説明

電源ボックス装置

【課題】電源回路装置及びジャンクションブロックを、車両に搭載する際のレイアウト設計を容易にできるようにすることを目的とする。
【解決手段】車両に搭載される電源ボックス装置20であって、電気部品を実装可能な電気部品実装部としてのリレー実装部44及びヒューズ実装部45と、ブロック側外部接続コネクタ部46と、ブロック内配線部50とを有するジャンクションブロック部30と、電源回路が組込まれた電源回路装置とを備える。ジャンクションブロック部30と電源回路装置50とが一体化されると共に、その一体化形態における一主面である背面を除く部分に、リレー実装部44及びヒューズ実装部45と、ブロック側外部接続コネクタ部46と、外部コネクタ接続用コネクタ部としての中継外部コネクタ部35とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両における電源回路及びその周辺部品を含む技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、アイドリングストップ車両の電源回路が開示されている。特許文献1では、バッテリから供給された電圧が電源安定化回路により昇圧されて、ECU(電子制御ユニット)等の電気部品に出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−52573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通常、電源安定化回路と電気部品との間には、リレー、ヒューズ等が介装されている。複数のリレー及び複数のヒューズは、ジャンクションブロックとしてユニット化された状態で、車両に搭載される。
【0005】
ところが、電源安定化回路を搭載した電源回路装置及び上記ジャンクションブロックには、コネクタ、又は。リレー或はヒューズ等の部品実装部が設けられている。このため、これらのコネクタ及び部品実装部の位置を考慮して、車両への電源回路装置及びジャンクションブロックの設置位置及び設置姿勢を考慮する必要があり、それらのレイアウト設計が面倒であるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、電源回路装置及びジャンクションブロックを、車両に搭載する際のレイアウト設計を容易にできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、第1の態様は、車両に搭載される電源ボックス装置であって、電気部品を実装可能な電気部品実装部と、ブロック側外部接続コネクタ部と、前記電気部品実装部に実装される電気部品と前記ブロック側外部接続コネクタ部に接続されるコネクタの端子とを電気的に接続するためのブロック内配線部とを有するジャンクションブロック部と、電源回路が組込まれた電源回路装置と、を備え、前記ジャンクションブロック部と前記電源回路装置とが一体化されると共に、その一体化形態における一主面を除く部分に、前記電気部品実装部と、前記ブロック側外部接続コネクタ部と、前記電源回路装置に対する外部のコネクタを接続するための外部コネクタ接続用コネクタ部とが設けられている。
【0008】
第2の態様は、第1の態様に係る電源ボックス装置であって、電源回路とブロック内配線部とが電気的に内部接続されている。
【0009】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る電源ボックス装置であって、前記ジャンクションブロック部と前記電源回路装置との一体化形態における他の1つの主面に、前記電気部品実装部と、前記ブロック側外部接続コネクタ部と、前記外部コネクタ接続用コネクタ部とが設けられている。
【0010】
第4の態様は、第1〜第3のいずれか1つの態様に係る電源ボックス装置であって、前記電源回路装置は、前記電源回路を収納する電源筐体を備え、前記ジャンクションブロック部に、前記一主面側に開口し、前記電源回路装置を収容可能な空間を有する電源回路装置収容部が設けられ、前記電源回路装置は、前記電源課入装置収容部の前記開口を通って前記電源回路装置収容部内に収容されている。
【0011】
第5の態様は、第4の態様に係る電源ボックス装置であって、前記電源回路装置は、前記電源回路装置収容部の前記開口を通じて外部に露出している。
【発明の効果】
【0012】
第1の態様に係る電源ボックス装置によると、前記ジャンクションブロック部と前記電源回路装置とが一体化されると共に、その一体化形態における一主面を除く部分に、前記電気部品実装部と、前記ブロック側外部接続コネクタ部と、前記電源回路装置に対する外部のコネクタを接続するための外部コネクタ接続用コネクタ部とが設けられている。このため、前記一主面を壁面等に向けて、車両における1箇所に電源ボックス装置を設置することができる。このため、電源回路装置及びジャンクションブロック部を、車両に搭載する際のレイアウト設計を容易に行える。
【0013】
第2の態様によると、電源回路とブロック内配線部とが電気的に内部接続されているため、電源回路装置及びジャンクションブロックを車両に搭載する際、それらの接続構成を考慮しなくともよいため、それらのレイアウト設計をより容易に行える。
【0014】
第3の態様によると、電源ボックス装置の前記他の1つの主面の前方に、外部コネクタ及び電気部品の接続作業スペース等を設ければよいため、レイアウト設計がより容易となる。
【0015】
第4の態様によると、前記電源回路装置を、前記電源回路装置収容部の前記開口を通って前記電源回路装置収容部内に容易に収容することができる。また、電源回路装置のうち前記他の一主面側は電源回路装置収容部によって覆われているため、電源回路装置を他から触れにくくすることができる。
【0016】
第5の態様によると、電源回路装置の放熱性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係る電源ボックス装置を示す正面図である。
【図2】同上の電源ボックス装置を示す分解側面図である。
【図3】電源回路装置の部分概略斜視図である。
【図4】電源ボックス装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】ブロック側一括コネクタ部及び中継部を示す正面図である。
【図6】図5のVI−VI線における概略図である。
【図7】図5のVII−VII線における概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係る電源ボックス装置について説明する。図1は電源ボックス装置20を示す正面図であり、図2は同電源ボックス装置20を示す分解側面図であり、図3は同電源ボックス装置20の電源回路装置50の部分概略斜視図であり、図4は同電源ボックス装置20の電気的構成を示すブロック図である。
【0019】
電源ボックス装置20は、車両に搭載されるものであり、ジャンクションブロック部30と電源回路装置50とを備えている。
【0020】
ここで、電源ボックス装置20の概略的な電気的な接続関係について説明しておく。電源回路装置50は、電源回路の一例として安定化電源回路22を有している(図4参照)。また、ジャンクションブロック部30は、リレー部品18及びヒューズ部品19等を搭載した部品である(図4では一部のみ図示)。もっとも、リレー部品18及びヒューズ部品19のいずれか一方だけが搭載されていてもよい。そして、車両におけるバッテリ等の電源からの電源線は、中継部34と、電源回路側外部接続コネクタ部57Aを介して電源回路装置50に接続される。電源線は、電源回路装置50内で安定化電源回路22に接続され、これにより、所定の電圧が出力されるようになる。また、電源回路装置50は、電源回路側内部接続コネクタ57Bとブロック側内部接続コネクタ部33Bとを介してとジャンクションブロック部30に接続される。ジャンクションブロック部30内では、電源線にリレー部品18或はヒューズ部品19が介装される。ジャンクションブロック部30は、後述するブロック側外部接続コネクタ部46、外部コネクタ16及び電線等を介して各種電気機器(車両に搭載された電子制御ユニット、各種モータ等)に接続される。なお、リレー部品18は、ブロック側外部接続コネクタ部46を介して入力される制御信号等に基づきオンオフ制御される。また、図4においては、2つの安定化電源回路22及び2系統の電源線を描いているが、これらは1系統であってもよいし、3つ以上の系統を含んでいてもよい。
【0021】
電源回路装置50についてより具体的に説明する。
【0022】
電源回路装置50は、電源回路の一例としての安定化電源回路22が組込まれた部品である(図4参照)。ここでは、電源回路装置50は、実装基板52と、電源筐体54と、電源回路側コネクタ部56を備えている。
【0023】
実装基板52には、安定化電源回路22を構成する電気部品が実装されると共に所定の回路パターンが京成されることで、実装基板52に安定化電源回路22が形成されている。
【0024】
電源筐体54は、実装基板52を収納可能な金属製或は樹脂製のケースであり、この電源筐体54内に実装基板52が収容固定されることで、安定化電源回路22が電源筐体54内に収容される。
【0025】
電源筐体54には、電源回路側コネクタ部56が設けられている。ここでは、電源回路側コネクタ部56は、電源筐体54の一主面に(図2では左面の上方部分)に、外向けに露出するように設けられている。より具体的には、電源回路側コネクタ部56の接続側開口は電源筐体54の外方に開口し、電源回路側コネクタ部56のその他の部分は電源筐体54内に埋設されている。もっとも、電源回路側コネクタ部56は電源筐体54から外方に突出するように設けられていてもよい。
【0026】
この電源回路側コネクタ部56は、複数(ここでは6つ)の端子を有しており、そのうちの一部(図3の右側の2つ)の端子は、電源入力用であり、残り(図3の中央及び左側の4つ)の端子57bは、電源出力用等として用いられる。これらの端子57a、57bは共通するコネクタハウジング56H内に配設されている。つまり、電源回路側コネクタ部56は、前記端子57aを含む、外部からの電源入力用の電源回路側外部接続コネクタ部57Aと、前記端子57bを含む、電源出力用の電源回路側内部接続コネクタ部57Bとが一体化された構成とされている。なお、外部からの電源入力用の電源回路側外部接続コネクタ部57Aと、電源出力用の電源回路側内部接続コネクタ部57Bとが別々に設けられていてもよい。なお、端子同士を接続するにあたっては、一般的には、いずれか一方がタブ状等のオス端子形状に形成され、他方が筒状等のメス端子形状に形成される。オス端子形状に形成するためには、例えば、後述するバスバ配線の端部を細長板状に延出させればよい。メス端子形状に形成するためには、例えば、バスバ配線の端部自体を筒状に形成してもよいし、或は、バスバ配線の端部を細長板状に形成し、これに両端筒状の端子(中継端子とも呼ばれる)を装着するようにしてもよい。本実施形態においても、端子は接続の必要に応じてオス端子形状或はメス端子形状に形成されているものとする。
【0027】
ジャンクションブロック部30についてより具体的に説明する。ジャンクションブロック部30は、ブロックハウジング部42と、ブロック内配線部40とを備えている。
【0028】
ブロックハウジング部42は、樹脂等で形成された部分であり、ブロックハウジング本体部43(図1及び図2の上側部分)と、電源回路装置収容部48(図1及び図2の下側部分)とを有している。
【0029】
ブロックハウジング本体部43には、筺状に形成されており、その前側の一主面に、電気部品実装部としてリレー実装部44及びヒューズ実装部45が設けられると共に、ブロック側外部接続コネクタ部46が設けられている。つまり、電源回路装置50とジャンクションブロック部30との一体化形態である電源ボックス装置20の背面を一主面とすると、その一主面を除く部分(ここでは、前記一主面とは異なる他の1つの主面(ここでは前側の主面)に、リレー実装部44及びヒューズ実装部45、ブロック側外部接続コネクタ部46が設けられている。
【0030】
リレー実装部44は、リレー部品18を装着可能に構成され、ヒューズ実装部45はヒューズ部品19を実装可能に構成されている。より具体的には、リレー実装部44は、リレー部品18の本体部をセット可能な凹みが形成された構成とされ、その凹みの底部にリレー部品18の下方に延出する端子を挿入可能な孔が形成されている。そして、リレー部品18の端子が前記孔に挿入された状態で、リレー部品18がリレー実装部44に実装される。また、ヒューズ実装部45は、ヒューズ部品19をセット可能な凹みが形成された構成とされ(ここでは、複数のヒューズ部品19が並列状にセットされる)と共に、その凹みの底部にヒューズ部品19の底部に延出する端子を挿入可能な孔が形成されている。そして、ヒューズ部品19の端子が前記孔に挿入された状態で、ヒューズ部品19がヒューズ実装部45に実装される。
【0031】
ブロック側外部接続コネクタ部46は、外部コネクタ16を接続可能に構成されている。この外部コネクタ16は、電線等を介して各種電気機器(車両に搭載された各種モータ等)に接続されている(図2参照)。
【0032】
ブロック内配線部40は、ジャンクションブロック部30内で、上記リレー部品18及びヒューズ部品19と、ブロック側外部接続コネクタ部46に接続される外部コネクタ16の端子とを電気的に接続するための配線である。ここでは、ブロック内配線部40は、銅板等の金属板を所定の配線形状に応じて細帯状に打抜き形成することによって形成した、複数のバスバ配線によって形成されている。かかるバスバ配線は、銅箔等よりも厚い金属板によって形成されているため、比較的大きい断面積の導電路を形成することができ、電源用の配線として適している。ここでは、ブロック内配線部40の一部の端部は、リレー実装部44の底部の孔の内側、ヒューズ実装部45の底部の孔の内側等に配設され、当該孔に挿入されたリレー部品18及びヒューズ部品19の端子と接続可能に配設されている。また、ブロック内配線部40は、他の一部の端部は、ブロック側外部接続コネクタ部46にその端子として延出している。そして、ブロック側外部接続コネクタ部46に外部コネクタ16を接続することで、当該外部コネクタ16の各端子が前記ブロック内配線部40に電気的に接続される。なお、ブロック内配線部40の中間部は、上記リレー実装部44或はヒューズ実装部45と、ブロック内配線部40との間で、ブロックハウジング本体部43の樹脂部分内に埋設され、或は、当該ブロックハウジング本体部43内に収容された絶縁板等に沿わせて、互いに絶縁された状態で配線されている。
【0033】
また、ブロック内配線部40の一部の端部(いずれかのバスバ配線の端部)は、後述するブロック側内部接続コネクタ部33Bに向けて延在している。
【0034】
電源回路装置収容部48は、上記ブロックハウジング本体部43に隣接(ここでは下方に隣接)して設けられている。電源回路装置収容部48は、電源回路装置50を収容可能な直方体状空間を有している。ここでは、電源回路装置収容部48の背面側(上記リレー実装部44が設けられた面に対して反対側の背面側)は外方に開口しており、当該開口を通じてブロックハウジング本体部43内に電源回路装置50が収容される。なお、電源回路装置収容部48の開口は、他の蓋で閉鎖されてもよいし、開いたままであってもよい。ここでは、電源回路装置収容部48の開口が開いたままであり、電源回路装置50が電源回路装置収容部48の前記開口を通じて外部に露出している例で説明する。
【0035】
そして、上記電源回路装置収容部48内に電源回路装置50が収容されることで、電源回路装置50とジャンクションブロック部30とが一体化される。この状態で、電源回路装置50の電源回路側コネクタ部56が、電源回路装置収容部48内のブロック側一括コネクタ部32に接続されることで、電源回路装置50がブロック側内部接続コネクタ部33Bを介してブロック内配線部40に電気的に接続されると共に、中継部34を介して電源側の外部のコネクタ14に電気的に接続される(図5及び図6参照)。
【0036】
図5はブロック側一括コネクタ部32及び中継部34を示す正面図であり、図6は図5のVI−VI線における概略図であり、図7は図5のVII−VII線における概略図である。
【0037】
すなわち、ブロック側一括コネクタ部32は、上記電源回路装置収容部48内であってジャンクションブロック部30よりの位置に設けられている。この位置は、電源回路装置収容部48内に電源回路装置50が収容された状態で、電源回路側コネクタ部56と対向する位置でもある。
【0038】
また、電源回路装置収容部48の外面に外方に向けて突出する中継外部コネクタ部35が設けられている。ここでは、電源回路装置収容部48の外面であってブロック側一括コネクタ部32の側方位置に中継外部コネクタ部35が設けられている。
【0039】
ブロック側一括コネクタ部32は、電源回路装置収容部48内に突出し、電源回路側コネクタ部56とコネクタ接続可能なハウジング部32hを有している。また、中継外部コネクタ部35は、電源回路装置収容部48外に突出し、電源側の外部のコネクタ14とコネクタ接続可能なハウジング部35hを有している。この中継外部コネクタ部35は、電源回路装置50に対する外部のコネクタ14が接続されるものであり、外部コネクタ接続用コネクタ部としての構成を有している。従って、外部コネクタ接続用コネクタ部としての中継外部コネクタ部35が、電源回路装置50とジャンクションブロック部30との一体化形態である電源ボックス装置20の一主面(背面)を除く部分(ここでは、前記術した他の1つの主面である前側の主面)に設けられている。
【0040】
ブロック側一括コネクタ部32の一側部の端子33a(ここでは、図5及び図6の右側の2つの端子)は、中継外部コネクタ部35の端子35a(ここでは、上下2つの端子)に電気的に接続されている。ここでは、バスバ配線と同様に金属板をプレス加工等することによって、両端に端子33a及び端子35aを有する導電性部材が形成され、この導線性部材がインサート成型等によって電源回路装置収容部48内に埋設されることによって、上記構成が実現されている。ここにおいて、ブロック側一括コネクタ部32の上記端子33aを含む一端側部分は、中継内部コネクタ部33Aを構成しており、この中継内部コネクタ部33Aと上記中継外部コネクタ部35とで中継部34が構成される。
【0041】
また、ブロック側一括コネクタ部32の他側部の端子33b(ここでは、図5及び図6の中央及び左側の4つの端子)は、ブロック内配線部40の一部の端部(いずれかのバスバ配線の端部)が、ブロック側一括コネクタ部32に向けて延出することにより形成されている。ブロック内配線部40の一部は、インサート成型等によってブロックハウジング部42内に埋設された状態で配設されていてもよいし、ブロックハウジング部42の内面等に沿って配設されていてもよい。ここにおいて、ブロック側一括コネクタ部32の上記端子33bを含む他端側部分は、ブロック側内部接続コネクタ部33Bを構成することとなる。
【0042】
そして、電源回路装置収容部48内に電源回路装置50が収容され、電源回路装置50とジャンクションブロック部30とが一体化された状態で、電源回路側コネクタ部56とブロック側一括コネクタ部32とが接続されると、電源回路側外部接続コネクタ部57Aと電源回路側内部接続コネクタ部57Bとが、中継内部コネクタ部33Aとブロック側内部接続コネクタ部33Bとに一括して接続される。そして、中継外部コネクタ部35に電源側の外部のコネクタ14が接続されると、電源回路装置50が、電源回路側コネクタ部56の電源回路側外部接続コネクタ部57A及び中継部34、電源側の外部コネクタ14を通じて電源に接続される。また、同時に、電源回路装置50が電源回路側内部接続コネクタ部57B及びブロック側内部接続コネクタ部33Bを介してブロック内配線部40に接続されることにより、安定化電源回路22とブロック内配線部40とが本電源ボックス装置20において内部接続されて、安定化電源回路22が上記リレー部品18或はヒューズ部品19に接続される。
【0043】
なお、電源回路側外部接続コネクタ部57Aが電源回路装置収容部48の前面等に形成された開口を通じて外部に露出しており、外部のコネクタ14が当該電源回路側外部接続コネクタ部57Aに直接接続されてもよい。
【0044】
以上のように構成された電源ボックス装置20によると、ジャンクションブロック部30と電源回路装置50とが一体化されると共に、その一体化形態における一主面である背面を除く部分に、リレー実装部44、ヒューズ実装部45、外部コネクタ接続用コネクタ部としての中継外部コネクタ部35が設けられている。このため、電源ボックス装置20の前記一主面である背面を車内或はエンジンルーム等の側壁面に向けた姿勢で、車両における1箇所に電源ボックス装置20を設置することができる。このため、電源回路装置50及びジャンクションブロック部30を車両に搭載する際のレイアウト設計を容易に行える。特に、電源ボックス装置20の背面を上記側面等に接触させた状態で、当該電源ボックス装置20を設置することができるため、この点からも、レイアウト設計が容易となる。
【0045】
なお、リレー実装部44、ヒューズ実装部45、外部コネクタ接続用コネクタ部としての中継外部コネクタ部35は、電源ボックス装置20の他の一主面である前面に設けられているが、必ずしもその必要はなく、電源ボックス装置20の側面等に設けられていてもよい。
【0046】
もっとも、リレー実装部44、ヒューズ実装部45、中継外部コネクタ部35に対しては、その前方に各種部品の接続作業スペースを確保することが好ましい。そこで、リレー実装部44、ヒューズ実装部45、中継外部コネクタ部35を、電源ボックス装置20の他の一主面である前面に集中して設ければ、電源ボックス装置20の設置レイアウトを検討する際に、電源ボックス装置20の前方のみある程度の空間を確保すればよく、その側方、上下方向には十分な空間を確保せずともよい。このため、電源ボックス装置20のレイアウト設計をより容易に行える。
【0047】
また、電源回路装置50とジャンクションブロック部30とは、電源ボックス装置20内で電気的に内部接続されているため、電源回路装置50とジャンクションブロック部30とを車両に搭載する際に、それらの接続構成を考慮しなくともよく、この点からも、それらの設置レイアウト設計を容易に行える。また、上記スペースを、コネクタ14から引出される電線の配設スペースとして利用することもできる。
【0048】
また、電源回路装置50は、電源回路装置収容部48の背面側の開口を通って電源回路装置収容部48内に収容されるため、当該収容作業を容易に行える。また、電源ボックス装置20のうちリレー実装部44、ヒューズ実装部45、中継外部コネクタ部35が設けられた前面側では、電源回路装置50は電源回路装置収容部48によって覆われているため、電源回路装置50を他から触れられにくくすることができる。
【0049】
また、電源回路装置50は、電源回路装置収容部48の裏面側で露出しているため、その放熱性に優れる。特に、電源ボックス装置20の背面側を車内或はエンジンルーム等の側壁に近接して配設することで、電源回路装置50の熱が当該側壁を通じて有効に放熱される。
【0050】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0051】
14、16 コネクタ
18 リレー部品
19 ヒューズ部品
20 電源ボックス装置
22 安定化電源回路
30 ジャンクションブロック部
32 ブロック側一括コネクタ部
33A 中継内部コネクタ部
33B ブロック側内部接続コネクタ部
34 中継部
35 中継外部コネクタ部
40 ブロック内配線部
42 ブロックハウジング部
43 ブロックハウジング本体部
44 リレー実装部
45 ヒューズ実装部
46 ブロック側外部接続コネクタ部
48 電源回路装置収容部
50 電源回路装置
54 電源筐体
56 電源回路側コネクタ部
57A 電源回路側外部接続コネクタ部
57B 電源回路側内部接続コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される電源ボックス装置であって、
電気部品を実装可能な電気部品実装部と、ブロック側外部接続コネクタ部と、前記電気部品実装部に実装される電気部品と前記ブロック側外部接続コネクタ部に接続されるコネクタの端子とを電気的に接続するためのブロック内配線部とを有するジャンクションブロック部と、
電源回路が組込まれた電源回路装置と、
を備え、
前記ジャンクションブロック部と前記電源回路装置とが一体化されると共に、その一体化形態における一主面を除く部分に、前記電気部品実装部と、前記ブロック側外部接続コネクタ部と、前記電源回路装置に対する外部のコネクタを接続するための外部コネクタ接続用コネクタ部とが設けられている、電源ボックス装置。
【請求項2】
請求項1記載の電源ボックス装置であって、
電源回路とブロック内配線部とが電気的に内部接続されている、電源ボックス装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の電源ボックス装置であって、
前記ジャンクションブロック部と前記電源回路装置との一体化形態における他の1つの主面に、前記電気部品実装部と、前記ブロック側外部接続コネクタ部と、前記外部コネクタ接続用コネクタ部とが設けられている、電源ボックス装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電源ボックス装置であって、
前記電源回路装置は、前記電源回路を収納する電源筐体を備え、
前記ジャンクションブロック部に、前記一主面側に開口し、前記電源回路装置を収容可能な空間を有する電源回路装置収容部が設けられ、
前記電源回路装置は、前記電源課入装置収容部の前記開口を通って前記電源回路装置収容部内に収容されている、電源ボックス装置。
【請求項5】
請求項4記載の電源ボックス装置であって、
前記電源回路装置は、前記電源回路装置収容部の前記開口を通じて外部に露出している、電源ボックス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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