説明

電池パック及び携帯機器

【課題】 1枚のシートで電池本体を覆うことによって電池パックを作製する際の作業ミスを低減できるようにする。
【解決手段】 電池パック50は、1枚のシート4を折り曲げた状態で電池本体15に取り付けることによって作製される。シート4は、折り曲げた状態で互いに重なり合う重なり部分を含む。また、シート4は、各重なり部分のうち、重なり合った状態で下側になる方の重なり部分に所定のマーク1,2が設けられている。そのため、シート4を電池本体15に取り付けた状態で、マーク1,2が外見上見えるか否かを確認することによって、シート4を電池本体15に正しく取り付けたか、上下位置を誤って取り付けたかを容易に判断することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器に用いる電池パック及び電池パックを取り付けた携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の携帯機器の小型化や薄型化が進んでいる。また、携帯電話機の小型化や薄型化をするために、携帯電話機に用いる電池パックの小型化や薄型化が望まれている。一方、携帯電話機は、通話機能を備えるだけでなく、カメラによる撮影機能や放送波受信機能を備える等、通話機能以外の機能が拡大している。また、携帯電話機は、大型液晶部を搭載する等、表示機能も拡大している。そのため、携帯電話機が消費する消費電流が大きくなる傾向にあり、電池容量の増加も望まれている。
【0003】
電池パックの電池容量を増加させるためには、電池セルの電極の巻き数を増やしたりして電極密度を向上させる必要がある。そのため、電池容量を増加させると、電池セルの寸法の拡大を招き電池パックの大型化を招いてしまう。従って、電池パックの電池容量の増加と、電池パックの小型化/薄型化とは、相反する課題であり両立が難しい。
【0004】
電池容量の増加と小型化/薄型化とを両立させるため、電池本体(電池セルや保護回路基板を含む)をケース(ハードケース)に収納するのでなく、表示ラベル付きの1枚のシート(薄板や樹脂フィルム)で覆うことによって電池パックを作製することが行われている。例えば、特許文献1には、一の薄板を折り曲げて箱形等の容器に組み立てて外装ケースを形成することによって作製された電池パックが記載されている。電池本体を1枚のシートで覆うことによって、ハードケースに収納することにより製作する場合と比較して、より電池パックの厚みを低減することができる。
【0005】
【特許文献1】特開平10−21890号公報(段落0017−0020、図1−3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
所定のシートを用いて電池パックを作製する場合、電池本体を覆うように1枚のシートを折り曲げて電池パックを作製する。この場合、シートは、折り曲げた状態で所定の重なり部分が生じる。例えば、シートは、電池本体を覆った状態で貼り付け等により固定するための所定の重なり部分(例えば、のりしろ)が設けられている。この場合、一般に、シートの互いに重なり合う部分のいずれか一方が他方の下側になるように、重なり部分の上下位置が決められている。
【0007】
しかし、電池パックの製造工程において、1枚のシートを折り曲げて重なり部分を貼り合わせる作業を行う際、作業員がシートの重なり部分の上下位置を誤って貼り合わせてしまう作業ミスを行う可能性がある。重なり部分の上下位置を誤って貼り合わせてしまうと、外観上電池パックの見栄えが悪くなるだけでなく、シートが故意又は不意に剥がされ易くなり好ましくない。
【0008】
そこで、本発明は、1枚のシートで電池本体を覆うことによって電池パックを作製する際の作業ミスを低減できる電池パック及び携帯機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による電池パックは、電池本体と、電池本体を覆う外装部(例えば、シート4によって実現される)とを備え、外装部は、1枚のシートを折り曲げることによって形成され、シートは、折り曲げた状態で互いに重なり合う重なり部(例えば、シート4の重なり部分17a,17b,18a,18b)を含み、各重なり部のうち、重なり合った状態で下側になる方の重なり部(例えば、17b,18b)に所定のマークが設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、電池パックにおいて、シートは、電池本体の各面のうち電極(例えば、電池端子7)を含む面である電極面に直交する各面を覆うように、折り曲げた状態で電池本体に取り付けられるものであってもよい。
【0011】
また、電池パックにおいて、シートは、電池本体に取り付けられた状態で、シートを電池本体の電極面に対向する面である電極対向面に固定するための固定部を含み、固定部は、折り曲げた状態で電池本体の電極対向面に固定されるものであってもよい。
【0012】
また、電池パックにおいて、シートは、シートのうちの固定部以外の部分である本体部が、電池本体の電極面に直交する各面を覆うように、折り曲げた状態で電池本体に取り付けられ、本体部は、電池本体に取り付けられた状態で、本体部の長手方向の両端部が互いに重なり合う本体側重なり部(例えば、シート4の重なり部分17a,17b)を含み、本体部の各本体側重なり部のうち、重なり合った状態で下側になる方の本体側重なり部(例えば、シート4の重なり部分17b)に所定のマークが設けられているものであってもよい。
【0013】
また、電池パックにおいて、シートは、固定部が電極対向面に固定された状態で、固定部の一部分(例えば、固定部31の重なり部分18b)と本体部の一部分(例えば、シート4の本体部の重なり部分18a)とが、固定部の部分の方が下側になるように重なり合い、固定部は、電極対向面に固定された状態で、本体部の一部分と重なる部分に所定のマークが設けられているものであってもよい。
【0014】
また、電池パックにおいて、シートは、合成樹脂を用いて作製した樹脂シートであってもよい。
【0015】
また、電池パックにおいて、樹脂シートは、樹脂成形によって作製され、各重なり部のうち重なり合った状態で下側になる方の重なり部に、所定形状のマークが印刷されているものであってもよい。
【0016】
また、電池パックにおいて、樹脂シートは、樹脂材料を打ち抜くことによって作製され、且つ、前記樹脂材料を打ち抜くことによって、各重なり部のうち重なり合った状態で下側になる方の重なり部に所定形状のマークが形成されるものであってもよい。
【0017】
本発明による携帯機器は、電池パックを備えた携帯機器(例えば、携帯電話機100)であって、電池パックは、電池本体と、電池本体を覆う外装部とを含み、外装部は、1枚の樹脂シートを折り曲げることによって形成され、樹脂シートは、折り曲げた状態で互いに重なり合う重なり部を有し、各重なり部のうち、重なり合った状態で下側になる方の重なり部に所定のマークが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、1枚のシートを折り曲げて電池本体に取り付けた電池パックにおいて、シートの各重なり部のうち、重なり合った状態で下側になる方の重なり部に所定のマークを設ける。従って、1枚のシートで電池本体を覆うことによって電池パックを作製する際の作業ミスを低減することができる。
【0019】
また、本発明において、シートに含まれる固定部を電池本体の電極対向面に固定するように構成すれば、シートを電池本体に電極面に直交する方向に対して固定することができる。
【0020】
また、本発明において、シートを樹脂成形によって作製し重なり部に所定形状のマークを印刷するように構成すれば、シートの各重なり部のうち重なり合った状態で下側になる方の重なり部に、容易に所定のマークを設けることができる。
【0021】
また、本発明において、樹脂材料を打ち抜きことによって所定形状のマークを形成するように構成すれば、シートの各重なり部のうち重なり合った状態で下側になる方の重なり部に、容易に所定のマークを設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による電池パックを備えた携帯機器の一例を示す斜視図である。図1に示すように、本実施の形態では、携帯機器が折畳式携帯電話機100である場合を例に説明する。また、図1は、折畳式携帯電話機100を開いた状態に相当する。なお、携帯機器は、携帯電話機に限らず、例えば、PHS等の携帯端末であってもよい。
【0023】
図1に示すように、折畳式携帯電話機100は、表示部20を含む表示部側筐体10と、複数のキーボタンを有する操作部40を含む操作部側筐体30とを含む。表示部側筐体10及び操作部側筐体30は、例えば、合成樹脂等を用いた剛性体によって作製される。また、表示部側筐体10と操作部側筐体30とは、開閉軸を有するヒンジ部11で回動可能に接続されている。なお、「回動」とは、ある軸に対して正逆方向に円運動できることをいう。本実施の形態では、折畳式携帯電話機100において、ヒンジ部11を軸として、例えば、表示部側筐体1を操作部側筐体3の側に閉じたり、開いたりすることができる。
【0024】
本実施の形態では、操作部側筐体30の各面のうち、操作部40が含まれる側の面を表面といい、表面に対向する面を裏面という。図1に示すように、操作部側筐体30は、裏面に電池パック50が取り付けられる。
【0025】
図2は、携帯電話機100の構成の例を示すブロック図である。図2に示すように、携帯電話機100は、電波の送受信を行うアンテナ110と、制御部121と、記憶部122と、無線通信部123と、操作部40と、表示部20と、カメラユニット(以下、「カメラ」という)126と、リンガ発生器127と、リンガ駆動部128と、音声出力用のスピーカ129と、音声入力用のマイクロフォン130とを備えている。
【0026】
制御部121は、例えばCPU(中央処理装置)と、図示しない各種の周辺回路とで構成され、携帯電話機100が備える各部の制御を行う機能を有する。
【0027】
記憶部122は、例えばRAM等の記憶媒体によって構成され、制御部121が実行する制御プログラム等の各種のデータが格納される。なお、記憶部122の一部がROMによって構成されていてもよく、ROM部分に制御プログラムが格納されていてもよい。
【0028】
無線通信部123は、所定の通信プロトコルに従って信号の変復調を行う機能を有する。具体的には、無線通信部123は、無線信号を、アンテナ110を介して受信して復調する処理を行う。また、無線通信部123は、制御部121から出力された信号を変調し、アンテナ110を介して無線信号を送信する処理を行う。
【0029】
操作部40は、例えば、電話番号の入力等を行うためのキーボタンによって構成される。操作部40は、ユーザの操作に応じた入力信号を制御部121に出力する機能を有する。
【0030】
表示部20は、例えばLCD(Liquid Cristal Display:液晶表示装置)によって構成され、携帯電話機100の折畳時に筐体の内側となる位置に配設される。表示部20には、例えば待ち受け画面や機能設定画面等が表示される。
【0031】
カメラ126は、例えばディジタルカメラが備える各種の機能を有し、被写体を撮像するCCD等の撮像素子や、撮像によって得た画像データを制御部121に出力する回路等を備えている。
【0032】
リンガ駆動部128は、制御部121の制御に従ってリンガ発生器127に駆動信号を出力する機能を有する。
【0033】
リンガ発生器127は、リンガ駆動部128からの駆動信号に従って、着信音を出力する機能を有する。
【0034】
図3及び図4は、電池パック50の構造を示す説明図である。図3は、電池本体の各面のうち電極が設けられている面(以下、電極面ともいう)の方向から電池パック50を見た図に相当する。また、図4は、電池本体の各面のうち電極面に対向する面(以下、電極対向面ともいう)の方向から電池パック50を見た図に相当する。
【0035】
図3及び図4に示すように、電池パック50は、電池本体15と、電池本体15を覆うシート4とを含む。本実施の形態において、電池本体15は、電池セル5と、保護回路基板(図示せず)と、ケース6とを含む。また、電池本体15の電極面21には、電極である電池端子7と、水没シール8と、電池パック50を操作部側筐体30の裏面の電池取付部に嵌め込んで固定するための本体嵌合リブ9とが含まれる。
【0036】
図3及び図4に示すように、電池パック50において、1枚のシート4が、折り曲げられた状態で電池本体15を覆うように取り付けられる。また、図3及び図4に示すように、電池パック50において、電池本体15の電極面21に直交する各面22a〜22dに巻き付けるように、1枚のシート4が、折り曲げられた状態で電池本体15に取り付けられる。
【0037】
また、図4に示すように、シート4は、電池本体15に取り付けられた状態で、シート4を電池本体15の電極対向面23で固定するための固定部31を含む。シート4は、固定部31が電池本体15の電極対向面23の被固定部32に固定されることによって、電極面21に直交する方向に対して固定される。なお、以下、シート4の部分のうち、固定部31以外の部分をシート4の本体部ともいう。
【0038】
図5は、シート4を開いて展開した状態を示す説明図である。本実施の形態において、シート4は、具体的には、合成樹脂を用いた薄板や樹脂フィルムを用いて作製される。例えば、シート4は、PET(ポリエチレンテレフタレート)等を用いた樹脂フィルムをラミネートした樹脂シートとして作製される。
【0039】
図5に示すように、シート4は、本体部に複数の折り曲げ部16a〜16dを含み、各折り曲げ部16a〜16dで折り曲げることによって、電池本体15を覆うように電池本体15に取り付けることができる。また、シート4は、固定部31に複数の折り曲げ部16e,16fを含み、各折り曲げ部16e,16fで折り曲げることによって、固定部31を電池本体15の電極対向面23の被固定部32に固定することができる。また、図5に示すように、シート4は、電池パック50の定格電圧や容量、各種注意書き等を表記する表記部(表示ラベル)3を含む。
【0040】
また、シート4は、各折り曲げ部16a〜16fで折り曲げた状態で、互いに重なり合う重なり部を含む。図6は、シート4の各重なり部を示す説明図である。図6に示すように、シート4の本体部を折り曲げて電池本体15の電極面21に直交する各面に22a〜22dに巻き付けるように取り付けると、シート4の本体部の長手方向の両端部17a,17bが互いに重なり合う。そして、シート4の本体部は、重なり部分17aと重なり部分17bとを貼り合わせることによって、電池本体15に取り付けられる。
【0041】
また、図6に示すように、シート4の固定部31を折り曲げて、固定部31を電池本体15の電極対向面23の被固定部32に取り付けると、固定部31の一部分18bがシート4の本体部の一部分18aと重なり合う。そして、シート4は、重なり部分18aと重なり部分18bとを貼り合わせ、固定部31を電極対向面23の被固定部32に取り付けることによって、電池本体15と電極面21に直交する方向に対して固定される。
【0042】
本実施の形態では、シート4の本体部の各重なり部分17a,17bのうち、一方の部分17bが他方の部分17aに対して下側になるように、重なり部分17a,17bの上下位置が決まっている。また、本実施の形態では、シート4の固定部31を電池本体15の電極対向面23の被固定部32に取り付ける場合に、固定部31の部分18bが本体部の重なり部分18aに対して下側になるように、重なり部分18a,18bの上下位置が決まっている。以下、シート4の各重なり部分17a,17b,18a,18bのうち、貼り合わせたときに下側になる方を下側重なり部分17b,18bともいう。また、貼り合わせたときに上側になる方を上側重なり部分17a,18aともいう。
【0043】
また、図5及び図6に示すように、シート4において、各重なり部分17a,17b,18a,18bのうちの下側重なり部分17b,18bには、所定のマーキング方法を用いてそれぞれマーク1,2が設けられている。
【0044】
次に、シート4の作製方法について説明する。本実施の形態において、シート4は、例えば、合成樹脂を用いて樹脂成形を行うことによって作製される。例えば、シート4は、図5及び図6に示すシート4の形状に合成樹脂を樹脂成形することによって作製される。また、シート4は、樹脂成形によって作製されると、表記部3に定格電圧や電池容量、各種注意書きが印刷される。この場合、シート4は、表記部3に各種情報が印刷されるとともに、各下側重なり部分17b,18bの位置に、所定形状(例えば、円形)のマーク1,2が同時印刷される。
【0045】
また、シート4は、例えば、合成樹脂を用いた薄板や樹脂フィルムの打ち抜きや切断を行うことによって作製される。例えば、シート4は、図5及び図6に示すシート4の形状に、薄板や樹脂フィルムを打ち抜いたり切断したりすることによって作製される。この場合、シート4は、各下側重なり部分17b,18bの位置に、所定形状(例えば、円形)の穴を打ち抜いたり切断したりすることによって、それぞれマーク1,2が形成される。
【0046】
次に、電池パック50の組み立て方法を説明する。図7及び図8は、電池パック50の組み立て方法を示す説明図である。図7は、電極面21の方向から電池パック50を見た図に相当する。図8は、電極対向面23の方向から電池パック50を見た図に相当する。なお、本実施の形態において、電池パック50は、例えば、工場の作業員によって組み立てられる。
【0047】
電池本体15は、電池セル5及び保護回路基板をケース6で固定することによって作製される。また、シート4は、本体部が各折り曲げ部16a〜16dで折り曲げられ、電池本体15の電極面21に直交する各面22a〜22dに巻き付けるように、電池本体15に取り付けられる。この場合、図7に示すように、シート4の本体部の各重なり部分17a,17bのうち、所定のマーク2が設けられている下側重なり部分17bが下側になるように、重なり部分17a,17bが貼り合わされて固定される。
【0048】
また、図8に示すように、シート4の固定部31が各折り曲げ部16e,16fで折り曲げられて、電池本体15の電池対向面23の被固定部32に取り付けられる。この場合、シート4の固定部31側の重なり部分18bと本体部側の重なり部分18aのうち、所定のマーク1が設けられている固定部31側の下側重なり部分18bが下側になるように、重なり部分18a,18bが貼り合わされて固定される。
【0049】
図9は、電池本体15にシート4を正しく取り付けた状態を示す説明図である。図9に示すように、各重なり部分17a,17b,18a,18bのうち、それぞれマーク1,2が設けられている側が下側になるなるように正しくシート4を取り付けると、各重なり部分10,11においてそれぞれマーク1,2が見えない状態となる。
【0050】
また、図10は、電池本体15にシート4を誤った状態で取り付けた場合の例を示す説明図である。図10に示すように、各重なり部分17a,17b,18a,18bのうち、誤ってマーク1,2が設けられている側を上側にして取り付けると、各重なり部分10,11においてそれぞれマーク1,2が見える状態となってしまう。
【0051】
図9及び図10に示すように、電池パック50を組み立てる際に、電池本体15にシート4を取り付けた状態で、それぞれマーク1,2が見えるか否かを確認することによって、シート4を正しく取り付けたか誤った取り付け方をしたかを容易に判断することができる。
【0052】
以上のように、本実施の形態によれば、1枚のシート4を折り曲げて電池本体15に取り付けて作製する電池パック50において、シート4の各重なり部分17a,17b,18a,18bのうち、重なり合った状態で下側になる方の重なり部分17b,18bに所定のマーク1,2を設ける。そのようにすることによって、電池本体15にシート4を正しく取り付けた場合には、各マーク1,2が外見上隠れて見えなくなるので、シート4を正しく取り付けたと容易に判断することができる。また、重なり部分の上下位置を誤って取り付けた場合には、各マーク1,2が外見上見えた状態となるので、シート4を誤って取り付けたことを容易に判断することができる。従って、1枚のシートで電池本体を覆うことによって電池パックを作製する際の作業ミスを低減することができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、シート4の下側重なり部分17b,18bに丸形形状のマーク1,2を設ける場合を例に説明したが、マーク1,2の形状は、丸形形状に限られない。例えば、シート4の下側重なり部分17b,18bに、矩形形状や楕円形状のマークを設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、電池パックを取り付けて用いる携帯電話機等の携帯機器に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明による電池パックを備えた携帯機器の一例を示す斜視図である。
【図2】携帯電話機の構成の例を示すブロック図である。
【図3】電池本体15の電極面の方向から見た電池パック50の構造を示す説明図である。
【図4】電池本体15の電極対向面の方向から見た電池パック50の構造を示す説明図である。
【図5】シート4を開いて展開した状態を示す説明図である。
【図6】シート4の各重なり部を示す説明図である。
【図7】電池本体15の電極面の方向から見た電池パック50の組み立て方法を示す説明図である。
【図8】電池本体15の電極対向面の方向から見た電池パック50の組み立て方法を示す説明図である。
【図9】電池本体15にシート4を正しく取り付けた状態を示す説明図である。
【図10】電池本体15にシート4を誤った状態で取り付けた場合の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1,2 マーク
3 表記部
4 シート
5 電池セル
6 ケース
7 電池端子
8 水没シール
9 本体嵌合リブ
10 表示部側筐体
11 ヒンジ部
15 電池本体
16a,16b,16c,16d,16e,16f 折り曲げ部
17a,17b,18a,18b,10,11 重なり部
20 表示部
21 電極面
23 電極対向面
31 固定部
32 被固定部
30 操作部側筐体
40 操作部
50 電池パック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池本体と、
前記電池本体を覆う外装部とを備え、
前記外装部は、1枚のシートを折り曲げることによって形成され、
前記シートは、折り曲げた状態で互いに重なり合う重なり部を含み、
前記各重なり部のうち、重なり合った状態で下側になる方の重なり部に所定のマークが設けられている
ことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
シートは、電池本体の各面のうち電極を含む面である電極面に直交する各面を覆うように、折り曲げた状態で前記電池本体に取り付けられる請求項1記載の電池パック。
【請求項3】
シートは、電池本体に取り付けられた状態で、当該シートを電池本体の電極面に対向する面である電極対向面に固定するための固定部を含み、
前記固定部は、折り曲げた状態で前記電池本体の電極対向面に固定される
請求項2記載の電池パック。
【請求項4】
シートは、当該シートのうちの固定部以外の部分である本体部が、電池本体の電極面に直交する各面を覆うように、折り曲げた状態で前記電池本体に取り付けられ、
前記本体部は、前記電池本体に取り付けられた状態で、当該本体部の長手方向の両端部が互いに重なり合う本体側重なり部を含み、
前記本体部の各本体側重なり部のうち、前記重なり合った状態で下側になる方の本体側重なり部に所定のマークが設けられている
請求項3記載の電池パック。
【請求項5】
シートは、固定部が電極対向面に固定された状態で、前記固定部の一部分と本体部の一部分とが、前記固定部の部分の方が下側になるように重なり合い、
前記固定部は、前記電極対向面に固定された状態で、前記本体部の一部分と重なる部分に所定のマークが設けられている
請求項4記載の電池パック。
【請求項6】
シートは、合成樹脂を用いて作製した樹脂シートである請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項7】
樹脂シートは、
樹脂成形によって作製され、
各重なり部のうち重なり合った状態で下側になる方の重なり部に、所定形状のマークが印刷されている
請求項6記載の電池パック。
【請求項8】
樹脂シートは、
樹脂材料を打ち抜くことによって作製され、
且つ、前記樹脂材料を打ち抜くことによって、各重なり部のうち重なり合った状態で下側になる方の重なり部に所定形状のマークが形成される
請求項6記載の電池パック。
【請求項9】
電池パックを備えた携帯機器であって、
前記電池パックは、
電池本体と、
前記電池本体を覆う外装部とを含み、
前記外装部は、1枚の樹脂シートを折り曲げることによって形成され、
前記樹脂シートは、折り曲げた状態で互いに重なり合う重なり部を有し、
前記各重なり部のうち、重なり合った状態で下側になる方の重なり部に所定のマークが設けられている
ことを特徴とする携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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