説明

電球形蛍光ランプおよび照明器具

【課題】小形化や電気特性の改善が可能であって、点灯回路の電子部品が異常発熱しても照明器具に熱損傷を与えにくい電球形蛍光ランプおよびこの電球形蛍光ランプを配設する照明器具を提供する。
【解決手段】電球形蛍光ランプ1は、屈曲形の蛍光ランプ2と、点灯回路部品8を実装している基板4と、一端側に電球用ソケットに装着可能な口金7を有し、基板4の点灯回路部品8を収容している支持部材5と、支持部材5の他端側を包囲する耐熱性を有するカバー6と、蛍光ランプ2の端部側を保持し、支持部材5の他端側またはカバー6の他端側6bを介して支持部材5の一端側のいずれか一方で支持されている保持部材3とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般の電球用ソケットに装着される電球形蛍光ランプおよびこの電球形蛍光ランプを配設している照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電球形蛍光ランプは、屈曲形成された蛍光ランプ、この蛍光ランプを点灯させる点灯回路および一端側に口金を配設し、他端側で蛍光ランプを支持し、内部に点灯回路を収容するカバーを有して構成されている。そして、点灯回路は、電界効果トランジスタなどのスイッチ素子、抵抗、コンデンサ、ダイオードやインダクタなど、各種の電子部品を基板に実装している。
【0003】
電球形蛍光ランプの点灯回路は、電子部品の経年劣化等の不具合によって異常発熱することがあり、この状態で点灯を継続するとカバー内の温度が過度に上昇し、点灯回路の電子部品や周辺の部材に悪影響を及ぼし、場合によっては燃焼に至ることがある。特に、この点灯回路の熱影響によって樹脂製のカバーが溶融することがあり、さらに電球形蛍光ランプを配設している照明器具が熱損傷することがある。このため、電子部品を金属製の口金の内部に収容したり(例えば特許文献1参照。)、自己発熱量の多い電子部品をシリコーン樹脂で覆うと共にカバーに当該シリコーンを密着させて放熱性の向上と延焼の防止を図ったり(例えば特許文献2参照。)、電気特性が劣るものの自己発熱量の小さい電子部品を使用することが行われている。
【特許文献1】特開2006−114351号公報(第5頁、第1図)
【特許文献2】特開2006−24544号公報(第9頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように、点灯回路の電子部品を口金の内部に収容するものであると、電子部品の選定や基板での配置に対する自由度が低下する。また、特許文献2のように、電子部品をシリコーン樹脂で覆い、シリコーン樹脂をカバーに密着させるものであると、基板において当該電子部品をカバーの近くに配置することになり、基板での電子部品の配置に対する自由度が低下する。また、自己発熱量の小さい電子部品を使用すると、安価であって良好な電気特性を有する電子部品を選定できなくなるおそれがある。この結果、電球形蛍光ランプの小形化や電気特性の改善に支障が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、小形化や電気特性の改善が可能であって、点灯回路の電子部品が異常発熱しても照明器具に熱損傷を与えにくい電球形蛍光ランプおよびこの電球形蛍光ランプを配設する照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の電球形蛍光ランプの発明は、屈曲形の蛍光ランプと;この蛍光ランプを点灯させる点灯回路部品を実装している基板と;一端側に電球用ソケットに装着可能な口金を有し、前記基板の点灯回路部品を収容している支持部材と;この支持部材の他端側を包囲する耐熱性を有するカバーと;前記蛍光ランプの端部側を保持し、前記支持部材の他端側または前記カバーの他端側を介して前記支持部材の一端側のいずれか一方で支持されている保持部材と;を具備していることを特徴とする。
【0007】
本発明および以下の各発明において、特に言及しない限り、各構成は以下による。
【0008】
屈曲形の蛍光ランプは、直管状のバルブを加熱、軟化させて折曲したものの他、管状のバルブ同士を端部で継いで連通させたブリッジ形あるいはブリッジ後にモールド形で形成したもの、さらにバルブを螺旋状(ヘリカリ状)に形成したものも包含される。
【0009】
「保持部材がカバーの他端側を介して支持部材の一端側で支持されている」とは、保持部材は、カバーの他端側に支持され、カバーの一端側が支持部材の一端側に支持されていることを意味する。
【0010】
そして、保持部材は、カバーに支持されるときには、その支持でもってカバーを固定してもよく、支持部材の他端側に支持されるのみであるときには、適宜の固定手段によりカバーを固定する。
【0011】
基板は、点灯回路部品が支持部材に収容されていれば、保持部材または支持部材のいずれに固定されてもよい。
【0012】
支持部材は、耐熱性や難燃性を有する部材であればよく、さらに放熱性が良好な部材であることが好ましい。支持部材の材料としては、例えば融点が500℃以上であるアルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)などの金属およびその金属合金、またはセラミックスなどである。
【0013】
本発明によれば、カバーは、耐熱性を有し、かつ点灯回路部品との間に支持部材が介在するので、点灯回路部品が異常発熱し、さらに燃焼しても、支持部材は溶融することがあっても、カバー自体は溶融しにくい。
【0014】
請求項2に記載の電球形蛍光ランプの発明は、請求項1記載の電球形蛍光ランプにおいて、前記保持部材は、前記カバーの他端側を介して前記支持部材の一端側に支持されるものであって、前記カバーは、他端側に係止部が形成され、この係止部が前記保持部材に形成された被係止部に係止するとともに、一端側が前記支持部材の一端側所定部位の外周部を挟持して前記支持部材に装着されることを特徴とする。
【0015】
「支持部材の一端側所定部位の外周部」とは、支持部材の一端側の口金が配設された外面を除く外面のうちの少なくとも一部を意味する。
【0016】
本発明によれば、カバーの係止部が保持部材の被係止部に係止したときにカバーが支持部材に支持されカバーに保持部材が支持される構成であり、保持部材の内部側にカバーの他端側および支持部材の他端側を係止する係止手段を設けないので、簡易な構成によりカバー、支持部材および保持部材が一体化されて電球形蛍光ランプが形成されるとともに、電球形蛍光ランプの長手方向の寸法を小さくすることが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の電球形蛍光ランプの発明は、請求項1または2記載の電球形蛍光ランプにおいて、前記保持部材は、外周に亘って外方側に突出するグローブ取付部を有し、このグローブ取付部に前記蛍光ランプを内包するようにして透光性のグローブが取り付けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、保持部材のグローブ取付部にグローブが取り付けられることにより、グローブの取付け構造を簡素化した電球形蛍光ランプが提供される。
【0019】
請求項4に記載の照明器具の発明は、請求項1ないし3いずれか一記載の電球形蛍光ランプと;この電球形蛍光ランプが装着される電球用ソケットを配設している器具本体と;を具備していることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の電球形蛍光ランプを配設する照明器具が提供される。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によれば、点灯回路部品が異常発熱し、さらに燃焼しても、カバー自体は溶融しにくいので、電球形蛍光ランプを配設している照明器具への熱損傷を抑制することができ、点灯回路部品の基板での配置や選定に対する自由度を許容しているので、電球形蛍光ランプの小形化や電気特性の向上を図ることができる。
【0022】
請求項2の発明によれば、カバーの係止部を保持部材の被係止部に係止することによりカバー、支持部材および保持部材が一体化される構成であるので、容易に電球形蛍光ランプを形成することができて、電球形蛍光ランプを安価にすることができるとともに、電球形蛍光ランプの長手方向の寸法を小さくすることができる。
【0023】
請求項3の発明によれば、保持部材のグローブ取付部にグローブを取り付けることにより、容易にグローブ付きの電球形蛍光ランプを形成することができる。
【0024】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の電球形蛍光ランプを配設するので、電球形蛍光ランプの点灯回路部品が異常発熱し、さらに燃焼しても、照明器具本体が電球形蛍光ランプから熱損傷を受けにくい照明器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0026】
図1および図2は、本発明の第1の実施形態を示し、図1は電球形蛍光ランプの一部切り欠き概略正面図、図2は図1のX−X方向の概略断面図である。
【0027】
図1において、電球形蛍光ランプ1は、蛍光ランプ2、保持部材3、基板4、支持部材5およびカバー6を有して構成されている。電球形蛍光ランプ1は、蛍光ランプ2が保持部材3に保持され、保持部材3がカバー6に支持され、カバー6が支持部材5に支持されるように構成されている。そして、支持部材5の一端側に口金7が配設され、支持部材5の内部に点灯回路部品8が収容されている。
【0028】
蛍光ランプ2は、それぞれ略U字形に屈曲された3本のバルブ9aが継ぎ部10によって連結された1つの屈曲形のバルブ9を有している。そして、バルブ9は、各バルブ9aの内面に可視光を発光する図示しない蛍光体層が形成され、内部に水銀および希ガスとしてのアルゴンガスなどの図示しない放電媒体が封入されている。
【0029】
また、バルブ9の両端部に一対のフィラメント電極(図示しない。)が封装されている。そして、当該両端部からフィラメント電極の両端にそれぞれ接続されている1対のリードワイヤ11a,11a、12a,12aが引き出され、基板4の4個の電気端子13に巻回されて接続されている。そして、各バルブ9aのそれぞれの両端部は、保持部材3に保持されている。
【0030】
保持部材3はポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性を有する合成樹脂により有底の略円筒状に形成されている。そして、底板14には、蛍光ランプ2の各バルブ9aのそれぞれの両端部を貫通または挿入させる図示しない孔や凹部が形成されている。各バルブ9aは、それぞれの両端部が孔や凹部に貫通または挿入された状態でシリコーン樹脂などの接着材により底板14に固着されている。そして、側壁15の外面側に被係止部としての係止段部16が周回に亘って形成されている。また、側壁15の内面側には、円環状の段部17が形成され、この段部17に基板4を接着材により固定している。こうして、蛍光ランプ2は、保持部材3に保持されている。
【0031】
基板4は、例えばガラスエポキシ樹脂や紙フェノール材からなり、円板状に形成されているとともに、図2に示すように、一面側(上面側)4aに蛍光ランプ2を高周波点灯させる点灯回路の点灯回路部品8を実装している。点灯回路部品8は、電解コンデンサC1、ダイオードD1、抵抗R1,R2や集積回路(IC)IC1など、所望の電気特性を有するものが選定され、基板4の所定の位置に実装されている。点灯回路が口金7を介して給電されると、点灯回路部品8は、動作して蛍光ランプ2を高周波点灯させる。
【0032】
図1において、支持部材5は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性を有する合成樹脂により、一端側が円筒状の口金取付部18に形成され、他端側が口金取付部18よりも拡開している円筒状の支持本体部19に形成されている。口金取付部18は、電球用ソケットに装着可能な口金7を配設している。すなわち、口金7は、E26形などのエジソン形の口金を構成しており、口金取付部18に被せてポンチしてかしめられている。このとき、基板4の点灯回路部品8と電気的に接続される図示しないリード線(入力線)が口金7のアイレット部7aおよびシェル部7bにそれぞれ接続される。また、支持本体部19は、その他端側の下端面が基板4の一面側(上面側)4aに載置されて、点灯回路部品8を収容している。
【0033】
カバー6は、耐熱性および放熱性を有する金属例えばアルミニウム(Al)により、所定の肉厚を有する切頭半楕円体形状に形成され、一端側6aおよび他端側6bに開口を有している。そして、他端側6bの内面側に、周回方向に等間隔で4箇所において、係止部としての係止爪20が形成されている。
【0034】
カバー6は、保持部材3および支持部材5を連結するものである。すなわち、カバー6の他端側6bの開口から支持部材5の口金取付部18(口金7)を挿入してカバー6と支持部材5を結合させる。そして、基板4を段部17に固着している保持部材3の側壁15の内部に支持部材5の支持本体部19を挿入させると、カバー6の係止爪20が保持部材3の側壁15の外面を乗り越えて係止段部16に係合する。係止爪20が側壁15の外面を乗り越えるときに、カバー6の係止爪20,20間の部位が弾性変形する。そして、カバー6の一端側6aの開口部の内側が支持部材5の一端側所定部位の外周部としての口金取付部18の外面18a(または支持本体部19の外面19a)を周回に亘って挟持し押圧する。そして、支持部材5の支持本体部19は、基板4を保持部材3側に押圧する。この結果、カバー6、支持部材5および保持部材3が強固に一体化される。
【0035】
カバー6は、上記のように、その他端側6bの内側に形成された係止爪20が保持部材3の係止段部16に係合して係止することにより保持部材3を支持し、一端側6aの開口部の内側が支持部材5を挟持することにより支持部材5に支持され、支持部材5に装着される。すなわち、保持部材3は、カバー6の他端側6bを介して支持部材5の一端側(口金取付部18側)に支持される。そして、カバー6の一端側6aと口金7との間に所定の絶縁距離を有するようにカバー6の大きさが設定されている。カバー6は、支持部材5の口金7を除く外面18a,19aを包囲して支持部材5に支持されているものである。
【0036】
そして、カバー6は、係止爪20が保持部材3の係止段部16に係止しているので、電球形蛍光ランプ1を鉛直方向に対して蛍光ランプ2側が上側となるようにしても保持部材3や支持部材5から脱落しないものである。すなわち、保持部材3は、カバー6を固定しているものである。
【0037】
上述したように、電球形蛍光ランプ1は、カバー6に形成された係止爪20を保持部材3の外面側に形成された係止段部16に係止させる簡易な構成により、カバー6、支持部材5および基板4を固定している保持部材3を容易に一体化させて形成することができる。したがって、電球形蛍光ランプ1を安価に形成することができる。また、保持部材3は、側壁15の外面側に係止段部16を設けており、側壁15の内部側に支持部材5やカバー6を係止する係止手段を設けるものでないので、保持部材3の内部構造が複雑にならなくすることができ、保持部材3の大きさを最小限にすることができる。したがって、電球形蛍光ランプ1の長手方向の寸法を小さくすることができる。
【0038】
なお、カバー6に係止部としての係止段部16、保持部材3に被係止部としての係止爪20を形成してもよい。
【0039】
次に、本発明の第1の実施形態の作用について述べる。
【0040】
電球形蛍光ランプ1が装着されている電球用ソケットに給電すると、口金7に電源電圧が印加され、点灯回路部品8が動作する。点灯回路部品8は、高周波電力を出力して蛍光ランプ2を高周波点灯させる。
【0041】
蛍光ランプ2が点灯すると、屈曲形のバルブ9から可視光が放射される。そして、点灯回路部品8から発生する熱や蛍光ランプ2からの放射される熱により、支持部材5の内部温度およびカバー6の内部温度が上昇する。カバー6の内部の熱は、カバー6の外面から外気に放出される。カバー6は、放熱性を有する金属例えばアルミニウム(Al)により形成されているので、カバー6内の放熱が迅速に行われ、カバー6の内部温度が所定の温度に維持される。これにより、電球形蛍光ランプ1は、通常、蛍光ランプ2の寿命期間例えば2万時間にわたって使用することができる。
【0042】
そして、点灯回路部品8が経年劣化や製造不良などにより異常発熱すると、さらには燃焼すると、それらの発生熱により樹脂製の支持部材5が溶融することがある。特に、支持部材5の近くに配設され、自己発熱量の大きい点灯回路部品8が異常発熱または燃焼すると、支持部材5が早く溶融するとともに、その溶融部位が拡大する。
【0043】
そして、点灯回路部品8の異常発熱や燃焼が継続すると、電子部品として機能しなくなり、点灯回路から外れることになるため、点灯回路部品8の動作が停止するようになる。
【0044】
電球形蛍光ランプ1は、支持部材5が溶融しても、カバー6は、耐熱性(難燃性)を有する金属例えばアルミニウム(Al)により形成されているので、加熱により温度上昇しても、溶融しにくいものである。したがって、点灯回路部品8が異常発熱し、さらに燃焼しても、電球形蛍光ランプ1を配設している照明器具への熱損傷を抑制することができる。
【0045】
そして、電球形蛍光ランプ1は、万が一の点灯回路部品8の異常発熱や燃焼を想定し、基板4での配置や点灯回路部品8の選定の自由度を許容しているので、小形化や各種電気特性の改善を図ることができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0047】
図3は、本発明の第2の実施形態を示す電球形蛍光ランプの一部切り欠き概略正面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0048】
図3に示す電球形蛍光ランプ21は、図1に示す電球形蛍光ランプ1において、支持部材5の支持本体部19の先端に4個の係止爪22が設けられ、保持部材3の側壁15の内面に係止段部23が設けられたものである。係止爪22が係止段部23に係止することにより、保持部材3は、支持部材5に支持されている。
【0049】
そして、カバー6は、係止爪20が保持部材3の係止段部16に係止し、一端側6aが支持部材5の外面18a,19aに接触している。すなわち、カバー6は、保持部材3に固定されている。なお、カバー6の一端側6aが支持部材6の外面18a,19aを周回に亘って挟持するようにしてもよい。
【0050】
電球形蛍光ランプ21は、図1に示す電球形蛍光ランプ1と同様の作用、効果を有し、点灯回路部品8が異常発熱し、さらに燃焼しても、電球形蛍光ランプ21を配設している照明器具への熱損傷を抑制することができる。
【0051】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0052】
図4および図5は、本発明の第3の実施形態を示し、図4は電球形蛍光ランプの一部切り欠き概略正面図、図5は電球形蛍光ランプの概略分解斜視図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0053】
図4に示す電球形蛍光ランプ24は、図1に示す電球形蛍光ランプ1において、保持部材3、基板4および支持部材5がそれぞれ保持部材25、基板26および支持部材27に形成されたものである。
【0054】
保持部材25は、図5に示すように、平面状の底板部28に楕円形状の外面を有する略円筒部29が形成されている。そして、略円筒部29には、底板部28側の外面側に被係止部としての円環状の係止段部16が形成され、図4に示すように、内面側に段部30が形成されている。
【0055】
また、略円筒部29には、図5に示すように、切り欠き部29a、29aが形成されている。支持部材27の支持本体部32を略円筒部29の内部に挿入した後に、切り欠き部29a,29aから略円筒部29の内部に治具が挿入される。そして、当該治具により、蛍光ランプ2のリードワイヤ11a,11a、12a,12aと基板26の電気端子13とが接続される。
【0056】
基板26は、長方形状に形成され、点灯回路部品8および4個の電気端子13を適宜配置している。そして、基板26は、支持部材27にまたは口金7のアイレット部7a側に図示しない取付部材により、一面26aが口金7のシェル部7bと対向するように縦形に取り付けられている。
【0057】
支持部材27は、円筒状の口金取付部31およびこの口金取付部31の周回方向に等間隔の4箇所から突出する4個の突出片からなる支持本体部32に形成されている。支持本体部32は、図4に示すように、保持部材25の略円筒部29の内部に挿入され、段部30に載置される。
【0058】
そして、口金7をカバー6に挿通させた後、カバー6の係止部としての係止爪20を略円筒部29の係止段部16に係止させることにより、カバー6の他端側6aの開口部が支持本体部32の外面32a側を挟持する。これにより、カバー6、支持部材27および保持部材25が一体化し、電球形蛍光ランプ24が形成される。
【0059】
電球形蛍光ランプ24は、点灯回路部品8の多くが口金7の内部に位置し、支持部材27の内部に位置する点灯回路部品8とカバー6との間には、保持部材25の略円筒部29が介在している。したがって、点灯回路部品8が異常発熱し、さらに燃焼しても、金属製のカバー6または口金7は、加熱により温度上昇しても溶融しにくく、これにより、電球形蛍光ランプ24を配設している照明器具への熱損傷を抑制することができる。
【0060】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0061】
図6は、本発明の第4の実施形態を示す電球形蛍光ランプの一部切り欠き概略正面図である。なお、図4と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0062】
図6に示す電球形蛍光ランプ33は、図4に示す電球形蛍光ランプ24において、支持部材27の支持本体部32の先端に係止爪34が設けられ、保持部材25の略円筒部29の内面に係止段部35が設けられたものである。係止爪34が係止段部35に係止することにより、保持部材25は、支持部材27に支持されている。
【0063】
そして、カバー6は、係止爪20が保持部材25の係止段部16に係止し、一端側6aが支持部材27の支持本体部32の外面32aに接触している。すなわち、カバー6は、保持部材25に固定されている。なお、カバー6の一端側6aが支持部材27の外面32aを周回に亘って挟持するようにしてもよい。
【0064】
電球形蛍光ランプ33は、図4に示す電球形蛍光ランプ24と同様の作用、効果を有し、点灯回路部品8が異常発熱し、さらに燃焼しても、電球形蛍光ランプ33を配設している照明器具への熱損傷を抑制することができる。
【0065】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
【0066】
図7は、本発明の第5の実施形態を示す電球形蛍光ランプの一部切り欠き概略正面図である。なお、図3と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0067】
図7に示す電球形蛍光ランプ36は、図3に示す電球形蛍光ランプ21において、保持部材3がグローブ取付部37を有する保持部材38に形成されているものである。そして、グローブ取付部37に、蛍光ランプ2を内包するようにして透光性のグローブ39が取り付けられている。グローブ39は、透明または光拡散性を有するガラスや合成樹脂などにより、略茄子状に形成されており、一端側39aがグローブ取付部37の内面に図示しない接着材により固着されている。グローブ取付部37は、グローブ39の一端側39aを接着材により固着してグローブ39を取り付ける簡素な取付け構造となっている。
【0068】
保持部材38に簡素な取付け構造のグローブ取付部37が形成されているので、カバー6、支持部材5および保持部材38を一体化させた後に、グローブ39をグローブ取付部37に容易に取り付けることができる。したがって、容易にグローブ39付きの電球形蛍光ランプ36を形成することができる。
【0069】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
【0070】
図8は、本発明の第6の実施形態を示す照明器具の一部切り欠き正面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0071】
図8に示す照明器具40は、天井41に埋設されるダウンライトであり、外形が有底の略円筒状である器具本体42に電球形蛍光ランプ1が取り付けられる電球用ソケット43が配設されている。器具本体42は、器具本体42と一体的に設けられているカバー体44と板バネ45,45により、天井41が挟持されて、天井41に固定されている。そして、電球用ソケット43には、電球形蛍光ランプ1が取り付けられている。
【0072】
電球形蛍光ランプ1の蛍光ランプ2からの放射光は、直接光および器具本体42の内面で反射された反射光となって、カバー体44の開口46から下面側に出射される。蛍光ランプ2は、屈曲形のバルブ9を有して形成されているので、放射長が長く、照明エリアを明るく照明することができる。
【0073】
そして、電球形蛍光ランプ1の点灯回路部品8が異常発熱し、さらに燃焼しても、照明器具本体42が電球形蛍光ランプ1から熱損傷を受けにくい照明器具40を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す電球形蛍光ランプの一部切り欠き概略正面図。
【図2】同じく、図1のX−X方向の概略断面図。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す電球形蛍光ランプの一部切り欠き概略正面図。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す電球形蛍光ランプの一部切り欠き概略正面図。
【図5】同じく、電球形蛍光ランプの概略分解斜視図。
【図6】本発明の第4の実施形態を示す電球形蛍光ランプの一部切り欠き概略正面図。
【図7】本発明の第5の実施形態を示す電球形蛍光ランプの一部切り欠き概略正面図。
【図8】本発明の第6の実施形態を示す照明器具の一部切り欠き正面図。
【符号の説明】
【0075】
1,21,24,33,36…電球形蛍光ランプ
2…蛍光ランプ
3,25,38…保持部材
4,26…基板
5,27…支持部材
6…カバー
16…被係止部としての係止段部
20…係止部としての係止爪
37…グローブ取付部
39…グローブ
40…照明器具
42…照明器具本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲形の蛍光ランプと;
この蛍光ランプを点灯させる点灯回路部品を実装している基板と;
一端側に電球用ソケットに装着可能な口金を有し、前記基板の点灯回路部品を収容している支持部材と;
この支持部材の他端側を包囲する耐熱性を有するカバーと;
前記蛍光ランプの端部側を保持し、前記支持部材の他端側または前記カバーの他端側を介して前記支持部材の一端側のいずれか一方で支持されている保持部材と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項2】
前記保持部材は、前記カバーの他端側を介して前記支持部材の一端側に支持されるものであって、前記カバーは、他端側に係止部が形成され、この係止部が前記保持部材に形成された被係止部に係止するとともに、一端側が前記支持部材の一端側所定部位の外周部を挟持して前記支持部材に装着されることを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項3】
前記保持部材は、外周に亘って外方側に突出するグローブ取付部を有し、このグローブ取付部に前記蛍光ランプを内包するようにして透光性のグローブが取り付けられていることを特徴とする請求項1または2記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか一記載の電球形蛍光ランプと;
この電球形蛍光ランプが装着される電球用ソケットを配設している器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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