与えられ、センサ信号がセンサ112および他の入力装置118からマイクロプロセッサ110へ与えられる。ここに、「触感」の語は、ユーザに感覚を与えるアクチュエータ18による単一の力または力の出力の連続のいずれをも指すものとする。例えば、振動、単一の衝撃、または手触りは全て触感と見なされる。マイクロプロセッサ110は、入力センサ信号を処理して、記憶された命令に従って適切な出力アクチュエータ信号を決定することができる。マイクロプロセッサは、センサから生成された位置データをホストコンピュータへ報告するだけでなく、ユーザ・オブジェクト上に出力するための力のローカルな決定において、センサ信号を使用することとしてよい。
【0021】
さらなる他の実施例では、マイクロプロセッサ110と同様の機能を与えるために、装置12に他のハードウエアが与えられることとしてよい。例えば、一定のロジック回路を組み込んだハードウエア状態装置が、アクチュエータ18に信号を与え、センサ112からのセンサ信号を受信し、触感信号を出力するために使用されることとしてよい。
【0022】
また、異なるホスト制御実施例では、ホストコンピュータ14は、低いレベルの力の命令をバス20経由で与えて、マイクロプロセッサ110や他の回路経由で、アクチュエータ18に直接送信されることとしてもよい。よって、ホストコンピュータ14は、装置12へのまたは装置12からの全ての信号を直接制御し、処理する。例えばホストコンピュータはアクチュエータ18による力の出力を直接制御し、センサ112および入力装置118からのセンサ信号を直接受信する。他の実施例では、これらを「混合した」機構を採用することとしてよい。ここで、例えば閉ループ効果(closed loop effects)のような、ある種類の力のときは単にローカル・マイクロプロセッサにより制御され、開ループ効果(open loop effects)のような、他の種類の力のときはホストにより制御されることとする。
【0023】
RAMおよび/またはROMのような、ローカル・メモリ122は装置12内のマイクロプロセッサ110に好適に接続され、マイクロプロセッサ110用の命令を記憶し、および一時的なデータや他のデータを記憶する。さらにローカル・クロック124がマイクロプロセッサ110に接続されて、ホストコンピュータ14のシステムクロック102と同様の計時データ(timing data)を与えることとしうる。
【0024】
センサ112は、例えば筐体や操作体といった装置の、自由度における位置または動きを検知して、位置または動きを表す情報を含む信号を、マイクロプロセッサ110(またはホスト14)に与える。動きを検出するために適したセンサには、ディジタル光学エンコーダ、他の光学センサ・システム、リニア光学エンコーダ、ポテンショメータ、光学センサ、速度センサ、加速度センサ、歪みゲージ、または他の種類のセンサも使用されうる。当業者に既知のように任意的なセンサインタフェース114が、センサ信号をマイクロプロセッサ110および/またはホストコンピュータ14に解読しうる信号に変換するために使用されることとしてよい。
【0025】
アクチュエータ18は、マイクロプロセッサ110および/またはホストコンピュータ14からの信号に応答して、筐体、操作体、ボタンまたは装置の他の部分に力を伝達する。装置12は、装置12(またはそのコンポーネント)上に力を生み出し、ユーザに触覚を与えるために作用する1以上のアクチュエータを好適に含む。アクチュエータは、後に詳説する電気活性ポリマー(EAP)であって、「コンピュータ制御される」。例えば、アクチュエータからの力の出力は、最終的にマイクロプロセッサ、ASIC等のコントローラから発せられる信号により制御される。ここに記載される電気活性ポリマーに関連して、回転DCモータ、音声コイルアクチュエータ、可動磁石アクチュエータ、気圧/水圧アクチュエータ、ソレノイド、スピーカ音声コイル、圧電アクチュエータ、パッシブ・アクチュエータ(ブレーキ)などを含む多くの種類の付加的なアクチュエータが使用されうる。アクチュエータ・インタフェース116が、アクチュエータ18とマイクロプロセッサ110との間に任意に接続され、マイクロプロセッサ110からの信号を、アクチュエータ18を駆動するために適切な信号へと変換する。当業者に既知のようにインタフェース116は、電力増幅器、スイッチ、デジタルアナログ変換器(DAC)、アナログデジタル変換器(ADC)、および他のコンポーネントを含みうる。
【0026】
ここに、いくつかの実施例において、アクチュエータは、装置の筐体や操作体上に、または慣性質量の移動によって、短期間の力の感覚を加えることができる機能を有する。この短期間の力の感覚は、「パルス」と表すことができる。「パルス」はある実施例において、実質的に特定の方向に沿って方向付けされたものとすることができる。ある実施例においては、「パルス」の強さを制御することができ、正または負のいずれにもバイアスされるように「パルス」の向きを制御することができる。また、周期的な感覚が、例えばサイン波のように強さおよび周波数を持ちうる「周期的な力の感覚」を適用することができる。周期的な感覚は、サイン波、方形波、のこぎり波、三角波から選択することとしてよく、エンベロープに周期的な信号を適用して、ゆっくりと時間をかけて強さが変化することとしてもよい。波形は、ホストから装置へ「流される」こととしてよく、または強さ、周波数および持続期間などのパラメータを含む高いレベルのコマンドによって運ばれることとしてよい。
【0027】
他の入力装置118は、装置12に含まれて、ユーザが操作したとき、マイクロプロセッサ110またはホスト14へ入力信号を送信することができる。このような入力装置には、ボタン、ダイアル、スイッチ、スクロール・ホイール、ノブ、他のコントロール機器または機構を含む。電源120は、任意に装置12内に含まれて、アクチュエータ・インタフェース116および/またはアクチュエータ18に接続され、アクチュエータに電源を供給する。または、別個のコンポーネントとして与えられる。代替的に、電源を装置12とは別個の電源から引き出すこととしてよく、またはバス20経由で受信することとしてもよい。同様に受信した電源を装置12により貯蔵および調整してから、アクチュエータ18を駆動するのに必要なときに使用し、または補助的に使用することができる。
【0028】
インタフェース装置12は、様々な種類のいずれかとすることとしてよく、いくつかの実施例が、以下に記載される。例えば装置12は、平面的な自由度を持ち、ハウジング全体が移動させられるマウス装置としてよい。代替的には、ジョイスティックのハンドルのような装置上の操作体、ノブ、ステアリング・ホイール、トラックボールなどがユーザにより移動され、センサにより監視される。装置12はまた、ゲームパッド、ジョイスティック、ステアリング・ホイール、スタイラス、タッチパッド、球形コントローラ(spherical controller)、フィンガー・パッド、ノブ、トラックボール、または他の装置としてもよく、いくつかの実施例が以下に記載される。代替的に、テレビ、ビデオカセットレコーダ、サウンドステレオ、インターネットまたはネットワークコンピュータ(例えばWeb−TV(商標))の機能を選択するために使用されるハンドヘルド・リモートコントロール装置が、ここに記載される触覚フィードバック・コンポーネント、または携帯電話、携帯情報端末などとともに使用されることとしてよい。アクチュエータ18からの力は、装置12の筐体、および/または、ジョイスティック、ステアリング・ホイール、ノブ、ボタンなどの可動操作体に加えられることとしてよい。
【0029】
〔触覚フィードバック装置内の電気活性ポリマー〕
電気活性ポリマー(EAP)は、広い範囲の物理的、電気的、電気工学的な振る舞い、特性を示すように作られ処理されたポリマーの種類である。
【0030】
電圧を加えるなどして活性化されるとEAP材料は、一般に電気歪みといわれるかなりの物理的な移動または変形を遂げることができる。これらの変形は、材料の長さ、幅、厚さ、半径方向などに沿わせることができ、時には、10%を超えて歪ませることができる。この弾力的な歪みの大きさは、一般の材料には非常に特異であり、さらに特異なことに、これらは適切な電気システムによって完全に制御しうることである。この種の材料は、小さく、制御が容易であり、低電力で、高速で、潜在的に高価でない装置において有益な機能を果たすために使用されうる。これらは、しばしばその特性のために「電気的筋肉」と呼ばれる。これらの変形特性は、本発明において触覚フィードバック装置においてユーザに力を加えるために使用されている。
【0031】
その多くの材料が、特に時間変化信号(すなわち交流信号)用の、高品質センサとしても動作することができる。機械的に変形されると(例えば、曲げる、引っ張るなど)、ほとんどのEAP材料は、電気的に測定可能な電位差を生ずる。基本的に電位を生ずるこの能力により、本発明の触覚フィードバック装置においてこれらの材料が力、位置、速度、加速度、圧力などのセンサとして使用することが可能となる。これらの材料のほとんどは、双方向の性質を示し、センサとしてもアクチュエータとしても機能し、システムデザインによってセンサとアクチュエータの双方の機能を同時に果たす。
【0032】
現在、主にEAPには各々様々な利点、欠点および問題点を持つ4つの種類がある。4つの種類とは、ゲル、イオンポリマー(イオンポリマー金属混合体(ionic polymer metal composite)またはIPMC)、導電性ポリマー、および電歪ポリマー(electrorestrictive polymer)である。これらの種類のEAPのうちのいずれもが本発明において使用可能であるが、いくつかの種類が他の種類よりも特定の適用例においてより適切となりうる。EAP構造の種類は、“Electroactive Polymer Actuators and Devices”、SPIE Vol.3669、1999のSPIE Conf.の“High-field electrostriction of elastomeric polymer dielectrics for actuator ”(Kombluhら)、“Electro-mechanics of iono-elastic beams as electrically-controllable artificial muscles”(M.Shahinpoor)、の“Polymer Electrolyte Actuator with Gold Electrodes”(K.Oguro)、および“Microgripper design using ”(R.Lumia)に記載されている。
【0033】
EAP材料の大多数における作動機構は、ポリマーネットワーク内外のイオン種の動きに基づいている。現在商業的に最も実用可能なのは、電歪ポリマー(electrostrictive polymer)である。
【0034】
現在、電歪ポリマーは誘電性および相転移ポリマーの2つの種類に分類しうる。誘電性ポリマーは一般に、誘電性ポリマーを間に挟んだ2つの導電性(および可撓性(compliant))の電極からなるサンドイッチ構造をしている。高い電界下(例えば何百から何千V)では、電極の吸引力が介在する誘電体を圧迫し、これによりかなりの動き(変形)が生じる。場合によっては、この変形は50%よりも大きくなりうる。
【0035】
相転移電歪材料も、電界の存在下では高い歪み(変形)を示す。しかしそのメカニズムは、分子鎖(molecular chain)レベルにおける強誘電性から常誘電性(paraelectric)への変形である。これら材料の1つの例が、Q.M.Zhangらにより開発された電子が放射された重合ビニリデンフッ化物トリフルオロエチレン(electron-irradiated polyvinelidene fluoride-trifluoroethylene)(P(VDF-TrFE)コポリマーであり、“Electroactive Polymer Actuators and Devices”、SPIE Vol.3669、1999のSPIE Conf.の“Electromechanical Behavior of Electroactive P(VDF-TrFE) Copolymers”に記載されている。P(VDF-TrFE)は、処理されると非常に大きい変形(ときには、10%より大きい)、エネルギー密度(J/cm3)、高い物理的剛性(弾性率)を示す。このクラスの材料が従来の圧電セラミクス(piezoceramics)(PZT)や磁気歪材料(magnetorestrictive material)を超えるエネルギー密度を示すことが唱えられている。したがって本発明に記載されるように、P(VDF-TrFE)は、センシング能力を内包した、ほぼ理想的な触覚装置のためのアクチュエータ材料となりうる。
【0036】
EAP材料はしばしば、現存のポリマーから派生し、それ故これら現存する製品と共通の製法の段階を共有する。このため、EAP材料は大量生産により安価に製造できる可能性があり、再現可能な品質基準を与えられる。触覚装置アプリケーション用として、EAP材料(特にP(VDF-TrFE))は、従来の検知方法や駆動方法を超える多くの潜在的な利点がある。例えばEAP材料は高いエネルギー密度、速い応答時間、カスタマイズ可能性(形状および性能特性)、コンパクトさ、制御容易性、低い消費電力、大きい出力および曲がり、移動量、自然な剛性、検知および駆動機能の双方、比較的低い原材料コスト、比較的高価でない製造コストである。
【0037】
〔構成〕
EAPアクチュエータおよびセンサは、種々の異なる方法で構成しうる。そのうちのいくつかの構成を以下に記載する。
【0038】
曲げ(ベンディング):双方向に単一軸の移動または力を生成するサンドイッチの/層状の“バイモルフ”構造が提供されうる。例えば図2Aは、あるEAP構造200の側面図である。ストラクチャ200の平面上の曲げは、図2Aに示すように達成されうる。これはIPMC構造または、例えば金やカーボン電極によるサンドイッチ構造で囲まれたポリマーによって達成されうる。代わりに図2Bの平面図で示すように、例えば陽イオンによる水のゆっくりした動き(dragging)を利用して、ストラクチャ202の平面内の曲げが達成されうる。曲げビーム(beam)は、例えば2電極感に位置するIEM−Pt合成センサのような、センサとしても使用されうる。
【0039】
直線的な動き:図2Cは、曲げおよび長手方向(縦方向)の移動および力を可能とする多層の曲げビーム204の側面図である。ビーム204は、上部電極206a、下部電極206b、中間電極206cを含みこととし、これらは標準的な導電性材料で作られうる。2つのエラストマ層(elastomer layer)208は、これら電極の間に位置している。矢印209により示されるビーム204直線的な動きは、上部電極および下部電極の両方を作動することにより生成される。間部運動は、上部電極または下部電極のいずれかを作動することにより生成される(中間電極を接地しておく)。他の実施例でも、サンドイッチ構造を使用することにより、曲げ運動のない直線的な軸方向の変形だけを与えることができる。
【0040】
多自由度:図2Dは、4つの電極に加わる複合された信号を使用して2つの自由度(4方向)に変形しうるシリンダ210の斜視図である。この例では4つの電極211が示され、エラストマ・シリンダ層207上に位置している。他の2次元的電極構造を持つ実施例でも、2つの自由度(4方向)または付加的な自由度での変形を与えられうる。例えば、三角形や他の多角形断面を持つ構造も可能である。
【0041】
面積拡大:図2Eは、可撓性のある電極213に圧迫されているソフトな誘電体212を含む構造を示す。誘電体212は、例えば矢印214に示す1以上の直線方向に沿って面積を拡大する。他の実施例(円形の誘電体)では、例えば、硬いフレーム上に引き延ばされ、2電極間に挟まれたポリマーのフィルムのような、誘電体は放射状に拡大しうる。他の形状の誘電体も使用してよい。また、矢印215に示すように誘電体の厚みは同時に圧縮される。
【0042】
軸方向の動き:図2Fは、弧がシリンダ216内に巻かれた2つのポリマー層のサンドイッチ構造を図示している。その電気的および機械的接続が、領域218において作られており、動作する拡大領域220はその間に位置しており、電極との重複部分を含む。その結果生じる軸方向の動きを矢印219により示す。他の実施例では、サンドイッチ構造がコイルによって巻かれることにより、回転運動(トルク)を生み出すことができる。
【0043】
ダイヤフラム:薄いダイヤフラムは、平面内のまたは平面外の変形を生成してアパチャを閉じるなどのために、平面的な拡大を利用することができる。
【0044】
〔触覚装置の実施例〕
触覚装置におけるEAPアクチュエータおよびセンサのために検討される主要な用途の種類は、振動アクチュエータ、直線的アクチュエータ、回転アクチュエータ、ブレーキ、およびその他の用途である。これらの種類の多くは、与えられる本発明の触覚装置の実施例において以下に記載されている。
【0045】
以下の実施例において記載されるEAPアクチュエータは、ファームウエアおよび/またはホストコンピュータからの命令若しくは信号に基づくローカルのマイクロプロセッサにより制御され、またはホストコンピュータが直接アクチュエータを制御しうることに留意されたい。
【0046】
図3は、本発明で使用しうるインタフェース12の1つの例を示す図である。マウス装置250は、ユーザにより平面的な2つの自由度(x軸およびy軸)内で移動させられる筐体252を持ち、ホストコンピュータに制御信号、例えば表示されたグラフィカル環境(graphical environment)内のカーソル位置の制御などを与える装置である。当業者に既知の通り、マウス装置250は、そのxおよびy位置を検知するための、ボールおよびローラセンサ部品、光学センサ、または他の形式のセンサのような1以上のセンサを含んでいる。スクロール・ホイール254は、ユーザにホイールを回転することによる付加的な入力を与えることを可能とするために与えられる。マウスボタン256は、ユーザにより押下されるとホストコンピュータに入力信号を与える。
【0047】
マウス実施例250に関連して、触覚フィードバックの3つの一般的な形式が記載されるが、他の形式も可能であり、他の触覚フィードバック装置(ジョイスティック、トラックボール、ステアリング・ホイール、ラップトップ・センサー・パッド(laptop sensor pad))と共に実施されることとしてもよい。3つの一般的な形式とは、ボタン触覚フィードバック、慣性触覚フィードバック、および筐体移動触覚フィードバックである。
【0048】
図3Aから3Cは、ボタン上の触覚フィードバックの出力を一般的に示す図である。ボタン触覚フィードバックは、種々の方法で与えることができる。図3Aでは、EAPアクチュエータは、矢印に示したような、例えばボタンをクリックまたは動かす方向の、ボタンの自由度においてボタン256を動かして触覚フィードバックを与えるために使用される。ここにボタンは、移動により破線で示した他の位置に移動しうることとする。EAP構造体(図示せず)は、例えば、ボタンに直接、または中間部材(スプリング、たわみ材など)経由で結合されうることとする。例えば、直線的に伸長するEAPアクチュエータは、その自由度においてボタンを押し引きすることが可能である。
【0049】
図3Bの平面図において、EAPアクチュエータは、ボタンの横の移動(すなわちボタンの動きと実質的に垂直な移動であり、マウス実施例の場合ではマウス自身の自由度での動きと実質的に平行の移動)の方向に触覚フィードバックをボタン256aに与える。EAPアクチュエータは、ボタンに直接、または中間部材経由で結合されうる。例えば、直線的に移動するEAPアクチュエータは、ボタン256aの側面からボタンを押し引きすることが可能である。これにより、ボタンは、X軸、Y軸、または2つのEAPアクチュエータを使用して両軸に沿って移動させられることが可能となる。触覚ボタンはボタン256の用にも実施可能である。ここで通常のボタンはクリックまたは押下されることにより、入力信号を提供しつつ、ボタン上にパッチ258も含むこととしうる。パッチは、別個のフィルムまたは部材からなり、EAPアクチュエータにより、ボタン256bの取り囲んでいる部分と独立して移動させられることとしうる。例えば、示すようにパッチ258はボタン256bの中心付近に位置することとしてよく、代わりに、パッチはボタン256bの1つの側面または縁に位置することとしてもよい。
【0050】
図3Cは他のボタン実施例の上面図である。ここでは、触覚EAP素子262による触感アレイ260が、ボタン上またはその付近におかれている。アレイの各EAP素子262は、z軸上で個別に上下に移動させられることが可能であり、ボタン上で指を休めている間に、アレイ上またはアレイの一部分の上に接触しているユーザに対し、種々の感覚を伝えることを可能とする。他の実施例では、1次元アレイ(素子の単一ライン)が、図示される2次元アレイの代わりに与えられうる)。EAP触感アレイは、さらに詳しく後述する。
【0051】
他の触感フィードバックの一般的な形式は、慣性フィードバックである。これは慣性的な接地に関して質量を移動させることで、振動やパルスをユーザに伝えるものである。慣性触覚フィードバックは、本発明のEAPアクチュエータを使用することによって提供可能である。図4Aは、EAPアクチュエータを使用した直線シェーカ(shaker)270を示し、ここに質量Mは、EAP構造体272により直線的に移動させられる。この移動は矢印274により示すように軸方向である。振動制御波形274が、シェーカに入力されると、EAPアクチュエータは後方および前方に振動を始める。これが、EAPアクチュエータが取り付けられている装置の筐体上に慣性力を生じる。このようなフィードバックは、マウス、ゲームパッド、ジョイスティックのハンドルもしくは台、様々な装置のトリガボタン、スタイラス、タブレット、グローブ、ノブ、リモートコントローラまたは他の装置上のハンドヘルド装置または構造に提供可能である。
【0052】
図4Bは、回転慣性EAPアクチュエータ280を示す。アクチュエータ280は、コイルのように形成されるEAP素子282を含み、これは、質量284を回転的な自由度で移動させて、アクチュエータに接続される筐体または構造体に回転的な慣性力を与える。エレメントの内側端288が接地されて、素子の振動する他の終端に対する基準を与えることとしてよい。例えば質量284は、近似的に回転Aの軸周りに振動させられることができる。位置の極端な例が点線により示される。正負のコネクション286は、ここで示されるこのようなコネクションを有する全ての実施例と同様に、EAPアクチュエータに加えられアクチュエータの移動を生ずる信号または波形を示す。
【0053】
図4Cは、3つの質量M1、M2、M3を含む多軸シェーカ・モジュール290を示す図である。3つの各質量は、結合されたEAPアクチュエータ構造体292に結合され、アクチュエータは図4Aと同様の構造である。好適には、各EAP構造体は、異なる軸(x、yおよびz)に沿って方向付けられ、関連する軸に沿って質量を直線的に移動することが可能である。3つの質量全てが同時に移動すると、3つの自由度において慣性力が与えられ、より複雑で現実的な慣性触覚フィードバックを触覚装置のユーザに出力することが可能となる。他の実施例では、質量およびアクチュエータには2つの自由度のみが与えられ、または異なる角度に方向付けられている。
【0054】
筐体移動触覚フィードバックは、触覚フィードバックのもう一つの他の種類であり、本発明に従って1以上のアクチュエータを使用して出力される。図5Aは、マウス300の筐体302全体(または、底面を除く筐体の上部分全体)の、矢印304および破線306に示す上下運動を示す。図示されるように、EAPアクチュエータ308は可動筐体に直接接続され、直線的に移動させられる。または、EAP素子は、ヒンジ、たわみ材もしくは他の構造体を介して筐体に接続されることとしてよい。他の実施例では、EAPアクチュエータは上下運動を起こすために曲げられることとしうる。
【0055】
図5Bは、マウスの側面筐体324内またはその上に与えられた、1以上の可動側面322を含むマウス320を示す図である。ここにEAPアクチュエータは各可動部分に接続される、これを移動することが可能である。例えば、ラバーもしくはフレキシブルプラスチックのような可撓性材料またはヒンジが、可動部分322と筐体324の残りの部分とを連結して移動を可能としてよい。曲がる、直線的に移動するまたは面積が拡大するEAPアクチュエータが部分322を移動させるために使用可能である。
【0056】
図5Cは、分割シェル構成により移動可能な筐体324の全体部分332を含み、専用のEAPアクチュエータが各部分322に接続され、各アクチュエータはその接続される部分を他の部分322と独立して駆動可能な、マウス330を示す図である。可動部分322と接触するユーザの手のひらは、その部分が、例えば振動等により動くときに、触感的な感覚を感じるだろう。代替的には両部分322が同時に駆動され、または両部分にリンケージを持つ単一のEAPアクチュータにより駆動されることとしてよい。
【0057】
図5Dは、矢印346に示すように残りの筐体部分344に対して移動可能な、筐体の上部部分342を含むマウス340を示す図であり、上部部分342はEAPアクチュエータにより駆動して、可動部分に接するユーザの手のひらに触覚的な接触力を感じさせる。ヒンジまたは他のたわみ材が移動部分342とベース部分344とを連結することとしてよい。様々な大きさの部分342が他の実施例において提供されうる。
【0058】
ボール触覚フィードバックは、トラックボール装置、マウス装置のセンサ機構または他の摩擦移動装置に使用されるボールのような、ボール上に作用する触覚力を与え、インタフェース装置の動きの自由度において触覚フィードバックを出力する。例えば、図6に示すように、ボール作動部品350は球体(sphere)またはボール252、Xローラ354、Yローラ356、Xセンサ358、Yセンサ360、X EAPブレーキ362、Y EAPブレーキ364、およびブレーキを支持する支持部材366を含む。ボール352は円柱状ローラ354および356に接して回転する(ボールは、例えばボールに対してバネなどで付勢された第3のローラを使用して、ローラに対して付勢されている)。既知のようにローラに取り付けられたエンコーダ・ホイール、ホイールのスリットまたはマークを検出するエミッタおよび検出器を設けることにより、エンコーダセンサ358および360は、ローラおよびボールのxおよびy軸の位置を検知する。EAPブレーキは362および364は、それぞれ、ローラ354または356に対向する端部上にブレーキシュー368を含む。EAPブレーキは、EAP素子内およびブレーキシュー368上に直線的な動きを生じさせる制御電気信号を与えられ、ブレーキシューを回転部材354および/または356と摩擦的に接触させる。この摩擦的な接触は、ボール352の動きに対して抵抗力を生じさせ、ユーザはこれを移動抵抗および触覚フィードバックと感じる。EAPブレーキ362および364は違った距離だけ移動されて、ローラ上に違った摩擦量を生じて、ボール上に異なる摩擦量を生じることとしてよい。これらの実施例においては、この抵抗はマウスの自由度でのマウスに対する抵抗をも生じる。
【0059】
インタフェース装置12のいくつかの実施例には、図3に示すマウスホイール254のような、ホイールを含みうる。ホイールはユーザの指により回転可能で、ホイールの位置または動きをコンピュータに指示する位置信号を与える。これはホストコンピュータにより表示されたドキュメントをスクロールする、マウスカーソルを動かす、リスト内のアイテムを選択する、または当業者に既知の他の機能を実行するために使用される。EAPアクチュエータを使用して、回転的なホイールの自由度での、および/またはホイール自身上へ出力される触覚フィードバックが可能である。例えば図7Aは、EAP回転慣性シェーカ382を有するホイール380を示す図である。シェーカは湾曲したEAP素子384および素子384の終端に位置する質量386を含む。図4Bに示したシェーカと同様に、入力信号として周期的な波形を使用することにより、質量386を振動させることが可能である。これによりホイール380上に慣性的な感覚を与え、この感覚はユーザの指388に伝わる。
【0060】
図7Bは、放射状に拡大するEAPアクチュエータ402の部材を含むホイール400を示す図である。図7Cに示すように各アクチュエータ402は、図2Eに示す面積拡大アクチュエータと同様としてよく、ホイール400の外面上に設けられて外面を拡大させる。多数のEAPアクチュエータがホイールの円周の周りに設けられ、各アクチュエータの拡大は個別に制御され、ユーザの指に接するこれらアクチュエータの集団的な動きに基づいて、ユーザの指に触感的な感覚を与える。直線的可動素子のようなEAPアクチュエータの他の種類も代替的に使用しうる。
【0061】
図7Dは、ブレーキシュー416に結合されたEAP直線可動構造体414を含む、EAPブレーキ412を含むEAPブレーキ装置410を示す図である。図6のEAPブレーキと同様に、ブレーキシュー416はホイール420の回転軸418摩擦的に接触し、ホイールの回転自由度に抵抗を生み出す。
【0062】
図7Eは、ホイールの回転軸と平行にホイール上に横方向の移動または力を与える、EAPアクチュエータを使用するホイール装置430を示す図である。直線的に可動なEAPアクチュエータ432は、回転軸434(または回転可能に軸に結合される部材)に結合され、矢印436に示すように、ホイール438に対し水平方向の力および移動を与えることとしてよい。またいくつかの実施例では、直線的に可動なEAPアクチュエータ440は、図示するように部材に接続されて、矢印422に示すようにホイール装置430全体に垂直方向の力および移動を与えることとしてよい。これらの実施例はまた、様々な装置で使用される回転する制御ノブに使用可能である。
【0063】
EAPアクチュエータを使用して触覚フィードバックを与えられる他のインタフェース装置12が可能である。例えば、図8は、しばしばラップトップコンピュータや他のコンピュータの標準的なキーボード上のキーの間に位置付けられ、矢印452に示すように通常の変位方向に移動させられることにより、カーソルまたは他の指示機能を制御するために使用される、“トラックポイント”コントローラを示す図である。例えば、トラックポイントは2つの自由度において平行移動または回転移動されうる。トラックポイント450には、EAPアクチュエータ454を設けることが可能である。ここにEAPアクチュエータ454は、直線的に垂直(z軸)の両方向に移動するようにコントロールされて、トラックポイントを操作するユーザの指に、z軸の触感的なフィードバックを与えることが可能である。いくつかの実施例において、EAPアクチュエータ454はまた、もしくは代替的にセンサとして使用され、ユーザがトラックポイントに接触しているときおよび/またはユーザによりトラックポイントに入力されたz軸の圧力量または変位量を検知することが可能である。z軸の圧力量は、速度制御機能(スクロール、スパン、ズーム、ゲーム中の仮想車両の速度など)や3次元表現中のカーソル位置のような、アプリケーションプログラム内の数値またはパラメータを制御するために使用することが可能である。トラックポイント・コントローラは、インタフェース装置の操作体と同様に、インタフェース装置と見なすことができる。
【0064】
図8Bは、図8Aのアクチュエータと同様の直線的に可動なEAPアクチュエータであるが、垂直柱462の中空内部に設けられたEAPアクチュエータを含むトラックポイント・コントローラ460を示す図である。トラックポイントのキャップ461は、ユーザによるより強いグリップを可能とするためにザラつきを設けることが可能で、アパチャ465を設けてある。図8Cに示すように、EAPアクチュエータ464は、制御されて、EAPアクチュエータ464に接続される突き棒(poker)や他の部材を、アパチャを通して、トラックポイント・コントローラの上部に接触するユーザの指の肌へ伸長させることができる。突き棒は、手触りをユーザに与えるために引っ込められたり、伸長させられたりすることが可能である。
【0065】
図8Dは、EAPアクチュエータが、トラックポイント・コントローラの通常のx−yコントロール方向において触覚フィードバックを与えるために使用される、トラックポイント・コントローラの他の実施例を示す図である。4つの直線的に可動なEAPアクチュエータ472が、コントローラの台474の周りに90度間隔で配置されて、中央の垂直柱476上に直線的な力および/または動きを提供する。カーソル、値などをコントロールするために、ユーザによって、垂直柱はx方向およびy方向に直線的に移動可能である。図8Aから8Dに示す実施例が、トラックポイント・コントローラだけでなく、より大きいサイズの標準的なジョイスティックや他の形式のインタフェース装置にも利用可能であることに留意されたい。
【0066】
触感アレイは、ピンの接触面においてピンの方向と垂直な接触面を形成する、多数の垂直ピンである。ピンの接触面はユーザの指または手のひらにより接触される。ピンが集合的に移動されて種々の触感的な感覚をユーザに伝達することができるように、各ピンは個別にその縦方向軸に垂直に移動可能である。図9Aは、矢印496に示すように直線的に移動可能なEAPアクチュエータ494として実施された、単一のピン490を示す図である。触感キャップ492はEAPピン484上に位置して、ユーザにより接触される。図9Bは、触感アレイ500を形成するためにマトリクス上に位置付けられた複数の図9Aのピン490を示す図である。ここに各ピン490は垂直方向のいずれの方向にも移動するよう個別に制御されうる。近接する表面502は、ユーザの指のための基準となる表面を与える。図9Cは、EAPピン490の高密度アレイ504を示す図であり、ここに各EAPは画素サイズの素子を表しうる。このピンのアレイは、グラフィカル環境における特定の造形物(feature)と交差または触れたときに、ユーザに対して触覚的に示すために使用することができる。例えば、アレイは、アレイ上のユーザの指の位置が、グラフィカル環境内のカーソルまたはエンティティ(entity)の位置を定めるトラックパッドとして提供されうる。ピンのアレイはマトリクス走査されて(または個別にアドレスされて)、アレイ上のどこにユーザの指の電流が存在するかを検知する。ユーザの指がウィンドウの境界を越えたとき、その境界位置に対応するEAPピンが上方に移動されて、3次元の境界上を交差する感覚をユーザの指に与える。アイコン、フォルダ等のような他の表示造形物もまた同様に触覚的に示される。高密度アレイ504はまた、コンピュータ環境内で実行された命令、イベントに基づく他の触感的な感覚を提供するためにも使用されうる。
【0067】
図9Dは、上記のEAPピンを使用した他の実施例510を示す図である。触感素子/アレイの横方向の移動も提供可能であり、ここに触感的な感覚は、ピンがその縦方向軸に垂直に(横方向に)移動することにより与えられる。各ピンは横方向に移動されて、図9Aから9Cの実施例のようにユーザの肌をくぼませる代わりに、ユーザの肌または引っ張るような、または摺るような感覚を与える。横方向の移動を可能とするためには、ピンの感覚をより多く設ける必要がある。EAPアクチュエータを使用して、このような横方向移動を与えるための1つの方法は、図9Dに示すように2つの直線可動EAPアクチュエータ512を接地した素子上に置き、可撓性膜514(または他の部材)をアクチュエータ512上に置き、横方向可動素子516を可撓性膜514上に置くものである。1つのまたは両方のEAPアクチュエータ512が垂直に移動させられると(両方を移動させる場合は、双方を逆方向に移動させると)、可撓性膜にたわみが生じて、横方向可動素子516は、矢印518に示すように、左または右に揺れ動く。代替的に、図9Eに示すように、EAP構造体520は、図2Bに前述したとおり制御信号を使用して横方向に直接動くこととしてよい。および/または、サンドイッチ層を有する素子が所望の横方向の移動を提供するために使用可能である。アクチュエータ520は、1つの自由度において横方向に移動可能であるが、いくつかの実施例では2方向において移動可能としうる。
【0068】
EAPアクチュエータは、特定のアプリケーション内の特定の力を与えるために利用可能である。例えば図10は、医療機器で使用されるEAPブレーキ530の側面図である。ここにカルーテル線532(または腹腔鏡延長線、ニードルまたは医療その他の機器の他の部分)は、医療手続をシミュレートする医療機器上で力を提供する、触覚フィードバック医療シミュレーションで使用する。EAPブレーキは、カルーテル線532に対して横方向に移動可能であり、線の直線的自由度において摩擦を生じるブレーキシュー536に、接続されるEAPエレメント534を含む。摩擦量はEAPブレーキを異なる距離に移動することにより調節可能である。他のEAPブレーキは、線532の回転自由度において抵抗を与えるために使用可能である。
【0069】
トリガ装置もEAPアクチュエータの使用例となりうる。図11は、ユーザによって押されるトリガ542を含み、ゲーム、シミュレーションまたは他のプログラムや装置に信号を与える装置540の側面図である。トリガ542は、ゲームパッド、ジョイスティック、マウスのようなインタフェース装置に含まれることが可能である。例えば、トリガ542は、インタフェース装置の筐体に接続されうる回転軸Bの周りを回転可能とすることができる。EAPアクチュエータ544は、トリガと接地されたスイッチ546との間に位置されることができる。スイッチ546は、部分548が押されたとき、起動を示す信号を送信する。バネ550は、接続板552をスイッチ546から離れるように通常に付勢している。接続板522がEAPアクチュエータ544により移動されたとき、バネは圧縮されて接続板はスイッチ546の部分548を打撃して作動させる。その一方でバネ550は、トリガを元の位置または静止位置に付勢し、トリガの移動に対してバネ抵抗力を与える。EAPアクチュエータは、トリガの移動と反対する移動、または連動する移動に使用されて、トリガを押すユーザに触覚的な感覚を与えることができる(このEAPによる力は、バネ550からのバネ力を補完または克服することができる)。したがって、アクチュエータは、トリガがスイッチされて状態を変えることをより容易にまたはより難しくすることが可能である。例えば、他の抵抗力、減衰力、パルスまたは振動も、ここに記載されている直線的なEAPアクチュエータの実施例により出力可能である。
【0070】
図12Aは、広い範囲の装置において機能を制御するために使用されうる回転ノブ560を示す図である。うず状の、またはコイル状のEAPアクチュエータ562はノブの内部に位置されて、アクチュエータ562が作動したときに、ノブにトルクを出力することが可能である。これにより、回転範囲が制限されているノブの回転自由度において、矢印564に占めされるように、抵抗力または力が提供されることが可能である。
【0071】
図12Bは、EAPアクチュエータを含むノブ装置570を示す図である。ノブ572は、摩擦面を含みうる円柱状ブレーキ部材576に接続される回転シャフト574に接続される。EAPアクチュエータ578は、アクチュエータ578により移動されて、ブレーキ部材576と接触するブレーキシュー580を含む。この接触がシャフト574およびノブ572に摩擦力を与える。この実施例は、制限のない(連続する)回転範囲を持つノブに適用可能である。上記のブレーキ実施例に記載した直線的なEAP素子が使用可能である。
【0072】
図13は、回転ディスクのためのブレーキ実施例590の側面図である。ディスク592は軸Cの周りを回転する。キャリパ594は、ディスクの一端に位置し、EAPアクチュエータ596は、キャリパの一端に接続されている。EAPアクチュエータは直線的に移動されて、ブレーキシュー598を回転するディスクの断面に移動して、ディスクに摩擦抵抗を生じる。ブレーキシュー600は、キャリパの、ブレーキシュー598と反対の他端に位置する。ディスクは、例えばジョイスティック・ハンドル、マウスまたは車両の回転軸などの様々な物体に接続されうる。
【0073】
ステイラス形状のインタフェース装置に対しても、スタイラスのユーザに触覚フィードバックを生じるためにEAPアクチュエータを与えることが可能である。スタイラスは、例えば携帯情報端末(PDA)、タッチスクリーン、グラフィクス・タブレット、ラップトップ・コンピュータなどにおいて、タブレットまたはディスプレイ画面にスタイラスを接触させることにより、画面上の物体を指す、もしくは選択するため、または線を描くもしくは書くために使用される。例えば図14Aは、可動チップ612を有するスタイラス610を示す図であり、ここにチップはEAPアクチュエータ614により移動され、EAPアクチュエータはチップに接続されて、スタイラス筐体の内部に位置している。EAPアクチュエータは直線的に移動して、スタイラス筐体のアパチャを通してチップ部材616を直線的に移動する。EAPアクチュエータは、チップに振動、パルスその他の力の感覚を生ずるように制御されて、これらをスタイラスを把持するユーザに生ずることができる。
【0074】
図14Bは、スタイラスの後端部分624に対して、前端部分622が直線的に動く他の実施例620を示す図である。ラバー・ベローズ626は、可動前端部分と後端部分との間に位置されることができる。そしてEAPアクチュエータ(図示せず)は、スタイラス筐体内部に位置される。EAPアクチュエータは、前端部分622に接続される直線的に移動する素子とし、図14Aに示す可動チップ部材と同様に前端部分622を移動することが可能である。図14Aに関する記載と同様に、触覚的な感覚がユーザに出力されうる。
【0075】
EAPアクチュエータを使用して作動される他の形状のスタイラスも可能である。図14Cは、ホストコンピュータまたは他のコントローラにより制御されて、直線的に移動するEAPアクチュエータ644に接続されることにより、直線的に前後移動することが可能なボタン642を有するスタイラス640を示す図である。ボタンは、例えば制御されるカーソルと他の表示される物体との間の相互作用に対応して作動される。
【0076】
図14Dは、EAPアクチュエータを使用して実現される拡大するグリップ652を含むスタイラス650を示す図である。円柱状のグリップは周囲を拡大し、これは円柱状グリップを把持するユーザに触覚的に識別可能とする。グリップは拡大および縮小されて、例えば、パルス、振動、3次元の表面のシミュレーション等の様々な触覚的な感覚を与える。グリップは、複数のEAPアクチュエータ654(図示では4個)を使用することにより実現しうる。EAPアクチュエータ654はディスク形状であり、図14Eで示す単一のEAPアクチュエータ654の様に作動信号が加えられると周囲が拡大する。これらのアクチュエータは、図2Eに関して上記したEAP構造体と同様としうる。
【0077】
他の装置もEAPアクチュエータと共に使用しうる。例えば図15Aに示すように、ハンドル内部またはハンドル上にEAP慣性シェーカ662を接続して、表示されたイベントまたは相互作用に調和する慣性力をステアリング・ホイールに接触するユーザに提供する、ステアリング・ホイール・コントローラ装置のステアリング・ホイール660が提供されうる。慣性シェーカは、図4Aに関して上記したシェーカと同様としうる。また、図12Bのノブと同様に、ステアリング・ホイールの自由度に摩擦力を生ずるブレーキも提供可能である。図15Bは、ジョイステック・コントローラのジョイスティック・ハンドル666を示す図である。ここにハンドルは、ジョイスティック・ハンドル内部に与えられた慣性EAPアクチュエータ668が用意されており、ジョイスティック・ハンドルに慣性力を出力する。
【0078】
図15Cは、受動的な力フィードバックをジョイスティックに与える、ジョイスティック実施例680の斜視図である。ジョイスティック・ハンドル682は、2つの回転部材684aおよび684bのアパチャ内に位置している。ハンドル682がある方向に回転されると、対応する部材684が同様に回転する。摩擦ブレーキディスク686aおよび686bは、関連する回転部材684aおよび684bに接続されている。EAPブレーキ688aおよび688bはディスク686上に摩擦力を与え、これがジョイスティック・ハンドル(および、図示しない、ジョイスティック・ハンドルの回転運動を検知するセンサ)の2つの自由度に抵抗を生ずる。例えば、EAPブレーキは、ここに記載した他のブレーキ実施例と同様の直線的可動素子を含みうる。図15Dは、EAPブレーキ688として使用しうるEAPブレーキ・キャリパの例を示す図である。ここに直線的可動EAPアクチュエータ690は、キャリパ支持体691に接続され、キャリパ支持体691は、ディスク686と接触して摩擦を生じるブレーキシュー692と接触する。
【0079】
EAPブレーキは、ここに開示するように、他のコントローラにも使用可能である。例えば、図16は円柱状ポインタ・コントローラ700の斜視図である。ここにコントローラ700に含まれるシリンダ702は、矢印704に示すようにその長手方向の軸の周りを回転可能で、1つの自由度(例として、ひとつの軸に沿ったカーソル移動など)における入力を与え、矢印706に示すようにその回転軸を台708上で平行移動して、他の自由度(例として、他の軸に沿ったカーソル移動など)を与えうる。センサ(図示せず)は回転および平行移動を検知する。このようなコントローラは、米国特許第4,896,554号に詳説されている。ある実施例において、EAPブレーキ710はブレーキシューを軸712に対して移動可能であり、軸712はシリンダに接続されて、回転自由度内の摩擦ブレーキ力を与える。EAPブレーキおよびシリンダは台708上を直線的に平行移動可能であり、他のEAPブレーキ714は、平行移動の自由度において台に摩擦ブレーキ力を与えることができる。
【0080】
図17Aは、EAPアクチュエータを利用した皮膚触覚器を与える実施例720の図である。皮膚触覚器は、上記のピングリッド・アレイと同様のものであり、ここに1以上の可動素子はユーザの皮膚に接触して触感的な感覚を与える。1以上の皮膚触覚器は、触覚グローブ内に与えられてユーザの指や手のひらに組み合わせられたり、ベストなどにアレイ状に与えられてユーザの胸部または他の身体上の部位に組み合わせされたり、またはユーザの皮膚と接触しうる他の範囲に与えられる。図17Aは、触覚器素子724に接続された直線可動EAPアクチュエータ722を示す図であり、ここに触覚器素子は、支持体726の開口部を通してユーザの皮膚に直線的に移動させられる。触覚素子は、好適には上記のピングリッド・アレイと同様の波形により移動および/または振動させられる。
【0081】
図17Bは、触覚素子を有する他の実施例730を示す図である。直線的可動EAPアクチュエータ732は支持体734に接続されている。触覚素子736は、アクチュエータ732の一端に接続された部材738に接続されている。アクチュエータ732が直線的に移動させられると、触覚素子は矢印740に示すように直線的に移動させられる。この移動は、素子がユーザの皮膚内に移動する代わりに、ユーザの皮膚を引っぱるものである。触覚素子を囲む接地表面は、触覚素子それ自信と同様に、うね(ridge)742または隆起を含み、ユーザの皮膚と組み合わさる。接地表面上の静止うねは、所定の場所でユーザの皮膚の組み合わさった部分を保持する一方、触覚素子736上の可動うねはユーザの皮膚の組み合わさった部分の中間の領域を引っぱって、高効率性の触感的な感覚を生ずる。
【0082】
本発明において、様々な好適実施例が記載されているが、当業者が本明細書および図面を参照することにより、本発明の変更、置換、均等物が自明となることは、予期されるであろう。例えば多くの異なる種類の触覚的感覚が本発明のアクチュエータにより与えられうる。さらに特定の技術は、記載の明解のために使用されたものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0083】
12 インタフェース装置
14 ホストコンピュータ・システム
18 アクチュエータ
26 ディスプレイ装置
100 ホスト・マイクロプロセッサ
110 ローカル・マイクロプロセッサ
112 センサ
114 センサインタフェース
116 アクチュエータ・インタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザとコンピュータとの間の相互作用を可能にするように構成されるマニピュランダム装置において、
筐体と、
前記筐体の少なくとも一部分の動きを検出して前記動きに関連するセンサ信号を出力するように構成されるセンサと、
前記筐体に結合される電気活性ポリマー・アクチュエータであって、前記電気活性ポリマー・アクチュエータに電圧が印加されたときに、出力された前記センサ信号に関連する触覚フィードバック力を出力するように構成される電気活性ポリマー・アクチュエータとを備え、
前記電圧が印加されることによって、前記電気活性ポリマー・アクチュエータが弾性的に歪むようになっており、
前記マニピュランダム装置は、さらにボタンを備え、前記触覚フィードバック力は前記ボタンを介して出力され、
前記ボタンは、前記ボタンの動き自由度内における前記触覚フィードバック力に応動するように構成されることを特徴とするマニピュランダム装置。
【請求項2】
前記触覚フィードバック力は、ホストコンピュータにより実行されるイベントに関連付けられる請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電気活性ポリマー・アクチュエータにより出力される前記触覚フィードバック力は、質量を動かすことにより生ずる慣性力である請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記電気活性ポリマー・アクチュエータによって出力される前記触覚フィードバック力は、回転力である請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電気活性ポリマー・アクチュエータによって出力される前記触覚フィードバック力は、直線的な力である請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電気活性ポリマー・アクチュエータは、部材の一部を前記筐体の内部から前記筐体の外部へと移動するように構成される請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記電気活性ポリマー・アクチュエータは、触感アレイに配列された複数の電気活性ポリマー・アクチュエータの1つである請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記電気活性ポリマー・アクチュエータは、前記筐体を部分的に移動するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記電気活性ポリマー・アクチュエータは、可動部分の摩擦抵抗力を加減するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記電気活性ポリマー・アクチュエータは、前記筐体に結合する回転ホイールに前記触覚フィードバック力を出力するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記筐体は、スタイラスとして構成される請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記筐体は、トラックポイント・ジョイスティック・コントローラとして構成される請求項1に記載の装置。
【請求項13】
ユーザとコンピュータとの間の相互作用を可能にするように構成されるマニピュランダム装置であって、
筐体と、
前記筐体に結合され、出力されたセンサ信号に関連する触覚フィードバック力を出力するように構成される電気活性ポリマー(EAP)エレメントとを備え、
前記EAPエレメントは関連する入力信号の制御により変形し、この変形によって前記触覚フィードバック力を生ずるようになっており、
前記マニピュランダム装置は、さらにボタンを備え、前記触覚フィードバック力は前記ボタンを介して出力され、
前記ボタンは、前記ボタンの動き自由度内における前記触覚フィードバック力に応動するように構成されることを特徴とするマニピュランダム装置。
【請求項14】
前記EAPエレメントは、前記筐体の接触を検出するように構成される請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記EAPエレメントは、該EAPエレメントへ印加される圧力の大きさを検出するように構成される請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記EAPエレメントによって出力される前記触覚フィードバック力は、直線的な力である請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記筐体は、ジョイスティックまたはトラックポイント・コントローラとして構成される請求項13に記載の装置。
【請求項18】
マニピュランダム装置を用いてコンピュータと相互作用するユーザに触覚フィードバックを与える方法であって、
電気活性ポリマー・アクチュエータを使用してマニピュランダムの筐体の動きを検出し、検出された前記動きに関連するセンサ信号を出力し、
前記電気活性ポリマー・アクチュエータの変形により生じる、前記電気活性ポリマー・アクチュエータへの入力信号に基づいた前記触覚フィードバック力を出力することを含み、
前記触覚フィードバック力はボタンを介して出力され、前記ボタンは、前記ボタンの動き自由度内における前記触覚フィードバック力に応動することを特徴とする方法。
【請求項19】
前記電気活性ポリマー・アクチュエータは、回転力を出力するように構成される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記電気活性ポリマー・アクチュエータは、直線的な力を出力するように構成される請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記電気活性ポリマー・アクチュエータは、可動部分の摩擦抵抗力を加減するように構成される請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記電気活性ポリマー・アクチュエータは、前記筐体を部分的に移動するように構成される請求項18に記載の方法。
【請求項23】
ユーザに触れられるように構成された接触面を有する筐体と、
前記接触面に結合され、前記接触面の少なくとも一部にユーザが触れる場所または動きのうち少なくとも一方を検出し、該場所または動きに関連するセンサ信号を出力するように構成されるセンサと、
前記筐体に結合され、出力された前記センサ信号に関連するコントロール信号をプロセッサから受信すると、触覚フィードバック力を出力するように構成される電気活性ポリマー・アクチュエータとを備える装置であって、
前記コントロール信号は、前記触覚フィードバック力が出力されるようにするために、前記電気活性ポリマー・アクチュエータを弾性的に歪ませるように構成され、
前記装置は、さらにボタンを備え、前記触覚フィードバック力は前記ボタンを介して出力され、
前記ボタンは、前記ボタンの動き自由度内における前記触覚フィードバック力に応動するように構成されることを特徴とする装置。
【請求項24】
前記接触面は、ある平面に平行するように方向付けられ、
前記電気活性ポリマー・アクチュエータは、前記平面に対して実質的に垂直方向に前記触覚フィードバック力を出力する、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記コントロール信号が受信されると、前記の電気活性ポリマーは、前記平面に対して実質的に垂直方向に物理的に移動する請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記の電気活性ポリマーは、複数の電気活性ポリマー・アクチュエータ・ピンをさらに備え、
各々の前記電気活性ポリマー・アクチュエータ・ピンは、前記コントロール信号が受信されると、前記平面に対して実質的に垂直方向に物理的に移動する請求項23に記載の装置。
【請求項27】
2つの隣接する電気活性ポリマー・アクチュエータとそれらの端部に結合される可撓性膜とを複数備え、前記の2つのアクチュエータの少なくとも一方の動きが前記可撓性膜に力を与える、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記プロセッサは、グラフィカルユーザインタフェースを表示するプログラムを実行するコンピュータ・システムのプロセッサであり、
前記グラフィカルユーザインタフェースの少なくとも一部分は、前記グラフィカルユーザインタフェース上に指定された触覚提示箇所において、前記場所または動きを示す前記センサ信号に応じた前記コントロール信号を前記プロセッサに出力させるように構成される請求項23に記載の装置。
【請求項29】
前記接触面は、前記ユーザから該接触面を介してグラフィカルユーザインタフェースに入力される入力を受信するように構成されるタッチスクリーンである請求項23に記載の装置。
【請求項30】
1以上の有形媒体に格納されるエンコードされたコンピュータ・プログラムであり、
コンピュータに、
センサに結合される接触面にユーザが触れたときに、電気活性ポリマー・アクチュエータを使用して前記センサにより出力されるセンサ信号であって、ユーザが触れた場所または動きに関連するセンサ信号を受信し、
前記ユーザが触れた場所または動きを示す前記センサ信号に応じたコントロール信号を、指定された触覚フィードバック力提示箇所にある電気活性ポリマー・アクチュエータへ出力し、
前記電気活性ポリマー・アクチュエータが前記コントロール信号をプロセッサから受信したときに、前記接触面へ触覚フィードバック力を出力することを実行させるためのコンピュータ・プログラムであって、
前記触覚フィードバック力はボタンを介して出力され、前記ボタンは、前記ボタンの動き自由度内における前記触覚フィードバック力に応動することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
【請求項31】
前記コントロール信号は、電気活性ポリマー・アクチュエータに、前記接触面がなす平面に対して実質的に垂直方向に前記触覚フィードバック力を出力させる、請求項30に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項32】
前記コントロール信号が受信されると、前記の電気活性ポリマーは、前記平面に対して実質的に垂直方向に物理的に移動する請求項31に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項33】
前記の電気活性ポリマーは、複数の電気活性ポリマー・アクチュエータ・ピンをさらに備え、
各々の前記電気活性ポリマー・アクチュエータ・ピンは、前記コントロール信号が受信されると、前記平面に対して実質的に垂直方向に物理的に移動する請求項30に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項34】
2つの隣接する電気活性ポリマー・アクチュエータとそれらの端部に結合される可撓性膜とを複数備え、前記の2つのアクチュエータの少なくとも一方の動きが前記可撓性膜に力を与える、請求項33に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項35】
前記コンピュータ・プログラムには、グラフィカルユーザインタフェースを表示するソフトウエアプログラムを実行させることが含まれ、
前記グラフィカルユーザインタフェースの少なくとも一部分は、前記グラフィカルユーザインタフェース上に指定された触覚提示箇所において、前記場所または動きを示す前記センサ信号に応じた前記コントロール信号の出力を生じさせる請求項33に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項36】
ユーザとコンピュータとの間の相互作用を可能にするように構成されるマニピュランダム装置において、
筐体と、
前記筐体の少なくとも一部分の動きを検出して前記動きに関連するセンサ信号を出力するように構成されるセンサと、
前記筐体に結合され、かつ、触覚フィードバック力を出力するように構成される電気活性ポリマー・アクチュエータとを備え、
前記触覚フィードバック力は、前記電気活性ポリマー・アクチュエータに電圧が印加されたときに、出力された前記センサ信号に基づいた入力信号によって生じ、
前記電圧が印加されることによって、前記電気活性ポリマー・アクチュエータが弾性的に歪むようになっており、
前記入力信号は、前記触覚フィードバック力の強さ、周波数および持続期間のうちの1つまたは2つ以上を変化させるための少なくとも1つのパラメータを含むことを特徴とするマニピュランダム装置。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図2F】
image rotate

【図3】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図7E】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図8D】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図9D】
image rotate

【図9E】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図14C】
image rotate

【図14D】
image rotate

【図14E】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図15C】
image rotate

【図15D】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17A】
image rotate

【図17B】
image rotate


【公開番号】特開2013−80483(P2013−80483A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−252218(P2012−252218)
【出願日】平成24年11月16日(2012.11.16)
【分割の表示】特願2010−36361(P2010−36361)の分割
【原出願日】平成13年5月24日(2001.5.24)
【出願人】(399047149)イマージョン コーポレイション (57)
【Fターム(参考)】