説明

電源装置および医療機器

【課題】軽量かつ簡単な構成で、駆動を停止することなくバッテリを交換可能な電源装置および医療機器を提供すること。
【解決手段】電源装置100は、第1バッテリB1と第2バッテリとを装填し得るケーシング6と、ケーシング6に装填された第1バッテリB1および/または第2バッテリB1の端子対B12、B22と導通する電極対91、92と、ケーシング6に装填された第1バッテリB1または第2バッテリB1から電極対91、92を介して電力が供給されることにより作動し、送信装置から送信された無線信号を受信する受信回路とを有し、ケーシング6は、第1バッテリB1が装填され、第1バッテリB1の端子対B12と電極対91とが導通している状態で、第2バッテリB1が挿入され、当該第2バッテリB1の端子対B12と電極対92とが導通した状態を維持しながら、第1バッテリB1を取出せるよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置および医療機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、生体内(被験者の体内)を観察する内視鏡システムとして、撮像素子および当該撮像素子からの画像信号を送信する送信部とを備えるカプセル内視鏡と、生体外に配置され、送信部から送信された画像信号を受信する受信装置とを備える内視鏡システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような内視鏡システムは、カプセル内視鏡を生体内に挿入し、カプセル内視鏡が備える撮像素子によって生体内を撮像し、その画像信号を送信部から受信装置に送信し、受信装置で受信された画像信号を例えばパソコンのモニタに表示することで生体内を観察するよう構成されている。
【0004】
このような内視鏡システムにおいては、受信装置は、バッテリなどの電力源で駆動する。受信装置は、長時間連続して駆動させる必要があるため、駆動最中にバッテリの残量が残りわずかになってしまう場合が発生する。このようなときには、受信装置の駆動を停止させずに(受信装置の駆動が停止すると、送信部からの画像信号を受信できなくなるため)、バッテリを新しいものに交換する必要がある。
【0005】
そこで、特許文献1に記載のカプセル医療装置では、2つの電力源と、当該2つの電力源から少なくとも1つの電力源を選択する電力源セレクト手段とを有する受信装置が用いられている。
【0006】
このような受信装置は、まず、2つの電力源のうちの一方の電力源からの出力電圧によって駆動し、当該電力源からの出力電圧が所定値を下回ると、電力源セレクト手段によって、他方の電力源に切り換わり、当該他方の電力源からの出力電圧で駆動するように構成されている。
【0007】
しかし、このような受信装置は、電力源が常に2つ装着されているため、被験者が着用しているベルトなどに配設すると、被験者にとって重量面で非常に負担となるばかりでなく、嵩張って被験者の装着感も悪化させる。
【0008】
【特許文献1】特開2003−325440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、軽量かつ簡単な構成で、駆動を停止することなくバッテリを交換可能な電源装置および医療機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的は、以下(1)〜(17)の本発明により達成される。
(1) 第1バッテリと、前記第1バッテリに代えて新たに交換する第2バッテリとを装填し得るケーシングと、
前記ケーシングに装填された前記第1バッテリおよび/または前記第2バッテリの端子対と導通する電極対とを有し、
前記ケーシングに装填された前記第1バッテリまたは前記第2バッテリから前記電極対を介して電力を供給する電源装置であって、
前記ケーシングは、前記第1バッテリが装填され、当該第1バッテリの前記端子対と前記電極対とが導通している状態で、前記第2バッテリが挿入され、当該第2バッテリの前記端子対と前記電極対とが導通した状態を維持しながら、前記第1バッテリを取出せるよう構成されていることを特徴とする電源装置。
【0011】
これにより、軽量かつ簡単な構成で、駆動を停止することなくバッテリを交換可能な電源装置を提供することができる。
【0012】
(2) 前記ケーシングは、前記第1バッテリが装填され、当該第1バッテリの前記端子対と前記電極対とが導通している状態で、前記第2バッテリが装填された状態とならなければ、前記第1バッテリを前記ケーシングから取出すことができないよう構成されている上記(1)に記載の電源装置。
【0013】
これにより、極めて確実に、駆動を停止することなくバッテリを交換することができる。
【0014】
(3) 前記ケーシングは、前記第1バッテリを装填する第1装填室と、前記第2バッテリを装填する第2装填室とを有し、
前記電極対は、前記第1装填室に設けられた第1電極対と、前記第2装填室に設けられた第2電極対とを有し、
前記ケーシングは、前記第1装填室に前記第1バッテリが装填されており、かつ前記第2装填室に前記第2バッテリが装填されていないときは、前記第1装填室からの前記第1バッテリの取出しを阻止し、前記第2装填室に前記第2バッテリが装填されると、前記阻止が解除され、前記第1装填室に装填された前記第1バッテリを取出すことができるよう構成されている上記(1)または(2)に記載の電源装置。
これにより、バッテリ交換を容易に行うことができる。
【0015】
(4) 前記第1装填室に装填された第1バッテリと係合し、当該第1バッテリの前記第1装填室からの取出しを阻止する第1の位置と、前記第1バッテリとの前記係合が解除され、当該第1バッテリの前記第1装填室からの取出しを許容する第2の位置との間を変位可能に設けられたロック部材を有している上記(3)に記載の電源装置。
【0016】
これにより、第1装填室に装填された第1バッテリの取出しを確実に阻止することができる。
【0017】
(5) 前記第2装填室に装填された第2バッテリと係合し、当該係合と連動して、前記ロック部材を前記第1の位置から前記第2の位置に変位させるロック解除部材を有している上記(4)に記載の電源装置。
【0018】
これにより、簡単な構成で、第2装填室に第2バッテリが装填されていないときの、第1装填室に装填された第1バッテリの取出しを阻止することができる。
【0019】
(6) 前記第1装填室は、前記第1バッテリの装填・取出しを行うための第1装填口を有し、
前記第2装填室は、前記第2バッテリの装填・取出しを行うための第2装填口を有し、
前記ケーシングは、前記第1装填口の少なくとも一部を覆う第1の位置と、前記第2装填口の少なくとも一部を覆う第2の位置との間で変位可能な蓋部材を有している上記(3)に記載の電源装置。
これにより、極めて簡単な構成でバッテリ交換を行うことができる。
【0020】
(7) 前記ケーシングには、前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを取出すための切り欠きまたは孔が形成されている上記(3)ないし(6)のいずれかに記載の電源装置。
【0021】
これにより、ケーシングに装填された第1バッテリおよび/または第2バッテリの取出しが容易となる。
【0022】
(8) 前記ケーシングは、前記第1バッテリおよび前記第2バッテリのうちの一方を挿入する挿入口と、他方を取出す取出口とを有し、
前記ケーシングに前記第1バッテリが装填されている状態で、前記第2バッテリを前記挿入口から挿入すると、前記第1バッテリが前記取出口へ向けて押し出され、
前記第2バッテリの前記端子対と前記電極対とが導通した後に、前記第1バッテリの前記端子対と前記電極対との導通が解除され、前記第1バッテリが前記取出口から取出されるよう構成されている上記(1)に記載の電源装置。
【0023】
これにより、バッテリ交換を容易に行うことができる。また、ケーシングの小型化を図ることができる。
【0024】
(9) 前記ケーシングは、筒状をなし、その両端の開口が、それぞれ前記挿入口および前記取出口を構成している上記(8)に記載の電源装置。
【0025】
これにより、ケーシングへの第1バッテリおよび/または第2バッテリの挿入・取出しを容易に行うことができる。
【0026】
(10) 前記電極対は、前記第2バッテリの挿入方向に沿って設けられている上記(8)または(9)に記載の電源装置。
【0027】
(11) 前記第2バッテリが前記第1バッテリを押圧する状態での、前記第1バッテリの前記端子対と前記第2バッテリの前記端子対との離間距離をL1とし、前記電極対の長さをL2としたとき、L1<L2を満足する上記(8)ないし(10)のいずれかに記載の電源装置。
【0028】
これにより、より確実に、第2バッテリの端子対と電極対とを導通させてから、第1バッテリの端子対と電極対との導通を解除することができる。
【0029】
(12) 前記挿入口および前記取出口のそれぞれを開閉する1対の蓋部材を有している上記(8)ないし(11)のいずれかに記載の電源装置。
【0030】
これにより、ケーシングに装填された第1バッテリまたは第2バッテリが、当該バッテリの自重や外部からの衝撃によって、ケーシングから飛び出すことを防止することができる。
【0031】
(13) 前記ケーシングに装填された前記第1バッテリおよび/または前記第2バッテリを前記ケーシングに固定する固定手段を有している上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の電源装置。
【0032】
これにより、第1バッテリおよび/または第2バッテリをケーシングに確実に固定することができる。その結果、第1バッテリおよび/または第2バッテリの端子対と電極対との導通状態を確実に維持することができる。
【0033】
(14) 前記ケーシングに前記第1バッテリおよび前記第2バッテリを装填する際に、前記第1バッテリの前記端子対および前記第2バッテリの前記端子対が、前記電極対と導通し得る適正な向き以外の向きで前記ケーシングに装填されることを防止する逆挿し防止手段を有している上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の電源装置。
【0034】
これにより、ケーシングに装填された第1バッテリおよび/または第2バッテリの端子対と電極対とを確実に導通させることができる。
【0035】
(15) 生体に着用して用いられるものである上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の電源装置。
これにより、利便性が向上する。
【0036】
(16) 生体内へ導入して使用されて無線信号を送信する送信装置からの無線信号を受信する受信装置と、前記受信装置と接続される上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の電源装置とを備える医療機器。
これにより受信装置を長時間連続して作動することができる。
【0037】
(17) 前記送信装置は、生体内を撮像する撮像ユニットと、撮像された画像信号を無線信号として生体外へ送信する信号処理手段とを備えるカプセル内視鏡である上記(16)に記載の医療機器。
これにより、生体内の画像を画像信号として受信することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、電子回路への電力供給を遮断することなくバッテリを交換することができる。つまり、バッテリを交換することで受信回路を長時間連続して駆動させることができる。
【0039】
また、通常1つのバッテリで電子回路を作動させているため、バッテリの重量およびバッテリによる占有部分の容積を抑えることができ、被験者の重量面での負担を軽減するとともに、装着感を向上させることができる。
【0040】
また、電子回路を停止させずに、何回でもバッテリを交換することができるため、容量の比較的小さい小型のバッテリを用いることができる。これにより、バッテリの重量および占有部分の容積を抑えることができ、被験者の重量面での負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の電源装置および医療機器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0042】
<第1実施形態>
図1は、本発明の医療機器(内視鏡システム)の第1実施形態を示す図、図2は、図1に示すカプセル内視鏡のブロック図、図3は、図1に示す受信装置が備える受信回路のブロック図、図4は、図1に示す体外ユニットが備える電源装置の模式的斜視図、図5は、図4に示す電源装置が備えるケーシングの模式的平面図、図6は、図4中のA−A線断面図、図7は、図4中のB−B線断面図、図8は、図5に示すケーシングに装填されるバッテリの模式的斜視図、図9〜図12は、それぞれ、バッテリ交換の手順を説明するための模式的断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図4〜図12中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0043】
図1に示すように、医療機器(内視鏡システム)1は、被験者の体腔内に導入して用いるカプセル内視鏡(送信装置)2と、カプセル内視鏡2からの無線信号を受信するための体外ユニット3とで構成されている。体外ユニット3は、カプセル内視鏡2からの無線信号を受信する受信装置100と、受信装置100に電力を供給するための電源装置110とを有している。
【0044】
このような内視鏡システム1は、カプセル内視鏡2によって撮像された被験者の体腔内の画像情報を無線信号として送信し、この無線信号を受信装置100が受信するように構成されている。以下、各構成について詳細に説明する。
【0045】
<カプセル内視鏡>
まず、カプセル内視鏡2ついて説明する。
【0046】
図1に示すように、カプセル内視鏡2は、経口的に被験者の体腔内に導入し、その体腔内を通過させながら、体腔の内部を撮像するのに用いられるものである。このカプセル内視鏡2が通過する体腔としては、特に限定されないが、例えば、食道、胃、小腸、大腸等が挙げられる。
【0047】
図2に示すように、カプセル内視鏡2は、内部に撮像ユニット22を備えている。
撮像ユニット22は、体腔内を照らすLED221と、LED221によって照らされた部分を撮像するイメージセンサ222と、LEDドライバ223およびイメージセンサ222を作動するコントローラ224と、イメージセンサ222からの画像信号を変調する送信ブロック225と、送信ブロック225で変調された画像信号を送信する送信アンテナ226と、コントローラ224および送信ブロック225にそれぞれ電力を供給する電源227とを有している。
コントローラ224は、電源227からの電力供給によって作動する。
【0048】
LEDドライバ223は、電源227からコントローラ224を介してLED221に供給される電力量を制御する装置である。LEDドライバ223は、コントローラ224からの指示に応じた電力量の電力を電源227からLED221に供給する。これにより、LED221は、供給された電力量に応じた強さで発光する。
LED221は、例えば白色光を発光する発光素子(照明手段)である。
【0049】
イメージセンサ222は、体腔の目的部位を撮像する撮像素子である。イメージセンサ222としては、特に限定されず、例えばCCD等の撮像素子を用いることができる。このようなイメージセンサ222の作動は、コントローラ224によって制御されている。これにより、LED221が点灯した際に、イメージセンサ222を作動させて、体腔の目的部位を撮像することができる。このようなイメージセンサ222で撮像された画像は、画像信号として送信ブロック225に入力される。
【0050】
送信ブロック225は、イメージセンサ222からの画像信号を所定の搬送波によって変調する変調回路225aと、変調回路225aで変調された信号を増幅する送信アンプ225bとで構成されている。送信アンプ225bで増幅された画像信号は、送信アンテナ226から送信される。
【0051】
電源227としては、特に限定されないが、例えば、ボタン電池や乾電池、充電可能な蓄電池等の各種電池を用いることができる。
【0052】
<体外ユニット>
次に、体外ユニット3について説明する。
【0053】
体外ユニット3は、被験者が着用するものである。このような体外ユニット3は、前述した受信装置100および電源装置110と、受信装置100および電源装置110が固定されたベルト31と、送信アンテナ226から送信された画像信号を受信する複数の受信アンテナ32とを有している。
【0054】
ベルト31は、被験者の腰付近に装着されるものである。このようなベルト31を用いることで、ケーシング6および収納ケース5を確実に被験者に固定することができる。これにより、被験者の両手が自由となり、バッテリ交換などの作業を容易にかつ円滑に行うことができる。また、被験者の腰付近にケーシング6が固定されるため、被験者からケーシング6を視認しやすく、バッテリ交換などの作業を極めて円滑に行うことができる。
【0055】
このようなベルト31には、収納ケース5が設けられていて、収納ケース5内に受信装置100が収納されている。
【0056】
図3に示すように、受信装置100は、受信回路8と、ストレージS(例えば、フラッシュメモリやハードディスクドライブなど)とを有している。
【0057】
受信回路8は、各受信アンテナ32に接続された受信アンプ81と、受信アンプ81に接続された復調回路82と、復調回路82に接続された信号処理回路83と、信号処理回路83に接続された情報圧縮回路84とで構成されている。
【0058】
いずれかの受信アンテナ32で受信された信号(画像信号を搬送波上に変調した信号)は、受信アンプ81によって増幅されて、復調回路82に入力される。この復調回路82は、搬送波上に変調されている画像信号を復調する回路である。復調回路82で復調された画像信号は、信号処理回路83に入力される。
【0059】
信号処理回路83は、入力した画像信号を構成するRGB各色毎の画像信号に対してRGB−YCCマトリックス演算を実行することによって、画像信号を輝度信号と色差信号とに分離する。そして、分離された輝度信号および色差信号に基づいて、ビデオ信号を生成する。このようにして生成されたビデオ信号は、情報圧縮回路84に入力される。
【0060】
情報圧縮回路84は、入力されたビデオ信号に対してJPEGまたはMPEG等の圧縮処理を施すことによって圧縮し、ストレージSに格納する。
【0061】
また、受信装置100は、バッテリの残量を検知する図示しない検知手段と、この検知手段の検知結果に基づいて、バッテリの残量を被験者に報知する図示しない報知手段とを有している。報知手段としては、特に限定されず、例えば、発光素子を発光させて視覚的に報知してもよいし、ブザーなどの警告音によって聴覚的に報知してもよいし、バイブレータを振動させて報知してもよい。
【0062】
このような受信装置100(受信回路8)は、電源装置110からの電力供給により作動する。
【0063】
図4に示すように、電源装置110は、駆動源であるバッテリを装填するためのケーシング6と、ケーシング6に装填されたバッテリと受信装置100とを電気的に接続する1対の配線311、312とを有している。
【0064】
1対の配線311、312は、ベルト31に埋設されている。これにより、配線311、312が絡まったり、断線したりすることを防止することができる。
【0065】
図4に示すように、ケーシング6は、バッテリを装填し得る第1ケーシング61および第2ケーシング62と、後述するロック機構7を収容する収容ケース63とを有している。以下、各構成について、順次説明する。
【0066】
図4に示すように、第1ケーシング61は、箱状をなしている。そして、第1ケーシング61の内壁で形成された空間S1が、バッテリを装填する装填室を構成している(以下、空間S1を「第1装填室S1」という)。第1装填室S1は、上方へ開口する開口S11を有している。この開口S11からバッテリの装填・取出しを行う。
【0067】
第1ケーシング61の互いに対向する側壁611、612には、それぞれ切り欠き611a、612aが形成されている。これにより、第1装填室S1に装填されたバッテリの側壁の一部を切り欠き611a、612aから第1ケーシング61の外部へ露出させることができる。その結果、被験者は、第1装填室S1に装填されたバッテリを容易に掴むことができ、第1装填室S1からのバッテリの取出しを容易に行うことができる。
【0068】
図5に示すように、第1ケーシング61の右側の側壁614には、2つの開口614a、614bが形成されている。これにより、開口614a、614bのそれぞれを介して、第1装填室S1と収容ケース63の内部とが連通する。
【0069】
開口614aの内側には、後述する第1ロック部材711が挿通している。また、開口614bの内側には、後述する第2ロック解除部材722が挿通している。
【0070】
図6に示すように、側壁612には、凸条612bが図6中上下方向に沿って設けられている。このような凸条612bは、側壁612の下端から中央部にかけて形成されている。
【0071】
また、側壁612には、第1電極対91が設けられている。第1電極対91は、板状をなす1対の電極911、912で構成されている。1対の電極911、912は、凸条612bに対して互いに反対側に設けられている。また、電極911、912の上端部は、第2ロック解除部材722よりも開口S11側に位置している。
【0072】
また、電極911は、前述した配線311と電気的に接続されており、電極912は、配線312と電気的に接続されている。
【0073】
次に、第2ケーシング62について説明するが、第2ケーシング62の構成は、第1ケーシング61とほぼ同様である。そのため、第2ケーシング62については、簡単に説明する。
【0074】
図4に示すように、第2ケーシング62は、箱状をなしている。そして、第2ケーシング62の内壁で形成された空間S2が、バッテリを装填する装填室を構成している(以下、空間S2を「第2装填室S2」という)。この第2装填室S2は、上方へ向けて開口する開口S21を有している。そして、開口S21からバッテリの装填・取出しを行う。
【0075】
また、第2ケーシング62の互いに対向する側壁621、622には、それぞれ切り欠き621a、622aが形成されている。
【0076】
図5に示すように、第2ケーシング62の左側の側壁624には、2つの開口624a、624bが形成されている。開口624aの内側には、後述する第2ロック部材721が挿通している。また、開口624bの内側には、後述する第1ロック解除部材712が挿通している。
【0077】
図6に示すように、側壁622には、凸条622bが図6中上下方向に沿って設けられている。この凸条622bは、側壁622の下端から中央部にかけて形成されている。
【0078】
また、側壁622には、第2電極対92が設けられている。第2電極対92は、板状をなす1対の電極921、922で構成されている。電極921は、配線311と電気的に接続されており、電極922は、配線312と電気的に接続されている。つまり、配線311には、電極911、921が電気的に接続されていて、配線312には、電極912、922が電気的に接続されている。
【0079】
以上説明した第1ケーシング61および第2ケーシング62の間には、収容ケース63が設けられている。以下、収容ケース63に収容されたロック機構7について詳述する。
【0080】
ロック機構7は、第1ロック機構71と、第2ロック機構72とで構成されている。第1ロック機構71は、第1装填室S1に装填されたバッテリの取出しを一定条件下で阻止する機能を有し、第2ロック機構72は、第2装填室S2に装填されたバッテリの取出しを一定条件下で阻止する機能を有している。
【0081】
図6に示すように、第1ロック機構71は、第1ロック部材711と、第1ロック部材711を付勢するバネ部材715と、第1ロック解除部材712と、第1ロック部材711と第1ロック解除部材712とを連動させる連動部材713とを備えている。
【0082】
第1ロック部材711は、長手形状をなしている。このような第1ロック部材711は、開口614a内に挿通されている。また、第1ロック部材711は、支持部631によって、図6中左右方向に移動可能に支持されている。また、第1ロック部材711の先端部711aの上面は、平坦な傾斜面711bを構成している。
【0083】
また、第1ロック部材711には、外壁から突出する突出部711cが形成されている。この突出部711cは、先端部711aのみが第1装填室S1へ突出する位置で支持部631に接触するように形成されている。これにより、第1ロック部材711の第1装填室S1への突出量を規制している。
【0084】
このような第1ロック部材711は、その先端部711aが第1装填室S1へ突出する第1の位置(このとき、支持部631と突出部711cとが接触し、それ以上の移動が規制される)と、先端部711aが第1装填室S1から退避する第2の位置との間で変位可能となっている。また、第1ロック部材711は、バネ部材715によって第1装填室S1側に向けて付勢されている。
【0085】
以上のような第1ロック部材711には、ヒンジ716が設けられていて、第1ロック部材711は、このヒンジ716を介して連動部材713と連結している。
【0086】
連動部材713は、棒状をなしている。このような連動部材713は、長手方向の中央部で、収容ケース63に固定された軸部材73によって回動可能に支持されている。また、連動部材713の上端部には、長孔713aが形成されていて、この長孔713aがヒンジ716と係合している。また、連動部材713の下端部は、第1ロック解除部材712と当接している。
【0087】
第1ロック解除部材712は、長手形状をなしている。このような第1ロック解除部材712は、開口624b内に挿通されている。また、第1ロック解除部材712は、支持部632によって、図6中左右方向に移動可能に支持されている。また、第1ロック解除部材712の先端部712aの上面は、平坦な傾斜面712bを構成している。また、第1ロック解除部材712は、その基端(図7中左側の端)にて連動部材713と当接している。
【0088】
また、第1ロック解除部材712には、外壁から突出する突出部712cが形成されている。この突出部712cは、先端部712aのみが第2装填室S2へ突出する位置で支持部632に接触するように形成されている。これにより、第1ロック解除部材712の第2装填室S2への突出量を規制するとともに、第1ロック解除部材712の不本意な離脱を防止している。
【0089】
このような第1ロック解除部材712は、先端部712aが第2装填室S2へ突出する位置(このとき、支持部632と突出部712cとが接触し、それ以上の移動が規制される)と、先端部712aが第2装填室S2から退避する位置との間で変位可能となっている。
【0090】
これにより、第1ロック解除部材712の先端部712aが図6中左側へ向けて変位して第2装填室S2から退避すると、これに連動して、連動部材713が軸部材73まわりに回動し、その結果、第1ロック部材711の先端部711aが図6中右側に向けて変位して第1装填室S1から退避する(つまり、第1ロック部材711が第1の位置から第2の位置へ移動する)。
【0091】
反対に、第1ロック解除部材712の先端部712aが図6中右側へ向けて変位して第2装填室S2へ突出すると、これに連動して、バネ部材715の付勢力により、第1ロック部材711の先端部711aが図6中左側へ向けて変位して第1装填室S1へ突出する(つまり、第1ロック部材711が第2の位置から第1の位置に移動する)。
【0092】
前述したように、第1ロック部材711は、バネ部材715により付勢されている。そのため、第1装填室S1および第2装填室S2のそれぞれにバッテリが装填されていない状態では、第1ロック部材711は、第1の位置となっている。
【0093】
次に、第2ロック機構72について説明するが、第2ロック機構72の構成は、第1ロック機構71の構成と同様であるため、具体的な説明を省略する。このような、第2ロック機構72は、第1ロック機構71と対称的に設けられている。
【0094】
図7に示すように、第2ロック機構72は、第2ロック部材721と、第2ロック部材721を付勢するバネ部材725と、第2ロック解除部材722と、第2ロック部材721と第2ロック解除部材722とを連動させる連動部材723とを備えている。
【0095】
以上説明した第1ケーシング61、第2ケーシング62およびロック機構7を収納する収容ケース63で構成されたケーシング6は、例えば、次のようにしてバッテリ交換を行う。
【0096】
ここで、バッテリ交換の手順を説明するのに先立って、第1装填室S1、第2装填室S2に装填するバッテリについて、図8に基づいて簡単に説明する。
【0097】
図8に示すように、バッテリB1には、溝B11と、端子対B12と、1対の凹部B13、B14とが設けられている。
【0098】
バッテリB1を第1装填室S1に装填した場合には、溝B11が凸条612bと、端子対B12が第1電極対91と、凹部B13が第1ロック部材711と、それぞれ係合する。一方、バッテリB1を第2装填室S2に装填した場合には、溝B11が凸条622bと、端子対B12が第2電極対92と、凹部B14が第2ロック部材721と、それぞれ係合する。
【0099】
このようなバッテリB1は、溝B11を凸条612bに係合させずに第1装填室S1へ装填しようとすると、バッテリB1の外壁と凸条612bとが接触し、バッテリB1の装填が阻止されてしまう。つまり、バッテリB1は、溝B11を凸条612bに係合させなければ、第1装填室S1に装填することができないように構成されている。
【0100】
このことから、溝B11と凸条612bとで、端子対B12が第1電極対91と導通し得る適正な向き以外の向きで、バッテリB1が第1装填室S1に装填されることを防止する逆挿し防止手段4を構成していると言える。これにより、端子対B12と第1電極対91とを確実に導通させることができる。
このことは、バッテリB1を第2装填室S2に装填する場合についても同様である。
【0101】
次に、バッテリ交換の手順を図9〜図12に基づいて説明する。なお、第1ロック機構71と第2ロック機構72とは、互いに同様の構成であるため、第1ロック機構71を代表して説明し、第2ロック機構72については、その説明を省略する。また、説明の便宜上、第1装填室S1に装填するバッテリを「第1バッテリB1」とし、第2装填室S2に装填するバッテリを「第2バッテリB1」とする。
【0102】
[1]第1バッテリB1を開口S11から第1装填室S1に適正な向きで挿入する。これにより、第1バッテリB1の角部B15が第1ロック部材711の傾斜面711bと接触し、先端部711aを下方へ向けて押し下げようとする。
【0103】
傾斜面711bは、第1バッテリB1の挿入方向に対して傾斜しているため、第1バッテリB1との接触により、第1ロック部材711がバネ部材715の付勢力に抗して図9中右側に変位する。これにより、第1ロック部材711の先端部711aが、第1装填室S1から退避する(つまり、第1ロック部材711が第2の位置に移動する)。
【0104】
また、第1ロック部材711の第2の位置への移動に伴って、連動部材713が軸部材73まわりに回動し、連動部材713と第1ロック解除部材712との当接が解除される。
【0105】
図9に示すように、第1装填室S1の底面と第1バッテリB1の底面とが接触するまでは、第1バッテリB1の側壁が開口614aを塞いでいるため、第1ロック部材711が第2の位置に維持される。
【0106】
図10に示すように、第1装填室S1に第1バッテリB1が装填されると、凹部B13と開口614aとが対向する。これにより、第1ロック部材711の先端部711aが、バネ部材715の付勢力によって、凹部B13内へ挿入される(つまり、第1ロック部材711が第1の位置に移動する)。その結果、凹部B13と第1ロック部材711とが係合し、第1装填室S1からの第1バッテリB1の取出しが阻止される(この状態を「阻止状態」ともいう)。なお、本実施形態中の「装填」とは、第1装填室S1の底面と第1バッテリB1の底面とが接触し、凹部B13と第1ロック部材711とが係合している状態を言う。
【0107】
また、第1ロック部材711の第1の位置への移動に伴って、連動部材713が軸部材73まわりに回動し、連動部材713の下端部が第1ロック解除部材712に当接する。
【0108】
第1装填室S1に第1バッテリB1が装填されると、端子対B12と第1電極対91とが導通し、第1バッテリB1から受信装置100へ電力が供給される。
【0109】
ここで、第1ロック部材711は、第1バッテリB1の取出しを阻止するとともに、第1バッテリB1を第1装填室S1に固定する固定手段としても機能する。これにより、外部からの振動などによって、第1バッテリB1の端子対B12が第1電極対91から離間することを防止することができる。
【0110】
図10には図示していないが、第1バッテリB1を第1装填室S1に装填すると、第2ロック解除部材722は、第1バッテリB1との接触により図10中右側に変位し、第1装填室S1から退避する。
【0111】
[2]例えば被験者が、(1)前述した報知手段によって第1バッテリB1の残量が残りわずかであることを認知したり、(2)比較的長い間バッテリ交換を行えない状況となることを予め認識していたりする場合には、第2装填室S2に交換用の第2バッテリB1を適正な向きで挿入し、第2装填室S2に第2バッテリB1を装填する。
【0112】
図11に示すように、第2装填室S2に第2バッテリB1を装填すると、第1ロック解除部材712が、バネ部材715の付勢力に抗して左側に向けて変位する。これにより、連結部713の下端部が図11中左側に押圧され、連結部713が軸部材73まわりに回動する。これにより、第1ロック解除部材712の先端部712aが、第1装填室S1から退避して第2の位置に移動し、前記阻止状態が解除される。
【0113】
ここで、前述したように、電極921、922の上端部が第1ロック解除部材712よりも上側に位置しているため、阻止状態が解除される前に、第2バッテリB1の端子対B12が、第2電極対92に接触し、この端子対B12と第2電極対92とが導通する。これにより、第2バッテリB1から受信装置100へ電力が供給される。つまり、図11の状態では、第1バッテリB1および第2バッテリB1が、それぞれ受信装置100に電力を供給している。
【0114】
図11には図示していないが、第2装填室S2に第2バッテリB1が装填されると、第2バッテリB1の凹部B14が開口624aと対向する。
【0115】
[3]最後に、切り欠き611a、612aから露出している第1バッテリB1の側面を掴んで、第1装填室S1から第1バッテリB1を取出す。これにより、図12に示すように、バッテリ交換が完了する。
【0116】
図12には図示していないが、第1装填室S1から第1バッテリB1を取出すと、第2ロック解除部材722が、バネ部材725の付勢力によって図12中左側に向けて変位する。これにより、第2ロック解除部材722の先端部が第1装填室S1へ突出する。そして、この変位と連動して、第2ロック部材721の先端部が、開口624aから第2バッテリB1の凹条B14内へ挿入される。その結果、凹部B14と第2ロック部材721とが係合し、第2装填室S2からの第2バッテリB1の取出しが阻止される。
【0117】
以上のようにして、第1バッテリB1を第2バッテリB1と交換することができる。さらに第2バッテリB1を交換したい場合には、前述した手順[2]、[3]を第1装填室S1について行えばよい。
【0118】
手順[1]〜[3]で説明したように、ケーシング6は、第1バッテリB1が第1装填室S1に装填され、第1バッテリB1の端子対B12と第1電極対91とが導通している状態で、第2バッテリB1を第2装填室S2へ装填し、第2バッテリB1の端子対B12と第2電極対92とが導通した状態とならなければ、第1装填室S1から第1バッテリB1を取出すことができないように構成されている。
【0119】
これにより、電源装置110によれば、受信装置100の作動を停止させずに、バッテリを交換することができる。その結果、カプセル内視鏡2から送信される画像信号をバッテリ交換時であっても受信装置100によって受信することができ、画像信号を受信し損ねることを防止することができる。
【0120】
特に、カプセル内視鏡2は、通常、毎秒2〜20回程度の撮像を行うため、仮にバッテリ交換時に受信装置が停止してしまうと、大量の画像信号を受信し損ねることとなる。
【0121】
また、電源装置110は、通常1つのバッテリで受信装置100を作動させているため、バッテリの重量を抑えることができ、被験者の重量面での負担を軽減することができる。
【0122】
また、体外ユニット3は、受信装置100の作動を停止させずに、何回でもバッテリを交換することができる。そのため、容量の比較的小さい小型のバッテリを用いることができる。これにより、バッテリの重量を抑えることができ、被験者の重量面での負担を軽減することができる。
【0123】
また、使用終了後やメンテナンスのときに、両方のバッテリを同時に外したい場合がある。このような場合には、例えば、第1装填室S1にのみ第1バッテリB1が装填されている状態で、第2装填室S2に第2バッテリB2を装填することなく、第2装填室S2に指や棒状の器具を差し入れ、第1ロック解除部材712を押し込む。これにより、第1ロック部材711を第2の位置に移動させ、第1バッテリB1を第1装填室S1から取出す。
【0124】
<第2実施形態>
次に、本発明の医療機器の第2実施形態について説明する。
【0125】
図13は、本発明の第2実施形態にかかる医療機器が備える電源装置を示す模式的斜視図、図14は、図13中のC−C線断面図、図15は、図13中のD−D線断面図、図16は、図13に示す電源装置が備えるケーシングに装填されるバッテリを示す模式的斜視図である。なお、以下では、説明の便宜上、図13〜図15中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0126】
以下、第2実施形態の医療機器について、前述した第1実施形態の医療機器1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。また、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
【0127】
本発明の第2実施形態にかかる医療機器は、電源装置110Aが備えるケーシング6Aの構成が異なる以外は、前述した第1実施形態の医療機器1とほぼ同様である。
【0128】
図13に示すように、ケーシング6Aは、箱状の本体61Aと、本体61Aに対して図13中左右方向へ移動可能な蓋体62Aとで構成されている。
【0129】
図14に示すように、本体61Aの内側には、その内部空間を2つに仕切る仕切り板611Aが設けられている。これにより、仕切り板611Aの左側に空間S3が形成され、右側に空間S4が形成されている。この空間S3、S4は、それぞれ、バッテリを装填する装填室である(以下、空間S3を「第1装填室S3」といい、空間S4を「第2装填室S4」という)。
【0130】
第1装填室S3は、上方へ開放する第1装填口S31を有している。そして、この第1装填口S31を介して第1装填部S1へのバッテリの装填・取出しを行う。同様に、第2装填室S4は、上方に開放する第2装填口S41を有している。そして、この第2装填口S41を介して第2装填室S4へのバッテリの装填・取出しを行う。
【0131】
図14に示すように、本体61Aの左側の側壁の上端部には、上方へ突出する略半球状の小突起612Aが設けられている。これと同様に、本体61Aの右側の側壁の上端部には、上方へ突出する略半球状の小突起613Aが形成されている。
【0132】
また、本体61Aの底部には、本体61Aの外側と第1装填室S3とを連通する孔614Aと、本体61Aの外側と第2装填室S4とを連通する孔615Aとが形成されている。第1装填部S3に装填されたバッテリを取出すときに、本体61Aの外側から孔614Aを介してバッテリを図14中上方向へ付勢することで、第1装填部S3からバッテリを簡単に取出すことができる。孔615Aについても同様である。
【0133】
第1装填室S3には、凸条616Aが設けられており、第2装填室S4には、凸条617Aが設けられている。このような凸条616A、617Aは、それぞれ、図14中上下方向に沿って延在している。
【0134】
また、第1装填室S3には、1対の電極911A、912Aで構成された第1電極対91Aが設けられている。同様に、第2装填室S4には、1対の電極921A、922Aで構成された第2電極対92Aが設けられている。
【0135】
電極911A、921Aは、それぞれ配線311と電気的に接続されており、電極912A、922Aは、それぞれ配線312と電気的に接続されている。
【0136】
また、図15に示すように、図15中左側の側壁および右側の側壁には、それぞれ、溝618A、619Aが形成されている。この溝618A、619Aは、それぞれ、蓋体62Aに形成された凸部624A、625Aと係合している。これにより、溝618A、619Aによって蓋体62Aを案内することができる。
【0137】
蓋体62Aは、溝618A、619Aに案内されることで、第1装填口S31を覆い、第2装填口S41を開放する第1の位置と、第1装填口S31を開放し、第2装填口S41を覆う第2の位置との間を移動可能となっている。
【0138】
この蓋体62Aの下面には、蓋体62Aが第1の位置のときに、小突起612Aと嵌合する凹部621Aと、蓋体62Aが第2の位置のときに、小突起613Aと嵌合する凹部622Aとが形成されている。
以上のような構成のケーシング6Aは、例えば、次のようにしてバッテリ交換を行う。
【0139】
ここで、バッテリ交換の手順を説明するのに先立って、第1装填室S3、第2装填室S4に装填するバッテリB2について、図16に基づいて簡単に説明する。
【0140】
図16に示すように、バッテリB2には、溝B21と、端子対B22とが設けられている。
【0141】
バッテリB2を第1装填室S3に装填した場合には、溝B21が凸条616Aと、端子対B22が第1電極対91Aと、それぞれ係合する。同様に、バッテリB2を第2装填室S4に装填した場合には、溝B21が凸条617Aと、端子対B22が第2電極対92Aと、それぞれ係合する。
【0142】
このようなバッテリB2は、溝B21を凸条616Aに係合させずに第1装填室S3へ装填しようとすると、バッテリB2の外壁と凸条616Aとが接触し、バッテリB2の装填が阻止されてしまう。つまり、バッテリB2は、溝B21を凸条616Aに係合させなければ、第1装填室S3に装填することができないように構成されている。
【0143】
このことから、溝B21と凸条616Aとで、端子対B22が第1電極対91Aと導通し得る適正な向き以外の向きで、バッテリB2が第1装填室S3に装填されることを防止する逆挿し防止手段を構成していると言える。これにより、端子対B22と第1電極対91Aとを確実に導通させることができる。
このことは、バッテリB2を第2装填室S4に装填する場合についても同様である。
【0144】
次に、バッテリ交換の手順を説明する。なお、以下、説明の便宜上、第1装填室S3に装填するバッテリB2を「第1バッテリB2」とし、第2装填室S4に装填するバッテリB2を「第2バッテリB2」とする。
【0145】
[1]まず、蓋体62Aを第2の位置へ移動する。そして、開放された第1装填口S31から第1装填室S3へ第1バッテリB2を適正な向きで装填する(なお、本実施形態中の「装填」とは、第1装填室S3の底面と第1バッテリB2の底面が接触した状態を言う)。これにより、第1バッテリB2の端子対B22と第1電極対91Aとが導通し、第1バッテリB2から受信装置100へ電力が供給される。
【0146】
[2]次に、蓋体62Aを第1の位置に移動する。これにより、蓋体62Aによって第1装填口S31が覆われ、第1装填室S3からの第1バッテリB2の取出しが阻止される。
【0147】
蓋体62Aを第1の位置に移動すると、本体61Aの小突起612Aと蓋体62Aの凹部621Aとが嵌合し、蓋体62Aが本体61Aに固定される。これにより、蓋体62Aの不本意な移動を防止し、第1装填部S3からの第1バッテリB2の取出しを確実に阻止することができる。
【0148】
[3]そして、例えば被験者が、(1)前述した報知手段によって第1バッテリB2の残量が残りわずかであることを認知したり、(2)比較的長い間バッテリ交換を行えない状況となることを予め認識していたりする場合には、開放されている第2装填口S41から第2装填室S4へ第2バッテリB2を適正な向きで装填する。これにより、第2バッテリB2の端子対B22と第2電極対92Aとが導通し、第2バッテリB2から受信装置100へ電力が供給される。つまり、この状態では、第1バッテリB2および第2バッテリB2が、それぞれ、受信装置100に電力を供給している。
【0149】
[4]次に、蓋体62Aを第2の位置に移動する。これにより、第2装填室S4からの第2バッテリB2の取出しが阻止される。
【0150】
蓋体62Aを第2の位置に移動すると、本体61Aの小突起613Aと蓋体62Aの凹部622Aとが嵌合し、蓋体62Aが本体61Aに固定される。これにより、蓋体62Aの不本意な移動を防止し、第2装填部S4からの第2バッテリB2の取出しを確実に阻止することができる。
【0151】
[5]最後に、孔614Aから指などを挿入し、第1バッテリB2を図14中上方へ押し上げ、第1装填室S3から第1バッテリB2を取出す。以上でバッテリの交換が完了する。
【0152】
なお、第2装填室S4に装填された第2バッテリB2を交換したい場合には、前述した手順[3]〜[5]を第1装填室S3に対して行えばよい。
以上、バッテリ交換について説明した。
【0153】
ケーシング6Aを以上の構成とすることで、比較的簡単な構成で、受信装置100の作動を停止させずにバッテリを交換することができる。
【0154】
ここで、蓋体62Aは、第1バッテリB2および第2バッテリB2の取出しを阻止する機能を有しているとともに、第1バッテリB2および第2バッテリB2をケーシング6Aに固定する固定手段としての機能を有しているといえる。これにより、外部からの振動などによって、第1バッテリB2の端子対B22と第1電極対91A、第2バッテリB2の端子対B22と第2電極対92Aとが、それぞれ離間することを防止することができる。
【0155】
以上のような第2実施形態によっても、第1実施形態の医療機器1と同様の効果を発揮することができる。
【0156】
<第3実施形態>
次に、本発明の医療機器の第3実施形態について説明する。
【0157】
図17は、本発明の第3実施形態にかかる医療機器が備える電源装置を示す模式的斜視図、図18は、図17に示す電源装置が備えるケーシングの模式的縦断面図、図19は、図18に示すケーシングに装填されるバッテリを示す模式的斜視図、図20は、バッテリ交換の手順を説明するための模式的断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図17〜図20中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0158】
以下、第3実施形態の医療機器について、前述した第1実施形態の医療機器との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。また、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
【0159】
本発明の第3実施形態にかかる医療機器は、電源装置110Bが備えるケーシング6Bの構成が異なる以外は、前述した第1実施形態の医療機器1とほぼ同様である。
【0160】
図17に示すように、ケーシング6Bは、筒状をなしている。このようなケーシング6Bは、ベルト31の長手方向に沿って設けられている。これにより、被験者がベルト31を装着したときに、ケーシング6Bの軸方向が略水平方向となる。
【0161】
ケーシング6Bの内壁によって形成された空間S5は、バッテリを装填する装填室を構成している(以下、空間S5を「装填室S5」という)。
【0162】
また、ケーシング6Bは、軸方向の両端にそれぞれ開口61B、62Bを有している。開口61Bは、バッテリを装填室S5に挿入する挿入口を構成し、開口62Bは、装填室S5に装填されたバッテリを取出す取出口を構成している(以下、開口61Bを「挿入口61B」といい、開口62Bを「取出口62B」という)。
また、ケーシング6Bのベルト31側の内壁には、電極対93Bが設けられている。電極対93Bは、1対の電極931B、932Bとで構成されている。1対の電極931B、932Bは、それぞれ、ケーシング6Bの軸方向へ沿って設けられている。このような電極931Bは、配線311と電気的に接続されており、電極932Bは、配線312と電気的に接続されている。
【0163】
図18に示すように、電極対93Bが設けられた内壁と対向する内壁(つまり図18中上側の内壁)には、凸条64Bと小突起65Bとが形成されている。凸条64Bは、ケーシング6Bの軸方向に沿って設けられている。また、凸条64Bは、ケーシング6Bの軸方向の全域にわたって設けられている。
【0164】
小突起65Bは、略半球状をなしている。この小突起65Bは、バッテリをケーシング6Bに固定する固定手段の一部を構成するものである。なお、小突起65Bの形状としては、特に限定されない。
【0165】
図17に示すように、ベルト31には、挿入口61Bを開閉する蓋部材611Bと、取出口62Bを開閉する蓋部材621Bとが設けられている。蓋部材611B、621Bは、それぞれ、例えば柔軟性を有するシート材で構成されている。
【0166】
蓋部材611Bは、一端部がベルト31に固定されている。また、蓋部材611Bは、雄型係止部681Bおよび雌型係止部682Bからなる係止手段68Bによってケーシング6Bに対して接離可能となっている。このような係止手段68Bとしては、例えば、面状ファスナを用いることができる。
【0167】
雄型係止部681Bは、蓋部材611Bの自由端部に設けられ、雌型係止部682Bは、ケーシング6Bの外壁面に設けられている。そして、雄型係止部681Bを雌型係止部682Bに接合することで、挿入口61Bを閉状態とし、雄型係止部681Bを雌型係止部682Bから切り離すことで、挿入口61Bを開状態とする。
【0168】
蓋部材621Bについても同様に、雄型係止部691Bおよび雌型係止部692Bからなる係止手段69Bによってケーシング6Bに対して接離可能となっている。
【0169】
このような蓋部材611B、621Bを設けることで、装填室S5に装填されたバッテリが、当該バッテリの自重や外部からの衝撃によって、装填部S5から飛び出すことを防止することができる。
【0170】
以上のような構成のケーシング6Bでは、例えば、次のようにしてバッテリ交換を行う。
【0171】
ここで、バッテリ交換の手順を説明するのに先立って、第1装填室S5に装填するバッテリB3について、図19に基づいて簡単に説明する。
【0172】
図19に示すように、バッテリB3には、溝B31と、端子対B32と、凹部B33が設けられている。
【0173】
バッテリB3を装填室S5に装填すると、溝B31が凸条64Bと、端子対B32が電極対93Bと、凹部B33が小突起65Bと、それぞれ係合する。
【0174】
端子対B32は、1対の端子B321、B322で構成されている。1対の端子B321、B322は、図19中左右方向へ並設されている。端子B321は、長手形状をなしている。このような端子B321は、長手方向の両端部がバッテリB3の外壁に固定されている。また、端子B321の長手方向の中央部は、バッテリB3の外壁から離間するように湾曲していて、挿入口61BにバッテリB3を挿入した際に、バッテリB3の厚さ方向(図20の上下方向)で弾性変形可能となっている。端子B322については、端子B321と同様であるため、その説明を省略する。
【0175】
このようなバッテリB3は、溝B31を凸条64Bに係合させずに装填室S5へ装填しようとすると、バッテリB3の外壁と凸条64Bとが接触し、バッテリB3の装填が阻止されてしまう。つまり、バッテリB3は、溝B31を凸条64Bに係合させなければ、装填室S5に装填することができないように構成されている。
【0176】
このことから、溝B31と凸条64Bとで、端子対B32が電極対93Bと導通し得る適正な向き以外の向きで、バッテリB3が装填室S5に装填されることを防止する逆挿し防止手段を構成していると言える。これにより、端子対B32と電極対93Bとを確実に導通させることができる。
【0177】
次に、バッテリ交換の手順を図20に基づいて説明する。なお、以下、説明の便宜上、装填室S5に初めに装填するバッテリB3を「第1バッテリB3」とし、第1バッテリB3の次に装填室S5に装填するバッテリB3を「第2バッテリB3」とする。
【0178】
[1]まず、挿入口61Bを開状態とする。そして、図20(a)に示すように、挿入口61Bから第1バッテリB3を装填室S5へ向けて適正な向きで挿入する。これにより、第1バッテリB3の端子対B32が電極対93Bに押圧接触し、第1バッテリB3から受信装置100へ電力が供給される。
【0179】
また、端子対B32が電極対93Bに押圧接触しているので、適度な摩擦力で第1バッテリB3が装填室S5内を移動可能になっていて、第1バッテリB3の移動途中に、端子対B32が電極対93Bから離間するといった不具合は生じない。
【0180】
[2]図20(b)に示すように、第1バッテリB3を装填室S5の中央部まで挿入すると、ケーシング6Bの小突起65Bと第1バッテリB3の凹部B33とが嵌合する。これにより、第1バッテリB3が装填室S5に装填される(つまり、ケーシング6Bに固定される)。つまり、本実施形態中の「装填」とは、ケーシング6Bの小突起65Bと第1バッテリB3の凹部B33とが嵌合し、第1バッテリB3が装填室S5に固定された状態を言う。
【0181】
このことから、小突起65Bと凹部B33で、第1バッテリB3を装填室S5に固定する固定手段を構成しているといえる。このような固定手段を設けることで、第1バッテリB3の端子対B32と電極対93Bとの導通状態を確実に維持することができる。
【0182】
[3]そして、例えば被験者が、(1)前述した報知手段によって第1バッテリB3の残量が残りわずかであることを認知したり、(2)比較的長い間バッテリ交換を行えない状況となることを予め認識していたりする場合には、図20(c)に示すように、第2バッテリB3を適正な向きで挿入口61Bから装填室S5へ向けて挿入する。
【0183】
このとき、第1バッテリB3は、第2バッテリB3によって、取出口62Bへ向けて押圧される。これにより、小突起65Bと第1バッテリB3の凹部B33との嵌合が解除され、第1バッテリB3が取出口62Bへ向けて変位する。
【0184】
本実施形態では、この状態における第1バッテリB3の端子対B32と第2バッテリB3の端子対B32との離間距離をL1とし、電極対93B(つまり、各電極931B、932B)の長さをL2としたとき、L1<L2を満足している。そのため、第2バッテリB3を挿入口61Bから挿入し、第2バッテリB3の端子対B32と電極対93Bとが導通した段階では、第1バッテリB3の端子対B32と電極対93Bとが依然として導通状態を維持している。つまり、図20(c)の状態では、第1バッテリB3および第2バッテリB3が、それぞれ受信装置100に電力を供給している。
【0185】
[4]図20(d)に示すように、第2バッテリB3をさらに挿入すると、第1バッテリB3の端子対B32と電極対93Bとが離間し、この端子対B32と電極対93Bとの導通状態が解除される(つまり、第1バッテリB3から受信装置100への電力供給が停止する)。また、第2バッテリB3の凹部B33と小突起65Bとが嵌合し、第2バッテリB3がケーシング6B装填室S5に装填される。
【0186】
[5]そして、取出口62Bから第1バッテリB3を取出した後、蓋部材611B、621Bによって、挿入口61B、取出口62Bを閉状態とし、バッテリ交換が終了する。
【0187】
以上のような構成のケーシング6Bによれば、比較的簡単な構成で、受信装置100の作動を停止させずにバッテリ交換を行うことができる。また、ケーシング6Bの小型化を図ることができる。
【0188】
ここで、前述したように、L1<L2を満足しているため、より確実に、第2バッテリB3の端子対B32と電極対93Bとを導通させてから、第1バッテリB3の端子対B32と電極対93Bとの導通を解除することができる。このようなケーシング6Bによれば、受信装置100を停止させずに、バッテリ交換を行うことができる。
【0189】
なお、以上のような第3実施形態では、構成の簡単化のために、バッテリB3の端子対B32を湾曲させて、電極対93Bに押圧接触させる構成としたが、これに限定されない。例えば、バッテリB3の溝B31が形成された側面と対向する側面に、図19中上下方向に延在するとともに、バッテリB3の上下面に開放する1対の凹条を形成し、各凹条の底面に電極を配置する。これに対して、装填部S5には、1対の凹条に対応するように凸条の電極対を形成する。このような構成とすれば、バッテリB3の電極(端子対)と、ケーシング6Bの電極対とを確実に接触させることができるとともに、前述した逆挿し防止手段を兼ねることができる。
【0190】
以上のような第3実施形態によっても、第1実施形態の医療機器と同様の効果を発揮することができる。
【0191】
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の電源装置を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。
【0192】
また、前述した実施形態では、送信装置としてカプセル内視鏡を用いたものについて説明したが、送信装置としては、特に限定されない。
【0193】
また、前述した実施形態では、受信装置が被験者に装着されて用いられるものについて説明したが、被験者に装着されなくてもよい。
【0194】
また、前述した実施形態では、第1バッテリと第2バッテリとが同様の形状のものについて説明したが、これに限定されず、第1バッテリと第2バッテリとが互いに異なる形状をなしていてもよい。
【0195】
また、前述した第1実施形態では、第1ロック解除部材と第1ロック部材の変位を連動させるために、連動部材を用いたものについて説明したが、これに限定されず、例えば、連動部材を省略し、第1ロック部材と第1ロック解除部材とが当接しているものであってよい。
【0196】
また、前述した第1実施形態では、第1ロック部材が第1ロック解除部材と連動して変位するものについて説明したが、第1バッテリの取出しを阻止することができれば、これに限定されず、例えば、第1ロック解除部材を省略し、第1ロック部材を電気的に変位させてもよい。
【0197】
また、前述した第1実施形態では、第1ロック部材が第1バッテリの凹部に挿入されるものについて説明したが、これに限定されず、例えば、第1バッテリの上面と接触するように第1ロック部材が突出してもよい。これによれば、第1バッテリの凹部を省略することができる。また、第1ロック部材の状態を目視することができ、第1バッテリの取出しが許容されているのか、阻止されているのかを簡単に確認することができる。
【0198】
また、前述した第3実施形態では、蓋部材とケーシングとを雄型係止部材と雌型係止部材とを用いて接合・切り離ししているが、これに限定されず、例えば、その他の係止手段を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】本発明の医療機器(内視鏡システム)の第1実施形態を示す図である。
【図2】図1に示すカプセル内視鏡のブロック図である。
【図3】図1に示す受信装置が備える受信回路のブロック図である。
【図4】図1に示す体外ユニットが備える電源装置の模式的斜視図である。
【図5】図4に示す電源装置が備えるケーシングの模式的平面図である。
【図6】図4中のA−A線断面図である。
【図7】図4中のB−B線断面図である。
【図8】図5に示すケーシングに装填されるバッテリの模式的斜視図である。
【図9】バッテリ交換の手順を説明するための模式的断面図である。
【図10】バッテリ交換の手順を説明するための模式的断面図である。
【図11】バッテリ交換の手順を説明するための模式的断面図である。
【図12】バッテリ交換の手順を説明するための模式的断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態にかかる医療機器が備える電源装置を示す模式的斜視図である。
【図14】図13中のC−C線断面図である。
【図15】図13中のD−D線断面図である。
【図16】図13に示す電源装置が備えるケーシングに装填されるバッテリを示す模式的斜視図である。
【図17】本発明の第3実施形態にかかる医療機器が備える電源装置を示す模式的斜視図である。
【図18】図17に示す電源装置が備えるケーシングの模式的縦断面図である。
【図19】図18に示すケーシングに装填されるバッテリを示す模式的斜視図である。
【図20】バッテリ交換の手順を説明するための模式的断面図である。
【符号の説明】
【0200】
1 医療機器(内視鏡システム)
2 カプセル内視鏡
22 撮像ユニット
221 LED
222 イメージセンサ
223 LEDドライバ
224 コントローラ
225 送信ブロック
225a 変調回路
225b 送信アンプ
226 送信アンテナ
227 電源
3 体外ユニット
31 ベルト
311、312 配線
32 受信アンテナ
4 逆挿し防止手段
5 収納ケース
6、6A、6B ケーシング
61 第1ケーシング
61A 本体
61B 挿入口
611、612 側壁
611a、612a 切り欠き
611A 仕切り板
611B 蓋部材
612b 凸条
612A、613A 小突起
614 側壁
614a、614b 開口
614A、615A 孔
616A、617A 凸条
618A、619A 溝
62 第2ケーシング
62A 蓋体
62B 取出口
621B 蓋部材
621A、622A 凹部
624A、625A 凸部
621、622 側壁
621a、622a 切り欠き
622b 凸条
624 側壁
624a、624b 開口
63 収容ケース
64B 凸条
65B 小突起
68B、69B 係止手段
681B、691B 雄型係止部
682B、692B 雌型係止部
631、632 支持部
7 ロック機構
71 第1ロック機構
711 第1ロック部材
711a 先端部
711b 傾斜面
711c、712c 突出部
712 第1ロック解除部材
712a 先端部
712b 傾斜面
713 連動部材
713a 長孔
715 バネ部材
716 ヒンジ
72 第2ロック機構
721 第1ロック部材
722 第1ロック解除部材
723 連動部材
725 バネ部材
73 軸部材
8 受信回路
81 受信アンプ
82 復調回路
83 信号処理回路
84 情報圧縮回路
91、91A 第1電極対
911、912 電極
911A、912A 電極
92、92A 第2電極対
921、922 電極
921A、922A 電極
93B 電極対
931B、932B 電極
100 受信装置
110、110A、110B 電源装置
B1、B2、B3 バッテリ
B11、B21、B31 溝
B12、B22、B32 端子対
B13、B14、B33 凹部
B15 角部
B321、B322 端子
S ストレージ
S1、S3 第1装填室
S2、S4 第2装填室
S5 装填室
S11、S21 開口
S31 第1装填口
S41 第2装填口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1バッテリと、前記第1バッテリに代えて新たに交換する第2バッテリとを装填し得るケーシングと、
前記ケーシングに装填された前記第1バッテリおよび/または前記第2バッテリの端子対と導通する電極対とを有し、
前記ケーシングに装填された前記第1バッテリまたは前記第2バッテリから前記電極対を介して電力を供給する電源装置であって、
前記ケーシングは、前記第1バッテリが装填され、当該第1バッテリの前記端子対と前記電極対とが導通している状態で、前記第2バッテリが挿入され、当該第2バッテリの前記端子対と前記電極対とが導通した状態を維持しながら、前記第1バッテリを取出せるよう構成されていることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記ケーシングは、前記第1バッテリが装填され、当該第1バッテリの前記端子対と前記電極対とが導通している状態で、前記第2バッテリが装填された状態とならなければ、前記第1バッテリを前記ケーシングから取出すことができないよう構成されている請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記ケーシングは、前記第1バッテリを装填する第1装填室と、前記第2バッテリを装填する第2装填室とを有し、
前記電極対は、前記第1装填室に設けられた第1電極対と、前記第2装填室に設けられた第2電極対とを有し、
前記ケーシングは、前記第1装填室に前記第1バッテリが装填されており、かつ前記第2装填室に前記第2バッテリが装填されていないときは、前記第1装填室からの前記第1バッテリの取出しを阻止し、前記第2装填室に前記第2バッテリが装填されると、前記阻止が解除され、前記第1装填室に装填された前記第1バッテリを取出すことができるよう構成されている請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記第1装填室に装填された第1バッテリと係合し、当該第1バッテリの前記第1装填室からの取出しを阻止する第1の位置と、前記第1バッテリとの前記係合が解除され、当該第1バッテリの前記第1装填室からの取出しを許容する第2の位置との間を変位可能に設けられたロック部材を有している請求項3に記載の電源装置。
【請求項5】
前記第2装填室に装填された第2バッテリと係合し、当該係合と連動して、前記ロック部材を前記第1の位置から前記第2の位置に変位させるロック解除部材を有している請求項4に記載の電源装置。
【請求項6】
前記第1装填室は、前記第1バッテリの装填・取出しを行うための第1装填口を有し、
前記第2装填室は、前記第2バッテリの装填・取出しを行うための第2装填口を有し、
前記ケーシングは、前記第1装填口の少なくとも一部を覆う第1の位置と、前記第2装填口の少なくとも一部を覆う第2の位置との間で変位可能な蓋部材を有している請求項3に記載の電源装置。
【請求項7】
前記ケーシングには、前記第1バッテリまたは前記第2バッテリを取出すための切り欠きまたは孔が形成されている請求項3ないし6のいずれかに記載の電源装置。
【請求項8】
前記ケーシングは、前記第1バッテリおよび前記第2バッテリのうちの一方を挿入する挿入口と、他方を取出す取出口とを有し、
前記ケーシングに前記第1バッテリが装填されている状態で、前記第2バッテリを前記挿入口から挿入すると、前記第1バッテリが前記取出口へ向けて押し出され、
前記第2バッテリの前記端子対と前記電極対とが導通した後に、前記第1バッテリの前記端子対と前記電極対との導通が解除され、前記第1バッテリが前記取出口から取出されるよう構成されている請求項1に記載の電源装置。
【請求項9】
前記ケーシングは、筒状をなし、その両端の開口が、それぞれ前記挿入口および前記取出口を構成している請求項8に記載の電源装置。
【請求項10】
前記電極対は、前記第2バッテリの挿入方向に沿って設けられている請求項8または9に記載の電源装置。
【請求項11】
前記第2バッテリが前記第1バッテリを押圧する状態での、前記第1バッテリの前記端子対と前記第2バッテリの前記端子対との離間距離をL1とし、前記電極対の長さをL2としたとき、L1<L2を満足する請求項8ないし10のいずれかに記載の電源装置。
【請求項12】
前記挿入口および前記取出口のそれぞれを開閉する1対の蓋部材を有している請求項8ないし11のいずれかに記載の電源装置。
【請求項13】
前記ケーシングに装填された前記第1バッテリおよび/または前記第2バッテリを前記ケーシングに固定する固定手段を有している請求項1ないし12のいずれかに記載の電源装置。
【請求項14】
前記ケーシングに前記第1バッテリおよび前記第2バッテリを装填する際に、前記第1バッテリの前記端子対および前記第2バッテリの前記端子対が、前記電極対と導通し得る適正な向き以外の向きで前記ケーシングに装填されることを防止する逆挿し防止手段を有している請求項1ないし13のいずれかに記載の電源装置。
【請求項15】
生体に着用して用いられるものである請求項1ないし14のいずれかに記載の電源装置。
【請求項16】
生体内へ導入して使用されて無線信号を送信する送信装置からの無線信号を受信する受信装置と、前記受信装置と接続される請求項1ないし15のいずれかに記載の電源装置とを備える医療機器。
【請求項17】
前記送信装置は、生体内を撮像する撮像ユニットと、撮像された画像信号を無線信号として生体外へ送信する信号処理手段とを備えるカプセル内視鏡である請求項16に記載の医療機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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