説明

電気的な皮膚再生

皮膚表面(42)上のしわを減少させるための方法が提供される。当該方法は、しわを有する皮膚表面(42)を持つ人物を特定することを有し、人物の特定に応じて、エネルギー源(46)に連結された電極(60)のアレイ(44)を皮膚表面(42)上の各々の位置に配置することを有する。電極(60)が各々の位置にある間に、第一番目の期間の間、エネルギー源(46)からエネルギーを印加することで、電極(60)に、第一の電圧にて無線周波数(RF)の電流を印加させ、該電流は、皮膚の表皮層をアブレートすることができ、かつ、第二番目の期間の間、エネルギー源(46)からエネルギーを印加することで、電極(60)に、第一の電圧より低い第二の電圧にて電流を印加させる。他の実施形態も記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2009年2月25日に出願された、「Electrical skin rejuvenation」(電気的な皮膚再生)というタイトルの、Levinの米国仮出願第61/208,621号の優先権を主張し、該仮出願は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の実施形態の分野
本発明のいくつかの実施形態は、概しては、皮膚再生(skin rejuvenation)に関し、詳細には、しわ(皺)の減少のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
身体の最大の器官である皮膚は、複数の層から構成されている。外側の層である表皮は、いくつかの副次的な層(サブレイヤー)に分割される。最も外側の層は表皮角質層と呼ばれる。角質層は、一般に、神経支配されていない細胞層であって、核を持たない大きな死んだ細胞から主に構成されている。表皮の下には真皮の皮膚層があり、これは、表皮に緊密に結合している。
【0004】
皮膚の主な構成成分は線維状タンパク質であるコラーゲンであり、コラーゲンは、皮膚の強度および弾力性に寄与している。そのため、コラーゲンの形成および再構築は、質感および弾力などの皮膚の機械特性の変化に繋がる。典型的には、コラーゲンは、創傷を負った皮膚の表皮組織の再生において重要な役割を果たす。コラーゲンは、創傷治癒過程の間に産生され、ひいては創傷の引張強度を増加させる。
【0005】
コラーゲンの収縮またはコラーゲンの熱収縮は、コラーゲン分子における熱的影響を受けやすい結合の解離によって生じる。コラーゲンの熱変性は、皮膚の引き締め作用をもたらす。対照的に、加齢に伴うコラーゲンの分解は、皮膚のたるみおよびしわの形成に繋がる。多くのしわは、露出した皮膚の領域(例、顔、首および前腕)に現れる。皮膚の加齢によるこれらの目に見える作用は、人によっては悩ましいものであり、従って、成熟したまたは損傷した皮膚の再生のための方法が関心を引いている。
【0006】
OlsenらへのUS 6,461,354には、外部体表面上の標的位置に対して選択的に電気的なエネルギーを印加するためのシステムおよび方法が記載されており、該システムおよび方法は、例えば、皮膚組織の除去および/または表皮もしくは真皮におけるコラーゲン収縮のため(例、色素沈着、血管病変(例、下肢静脈)、瘢痕、入れ墨などの除去)、ならびに、皮膚に対する他の外科的処置のため(例えば、組織の再生、美容整形、しわの除去、脱毛および/または移植術)のものである。記載されたシステムおよび方法は、高周波数(RF)の電気エネルギーを外部体表面(例えば、皮膚の外表面)に隣接した1つ以上の電極端子に印加して、皮膚内の組織構造体の構造物を除去および/または修正する。記載されたシステムおよび方法は、具体的な美容処置に応じて、以下のために使用され得る:(1)組織または毛を体積的(volumetrically)に除去すること(すなわち、アブレーション、または組織構造物の分子解離の誘起);(2)組織層を下にある組織層から分離して除去できるようにすること;(3)コラーゲン結合組織を縮小または収縮させること;および/または(4)皮膚表面の下にある血管を凝固させること。
【0007】
KnowltonへのUS 6,381,498には、皮膚を通して、下にあるコラーゲン組織に放射エネルギーを印加する方法および装置が記載されており、それらは、表皮のメラニン細胞および他の上皮細胞を実質的に変更しないと記載されている。膜は、電解液を受けて膨張し、その膜の接触する外表面を皮膚層に実質的に適合させるように構成されている。該膜は、冷却液を受け入れるための冷却用内腔を有する。該膜に配置された1つ以上の熱電極が、熱エネルギーを電解液に移す。電解液および冷却液は、皮膚表面から、下にあるコラーゲン組織への逆温度勾配を作ると記載されている。熱エネルギー源(thermal power source)が熱電極に連結されており、電解液の供給源が該膜に連結されている。
【0008】
KreindelへのUS 2006/0036300には、脂肪を分解する方法が記載されている。該方法は、皮膚のある領域を変形させて、皮膚の該領域を周囲の皮膚から突出させることを有する。1つ以上の無線周波数(RF)電極が皮膚の突出した領域に配置され、電圧が該電極(単数または複数)に印加されたときに、皮膚の突出した領域において脂肪組織を通る電流が生成される。次に、電圧が該電極(単数または複数)に印加され、皮下脂肪組織を損傷するのに十分なRFエネルギーを皮膚の突出した領域に供給する。記載された方法は、例えば、体重の減少、セルライトの減少、たるんだ皮膚の減少、しわの処置、体表面の引き締め、皮膚の引き締め、およびコラーゲンの再構築を達成するために使用され得る。
【0009】
BinderへのUS 6,684,107には、ヒトの皮膚にあるしわを減少させるためのシステムが記載されており、該システムは、電極を用いて、しわの表面を通して下にある皮層に微弱電流を伝える。電極はしわの長さに沿って複数の道において動かされ、電極は、10〜40マイクロアンペアの範囲のピーク振幅、10〜50マイクロアンペア/cm.sup.2 の範囲のピーク電流密度、および5〜15Hzの範囲の周波数を有する周期的に繰り返される微弱電流を生成している間、しわの表面と接触される。該電極デバイスは、バッテリーを含有するコードレスケース中に内蔵されており、該ケースから接触用電極が突出していると記載されている。該ケースの表面上の、手に係合する(hand-engaging)の第2の電極が、ユーザーの身体を通じた導電経路を完成させる。
【0010】
AvrahamiへのUS 6,148,232には、対象者の表皮角質層をアブレートするためのデバイスが記載されており、該デバイスは、複数の電極を有し、該電極は、対象者の皮膚に対して、各々の位置において当てられる。主に各々の位置の中間の領域にある角質層のアブレーションを引き起こすために、電源は、複数の電極のうちの2つ以上の間に電気エネルギーを印加する。
【0011】
AvrahamiへのUS 6,611,706には、対象者の身体において皮膚を通じた物質の経皮移行を促進するためのデバイスが記載されている。該デバイスは、好ましくは、電極および制御ユニットを有する。好ましい実施形態では、制御ユニットは、電極に対して、皮膚の表皮角質層をアブレートできる電流を皮膚に印加させるように構成されており、それにより物質の経皮移行が促進される。制御ユニットは、電流の印加に応じた少なくとも一つのスパークの発生を検出し、該少なくとも一つのスパークの発生の検出に応じて電流のパラメータを変更する。
【0012】
AvrahamiへのUS 6,708,060には、対象者の身体において皮膚を処置するためのデバイスが記載されている。該デバイスは、複数の電極を有し、該電極は、皮膚と接触して置かれた後、皮膚との電気的な接触を維持しながら、皮膚にわたって動かされるように構成されている。該デバイスは、付加的には、電源を有し、該電源は、電極が皮膚にわたって動かされているのと同時に、該複数の電極の2つ以上の間に電流を印加するように構成されている。
【0013】
Reliant Technologies(米国,カリフォルニア州)は、フラクセル(Fraxel)ファミリーの美容用製品を供給しており、それらは、2つの非アブレーション処置および1つのアブレーション処置を生じる3つのフラクショナルレーザーを有する。
【0014】
以下の特許および特許出願は、関連するものであり得る。
Avrahami等へのUS 2005/0003518
SohnへのUS 2005/0119605
NguyenへのUS 2005/0187497
PanescuへのUS 2006/0089688
LevineへのUS 2007/0270732
Levine等へのUS 2007/0287949
LevineへのUS 2007/0292445
Birchall等へのUS 2008/0114281
Lax等へのUS 5,569,242
Garito等へのUS 5,746,746
DervieuxへのUS 6,026,327
Avrahami等へのUS 6,597,946
AvrahamiへのUS 6,711,435
AvrahamiへのUS 7,123,957
SternへのUS 7,335,377
Levine等へのUS 7,395,111
US 2002/0068930
US 2002/0087155
US 2002/0095152
US 2002/0128641
US 2002/0193789
US 2003/0009164
US 2003/0097126
US 2003/0097129
US 2003/0097162
US 2003/0120269
US 2003/0130655
US 2003/0158545
US 2003/0163178
US 2003/0187488
US 2003/0212396
US 2004/0215184
US 2005/0107832
US 2005/0256519
US 2006/0036300
US 2006/0047281
US 2006/0058727
US 2006/0173518
US 2007/0010811
US 2007/0032840
US 5,660,836
US 5,681,282
US 5,697,909
US 5,746,746
US 5,755,753
US 5,766,153
US 5,843,019
US 5,888,198
US 5,919,219
US 5,948,011
US 6,119,038
US 6,179,836
US 6,235,020
US 6,241,753
US 6,264,652
US 6,355,032
US 6,377,855
US 6,381,498
US 6,387,380
US 6,405,090
US 6,413,255
US 6,432,103
US 6,461,354
US 6,468,270
US 6,482,201
US 6,544,261
US 6,557,559
US 6,575,968
US 6,623,454
US 6,632,193
US 6,662,054
US 6,684,107
US 6,766,202
US 6,832,996
US 6,837,887
US 6,837,888
US 6,896,672
US 6,974,453
US 7,006,874
US 7,010,343
US 7,022,121
US 7,083,580
US 7,115,123
US 7,141,049
US 7,189,230
US 7,201,750
WO 9426228
WO 9632051
WO 9634568
WO 9803220
WO 9917690
WO 9920185
WO 9920213
WO 9926546
WO 0009053
WO 0053113
WO 0056229
WO 0062685
WO 0062698
WO 0195819
WO 0160273
WO 02102255
WO 03005882
WO 03028540
WO 03043696
WO 03065915
WO 03079916
WO 03086217
WO 04086943
WO 04089185
WO 04105861
WO 06054150
WO 06080012
WO 06109334
【発明の概要】
【0015】
要旨
本発明のいくつかの適用においては、皮膚表面上のしわを減少させるための装置および方法が提供される。エネルギー源に連結された電極のアレイがしわ上に配置される。該電極は、少なくとも2つの継続的な期間の間、皮膚表面上の同一位置に留まる。第一番目の期間の間、第一の電圧にて無線周波数(RF)の電流を印加させるように、エネルギー源からエネルギーが電極に印加される。第一の電圧にて印加された電流は、該電極の近くにおいて表皮組織(および、典型的には真皮組織表層)を局所的にアブレーションすることができる。印加されたRF電流による表皮組織(および、典型的には真皮組織表層)のアブレーションは、表皮(および、典型的には真皮表層)を貫くマイクロチャネルを生成する。マイクロチャネルの形成により、天然の体液がマイクロチャネルに流入する。アブレーションの間に電極間の抵抗は上昇するが、抵抗はその後、体液がマイクロチャネルに流入するときに減少する。その後の第二番目の期間の間、第一の電圧よりも低い第二の電圧にて電流を印加させるように、エネルギー源からエネルギーが電極に印加される。第二の電圧にて印加された電流は、マイクロチャネル内および下にある組織内の液体を連続的に加熱するために十分であるが、一般に、さらなるアブレーションを引き起こさない。
【0016】
本発明者等は、下にある組織の後続する加熱を伴う表皮組織(および、典型的には真皮組織表層)のアブレーションは、コラーゲンの再生および再構築を招き、皮膚の再生をもたらすという仮説を立てている。RFの印加の第一相は、上述したように、電極の近くの皮膚の表皮層(および、典型的には真皮層表層)においてマイクロチャネルをアブレート(ablate、アブレーションを行うこと)する。マイクロチャネルのアブレーションは、皮膚において創傷治癒プロセスの開始を誘発し、コラーゲンの産生を引き起こす。より低い電圧の非アブレーション性の電流の印加の第二相は、マイクロチャネル内に存在する天然の体液を加熱し、下にあるコラーゲン組織の制御された加熱を招き、熱によって仲介されたコラーゲンの収縮を引き起こす。本発明のこれらの印加におけるアブレーションと加熱の組み合わせの方法の効果は、皮膚の引き締めおよびしわの減少である。創傷治癒プロセスが開始されるが、ここで提供されるような、表皮(および、典型的には真皮表層)中へのマイクロチャネルのアブレーションは、通常、対象者に痛みを引き起こさない。
【0017】
本発明の出願の文脈および特許請求の範囲において使用される場合、用語「マイクロチャネル(micro-channel)」は、概して、皮膚の表面から少なくとも表皮を貫いて伸びている経路をいう。十分な大きさの電場が、十分な期間、電極と接触している皮膚の小領域に印加されたときに、局所的な電力消費が表皮(および、典型的には真皮表層)のアブレーションを引き起こすことに起因して、そのようなマイクロチャネルは形成される。
【0018】
従って、本発明のいくつかの適用(applications)に従って、皮膚表面上のしわを減少させるための方法が提供され、当該方法は、
しわを有する皮膚表面を持つ人物を特定することを有し、
人物の特定に応じて、エネルギー源に連結された電極のアレイを皮膚表面上の各々の位置に配置することを有し、かつ、
該電極が各々の位置にある間に、
第一番目の期間の間に、該エネルギー源からエネルギーを該電極に印加して、該電極に、第一の電圧にて無線周波数(RF)の電流を印加させ、該電流は、皮膚の表皮層をアブレートすることができるものであり、かつ、
第二番目の期間の間に、該エネルギー源からエネルギーを該電極に印加して、該電極に、第一の電圧より低い第二の電圧にて電流を印加させることを有する。
【0019】
いくつかの適用においては、第一番目の期間の間にエネルギーを印加することは、1〜20msの間、エネルギーを印加することを有する。
【0020】
いくつかの適用においては、第二番目の期間の間にエネルギーを印加することは、少なくとも1秒間、エネルギーを印加することを有する。
【0021】
いくつかの適用においては、第二番目の期間の間にエネルギーを印加することは、第一番目の期間の間に所定の電極を通じてエネルギーを印加してから少なくとも10ms後に、第二番目の期間の間にその所定の電極を通じたエネルギーの印加を開始することを有する。
【0022】
いくつかの適用においては、第二番目の期間の間にエネルギーを印加することは、第二番目の期間の間に非アブレーション性のエネルギーのみを印加することを有する。
【0023】
いくつかの適用においては、第一番目の期間の間にエネルギーを印加することは、第一番目の期間の間に印加されるエネルギーの電圧を、ベース・ツー・ピークで150〜350V(150-350 V base-to-peak)に設定することを有する。
【0024】
いくつかの適用においては、第二番目の期間の間にエネルギーを印加することは、第二番目の期間の間に印加されるエネルギーの電圧を、ベース・ツー・ピークで10〜200Vに設定することを有する。
【0025】
いくつかの適用においては、第二番目の期間の間にエネルギーを印加することは、第二番目の期間の間に印加されるエネルギーの電圧を、ベース・ツー・ピークで10〜100Vに設定することを有する。
【0026】
いくつかの適用においては、第一番目の期間の間にエネルギーを印加することは、第一番目の期間の間に印加されるエネルギーの周波数を50〜500kHzに設定することを有する。
【0027】
いくつかの適用においては、第二番目の期間の間にエネルギーを印加することは、第二番目の期間の間に印加されるエネルギーの周波数を50〜500kHzに設定することを有する。
【0028】
いくつかの適用においては、第一番目の期間の間にエネルギーを印加することは、表皮層においてマイクロチャネルをアブレートすることを有する。
【0029】
いくつかの適用においては、第二番目の期間の間にエネルギーを印加することは、体液でマイクロチャネルを満たすことに引き続いて、第二番目の期間の間に、エネルギーの印加を開始することを有する。
【0030】
さらに、本発明のいくつかの適用に従って、皮膚表面上のしわを減少させるための装置が提供され、当該装置は、
電極のアレイを有し、該電極のアレイは、皮膚表面上に配置されるように構成されており、かつ、
エネルギー源を有し、該エネルギー源は、前記電極のアレイに連結され、かつ、エネルギーを該電極に印加して、該電極に、第一番目の期間の間に第一の電圧にてアブレーション性の電流を印加させ、かつ、第二番目の期間の間に第一の電圧より低い第二の電圧にて非アブレーション性の電流を印加させるように構成されている。
【0031】
いくつかの適用においては、該エネルギー源は、第一番目の期間の間に1〜20msの間、エネルギーを印加するように構成されている。
【0032】
いくつかの適用においては、該エネルギー源は、第二番目の期間の間に少なくとも1秒間、エネルギーを印加するように構成されている。
【0033】
いくつかの適用においては、該エネルギー源は、第一番目の期間の間に所定の電極を通じてエネルギーを印加してから少なくとも10ms後に、第二番目の期間の間にその所定の電極を通じてエネルギーを印加するように構成されている。
【0034】
いくつかの適用においては、該エネルギー源は、第一番目の期間の間にベース・ツー・ピークで150〜350Vを電極に送るように構成されている。
【0035】
いくつかの適用においては、該エネルギー源は、第二番目の期間の間にベース・ツー・ピークで10〜200Vを電極に送るように構成されている。
【0036】
いくつかの適用においては、該エネルギー源は、第二番目の期間の間にベース・ツー・ピークで10〜100Vを電極に送るように構成されている。
【0037】
いくつかの適用においては、該エネルギー源は、第一番目の期間の間に50〜500kHzの周波数でエネルギーを印加するように構成されている。
【0038】
いくつかの適用においては、該エネルギー源は、第二番目の期間の間に50〜500kHzの周波数でエネルギーを印加するように構成されている。
【0039】
いくつかの適用においては、該電極のアレイは、少なくとも10個の電極を有する。
【0040】
いくつかの適用においては、該電極のアレイは、少なくとも50個の電極を有する。
【0041】
いくつかの適用においては、該アレイの電極は、2×nの長方形アレイとなるように並べられている。
【0042】
いくつかの適用においては、該電極のアレイは、それぞれの電極の直径が60〜80umである電極を有する。
【0043】
いくつかの適用においては、該電極のアレイは、それぞれの電極の長さが50〜400umである電極を有する。
【0044】
いくつかの適用においては、該電極のアレイは、それぞれの電極の長さが100〜250umである電極を有する。
【0045】
いくつかの適用においては、該電極のアレイは、該アレイ中で概して均一な間隔で配置された電極を有し、隣り合った電極間の距離は0.5〜1.5mmである。
【0046】
いくつかの適用においては、該エネルギー源は、第一番目の期間の間に、皮膚の表皮層においてマイクロチャネルをアブレートできるエネルギーを印加するように構成されている。
【0047】
いくつかの適用においては、該エネルギー源は、体液でマイクロチャネルを満たすことに引き続いて、第二番目の期間の間に、エネルギーの印加を開始するように構成されている。
【0048】
なおさらに、本発明のいくつかの適用に従って、皮膚表面上のしわを減少させるための装置が提供され、当該装置は、
少なくとも10個の電極のアレイを有し、各電極の長さは少なくとも150umであり、該アレイは皮膚表面上に配置されるように構成されており、かつ、
エネルギー源を有し、該エネルギー源は、該電極のアレイに連結されており、かつ、エネルギーを該電極に印加して、該電極に、皮膚の表皮層をアブレートできる50〜500kHzの電流を印加させるように構成されている。
【0049】
いくつかの適用においては、該アレイは、少なくとも100個の電極を有する。
【0050】
いくつかの適用においては、該アレイの電極は、2×nの長方形アレイとなるように並べられている。
【0051】
いくつかの適用においては、該アレイの電極は、m×nの長方形アレイとなるように並べられており、nはmの少なくとも4倍大きい。
【0052】
いくつかの適用においては、各電極の直径は60〜80umである。
【0053】
いくつかの適用においては、該電極のアレイは、該アレイ中で概して均一な間隔で配置された電極を有し、隣り合った電極間の距離は0.5〜1.5mmである。
【0054】
また、本発明のいくつかの適用に従って、皮膚表面上のしわを減少させるための方法が提供され、当該方法は、
しわを有する皮膚表面を持つ人物を特定することを有し、
人物の特定に応じて、エネルギー源に連結された少なくとも10個の電極を皮膚表面上の各々の位置に配置することを有し、かつ、
該エネルギー源からエネルギーを該電極に印加して、該電極に、50〜500kHzの電流を印加させることによって、皮膚の表皮層をアブレートすることを有する。
【0055】
図面と共に解釈される本発明の実施形態の以下の詳細な説明から、本発明はより十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1A】図1Aは、本発明のいくつかの実施形態による、しわを有する皮膚表面上に配置されている、しわを減少させるための装置の模式図である。
【図1B】図1Bは、本発明のいくつかの実施形態による、皮膚表面、および、対象者の皮膚上の各々のアブレートされる位置と接触して配置されている電極のアレイの模式図である。
【図1C】図1Cは、本発明のいくつかの実施形態による、後続する加熱ステップの間に皮膚表面と接触するように配置されている電極のアレイの模式図である。
【図2】図2は、本発明のいくつかの適用による、RFエネルギーの印加後の8人の被験者のしわの深さの変化の平均を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0057】
実施形態の詳細な説明
図1Aは、本発明のいくつかの適用によるしわを減少させるための装置40の、対象者が使用している時の模式図である。該装置40は、しわを有する皮膚表面42(例、顔、額または首)に配置されている。該装置40は、典型的には、エネルギー源(energy source)46、再使用可能な制御ユニット48、および、典型的には使い捨ての、電極60の無菌のアレイ44を有する。皮膚表面42上に配置されているとき、電極60のアレイ44は、皮膚の角質層と直接的に接触する。
【0058】
アレイ44は、典型的には0.5〜2cm2(例、0.96cm2)であり、典型的には10〜1000個の電極(例、50〜250個の電極)を有する。本明細書に記載する全ての実験では、アレイ44は、144個の電極を有する。いくつかの適用(例、本明細書に記載される実験で使用されているもの)のためには、アレイ44は、n×nのアレイ(すなわち、電極の正方形のアレイ)として並べられている。他の適用(例、主に、しわの長さに沿った一連の印加(そしてより少ない程度で、周囲組織に対する印加)においてエネルギーを印加するのが望ましい場合)のためには、長くて薄い、長方形のアレイが用いられる(例、m×nのアレイであって、mは、典型的には、2、3、4、5または6であり、nは、典型的には、10〜30の間、または30〜100の間である)。例えば、アレイは2×10のアレイであってもよい。これらの適用のために、nは、典型的には、mより少なくとも4倍大きい(例、mより少なくとも8倍大きい)。
【0059】
各電極60は、表皮組織(および、典型的には真皮組織表層)に到達するために、典型的には、直径が60um〜80um、長さが50um〜400um(例、100〜250umの長さ)である。アレイ44は、典型的には、使用前に装置40のハウジングにはめ込まれ、使用後に取り外される。
【0060】
隣り合った電極間の距離は、典型的には、0.5〜1.5mmであり、電極は、典型的には、アレイ中で概して均一な間隔で配置されている。典型的に概して均一な間隔で配置されている、小さい直径の電極のアレイを用いる場合、装置の操作者による特段の努力がなければ、特にエネルギーの印加の第二番目の期間(後述)の間に、アレイ44の下の皮膚の概して均一な加熱が得られる。
【0061】
制御ユニット48(図1B〜C)は、電子部品およびソフトウェア部品を有し、これらは、エネルギー源46を駆動して、電極60へのエネルギーの印加を開始または中止するように構成されている。
【0062】
図1Bを参照する。図1Bは、本発明のいくつかの適用による、皮膚表面42と接触して配置されているアレイ44の模式図である。本発明のいくつかの適用では、アレイ44は、少なくとも2つの期間の間、皮膚表面42上の同一位置に留まる。エネルギー源46は、エネルギーを印加することで、電極60のアレイ44に、皮膚表面42にRFエネルギーを印加させる。エネルギー源46は、エネルギーを印加することで、該電極に、2つの期間の間に異なる電圧で電流を印加させるように構成されている。図1Bに表されている第一番目の期間の間、エネルギー源46はエネルギーを印加することで、電極のアレイ44に、皮膚表面42の表皮(および、典型的には真皮表層)に対して、ベース・ツー・ピークで200〜350V(200-350 V base-to-peak)(即ち、ピーク・ツー・ピークで400〜700V(400-700 V peak-to-peak))、かつ、50〜500kHz(例、100kHz)において1〜20msのバーストのRF電流を印加させるようにする。
【0063】
装置40が、第一番目の期間の間に、表皮(および、典型的には真皮表層)を通じて十分な量のエネルギーを送り込むとき、それらの皮膚層は、それらを通じて消費されるエネルギーによってアブレートされる。各個々の電極は、典型的には、1〜20mAの電流でこの電流を印加する。典型的には、2〜12個の電極(例、4つの電極)が同時に作動されて皮膚内にRF電流を送り込み、それに対応してより大きな総瞬間電流(例、4〜80mA)を生じる。アレイ44中の残りの電極は、典型的には、リターン電極として働き、そして、それらの個数がより多いために、リターン電極は、皮膚において実質的により小さい電流密度を生成する。このアブレーションは、マイクロチャネル50(すなわち、表皮(および、典型的には真皮表層)中に物理的な細孔(pore、ポア))を作る。マイクロチャネル50は、正確に再現可能であり、また、典型的には、小さくて肉眼では見えない。局所的な皮膚の状態および使用される電流プロトコルに応じて、マイクロチャネルは、典型的には、直径が40〜100um、深さが50〜400um(例、30〜200um)である。
【0064】
各マイクロチャネル50が、電極による電流フローに応じて形成されたとき、それぞれは、体液がそれを通過するまで、空の細孔のままであり続ける。典型的には、所与のマイクロチャネル50は、マイクロチャネルの形成が起こってから約30ms以内に、天然の体液によって満たされる。マイクロチャネル50のアブレーションは、一般に、痛みも、真皮表層の下にある皮膚層に対する実質的な外傷も引き起こさない。皮膚のアブレーションにより引き起こされるいかなる創傷も最小であるが、創傷治癒の天然のプロセスがマイクロチャネル50の形成によって引き起こされる。創傷治癒の一部分として天然に起こるコラーゲンの産生は、より滑らかで弾力性のある皮膚の外観をもたらす。
【0065】
図1Cを参照する。図1Cは、本発明のいくつかの実施形態による、アブレーションが生成された位置から動かされずに、皮膚表面42と接触するように配置されているアレイ44の模式図である。上述したように、エネルギー源46は、電極60に対して、2つの期間の間に異なる電圧にて電流を印加させる。図1Cは第二番目の期間を表しており、エネルギー源46は、エネルギーを電極に印加して、該電極に、第一番目の期間の間に印加された電圧よりも低い電圧で電流を印加させる。第二番目の期間の間に電極によって印加される電流はACであっても、あるいはDCであってもよく、また加熱を引き起こす範囲のパラメータを有し得るが、電流は、典型的には、50〜500kHz(例、100kHz)の周波数を有し、例えば、第一番目の期間の間に印加された周波数と同じ周波数を有してもよい。
【0066】
第一番目および第二番目の期間のためのプロトコルに従って、所与の電極または小グループの電極(例、4つの電極)を通じたアブレーションが、1つ以上の電極のそのサブセット(subset、部分集合)のための第一番目の期間の間に実行される。次に、1つ以上の電極の別のサブセットが、電極のそのサブセットのための第一番目の期間の間にアブレーションを行う。典型的には、実質的に全ての電極が皮膚に対してアブレーション性のエネルギーを印加するまで、この処理が繰り返される。その後、第二番目の期間において、アレイ44の下の皮膚の領域にわたって均一な加熱を引き起こすために、全ての電極を通じて、より低い電圧で電流が印加される。第二番目の期間の間にエネルギー源46によって提供される電流は、典型的に(しかし、必ずしもそうではない)、100mA未満であり、通常約10〜50mAである。第二番目の期間の間に任意の一つの電極を通じて提供される電流は、典型的に0.1〜1mAである。例えば、アレイ44がより少数の電極を有するか、あるいは全ての電極が同時に電流を印加しない場合といった、いくつかの適用のためには、任意の一つの電極を通じて提供される電流は1〜10mAであってもよい。
【0067】
いくつかの適用においては、第二番目の期間は、電極毎に、またはサブセット毎に、典型的には、任意の所与の電極における第一番目の期間の終了から少なくとも10ms時に開始される。例えば、各電極または電極の小サブセットは、別の電極または電極のサブセットがその第一番目の期間を持つ前に、それ自身の第一および第二番目の期間を持ってもよい。いくつかの適用に関して、1つ以上の電極の別のサブセットが、第二番目の期間のプロトコルに従ってエネルギーを印加している間に、1つ以上の電極の第一のサブセットは、第一番目の期間のプロトコルに従ってエネルギーを印加している。
【0068】
典型的には、装置40の少なくとも一つの作動モードでは、任意の所与の第二番目の期間の間に非アブレーション性のエネルギーを印加する電極の個数n2は、任意の所与の第一番目の期間の間にアブレーション性のエネルギーを印加する電極の個数n1よりも多い。例えば、n2は、典型的には、n1より少なくとも3倍または10倍多い。
【0069】
第二番目の期間の間の電流の印加の継続時間は、典型的には、1〜30秒、または30〜200秒である。第二番目の期間の間に印加されるエネルギーは非アブレーション性のものであるが、典型的には、マイクロチャネル50内に存在する体液54を、コラーゲンへの持続的な変化を引き起こすのに適した温度に加熱するのに十分なものである。一つの実験では、表皮の少なくとも一部分をアブレートしてマイクロチャネルを生成するために、144個の電極(長さ:70um)のアレイ44により、第一番目の期間の間にベース・ツー・ピークで200Vにおいて7msの間、100kHzの電流をボランティア(志願者)に印加した。第二番目の期間の間、アレイ44を、第一番目の期間の間と同じ場所に維持し、ベース・ツー・ピークで80Vにおいて約20秒間、100kHzの電流を印加した。ボランティアは、いずれの期間の間も、電流の印加に起因する不快感は無かったと報告した。後述する他の実験では、第二番目の期間無しで、同様の第一番目の期間のプロトコルが使用され、測定可能な程度のしわの減少を生じた。この第一番目および第二番目の期間の実験では、しわの減少の測定は行わなかった。
【0070】
マイクロチャネル50内の体液54の加熱は、下にあるコラーゲン組織の制御された加熱を生じ、熱によって仲介されたコラーゲンの収縮を引き起こす。熱によって仲介されたコラーゲンの収縮、または縮小は、典型的には、皮膚の引き締め効果をもたらす。皮膚の引き締めおよびしわの減少は、本発明のこれらの実施形態の、アブレーションおよびより低温での加熱の方法の相乗効果である。
【0071】
典型的には、装置40の使用は、皮膚の再生およびしわの減少をもたらす。
【0072】
後述する実験は、一つのバージョンの装置40を用いて本発明者等によって実施された、アブレートするのみであって第二番目の期間の間の加熱を利用しない実験であり、マイクロチャネル50のアブレーションは、コラーゲン形成を天然に誘導する、皮膚の創傷治癒プロセスを誘発したことが分かった。
【0073】
以下の実施例は、本発明の実施形態の効果を示すために提供されている。
【0074】
図2は、本発明のいくつかの適用による、電気的な皮膚の再生のための方法および装置による処置に応じたしわの深さの変化の平均を表すグラフである。この実験のセットでは、被験者の額にあるしわの深さは、調べたしわのシリコーンインプリント分析によって決定した。8被験者からのしわを含む皮膚表面を、1ヶ月の間隔を空けた装置40での2つの処置に供し、最初の処置の前、および次の2ヶ月にわたって、測定を行った。各処置は、144個の電極のアレイ44中の200umの長さの電極を通じて、330Vの電圧および100kHzの周波数でRFエネルギーを印加することを有していた。9msの継続時間の間、1バーストのエネルギーで皮膚表面にエネルギーを印加した。続いて、アレイ44を皮膚から取り除いた後、実験者の能力の範囲内で本質的に同一の位置(しかし、同一の位置ではない)に戻し、電極は以前に生成されたマイクロチャネルに対しては制御されていない位置ではあったが、効果的に皮膚の同一領域がアレイによって覆われるようにした。同一のプロトコルを用いて、電流を再度印加した。その後、アレイ44を再び取り除き、そして戻し、同一のプロトコルを再び用いて、電流を三度目に印加した。
【0075】
図2に示されるように、8週間にわたって、処置した皮膚表面におけるしわの深さの明らかな経時的な変化があった。全ての被験者が処置に反応し、試験の経過の間のしわの深さの徐々の改善および減少を実証した。2週間後、4週間後および8週間後の平均の改善はそれぞれ、11.06%、18.25%および25.3%であった。
【0076】
表Iは、図2を参照して上述したプロトコルを用いた、本発明のいくつかの適用による、電気的な皮膚の再生のための上述した方法および装置による処置の後の8被験者の皮膚の分析を表す表である。
【0077】
【表1】

【0078】
この一連の実験では、額皮膚の生検試料を8被験者の処置および非処置の皮膚表面から採取した。被験者を2つの年齢群に分けた。より若年の群(35〜42歳)を群Aとし、より高齢の群(47〜51歳)を群Bとした。コラーゲンおよびエラスチンの染色による測定でコラーゲンおよびエラスチンの含有量について、および、増殖細胞に特異的なマーカー(Ki67)による測定で表皮細胞の増殖について、皮膚試料を分析した。表Iに示されるように、群Bの全ての被験者は、本発明のいくつかの実施形態による皮膚の再生のための方法および装置による処置に反応して、コラーゲン線維含有量の増加および皮膚細胞増殖の増加を示した。加えて、群Bの被験者の75%は、エラスチン線維含有量の増加を示した。対照的に、群Aの被験者のコラーゲン線維含有量は、処置によって変化しなかった。加えて、処置に応答して、群Aの被験者の25%のみがエラスチン含有量の増加を示し、50%が細胞増殖の増加を示した。別の結果(示さず)は、試験の被験者の各々において、試験の間に生じた痛み、紅斑および浮腫は許容できるものであったことを実証した。
【0079】
被験者の額および前腕の皮膚表面の処置後、経表皮水分損失(Trans Epidermal Water Loss;TEWL)を分析した。本発明のいくつかの適用による皮膚の再生のための方法および装置で皮膚表面を処置した。前腕部位で実施した試験の結果の解析は、最初の処置後のTEWL値は、処置の開始前に測定されたTEWL値よりも有意に高かったことを示している(VapoMeter(Delfin Technologies, Ltd.)を用いて測定し(p=0.012)、ウィルコクソンの符号付順位和検定に従った)。TEWL値は、処置から48時間〜1週間、有意に上昇したままであった(同様の結果が額の部位について得られた)。
【0080】
本発明は上記に特に示して説明したものに限定されないことを当業者は理解するであろう。むしろ、本発明の範囲は、上述した様々な特徴の組み合わせおよび部分的組み合わせの両方、ならびに、上述の説明を読んだ当業者が想起するであろう先行技術にないそれらの変形および改良を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚表面上のしわを減少させるための方法であって、当該方法は、
しわを有する皮膚表面を持つ人物を特定することを有し、
人物の特定に応じて、エネルギー源に連結された電極のアレイを皮膚表面上の各々の位置に配置することを有し、かつ、
該電極が各々の位置にある間に、
第一番目の期間の間に、該エネルギー源からエネルギーを該電極に印加して、該電極に第一の電圧にて無線周波数(RF)の電流を印加させ、該電流は皮膚の表皮層をアブレートすることができるものであり、かつ、
第二番目の期間の間に、該エネルギー源からエネルギーを該電極に印加して、該電極に第一の電圧より低い第二の電圧にて電流を印加させることを有する、
前記方法。
【請求項2】
第一番目の期間の間にエネルギーを印加することが、1〜20msの間、エネルギーを印加することを有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第二番目の期間の間にエネルギーを印加することが、少なくとも1秒間、エネルギーを印加することを有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
第二番目の期間の間にエネルギーを印加することが、第一番目の期間の間に、所定の電極を通じてエネルギーを印加してから少なくとも10ms後に、第二番目の期間の間に、その所定の電極を通じたエネルギーの印加を開始することを有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
第二番目の期間の間にエネルギーを印加することが、第二番目の期間の間に非アブレーション性のエネルギーのみを印加することを有する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
第一番目の期間の間にエネルギーを印加することが、第一番目の期間の間に印加されるエネルギーの電圧を、ベース・ツー・ピークで150〜350Vに設定することを有する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
第二番目の期間の間にエネルギーを印加することが、第二番目の期間の間に印加されるエネルギーの電圧を、ベース・ツー・ピークで10〜200Vに設定することを有する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
第二番目の期間の間にエネルギーを印加することが、第二番目の期間の間に印加されるエネルギーの電圧を、ベース・ツー・ピークで10〜100Vに設定することを有する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
第一番目の期間の間にエネルギーを印加することが、第一番目の期間の間に印加されるエネルギーの周波数を50〜500kHzに設定することを有する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
第二番目の期間の間にエネルギーを印加することが、第二番目の期間の間に印加されるエネルギーの周波数を50〜500kHzに設定することを有する、請求項1記載の方法。
【請求項11】
第一番目の期間の間にエネルギーを印加することが、表皮層においてマイクロチャネルをアブレートすることを有する、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
第二番目の期間の間にエネルギーを印加することが、体液でマイクロチャネルを満たすことに引き続いて、第二番目の期間の間に、エネルギーの印加を開始することを有する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
皮膚表面上のしわを減少させるための装置であって、当該装置は、
電極のアレイを有し、該電極のアレイは、皮膚表面上に配置されるように構成されており、かつ、
エネルギー源を有し、該エネルギー源は、前記電極のアレイに連結され、かつ、エネルギーを該電極に印加して、該電極に第一番目の期間の間に第一の電圧にてアブレーション性の電流を印加させ、かつ、第二番目の期間の間に第一の電圧より低い第二の電圧にて非アブレーション性の電流を印加させるように構成されている、
前記装置。
【請求項14】
該エネルギー源が、第一番目の期間の間に1〜20msの間、エネルギーを印加するように構成されている、請求項13記載の装置。
【請求項15】
該エネルギー源が、第二番目の期間の間に少なくとも1秒間、エネルギーを印加するように構成されている、請求項13記載の装置。
【請求項16】
該エネルギー源が、第一番目の期間の間に所定の電極を通じてエネルギーを印加してから少なくとも10ms後に、第二番目の期間の間にその所定の電極を通じてエネルギーを印加するように構成されている、請求項13記載の装置。
【請求項17】
該エネルギー源が、第一番目の期間の間にベース・ツー・ピークで150〜350Vを電極に送るように構成されている、請求項13記載の装置。
【請求項18】
該エネルギー源が、第二番目の期間の間にベース・ツー・ピークで10〜200Vを電極に送るように構成されている、請求項13記載の装置。
【請求項19】
該エネルギー源が、第二番目の期間の間にベース・ツー・ピークで10〜100Vを電極に送るように構成されている、請求項13記載の装置。
【請求項20】
該エネルギー源が、第一番目の期間の間に50〜500kHzの周波数でエネルギーを印加するように構成されている、請求項13記載の装置。
【請求項21】
該エネルギー源は、第二番目の期間の間に50〜500kHzの周波数でエネルギーを印加するように構成されている、請求項13記載の装置。
【請求項22】
該電極のアレイが、少なくとも10個の電極を有する、請求項13記載の装置。
【請求項23】
該電極のアレイが、少なくとも50個の電極を有する、請求項13記載の装置。
【請求項24】
該アレイの電極が、2×nの長方形アレイとなるように並べられている、請求項13記載の装置。
【請求項25】
該電極のアレイが、それぞれの電極の直径が60〜80umである電極を有する、請求項13記載の装置。
【請求項26】
該電極のアレイが、それぞれの電極の長さが50〜400umである電極を有する、請求項13記載の装置。
【請求項27】
該電極のアレイが、それぞれの電極の長さが100〜250umである電極を有する、請求項13記載の装置。
【請求項28】
該電極のアレイが、該アレイ中で概して均一な間隔で配置された電極を有し、隣り合った電極間の距離が0.5〜1.5mmである、請求項13記載の装置。
【請求項29】
該エネルギー源が、第一番目の期間の間に、皮膚の表皮層においてマイクロチャネルをアブレートできるエネルギーを印加するように構成されている、請求項13〜28のいずれか1項記載の装置。
【請求項30】
該エネルギー源が、体液でマイクロチャネルを満たすことに引き続いて、第二番目の期間の間に、エネルギーの印加を開始するように構成されている、請求項29記載の装置。
【請求項31】
皮膚表面上のしわを減少させるための装置であって、当該装置は、
少なくとも10個の電極のアレイを有し、各電極の長さは少なくとも150umであり、該アレイは皮膚表面上に配置されるように構成されており、かつ、
エネルギー源を有し、該エネルギー源は、該電極のアレイに連結されており、かつ、エネルギーを該電極に印加して、該電極に皮膚の表皮層をアブレートできる50〜500kHzの電流を印加させるように構成されている、
前記装置。
【請求項32】
該アレイが、少なくとも100個の電極を有する、請求項31記載の装置。
【請求項33】
該アレイの電極が、2×nの長方形アレイとなるように並べられている、請求項31記載の装置。
【請求項34】
該アレイの電極が、m×nの長方形アレイとなるように並べられており、nがmの少なくとも4倍大きい、請求項31記載の装置。
【請求項35】
各電極の直径が60〜80umである、請求項31記載の装置。
【請求項36】
該電極のアレイが、該アレイ中で概して均一な間隔で配置された電極を有し、隣り合った電極間の距離が0.5〜1.5mmである、請求項31〜35のいずれか1項記載の装置。
【請求項37】
皮膚表面上のしわを減少させるための方法であって、当該方法は、
しわを有する皮膚表面を持つ人物を特定することを有し、
人物の特定に応じて、エネルギー源に連結された少なくとも10個の電極を皮膚表面上の各々の位置に配置することを有し、かつ、
該エネルギー源からエネルギーを該電極に印加して、該電極に50〜500kHzの電流を印加させることによって、皮膚の表皮層をアブレートすることを有する、
前記方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−518459(P2012−518459A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550702(P2011−550702)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000149
【国際公開番号】WO2010/097790
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(505474669)トランスファーマ メディカル リミテッド (11)
【Fターム(参考)】