説明

電界放射型管状光源およびその組立方法

【課題】均一で安定した電子放出特性を有する電界放射型管状光源およびその組立方法を提供すること。
【解決手段】内面に蛍光体付き陽極が形成された外側円筒管8と、外面に電界電子放出陰極が形成された内側円筒管12とを備え、両円筒管8,12の管中心O1,O2がその長手方向に一致した二重円筒管構成になっている電界放射型管状光源2において、外側円筒管8は、その一端側内奥部に円錐頂部14aを上記他端側に向けて中心出し用の円錐部材14が配置されており、内側円筒管12は、その一端側が外側円筒管8の一端側内奥部に挿入され当該一端側の開口周縁部12aが円錐部材14の円錐斜面14bに外接して当該一端側の管中心O1が外側円筒管8の管中心O2に中心出しされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内面に蛍光体付き陽極が形成された円筒管(外側円筒管)と、外面に電界電子放出陰極が形成された円筒管(内側円筒管)とを二重円筒管として配置した電界放射型管状光源および該電界放射型管状光源の組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記電界放射型管状光源は、陽極と陰極との間に電界を印加することにより陰極から電界放射により電子放出させると共にこの放出した電子を蛍光体に衝突させて該蛍光体を励起発光させ、この発光を外側円筒管の外方に放出させるようになっている(特許文献1)。このような電界放射型管状光源は、例えば、LCD(液晶表示装置)のバックライト照明光源等に利用することができる。
【0003】
この電界放射型管状光源では、外側円筒管の内周面全体から蛍光体を均一な輝度で発光させるには、上記電界放射を外側円筒管の陽極全体と内側円筒管の陰極全体との間に電界を均等に印加する必要がある。その均等な電界の印加には、外側円筒管の管中心に内側円筒管の管中心をそれらの長手方向全体に一致(以後、この一致を中心出しと称する)させる必要がある。
【0004】
以上の構成を備えた電界放射型管状光源を、内側円筒管の一端側を外側円筒管の他端側開口側から該外側円筒管の一端側内奥部に挿入した後、内側円筒管の一端側に取り付けた位置決め治具あるいは外側円筒管一端側の内奥部に配置してある位置決め治具により内側円筒管の一端側を外側円筒管の一端側内奥部に位置決めすることが考えられる。この位置決めによる上記中心出しでは、上記位置決め治具で位置決めした状態で内側円筒管の一端側管中心と外側円筒管の一端側管中心とが一致している必要がある。
【0005】
しかしながら、このような位置決め治具による中心出しでは、位置決め治具を高精度に製作する必要があるが、そのような製作は難しく、また、高精度に製作することができても、内側円筒管の一端側の管中心を外側円筒管の一端側の管中心に中心出しすることが必ずしも容易ではなく、かかる電界放射型管状光源の製造歩留まりを向上する上での課題となっている。
【特許文献1】特開2001−52654
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明により解決する課題は、内側円筒管と外側円筒管との管中心の中心出しを容易に行うことができる構造を備えた電界放射型管状光源およびその組立方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明第1による電界放射型管状光源は、内面に蛍光体付き陽極が形成された外側円筒管と、外面に電界電子放出陰極が形成された内側円筒管とを備えた二重円筒管構成になっている電界放射型管状光源において、外側円筒管は、その一端側内奥部に、頂部に向けて外径が均等に縮径して外周面が斜面形状となっている中心出し用部材が当該頂部を他端側に向けて配置されており、内側円筒管は、その一端側が外側円筒管の一端側内奥部に挿入され当該一端側の開口周縁部が中心出し用部材の上記斜面に外接して当該一端側の管中心が外側円筒管の管中心に中心出しされていることを特徴とするものである。
【0008】
好ましくは上記中心出し用部材は、円錐斜面を有する部材である。
【0009】
なお、外側円筒管と内側円筒管との間には外側円筒管を例えばガラス製、内側円筒管を金属製とした場合に当該両者間の熱膨張係数の相違による熱膨張の相違を緩和ないし吸収することができる部材を介装することが好ましい。
【0010】
本発明の電界放射型管状光源は内側円筒管の一端側の開口周縁部が外側円筒管の一端側内奥部に配置してある中心出し用部材の斜面に当接しているので、内側円筒管の一端側の管中心は、この中心出し用部材により、外側円筒管の一端側の管中心に中心出しされることにより、外側円筒管内面の陽極と内側円筒管外面の陰極との間に電界を均等に印加することができ、これによって、外側円筒管の内面の蛍光体には均等に電子が放出され、均一発光が可能になっている。
【0011】
本発明第1の好適な一態様は、上記円錐部材が内側円筒管を他端側方向に付勢するバネ性を有するものであり、かつ、このバネ性により当該中心出し用部材の斜面が内側円筒管の一端側開口周縁部に一定の力で外接していることである。
【0012】
この態様では、常に、内側円筒管の一端側には当該一端側の管中心を外側円筒管の一端側管中心に中心出しする付勢力が作用しているので、長期の使用でも上記外側円筒管内面の陽極と内側円筒管外面の陰極との間に電界を均等に印加させて、外側円筒管の内面の蛍光体全体を安定して均一発光させることが可能になっている。
【0013】
本発明第1の好適な一態様は、外側円筒管は、その一端側が真空封着され、その他端側にエッジキャップが気密に被せ付けられており、内側円筒管は、その他端側が上記エッジキャップに対してその他端側の管中心を外側円筒管の他端側の管中心に中心出しされた状態で固定されていることである。
【0014】
本発明第2による電界放射型管状光源は、内面に蛍光体付き陽極が形成された外側円筒管と、外面に電界電子放出陰極が形成された内側円筒管とを備えた二重円筒管構成になっている電界放射型管状光源において、外側円筒管の一端側内奥部内面には、頂部に向けて外径が均等に縮径して外周面が斜面形状となっている中心出し用部材が互いの底部側を背中合わせに挿入され、一方の中心出し用部材の頂部は外側円筒管の一端側の開口に挿入され、他方の中心出し用部材の頂部は内側円筒管の一端側開口に挿入された状態で、内側円筒管の一端側の開口周縁部が上記他方の中心出し用部材の斜面に外接することにより、内側円筒管管中心が外側円筒管の管中心に中心出しされている、ことを特徴とするものである。
【0015】
本発明第3による電界放射型管状光源は、内面に蛍光体付き陽極が形成された外側円筒管と、外面に電界電子放出陰極が形成された内側円筒管とを備えた二重円筒管構成になっている電界放射型管状光源において、外側円筒管は、その一端側内面形状が、頂部に向けて外径が均等に縮径して外周面が斜面形状となって該頂部を内奥部に向けた形状になっており、内側円筒管は、その一端側内面形状が、頂部に向けて外径が均等に縮径して外周面が斜面形状となって該頂部を外側円筒管の一端側内奥部に向けた形状になっており、かつ、内側円筒管の一端側斜面が外側円筒管の一端側内奥部内の斜面に内接して該内側円筒管の一端側の管中心が外側円筒管の管中心に中心出しされている、ことを特徴とするものである。
【0016】
本発明第4による電界放射型管状光源の組立方法は、内面に蛍光体付き陽極が形成された外側円筒管と、外面に電界電子放出陰極が形成された内側円筒管とを備えた二重円筒管構成になっている電界放射型管状光源の組立方法において、外側円筒管の一端側内奥部に、頂部に向けて外径が均等に縮径して外周面が斜面形状となっている中心出し用部材を、その頂部が外側円筒管の他端側に向いた状態に、配置するステップと、内側円筒管をその一端側を外側円筒管の一端側内奥部に挿入する操作を開始するステップと、この挿入操作の開始後は、内側円筒管の一端側開口に中心出し用部材の頂部が入り込むと共に該一端側開口の内周縁が中心出し用部材の斜面に突き当たるように当該挿入操作を継続するステップと、を実施することにより、内側円筒管の一端側の管中心を外側円筒管一端側の管中心に一致させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、内側円筒管の管中心と外側円筒管の管中心とが中心出しされた電界放射型管状光源およびその中心出しを容易に行うことができる組立方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施の形態に係る電界放射型管状光源およびその組立方法を詳しく説明する。
【0019】
図1は実施の形態の電界放射型管状光源の断面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は図1の要部を拡大して示す要部拡大断面図、図4は中心出し用の円錐バネ(円錐部材)の斜視図を示す。この電界放射型管状光源2は、内面に蛍光体4付き陽極6が形成された外側円筒管8と、外面に電界電子放出陰極10が形成された内側円筒管12とを備え、両円筒管8,12の管中心O1,O2がその長手方向に一致した二重円筒管構成になっている。外側円筒管8は、その一端側内奥部に円錐頂部14aを他端側に向けて中心出し用の円錐バネ14が配置されている。実施の形態は、この円錐バネ14に限定するものではなく、頂部に向けて外径が均等に縮径して外周面が斜面形状となっている中心出しすることができる部材であればよい。例えば円錐バネ形状以外には、頂部が断面楕円形状、半円形状、放物線形状でもよい。内側円筒管12は、その一端側が外側円筒管8の一端側内奥部に挿入され当該一端側の開口周縁部12aが円錐バネ14の円錐斜面14bに外接して当該一端側の管中心O1が外側円筒管8の管中心O2に中心出しされている。
【0020】
上記円錐バネ14は、複数のバネ素片141が素片頂部側141aが一体化され、素片頂部側141aから素片底部側141bにかけて相互間隔が広がって全体が円錐形状に一体化されたものであり、通常はこれらバネ素片141は図4(a)で示す中心角が小さい円錐形状を保ち、また、図4(b)で示す中心角が大きい円錐形状に軸方向に拡縮可能になっている。円錐バネ14は、上記構成により、内側円筒管12を他端側方向に付勢するバネ性を有するものとなって、そのバネ素片141により構成された円錐斜面14bを内側円筒管12の一端側開口周縁部12aに一定のバネ力で外接している。外側円筒管8は、その一端側が真空封着され、その他端側にエッジキャップ16が気密に被せ付けられている。内側円筒管12は、その他端側がエッジキャップ16に対してその他端側の管中心を外側円筒管8の他端側の管中心に中心出しされた状態で固定されている。
【0021】
以上の構成を備えた実施の形態の電界放射型管状光源2は、内側円筒管12の一端側の開口周縁部12aが外側円筒管8の一端側内奥部に配置してある円錐バネ14の円錐斜面14bに当接しているので、内側円筒管12の一端側の管中心O1は、この円錐バネ14により、外側円筒管8の一端側の管中心O2に中心出しされていて、外側円筒管8内面の陽極6と内側円筒管12外面の陰極10との間に電界を均等に印加することができ、これによって、外側円筒管8の内面の蛍光体4には均等に電子が放出され、均一発光が可能になっている。
【0022】
特に、内側円筒管12の一端側には当該一端側の管中心O1を外側円筒管8の一端側管中心O2に円錐バネ14から中心出しする付勢力が作用しているので、長期の使用でも上記外側円筒管8内面の陽極と内側円筒管12外面の陰極10との間に電界を均等に印加させて、外側円筒管8の内面の蛍光体4全体を安定して均一発光させることが可能になっている。
【0023】
次に図5ないし図10を参照して上記電界放射型管状光源2の組立方法を説明する。図5は外側円筒管8に内側円筒管12を挿入する前の状態を示す図、図6は外側円筒管8に内側円筒管12を挿入して内側円筒管12の一端側開口周縁12aが円錐バネ14外周面に当接している状態を示す図、図7は図6のB−B線に沿う断面図、図8は外側円筒管8の管中心O2に内側円筒管12の管中心O1が中心出しされている状態を示す図、図9は図8のC−C線に沿う断面図、図10は組立完了後の断面図である。なお、図解の簡略化のため外側円筒管8の内面に形成されている蛍光体付き陽極の引き出しリード、内側円筒管12の外面に形成されている陰極の引き出しリード等の図示は略している。
【0024】
まず、図5で示すように、一端側に真空引き用細径円筒管18を一体形成されてあるガラス製の外側円筒管8を用意する。この外側円筒管8は一端側が漸次、真空引き用細径円筒管18の外径に一致するまで縮径した端部構成になっているが、その端部を除いてほぼその全体が管長手方向一定の内径を有する。外側円筒管8の一端側を水平配置した環状の固定部材20に固定する。真空引き用細径円筒管18に真空排気装置22を接続する。外側円筒管8の一端側内奥部に円錐バネ14を、その円錐頂部14aが外側円筒管8の他端側に向いた状態に、配置する。円錐バネ14は、金属製、樹脂製を問わない。また、長手方向一定の外径を有するガラス製の内側円筒管12を用意する。この内側円筒管12の他端側にガラス製のエッジキャップ16を取り付ける。このエッジキャップ16は、環状円板16aの外周縁に環状フランジ16bを備えた構成を有する。内側円筒管12は、その管中心O1がエッジキャップ16の中心に合わせた状態で該エッジキャップ16に固定されている。エッジキャップ16の環状フランジ16bの内径は外側円筒管8の外径にほぼ一致している。そして、エッジキャップ16の外周面を移動可能な環状の固定部材24に固定する。
【0025】
次いで、図6および図7で示すように、固定部材24を移動させつつ内側円筒管12の一端側を外側円筒管8の一端側内奥部に挿入する操作を開始する。この状態では内側円筒管12の一端側管中心O1は図7で示すように外側円筒管8の一端側管中心O2と一致していない。
【0026】
次いで、図8および図9で示すように、上記内側円筒管12の挿入操作を、内側円筒管12の一端側開口に円錐バネ14の円錐頂部14aを入り込ませると共に該一端側開口の内周縁12aが円錐バネ14の円錐斜面14bに突き当たるように、継続する。そして、さらに、内側円筒管12の挿入操作を継続させて、内側円筒管12の一端側開口内周縁12aで円錐バネ14を一端側方向に押し込むと、円錐バネ14の円錐底部14cがそのバネ性で外側円筒管8の一端側の漸次縮径端部の内面8aに沿い拡径させられる。このとき、内側円筒管12の一端側開口の内周縁12aには、当該内側円筒管12の一端側管中心O1を外側円筒管8の一端側管中心O2に一致させる力が作用する結果、内側円筒管12の一端側管中心O1は、外側円筒管8の一端側管中心O2に図9で示すように中心出しされる。この中心出しした状態で、内側円筒管12の他端側に取り付けたエッジキャップ16の環状フランジ16bは外側円筒管8の他端側外面に嵌合して、内側円筒管12の他端側管中心も外側円筒管8の他端側管中心に中心出しされている。
【0027】
以上の状態で真空排気装置22を作動して外側円筒管8内部を真空排気して後、図10で示すように外側円筒管8一端側を真空封着することにより、電界放射型管状光源2の組立が完了する。
【0028】
以上の電界放射型管状光源2の組立方法では、内側円筒管12を外側円筒管の一端側内奥部に挿入させて組み立てるとき、内側円筒管12の一端側の開口周縁部12aが外側円筒管8の一端側内奥部に配置してある円錐バネ14の円錐斜面14bに当接させて組み立てることができるので、内側円筒管12の一端側の管中心O1を円錐バネ14により、外側円筒管8の一端側の管中心O2に中心出しすることができ、これにより、外側円筒管8内面の陽極6と内側円筒管12外面の陰極10との間に電界を均等に印加して外側円筒管8の内面の蛍光体4に均等に電子を放出して均一発光可能な電界放射型管状光源に組み立てることが可能である。
【0029】
なお、上記円錐バネ14は図11で示すように複数のバネ素片141の底部側141bが連結した構成でもよいし、これらはバネ性が無くてもよい。
【0030】
なお、図12(a)で示すように外側円筒管8の一端側には一対の円錐部材14A,14Bを互いの底部側を背中合わせして挿入し、一方の円錐部材14Aの頂部を外側円筒管8の一端側の開口に挿入し、他方の円錐部材14Bの頂部を内側円筒管12の一端側開口に挿入した状態で、内側円筒管12を図12(b)で示すように押し込むことにより、内側円筒管12の管中心を外側円筒管8の管中心に中心出しするようにしてもよい。
【0031】
なお、図13(a)で示すように外側円筒管8の一端側内面形状を円錐頂部を内奥部に向けた円錐形、内側円筒管12の一端側外面を円錐頂部を外側円筒管の一端側内奥部に向けた円錐形とし、内側円筒管12の一端側円錐斜面を外側円筒管8の一端側内奥部の円錐斜面に内接することにより、図13(b)で示すように内側円筒管12の管中心を外側円筒管8の管中心に中心出しするようにしてもよい。
【0032】
なお、図14(a)で示すように外側円筒管8の一端側内奥部に内側円筒管12の一端側を挿入し、外側円筒管8の内部を真空に排気して当該外側円筒管8の一端側を真空封着した後、図14(b)で示すようにその一端側を内側円筒管12の一端側開口内に円錐形に絞り込むことにより、内側円筒管12の管中心を外側円筒管8の管中心に中心出しするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は実施の形態の電界放射型管状光源の断面図である。、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は図1の要部を拡大して示す要部拡大断面図、図4は中心出し用の円錐バネ(円錐部材)の斜視図
【図2】図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図3は図1の要部を拡大して示す要部拡大断面図である。
【図4】図4は中心出し用の円錐バネ(円錐部材)の斜視図である。
【図5】図5は実施の形態の電界放射型管状光源の組立方法における最初のステップに係る図である。
【図6】図6は同組立方法における次のステップに係る図である。
【図7】図7は図6のB−B線に沿う断面図である。
【図8】図8は同組立方法における次のステップに係る図である。
【図9】図9は図6のC−C線に沿う断面図である。
【図10】図10は同組立方法による組立完了状態を示す図である。
【図11】図11は円錐部材の他の変形例を示す斜視図である。
【図12】図12(a)は他の実施の形態の電界放射型管状光源の組立方法における1ステップに係る図、図12(b)は図12(a)のステップの次のステップに係る図である。
【図13】図13(a)はさらに他の実施の形態の電界放射型管状光源の組立方法における1ステップに係る図、図13(b)は図13(a)のステップの次のステップに係る図である。
【図14】図14(a)はさらに他の実施の形態の電界放射型管状光源の組立方法における1ステップに係る図、図14(b)は図14(a)のステップの次のステップに係る図である。
【符号の説明】
【0034】
2 電界放射型管状光源
4 蛍光体
6 陽極
8 外側円筒管
10 陰極
12 内側円筒管
14 円錐バネ(円錐部材)
16 エッジキャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面に蛍光体付き陽極が形成された外側円筒管と、外面に電界電子放出陰極が形成された内側円筒管とを備えた二重円筒管構成になっている電界放射型管状光源において、
外側円筒管は、その一端側内奥部に、頂部に向けて外径が均等に縮径して外周面が斜面形状となっている中心出し用部材が当該頂部を他端側に向けて配置されており、
内側円筒管は、その一端側が外側円筒管の一端側内奥部に挿入され当該一端側の開口周縁部が中心出し用部材の上記斜面に外接して当該一端側の管中心が外側円筒管の管中心に中心出しされている、
ことを特徴とする電界放射型管状光源。
【請求項2】
上記中心出し用部材が、円錐斜面を有する部材である、ことを特徴とする請求項1に記載の電界放射型管状光源。
【請求項3】
上記中心出し用部材が内側円筒管を他端側方向に付勢するバネ性を有するものであり、かつ、このバネ性により当該中心出し用部材の斜面が内側円筒管の一端側開口周縁部に一定の力で外接している、ことを特徴とする請求項1に記載の電界放射型管状光源。
【請求項4】
外側円筒管は、その一端側が真空封着され、その他端側にエッジキャップが気密に被せ付けられており、
内側円筒管は、その他端側が上記エッジキャップに対してその他端側の管中心を外側円筒管の他端側の管中心に中心出しされた状態で固定されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電界放射型管状光源。
【請求項5】
内面に蛍光体付き陽極が形成された外側円筒管と、外面に電界電子放出陰極が形成された内側円筒管とを備えた二重円筒管構成になっている電界放射型管状光源において、
外側円筒管の一端側内奥部内面には、頂部に向けて外径が均等に縮径して外周面が斜面形状となっている中心出し用部材が互いの底部側を背中合わせに挿入され、一方の中心出し用部材の頂部は外側円筒管の一端側の開口に挿入され、他方の中心出し用部材の頂部は内側円筒管の一端側開口に挿入された状態で、内側円筒管の一端側の開口周縁部が上記他方の中心出し用部材の斜面に外接することにより、内側円筒管管中心が外側円筒管の管中心に中心出しされている、ことを特徴とする電界放射型管状光源。
【請求項6】
内面に蛍光体付き陽極が形成された外側円筒管と、外面に電界電子放出陰極が形成された内側円筒管とを備えた二重円筒管構成になっている電界放射型管状光源において、
外側円筒管は、その一端側内面形状が、頂部に向けて外径が均等に縮径して外周面が斜面形状となって該頂部を内奥部に向けた形状になっており、
内側円筒管は、その一端側内面形状が、頂部に向けて外径が均等に縮径して外周面が斜面形状となって該頂部を外側円筒管の一端側内奥部に向けた形状になっており、かつ、内側円筒管の一端側斜面が外側円筒管の一端側内奥部内の斜面に内接して該内側円筒管の一端側の管中心が外側円筒管の管中心に中心出しされている、
ことを特徴とする電界放射型管状光源。
【請求項7】
内面に蛍光体付き陽極が形成された外側円筒管と、外面に電界電子放出陰極が形成された内側円筒管とを備えた二重円筒管構成になっている電界放射型管状光源の組立方法において、
外側円筒管の一端側内奥部に、頂部に向けて外径が均等に縮径して外周面が斜面形状となっている中心出し用部材を、その頂部が外側円筒管の他端側に向いた状態に、配置するステップと、
内側円筒管をその一端側を外側円筒管の一端側内奥部に挿入する操作を開始するステップと、
この挿入操作の開始後は、内側円筒管の一端側開口に中心出し用部材の頂部が入り込むと共に該一端側開口の内周縁が中心出し用部材の斜面に突き当たるように当該挿入操作を継続するステップと、
を実施することにより、内側円筒管の一端側の管中心を外側円筒管一端側の管中心に一致させる、ことを特徴とする電界放射型管状光源の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−324021(P2007−324021A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154383(P2006−154383)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(505044451)ソナック株式会社 (107)
【Fターム(参考)】