説明

電界センシング装置

【課題】アンテナが受信した電波の電力によってその電波をセンシングすることができる高感度な電界センシング装置を提供する。
【解決手段】電界センシング装置10Bでは、アンテナ11から出力された電気信号を2つのそれに分配する分配器12がアンテナ11と光変調器13との間に設置され、分配器12によって分配された電気信号の一方の位相を調整する位相調整器28が分配器12と光変調器13との間に設置されている。位相調整器28は、分配器12によって分配された電気信号の位相が異なる場合、電気信号の位相を同一にする。光変調器13は、分配器12によって分配された電気信号の電界強度に応じて入力光の強度を変調する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光変調器を利用してアンテナが受信した電波の電界を計測する電界センシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送の再送信方法に多様性を持たせる目的やネットワークの柔軟性を向上させる目的で、無線電波をそのまま光伝送する用途が拡大している。この場合、電気供給設備の不要化や雷害対策、電気ノイズ対策等の理由により、送信所から離れた電波の受信点においてその電波を無給電で受信し、伝送する手段が必要になる場合がある。そのためには、アンテナが受信した電波の電力のみによって光変調を行わなければならず、電波の電力のみによってその電波をセンシングすることができる高感度な電界センシング装置が必要になる。
【0003】
そのような電界センシング装置の一例を図11に示す。図11の電界センシング装置10Eは、受信した電波の電界強度に比例した電気信号を出力するアンテナ11と、アンテナ11から出力された電気信号の電界強度に応じてレーザ光(入力光)の強度を変調し、レーザ光を変調した変調光を出力する光変調器13と、光変調器13にレーザ光を供給する半導体レーザ光源14と、光変調器13から出力された変調光を電気信号に変換するO/E変換器15とから形成されている。光変調器13は、入力用光ファイバ26を介して半導体レーザ光源14に接続され、出力用光ファイバ27を介してO/E変換器15に接続されている。
【0004】
この電界センシング装置10Eの光変調器13は、LiNbO単結晶基板を使用した導波路型光変調器であり、高周波数帯において高い効率を有する。導波路型光変調器としては、外付けの共振回路と組み合わせた分割型電極による光変調器(非特許文献1)や光通信システムで利用される進行波型光変調器がある。共振回路と組み合わせた光変調器は、分割電極構造によって電極間容量を小さくし、共振回路による共振を利用して印加電圧を大きくすることで高い効率を実現している。進行波型光変調器は、変調光の速度と光波の速度とを整合することによって広い周波数帯に対応可能であり、電極の長さ寸法を大きくすることで低い電圧で動作する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】電子情報通信学会論文誌C,Vol.J89-C,No.11,PP.925-932
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、それら光変調器は、外部から電力を補充することなく無給電で光変調する場合の電波のセンシング感度が不十分であり、無給電で動作させることが難しい。また、共振回路と組み合わせた光変調器は、共振周波数において最大効率を有するから、共振周波数以外の周波数帯におけるセンシング感度が悪く、広い周波数帯における使用ができない。
【0007】
本発明の目的は、広い周波数帯における使用が可能であり、アンテナが受信した電波の電力によってその電波をセンシングすることができる高感度な電界センシング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の前提は、受信した電波の電界強度に比例した電気信号を出力するアンテナと、アンテナから出力された電気信号の電界強度に応じて入力光の強度を変調し、入力光を変調した変調光を出射する光変調器と、光変調器に入力光を供給する光源と、光変調器から出射された変調光を電気信号に変換するO/E変換器とから形成された電界センシング装置である。
【0009】
前記前提における本発明の特徴は、電界センシング装置がアンテナと光変調器との間に設置されてアンテナから出力された電気信号を少なくとも2つのそれに分配する分配器を含み、光変調器が分配器によって分配されて位相が同一のそれら電気信号の電界強度に応じて入力光の強度を変調することにある。
【0010】
本発明の一例としては、電界センシング装置が分配器と光変調器との間に設置されて分配器によって分配されたそれら電気信号の少なくとも1つのそれの位相を調整する位相調整器を含み、位相調整器が分配器によって分配されたそれら電気信号の位相が異なる場合、それら電気信号の位相を同一にする。
【0011】
本発明の他の一例としては、電界センシング装置が、前記分配器と前記光変調器との間に設置されて該分配器によって分配されたそれら電気信号のうちの少なくとも1つのそれの電界強度を増幅する増幅器と、前記光源から供給された増幅光を電力に変換し、その電力を前記増幅器に供給する光発電素子とを含み、前記電界センシング装置では、電力供給源として前記光源のみが使用されている。
【0012】
本発明の他の一例としては、電界センシング装置がO/E変換器によって変換された電気信号の出力値に応じて増幅器の稼動をON/OFFするスイッチング回路を含み、電界センシング装置では、電気信号の出力値が設定値よりも高い場合、スイッチング回路が増幅器の稼動をOFFにする。
【0013】
本発明の他の一例としては、光変調器が、電気光学効果を有する材料から作られた基板と、基板に形成された光導波路と、基板上に設置されて光導波路の延伸方向へ並ぶ少なくとも2つの独立変調電極とを備え、光導波路が、光の入射側に延びる入力光導波路と、入力光導波路から二股に分岐して延びる2本の位相シフト導波路と、光の出射側に延びていてそれら位相シフト光導波路がつながる出力光導波路とから形成され、それら独立変調電極が、それら位相シフト導波路に並行して延伸方向へ延びるとともに、分配器によって分配された電気信号の電界強度をそれら位相シフト導波路に独立して印加することで位相シフト光導波路の屈折率を変化させる。
【0014】
本発明の他の一例としては、それら独立変調電極が互いに容量結合された複数の分割電極から形成されている。
【0015】
本発明の他の一例として、電界センシング装置では、分配器とそれら独立変調電極との間に延びる給電線の長さ寸法が同一である。
【0016】
本発明の他の一例として、電界センシング装置では、分配器によって分配されたそれら電気信号の位相を位相調整器によって同一にすることが可能な周波数帯までの電波をセンシング可能である。
【0017】
本発明の他の一例として、電界センシング装置では、それがセンシングする電波の周波数帯が高くなるにつれて、それら独立変調電極の延伸方向の長さ寸法を短くするとともに、それら独立変調電極の個数を増加させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る電界センシング装置によれば、分配器によって分配された少なくとも2つの同位相の電気信号の電界強度によって入力光の強度が変調されるから、1つの電気信号の電界強度によって入力光を変調する場合と比較し、電波のセンシング感度が少なくとも6dBmアップし、装置における電波のセンシング感度を高くすることができ、外部から電力を補充することなく、アンテナが受信した電波の電力のみによってその電波をセンシングすることができる。電界センシング装置は、共振を利用することなく電波のセンシング感度を高くすることができるから、共振周波数を含むそれ以外の周波数帯の電波をセンシングすることができ、低周波から超高周波までの広い帯域の電波を確実にセンシングすることができる。電界センシング装置は、無給電で電波をセンシングすることができるから、雷害対策やノイズ対策の必要がないことに加え、電気の供給ができない箇所において電波のセンシングを行うことができる。この電界センシング装置は、電気を供給する電気供給設備を省略することができ、その分装置の低コスト化を実現することができる。
【0019】
分配器によって分配されたそれら電気信号の少なくとも1つのそれの位相を調整する位相調整器を含み、位相調整器が分配器によって分配されたそれら電気信号の位相が異なる場合、それら電気信号の位相を同一にする電界センシング装置は、分配器によって分配された少なくとも2つの電気信号の位相を位相調整器によって同一にし、同位相のそれら電気信号の電界強度によって入力光の強度を変調するから、装置における電波のセンシング感度を確実に高くすることができ、外部から電力を補充することなく、アンテナが受信した電波の電力のみによってその電波をセンシングすることができる。電界センシング装置は、共振を利用することなく電波のセンシング感度を高くすることができるから、共振周波数を含むそれ以外の周波数帯の電波をセンシングすることができ、低周波から超高周波までの広い帯域の電波を確実にセンシングすることができる。この電界センシング装置は、無給電で電波をセンシングすることができるから、雷害対策やノイズ対策の必要がないことに加え、電気の供給ができない箇所において電波のセンシングを行うことができる。
【0020】
分配器によって分配されたそれら電気信号のうちの少なくとも1つのそれの電界強度を増幅する増幅器と、光源から供給された増幅光を電力に変換し、その電力を増幅器に供給する光発電素子とを含み、電力供給源として光源のみが使用される電界センシング装置は、分配器によって分配された少なくとも2つの電気信号の電界強度が小さい場合であっても、増幅器によって電気信号の電界強度が増幅されるから、電界強度が増幅された電気信号の電界によって入力光の強度を確実に変調することができる。この電界センシング装置は、電力供給源として光源のみが使用されるから、電気を供給する電気供給設備の必要がなく、電気の供給ができない箇所において電波のセンシングを行うことができる。
【0021】
O/E変換器によって変換された電気信号の出力値に応じて増幅器の稼動をON/OFFするスイッチング回路を含み、電気信号の出力値が設定値よりも高い場合、スイッチング回路が増幅器の稼動をOFFにする電界センシング装置は、O/E変換器から出力された電気信号の出力値が必要以上に高い場合、光変調器に必要以上の電界強度が印加され、それによって光変調器に3次相互変調歪みが生じ、電波のセンシング感度が低下するが、電気信号の出力値が設定値よりも高い場合、増幅器の稼動をOFFにするから、光変調器に生じる3次相互変調歪みを防ぐことができ、電波のセンシング感度を一定に保持することができるとともに、O/E変換器によって変換された電気信号の出力値を一定に保持することができる。この電界センシング装置は、電波のセンシング感度を確実に高くすることができ、外部から電力を補充することなく、アンテナが受信した電波の電力のみによってその電波をセンシングすることができる。
【0022】
光変調器が基板と基板に形成された光導波路と基板上に設置されて光導波路の延伸方向へ並ぶ少なくとも2つの独立変調電極とを備え、それら独立変調電極が分配器によって分配された電気信号の電界強度をそれら位相シフト導波路に独立して印加する電界センシング装置は、それら独立変調電極によって印加された電界強度によって位相シフト光導波路の屈折率を変化させ、位相シフト光導波路を通る入力光の強度を変調するから、電波のセンシング感度を確実に高くすることができ、外部から電力を補充することなく、アンテナが受信した電波の電力のみによってその電波をセンシングすることができる。この電界センシング装置は、前記光変調器を利用することで、高周波数帯の電波のセンシング効率を高くすることができ、高周波数帯の電波を確実にセンシングすることができる。
【0023】
それら独立変調電極が互いに容量結合された複数の分割電極から形成された電界センシング装置は、独立変調電極の電極容量を低減することができ、光変調器における電波のセンシング感度を確実に向上させることができる。この電界センシング装置は、変調電極の電極容量を低減しつつ、電波のセンシング感度を高くすることができ、外部から電力を補充することなく、アンテナが受信した電波の電力のみによってその電波をセンシングすることができる。
【0024】
分配器とそれら独立変調電極との間に延びる給電線の長さ寸法が同一である電界センシング装置は、分配器によって分配された少なくとも2つの電気信号の位相を同一にすることができ、同位相のそれら電気信号の電界強度によって入力光の強度を変調するから、電波のセンシング感度を確実に高くすることができ、外部から電力を補充することなく、アンテナが受信した電波の電力のみによってその電波をセンシングすることができる。
【0025】
分配器によって分配されたそれら電波の位相を位相調整器によって同一にすることが可能な周波数帯までの電波を計測可能な電界センシング装置は、位相調整器の位相調整機能によって電気信号の位相を同一にすることが可能であれば、それら電気信号の電界強度を利用して入力光の強度を変調することができ、MHzのみならずGHz以上の高い周波数帯の電波をセンシングすることができる。
【0026】
センシングする電波の周波数帯が高くなるにつれて、それら独立変調電極の延伸方向の長さ寸法を短くするとともに、それら独立変調電極の個数を増加させる電界センシング装置は、センシングする電波の周波数帯が高くなると、入力光と電気信号との速度に差が生じ、電気信号による入力光の変調効率が低下するが、それら独立変調電極の延伸方向の長さ寸法を短くすることで、入力光と電気信号との速度差を小さくし、変調効率の低下を防ぐとともに、電極の個数を増加させることで、電気信号の電界強度で入力光の強度を確実に変調する。この電界センシング装置は、それら独立変調電極を利用してそれら電気信号の電界強度を入力光に印加することができるから、入力光の強度を確実に変調することができ、MHzのみならずGHz以上の高い周波数帯の電波をセンシングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】一例として示す電界センシング装置の概略構成図。
【図2】一例として示す光変調器の構成図。
【図3】図2の3−3線端面図。
【図4】他の一例として示す電界センシング装置の概略構成図。
【図5】図1,4の電界センシング装置の感度特性を示す図。
【図6】他の一例として示す電界センシング装置の概略構成図。
【図7】他の一例として示す電界センシング装置の概略構成図。
【図8】入力電力と出力電力との相関関係の一例を示す図。
【図9】図6,7の電界センシング装置の感度特性を示す図。
【図10】他の一例として示す光変調器の構成図。
【図11】従来技術の電界センシング装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
一例として示す電界センシング装置の概略構成図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る電界センシング装置の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、一例として示す光変調器13の構成図であり、図3は、図2の3−3線端面図である。図2,3では、延伸方向(光の伝搬方向)を矢印A(図2のみ)、幅方向を矢印Bで示し、厚み方向を矢印C(図3のみ)で示す。
【0029】
電界センシング装置10Aは、所定周波数帯の無線電波を受信するアンテナ11と、アンテナ11から出力された電気信号を2つのそれに分配する分配器12と、レーザ光(入力光)を変調した変調光を出力する光変調器13と、光変調器13にレーザ光を供給する半導体レーザ光源14(光源)と、光変調器13から出力された変調光を電気信号に変換するO/E変換器15とから形成されている。
【0030】
アンテナ11は、受信した電波の電界強度に比例した電気信号を誘起し、その電気信号を出力する。アンテナ11には、50Ωインピーダンスのそれが使用されている。なお、アンテナ11が受信可能な電波の周波数帯域について特に限定はない。また、アンテナ11の種類について特に限定はなく、1/2波長ダイポールアンテナや1/4波長グランドプレーンアンテナ、3エレメント八木アンテナ、携帯基地局用セクターアンテナ、スリーブアンテナ、ディスコーンアンテナ、バイコニカルアンテナ等の現在存在するあらゆるアンテナを使用することができる。
【0031】
分配器12は、アンテナ11の直近下位に設置され、アンテナ11に給電線16(同軸ケーブル)を介して電気的に接続されている。分配器12は、インピーダンス整合を保持した状態でアンテナ11から出力された電気信号を2つに分け、それら電気信号を第1および第2給電線17,18に出力する。図1の電界センシング装置10Aで使用する分配器12は、位相を同一に保持した状態で電気信号を分配する機能を有することが好ましい。なお、電界センシング装置10Aでは、分配器12によって電気信号が2つに分配されるが、分配器12を介して電気信号が3つ以上に分配されてもよい。
【0032】
光変調器13は、分配器12の直近下位に設置され、分配器12から延びる2本の第1および第2給電線17,18(同軸ケーブル)を介して分配器12に電気的に接続されている。光変調器13は、アンテナ11から出力された電気信号の電界強度に応じてレーザ光の強度を変調し、レーザ光を変調した変調光を出力する。光変調器13は、電気光学効果を有する結晶基板であるXカットのニオブ酸リチウム(LiNbO)結晶(材料)から作られた単結晶基板19と、基板19の上面側にTi拡散によって作られたマッハツェンダー型光導波路20と、基板19の上面側に成膜されたバッファ層21と、バッファ層21の上に設置されたフィルム状の2つの第1および第2独立変調電極22,23とから形成されている。
【0033】
マッハツェンダー型光導波路20は、光の入射側に延びる1本の入力光導波路20aと、入力光導波路20aから二股に分岐して延びる2本の位相シフト導波路20b,20cと、光の出射側に延びていてそれら位相シフト光導波路20b,20cがつながる1本の出力光導波路20dとから形成されている。入力光導波路20aや位相シフト光導波路20b,20c、出力光導波路20dは、延伸方向と交差する方向の幅寸法Wが等しい。
【0034】
それら光導波路20a〜20dの幅寸法Wは、5〜10μmの範囲にある。各位相シフト光導波路20b,20cの延伸方向の長さ寸法は、30〜40mmの範囲にある。位相シフト光導波路20b,20cでは、その中央部分が幅方向へ所定寸法離間し、互いに平行して延びている。中央部分におけるそれら光導波路20b,20cの離間寸法は、20〜50μmの範囲にある。なお、光導波路20a〜20dの幅寸法Wや各位相シフト光導波路20b,20cの長さ寸法、中央部分におけるそれら光導波路20b,20cの離間寸法について特に限定はなく、それら寸法を任意に設定することができる。
【0035】
バッファ層21は、光導波路20を伝搬する光の一部がそれら変調電極22,23に吸収されることを防止する目的で設けられる。バッファ層21は、SiOから作られ、その厚さ寸法が約200nmである。第1独立変調電極22は、金から作られたフィルム電極であり、電波第1入力部24に第1給電線17を介して電気的に接続されている。第2独立変調電極23は、金から作られたフィルム電極であり、電波第2入力部25に第2給電線18を介して電気的に接続されている。それら独立変調電極22,23では、第1独立変調電極22が入力光導波路20aの側に位置し、第2独立変調電極23が出力光導波路20dの側に位置するように、延伸方向へ整然と並んでいる。
【0036】
電界センシング装置10Aでは、分配器12および電波第1入力部24の間に延びる第1給電線17の長さ寸法と分配器12および電波第2入力部25の間に延びる第2給電線18の長さ寸法とが同一であり、電波第1入力部24および第1独立変調電極22の間に延びる第1給電線17の長さ寸法と電波第2入力部25および第2独立変調電極23の間に延びる第2給電線18の長さ寸法とが同一である。したがって、分配器12および第1独立変調電極22の間に延びる第1給電線17の長さ寸法と分配器12および第2独立変調電極23の間に延びる第2給電線18の長さ寸法とが同一である。
【0037】
それら独立変調電極22,23は、信号電極22a,23aと接地電極22b,22c,23b,23cとから形成されている。信号電極22a,23aは、位相シフト光導波路20b,20cの間に配置され、それら光導波路20b,20cの中央部分と平行して延伸方向へ延びている。信号電極22a,23aは、位相シフト光導波路20b,20cの延伸方向において2つに分割された分割信号電極であり、それら分割信号電極どうしが互いに容量結合されている。それら信号電極22a,23aの延伸方向の長さ寸法は、15mmである。
【0038】
なお、信号電極22a,23aの分割数に特に限定はなく、分割数を任意に設定することができる。また、信号電極22a,23aの延伸方向の長さ寸法に特に限定はなく、センシングする電波の周波数に応じてその長さを任意に設定することができる。たとえば、センシングする電波の周波数を所定の値に設定したときの信号電極22a,23aの長さ寸法を基準長さとした場合、センシングする電波の周波数が所定の値から高くなるにつれて、信号電極22a,23aの長さ寸法を基準長さよりも短くする。
【0039】
それら接地電極22b,22c,23b,23cは、位相シフト光導波路20b,20cを挟んで信号電極22a,23aの両側に配置され、それら光導波路20b,20cと平行して延伸方向へ延びている。接地電極22b,22c,23b,23cは、位相シフト光導波路20b,20cの延伸方向において2つに分割された分割接地電極であり、それら分割接地電極どうしが互いに容量結合されている。接地電極22b,22c,23b,23cは、接地されている。それら接地電極22b,22c,23b,23cの延伸方向の長さ寸法は、15mmである。
【0040】
なお、接地電極22b,22c,23b,23cの分割数に特に限定はなく、分割数を任意に設定することができる。また、接地電極22b,22c,23b,23cの延伸方向の長さ寸法に特に限定はなく、センシングする電波の周波数に応じてその長さを任意に設定することができる。たとえば、センシングする電波の周波数を所定の値に設定したときの接地電極22b,22c,23b,23cの長さ寸法を基準長さとした場合、センシングする電波の周波数が所定の値から高くなるにつれて、接地電極22b,22c,23b,23cの長さ寸法を基準長さよりも短くする。
【0041】
半導体レーザ光源14は、入力用光ファイバ26を介して光変調器13の入力光導波路20aに接続されている。レーザ光源14は、波長1550nm、出力40mWのレーザ光を光変調器13に出射する。O/E変換器15は、出力用光ファイバ27を介して光変調器13の出力光導波路20dに接続されている。O/E変換器15は、変調光を変換した電気信号を出力する。
【0042】
この電界センシング装置10Aの動作を説明すると、以下のとおりである。アンテナ11に受信された電波は、電気信号としてアンテナ11から出力される。その電気信号は、アンテナ11から分配器12に出力され、分配器12によって同位相の2つの電気信号に分配された後、それら給電線17,18を通って光変調器13の第1および第2独立変調電極22,23に入力される。なお、第1および第2独立変調電極22,23に入力されるそれら電気信号は、分配器12および第1独立変調電極22の間に延びる第1給電線17の長さ寸法と分配器12および第2独立変調電極23の間に延びる第2給電線18の長さ寸法とが同一であるから、その位相が同一である。
【0043】
光変調器13では、図2に矢印X1で示すように、レーザ光源14からレーザ光が光変調器13に出射されており、そのレーザ光が入力光導波路20aの入射口から導波路20に進入し、位相シフト導波路20b,20cにおいて二分(分波)されて導波路20b,20cに進入した後、出力光導波路20dにおいて再び結合(合波)され、矢印X2で示すように、出力光導波路20dから出射する。光変調器13では、信号電極22,23に入力された電気信号の電界(高周波信号)によって変調電極22,23(信号電極22a,23aと接地電極22b,22c,23b,23cとの間)に電圧が印加されると、図3に矢印Zで示すZ軸方向に互いに逆向きの電界がそれら位相シフト光導波路20b,20cに印加される。
【0044】
逆向きの電界が位相シフト光導波路20b,20cに印加されることにより、光導波路20b,20cにおける電気光学効果による屈折率変化の方向が互いに逆向きとなり、位相シフト導波路20b,20cを伝搬するレーザ光に互いに逆向きの位相シフトが生じる。その結果、レーザ光が出力光導波路20dにおける結合時に互いに干渉し、レーザ光の強度が変調されて変調光になる。変調光は、出力光導波路20dから出射され、O/E変換器15に進入する。O/E変換器15では、変調光を変換した電気信号を生成する。
【0045】
図4は、他の一例として示す電界センシング装置10Bの概略構成図である。この電界センシング装置10Bが図1のそれと異なるところは、位相調整器28が設置されている点にあり、その他の構成は図1の電界センシング装置10Aのそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用することで、この電界センシング装置10Bにおけるその他の構成の説明は省略する。
【0046】
電界センシング装置10Bは、所定周波数帯の無線電波を受信するアンテナ11と、アンテナ11から出力された電気信号を2つのそれに分配する分配器12と、分配器12によって分配された電気信号の一方のそれの位相を調整する位相調整器28と、レーザ光(入力光)を変調した変調光を出力する光変調器13と、光変調器13にレーザ光を供給する半導体レーザ光源14(光源)と、光変調器13から出力された変調光を電気信号に変換するO/E変換器15とから形成されている。
【0047】
位相調整器28は、広帯域の周波数に対応可能であり、分配器12と光変調器13との間に延びる第2給電線18に設置されている。位相調整器28は、分配器12によって分配されたそれら電気信号の位相が異なる場合、第2給電線18に流れる電気信号の位相を調整し、第1および第2給電線17,18(同軸ケーブル)に流れる電気信号の位相を同一にする。なお、分配器12によって分配されたそれら電気信号の位相は位相測定によって測定され、位相のずれが求められており、その位相のずれを調整するように位相調整器28の機能が調節されている。
【0048】
電界センシング装置10Bでは、分配器12および第1独立変調電極22の間に延びる第1給電線17の長さ寸法と分配器12および第2独立変調電極23の間に延びる第2給電線18の長さ寸法とが同一であるが、それら給電線17,18の長さ寸法が異なっていてもよい。それら給電線17,18の長さ寸法が異なると、光変調器13に入力される電気信号の位相がずれるが、位相調整器28によってそれら電気信号の位相を同一するから、給電線17,18の長さ寸法が異なっていても位相のずれた電気信号が光変調器13に入力されることはない。
【0049】
この電界センシング装置10Bの動作を説明すると、以下のとおりである。アンテナ11に受信された電波の電界強度に比例する電気信号は、アンテナ11から分配器12に出力され、分配器12によって2つの電気信号に分配される。第1給電線17を通る電気信号は、そのまま光変調器13の第1独立変調電極22に入力される。第2給電線18を通る電気信号は、位相調整器28に進入し、位相調整器28によってその位相が調整されて第1給電線17を通る電気信号の位相と同一にされた後、第2給電線18を通って光変調器13の第2独立変調電極23に入力される。
【0050】
光変調器13では、レーザ光源14から出射されたレーザ光が入力光導波路20aの入射口から導波路20に進入し、位相シフト導波路20b,20cにおいて二分(分波)されて導波路20b,20cに進入した後、出力光導波路20dにおいて再び結合(合波)され、出力光導波路20dから出射する(図2参照)。
【0051】
光変調器13では、図1の電界センシング装置10Aと同様に、信号電極22a,23aに入力された電気信号の電界(高周波信号)によって変調電極22,23(信号電極22a,23aと接地電極22b,22c,23b,23cとの間)に電圧が印加されると、Z軸方向に互いに逆向きの電界がそれら位相シフト光導波路20b,20cに印加され(図3参照)、位相シフト導波路20b,20cを伝搬するレーザ光に互いに逆向きの位相シフトが生じる。その結果、レーザ光が出力光導波路20dにおける結合時に互いに干渉し、レーザ光の強度が変調されて変調光になる。変調光は、出力光導波路20dから出射され、O/E変換器15に進入する。O/E変換器15では、変調光を変換した電気信号を生成する。
【0052】
図5は、図1,4の電界センシング装置10A,10Bの感度特性を示す図である。図5では、横軸にアンテナ11が受信した電波(電気信号)の周波数が表示され、縦軸にO/E変換器15から出力された電気信号の信号出力の値が表示されている。図5では、図1,4の電界センシング装置10A,10Bによる感度特性を実線で示し、従来技術の図11に示す電界センシング装置10Eの感度特性を点線で示す。
【0053】
それら電界センシング装置10A,10Bの感度特性は、スペクトラムアナライザによって測定される。なお、電波による入力電力は、−47dBmであった。図4に実線で示すように、それら装置10A,10Bにおいて受信した電波の周波数帯は400〜850MHzであり、そのときのO/E変換器15から出力された電気信号の信号出力の値は約−56.6〜−58.3dBmであった。これに対し、図4に点線で示すように、従来技術の装置10EのO/E変換器15から出力された電気信号の信号出力の値は約−62.6〜−64.3dBmであった。図4から明らかなように、それら装置10A,10Bによる感度特性は従来技術の装置10Eのそれと比較し、センシング感度が約6dBm高いことが分かった。
【0054】
図1,4の電界センシング装置10A,10Bは、分配器12によって分配された2つの同位相の電気信号の電界強度によってレーザ光(入力光)の強度が変調されるから、1つの電気信号の電界強度によってレーザ光を変調する場合と比較し、電波のセンシング感度が6dBmアップし、装置10A,10Bにおける電波のセンシング感度を高くすることができ、外部から電力を補充することなく、アンテナ11が受信した電波の電力のみによってその電波をセンシングすることができる。
【0055】
電界センシング装置10A,10Bは、共振を利用することなく電波のセンシング感度を高くすることができるから、共振周波数を含むそれ以外の周波数帯の電波をセンシングすることができ、低周波から超高周波までの広い帯域の電波を確実にセンシングすることができる。電界センシング装置10A,10Bは、無給電で電波をセンシングすることができるから、雷害対策やノイズ対策の必要がないことに加え、電気の供給ができない箇所において電波のセンシングを行うことができる。電界センシング装置10A,10Bは、電気を供給する電気供給設備を省略することができ、その分装置10A,10Bの低コスト化を実現することができる。
【0056】
図4の電界センシング装置10Bは、分配器12によって分配された電気信号の位相が異なる場合、位相調整器28によってそれら電気信号の位相が同一にされ、同位相のそれら電気信号の電界強度によってレーザ光の強度を変調するから、装置10Bにおける電波のセンシング感度を確実に高くすることができ、外部から電力を補充することなく、アンテナ11が受信した電波の電力のみによってその電波をセンシングすることができる。
【0057】
図6は、他の一例として示す電界センシング装置10Cの概略構成図である。この電界センシング装置10Cが図1,4のそれと異なるところは、電気信号の電界強度を増幅する電気的増幅器29が設置されている点、増幅器29に電力を供給する光発電素子30が設置されている点、光発電素子30にレーザ光を出射する第2半導体レーザ光源31(光源)が設置されている点にあり、その他の構成は図1,4の電界センシング装置10A,10Bのそれらと同一であるから、図1,4と同一の符号を付すとともに、図1,4の説明を援用することで、この電界センシング装置10Cにおけるその他の構成の説明は省略する。
【0058】
電界センシング装置10Cは、所定周波数帯の無線電波を受信するアンテナ11と、アンテナ11から出力された電気信号を2つのそれに分配する分配器12と、分配器12によって分配された電気信号の一方のそれの位相を調整する位相調整器28と、分配器12によって分配された電気信号の他方のそれの電界強度を増幅する電気的増幅器29と、レーザ光を電力に変換する光発電素子30と、レーザ光(入力光)を変調した変調光を出力する光変調器13と、光変調器13にレーザ光を供給する第1半導体レーザ光源14(光源)と、光発電素子30にレーザ光(増幅光)を供給する第2半導体レーザ光源31(光源)と、光変調器13から出力された変調光を電気信号に変換するO/E変換器15とから形成されている。
【0059】
電界センシング装置10Cでは、位相調整器28が分配器12と光変調器13との間に延びる第1給電線17(同軸ケーブル)に設置され、増幅器29が分配器12と光変調器13との間に延びる第2給電線18(同軸ケーブル)に設置されている。光発電素子30は、第3給電線32を介して増幅器29に電気的に接続され、光ファイバ33を介して第2半導体レーザ光源31に接続されている。
【0060】
光発電素子30は、レーザ光源31から出射されたレーザ光(増幅光)を電力に変換し、その電力を増幅器29に出力する。第1半導体レーザ光源14は、波長1550nm、出力40mWのレーザ光を光変調器13に出射し、第2半導体レーザ光源14は、波長1480nm、出力300mWのレーザ光を光発電素子30に出射する。電界センシング装置10Cでは、電力供給源としてレーザ光源31のみが使用され、電気設備(電源)は設置されていない。
【0061】
なお、この電界センシング装置10Cでは、2つの第1および第2半導体レーザ光源14,31を使用し、第1半導体レーザ光源14からレーザ光を光変調器13に出射するとともに、第2半導体レーザ光源31からレーザ光を光発電素子30に出射しているが、1つの半導体レーザ光源を利用し、そのレーザ光源がレーザ光を分光し、一方のレーザ光(波長1550nm、出力40mW)を光変調器13に出射するとともに、他方のレーザ光(1480nm、出力300mW)を光発電素子30に出射してもよい。
【0062】
増幅器29は、第2給電線18に流れる電気信号に電力を補充することで、その電気信号の電界強度を増幅する。増幅器29によって第2給電線18に流れる電気信号の電界強度を増幅すると、第1給電線17に流れる電気信号の位相と第2給電線18に流れる電気信号の位相とが異なり、位相のずれが生じるが、位相調整器28が第1給電線17に流れる電気信号の位相を調整し、第1および第2給電線17,18に流れる電気信号の位相を同一にする。なお、位相調整器28は、増幅器29による電気信号の増幅度に対応しつつ第1および第2給電線17,18に流れる電気信号の位相を同一にするようにその機能が調節されている。
【0063】
電界センシング装置10Cでは、図4のそれと同様に、分配器12および第1独立変調電極22の間に延びる第1給電線17の長さ寸法と分配器12および第2独立変調電極18の間に延びる第2給電線18の長さ寸法とが同一であるが、それら給電線17,18の長さ寸法が異なっていてもよい。それら給電線17,18の長さ寸法が異なると、光変調器13に入力される電気信号の位相がずれるが、位相調整器28によってそれら電気信号の位相を同一する。
【0064】
この電界センシング装置10Cの動作を説明すると、以下のとおりである。第2半導体レーザ光源31から出射されたレーザ光(増幅光)が光発電素子30に出射され、そのレーザ光が光発電素子30で電力に変換され、その電力が光発電素子30から増幅器29に出力される。アンテナ11に受信された電波の電界強度に比例する電気信号は、アンテナ11から分配器12に出力され、分配器12によって2つの電気信号に分配される。第2給電線18を通る電気信号は、その電界強度が増幅器29によって増幅された後、第2独立変調電極23に入力される。第1給電線17を通る電気信号は、位相調整器28に進入し、位相調整器28によってその位相が調整されて第2給電線18を通る電気信号の位相と同一にされた後、第1給電線17を通って光変調器13の第1独立変調電極23に入力される。
【0065】
光変調器13では、レーザ光源14から出射されたレーザ光が入力光導波路20aの入射口から導波路20に進入し、位相シフト導波路20b,20cにおいて二分(分波)されて導波路20b,20cに進入した後、出力光導波路20dにおいて再び結合(合波)され、出力光導波路20dから出射する(図2参照)。
【0066】
光変調器13では、電気信号が信号電極22aに入力されるとともに、電界強度が増幅された電気信号が信号電極23aに入力され、その電気信号の電界(高周波信号)によって変調電極22,23(信号電極22a,23aと接地電極22b,22c,23b,23cとの間)に電圧が印加される。変調電極22,23に電圧が印加されると、Z軸方向に互いに逆向きの電界がそれら位相シフト光導波路20b,20cに印加され(図3参照)、位相シフト導波路20b,20cを伝搬するレーザ光に互いに逆向きの位相シフトが生じる。その結果、レーザ光が出力光導波路20dにおける結合時に互いに干渉し、レーザ光の強度が変調されて変調光になる。変調光は、出力光導波路20dから出射され、O/E変換器15に進入する。O/E変換器15では、変調光を変換した電気信号を生成する。
【0067】
図6の電界センシング装置10Cは、図1,4の電界センシング装置10A,10Bが有する効果に加え、以下の効果を有する。電界センシング装置10Cは、分配器12によって分配された電気信号の電界強度が小さい場合であっても、増幅器29によって電気信号の電界強度が増幅されるから、電界強度が増幅された電気信号の電界によってレーザ光の強度を確実に変調することができる。電界センシング装置10Cは、電力供給源として第2半導体レーザ光源31のみが使用されているから、電気を供給する電気供給設備の必要がなく、電気の供給ができない箇所において電波のセンシングを行うことができる。
【0068】
図7は、他の一例として示す電界センシング装置10Dの概略構成図であり、図8は、入力電力と出力電力との相関関係の一例を示す図である。図8では、出力電気信号を実線で示し、3次相互変調歪みを点線で示す。この電界センシング装置10Dが図6のそれと異なるところは、電気的増幅器29(第2半導体レーザ光源31)の稼動をON/OFFするスイッチング回路34が設置されている点にあり、その他の構成は図6の電界センシング装置10Cのそれらと同一であるから、図1,4,6と同一の符号を付すとともに、図1,4,6の説明を援用することで、この電界センシング装置10Dにおけるその他の構成の説明は省略する。
【0069】
電界センシング装置10Dは、所定周波数帯の無線電波を受信するアンテナ11と、アンテナ11から出力された電気信号を2つのそれに分配する分配器12と、分配器12によって分配された電気信号の一方のそれの位相を調整する位相調整器28と、分配器12によって分配された電気信号の他方のそれの電界強度を増幅する電気的増幅器29と、レーザ光を電力に変換する光発電素子30と、増幅器12の稼動をON/OFFするスイッチング回路34と、レーザ(入力光)を変調した変調光を出力する光変調器13と、光変調器13にレーザ光(入力光)を供給する第1半導体レーザ光源14(光源)と、光発電素子30にレーザ光(増幅光)を供給する第2半導体レーザ光源31(光源)と、光変調器13から出力された変調光を電気信号に変換するO/E変換器15とから形成されている。
【0070】
電界センシング装置10Dでは、位相調整器28が分配器12と光変調器13との間に延びる第1給電線17(同軸ケーブル)に設置され、増幅器29が分配器12と光変調器13との間に延びる第2給電線18(同軸ケーブル)に設置されている。光発電素子30は、第3給電線32を介して増幅器29に電気的に接続され、光ファイバ33を介して第2半導体レーザ光源31に接続されている。スイッチング回路34は、インターフェイス35を介して第2半導体レーザ光源31とO/E変換器15とに接続されている。
【0071】
スイッチング回路34は、O/E変換器15によって変換された電気信号の出力値に応じて増幅器29(第2半導体レーザ光源31)の稼動をON/OFFする。スイッチング回路34は、O/E変換器15によって変換された電気信号の出力値が設定値よりも高くなると、増幅器29の稼動をOFFにし(第2半導体レーザ光源31から出射されるレーザ光の出射をOFFにする)、電気信号の出力値が設定値よりも低くなると、OFFにした増幅器29を再びONにし(第2半導体レーザ光源31から出射されるレーザ光の出射をONにする)、増幅器29(第2半導体レーザ光源31)を稼動させる。増幅器29(第2半導体レーザ光源31)のON/OFFのトリガとなる電気信号の設定値は、スイッチング回路34のメモリに格納されている。設定値は、光変調器13に印加される電界強度によって光変調器が3次相互変調歪みを起こす限界近傍の値であり、光変調器13の性能に応じて自由に変更することができる。
【0072】
この電界センシング装置10Dでは、図6のそれと同様に、2つの第1および第2半導体レーザ光源14,31を使用して第1半導体レーザ光源14からレーザ光(波長1550nm、出力40mW)を光変調器13に出射し、第2半導体レーザ光源31からレーザ光(1480nm、出力300mW)を光発電素子30に出射しているが、1つのレーザ光源を利用し、そのレーザ光源がレーザ光を分光しつつ、一方のレーザ光(波長1550nm、出力40mW)を光変調器13に出射するとともに、他方のレーザ光(1480nm、出力300mW)を光発電素子30に出射してもよい。
【0073】
増幅器29によって第2給電線18に流れる電気信号の電界強度を増幅するとともに、スイッチング回路34によって増幅器29をON/OFFすると、第1給電線17に流れる電気信号の位相と第2給電線18に流れる電気信号の位相とが異なり、位相のずれが生じるが、位相調整器28が第1給電線17に流れる電気信号の位相を調整し、第1および第2給電線17,18に流れる電気信号の位相を同一にする。なお、増幅器29による電気信号の増幅度に対応するとともに増幅器29をON/OFF動作に対応して第1および第2給電線17,18に流れる電気信号の位相を同一にするように、位相調整器28の機能が調節されている。
【0074】
この電界センシング装置10Dの動作を説明すると、以下のとおりである。第2半導体レーザ光源31から出射されたレーザ光(増幅光)が光発電素子30に出射され、そのレーザ光が光発電素子30で電力に変換され、その電力が光発電素子30から増幅器29に出力される。アンテナ11に受信された電波の電界強度に比例する電気信号は、アンテナ11から分配器12に出力され、分配器12によって2つの電気信号に分配される。第2給電線18を通る電気信号は、その電界強度が増幅器29によって増幅された後、第2独立変調電極23に入力される。第1給電線17を通る電気信号は、位相調整器28に進入し、位相調整器28によってその位相が調整されて第2給電線18を通る電波の位相と同一にされた後、第1給電線17を通って光変調器13の第1独立変調電極23に入力される。
【0075】
光変調器13では、レーザ光源14から出射されたレーザ光が入力光導波路20aの入射口から導波路20に進入し、位相シフト導波路20b,20cにおいて二分(分波)されて導波路20b、20cに進入した後、出力光導波路20dにおいて再び結合(合波)され、出力光導波路20dから出射する(図2参照)。
【0076】
光変調器13では、図6の電界センシング装置10Cと同様に、電気信号が信号電極22aに入力されるとともに、電界強度が増幅された電気信号が信号電極23aに入力され、その電気信号の電界(高周波信号)によって変調電極22,23(信号電極22a,23aと接地電極22b,22c,23b,23cとの間)に電圧が印加される。変調電極22,23に電圧が印加されると、Z軸方向に互いに逆向きの電界がそれら位相シフト光導波路20b,20cに印加され(図3参照)、位相シフト導波路20b,20cを伝搬するレーザ光に互いに逆向きの位相シフトが生じる。その結果、レーザ光が出力光導波路20dにおける結合時に互いに干渉し、レーザ光の強度が変調されて変調光になる。
【0077】
変調光は、出力光導波路20dから出射され、O/E変換器15に進入する。O/E変換器15では、変調光を変換した電気信号を生成し、その電気信号の一部をスイッチング回路34に出力する。
【0078】
スイッチング回路34は、O/E変換器15から出力された電気信号の出力値とメモリに格納された設定値とを比較し、出力値が設定値の範囲を超えると、増幅器29(第2半導体レーザ光源31)の稼動をOFFにする。図8では、電気信号出力値が略−32(dBm/波)および電気信号入力値が略−42(dBm/波)において増幅器29(第2半導体レーザ光源31)の稼動がOFFになっている。スイッチング回路34は、増幅器29(第2半導体レーザ光源31)の稼動をOFFにした後、出力値と設定値とを比較し、出力値が設定値の範囲内に復帰すると、OFFにした増幅器29(第2半導体レーザ光源31)を再びONにして増幅器29(第2半導体レーザ光源31)を稼動させる。図8では、電気信号出力値が略−48(dBm/波)および電気信号入力値が略−37(dBm/波)において増幅器29(第2半導体レーザ光源31)の稼動をONにしている。
【0079】
図7の電界センシング装置10Dは、図1,4,6の電界センシング装置10A,10B,10Cが有する効果に加え、以下の効果を有する。電界センシング装置10Dは、O/E変換器15から出力された電気信号の出力値が必要以上に高い場合、光変調器13に必要以上の電界強度が印加され、それによって光変調器13に3次相互変調歪みが生じ、電波のセンシング感度が低下するが、電気信号の出力値が設定値よりも高い場合、増幅器29(第2半導体レーザ光源31)の稼動をOFFにするから、光変調器13に生じる3次相互変調歪みを防ぐことができ、電波のセンシング感度を一定に保持することができるとともに、O/E変換器15によって変換された電気信号の出力値を一定に保持することができる。
【0080】
電界センシング装置10Dは、電気信号の出力値が設定値の範囲内に復帰すると、OFFにした増幅器29(第2半導体レーザ光源31)を再びONにして増幅器29(第2半導体レーザ光源31)を稼動させるから、分配器12によって分配された電波の電界強度が小さい場合であっても、増幅器29によって電波の電界強度を増幅することができ、電界強度が増幅された電波の電界によってレーザ光の強度を確実に変調することができる。
【0081】
図9は、図6,7の電界センシング装置10C,10Dの感度特性を示す図である。図9では、横軸にアンテナ11が受信した電波(電気信号)の周波数が表示され、縦軸にO/E変換器15から出力された電気信号の信号出力の値が表示されている。それら電界センシング装置10C,10Dの感度特性は、スペクトラムアナライザによって測定される。なお、電波による入力電力は、−47dBmであった。図9に示すように、それら装置10C,10Dにおいて受信した電波の周波数帯は400〜850MHzであり、そのときのO/E変換器15から出力された電気信号の信号出力値は約−36.6〜−38.3dBmであった。図5に実線で示す図1,4の装置10A,10BDと比較し、それら装置10C,10Dによるセンシング感度が約20dBm高いことが分かった。したがって、それら装置10C,10Dによる感度特性は従来技術の装置10Eのそれと比較し、センシング感度が約26dBm高いことが分かった。なお、20dBmセンシング感度が向上したのは電気的増幅器29のゲインであり、増幅器29のゲインを調節することによってセンシング感度の上昇度を自由に設定することができる。
【0082】
図10は、他の一例として示す光変調器36の構成図である。この光変調器36が図2のそれと異なるところは、バッファ層21の上にフィルム状の4つの第1〜第4独立変調電極37〜40が設置されている点、分配器12によって電波が4つに分配される点、第1〜第4独立変調電極37〜40の延伸方向の長さ寸法が図2の光変調器13の第1および第2独立変調電極22,23のそれよりも短い点にある。なお、基板19やマッハツェンダー型光導波路20、バッファ層21は、図2,3の光変調器13のそれらと同一である。また、それら光導波路20a〜20dの幅寸法Wや位相シフト光導波路20b,20cの延伸方向の長さ寸法、位相シフト光導波路20b,20cの中央部分における離間寸法、バッファ層21の厚さ寸法は、図2,3の光変調器13のそれらと同一である。
【0083】
この光変調器36は、分配器12の直近下位に設置され、分配器12から延びる4本の第1〜第4給電線41〜44(同軸ケーブル)を介して分配器12に電気的に接続されている。単結晶基板の上面側に形成されたバッファ層の上には、フィルム状の4つの第1〜第4独立変調電極37〜40が設置されている。それら変調電極37〜40は、金から作られたフィルム電極である。
【0084】
第1独立変調電極37は、電波第1入力部45に第1給電線41を介して電気的に接続され、第2独立変調電極38は、電波第2入力部46に第2給電線42を介して電気的に接続されている。第3独立変調電極39は、電波第3入力部47に第3給電線43を介して電気的に接続され、第4独立変調電極40は、電波第4入力部48に第4給電線44を介して電気的に接続されている。それら独立変調電極37〜40では、入力光導波路20aの側から出力光導波路20dの側に向かって第1独立変調電極37、第2独立変調電極38、第3独立変調電極39、第4独立変調電極40の順で延伸方向へ整然と並んでいる。
【0085】
分配器12と電波第1入力部45との間に延びる第1給電線41の長さ寸法、分配器12と電波第2入力部46との間に延びる第2給電線42の長さ寸法、分配器12と電波第3入力部47との間に延びる第3給電線43の長さ寸法、分配器12と電波第4入力部48との間に延びる第4給電線44の長さ寸法は同一である。さらに、電波第1入力部45と第1独立変調電極37との間に延びる第1給電線41の長さ寸法、電波第2入力部46と第2独立変調電極38との間に延びる第2給電線42の長さ寸法、電波第3入力部47と第3独立変調電極39との間に延びる第3給電線43の長さ寸法、電波第4入力部48と第4独立変調電極40との間に延びる第4給電線44の長さ寸法は同一である。したがって、分配器12および第1独立変調電極37の間に延びる第1給電線41の長さ寸法、分配器12および第2独立変調電極38の間に延びる第2給電線42の長さ寸法、分配器12および第3独立変調電極39の間に延びる第3給電線42の長さ寸法、分配器12および第4独立変調電極40の間に延びる第4給電線44の長さ寸法が同一である。
【0086】
それら独立変調電極37〜40は、信号電極37a,38a,39a,40aと接地電極37b,37c,38b,38c,39b,39c,40b,40cとから形成されている。信号電極37a〜40aは、位相シフト光導波路20b,20cの間に配置され、それら光導波路20b,20cの中央部分と平行して延伸方向へ延びている。信号電極37a〜40aは、位相シフト光導波路20b,20cの延伸方向において2つに分割された分割信号電極であり、それら分割信号電極どうしが互いに容量結合されている。それら信号電極37a〜40aの延伸方向の長さ寸法は、図2の光変調器13の信号電極22a,23aのそれよりも短く、10mmである。なお、信号電極37a〜40aの分割数に特に限定はなく、分割数を任意に設定することができる。
【0087】
それら接地電極37b,37c,38b,38c,39b,39c,40b,40cは、位相シフト光導波路20b,20cを挟んで信号電極37a〜40aの両側に配置され、それら光導波路20b,20cと平行して延伸方向へ延びている。接地電極37b,37c,38b,38c,39b,39c,40b,40cは、位相シフト光導波路20b,20cの延伸方向において2つに分割された分割接地電極であり、それら分割接地電極どうしが互いに容量結合されている。接地電極37b,37c,38b,38c,39b,39c,40b,40cは、接地されている。それら接地電極37b,37c,38b,38c,39b,39c,40b,40cの延伸方向の長さ寸法は、図2の光変調器13の接地電極22b,22c,23b,23cのそれよりも短く、10mmである。なお、接地電極37b,37c,38b,38c,39b,39c,40b,40cの分割数に特に限定はなく、分割数を任意に設定することができる。
【0088】
図10に示す光変調器36は、図2のそれと比較し、高い周波数帯の電波のセンシングに使用される。なお、センシングする電波の周波数帯が高くなるにつれて、それら変調電極の延伸方向の長さ寸法を短くするとともに、変調電極の個数を増加させる。したがって、センシングする電波の周波数によって電波が5つ以上に分配される場合があり、光変調器に5つ以上の電極が設置される場合がある。
【0089】
センシングする電波の周波数帯が高くなると、レーザ光(入力光)と電気信号との速度に差が生じ、電気信号によるレーザ光の変調効率が低下するが、この光変調器36は、それら独立変調電極37〜40の延伸方向の長さ寸法を短くすることで、レーザ光と電気信号との速度差を小さくし、変調効率の低下を防ぐとともに、電極の個数を増加させることで、図2よりも多い複数の電極37〜40を利用してそれら位相シフト光導波路20b,20cに電気信号の電界を印加することができ、電気信号の電界強度でレーザ光の強度を確実に変調することができる。この光変調器36を利用した電界センシング装置10A〜10Dは、それら独立変調電極37〜40を利用してそれら電気信号の電界をレーザ光に印加することができるから、レーザ光の強度を確実に変調することができ、MHzのみならずGHz以上の高い周波数帯の電波をセンシングすることができる。
【0090】
図1,4,6,7の電界センシング装置10A〜10Dでは、図2の光変調器13に替えて、図10の光変調器36を使用することもできる。なお、図2や図10の光変調器13,36では、LiNbOのXカット基板19を用いた例を示したが、Zカット基板も使用可能である。Zカット基板の場合は、変調電極と光導波路の相対位置関係がそれら図示例の形態とは異なるが、原理的には同じである。
【符号の説明】
【0091】
10A 電界センシング装置
10B 電界センシング装置
10C 電界センシング装置
10D 電界センシング装置
11 アンテナ
12 分配器
13 光変調器
14 第1半導体レーザ光源(光源)
15 O/E変換器
19 単結晶基板(基板)
20 マッハツェンダー型光導波路(光導波路)
20a 入力光導波路
20b 位相シフト光導波路
20c 位相シフト光導波路
20d 出力光導波路
21 バッファ層
22 第1独立変調電極
22a 信号電極
22b 接地電極
22c 接地電極
23 第2独立変調電極
23a 信号電極
23b 接地電極
23c 接地電極
28 位相調整器
29 電気的増幅器
30 光発電素子
31 第2半導体レーザ光源(光源)
34 スイッチング回路
36 光変調器
37 第1独立変調電極
37a 信号電極
37b 接地電極
37c 接地電極
38 第2独立変調電極
38a 信号電極
38b 接地電極
38c 接地電極
39 第3独立変調電極
39a 信号電極
39b 接地電極
39c 接地電極
40 第4独立変調電極
40a 信号電極
40b 接地電極
40c 接地電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した電波の電界強度に比例した電気信号を出力するアンテナと、前記アンテナから出力された電気信号の電界強度に応じて入力光の強度を変調し、前記入力光を変調した変調光を出射する光変調器と、前記光変調器に前記入力光を供給する光源と、前記光変調器から出射された変調光を電気信号に変換するO/E変換器とから形成された電界センシング装置において、
前記電界センシング装置が、前記アンテナと前記光変調器との間に設置されて該アンテナから出力された電気信号を少なくとも2つのそれに分配する分配器を含み、前記光変調器が、前記分配器によって分配されて位相が同一のそれら電気信号の電界強度に応じて前記入力光の強度を変調することを特徴とする電界センシング装置。
【請求項2】
前記電界センシング装置が、前記分配器と前記光変調器との間に設置されて該分配器によって分配されたそれら電気信号の少なくとも1つのそれの位相を調整する位相調整器を含み、前記位相調整器が、前記分配器によって分配されたそれら電気信号の位相が異なる場合、それら電気信号の位相を同一にする請求項1に記載の電界センシング装置。
【請求項3】
前記電界センシング装置が、前記分配器と前記光変調器との間に設置されて該分配器によって分配されたそれら電気信号のうちの少なくとも1つのそれの電界強度を増幅する増幅器と、前記光源から供給された増幅光を電力に変換し、その電力を前記増幅器に供給する光発電素子とを含み、前記電界センシング装置では、電力供給源として前記光源のみが使用されている請求項1または請求項2に記載の電界センシング装置。
【請求項4】
前記電界センシング装置が、前記O/E変換器によって変換された電気信号の出力値に応じて前記増幅器の稼動をON/OFFするスイッチング回路を含み、前記電界センシング装置では、前記電気信号の出力値が設定値よりも高い場合、前記スイッチング回路が増幅器の稼動をOFFにする請求項3に記載の電界センシング装置。
【請求項5】
前記光変調器が、電気光学効果を有する材料から作られた基板と、前記基板に形成された光導波路と、前記基板上に設置されて前記光導波路の延伸方向へ並ぶ少なくとも2つの独立変調電極とを備え、前記光導波路が、光の入射側に延びる入力光導波路と、前記入力光導波路から二股に分岐して延びる2本の位相シフト導波路と、前記光の出射側に延びていてそれら位相シフト光導波路がつながる出力光導波路とから形成され、それら独立変調電極が、それら位相シフト導波路に並行して前記延伸方向へ延びるとともに、前記分配器によって分配された電気信号の電界強度をそれら位相シフト導波路に独立して印加することで該位相シフト光導波路の屈折率を変化させる請求項1ないし請求項4いずれかに記載の電界センシング装置。
【請求項6】
それら独立変調電極が、互いに容量結合された複数の分割電極から形成されている請求項5に記載の電界センシング装置。
【請求項7】
前記電界センシング装置では、前記分配器とそれら独立変調電極との間に延びる給電線の長さ寸法が同一である請求項5または請求項6いずれかに記載の電界センシング装置。
【請求項8】
前記電界センシング装置では、前記分配器によって分配されたそれら電気信号の位相を前記位相調整器によって同一にすることが可能な周波数帯までの電波をセンシング可能である請求項2ないし請求項7いずれかに記載の電界センシング装置。
【請求項9】
前記電界センシング装置では、それがセンシングする電波の周波数帯が高くなるにつれて、それら独立変調電極の前記延伸方向の長さ寸法を短くするとともに、それら独立変調電極の個数を増加させる請求項5ないし請求項8いずれかに記載の電界センシング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−37279(P2012−37279A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175502(P2010−175502)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(000147350)株式会社精工技研 (154)