説明

電着塗装装置

【課題】複雑な制御を必要とせず、車両ボデーごとに適切な膜厚の塗膜を形成することができる電着塗料装置の提供。
【解決手段】電着塗料が貯留された電着槽2と、車両ボデー8を前記電着塗料内に浸漬して搬送する搬送手段と、電着槽2内に配置された電極16とを備え、車両ボデー8と電極16との間に直流電源から電圧を印加して電着槽2中の塗料を車両ボデー8の表面に電着させるように構成した電着塗装装置10において、電着槽2の上方側に前記直流電源と電気的に接続されるとともに通電可能な導体22を搬送手段の搬送方向に沿って設置し、前記搬送手段に車両ボデー8搬送時に体22と接触するとともに車両ボデー8と電気的に接続された接続部材21を取り付け、接続部材21を流れた電流の積算値を算出する積算電流計と、前記電流の積算値が規定値に到達したときに、車両ボデー8に流れる電流を停止する制御手段とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ボデーの表面に電着塗装を施すための電着塗装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電着塗料中に浸漬した被塗装物に電流を流して、電気泳動によって電着塗料中の塗料を前記被塗装物の表面に電着させる電着塗装は、均一な膜厚を得ることが容易である、塗装工程の自動化が容易である、公害の発生が少ない、水系塗料を使用するため火災に対する安全性が高いなど多くの利点を有することから、近年においては特に自動車の車両ボデーの下塗り塗装等に好適に利用されている。なお、電着塗装は、アニオン系電着塗料を用いて被塗装物をプラス極として電着を行うアニオンタイプと、カチオン系電着塗料を用いて被塗装物をマイナス極として電着を行うカチオンタイプとに大別されるが、車両ボデーの電着塗装においては一般的にカチオンタイプが用いられている。
【0003】
車両ボデーの電着塗装においては、液状の電着塗料が電着槽内に貯留され、車両ボデーが電着槽内の電着塗料中に浸漬されて搬送されるとともに、電着塗料中に配置された電極と車両ボデーとの間に直流電圧が印加されて、電着塗料中の塗料が車両ボデーの表面に電着されて塗膜が形成される。
【0004】
このような電着塗装においては、車両ボデーを流れる電流、塗装電圧、塗装時間、塗料濃度が安定すれば均一な膜厚の塗膜が形成されるため、同一車種の車両ボデーを連続して塗装する場合には安定して均一な膜厚の塗膜が形成される。
【0005】
しかしながら、車両ボデーの生産量が大きく変化した場合、電着塗装工程の前後の工程との兼ね合い上、電着塗料中で車両ボデーを搬送する搬送速度を変更する必要が生じる場合があり、この場合、電着塗料中に車両ボデーが存在する時間が変わるため塗装時間が変更される。このとき、生産量変更前と同じ膜厚の塗膜は、塗料電圧を変更することで得られるが、適切な電圧は、電圧を微調整して膜厚を確認することを繰り返し行う試行錯誤によって求める必要があり、品質確認に工数を要する。電着塗装における品質確認は、車両の袋構造部も含めた確認を行わなくてはならず、車両ボデーの分解が必要であるため前記試行錯誤の間に品質確認に要する工数は膨大なものとなる。
【0006】
また近年、同一車種を連続して生産せず、1台から数台単位ごとに車種を切り替える車種ミックス生産が頻繁に行われている。車種ミックス生産においては、車種ごとに適正な通電条件は異なるため、車種ごとに適切な膜厚を調整することは困難であり、特に車種の切り替え時など、電着槽内に複数種類の車種の車体ボデーが存在する場合においてはさらに膜厚調整は困難となる。
【0007】
そこで、様々な制御を用いて膜厚を管理する工夫がなされており、例えば特許文献1などに開示されている。図4は、従来技術における電着塗装装置の実施形態を示すブロック図である。電着槽111と複数の電極112と電圧印加回路113とを有する電着塗装装置101であって、それぞれの電極又は近接する複数の電極からなる電極群に流れる電流値の時間的変化を測定する電流計114A〜114Lと、電流計で測定された各電極又は各電極群の電流値の時間的変化を、測定目的たる被塗物の時間的搬送履歴に基づいて抽出する抽出回路115と、抽出回路で抽出された各電極又は各電極群の電流値の時間的変化を時間で積分して測定目的たる被塗物に流れたクーロン量を求めるクーロン量演算回路116と、求められたクーロン量に基づいて電極又は電極群への印加電圧を制御する電圧制御回路117とを有する電着塗装装置が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2006−97119号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、電着槽内を通過する車種によって塗料電圧を制御するものであるが、制御が非常に煩雑であり導入のためのイニシャルコストが高いという問題がある。また電着槽内に複数種類の車種ボデーが存在する場合、流れる電流量の総量は分かるものの個々の車種ボデー毎に流れる電流値は不明であるため、電着槽内に存在する車種ボデーの組み合わせによっては膜厚を一定に制御することは難しく、品質確認に膨大な工数が発生する可能性もある。
【0010】
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、生産量の大きな変動があって車両の搬送速度が変わったり、車種ミックス生産が行われ電着槽内に複数種の車両ボデーが存在した場合においても、複雑な制御を必要とせず、車両ボデーごとに適切な膜厚の塗膜を形成することができる電着塗料装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため本発明においては、電着塗料が貯留された電着槽と、車両ボデーを前記電着塗料内に浸漬して搬送する搬送手段と、前記電着槽内に配置された電極とを備え、前記車両ボデーと電極との間に直流電源から電圧を印加して、前記電着槽中の塗料を前記車両ボデーの表面に電着させるように構成した電着塗装装置において、前記電着槽の上方側に、前記直流電源と電気的に接続されるとともに通電可能な導体を、前記搬送手段の搬送方向に沿って設置し、前記搬送手段に、車両ボデー搬送時に前記導体と接触するとともに、車両ボデーと電気的に接続された接続部剤を取り付け、前記接続部剤を流れた電流の積算値を算出する積算電流計と、前記電流の積算値が規定値に到達したときに、前記車両ボデーに流れる電流を停止する制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0012】
これにより、車種ボデー1つごとに電流の積算値を求めることが可能となり、該電流の積算値、塗料条件(成分、濃度)及び塗料電圧を用いて車種ボデー毎の塗膜の膜厚を推測することができるようになる。
なお、塗料電圧、塗料条件(成分、濃度)は車両ボデー毎に異なるものではなく、電着槽全体で共通であるので、車両ボデー1つごとに求める必要はない。
特に、塗料電圧及び塗料条件を一定にしておくと、電流の積算値のみから塗膜の膜厚を予測することが可能である。
【0013】
従って、車両ボデーごとに、目標の膜厚の塗膜を生成させるために必要な電流の積算値を規定値として規定しておき、電流の積算値が規定値に到達したとき、即ち目標の膜厚の塗膜となったときに車両ボデーへの通電が停止することで、目標通りの膜厚の塗膜が生成される。
【0014】
よって、複雑な制御を必要とせず、搬送速度や車種ボデーの種類が異なっても高い精度で目標通りの膜厚の塗膜を生成することができる。また従来のように膨大な工数をかけて品質確認を行う必要もない。
【0015】
また、前記積算電流計で算出する電流の積算値が規定値に到達すると電波を発する手段と、前記電波を受波する受波器とを設け、前記制御手段は、前記受波器が前記電波を受波すると、前記車両ボデーに流れる電流を停止することを特徴とする。
電波を使うことで装置全体の配線が簡素化される。
また、電着塗装においては、高電流高電圧の直流電源を使用するため、もし積算電流計と該積算電流計によって求められる電流の積算値を元に制御を行う制御装置がケーブルなど有線で接続されていた場合、前記ケーブルを高電流高電圧の電気が流れ前記制御装置に異常を発生させる原因となる可能性があるが、電波を使用することで制御装置の電気に対する安全性が確保される。
なお、前記導体と前記接続部材とが接触する際にスパークなどが発生する可能性があるため、前記受波器は、前記導体と接続部材との接触部、即ち車両ボデーの電着槽入口部から離れた位置に配置することが好ましい。
【0016】
また、前記電極は、前記車両ボデーの搬送方向に沿った電着槽内側壁面に所定間隔を隔てて立設された複数の電極であり、前記制御手段は、前記車両ボデーを流れた電流の積算値が規定値に到達した車両ボデーに流れる電流が0となるように、前記複数の電極それぞれへの印加電圧を制御することを特徴とする。
これにより、簡単な制御で車両ボデーを流れた電流の積算値が規定値に到達した車両ボデーへの通電を停止することができる。
【0017】
また、前記搬送手段は、前記電着塗料液面上方で車両ボデーを搬送することが可能であり、前記制御装置は、前記搬送手段を、前記車両ボデーを流れた電流の積算値が規定値に到達していない車両ボデーを電着塗料内に浸漬させて搬送し、前記電流の積算値が規定値に到達した車両ボデーを電着塗料液面上方で搬送することを特徴とする。
これにより、物理的に車両ボデーへの通電が不可能となるので、車両ボデーへの通電を確実に停止することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上記載のごとく本発明によれば、生産量の大きな変動があって車両の搬送速度が変わったり、車種ミックス生産が行われ電着槽内に複数種の車両ボデーが存在した場合においても、複雑な制御を必要とせず、車両ボデーごとに適切な膜厚の塗膜を形成することができる電着塗料装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【実施例1】
【0020】
図1は、実施例1における電着塗装装置の構成図であり、図2は実施例1における電着塗装装置の電気回路及び制御回路の概略図、図3は後述する積算電流コントロールユニットの構成図である。
【0021】
(構成)
図1を用いて実施例1における電着塗装装置10の構成について説明する。
図1に示すように、電着塗装装置10においては、電着塗料が満たされた電着槽2が設けられている。電着槽2は、被処理物である車両ボデー8全体を浸漬可能な深さを有する槽であり、車両ボデー8の進行方向に沿った内側壁面に所定間隔を隔てて立設置された複数本(図1においては3本のみ図示)の電極16が設けられている。電極16はそれぞれがケーブル14を介して交流電源(不図示)からの電気を直流に変換する整流器12に接続されており、整流器12から電圧を印加されるように構成されている。なお、整流器12は後述する制御装置26の制御によって作動する。
【0022】
電着槽2の上方には搬送ライン4と、該搬送ライン4に沿って走行可能であり車両ボデー8を搭載するハンガ6とが設けられている。
【0023】
さらに、電着槽2の上方側且つ搬送ライン4の下方側には、搬送ライン4と略平行に、銅板で出来たバスバー22が設置されている。なお、バスバー22は、銅板製に限定されるものではなく、通電可能な物質であれば他の物質で形成された板で代用することができる。
【0024】
(動作)
以上のように構成された電着塗装装置10における電着塗装の動作について図1、図2及び図3を用いて説明する。
脱脂や化成皮膜処理などの電着塗装の前処理を施された車両ボデー8は、搬送ライン4に沿って走行可能なハンガ6に搭載される。ハンガ6は、図1に矢印で示した車体進行方向に向かい搬送ライン4に沿って走行する。なお、以下の説明全てにおいてハンガ6が搬送ライン4に沿って走行しながら行われるものである。
【0025】
ハンガ6が搬送ライン4に沿って電着槽2上まで走行すると、車両ボデー8はその前部を下方にして斜め向きに電着槽2内に入槽し、車両ボデー8全体が電着塗料内に浸漬した位置で水平となる。
【0026】
図2に示したように、ハンガ6には導電体で形成され車両8を支えるアーム18と、該アーム18と電気的に接続される積算電流コントロールユニット20と、該積算電流コントロールユニット20と電気的に接続されているパンタグラフ21とが取り付けられており、これらはハンガ6とともに移動する。また、車両ボデー8が電着槽2に入槽すると、パンタグラフ21がバスバー22に当接し、パンタグラフ21はバスバー22に当接したまま図1に矢印で示した車両移動方向へ移動する。
【0027】
バスバー22は整流器12に電気的に接続されており、また電極16も整流器12に電気的に接続されているため、車両ボデー8が電着槽2内に浸漬されパンタグラフ21がバスバー22に当接すると、整流器12から直流電流が整流器12→ケーブル14→電極16→電極塗料→車両ボデー8→電極塗料→アーム18→積算電流コントロールユニット20→パンタグラフ21→バスバー22→整流器12の順に流れ、車両ボデー8と電極16との間には電圧が印加され、電着塗料中の塗料が車両ボデーの表面に電着される。
【0028】
積算電流コントロールユニット20は、図3に示したように電流計202と積算計204からなる積算電流計206と、シーケンサ208から主に構成されている。アーム18から流れてきた電流は、積算電流コントロールユニット20を構成する電流計202を通過してパンタグラフ21に流れていく際に、その電流値を電流計202で検出され、検出値はリアルタイムで積算計204に送られる。積算計204では、車両ボデー8の入槽後に電流計202から送られてきた電流値を積算しその値はリアルタイムでシーケンサ208に送られる。シーケンサ208には車両ボデーの車種及び目標の塗膜の膜厚から算出された電流の積算値の規定値が予め入力されており、積算計204から送られてくるデータが前記規定値に到達すると、電流の積算値が規定値に到達した合図である電波が発信される。
【0029】
前記積算電流コントロールユニット20から送られた電波をバスバー22の車両進行方向後流側に取り付けたアンテナ24が受信すると、電流の積算値が規定値に到達したことを知らせる信号となって制御装置26に送られる。該信号を受信すると制御装置26では、信号が送られてきた、即ち電流の積算値が規定値に達した車両ボデー8側面側にある電極16に電流を流さないように整流器12の作動を制御し、電流の積算値が規定値に到達した車両ボデーへの電圧の印加が停止される。
なお、アンテナ24の取り付け位置は特に限定されるものではないが、電着塗装装置では高電流高電圧が用いられており、バスバー22とパンタグラフ21とが接触する際にスパークなどが発生する可能性があるため、バスバー22とパンタグラフ21との接触部、即ち車両ボデー8の電着槽2入口部から離れた位置に配置することが好ましい。
【0030】
これにより、電流の積算値が規定値に到達したとき、即ち目標の膜厚の塗膜となったときに車両ボデーへの通電が停止されるため、さらに途膜が厚くなることはなく、目標通りの膜厚の塗膜が生成される。
また、制御も電極16への通電の停止及び開始を車両ボデー8の動きに合わせて行うだけであるので、制御装置26の負担も少ない。
【0031】
また、図2においては、電流の積算値が規定値に達した場合に電極16へ流れる電流を停止する制御を行ったが、以下で説明するような別の制御とすることもできる。
別の制御の例については、制御装置26が電流の積算値が規定値に達した信号を受けるまでは図2に示した例と同じであるので説明を省略する。制御装置26は、電流の積算値が規定値に達した信号を受け取ると、電波などの無線によってハンガ6に引き上げ指令の命令を発信する。該命令を受けるとハンガ6は、搬送ライン4に沿って走行したまま、車両ボデー8を真上に電着塗料から完全に出るまで引き上げる。引き上げた後は、車両ボデー8が電着塗料から完全に出た状態を保持したまま搬送レース4に沿って走行する。これにより、物理的に車両ボデーへの通電が不可能となるので、車両ボデーへの通電を確実に停止することができる。
なおこのような制御を行うためには、ハンガ6を、車両ボデー8を電着槽2内及び電着槽2外であり電着塗料液面より上方で車両ボデー8を搬送することが可能であり、且つ搬送ライン4に沿って走行中に車両ボデー8を上方に引き上げることが可能であるものとする必要がある。
【0032】
以上のような構成及び動作により、車両ボデー1つごとに電流の積算値を求めることが可能となり、該電流の積算値を用いて車両ボデーごとに塗膜の膜厚を推測することができるようになる。
従って、車両ボデーごとに、目標の膜厚の塗膜を生成させるために必要な電流の積算値を規定値として規定しておき、電流の積算値が規定値に到達したとき、即ち目標の膜厚の塗膜となったときに車両ボデーへの通電が停止することで、目標通りの膜厚の塗膜が生成される。
【0033】
よって、複雑な制御を必要とせず、搬送速度や車種ボデーの種類が異なっても高い精度で目標通りの膜厚の塗膜を生成することができる。また従来のように膨大な工数をかけて品質確認を行う必要もない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
生産量の大きな変動があって車両の搬送速度が変わったり、車種ミックス生産が行われ電着槽内に複数種の車両ボデーが存在した場合においても、複雑な制御を必要とせず、車両ボデーごとに適切な膜厚の塗膜を形成することができる電着塗料装置として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施例1における電着塗装装置の構成図である。
【図2】実施例1における電着塗装装置の電気回路及び制御回路の概略図である。
【図3】積算電流コントロールユニットの構成図である。
【図4】従来技術における電着塗装装置の実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0036】
2 電着槽
4 搬送ライン
6 ハンガ
8 車両ボデー
10 電着塗装装置
12 整流器
16 電極
18 アーム
20 積算電流コントロールユニット
21 パンタグラフ(接続部材)
22 バスバー(導体)
24 アンテナ(受波器)
26 制御装置
206 積算電流計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電着塗料が貯留された電着槽と、車両ボデーを前記電着塗料内に浸漬して搬送する搬送手段と、前記電着槽内に配置された電極とを備え、前記車両ボデーと電極との間に直流電源から電圧を印加して、前記電着槽中の塗料を前記車両ボデーの表面に電着させるように構成した電着塗装装置において、
前記電着槽の上方側に、前記直流電源と電気的に接続されるとともに通電可能な導体を、前記搬送手段の搬送方向に沿って設置し、
前記搬送手段に、車両ボデー搬送時に前記導体と接触するとともに、車両ボデーと電気的に接続された接続部材を取り付け、
前記接続部材を流れた電流の積算値を算出する積算電流計と、
前記電流の積算値が規定値に到達したときに、前記車両ボデーに流れる電流を停止する制御手段とを設けたことを特徴とする電着塗装装置。
【請求項2】
前記積算電流計で算出する電流の積算値が規定値に到達すると電波を発する手段と、
前記電波を受波する受波器とを設け、
前記制御手段は、前記受波器が前記電波を受波すると、前記車両ボデーに流れる電流を停止することを特徴とする請求項1記載の電着塗料装置。
【請求項3】
前記電極は、前記車両ボデーの搬送方向に沿った電着槽内側壁面に所定間隔を隔てて立設された複数の電極であり、
前記制御手段は、前記車両ボデーを流れた電流の積算値が規定値に到達した車両ボデーに流れる電流が0となるように、前記複数の電極それぞれへの印加電圧を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の電着塗装装置。
【請求項4】
前記搬送手段は、前記電着塗料液面上方で車両ボデーを搬送することが可能であり、
前記制御装置は、前記搬送手段を、前記車両ボデーを流れた電流の積算値が規定値に到達していない車両ボデーを電着塗料内に浸漬させて搬送し、前記電流の積算値が規定値に到達した車両ボデーを電着塗料液面上方で搬送することを特徴とする請求項1乃至3記載の電着塗料装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−126751(P2010−126751A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−301132(P2008−301132)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)