説明

電源遮断装置、画像形成装置、電源遮断方法、及び電源遮断装置用プログラム

【課題】 従来の方法により、シャットダウン処理の途中にユーザに所定の確認を要求したとしても、要求の前後でシャットダウン処理に必要なプロセスの総数は減らない。このため、シャットダウン処理に要する時間を実質的に短縮することができないという課題があった。
【解決手段】 電源遮断装置は、外部電源の遮断の要求が受け付けられると、所定の負荷が稼働しているか判断する。また、電源遮断装置は、所定の負荷が稼働していると判断されると、所定の負荷への電力の供給の停止を要求する。これにより、電源遮断装置は、稼働が停止されていた負荷に対しては、稼働の停止の要求をしないことが可能となるので、シャットダウンに要する時間を短縮することができるという効果を奏する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の負荷の稼働を停止させた後に外部電源を遮断する電源遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置の一例としての画像形成装置は、CPU(Central Processing Unit)を用いた制御によって、用紙の搬送、トナー像の形成、転写、或いは定着などのプロセスを実現することが知られている。この場合、画像形成装置は、外部電源から供給された電力を負荷の一例としてのモータ、ファン、及びヒータに供給して、それらを稼働させることにより、上記の各プロセスを実現する。
【0003】
画像形成装置において外部電源を遮断(シャットダウン)する場合、次に電源を入れたときに装置が正常に動作するように、安全な状態でシステムを停止させる処理が実行される。この処理は、実行中の印刷処理を完了させる処理や、モータ、ファン、及びヒータなどの稼働を停止させる処理を含む。
【0004】
ところが、画像形成装置の多機能化に伴い、画像形成装置は、新たな機能に対応した新たな負荷を備えるようになった。このため、外部電源を遮断する前に停止させる必要のある負荷の数が増加し、画像形成装置のシャットダウンに要する時間が増加するようになった。
【0005】
近年、電源オフ指示に応答して、シャットダウン処理のうち一部の処理を実行させる第1の制御手段と、ユーザによる実行指示に応答して、シャットダウン処理のうちの残部の処理を実行させる第2の制御手段とを含む画像形成装置が提案された。この提案によると、実行指示を受け付ける前にシャットダウン処理の一部の処理が実行されているので、実行指示がなされたときからシャットダウン処理が完了するまでの時間を短縮することができるとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の方法により、シャットダウン処理の途中にユーザに所定の確認を要求したとしても、要求の前後でシャットダウン処理に必要なプロセスの総数は減らない。このため、シャットダウン処理に要する時間を実質的に短縮することができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、外部電源の遮断の要求を受け付ける受付部と、前記受付部によって前記外部電源の遮断の要求が受け付けられると、所定の負荷が稼働しているか判断する判断部と、前記判断部によって前記所定の負荷が稼働していると判断されると、前記所定の負荷の稼働の停止を要求する停止要求部と、前記要求に基づいて前記所定の負荷の稼働が停止されると、前記外部電源を遮断する遮断部と、を有することを特徴とする電源遮断装置である。
【0008】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電源遮断装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
請求項7に係る発明は、電源遮断装置が、外部電源の遮断の要求を受け付ける受付工程と、前記受付工程によって前記外部電源の遮断の要求が受け付けられると、所定の負荷が稼働しているか判断する判断工程と、前記判断工程によって前記所定の負荷が稼働していると判断されると、前記所定の負荷の稼働の停止を要求する停止要求工程と、前記要求に基づいて前記所定の負荷の稼働が停止されると、前記外部電源を遮断する遮断工程と、を有することを特徴とする電源遮断方法である。
【0010】
請求項8に係る発明は、電源遮断装置に、外部電源の遮断の要求を受け付ける受付処理と、前記受付処理によって前記外部電源の遮断の要求が受け付けられると、所定の負荷が稼働しているか判断する判断処理と、前記判断処理によって前記所定の負荷が稼働していると判断されると、前記所定の負荷の稼働の停止を要求する停止要求処理と、前記要求に基づいて前記所定の負荷の稼働が停止されると、前記外部電源を遮断する遮断処理と、を実行させることを特徴とする電源遮断装置用プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明によれば、電源遮断装置は、外部電源の遮断の要求が受け付けられると、所定の負荷が稼働しているか判断する。また、電源遮断装置は、所定の負荷が稼働していると判断されると、所定の負荷の稼働の停止を要求する。これにより、電源遮断装置は、稼働が停止していた負荷に対しては、稼働の停止の要求をしないことが可能となるので、シャットダウンに要する時間を短縮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る電源遮断装置の一例としての制御部を備えた画像形成装置の模式図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電源遮断装置の一例としての制御部のハードウェア構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る電源遮断装置の一例としての制御部の機能ブロック図である。
【図4】状態管理テーブルを示す概念図である。
【図5】順位管理テーブルを示す概念図である。
【図6】惰性管理テーブルを示す概念図である。
【図7】シャットダウン処理の要求を受け付けた後の画像形成装置の処理を示した処理フロー図である。
【図8】第1のモードによるシャットダウン処理を示した概念図である。
【図9】第2のモードによるシャットダウン処理を示した概念図である。
【図10】画像形成装置の各負荷の稼働の状態を管理する処理を示した処理フロー図である。
【図11】負荷の停止を要求する処理を示した処理フロー図である。
【図12】電源を遮断する準備段階の処理を示した処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<<実施形態の全体構成>>
以下、図面を用いて、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電源遮断装置の一例としての制御部を備えた画像形成装置の模式図であり、まずは図1を用いて、本実施形態の全体構成を説明する。
【0014】
図1に示されているように、画像形成装置1は、給紙される記録媒体の一例としての用紙が積載された給紙カセット111と、給紙カセット111に積載された用紙を一枚ずつ給紙する給紙ローラ112と、給紙ローラ112を駆動する給紙ローラ用モータ113とを備えている。
【0015】
また、画像形成装置1は、給紙ローラ112によって給紙された用紙を搬送する搬送ローラ121と、搬送ローラ121を駆動する搬送ローラ用モータ122と、搬送ローラ121によって搬送された用紙の先端部を挟み込んで待機し、用紙を所定のタイミングでトナーの転写位置に送り出す一対のタイミングローラ123と、を備えている。なお、用紙の搬送経路には、搬送される用紙をガイドさせる不図示のガイド部材が備えられている。
【0016】
また、画像形成装置1は、所定の間隔をおいて、イエロートナーを有した現像剤を用いて現像する画像形成ユニット130aと、シアントナーを有した現像剤を用いて現像する画像形成ユニット130bと、マゼンタトナーを有した現像剤を用いて現像する画像形成ユニット130cと、ブラックトナーを有した現像剤を用いて現像する画像形成ユニット130dと、画像データに基づき光を照射して潜像を書き込む書込ユニット133と、を備えている。
【0017】
なお、本実施形態では、画像形成ユニット(130a,130b,130c,130d)のうち任意の画像形成ユニットを示す場合には「画像形成ユニット130」を用いる。また、本実施形態において、トナーとは、顔料や染料等の色材を付着又は含有し、帯電性を持った樹脂粒子を意味する。
【0018】
図1において4つの画像形成ユニット130は、それぞれに用いられる現像剤が異なるのみで、機械的な構成は実質的に同様である。画像形成ユニット130には、時計回りに回転可能に設けられ、潜像及びトナー像が形成される感光ドラム(131a,131b,131c,131d)と、感光ドラム(131a,131b,131c,131d)の表面を一様に帯電させる帯電器(132a,132b,132c,132d)と、帯電器(132a,132b,132c,132d)によって帯電された感光ドラム(131a,131b,131c,131d)の表面に、書込ユニット133によって光を照射されて形成された潜像をトナー像に現像する現像器(134a,134b,134c,134d)と、感光ドラム(131a,131b,131c,131d)に対向して設けられ、感光ドラム131の表面に形成された各トナー像を転写媒体に1次転写するための1次転写ローラ(135a,135b,135c,135d)と、トナー像が1次転写された後の感光ドラム(131a,131b,131c,131d)の表面を除電する除電器(136a,136b,136c,136d)と、除電器(136a,136b,136c,136d)で除電された感光ドラム(131a,131b,131c,131d)の表面に残った転写残トナーを除去する清掃器(137a,137b,137c,137d)とが備えられている。
【0019】
なお、本実施形態では、感光ドラム(131a,131b,131c,131d)のうち任意の感光ドラムを示す場合には「感光ドラム131」を用いる。帯電器(132a,132b,132c,132d)のうち任意の帯電器を示す場合には「帯電器132」を用いる。また、現像器(134a,134b,134c,134d)のうち任意の現像器を示す場合には「現像器134」を用いる。また、1次転写ローラ(135a,135b,135c,135d)のうち任意の1次転写ローラを示す場合には「1次転写ローラ135」を用いる。また、除電器(136a,136b,136c,136d)のうち任意の除電器を示す場合には「除電器136」を用いる。また、清掃器(137a,137b,137c,137d)のうち任意の清掃器を示す場合には「清掃器137」を用いる。
【0020】
書込ユニット133は、画像データに基づいてレーザー光を発生させるLD(laser Diode)133xと、所定方向に回転することにより発生したレーザー光を反射して各感光ドラム131に照射するためのポリゴンミラー133yと、ポリゴンミラー133yを駆動するポリゴンモータ133zとを備えている。
【0021】
また、画像形成装置1は、複数のローラ141と、2次対向ローラ142と、に掛け渡され、感光ドラム131の表面から順次1次転写されたトナー像を保持した状態で循環する転写媒体の一例としての中間転写ベルト143、中間転写ベルト143を挟んで、2次対向ローラ142に対向して設けられた2次転写ローラ144を備えている。これにより、2次転写ローラ144と中間転写ベルト143とによって挟み込まれた用紙に2次転写バイアスがかけられることで、中間転写ベルト143に保持されたトナー像が用紙に転写される。
【0022】
また、画像形成装置1は、用紙を加熱するヒータ151を備えた加熱ローラ152と、加熱ローラ152によって発生した熱を装置外に排気するためのファン153と、加熱ローラ152に回転可能に押し当てて加圧することにより接触面(ニップ部)を形成させる加圧ローラ154と、加熱ローラ152及び加圧ローラ154を回転駆動する定着部モータ155と、を備えている。
【0023】
また、画像形成装置1は、両面印刷を行うために、トナーが定着された用紙を反転させた後タイミングローラ123に至る搬送経路に給紙する機構を有した両面印刷ユニット161を備えている。両面印刷ユニット161は、トナーを定着させた用紙をスイッチバックさせて、タイミングローラ123に至る搬送経路に送り出すことにより用紙を反転させる反転ローラ162と、反転ローラを駆動する反転ローラ用モータ163と、を備えている。
【0024】
また、画像形成装置1は、トナーが定着された用紙を排紙する排紙ローラ164と、排紙ローラ164を駆動する排紙ローラ用モータ165と、排紙ローラ164によって排紙された用紙を収容する排紙トレイ166と、を備えている。
【0025】
また、画像形成装置1は、給紙される原稿を収容する原稿給紙部171と、給紙された原稿の画像を読み取るスキャナ172と、画像が読み取られた原稿が排紙される原稿排紙部173と、を有している。
【0026】
また、画像形成装置1は、後述のCPU(Central Processing Unit)や、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶装置を備えた電源遮断装置の一例としての制御部180を有している。
【0027】
画像形成装置1の制御部180のハードウェア構成について図2を用いて説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る電源遮断装置の一例として制御部180のハードウェア構成図である。制御部180は、電源遮断処理時に用紙の搬送や、画像形成を行うための機構部の駆動を制御するエンジン181と、エンジン181に対して各種の要求を行うコントローラ182とを備えている。エンジン181と、コントローラ182とは、バスの一例としてのPCIバス1800によって接続されている。
【0028】
エンジン181は、エンジン181の全体の動作を制御するエンジンCPU1811と、エンジン181に各種機能又は各種手段を実現させるためのプログラムを記憶したエンジンROM1812と、CPU1811のワークエリアとして使用されるエンジンRAM1813と、各種データを記憶する不揮発性のエンジンNVRAM(Non-volatile Random Access Memory)1814と、所定の信号を出力することによりモータ(113,122,133z,155,163,165)、ヒータ151、及びファン153等の駆動を制御するASIC(Application Specific Integrated Circuit)1815とを備えている。
【0029】
コントローラ182は、コントローラ182の全体の動作を制御するコントローラCPU1821と、コントローラ182に各種機能又は各種手段を実現させるためのプログラムを記憶したコントローラROM1822と、コントローラCPU1821のワークエリアとして使用されるコントローラRAM1823と、各種データを記憶する不揮発性のコントローラNVRAM1824と、ユーザに操作内容を報知する表示パネルとユーザからの操作入力を受け付ける操作パネルとを兼ね備えた表示操作パネル1825と、外部の情報処理装置などの機器とデータ伝送をするためのI/F(Interface)1826、及び、上記各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン1827を備えている。
【0030】
<<実施形態の機能構成>>
次に、図3を用いて本実施形態の機能構成について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る電源遮断装置の一例としての画像形成装置1の機能ブロック図である。
【0031】
<エンジンの機能構成>
画像形成装置1の制御部180のエンジン181は、状態検知部1831と、モータ制御部1832と、ヒータ制御部1833と、ファン制御部1834と、を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、エンジンROM1812に記憶されているプログラムに従ったエンジンCPU1811からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0032】
<エンジンの各機能部>
状態検知部1831は、エンジンROM1812に記憶されているプログラムに従ったエンジンCPU1811からの命令によって、画像形成装置1の各負荷の稼働の状態を定期的に検知する。なお、本実施形態において負荷とは、電気的エネルギーを消費するものを意味し、具体的には画像形成装置1の搬送ローラ用モータ122、ファン153、ヒータ151などが挙げられる。また、本実施形態において稼働とは、電力が供給されることにより、負荷が機能することを意味する。
【0033】
モータ制御部1832は、ASIC1815からの信号の出力により、給紙ローラ用モータ113、搬送ローラ用モータ122、ポリゴンモータ133z、定着部モータ155、反転ローラ用モータ163、及び排紙ローラ用モータ165の稼働を制御する。
【0034】
ヒータ制御部1833は、ASIC1815からの信号の出力により、ヒータ151の稼働を制御する。ファン制御部1834は、ASIC1815からの信号の出力により、ファン153の稼働を制御する。
【0035】
<コントローラの機能構成>
画像形成装置1の制御部180のコントローラ182は、状態管理部1841と、停止判断部1842と、順位判断部1843と、惰性判断部1845と、外部電源スイッチ1846と、記憶読出処理部1847と、を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、ROM1822に記憶されているプログラムに従ったコントローラCPU1821からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、コントローラ182は、図3に示されているコントローラNVRAM1824によって構築される記憶部185を有している。
【0036】
(状態管理テーブル)
記憶部185には、図4に示されているような状態管理テーブルによって構成されている状態管理DB(Data Base)1851が構築される。図4は、状態管理テーブルを示す概念図である。図4の状態管理テーブルでは、画像形成装置1の外部電源を遮断する前に稼働を停止する必要のある負荷を示す負荷情報と、この負荷の稼働の状態を示す状態情報と、が対応付けられて管理される。状態情報は、負荷が稼働していない状態を示す「0」と、負荷が稼働している状態を示す「1」とを含む。図4に示される状態管理テーブルは、画像形成装置1の給紙ローラ用モータ113は稼働していないことを示す。
【0037】
(順位管理テーブル)
記憶部185には、図5に示されているような順位管理テーブルによって構成されている順位管理DB1852が構築される。図5は、順位管理テーブルを示す概念図である。図5の順位管理テーブルでは、画像形成装置1の外部電源を遮断する前に稼働を停止する必要のある負荷を示す負荷情報と、この負荷の稼働を停止する際の停止する順位を示す順位情報と、が対応付けられて管理される。図5の順位管理テーブルでは、順位情報の値が大きくなるにしたがい、負荷を停止する順位が後になるよう管理される。図5に示される順位管理テーブルは、給紙ローラ用モータ113が、反転ローラ用モータ163より先に稼働を停止することを示す。
【0038】
(惰性管理テーブル)
記憶部185には、図6に示されているような惰性管理テーブルによって構成されている惰性管理DB1853が構築される。図6は、惰性管理テーブルを示す概念図である。図6の惰性管理テーブルでは、画像形成装置1の外部電源を遮断する前に稼働を停止する必要のあるの負荷を示す負荷情報と、この負荷に稼働の停止を要求した後も惰性動作する負荷であるか否かを示す惰性情報と、が対応付けられて管理される。
【0039】
本実施形態において惰性動作とは、外力が働かなければ続く動作を意味する。なお、本実施形態では、惰性管理テーブルには、惰性動作中に電源を遮断することが許容された惰性を示す惰性情報が管理される。惰性情報は、惰性動作しない負荷であることを示す「0」と、惰性動作する負荷であることを示す「1」とを含む。図6に示される惰性管理テーブルは、ポリゴンモータ133zが、惰性動作する負荷であることを示す。
【0040】
<コントローラの各機能部>
状態管理部1841は、コントローラROM1822に記憶されているプログラムに従ったコントローラCPU1821からの命令によって、状態管理テーブル(図4参照)で管理される各負荷の状態を更新する。停止判断部1842は、コントローラROM1822に記憶されているプログラムに従ったコントローラCPU1821からの命令によって、画像形成装置1の外部電源を遮断する前に稼働を停止する必要のある負荷毎に、この負荷の稼働が停止されているか判断する。
【0041】
順位判断部1843は、コントローラROM1822に記憶されているプログラムに従ったコントローラCPU1821からの命令によって、停止判断部1842で停止されていないと判断された負荷について、この負荷の稼働を停止させる順位があるか判断する。
【0042】
停止要求部1844は、コントローラROM1822に記憶されているプログラムに従ったコントローラCPU1821からの命令によって、エンジン181に対して負荷の停止の要求をする。
【0043】
惰性判断部1845は、コントローラROM1822に記憶されているプログラムに従ったコントローラCPU1821からの命令によって、停止要求部1844によって停止の要求がされた負荷が惰性動作する負荷であるか判断する。
【0044】
外部電源スイッチ1846は、コントローラROM1822に記憶されているプログラムに従ったコントローラCPU1821からの命令によって、画像形成装置1が外部電源200と接続した状態と遮断した状態とを切り替える。
【0045】
記憶読出処理部1847は、コントローラROM1822に記憶されているプログラムに従ったコントローラCPU1821からの命令によって、記憶部185に各種データを記憶したり、記憶部185に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
【0046】
<<実施形態の処理・動作>>
続いて、本実施形態に係る画像形成装置1における処理方法を説明する。まず、画像形成装置1のネットワークI/F1826は、通信ネットワークを介して画像出力端末によって送信され、画像データ、印刷条件が含まれた画像形成要求情報を受信する。本実施形態では、画像データがRGB画像データである場合について説明する。印刷条件には、用紙サイズ、印刷面(片面又は両面)などが含まれている。
【0047】
ネットワークI/F1826が画像形成要求情報を受信すると、コントローラ182は、コントローラROM1822に記憶されているプログラムに従ったコントローラCPU1821からの命令によって、イエロー(Y)、ブラック(K)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の各トナーによって形成される画像の画像データを生成する。
【0048】
この場合、コントローラ182は、画像形成要求情報に含まれるRGB画像データを色変換処理して、トナーの各色(C,M,Y,K)に対応した色分解データからなるCMYK画像データを生成する。なお、コントローラ182は、画像データに色変換処理の他、色補正処理や空間周波数補正処理等の公知の画像処理を実行しても良い。画像データの生成が完了するとコントローラ182は、エンジン181に生成された画像データに基づく画像の形成を要求する。
【0049】
この要求に基づいて、エンジン181のモータ制御部1832は、給紙ローラ用モータ113に電力が供給されるよう制御する。これにより、給紙ローラ112は、給紙ローラ用モータ113によって駆動されて、給紙カセット111に収容された用紙を一枚ずつ画像形成装置1内の搬送経路に給紙する。
【0050】
続いて、モータ制御部1832は、搬送ローラ用モータ122に電力が供給されるよう制御する。これにより、搬送ローラ121は、搬送ローラ用モータ122によって駆動されて、給紙された用紙を転写部140の方向へ搬送する。タイミングローラ123は、搬送ローラ121によって搬送された用紙の先端部を挟み込み、転写位置で用紙を2次転写するタイミングになるまで待機する。
【0051】
一方、各画像形成ユニット130は、生成された画像データに基づいて、各トナー(C,M,Y,K)のトナー像を作像する。この場合、帯電器132は、反時計回りに回転する感光ドラム131の表面を一様に帯電させる。
【0052】
モータ制御部1832は、ポリゴンモータ133zに電力が供給されるよう制御する。これにより、ポリゴンミラー133yは、ポリゴンモータ133zによって駆動されて、回転する。LD133xは、回転するポリゴンミラーに、生成された画像データの色分解データに基づきレーザー光を照射する。
【0053】
照射されたレーザー光は、回転するポリゴンミラーによって反射方向を変えられながら、反射する。反射されたレーザー光は、帯電された感光ドラム(131a,131b,131c,131d)の表面を走査する。これにより、帯電後の感光ドラム(131a,131b,131c,131d)には各色分解データ(C,M,Y,K)によって示される画像に対応した静電潜像が形成される。
【0054】
各静電潜像が形成されると、現像器134は、感光ドラム(131a,131b,131c,131d)の静電潜像をトナー(C,M,Y,K)を用いて現像し、トナー像(C,M,Y,K)を作像する。
【0055】
現像されたトナー像は、1次転写ローラ135によって1次転写バイアスがかけられることで、図1において時計回りに循環移動する中間転写ベルト143に順次重ねて転写される(一次転写)。中間転写ベルト143にトナー像が1次転写された後、感光ドラム131の表面は、除電器136によって除電される。また、除電された感光ドラム131の表面に残った転写残トナーは、清掃器137によって除去される。
【0056】
一次転写されたトナー像は、中間転写ベルト143に付着した状態で移動し、2次転写ローラ144によって2次転写バイアスがかけられることで用紙に転写される(2次転写)。この用紙は、中間転写ベルト143上のトナー像が移動するタイミングに合わせて、タイミングローラ123によって送り出されたものである。2次転写が完了すると、用紙は定着位置に搬送される。
【0057】
定着ローラのヒータ151は、ヒータ制御部1833の制御により予め電力が供給され、所定の出力で熱を発生している。これにより、加熱ローラ152と加圧ローラ154とによって形成される接触面(ニップ部)を通過する用紙に所定の熱が加えられ、トナー(C,M,Y,K)は可塑化する。また、可塑化したトナー及び用紙には、加圧ローラ154によって圧力が加えられることで、トナーが用紙に密着すると共に、用紙の繊維間に入り込むことで定着する。
【0058】
また、ファン153は、ヒータ制御部1833の制御により予め電力が供給され、所定の出力で回転している。これにより、ファン153は、ヒータ151が発生した熱を画像形成装置1の外に排気する。
【0059】
トナーが定着された用紙の搬送経路は、不図示の切替手段によって、両面印刷ユニット161側に向かう第1の経路、又は排紙ローラ164に向かう第2の経路に切り替えられる。この場合、切替手段は、画像形成要求情報に含まれる印刷条件に基づいて搬送方向を切り替える。
【0060】
搬送経路が第1の経路に切り替えられた場合、モータ制御部1832は、反転ローラ用モータ163に電力が供給されるよう制御する。これにより、反転ローラ162は、反転ローラ用モータ163によって駆動されて、用紙を所定の反転部に引き込む方向に回転する。更に、モータ制御部1832は、反転ローラ用モータ163が反転するよう制御する。これにより、反転ローラ162は、反転ローラ用モータ163によって反対方向に駆動されて、用紙をタイミングローラ123に至る搬送経路に送り出す。
【0061】
搬送経路が第2の経路に切り替えられた場合、モータ制御部1832は、排紙ローラ用モータ165に電力が供給されるよう制御する。これにより、排紙ローラ164は、排紙ローラ用モータ165によって駆動されて、トナーを定着させた用紙を排紙トレイ166に排紙する。
【0062】
次に、図7を用いて表示操作パネル1825がシャットダウン処理の要求を受け付けた後の画像形成装置1の処理について説明する。図7は、シャットダウン処理の要求を受け付けた後の画像形成装置1の処理を示した処理フロー図である。
【0063】
表示操作パネル1825は、ユーザからの電源OFF(シャットダウン)の要求を受け付けると、コントローラ182は、シャットダウンの様式(シャットダウンモード)を決定する(ステップS1)。このシャットダウンモードは、フェイルセーフな制御に基づいて電源を遮断する第1のモードと、第1のモードと比較してより時間を短縮させて電源を遮断する第2のモードとを有する。
【0064】
コントローラ182がシャットダウンモードを決定する方法は特に限定されない。例えば、コントローラ182は、ユーザからシャットダウンの実行を受け付けた時刻に基づいて、第1のモードでシャットダウンを実行するか、第2のモードでシャットダウンを実行するか決定しても良い。
【0065】
コントローラ182は、例えば、予め定められた画像形成装置1の使用頻度の高い時間(例えば、9時〜18時)にシャットダウンの実行を受け付けた場合、時間を短縮させて電源を遮断する第2のモードを実行する決定をしても良い。これにより、画像形成装置1のシャットダウンの実行中に再び画像形成装置1を使用する必要性が生じた場合、シャットダウンの時間が短縮されるため再び画像形成装置1を復旧するまでの時間が短くなる。
【0066】
決定されたシャットダウンモードが第1のモードである場合(ステップS2のYES)、コントローラ182は、エンジン181に第1のモードによるシャットダウンの要求をする(ステップS3)。決定されたシャットダウンモードが第2のモードである場合(ステップS2のNO)、コントローラ182は、エンジン181に第2のモードによるシャットダウンの要求をする(ステップS4)。
【0067】
次に図8を用いて、第1のモードによるシャットダウン処理を説明する。図8は、第1のモードによるシャットダウン処理を示した概念図である。まず、コントローラ182は、エンジン181に実行中の処理を完了させて負荷を安全に停止する処理(安全停止処理)を要求する。例えば、画像形成装置1が印刷実行中の場合には、エンジン181は、印刷中の用紙がすべて排紙ローラ164によって排紙されてから、負荷を停止する要求をする。
【0068】
安全停止処理が完了すると、コントローラ182は、フェイルセーフな制御に基づいて、エンジン181に対して、外部電源を遮断する前に稼働を停止する必要のあるすべての負荷に対して稼働の停止の要求をする。この場合、コントローラ182は、稼動中の負荷と、例えば、安全停止処理によって停止した停止済みの負荷とを区別せず、すべての負荷に対して停止の要求をする。
【0069】
コントローラ182は、エンジン181から負荷の停止を示す情報を受信すると、停止処理が完了したと判断する。図8に示されるように、ポリゴンモータ133zのように、停止要求後にも惰性動作する負荷については、惰性動作が停止するための時間を要するため、停止処理を開始してから完了するまでの時間が長くなる。
【0070】
すべての負荷の停止処理が完了すると、コントローラ182は、画像形成装置1の電源を遮断する。第1のモードによるシャットダウン時間Tは、安全停止処理時間t11と、各負荷の停止処理時間t12との和となる。
【0071】
次に図9を用いて、第2のモードによるシャットダウン処理を説明する。図9は、第2のモードによるシャットダウン処理を示した概念図である。まず、コントローラ182は、第1のモードと同様に、エンジン181に負荷の安全停止を要求する。
【0072】
安全停止処理が完了すると、コントローラ182は、エンジン181に対して、稼働中の負荷に対して停止の要求をし、停止している負荷に対しては停止の要求をしない。コントローラ182が負荷の停止を判断する方法については、後述する。
【0073】
コントローラ182は、エンジン181から負荷の停止を示す情報を受信すると、停止処理が完了したと判断する。なお、停止要求後にも惰性動作する特定の負荷については、コントローラ182は、惰性動作の停止を待たず、停止処理が完了したと判断する。コントローラ182が、惰性動作する負荷について判断する方法については、後述する。
【0074】
特定の負荷を除くすべての負荷の停止処理が完了すると、外部電源スイッチ1846は、画像形成装置1の外部電源を遮断する。第2のモードによるシャットダウン時間Tは、安全停止処理時間t21と、各負荷の停止処理時間t22との和となる。この場合、モード2のシャットダウン時間Tは、停止した負荷に対しては停止の要求をせず、特定の負荷については負荷の停止を待たないことから、モード1のシャットダウン時間Tよりも、時間Tの分だけ短縮される。
【0075】
次に図10を用いて、コントローラ182が、画像形成装置1の各負荷の稼働の状態を管理する処理を説明する。図10は、画像形成装置1の各負荷の稼働の状態を管理する処理を示した処理フロー図である。まず、エンジン181では、図3に示されている状態検知部1831が、画像形成装置1の各負荷の稼働の状態を定期的に検知している(ステップS11)。
【0076】
この場合、状態検知部1831は、画像形成装置1において外部電源を遮断する前に稼働を停止する必要のある負荷について状態を検知する。なお、これらの負荷は、状態管理テーブル(図4参照)で管理された負荷である。状態検知部1831が負荷の状態を検知する方法としては、例えば、モータ(113,122,133z,155,163,165)、ファン153、ヒータ151等を稼働するためにASIC1815から各機構に対して出力される信号を検知する方法が挙げられる。
【0077】
状態検知部1831によっていずれかの負荷の稼働の状態が検知されると、状態検知部1831はこの負荷を示す負荷情報と、検知された状態を示す状態情報をコントローラ182側に送信する。これらの情報を受信すると、コントローラ182の状態管理部1841は、受信された状態情報と、状態管理テーブルで管理された状態情報とが一致するか判断する(ステップS12)。この場合、状態管理部1841は、受信された負荷情報に基づいて状態情報管理テーブル(図4参照)を検索し、対応した状態情報を取得する。これにより、状態管理部1841は、受信された状態情報と取得された状態情報とを比較することにより、それぞれ一致するか判断することができる。
【0078】
受信された状態情報と、状態管理テーブル(図4参照)で管理される状態情報とが一致しないと判断された場合(ステップS12のNO)、状態管理部1841は、状態管理テーブルで管理される状態情報を受信された状態情報に更新する(ステップS13)。これにより、状態管理テーブル(図4参照)は、各負荷の最新の状態を管理することが可能となる。
【0079】
次に図11を用いて、コントローラ182が、負荷の停止を要求する処理について説明する。図11は、負荷の停止を要求する処理を示した処理フロー図である。まず、停止判断部1842は、画像形成装置1の外部電源を遮断する前に稼働を停止する必要のある負荷毎に、負荷の稼働が停止されているか判断する(ステップS21)。この場合、停止判断部1842は、状態管理テーブル(図4参照)を参照して、状態情報が「0」である負荷については停止していると判断し、状態情報が「1」である負荷については停止していないと判断する。
【0080】
コントローラ182は、停止されていると判断された負荷(ステップS21のYES)の停止を要求しない。これにより、停止済みの負荷に対して停止要求をする必要がなくなるため、シャットダウンに要する時間を短縮することができる。
【0081】
停止されていないと判断された負荷(ステップS21のNO)について、順位判断部1843は、停止させる順位があるか判断する(ステップS22)。この場合、順位判断部1843は、停止されていないと判断された負荷について、その負荷を示す負荷情報をキーとして順位管理テーブル(図5参照)を検索し、対応した順位情報を取得する。取得された順位情報が「0」である場合、順位判断部1843は、停止させる順位のない負荷であると判断する。取得された順位情報が「0」でない場合、順位判断部1843は、停止させる順位のある負荷であると判断する。
【0082】
コントローラ182の停止要求部1844は、停止させる順位のない負荷については(ステップS22のNO)、即時にエンジン181に対して停止を要求する(ステップS23)。これにより、停止要求部1844は、速やかにエンジン181に対して停止を要求することができる。
【0083】
停止要求部1844は、停止させる順位のある負荷については(ステップS22のNO)、すべての負荷について停止順の判断がされてから、停止させる順位通りにエンジン181に対して停止を要求する(ステップS24)。この場合、停止要求部1844は、取得された順位情報が小さい負荷を先に停止させるよう要求する。これにより、最適な順位で負荷を停止することができるので、画像形成装置1のエラーの発生を防ぐことができる。
【0084】
停止要求部1844から負荷の停止を要求されると、エンジン181は各負荷を停止する。例えば、定着部モータ155の停止の要求が受け付けられた場合、エンジン181のモータ制御部1832は、定着部モータ155の稼働を停止するよう制御する。状態検知部1831は、モータ制御部1832の制御によって負荷の稼働が停止したことを検知すると、負荷を示す負荷情報と、対しの状態を示す状態情報「0」とを、コントローラ182に送信する。
【0085】
次に、図12を用いて、コントローラ182が、電源を遮断する準備段階の処理について説明する。図12は、電源を遮断する準備段階の処理を示した処理フロー図である。まず惰性判断部1845は、停止要求部1844によって停止の要求がされた負荷が、惰性動作する負荷であるか判断する(ステップS41)。この場合、惰性判断部1845は、停止要求部1844によって停止の要求がされた負荷を示す負荷情報を検索キーとして、惰性管理テーブル(図6参照)を検索し、対応した惰性情報を取得する。惰性判断部1845は、取得された惰性情報が「0」である場合、惰性動作しないと判断する。また、惰性判断部1845は、惰性情報が「1」である場合、惰性動作すると判断する。
【0086】
惰性判断部によって惰性動作すると判断された場合(ステップS41のYES)、状態管理部1841は、惰性動作の停止を待たずに、状態管理テーブルを更新する(ステップS42)。状態管理部1841は、例えば、第1のモードで、惰性動作をする負荷毎に定められた停止時間を待って状態管理テーブルを更新していた場合、停止時間を待たずに状態管理テーブルを更新する処理方法に切り替える。状態管理部1841は、状態管理テーブル(図4参照)において、この負荷の負荷情報に対応した状態情報を、停止を示す「0」に更新させる。これにより、惰性動作する負荷については、エンジン181からの負荷の停止を示す情報を待つことなく、停止したものとみなしてシャットダウンの処理を進めることができる。
【0087】
惰性判断部によって惰性動作しないと判断された場合(ステップS41のNO)、状態管理部1841は、エンジン181の状態検知部1831によって送信される負荷の稼働の停止を示す状態情報の受信を待つ。状態情報が受信されると、状態管理部1841は、状態管理テーブル(図4参照)において、この負荷を示す負荷情報に対応した状態情報を、停止を示す「0」に更新させる(ステップS42)。
【0088】
状態管理テーブル(図4参照)で管理される状態情報が更新されて、すべての負荷に対応する状態情報が「0」になると、外部電源スイッチ1846は、画像形成装置1の外部電源200を遮断して、シャットダウン処理を完了する。
【0089】
<<実施形態の補足>>
上記実施形態では、状態検知部1831が、ASIC1815から各機構に対して出力される信号に基づき負荷を検知し、状態管理テーブル(図4参照)は、状態検知部1831の検知結果に基づいて各負荷の稼働の状態を管理した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。状態管理テーブルは、コントローラ182から、エンジン181への負荷の稼働の要求及び負荷の停止の要求のうち、最先の要求に基づいて状態情報を管理するようにしても良い。これにより、エンジン181が状態検知部1831を有していない場合でも、各負荷の稼働の状態の判断が可能になる。
【0090】
上記実施形態において、状態管理部1841、停止判断部1842、順位判断部1843、停止要求部1844、惰性判断部1845は、コントローラ182に設けられていた。しかしながら、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、状態管理部1841、停止判断部1842、順位判断部1843、停止要求部1844、惰性判断部1845の全部又は一部は、エンジン181に設けられていても良い。この場合、エンジン181に設けられた上記の各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、エンジンROM1812に記憶されているプログラムに従ったエンジンCPU1811からの命令によって動作することで実現される。この場合、シャットダウンの主な制御は、エンジン181によって実行されることとなる。この制御の結果は、コントローラ182通知されることにより、記憶部185の各管理DBで管理される。
【0091】
上記実施形態では、画像形成装置1は、通信ネットワークを介して画像出力端末によって送信された画像データに基づいて画像を形成した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。画像形成装置1は、スキャナ172によって読み取られた画像の画像データに基づいて画像を形成しても良い。
【0092】
上記実施形態では、電源遮断装置の一例としての制御部180は、画像形成装置1に備えられていた。しかしながら、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。制御部180は、電力の供給を制御することによって稼働する負荷を有するものであれば、他の情報処理装置に備えられていても良い。他の情報処理装置としては、例えば負荷の一例としての光源を冷却するファンを備えたプロジェクター、ディスプレイ、及びテレビ会議端末などが挙げられる。この場合、制御部180のファン制御部1834が他の情報処理装置のファンへの電力の供給を制御する構成とすることにより、上記の実施形態と同様のシャットダウン処理のプロセスを実現することができる。
【0093】
<<実施形態の主な効果>>
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置1は、シャットダウンの要求が受け付けられると、停止判断部は1842、画像形成装置1の外部電源を遮断する前に稼働を停止する必要のある負荷毎に、稼働が停止されているか判断する。停止要求部1844は、稼働が停止されていないと判断された負荷について、エンジン181に対して負荷の稼働の停止の要求をする。この負荷に対する稼働が停止すると、外部電源スイッチ1846は、画像形成装置1の外部電源200を遮断する。これにより、停止要求部1844は、稼働が停止されていた負荷に対しては、電力の供給の停止の要求をしないことが可能となるので、シャットダウンに要する時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0094】
また、本実施形態によれば、惰性管理テーブル(図6参照)は、停止要求後も惰性動作する負荷を管理する。この場合、状態管理部1841は、惰性動作する負荷については、惰性動作の停止を待つことなく、停止したものとみなして状態管理テーブル(図4参照)を更新する。これにより、シャットダウンに要する時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0095】
また、本実施形態によれば、順位管理テーブル(図5参照)は、画像形成装置1の外部電源を遮断する前に稼働を停止する必要のある負荷を示す負荷情報と、この負荷を停止する際の停止する順位を示す順位情報と、を対応付けて管理する。順位判断部1843は、負荷を示す負荷情報をキーとして順位管理テーブルを検索し、対応した順位情報を取得する。停止要求部1844は、取得された順位情報が小さい順位に従い負荷の停止を要求する。これにより、最適な順位に従いで負荷を停止することができるので、画像形成装置1のエラーの発生を防ぐことができる。
【0096】
また、本実施形態によれば、モータ制御部1832は、ASIC1815からの信号の出力により、給紙ローラ用モータ113、搬送ローラ用モータ122、ポリゴンモータ133z、定着部モータ155、反転ローラ用モータ163、及び排紙ローラ用モータ165への電力の供給を制御する。ヒータ制御部1833は、ASIC1815からの信号の出力により、ヒータ151への電力の供給を制御する。ファン制御部1834は、ASIC1815からの信号の出力により、ファン153への電力の供給を制御する。
【0097】
状態検知部1831は、ASIC1815からの信号の出力に基づいて負荷の稼働の状態を検知する。これにより、状態検知部1831は、実測された信号に基づいて、負荷の稼働の状態を正確に検知できるという効果を奏する。
【0098】
また、本実施形態によれば、状態管理テーブル(図4参照)は、コントローラ182から、エンジン181への負荷の稼働の要求及び負荷の停止の要求のうち、最先の要求に基づいて状態情報を管理するようにしても良い。これにより、エンジン181が状態検知部1831を有していない場合でも、各負荷の稼働の状態の判断が可能になる。
【符号の説明】
【0099】
1 画像形成装置
111 給紙カセット
112 給紙ローラ
113 給紙ローラ用モータ
121 搬送ローラ
122 搬送ローラ用モータ
123 タイミングローラ
130 画像形成ユニット
131 感光ドラム
132 帯電器
133 書込ユニット
133x LD
133y ポリゴンミラー
133z ポリゴンモータ
134 現像器
135 1次転写ローラ
136 除電器
137 清掃器
141 ローラ
142 2次対向ローラ
143 中間転写ベルト
144 2次転写ローラ
151 ヒータ
152 加熱ローラ
153 ファン
154 加圧ローラ
155 定着部モータ
161 両面印刷ユニット
162 反転ローラ
163 反転ローラ用モータ
164 排紙ローラ
165 排紙ローラ用モータ
166 排紙トレイ
171 原稿給紙部
172 スキャナ
173 原稿排紙部
180 制御部 (電源遮断装置の一例)
181 エンジン
182 コントローラ (開始要求部の一例)
185 記憶部
1800 PCIバス
1811 エンジンCPU
1812 エンジンROM
1813 エンジンRAM
1814 エンジンNVRAM
1821 コントローラCPU
1822 コントローラROM
1823 コントローラRAM
1824 コントローラNVRAM
1825 表示操作パネル (受付部の一例)
1826 I/F
1827 バスライン
1831 状態検知部 (信号検知部の一例)
1832 モータ制御部 (負荷制御部の一例)
1833 ヒータ制御部 (負荷制御部の一例)
1834 ファン制御部 (負荷制御部の一例)
1841 状態管理部
1842 停止判断部 (判断部の一例)
1843 順位判断部 (順位取得部の一例)
1844 停止要求部
1845 惰性判断部
1846 外部電源スイッチ (遮断部の一例)
1847 記憶読出処理部
1851 状態管理DB
1852 順位管理DB (順位管理部の一例)
1853 惰性管理DB
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】
【特許文献1】特開2010−120322号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源の遮断の要求を受け付ける受付部と、
前記受付部によって前記外部電源の遮断の要求が受け付けられると、所定の負荷が稼働しているか判断する判断部と、
前記判断部によって前記所定の負荷が稼働していると判断されると、前記所定の負荷の稼働の停止を要求する停止要求部と、
前記要求に基づいて前記所定の負荷の稼働が停止されると、前記外部電源を遮断する遮断部と、を有することを特徴とする電源遮断装置。
【請求項2】
前記所定の負荷が、前記稼働を停止させた後も動作する特定の負荷を含むことを特徴とする請求項1に記載の電源遮断装置。
【請求項3】
前記所定の負荷を示す負荷情報と、前記所定の負荷の稼働を停止させる順位を示す順位情報とを対応づけて管理する順位管理部と、
前記停止要求部によって前記所定の負荷への前記稼働の停止が要求される場合に、前記順位管理部から前記所定の負荷を示す負荷情報に対応付けられた順位情報を取得する順位取得部と、を有し、
前記停止要求部が、前記順位取得部によって取得された順位情報に基づいて、前記所定の負荷の稼働の停止を要求することを特徴とする請求項1又は2に記載の電源遮断装置。
【請求項4】
前記負荷に所定の信号を出力することにより前記所定の負荷の稼働の開始及び停止を制御する負荷制御部と、
前記所定の信号を検知する信号検知部とを有し、
前記判断部が、前記信号検知部による検知結果に基づいて、前記所定の負荷が稼働しているか判断することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電源遮断装置。
【請求項5】
前記所定の負荷の稼働の開始を要求する開始要求部を有し、
前記判断部が、前記開始要求部の前記要求及び前記停止要求部の前記要求のうち、最先の要求に基づいて、前記所定の負荷が稼働しているか判断することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電源遮断装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電源遮断装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
電源遮断装置が、
外部電源の遮断の要求を受け付ける受付工程と、
前記受付工程によって前記外部電源の遮断の要求が受け付けられると、所定の負荷が稼働しているか判断する判断工程と、
前記判断工程によって前記所定の負荷が稼働していると判断されると、前記所定の負荷の稼働の停止を要求する停止要求工程と、
前記要求に基づいて前記所定の負荷の稼働が停止されると、前記外部電源を遮断する遮断工程と、を有することを特徴とする電源遮断方法。
【請求項8】
電源遮断装置に、
外部電源の遮断の要求を受け付ける受付処理と、
前記受付処理によって前記外部電源の遮断の要求が受け付けられると、所定の負荷が稼働しているか判断する判断処理と、
前記判断処理によって前記所定の負荷が稼働していると判断されると、前記所定の負荷の稼働の停止を要求する停止要求処理と、
前記要求に基づいて前記所定の負荷の稼働が停止されると、前記外部電源を遮断する遮断処理と、を実行させることを特徴とする電源遮断装置用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−64847(P2013−64847A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203145(P2011−203145)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】