電波発射源可視化装置及びその方法
【課題】電波を発射している物体を認識するために、カメラ画像上に、電波発射源を推定した結果を半透明又は電界強度の等高線で表示することにより、電波を発射している物体の認識が可能な電波発射源可視化装置を提供する。
【解決手段】基準のアンテナ、及び複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナで受信した電波を基に電波発射源を推定し波源画像を生成し、かつ電波発射源と推定される部分の環境を撮影するカメラと、カメラで撮影された環境画像に映された電波発射源と推定される部分を完全に遮ることなく、波源画像を合成して表示装置に表示し、電波発射源を認識する。
【解決手段】基準のアンテナ、及び複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナで受信した電波を基に電波発射源を推定し波源画像を生成し、かつ電波発射源と推定される部分の環境を撮影するカメラと、カメラで撮影された環境画像に映された電波発射源と推定される部分を完全に遮ることなく、波源画像を合成して表示装置に表示し、電波発射源を認識する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不法電波や不要輻射等の電波の発射源を推定して、その位置を可視化して表示する電波発射源可視化装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不法電波や不要輻射等の電波発射源を探査して可視化するため、電波発射源可視化装置が使用されている。その一般的な手法は、複数のアンテナ素子を平面上に配列した方探アンテナで電波を受信し、受信した電波を用いて電波到来方向を推定し、可視化処理するシステムである。電波到来方向の推定結果は画面上に表示されるか、または推定値(仰角、方位角)が呈示される。例えば、特許文献1には、ホログラフィの原理に基いて波源画像を可視化するため、フーリエ変換によるスペクトルを得る例が記載されている。
【0003】
一方、電波発射源の推定結果は、電界強度の分布として表示されるため、この場合では、電波の到来方向が分っても、どの場所から電波が到来しているかを認識することが困難であった。また、カメラで電波発射源の周辺を撮影し、撮影したカメラ画像上に電波到来方向の推定結果を重ねて表示する試みも成されているが、推定結果を電界強度の分布としてカメラ画像上に表示するだけでは電波を発射している物体を認識することは難しい状況にあった。
【特許文献1】特開平9−134113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電波発射源可視化装置は、電波到来方向の推定結果を電界強度の分布として表示するだけであるため、どの場所から電波が到来しているかを認識することが困難であった。
【0005】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、電波を発射している物体を認識するため、カメラ画像上に、電波発射源を推定した結果を半透明又は電界強度の等高線等で表示することにより、電波を発射している物体の認識が可能な電波発射源可視化装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電波発射源可視化装置は、基準のアンテナで受信した電波及び複数のアンテナ素子で順次受信した電波を基に電波発射源を推定し、波源画像を生成する演算処理部と;前記電波発射源と推定される部分の環境を撮影する撮影手段と;前記撮影手段で撮影された環境画像に映された電波発射源と推定される部分を完全に遮ることなく、前記環境画像と前記波源画像とを合成して表示する表示装置と;を具備したものである。
【0007】
また、本発明の電波発射源可視化方法は、基準のアンテナで受信した電波信号と複数のアンテナ素子で順次受信した電波信号を基に演算処理を行い、電波発射源を推定して波源画像を生成し;前記電波発射源と推定される部分の環境を撮影し;前記撮影された環境画像に映された電波発射源と推定される部分を完全に遮ることなく、前記環境画像と前記波源画像とを合成し;前記合成された画像を表示手段に表示して前記電波発射源を認識するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カメラで撮影した画像に、電波発射源の推定結果を可視化して半透明又は等高線で表示することにより、電波発射源と推定される部分の画像が隠されることがないため、容易に電波を発射している物体を認識することが可能な電波発射源可視化装置及びその方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の電波発射源可視化装置の全体構成を示すブロック図である。図1の電波発射源可視化装置100は、概略的には電波発射源(以下、波源と称す)を推定して可視化し、波源画像を生成する第1の系統と、波源部の環境を撮影するカメラを有し、カメラで撮影した環境画像を処理する第2の系統と、それら第1,第2の系統からの両画像を合成し、環境画像に電波発射源を推定した波源画像を重ねて表示する表示装置とから構成される。
【0011】
前記第1の系統は、アレーアンテナ11、アンテナ切り換え部12、受信部13,14、周波数変換器15、A/D変換部16、及び波源を推定し可視化するための演算処理部17を有し、前記第2の系統は、アレーアンテナ11に取付けたカメラ21と、カメラ21で撮影した映像信号を処理する映像信号処理部22とを有し、前記演算処理部17からの出力画像と映像信号処理部22で処理されたカメラ画像とを合成処理部30で合成して表示装置40に表示するようにしている。
【0012】
アレーアンテナ11は、縦横方向に二次元的に配列した複数(例えば縦6個×横6個)のアンテナ素子111〜11n(例えばダイポールアンテナ)を有し、そのいずれか1つを基準のアンテナとしている。あるいは、基準アンテナをアレーアンテナ11とは別に設けても良い。
【0013】
基準のアンテナで受信した電波は第1の受信部13に供給され、他の複数のアンテナ素子で受信した電波は、アンテナ切り換え部12で順次に切り換え選択され、第2の受信部14に供給される。第1,第2の受信部13,14で受信した電波は、周波数変換器15で中間周波数(IF周波数)に変換し、周波数変換後の信号をA/D変換器16でデジタル信号に変換する。
【0014】
その後、演算処理部17で演算処理を行い、波源の推定を行い可視化する。演算処理部17は、演算部18と、CPU19、メモリ20を含み、演算部18は、アレーアンテナ11で受信した信号の周波数スペクトルを解析するスペクトル解析部と波源推定部を含み、スペクトル解析部は、各受信部で受信した信号を周波数軸上の信号に変換し、周波数スペクトルを解析することにより、受信信号の周波数を推定する。また、波源推定部は、基準のアンテナと他の複数のアンテナ素子で受信した電波の振幅や位相情報の相関関数を計算し、FFT(高速フーリエ変換)処理することにより、位置を推定して可視化するもので、例えば電波ホログラフィ法が用いられる。
【0015】
一方、本発明では、アレーアンテナ11に撮影手段としてビデオカメラ21を装着し、波源と推定される部分の環境を撮影可能にしている。撮影したカメラ画像(環境画像)は、映像信号処理部22で画像の取り込みを行い、合成処理部30に出力する。表示装置40では、カメラ画像の表示を行うとともに、演算処理部17で波源を可視化した画像(以下、波源画像と称す)を重ねて表示することにより、電波を発射している場所を認識可能にする。
【0016】
次に、波源画像とカメラ画像との表示方法について説明する。例えば、電波の到来方向の推定結果を電界強度の分布図としてカメラ画像上に重ねて表示した場合、単純な重ね表示では、カメラ画像の一部が波源画像(分布図)の下に隠れて見えなくなるため、電波を発射している物体(電波発射源)を認識することは難しい。そこで、本発明ではカメラ画像上に、波源画像を半透明または等高線等で重ね表示し、波源画像とカメラ画像の両方を視認できるようにしている。
【0017】
図2は、本発明の電波発射源可視化装置における動作の概略を示すフローチャートである。先ず、ステップS1で動作が開始され、電波を発射していると思われる地点にアレーアンテナ11を向ける。ステップS2ではアレーアンテナ11で電波を受信する。それと同時に、カメラ21で電波発射源と思われる部分の環境を撮影する。アレーアンテナ11で受信した電波は、ステップS3で順次、周波数変換部15によって周波数変換され、ステップS4でA/D変換部16によってデジタル信号に変換される。
【0018】
さらにステップS5では、演算処理部17によって電波を可視化するための演算処理を行い、波源の推定を行う。その後、ステップS6では、波源の推定結果を基に波源画像を生成し、半透明表示、又は等高線表示処理して出力する。
【0019】
一方、アレーアンテナ11で電波の受信を開始すると同時に、ステップS7では、カメラ21で波源と思われる部分の環境(測定環境)を撮影する。カメラ21での環境の撮影後、ステップS8では、カメラ画像データを映像信号処理部22へ転送し、ステップS9では映像信号処理部22でカメラ画像の取り込みを行い、ゆがみ補正処理を行う。ゆがみ補正は、撮影した画像の周辺部が縮む傾向にあるため、それを補正するものである。そしてステップS10において、波源の推定結果によって生成された波源画像と、ゆがみ補正後のカメラ画像を重ね合わせ、ステップS11ではカメラ画像に波源画像を半透明表示、又は等高線表示にて重ね合わせ表示する。これにより、電波を発射している物体の認識が可能となる(ステップS12)。
【0020】
図3は、電波到来方向の推定結果を半透明表示した例を示し、図4は、等高線表示した例を示している。
【0021】
図3において、カメラ21で撮影された環境画像を41として示し、波源を可視化した画像が波源画像42として重ね表示されている。波源画像42は、受信電波の電界強度の強い部分を可視化したもので、半透明処理を行うことにより、波源画像42の背景部分が完全に隠れることなく表示されるので、電波を発射している物体(電波発射源)43を認識することが可能となる。この例ではビルの屋上に物体43があることを示している。
【0022】
また、図4の例では、カメラ21で撮影された環境画像41に、波源画像42が重ね表示されているが、受信電波の電界強度の強さを等高線で表示しているため、波源画像42の背景部分が完全に隠れることなく表示されるので、電波を発射している物体43を視認することが可能となる。
【0023】
このように、本発明では、カメラ21で撮影された環境画像41に映された電波発射源と推定される部分43を完全に遮ることなく、環境画像41と波源画像42を重ねて表示することができる。
【0024】
図5は、従来の波源推定結果の表示例を参考に示したものである。この場合は、画面上の黒い部分44が電界強度の強い部分であり、この部分が電波の到来方向であると推定できるが、電波を発射している物体を認識することは難しい。
【0025】
図6は、波源画像42を半透明表示する場合の処理を示すものである。演算処理部17によって生成された波源画像と映像処理部22によって処理されたカメラ画像は、合成処理部30によって合成処理されるが、その合成比率は、例えば図6のように設定される。
【0026】
表示装置40の画面上でのカメラ画像41の色の配合はRGBの3種類とし、256段階(0〜255)の階調表示とする。この場合、カメラ画像41のR,G,Bのレベルを100,100,100とし、波源画像42を赤色で表示するものとし、波源画像42のR,G,Bのレベルをそれぞれ255、0、0としている。そして、カメラ画像41と波源画像42をRGBごとに特定の割合(例えば7:3)で混合して表示すると、合成画像のR,G,Bのレベルは、それぞれ146,70,70となり、2つの画像が重ね表示される。これにより、波源画像42が半透明の画像として表示され、図3で示したように電波を発射している物体43が透けて見えるようになる。
【0027】
次に、等高線表示を行う場合の処理について図7〜図11を参照して説明する。
【0028】
例えば、図7のように波源の電界強度のピーク値をレベル100とし、等高線の本数を5本で表示する場合を想定すると、電界強度90%、80%,70%,60%,50%のレベルにそれぞれスレッショルドレベルを設定し、各スレッショルドレベルにある電界強度のポイントを等高線で結ぶと、電界強度の強い部分を5段階の等高線で表示することができる。尚、図7において、Azは方位角(Azimuth)を示し、Elは仰角(Elevation)を示している。
【0029】
即ち、先ず、図8で示すように、電波発射源の推定結果を表示する部分を、二次元方向に複数の細かい領域に分けるようにメッシュMを設定する。各メッシュの交点、つまり分割領域の四隅部分における電界強度値はメモリ20にそれぞれ記憶されるため、各分割領域の四隅の座標に相当するメモリアドレスに記憶されているデータを読み出すことにより、分割領域の4辺内の電界強度値を求めることができる。
【0030】
次に、等高線の本数、及び各等高線として示す電界強度のスレッシュレベルを設定する。図9はある電界強度に着目し、各分割領域の4辺に求める電界強度があるか否かを計算する例を示している。分割領域の四隅に推定結果の数値g(x)がある。xは表示画面の座標(x,y)を示す。例えば、g(A)=8、g(B)=13、g(C)=11、g(D)=15とし、分割領域中にg(x)=10の等高線を引く場合を考える。先ずg(A)=8、g(B)=13なので、AB間には、g(x)=10なる点が存在する。この点の座標を直線近似で求め、座標pとする。また、g(A)=8、g(C)=11なのでAC間にはg(x)=10なる点が存在する。この点の座標を直線近似で求め、座標点sとする。BD,CD間は、g(x)=10なる点は存在しない。したがって座標点p,sを結んで線を描けばg(x)=10の等高線を生成することができる。
【0031】
以下同様にして他の分割領域を順次指定しg(x)=10の点を結ぶ線を描くことにより、図10で示すように各分割領域に等高線の画像を表示することができる。図10は、分割領域の集合図の一部分を示すが、図8の全ての領域について同様の処理を行うことにより、求める電界強度の等高線を描くことができる。こうして1本の等高線の作成が終了すると、次の電界強度、例えばg(x)=11を設定し、上記のアルゴリズムで等高線を描くことにより、図4で示したように複数の等高線図が生成される。
【0032】
上記、等高線の描画処理はCPU19の制御のもとに、メモリ20からのデータの読み出しが行われ、演算部18によって演算処理されて、等高線にて示される波源像42が作成される。
【0033】
図11は、以上述べた等高線の作成処理の動作を説明するフローチャートである。先ず、ステップS21で動作が開始され、ステップS22では、波源の推定結果を表示する画面を複数のマトリクス状のメッシュによって複数の領域に区分する。次にステップS23では、等高線の本数と、各等高線が示す電界強度を設定し、ステップS24にて最初の電界強度を指定する。
【0034】
次のステップS25ではメッシュで分割された最初の領域(例えば最も左上の領域)を指定し、ステップS26において、図9で説明した手順により等高線を描画する。ステップS27は全ての領域について等高線の描画処理が終了したか否かを判別するもので、全ての領域についての処理が終了しない場合は、ステップS28で次の領域を指定する。
【0035】
ステップS26,S27,S28のループにより全ての領域について最初の電界強度での等高線の描画処理を終了すると次のステップS29では、設定した全ての電解強度での等高線の描画処理が終了したか否かが判別され、設定した全ての電界強度での等高線の描画処理が終了していない場合は、ステップS30において次の電界強度を設定して、以下、ステップS25〜S29及びS30のループにより、設定した全ての電界強度での等高線の描画処理が終了するとステップS31にて等高線表示を完成する。
【0036】
このように、本発明では、電波発射源の推定結果を可視化して半透明で波源画像を表示することにより、その背景にあるカメラ画像を透視して観たり、又は等高線で波源画像を表示することにより、背景のカメラ画像を殆ど遮ることなく観察することができ、電波発射源を容易に認識することが可能な電波発射源可視化装置及びその方法を提供することができる。
【0037】
尚、以上の説明に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、上記した半透明処理では、カメラ画像と波源画像との合成比率を7:3とし、カメラ画像を濃く表示する例を述べたが、5:5にして両者均等の濃度で表示したり、3:7のように波源画像を濃く表示することも可能である。また、等高線の間隔や本数も、波源からの電界強度に応じて任意に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の電波発射源可視化装置の一実施形態を示す全体構成図。
【図2】同実施形態における電波発射源可視化装置の動作の概略を説明するフローチャート。
【図3】同実施形態における波源の推定結果を可視化して半透明処理して表示した一例を説明する説明図。
【図4】同実施形態における波源の推定結果を可視化して等高線で表示した例を説明する説明図。
【図5】従来の電波発射源可視化装置での波源の推定結果を可視化表示した例を説明する説明図。
【図6】本発明における、波源の推定結果を可視化した画像とカメラ画像との合成処理を説明する説明図。
【図7】本発明における、波源の推定結果を可視化して等高線表示する際の動作を説明する説明図。
【図8】本発明における、波源の推定結果を可視化して等高線表示する際の画面の細分化領域を説明する説明図。
【図9】等高線表示する際の細分化した1つの領域における等高線の作成処理を説明する説明図。
【図10】等高線の作成結果を説明する説明図。
【図11】等高線による波源画像の作成処理動作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0039】
100…電波発射源可視化装置
11…アレーアンテナ
12…アンテナ切り換え回路
13,14…受信部
15…周波数変換部
16…A/D変換部
17…演算処理部
18…演算部
19…CPU
20…メモリ
21…カメラ
22…映像信号処理部
30…合成処理部
40…表示装置
41…カメラ画像
42…波源画像
43…電波発射源
【技術分野】
【0001】
本発明は、不法電波や不要輻射等の電波の発射源を推定して、その位置を可視化して表示する電波発射源可視化装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不法電波や不要輻射等の電波発射源を探査して可視化するため、電波発射源可視化装置が使用されている。その一般的な手法は、複数のアンテナ素子を平面上に配列した方探アンテナで電波を受信し、受信した電波を用いて電波到来方向を推定し、可視化処理するシステムである。電波到来方向の推定結果は画面上に表示されるか、または推定値(仰角、方位角)が呈示される。例えば、特許文献1には、ホログラフィの原理に基いて波源画像を可視化するため、フーリエ変換によるスペクトルを得る例が記載されている。
【0003】
一方、電波発射源の推定結果は、電界強度の分布として表示されるため、この場合では、電波の到来方向が分っても、どの場所から電波が到来しているかを認識することが困難であった。また、カメラで電波発射源の周辺を撮影し、撮影したカメラ画像上に電波到来方向の推定結果を重ねて表示する試みも成されているが、推定結果を電界強度の分布としてカメラ画像上に表示するだけでは電波を発射している物体を認識することは難しい状況にあった。
【特許文献1】特開平9−134113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電波発射源可視化装置は、電波到来方向の推定結果を電界強度の分布として表示するだけであるため、どの場所から電波が到来しているかを認識することが困難であった。
【0005】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、電波を発射している物体を認識するため、カメラ画像上に、電波発射源を推定した結果を半透明又は電界強度の等高線等で表示することにより、電波を発射している物体の認識が可能な電波発射源可視化装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電波発射源可視化装置は、基準のアンテナで受信した電波及び複数のアンテナ素子で順次受信した電波を基に電波発射源を推定し、波源画像を生成する演算処理部と;前記電波発射源と推定される部分の環境を撮影する撮影手段と;前記撮影手段で撮影された環境画像に映された電波発射源と推定される部分を完全に遮ることなく、前記環境画像と前記波源画像とを合成して表示する表示装置と;を具備したものである。
【0007】
また、本発明の電波発射源可視化方法は、基準のアンテナで受信した電波信号と複数のアンテナ素子で順次受信した電波信号を基に演算処理を行い、電波発射源を推定して波源画像を生成し;前記電波発射源と推定される部分の環境を撮影し;前記撮影された環境画像に映された電波発射源と推定される部分を完全に遮ることなく、前記環境画像と前記波源画像とを合成し;前記合成された画像を表示手段に表示して前記電波発射源を認識するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カメラで撮影した画像に、電波発射源の推定結果を可視化して半透明又は等高線で表示することにより、電波発射源と推定される部分の画像が隠されることがないため、容易に電波を発射している物体を認識することが可能な電波発射源可視化装置及びその方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の電波発射源可視化装置の全体構成を示すブロック図である。図1の電波発射源可視化装置100は、概略的には電波発射源(以下、波源と称す)を推定して可視化し、波源画像を生成する第1の系統と、波源部の環境を撮影するカメラを有し、カメラで撮影した環境画像を処理する第2の系統と、それら第1,第2の系統からの両画像を合成し、環境画像に電波発射源を推定した波源画像を重ねて表示する表示装置とから構成される。
【0011】
前記第1の系統は、アレーアンテナ11、アンテナ切り換え部12、受信部13,14、周波数変換器15、A/D変換部16、及び波源を推定し可視化するための演算処理部17を有し、前記第2の系統は、アレーアンテナ11に取付けたカメラ21と、カメラ21で撮影した映像信号を処理する映像信号処理部22とを有し、前記演算処理部17からの出力画像と映像信号処理部22で処理されたカメラ画像とを合成処理部30で合成して表示装置40に表示するようにしている。
【0012】
アレーアンテナ11は、縦横方向に二次元的に配列した複数(例えば縦6個×横6個)のアンテナ素子111〜11n(例えばダイポールアンテナ)を有し、そのいずれか1つを基準のアンテナとしている。あるいは、基準アンテナをアレーアンテナ11とは別に設けても良い。
【0013】
基準のアンテナで受信した電波は第1の受信部13に供給され、他の複数のアンテナ素子で受信した電波は、アンテナ切り換え部12で順次に切り換え選択され、第2の受信部14に供給される。第1,第2の受信部13,14で受信した電波は、周波数変換器15で中間周波数(IF周波数)に変換し、周波数変換後の信号をA/D変換器16でデジタル信号に変換する。
【0014】
その後、演算処理部17で演算処理を行い、波源の推定を行い可視化する。演算処理部17は、演算部18と、CPU19、メモリ20を含み、演算部18は、アレーアンテナ11で受信した信号の周波数スペクトルを解析するスペクトル解析部と波源推定部を含み、スペクトル解析部は、各受信部で受信した信号を周波数軸上の信号に変換し、周波数スペクトルを解析することにより、受信信号の周波数を推定する。また、波源推定部は、基準のアンテナと他の複数のアンテナ素子で受信した電波の振幅や位相情報の相関関数を計算し、FFT(高速フーリエ変換)処理することにより、位置を推定して可視化するもので、例えば電波ホログラフィ法が用いられる。
【0015】
一方、本発明では、アレーアンテナ11に撮影手段としてビデオカメラ21を装着し、波源と推定される部分の環境を撮影可能にしている。撮影したカメラ画像(環境画像)は、映像信号処理部22で画像の取り込みを行い、合成処理部30に出力する。表示装置40では、カメラ画像の表示を行うとともに、演算処理部17で波源を可視化した画像(以下、波源画像と称す)を重ねて表示することにより、電波を発射している場所を認識可能にする。
【0016】
次に、波源画像とカメラ画像との表示方法について説明する。例えば、電波の到来方向の推定結果を電界強度の分布図としてカメラ画像上に重ねて表示した場合、単純な重ね表示では、カメラ画像の一部が波源画像(分布図)の下に隠れて見えなくなるため、電波を発射している物体(電波発射源)を認識することは難しい。そこで、本発明ではカメラ画像上に、波源画像を半透明または等高線等で重ね表示し、波源画像とカメラ画像の両方を視認できるようにしている。
【0017】
図2は、本発明の電波発射源可視化装置における動作の概略を示すフローチャートである。先ず、ステップS1で動作が開始され、電波を発射していると思われる地点にアレーアンテナ11を向ける。ステップS2ではアレーアンテナ11で電波を受信する。それと同時に、カメラ21で電波発射源と思われる部分の環境を撮影する。アレーアンテナ11で受信した電波は、ステップS3で順次、周波数変換部15によって周波数変換され、ステップS4でA/D変換部16によってデジタル信号に変換される。
【0018】
さらにステップS5では、演算処理部17によって電波を可視化するための演算処理を行い、波源の推定を行う。その後、ステップS6では、波源の推定結果を基に波源画像を生成し、半透明表示、又は等高線表示処理して出力する。
【0019】
一方、アレーアンテナ11で電波の受信を開始すると同時に、ステップS7では、カメラ21で波源と思われる部分の環境(測定環境)を撮影する。カメラ21での環境の撮影後、ステップS8では、カメラ画像データを映像信号処理部22へ転送し、ステップS9では映像信号処理部22でカメラ画像の取り込みを行い、ゆがみ補正処理を行う。ゆがみ補正は、撮影した画像の周辺部が縮む傾向にあるため、それを補正するものである。そしてステップS10において、波源の推定結果によって生成された波源画像と、ゆがみ補正後のカメラ画像を重ね合わせ、ステップS11ではカメラ画像に波源画像を半透明表示、又は等高線表示にて重ね合わせ表示する。これにより、電波を発射している物体の認識が可能となる(ステップS12)。
【0020】
図3は、電波到来方向の推定結果を半透明表示した例を示し、図4は、等高線表示した例を示している。
【0021】
図3において、カメラ21で撮影された環境画像を41として示し、波源を可視化した画像が波源画像42として重ね表示されている。波源画像42は、受信電波の電界強度の強い部分を可視化したもので、半透明処理を行うことにより、波源画像42の背景部分が完全に隠れることなく表示されるので、電波を発射している物体(電波発射源)43を認識することが可能となる。この例ではビルの屋上に物体43があることを示している。
【0022】
また、図4の例では、カメラ21で撮影された環境画像41に、波源画像42が重ね表示されているが、受信電波の電界強度の強さを等高線で表示しているため、波源画像42の背景部分が完全に隠れることなく表示されるので、電波を発射している物体43を視認することが可能となる。
【0023】
このように、本発明では、カメラ21で撮影された環境画像41に映された電波発射源と推定される部分43を完全に遮ることなく、環境画像41と波源画像42を重ねて表示することができる。
【0024】
図5は、従来の波源推定結果の表示例を参考に示したものである。この場合は、画面上の黒い部分44が電界強度の強い部分であり、この部分が電波の到来方向であると推定できるが、電波を発射している物体を認識することは難しい。
【0025】
図6は、波源画像42を半透明表示する場合の処理を示すものである。演算処理部17によって生成された波源画像と映像処理部22によって処理されたカメラ画像は、合成処理部30によって合成処理されるが、その合成比率は、例えば図6のように設定される。
【0026】
表示装置40の画面上でのカメラ画像41の色の配合はRGBの3種類とし、256段階(0〜255)の階調表示とする。この場合、カメラ画像41のR,G,Bのレベルを100,100,100とし、波源画像42を赤色で表示するものとし、波源画像42のR,G,Bのレベルをそれぞれ255、0、0としている。そして、カメラ画像41と波源画像42をRGBごとに特定の割合(例えば7:3)で混合して表示すると、合成画像のR,G,Bのレベルは、それぞれ146,70,70となり、2つの画像が重ね表示される。これにより、波源画像42が半透明の画像として表示され、図3で示したように電波を発射している物体43が透けて見えるようになる。
【0027】
次に、等高線表示を行う場合の処理について図7〜図11を参照して説明する。
【0028】
例えば、図7のように波源の電界強度のピーク値をレベル100とし、等高線の本数を5本で表示する場合を想定すると、電界強度90%、80%,70%,60%,50%のレベルにそれぞれスレッショルドレベルを設定し、各スレッショルドレベルにある電界強度のポイントを等高線で結ぶと、電界強度の強い部分を5段階の等高線で表示することができる。尚、図7において、Azは方位角(Azimuth)を示し、Elは仰角(Elevation)を示している。
【0029】
即ち、先ず、図8で示すように、電波発射源の推定結果を表示する部分を、二次元方向に複数の細かい領域に分けるようにメッシュMを設定する。各メッシュの交点、つまり分割領域の四隅部分における電界強度値はメモリ20にそれぞれ記憶されるため、各分割領域の四隅の座標に相当するメモリアドレスに記憶されているデータを読み出すことにより、分割領域の4辺内の電界強度値を求めることができる。
【0030】
次に、等高線の本数、及び各等高線として示す電界強度のスレッシュレベルを設定する。図9はある電界強度に着目し、各分割領域の4辺に求める電界強度があるか否かを計算する例を示している。分割領域の四隅に推定結果の数値g(x)がある。xは表示画面の座標(x,y)を示す。例えば、g(A)=8、g(B)=13、g(C)=11、g(D)=15とし、分割領域中にg(x)=10の等高線を引く場合を考える。先ずg(A)=8、g(B)=13なので、AB間には、g(x)=10なる点が存在する。この点の座標を直線近似で求め、座標pとする。また、g(A)=8、g(C)=11なのでAC間にはg(x)=10なる点が存在する。この点の座標を直線近似で求め、座標点sとする。BD,CD間は、g(x)=10なる点は存在しない。したがって座標点p,sを結んで線を描けばg(x)=10の等高線を生成することができる。
【0031】
以下同様にして他の分割領域を順次指定しg(x)=10の点を結ぶ線を描くことにより、図10で示すように各分割領域に等高線の画像を表示することができる。図10は、分割領域の集合図の一部分を示すが、図8の全ての領域について同様の処理を行うことにより、求める電界強度の等高線を描くことができる。こうして1本の等高線の作成が終了すると、次の電界強度、例えばg(x)=11を設定し、上記のアルゴリズムで等高線を描くことにより、図4で示したように複数の等高線図が生成される。
【0032】
上記、等高線の描画処理はCPU19の制御のもとに、メモリ20からのデータの読み出しが行われ、演算部18によって演算処理されて、等高線にて示される波源像42が作成される。
【0033】
図11は、以上述べた等高線の作成処理の動作を説明するフローチャートである。先ず、ステップS21で動作が開始され、ステップS22では、波源の推定結果を表示する画面を複数のマトリクス状のメッシュによって複数の領域に区分する。次にステップS23では、等高線の本数と、各等高線が示す電界強度を設定し、ステップS24にて最初の電界強度を指定する。
【0034】
次のステップS25ではメッシュで分割された最初の領域(例えば最も左上の領域)を指定し、ステップS26において、図9で説明した手順により等高線を描画する。ステップS27は全ての領域について等高線の描画処理が終了したか否かを判別するもので、全ての領域についての処理が終了しない場合は、ステップS28で次の領域を指定する。
【0035】
ステップS26,S27,S28のループにより全ての領域について最初の電界強度での等高線の描画処理を終了すると次のステップS29では、設定した全ての電解強度での等高線の描画処理が終了したか否かが判別され、設定した全ての電界強度での等高線の描画処理が終了していない場合は、ステップS30において次の電界強度を設定して、以下、ステップS25〜S29及びS30のループにより、設定した全ての電界強度での等高線の描画処理が終了するとステップS31にて等高線表示を完成する。
【0036】
このように、本発明では、電波発射源の推定結果を可視化して半透明で波源画像を表示することにより、その背景にあるカメラ画像を透視して観たり、又は等高線で波源画像を表示することにより、背景のカメラ画像を殆ど遮ることなく観察することができ、電波発射源を容易に認識することが可能な電波発射源可視化装置及びその方法を提供することができる。
【0037】
尚、以上の説明に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、上記した半透明処理では、カメラ画像と波源画像との合成比率を7:3とし、カメラ画像を濃く表示する例を述べたが、5:5にして両者均等の濃度で表示したり、3:7のように波源画像を濃く表示することも可能である。また、等高線の間隔や本数も、波源からの電界強度に応じて任意に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の電波発射源可視化装置の一実施形態を示す全体構成図。
【図2】同実施形態における電波発射源可視化装置の動作の概略を説明するフローチャート。
【図3】同実施形態における波源の推定結果を可視化して半透明処理して表示した一例を説明する説明図。
【図4】同実施形態における波源の推定結果を可視化して等高線で表示した例を説明する説明図。
【図5】従来の電波発射源可視化装置での波源の推定結果を可視化表示した例を説明する説明図。
【図6】本発明における、波源の推定結果を可視化した画像とカメラ画像との合成処理を説明する説明図。
【図7】本発明における、波源の推定結果を可視化して等高線表示する際の動作を説明する説明図。
【図8】本発明における、波源の推定結果を可視化して等高線表示する際の画面の細分化領域を説明する説明図。
【図9】等高線表示する際の細分化した1つの領域における等高線の作成処理を説明する説明図。
【図10】等高線の作成結果を説明する説明図。
【図11】等高線による波源画像の作成処理動作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0039】
100…電波発射源可視化装置
11…アレーアンテナ
12…アンテナ切り換え回路
13,14…受信部
15…周波数変換部
16…A/D変換部
17…演算処理部
18…演算部
19…CPU
20…メモリ
21…カメラ
22…映像信号処理部
30…合成処理部
40…表示装置
41…カメラ画像
42…波源画像
43…電波発射源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準のアンテナで受信した電波及び複数のアンテナ素子で順次受信した電波を基に電波発射源を推定し、波源画像を生成する演算処理部と、
前記電波発射源と推定される部分の環境を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影された環境画像に映された電波発射源と推定される部分を完全に遮ることなく、前記環境画像と前記波源画像とを合成して表示する表示装置と、を具備してなる電波発射源可視化装置。
【請求項2】
前記環境画像と前記波源画像とを所定の比率で合成することにより、前記波源画像を半透明化して、前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1記載の電波発射源可視化装置。
【請求項3】
前記演算処理部は、複数段階の電界強度毎に設定された複数の等高線で表された波源画像を生成し、前記環境画像と前記等高線で表された波源画像を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1記載の電波発射源可視化装置。
【請求項4】
基準となるアンテナ素子と、二次元的に配置された複数のアンテナ素子とを有するアレーアンテナと、
前記基準のアンテナ素子で受信した電波と、前記複数のアンテナ素子で順次受信した電波を基に電波発射源を推定し、波源画像を生成する演算処理部と、
前記電波発射源と推定される部分の環境を撮影するカメラと、
前記カメラで撮影した映像を処理して環境画像を生成する映像信号処理部と、
前記環境画像に映された電波発射源と推定される部分を完全に遮ることなく、前記環境画像と前記波源画像とを合成して表示する表示装置と、を具備してなる電波発射源可視化装置。
【請求項5】
前記環境画像と前記波源画像とを所定の比率で合成する合成処理手段を有し、前記波源画像を半透明化して、前記表示装置に表示することを特徴とする請求項4記載の電波発射源可視化装置。
【請求項6】
前記演算処理部は、複数段階の電界強度毎に設定された複数の等高線で表された前記波源画像を生成し、前記環境画像に前記等高線で表された前記波源画像を合成して前記表示装置に表示することを特徴とする請求項4記載の電波発射源可視化装置。
【請求項7】
基準のアンテナで受信した電波信号と、複数のアンテナ素子で順次受信した電波信号を基に演算処理を行い、電波発射源を推定して波源画像を生成し、
前記電波発射源と推定される部分の環境を撮影し、
前記撮影された環境画像に映された電波発射源と推定される部分を完全に遮ることなく、前記環境画像と前記波源画像とを合成し、
前記合成された画像を表示手段に表示して前記電波発射源を認識するようにした電波発射源可視化方法。
【請求項8】
前記環境画像と前記波源画像とを所定の比率で合成し、前記波源画像を半透明化して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項7記載の電波発射源可視化方法。
【請求項9】
前記電波発射源を推定して、複数段階の電界強度毎に設定された等高線で表される波源画像を生成し、前記環境画像に前記等高線で表された波源画像を合成して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項7記載の電波発射源可視化方法。
【請求項10】
前記等高線で表された前記波源画像を生成する際に、前記波源画像を表示する領域を、二次元方向に複数の領域に分割し、各分割領域の交点に対応する位置の電界強度値をメモリに記憶し、各交点間で予め設定した電界強度値を有する座標の存在を算出し、算出した座標を結ぶことにより等高線を形成するようにしたことを特徴とする請求項9記載の電波発射源可視化方法。
【請求項11】
前記予め設定した電界強度値を複数の異なる値に設定することにより、複数段階の等高線を形成するようにしたことを特徴とする請求項10記載の電波発射源可視化方法。
【請求項1】
基準のアンテナで受信した電波及び複数のアンテナ素子で順次受信した電波を基に電波発射源を推定し、波源画像を生成する演算処理部と、
前記電波発射源と推定される部分の環境を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影された環境画像に映された電波発射源と推定される部分を完全に遮ることなく、前記環境画像と前記波源画像とを合成して表示する表示装置と、を具備してなる電波発射源可視化装置。
【請求項2】
前記環境画像と前記波源画像とを所定の比率で合成することにより、前記波源画像を半透明化して、前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1記載の電波発射源可視化装置。
【請求項3】
前記演算処理部は、複数段階の電界強度毎に設定された複数の等高線で表された波源画像を生成し、前記環境画像と前記等高線で表された波源画像を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1記載の電波発射源可視化装置。
【請求項4】
基準となるアンテナ素子と、二次元的に配置された複数のアンテナ素子とを有するアレーアンテナと、
前記基準のアンテナ素子で受信した電波と、前記複数のアンテナ素子で順次受信した電波を基に電波発射源を推定し、波源画像を生成する演算処理部と、
前記電波発射源と推定される部分の環境を撮影するカメラと、
前記カメラで撮影した映像を処理して環境画像を生成する映像信号処理部と、
前記環境画像に映された電波発射源と推定される部分を完全に遮ることなく、前記環境画像と前記波源画像とを合成して表示する表示装置と、を具備してなる電波発射源可視化装置。
【請求項5】
前記環境画像と前記波源画像とを所定の比率で合成する合成処理手段を有し、前記波源画像を半透明化して、前記表示装置に表示することを特徴とする請求項4記載の電波発射源可視化装置。
【請求項6】
前記演算処理部は、複数段階の電界強度毎に設定された複数の等高線で表された前記波源画像を生成し、前記環境画像に前記等高線で表された前記波源画像を合成して前記表示装置に表示することを特徴とする請求項4記載の電波発射源可視化装置。
【請求項7】
基準のアンテナで受信した電波信号と、複数のアンテナ素子で順次受信した電波信号を基に演算処理を行い、電波発射源を推定して波源画像を生成し、
前記電波発射源と推定される部分の環境を撮影し、
前記撮影された環境画像に映された電波発射源と推定される部分を完全に遮ることなく、前記環境画像と前記波源画像とを合成し、
前記合成された画像を表示手段に表示して前記電波発射源を認識するようにした電波発射源可視化方法。
【請求項8】
前記環境画像と前記波源画像とを所定の比率で合成し、前記波源画像を半透明化して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項7記載の電波発射源可視化方法。
【請求項9】
前記電波発射源を推定して、複数段階の電界強度毎に設定された等高線で表される波源画像を生成し、前記環境画像に前記等高線で表された波源画像を合成して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項7記載の電波発射源可視化方法。
【請求項10】
前記等高線で表された前記波源画像を生成する際に、前記波源画像を表示する領域を、二次元方向に複数の領域に分割し、各分割領域の交点に対応する位置の電界強度値をメモリに記憶し、各交点間で予め設定した電界強度値を有する座標の存在を算出し、算出した座標を結ぶことにより等高線を形成するようにしたことを特徴とする請求項9記載の電波発射源可視化方法。
【請求項11】
前記予め設定した電界強度値を複数の異なる値に設定することにより、複数段階の等高線を形成するようにしたことを特徴とする請求項10記載の電波発射源可視化方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−212241(P2007−212241A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−31392(P2006−31392)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(301029171)総務大臣 (9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(301029171)総務大臣 (9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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