電磁変換器
【課題】安定した動作性能を向上させる。
【解決手段】フレキシブル基板6aは、入力された電気信号を音声信号に変換する振動部13と、ケースに保持するための保持部14と、振動部13と保持部14を接続すると共に振動部13と保持部14との干渉を減少させるためのクリアランスホール10aを有する接続部15とを備えている。
【解決手段】フレキシブル基板6aは、入力された電気信号を音声信号に変換する振動部13と、ケースに保持するための保持部14と、振動部13と保持部14を接続すると共に振動部13と保持部14との干渉を減少させるためのクリアランスホール10aを有する接続部15とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばオーディオ信号を再生する電磁変換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シートマグネット(永久磁石板)とフレキシブル基板(振動板)とを組み合わせた電磁変換器については、様々な技術が提案されている。
特許文献1に示す電磁変換器は、リアマグネット(背面永久磁石板)、フロントマグネット(前面永久磁石板)及びこれらを覆うケースとを備えており、これらの永久磁石板には、帯状の異なる磁極が一定の間隔をおいて交互に形成され、振動板には、永久磁石板の異なる磁極どうしの間隙部分のいわゆる着磁のニュートラルゾーンと称される部分に対向する位置に、蛇行形状の導体パターンからなるボイスコイルが形成されている。
【0003】
そして、振動板のボイスコイルに電流(音声信号)が流れると、ボイスコイルとシートマグネット(永久磁石板)の多極着磁パターンが電磁的に作用し、フレミングの左手の法則に従い、フレキシブル基板(振動板)が音声振動を発生し、発生した音声振動は永久磁石とケースとに開けられた音放射穴を通り外部に放射される。
【0004】
この電磁変換器を組み立てる際には、フレキシブル基板(振動板)に形成されているボイスコイルのパターンがシートマグネット(永久磁石板)のS極とN極との着磁部位の中間に配置されるように、マグネットビューア等でシートマグネット(永久磁石板)の着磁パターンを確認しながらフレキシブル基板(振動板)を最適な位置に配置し、フレキシブル基板(振動板)の一部に接着テープ等を貼り付け、近隣の部材に固定している。
【0005】
【特許文献1】特開平9−331596号公報(段落0009)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の電磁変換器は、以上のように構成されているので、フレキシブル基板(振動板)の位置合わせと固定に、時間を要すると共に組立工数が多くなり、また、作業者の技量によりテープ貼り付け位置がばらつき、フレキシブル基板を同一レベルで固定することが困難になり、オーディオ再生の動作性能に個体差が生じるという課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、フレキシブル基板の振動を妨げることがないように、また、短時間でフレキシブル基板を適切に配置して固定することができ、作業者の技量に関係なく安定した動作性能を向上させることができる電磁変換器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る電磁変換器は、S極とN極がストライプ状に交互に着磁されたシートマグネットと、配置されたボイスコイルにより振動板を構成するフレキシブル基板と、上記シートマグネットと上記フレキシブル基板を収納するケースとを備えたものにおいて、上記フレキシブル基板は、入力された電気信号を音声信号に変換する振動部と、上記ケースに保持するための保持部と、上記振動部と上記保持部を接続すると共に上記振動部と上記保持部との干渉を減少させるためのクリアランスホール又は切り込み部を有する接続部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明により、保持部が固定されたことによる振動部への影響を減少させて振動部の振動の自由度を増加させると共に、振動部の振動が直接フレキシブル基板以外の構成品に伝わりにくくなるため、出力される音声信号への悪影響を減少させることができ、安定した動作性能を向上させることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。このフレキシブル基板(振動板)6aは、入力された電気信号を音声信号に変換する振動部13、フレキシブル基板6をケース(図示せず)に保持するための保持部14、振動部13と保持部14とを接続する接続部15により構成されている。
【0011】
図1において、振動部13、保持部14及び接続部15にはボイスコイル8が形成され、保持部14上のボイスコイル8には電気信号が印加される入力端11,12が形成され、保持部14には、フレキシブル基板6aをケースに保持する際にケースとフレキシブル基板6aの位置合わせを行うための位置決め穴9aが形成されている。
【0012】
また、接続部15には、ケースにフレキシブル基板6aの保持部14を固定した際に、振動部13と保持部14との干渉を減少させるためのクリアランスホール10aが形成されている。このように、接続部15の加工を穴加工とし、フレキシブル基板6の短手方向の接続部15のエッジ部分のみに振動部13と保持部14の接続箇所を有するようにクリアランスホール10aを形成して、接続部15の面積を極力減らすことにより、保持部14が固定されたことによる振動部13への影響を減少させて振動部13の振動の自由度を増加させると共に、振動部13の振動が直接フレキシブル基板6a以外の構成品に伝わりにくくなるため、出力される音声信号への悪影響を減少させることができ、安定した動作性能を向上させることができる。
【0013】
図2はこの発明の実施の形態1による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。このフレキシブル基板(振動板)6bにおいて、接続部15には、図1に示すクリアランスホール10aの代わりに、振動部13と保持部14との干渉を減少させるための切り込み部16bが形成され、保持部14には、フレキシブル基板6bをケースに保持する際にケースとフレキシブル基板6bの位置合わせを行うための位置決め穴9bが形成されており、その他の構成は図1と同じである。
【0014】
このように、接続部15の加工を端面からの切り込み加工とし、フレキシブル基板6bの短手方向の中央部分のみに振動部13と保持部14の接続箇所を有するように、切り込み部16bを形成して、接続部15の面積を極力減らすことにより、保持部14が固定されたことによる振動部13への影響を減少させて振動部13の振動の自由度を増加させると共に、振動部13の振動が直接フレキシブル基板6b以外の構成品に伝わりにくくなるため、出力される音声信号への悪影響を減少させることができ、安定した動作性能を向上させることができる。
【0015】
図3はこの発明の実施の形態1による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。このフレキシブル基板(振動板)6cにおいて、接続部15には、振動部13と保持部14との干渉を減少させるためのクリアランスホール10cと切り込み部16cが形成され、保持部14には、フレキシブル基板6cをケースに保持する際にケースとフレキシブル基板6cの位置合わせを行うための位置決め穴9cが形成されており、その他の構成は図1と同じである。
【0016】
このように、接続部15の加工を穴加工と端面からの切り込み加工とし、フレキシブル基板6cの振動部13と保持部14の接続部分を短手方向の端面と中心との中間2箇所に有するようにクリアランスホール10cと切り込み部16cを形成して、接続部15の面積を極力減らすことにより、保持部14が固定されたことによる振動部13への影響を減少させて振動部13の振動の自由度を増加させると共に、振動部13の振動が直接フレキシブル基板6c以外の構成品に伝わりにくくなるため、出力される音声信号への悪影響を減少させることができ、安定した動作性能を向上させることができる。
【0017】
図4はこの発明の実施の形態1による電磁変換器の構成の一例を示す図である。この電磁変換器は、ケースフロント(ケース)1a、ケースリア(ケース)2a、シートマグネットフロント(シートマグネット、永久磁石板)3a、シートマグネットリア(シートマグネット、永久磁石板)4a、バッファシート5a、フレキシブル基板6a、保持部材17、保持部材18、ガイドピン(位置決め凸部)19、端子板20及び取り付けビス21を備えている。なお、ここでは、図1に示すフレキシブル基板6aを使用しているが、図2に示すフレキシブル基板6b又は図3に示すフレキシブル基板6cを使用しても良い。
なお、図1から図4中の同一記号は同一又は相当品を示す。
【0018】
図4に示す電磁変換器は、図中の上方から見たときに長方形をなすように形成されており、このような形状をしている構造体を包囲するようにケースフロント1aとケースリア2aとが形成されている。フレキシブル基板6aは長方形をしており、フレキシブル基板6aの形状に合わせてシートマグネットフロント3a、シートマグネットリア4a、バッファシート5aが形成されている。
【0019】
シートマグネットフロント3a及びシートマグネットリア4aは、シート状のマグネットに帯状の着磁を施したもので、S極とN極とがストライプ状に交互に並ぶように概ね全面に着磁されたものである。このような平行縞状の着磁パターンにより多極着磁パターンが形成される。
【0020】
バッファシート5aはフレキシブル基板6aとシートマグネットフロント3a間、及びフレキシブル基板6aとシートマグネットリア4a間にそれぞれ配置され、フレキシブル基板6aが振動することにより、シートマグネットフロント3aやシートマグネットリア4aに衝突して異音が発生するのを抑止する。
【0021】
フレキシブル基板6aは、例えば柔軟で高温特性の良いポリイミド等の薄い樹脂フィルムに、ボイスコイル8として作用する蛇行形状の導通パターンを形成させたものである。以下、この蛇行形状導通パターンをボイスコイル8と記載する。なお、フレキシブル基板6a上に形成されたボイスコイル8は樹脂フィルムの片面又は両面に電磁作用が及ぶようにラミネートされている。ここで例示したフレキシブル基板6aは、樹脂フィルムの形状が長方形になるように形成されている。ボイスコイル8は、フレキシブル基板6aの長手方向に長い直線部分を有するように設けられている。このように、フレキシブル基板6aは、配置されたボイスコイル8により振動板を構成している。
【0022】
また、フレキシブル基板6a,6b,6cには、例えば前述のように長方形を成す樹脂フィルムにおいて、フレキシブル基板6a,6b,6cの振動に対する自由度を向上させる目的で、図1から図3のフレキシブル基板6a,6b,6cの例に示すように、短手方向にクリアランスホール10a,10cや切り込み部16b、16cを設けることにより、フレキシブル基板6a,6b,6cの振動が直接フレキシブル基板6a,6b,6c以外の構成品に伝わりにくくなるために、出力される音声信号への悪影響を軽減することもできる。
【0023】
図4において、フレキシブル基板6aは、保持部材17と保持部材18とで保持され、シートマグネットフロント3aとシートマグネットリア4aの中間に配置される。保持部材17及び保持部材18は、通常、耐熱性の良い比較的固めの樹脂を用い、フレキシブル基板6aの接続部15において、フレキシブル基板6aが2枚の保持部材17と2枚の保持部材18とでサンドイッチ状に挟み込まれる状態になる。また、2枚の保持部材17と2枚の保持部材18は、それぞれの保持部材が同一寸法でエッジ部分がそろえられて配置され、フレキシブル基板6aと保持部材17又は保持部材18との境界面が線状となるように構成されている。そのため、2枚の保持部材17と2枚の保持部材18は、フレキシブル基板6aが振動し音声信号を発するときに、フレキシブル基板6aを保持している部材との境界面で、振動に伴う異音等が発生するのを抑止する目的で用いられている。
【0024】
フレキシブル基板6aの保持部14に備えられている位置決め穴9a、ケースフロント1aのフレキシブル基板用位置決め穴(位置決め穴)9、保持部材17及び保持部材18のフレキシブル基板用位置決め穴9は、組み立て時にケースリア2aに備えられたガイドピン(位置決め凸部)19にセットすることにより、ケースフロント1aとフレキシブル基板6aとの位置合わせができると共に、各部品の取り付け箇所を気にしなくても適切な箇所に配置できる。
【0025】
組み立ては以下の手順で実施される。
シートマグネットリア4aがセットされたケースリア2aのガイドピン(位置決め凸部)19に、保持部材17及び保持部材18のフレキシブル基板用位置決め穴9、フレキシブル基板6aの保持部14に備えられている位置決め穴9a、ケースフロント1aのフレキシブル基板用位置決め穴9が一致するように、シートマグネットリア4aがセットされたケースリア2aに、バッファシート5a、保持部材17、保持部材18、フレキシブル基板6a、保持部材17、保持部材18、バッファシート5a、シートマグネットフロント3aがセットされたケースフロント1aの順に重ねて、取り付けビス21で固定する。
【0026】
以上のように、この実施の形態1によれば、フレキシブル基板6a,6b,6cに備えた振動部13と保持部14との干渉を減少させるためのクリアランスホール10a,切り込み部16b又はクリアランスホール10c及び切り込み部16cにより、保持部14が固定されたことによる振動部13への影響を減少させて振動部13の振動の自由度を増加させると共に、振動部13の振動が直接フレキシブル基板6a,6b,6c以外の構成品に伝わりにくくなるため、出力される音声信号への悪影響を減少させることができ、安定した動作性能を向上させることができるという効果が得られる。
【0027】
また、この実施の形態1によれば、組み立て時に、フレキシブル基板6a,6b,6cに設けた位置決め穴9a,9b,9cをケースリア2aに備えられたガイドピン(位置決め凸部)19にセットすることにより、フレキシブル基板6a,6b,6cの位置決めを容易にし作業性を向上させることができるという効果が得られる。
【0028】
さらに、この実施の形態1によれば、保持部材17及び保持部材18を用いることで、フレキシブル基板6a,6b,6cが振動して音声信号を発するときに、フレキシブル基板6a,6b,6cを固定しているケースフロント1aとケースリア2aの接合部に振動しているフレキシブル基板6a,6b,6cが直接ぶつかり、異音等の発生を抑止することができるという効果が得られる。
【0029】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2による電磁変換器の構成の一例を示す図である。この電磁変換器は、ケースフロント1a、ケースリア(ケース)2b、シートマグネットフロント3a、シートマグネットリア4a、バッファシート5a、フレキシブル基板6a、保持部材17、保持部材18、端子板20及び取り付けビス21を備えている。また、この電磁変換器の組み立て時に使用する組立用冶具22には、ガイドピン(位置決め凸部)23が備えられている。
【0030】
このように、この実施の形態2では、上記実施の形態1の図4においてケースリア2aに備えられていたガイドピン(位置決め凸部)19がなくなり、代わりにケースリア2bにおいてはフレキシブル基板用位置決め穴9が備えられる。なお、ここでは、図1に示すフレキシブル基板6aを使用しているが、図2に示すフレキシブル基板6b又は図3に示すフレキシブル基板6cを使用しても良い。
なお、図1から図5中の同一記号は同一又は相当品を示す。
【0031】
組み立ては組立用冶具22を用いて以下のように行われる。
組立用冶具22のガイドピン(位置決め凸部)23に、フレキシブル基板6aの位置決め穴9aと、ケースリア2b、保持部材17、保持部材18及びケースフロント1aのフレキシブル基板用位置決め穴9が一致するように、シートマグネットリア4aがセットされたケースリア2b、バッファシート5a、保持部材17、保持部材18、フレキシブル基板6a、保持部材17、保持部材18、バッファシート5a、シートマグネットフロント3aがセットされたケースフロント1aの順に重ねて、取り付けビス21で固定する。
【0032】
このように、フレキシブル基板6a等の各部品の組み立ては、上記実施の形態1では、ケースリア2aに備えられたガイドピン(位置決め凸部)19にセットする方法で組み当てられるが、この実施の形態2では、組立用冶具22に備えられたガイドピン(位置決め凸部)23にセットする方法で組み立てられる。
【0033】
以上のように、この実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様の効果が得られると共に、ケースリア2bには、上記実施の形態1の図4に示すケースリア2aのガイドピン(位置決め凸部)19を備える必要がないため、量産時にコストを削減できるという効果が得られる。
【0034】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。このフレキシブル基板(振動板)6dの保持部14には、フレキシブル基板6dをケースに保持する際にケースとフレキシブル基板6dの位置合わせを行うための位置決め切り欠き部24dが形成され、また、接続部15には、振動部13と保持部14との干渉を減少させるためのクリアランスホール10dが形成されている。その他の構成は図1に示すものと同じである。
【0035】
上記実施の形態1では、図1に示すフレキシブル基板6aの保持部14に位置決め穴9aを形成して、ケースフロント1a及びケースリア2aに対する位置決めを行っているが、この実施の形態3では、フレキシブル基板6dの保持部14に位置決め切り欠き部24dを形成して、ケースフロント1a及びケースリア2aに対する位置決めを行うものである。
【0036】
図7はこの発明の実施の形態3による電磁変換器の構成の一例を示す図である。この電磁変換器は、ケースフロント(ケース)1b、ケースリア(ケース)2c、シートマグネットフロント(シートマグネット、永久磁石板)3b、シートマグネットリア(シートマグネット、永久磁石板)4b、バッファシート5b、フレキシブル基板6d、保持部材17a、保持部材18a、ガイドピン(位置決め凸部)19a、端子板20及び取り付けビス21を備えている。
【0037】
図7において、フレキシブル基板6dは、図6に示すように、保持部14に位置決め切り欠き部24dを形成したものを使用し、保持部材17a及び保持部材18aにフレキシブル基板用位置決め切り欠き部24を備え、ケースリア2cにガイドピン(位置決め凸部)19aを備え、ケースフロント1bにはフレキシブル基板用位置決め穴(位置決め穴)30を備えている。なお、図1から図7中の同一記号は同一又は相当品を示す。
【0038】
図7の電磁変換器は、図中の上方から見たとき長方形をなすように形成されており、このような形状をしている構造体を包囲するようにケースフロント1bとケースリア2cとが形成されている。フレキシブル基板6dは長方形をしており、フレキシブル基板6dの形状に合わせてシートマグネットフロント3b、シートマグネットリア4b、バッファシート5bが形成されている。
【0039】
組み立ては以下の手順で実施される。
シートマグネットリア4bがセットされたケースリア2cのガイドピン(位置決め凸部)19aに、保持部材17a及び保持部材18aのフレキシブル基板用位置決め切り欠き部24、フレキシブル基板6dの保持部14に備えられている位置決め切り欠き部24dを沿わせるようにセットしながら、ケースフロント1aのフレキシブル基板用位置決め穴30が一致するように、シートマグネットリア4bがセットされたケースリア2cに、バッファシート5b、保持部材17a、保持部材18a、フレキシブル基板6d、保持部材17a、保持部材18a、バッファシート5b、シートマグネットフロント3bがセットされたケースフロント1bの順に重ねて、取り付けビス21で固定する。
【0040】
以上のように、この実施の形態3によれば、上記実施の形態1と同様の効果が得られると共に、フレキシブル基板6dの保持部14に位置決め切り欠き部24dを形成し、保持部材17a及び保持部材18aにフレキシブル基板用位置決め切り欠き部24を形成し、フレキシブル基板6d、保持部材17a及び保持部材18aをガイドピン(位置決め凸部)19aに沿わせるようにセットするだけで、位置決め穴をガイドピンに通す必要がないため、さらに組立作業の効率を向上させることができるという効果が得られる。
【0041】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4による電磁変換器の構成の一例を示す図である。この電磁変換器は、ケースフロント1b、ケースリア(ケース)2d、シートマグネットフロント3b、シートマグネットリア4b、バッファシート5b、フレキシブル基板6d、保持部材17a、保持部材18a、端子板20及び取り付けビス21を備えている。また、この電磁変換器の組み立て時に使用する組立用冶具22aには、ガイドピン(位置決め凸部)23aが備えられている。
【0042】
このように、この実施の形態4では、上記実施の形態3の図7においてケースリア2cに備えられていたガイドピン(位置決め凸部)19aがなくなり、代わりにケースリア2dにおいてはフレキシブル基板用位置決め穴(位置決め穴)30が備えられる。
なお、図1から図8中の同一記号は同一又は相当品を示す。
【0043】
組み立ては組立用冶具22aを用いて以下のように行われる。
組立用冶具22aのガイドピン(位置決め凸部)23aに、保持部材17a及び保持部材18aのフレキシブル基板用位置決め切り欠き部24、フレキシブル基板6dの保持部14に備えられている位置決め切り欠き部24dを沿わせるようにセットしながら、ケースリア2d及びケースフロント1bのフレキシブル基板用位置決め穴30が一致するように、シートマグネットリア4bがセットされたケースリア2d、バッファシート5b、保持部材17a、保持部材18a、フレキシブル基板6d、保持部材17a、保持部材18a、バッファシート5b、シートマグネットフロント3bがセットされたケースフロント1bの順に重ねて、取り付けビス21で固定する。
【0044】
このように、フレキシブル基板6d等の各部品の組み立ては、上記実施の形態3では、ケースリア2cに備えられたガイドピン(位置決め凸部)19aにセットする方法で組み当てられるが、この実施の形態4では、組立用冶具22aに備えられたガイドピン(位置決め凸部)23aにセットする方法で組み当てられる。
【0045】
以上のように、この実施の形態4によれば、上記実施の形態3と同様の効果が得られると共に、ケースリア2dには、上記実施の形態3の図7に示すケースリア2cのガイドピン(位置決め凸部)19aを備える必要がないため、さらに量産時にコストを削減できるという効果が得られる。
【0046】
実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5による電磁変換器に使用するシートマグネットフロントの構成の一例を示す図である。このシートマグネットフロント(シートマグネット、永久磁石板)3cは音声信号を排出するための空気孔25及びマグネット用位置決め穴(位置決め穴)26を備えている。図示していないシートマグネットリアもシートマグネットフロント3cと同じ構造である。
【0047】
図10は図9に示すシートマグネットフロント3cを収納するケースフロント(ケース)1cの構成の一例を示す図である。図示していないシートマグネットリアを収納するケースリアの構造も、ケースフロント1cとほぼ同じ構造である。
【0048】
このケースフロント1cは、フレキシブル基板用位置決め穴(基板用位置決め穴)9、端子板20、音声信号を排出するための空気孔25及びマグネット用位置決め凸部(位置決め凸部)27を備えている。マグネット用位置決め凸部27は、ケースフロント1cの内側に突出しており、シートマグネットフロント3cのマグネット用位置決め穴26に勘合するようになっている。このように、図9に示すシートマグネットフロント3cのマグネット用位置決め穴26は、図10に示すケースフロント1cのマグネット用位置決め凸部27にはめ込み、ケースフロント1cに収納することで、ケースフロント1cとシートマグネットフロント3cは相対的な位置を決定できる。なお、シートマグネットリアを収納するケースリアには端子板20は備えられていない。
【0049】
図11はこの発明の実施の形態5による電磁変換器の構成の一例を示す図であり、図9に示すシートマグネットフロント3cと、図10に示すケースフロント1cと、シートマグネットフロント3cと同じ構造のシートマグネットリア(シートマグネット、永久磁石)4cと、ケースフロント1cとほぼ同じ構造のケースリア(ケース)2eを合体させたものである。
【0050】
この電磁変換器は、ケースフロント1c、ケースリア2e、シートマグネットフロント3c、シートマグネットリア4c、バッファシート5c、フレキシブル基板6a、保持部材17、保持部材18、ガイドピン(位置決め凸部)19及び取り付けビス21を備えている。
【0051】
シートマグネットフロント3c及びシートマグネットリア4cは、表面に帯状の着磁を施したもので、S極とN極とがストライプ状に交互に並ぶように概ね全面に着磁されたものである。着磁面の裏面には、通常着磁面と逆極性の磁力が発生し鉄板等に吸着するため、ケースフロント1c及びケースリア2eに固定する際には、発生している磁力を利用して、そのまま吸着させることもある。また、場合によっては、接着剤等を併用してケースフロント1c及びケースリア2eに固定する場合もある。シートマグネットフロント3c及びシートマグネットリア4cを収納するケースフロント1c及びケースリア2eは、通常、鉄等の強磁性体を用いシートマグネットのヨークとしても利用される。ヨークを用いることで、シートマグネットフロント3c及びシートマグネットリア4c等の磁石は、さらに磁力を高めることができる。
【0052】
以上のように、この実施の形態5によれば、ケースフロント1c及びケースリア2eの内側に突出しているマグネット用位置決め凸部27に、フロントマグネット3c及びリアマグネット4cのマグネット用位置決め穴26をはめ込むことにより、ケースフロント1cとマグネットフロント3c及びケースリア2eとマグネットリア4cは、それぞれの相対的な位置を決定できるため、位置合わせ作業の効率化を図ることができると共に、マグネット設置位置精度の向上による性能のばらつきを削減することができるという効果が得られる。
【0053】
また、上記実施の形態1から上記実施の形態4に記載の方法と併用することにより、さらに、マグネットとフレキシブル基板(振動板)との位置合わせの効率化を図ることができると共に、性能のばらつきを削減することができるという効果が得られる。
【0054】
図12はこの発明の実施の形態5による電磁変換器に使用するシートマグネットフロントの構成の一例を示す図であり、図9に示すマグネット用位置決め穴26をマグネット位置決め切り欠き部28にした例である。このシートマグネットフロント(シートマグネット、永久磁石板)3dは、音声信号を排出するための空気孔25及びマグネット用位置決め切り欠き部(位置決め切り欠き部)28を備えている。図示していないシートマグネットリアもシートマグネットフロント3dと同じ構造である。
【0055】
図13は図12に示すシートマグネットフロント3dを収納するケースフロント(ケース)1dの構成の一例を示す図である。図示していないシートマグネットリアを収納するケースリアの構造も、ケースフロント1dとほぼ同じ構造である。
【0056】
このケースフロント1dは、フレキシブル基板用位置決め穴9、端子板20、音声信号を排出するための空気孔25及びマグネット用位置決め凸部(位置決め凸部)27aを備えている。マグネット用位置決め凸部27aは、ケースフロント1dの内側に突出しており、シートマグネットフロント3dのマグネット用位置決め切り欠き部28に勘合するようになっている。このように、図12に示すシートマグネットフロント3dのマグネット用位置決め切り欠き部28は、図13に示すケースフロント1dのマグネット用位置決め凸部27aにはめ込みケースフロント1dに収納することで、ケースフロント1dとシートマグネットフロント3dは相対的な位置を決定できる。
その他の機能等については、図9及び図10に示す内容と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0057】
以上のように、図12と図13に示す方法においても、図9及び図10に示す方法と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明の実施の形態1による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1による電磁変換器の構成の一例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2による電磁変換器の構成の一例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態3による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態3による電磁変換器の構成の一例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態4による電磁変換器の構成の一例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態5による電磁変換器に使用するシートマグネットフロントの構成の一例を示す図である。
【図10】図9に示すシートマグネットフロントを収納するケースフロントの構成の一例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態5による電磁変換器の構成の一例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態5による電磁変換器に使用するシートマグネットフロントの構成の一例を示す図である。
【図13】図12に示すシートマグネットフロントを収納するケースフロントの構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1a,1b,1c,1d ケースフロント、2a,2b,2c,2d,2e ケースリア、3a,3b,3c,3d シートマグネットフロント、4a,4b,4c シートマグネットリア、5a,5b,5c バッファシート、6a,6b,6c,6d フレキシブル基板、8 ボイスコイル、9,30 フレキシブル基板用位置決め穴、9a,9b,9c 位置決め穴、10a,10c,10d クリアランスホール、11,12 入力端、13 振動部、14 保持部、15 接続部、16b,16c 切り込み部、17,17a,18,18a 保持部材、19,19a,23,23a ガイドピン(位置決め凸部)、20 端子板、21 取り付けビス、22,22a 組立用冶具、24 フレキシブル基板用位置決め切り欠き部、24d 位置決め切り欠き部、25 空気孔、26 マグネット用位置決め穴、27,27a マグネット用位置決め凸部、28 マグネット用位置決め切り欠き部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばオーディオ信号を再生する電磁変換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シートマグネット(永久磁石板)とフレキシブル基板(振動板)とを組み合わせた電磁変換器については、様々な技術が提案されている。
特許文献1に示す電磁変換器は、リアマグネット(背面永久磁石板)、フロントマグネット(前面永久磁石板)及びこれらを覆うケースとを備えており、これらの永久磁石板には、帯状の異なる磁極が一定の間隔をおいて交互に形成され、振動板には、永久磁石板の異なる磁極どうしの間隙部分のいわゆる着磁のニュートラルゾーンと称される部分に対向する位置に、蛇行形状の導体パターンからなるボイスコイルが形成されている。
【0003】
そして、振動板のボイスコイルに電流(音声信号)が流れると、ボイスコイルとシートマグネット(永久磁石板)の多極着磁パターンが電磁的に作用し、フレミングの左手の法則に従い、フレキシブル基板(振動板)が音声振動を発生し、発生した音声振動は永久磁石とケースとに開けられた音放射穴を通り外部に放射される。
【0004】
この電磁変換器を組み立てる際には、フレキシブル基板(振動板)に形成されているボイスコイルのパターンがシートマグネット(永久磁石板)のS極とN極との着磁部位の中間に配置されるように、マグネットビューア等でシートマグネット(永久磁石板)の着磁パターンを確認しながらフレキシブル基板(振動板)を最適な位置に配置し、フレキシブル基板(振動板)の一部に接着テープ等を貼り付け、近隣の部材に固定している。
【0005】
【特許文献1】特開平9−331596号公報(段落0009)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の電磁変換器は、以上のように構成されているので、フレキシブル基板(振動板)の位置合わせと固定に、時間を要すると共に組立工数が多くなり、また、作業者の技量によりテープ貼り付け位置がばらつき、フレキシブル基板を同一レベルで固定することが困難になり、オーディオ再生の動作性能に個体差が生じるという課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、フレキシブル基板の振動を妨げることがないように、また、短時間でフレキシブル基板を適切に配置して固定することができ、作業者の技量に関係なく安定した動作性能を向上させることができる電磁変換器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る電磁変換器は、S極とN極がストライプ状に交互に着磁されたシートマグネットと、配置されたボイスコイルにより振動板を構成するフレキシブル基板と、上記シートマグネットと上記フレキシブル基板を収納するケースとを備えたものにおいて、上記フレキシブル基板は、入力された電気信号を音声信号に変換する振動部と、上記ケースに保持するための保持部と、上記振動部と上記保持部を接続すると共に上記振動部と上記保持部との干渉を減少させるためのクリアランスホール又は切り込み部を有する接続部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明により、保持部が固定されたことによる振動部への影響を減少させて振動部の振動の自由度を増加させると共に、振動部の振動が直接フレキシブル基板以外の構成品に伝わりにくくなるため、出力される音声信号への悪影響を減少させることができ、安定した動作性能を向上させることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。このフレキシブル基板(振動板)6aは、入力された電気信号を音声信号に変換する振動部13、フレキシブル基板6をケース(図示せず)に保持するための保持部14、振動部13と保持部14とを接続する接続部15により構成されている。
【0011】
図1において、振動部13、保持部14及び接続部15にはボイスコイル8が形成され、保持部14上のボイスコイル8には電気信号が印加される入力端11,12が形成され、保持部14には、フレキシブル基板6aをケースに保持する際にケースとフレキシブル基板6aの位置合わせを行うための位置決め穴9aが形成されている。
【0012】
また、接続部15には、ケースにフレキシブル基板6aの保持部14を固定した際に、振動部13と保持部14との干渉を減少させるためのクリアランスホール10aが形成されている。このように、接続部15の加工を穴加工とし、フレキシブル基板6の短手方向の接続部15のエッジ部分のみに振動部13と保持部14の接続箇所を有するようにクリアランスホール10aを形成して、接続部15の面積を極力減らすことにより、保持部14が固定されたことによる振動部13への影響を減少させて振動部13の振動の自由度を増加させると共に、振動部13の振動が直接フレキシブル基板6a以外の構成品に伝わりにくくなるため、出力される音声信号への悪影響を減少させることができ、安定した動作性能を向上させることができる。
【0013】
図2はこの発明の実施の形態1による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。このフレキシブル基板(振動板)6bにおいて、接続部15には、図1に示すクリアランスホール10aの代わりに、振動部13と保持部14との干渉を減少させるための切り込み部16bが形成され、保持部14には、フレキシブル基板6bをケースに保持する際にケースとフレキシブル基板6bの位置合わせを行うための位置決め穴9bが形成されており、その他の構成は図1と同じである。
【0014】
このように、接続部15の加工を端面からの切り込み加工とし、フレキシブル基板6bの短手方向の中央部分のみに振動部13と保持部14の接続箇所を有するように、切り込み部16bを形成して、接続部15の面積を極力減らすことにより、保持部14が固定されたことによる振動部13への影響を減少させて振動部13の振動の自由度を増加させると共に、振動部13の振動が直接フレキシブル基板6b以外の構成品に伝わりにくくなるため、出力される音声信号への悪影響を減少させることができ、安定した動作性能を向上させることができる。
【0015】
図3はこの発明の実施の形態1による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。このフレキシブル基板(振動板)6cにおいて、接続部15には、振動部13と保持部14との干渉を減少させるためのクリアランスホール10cと切り込み部16cが形成され、保持部14には、フレキシブル基板6cをケースに保持する際にケースとフレキシブル基板6cの位置合わせを行うための位置決め穴9cが形成されており、その他の構成は図1と同じである。
【0016】
このように、接続部15の加工を穴加工と端面からの切り込み加工とし、フレキシブル基板6cの振動部13と保持部14の接続部分を短手方向の端面と中心との中間2箇所に有するようにクリアランスホール10cと切り込み部16cを形成して、接続部15の面積を極力減らすことにより、保持部14が固定されたことによる振動部13への影響を減少させて振動部13の振動の自由度を増加させると共に、振動部13の振動が直接フレキシブル基板6c以外の構成品に伝わりにくくなるため、出力される音声信号への悪影響を減少させることができ、安定した動作性能を向上させることができる。
【0017】
図4はこの発明の実施の形態1による電磁変換器の構成の一例を示す図である。この電磁変換器は、ケースフロント(ケース)1a、ケースリア(ケース)2a、シートマグネットフロント(シートマグネット、永久磁石板)3a、シートマグネットリア(シートマグネット、永久磁石板)4a、バッファシート5a、フレキシブル基板6a、保持部材17、保持部材18、ガイドピン(位置決め凸部)19、端子板20及び取り付けビス21を備えている。なお、ここでは、図1に示すフレキシブル基板6aを使用しているが、図2に示すフレキシブル基板6b又は図3に示すフレキシブル基板6cを使用しても良い。
なお、図1から図4中の同一記号は同一又は相当品を示す。
【0018】
図4に示す電磁変換器は、図中の上方から見たときに長方形をなすように形成されており、このような形状をしている構造体を包囲するようにケースフロント1aとケースリア2aとが形成されている。フレキシブル基板6aは長方形をしており、フレキシブル基板6aの形状に合わせてシートマグネットフロント3a、シートマグネットリア4a、バッファシート5aが形成されている。
【0019】
シートマグネットフロント3a及びシートマグネットリア4aは、シート状のマグネットに帯状の着磁を施したもので、S極とN極とがストライプ状に交互に並ぶように概ね全面に着磁されたものである。このような平行縞状の着磁パターンにより多極着磁パターンが形成される。
【0020】
バッファシート5aはフレキシブル基板6aとシートマグネットフロント3a間、及びフレキシブル基板6aとシートマグネットリア4a間にそれぞれ配置され、フレキシブル基板6aが振動することにより、シートマグネットフロント3aやシートマグネットリア4aに衝突して異音が発生するのを抑止する。
【0021】
フレキシブル基板6aは、例えば柔軟で高温特性の良いポリイミド等の薄い樹脂フィルムに、ボイスコイル8として作用する蛇行形状の導通パターンを形成させたものである。以下、この蛇行形状導通パターンをボイスコイル8と記載する。なお、フレキシブル基板6a上に形成されたボイスコイル8は樹脂フィルムの片面又は両面に電磁作用が及ぶようにラミネートされている。ここで例示したフレキシブル基板6aは、樹脂フィルムの形状が長方形になるように形成されている。ボイスコイル8は、フレキシブル基板6aの長手方向に長い直線部分を有するように設けられている。このように、フレキシブル基板6aは、配置されたボイスコイル8により振動板を構成している。
【0022】
また、フレキシブル基板6a,6b,6cには、例えば前述のように長方形を成す樹脂フィルムにおいて、フレキシブル基板6a,6b,6cの振動に対する自由度を向上させる目的で、図1から図3のフレキシブル基板6a,6b,6cの例に示すように、短手方向にクリアランスホール10a,10cや切り込み部16b、16cを設けることにより、フレキシブル基板6a,6b,6cの振動が直接フレキシブル基板6a,6b,6c以外の構成品に伝わりにくくなるために、出力される音声信号への悪影響を軽減することもできる。
【0023】
図4において、フレキシブル基板6aは、保持部材17と保持部材18とで保持され、シートマグネットフロント3aとシートマグネットリア4aの中間に配置される。保持部材17及び保持部材18は、通常、耐熱性の良い比較的固めの樹脂を用い、フレキシブル基板6aの接続部15において、フレキシブル基板6aが2枚の保持部材17と2枚の保持部材18とでサンドイッチ状に挟み込まれる状態になる。また、2枚の保持部材17と2枚の保持部材18は、それぞれの保持部材が同一寸法でエッジ部分がそろえられて配置され、フレキシブル基板6aと保持部材17又は保持部材18との境界面が線状となるように構成されている。そのため、2枚の保持部材17と2枚の保持部材18は、フレキシブル基板6aが振動し音声信号を発するときに、フレキシブル基板6aを保持している部材との境界面で、振動に伴う異音等が発生するのを抑止する目的で用いられている。
【0024】
フレキシブル基板6aの保持部14に備えられている位置決め穴9a、ケースフロント1aのフレキシブル基板用位置決め穴(位置決め穴)9、保持部材17及び保持部材18のフレキシブル基板用位置決め穴9は、組み立て時にケースリア2aに備えられたガイドピン(位置決め凸部)19にセットすることにより、ケースフロント1aとフレキシブル基板6aとの位置合わせができると共に、各部品の取り付け箇所を気にしなくても適切な箇所に配置できる。
【0025】
組み立ては以下の手順で実施される。
シートマグネットリア4aがセットされたケースリア2aのガイドピン(位置決め凸部)19に、保持部材17及び保持部材18のフレキシブル基板用位置決め穴9、フレキシブル基板6aの保持部14に備えられている位置決め穴9a、ケースフロント1aのフレキシブル基板用位置決め穴9が一致するように、シートマグネットリア4aがセットされたケースリア2aに、バッファシート5a、保持部材17、保持部材18、フレキシブル基板6a、保持部材17、保持部材18、バッファシート5a、シートマグネットフロント3aがセットされたケースフロント1aの順に重ねて、取り付けビス21で固定する。
【0026】
以上のように、この実施の形態1によれば、フレキシブル基板6a,6b,6cに備えた振動部13と保持部14との干渉を減少させるためのクリアランスホール10a,切り込み部16b又はクリアランスホール10c及び切り込み部16cにより、保持部14が固定されたことによる振動部13への影響を減少させて振動部13の振動の自由度を増加させると共に、振動部13の振動が直接フレキシブル基板6a,6b,6c以外の構成品に伝わりにくくなるため、出力される音声信号への悪影響を減少させることができ、安定した動作性能を向上させることができるという効果が得られる。
【0027】
また、この実施の形態1によれば、組み立て時に、フレキシブル基板6a,6b,6cに設けた位置決め穴9a,9b,9cをケースリア2aに備えられたガイドピン(位置決め凸部)19にセットすることにより、フレキシブル基板6a,6b,6cの位置決めを容易にし作業性を向上させることができるという効果が得られる。
【0028】
さらに、この実施の形態1によれば、保持部材17及び保持部材18を用いることで、フレキシブル基板6a,6b,6cが振動して音声信号を発するときに、フレキシブル基板6a,6b,6cを固定しているケースフロント1aとケースリア2aの接合部に振動しているフレキシブル基板6a,6b,6cが直接ぶつかり、異音等の発生を抑止することができるという効果が得られる。
【0029】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2による電磁変換器の構成の一例を示す図である。この電磁変換器は、ケースフロント1a、ケースリア(ケース)2b、シートマグネットフロント3a、シートマグネットリア4a、バッファシート5a、フレキシブル基板6a、保持部材17、保持部材18、端子板20及び取り付けビス21を備えている。また、この電磁変換器の組み立て時に使用する組立用冶具22には、ガイドピン(位置決め凸部)23が備えられている。
【0030】
このように、この実施の形態2では、上記実施の形態1の図4においてケースリア2aに備えられていたガイドピン(位置決め凸部)19がなくなり、代わりにケースリア2bにおいてはフレキシブル基板用位置決め穴9が備えられる。なお、ここでは、図1に示すフレキシブル基板6aを使用しているが、図2に示すフレキシブル基板6b又は図3に示すフレキシブル基板6cを使用しても良い。
なお、図1から図5中の同一記号は同一又は相当品を示す。
【0031】
組み立ては組立用冶具22を用いて以下のように行われる。
組立用冶具22のガイドピン(位置決め凸部)23に、フレキシブル基板6aの位置決め穴9aと、ケースリア2b、保持部材17、保持部材18及びケースフロント1aのフレキシブル基板用位置決め穴9が一致するように、シートマグネットリア4aがセットされたケースリア2b、バッファシート5a、保持部材17、保持部材18、フレキシブル基板6a、保持部材17、保持部材18、バッファシート5a、シートマグネットフロント3aがセットされたケースフロント1aの順に重ねて、取り付けビス21で固定する。
【0032】
このように、フレキシブル基板6a等の各部品の組み立ては、上記実施の形態1では、ケースリア2aに備えられたガイドピン(位置決め凸部)19にセットする方法で組み当てられるが、この実施の形態2では、組立用冶具22に備えられたガイドピン(位置決め凸部)23にセットする方法で組み立てられる。
【0033】
以上のように、この実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様の効果が得られると共に、ケースリア2bには、上記実施の形態1の図4に示すケースリア2aのガイドピン(位置決め凸部)19を備える必要がないため、量産時にコストを削減できるという効果が得られる。
【0034】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。このフレキシブル基板(振動板)6dの保持部14には、フレキシブル基板6dをケースに保持する際にケースとフレキシブル基板6dの位置合わせを行うための位置決め切り欠き部24dが形成され、また、接続部15には、振動部13と保持部14との干渉を減少させるためのクリアランスホール10dが形成されている。その他の構成は図1に示すものと同じである。
【0035】
上記実施の形態1では、図1に示すフレキシブル基板6aの保持部14に位置決め穴9aを形成して、ケースフロント1a及びケースリア2aに対する位置決めを行っているが、この実施の形態3では、フレキシブル基板6dの保持部14に位置決め切り欠き部24dを形成して、ケースフロント1a及びケースリア2aに対する位置決めを行うものである。
【0036】
図7はこの発明の実施の形態3による電磁変換器の構成の一例を示す図である。この電磁変換器は、ケースフロント(ケース)1b、ケースリア(ケース)2c、シートマグネットフロント(シートマグネット、永久磁石板)3b、シートマグネットリア(シートマグネット、永久磁石板)4b、バッファシート5b、フレキシブル基板6d、保持部材17a、保持部材18a、ガイドピン(位置決め凸部)19a、端子板20及び取り付けビス21を備えている。
【0037】
図7において、フレキシブル基板6dは、図6に示すように、保持部14に位置決め切り欠き部24dを形成したものを使用し、保持部材17a及び保持部材18aにフレキシブル基板用位置決め切り欠き部24を備え、ケースリア2cにガイドピン(位置決め凸部)19aを備え、ケースフロント1bにはフレキシブル基板用位置決め穴(位置決め穴)30を備えている。なお、図1から図7中の同一記号は同一又は相当品を示す。
【0038】
図7の電磁変換器は、図中の上方から見たとき長方形をなすように形成されており、このような形状をしている構造体を包囲するようにケースフロント1bとケースリア2cとが形成されている。フレキシブル基板6dは長方形をしており、フレキシブル基板6dの形状に合わせてシートマグネットフロント3b、シートマグネットリア4b、バッファシート5bが形成されている。
【0039】
組み立ては以下の手順で実施される。
シートマグネットリア4bがセットされたケースリア2cのガイドピン(位置決め凸部)19aに、保持部材17a及び保持部材18aのフレキシブル基板用位置決め切り欠き部24、フレキシブル基板6dの保持部14に備えられている位置決め切り欠き部24dを沿わせるようにセットしながら、ケースフロント1aのフレキシブル基板用位置決め穴30が一致するように、シートマグネットリア4bがセットされたケースリア2cに、バッファシート5b、保持部材17a、保持部材18a、フレキシブル基板6d、保持部材17a、保持部材18a、バッファシート5b、シートマグネットフロント3bがセットされたケースフロント1bの順に重ねて、取り付けビス21で固定する。
【0040】
以上のように、この実施の形態3によれば、上記実施の形態1と同様の効果が得られると共に、フレキシブル基板6dの保持部14に位置決め切り欠き部24dを形成し、保持部材17a及び保持部材18aにフレキシブル基板用位置決め切り欠き部24を形成し、フレキシブル基板6d、保持部材17a及び保持部材18aをガイドピン(位置決め凸部)19aに沿わせるようにセットするだけで、位置決め穴をガイドピンに通す必要がないため、さらに組立作業の効率を向上させることができるという効果が得られる。
【0041】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4による電磁変換器の構成の一例を示す図である。この電磁変換器は、ケースフロント1b、ケースリア(ケース)2d、シートマグネットフロント3b、シートマグネットリア4b、バッファシート5b、フレキシブル基板6d、保持部材17a、保持部材18a、端子板20及び取り付けビス21を備えている。また、この電磁変換器の組み立て時に使用する組立用冶具22aには、ガイドピン(位置決め凸部)23aが備えられている。
【0042】
このように、この実施の形態4では、上記実施の形態3の図7においてケースリア2cに備えられていたガイドピン(位置決め凸部)19aがなくなり、代わりにケースリア2dにおいてはフレキシブル基板用位置決め穴(位置決め穴)30が備えられる。
なお、図1から図8中の同一記号は同一又は相当品を示す。
【0043】
組み立ては組立用冶具22aを用いて以下のように行われる。
組立用冶具22aのガイドピン(位置決め凸部)23aに、保持部材17a及び保持部材18aのフレキシブル基板用位置決め切り欠き部24、フレキシブル基板6dの保持部14に備えられている位置決め切り欠き部24dを沿わせるようにセットしながら、ケースリア2d及びケースフロント1bのフレキシブル基板用位置決め穴30が一致するように、シートマグネットリア4bがセットされたケースリア2d、バッファシート5b、保持部材17a、保持部材18a、フレキシブル基板6d、保持部材17a、保持部材18a、バッファシート5b、シートマグネットフロント3bがセットされたケースフロント1bの順に重ねて、取り付けビス21で固定する。
【0044】
このように、フレキシブル基板6d等の各部品の組み立ては、上記実施の形態3では、ケースリア2cに備えられたガイドピン(位置決め凸部)19aにセットする方法で組み当てられるが、この実施の形態4では、組立用冶具22aに備えられたガイドピン(位置決め凸部)23aにセットする方法で組み当てられる。
【0045】
以上のように、この実施の形態4によれば、上記実施の形態3と同様の効果が得られると共に、ケースリア2dには、上記実施の形態3の図7に示すケースリア2cのガイドピン(位置決め凸部)19aを備える必要がないため、さらに量産時にコストを削減できるという効果が得られる。
【0046】
実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5による電磁変換器に使用するシートマグネットフロントの構成の一例を示す図である。このシートマグネットフロント(シートマグネット、永久磁石板)3cは音声信号を排出するための空気孔25及びマグネット用位置決め穴(位置決め穴)26を備えている。図示していないシートマグネットリアもシートマグネットフロント3cと同じ構造である。
【0047】
図10は図9に示すシートマグネットフロント3cを収納するケースフロント(ケース)1cの構成の一例を示す図である。図示していないシートマグネットリアを収納するケースリアの構造も、ケースフロント1cとほぼ同じ構造である。
【0048】
このケースフロント1cは、フレキシブル基板用位置決め穴(基板用位置決め穴)9、端子板20、音声信号を排出するための空気孔25及びマグネット用位置決め凸部(位置決め凸部)27を備えている。マグネット用位置決め凸部27は、ケースフロント1cの内側に突出しており、シートマグネットフロント3cのマグネット用位置決め穴26に勘合するようになっている。このように、図9に示すシートマグネットフロント3cのマグネット用位置決め穴26は、図10に示すケースフロント1cのマグネット用位置決め凸部27にはめ込み、ケースフロント1cに収納することで、ケースフロント1cとシートマグネットフロント3cは相対的な位置を決定できる。なお、シートマグネットリアを収納するケースリアには端子板20は備えられていない。
【0049】
図11はこの発明の実施の形態5による電磁変換器の構成の一例を示す図であり、図9に示すシートマグネットフロント3cと、図10に示すケースフロント1cと、シートマグネットフロント3cと同じ構造のシートマグネットリア(シートマグネット、永久磁石)4cと、ケースフロント1cとほぼ同じ構造のケースリア(ケース)2eを合体させたものである。
【0050】
この電磁変換器は、ケースフロント1c、ケースリア2e、シートマグネットフロント3c、シートマグネットリア4c、バッファシート5c、フレキシブル基板6a、保持部材17、保持部材18、ガイドピン(位置決め凸部)19及び取り付けビス21を備えている。
【0051】
シートマグネットフロント3c及びシートマグネットリア4cは、表面に帯状の着磁を施したもので、S極とN極とがストライプ状に交互に並ぶように概ね全面に着磁されたものである。着磁面の裏面には、通常着磁面と逆極性の磁力が発生し鉄板等に吸着するため、ケースフロント1c及びケースリア2eに固定する際には、発生している磁力を利用して、そのまま吸着させることもある。また、場合によっては、接着剤等を併用してケースフロント1c及びケースリア2eに固定する場合もある。シートマグネットフロント3c及びシートマグネットリア4cを収納するケースフロント1c及びケースリア2eは、通常、鉄等の強磁性体を用いシートマグネットのヨークとしても利用される。ヨークを用いることで、シートマグネットフロント3c及びシートマグネットリア4c等の磁石は、さらに磁力を高めることができる。
【0052】
以上のように、この実施の形態5によれば、ケースフロント1c及びケースリア2eの内側に突出しているマグネット用位置決め凸部27に、フロントマグネット3c及びリアマグネット4cのマグネット用位置決め穴26をはめ込むことにより、ケースフロント1cとマグネットフロント3c及びケースリア2eとマグネットリア4cは、それぞれの相対的な位置を決定できるため、位置合わせ作業の効率化を図ることができると共に、マグネット設置位置精度の向上による性能のばらつきを削減することができるという効果が得られる。
【0053】
また、上記実施の形態1から上記実施の形態4に記載の方法と併用することにより、さらに、マグネットとフレキシブル基板(振動板)との位置合わせの効率化を図ることができると共に、性能のばらつきを削減することができるという効果が得られる。
【0054】
図12はこの発明の実施の形態5による電磁変換器に使用するシートマグネットフロントの構成の一例を示す図であり、図9に示すマグネット用位置決め穴26をマグネット位置決め切り欠き部28にした例である。このシートマグネットフロント(シートマグネット、永久磁石板)3dは、音声信号を排出するための空気孔25及びマグネット用位置決め切り欠き部(位置決め切り欠き部)28を備えている。図示していないシートマグネットリアもシートマグネットフロント3dと同じ構造である。
【0055】
図13は図12に示すシートマグネットフロント3dを収納するケースフロント(ケース)1dの構成の一例を示す図である。図示していないシートマグネットリアを収納するケースリアの構造も、ケースフロント1dとほぼ同じ構造である。
【0056】
このケースフロント1dは、フレキシブル基板用位置決め穴9、端子板20、音声信号を排出するための空気孔25及びマグネット用位置決め凸部(位置決め凸部)27aを備えている。マグネット用位置決め凸部27aは、ケースフロント1dの内側に突出しており、シートマグネットフロント3dのマグネット用位置決め切り欠き部28に勘合するようになっている。このように、図12に示すシートマグネットフロント3dのマグネット用位置決め切り欠き部28は、図13に示すケースフロント1dのマグネット用位置決め凸部27aにはめ込みケースフロント1dに収納することで、ケースフロント1dとシートマグネットフロント3dは相対的な位置を決定できる。
その他の機能等については、図9及び図10に示す内容と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0057】
以上のように、図12と図13に示す方法においても、図9及び図10に示す方法と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明の実施の形態1による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1による電磁変換器の構成の一例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2による電磁変換器の構成の一例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態3による電磁変換器に使用するフレキシブル基板の構成の一例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態3による電磁変換器の構成の一例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態4による電磁変換器の構成の一例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態5による電磁変換器に使用するシートマグネットフロントの構成の一例を示す図である。
【図10】図9に示すシートマグネットフロントを収納するケースフロントの構成の一例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態5による電磁変換器の構成の一例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態5による電磁変換器に使用するシートマグネットフロントの構成の一例を示す図である。
【図13】図12に示すシートマグネットフロントを収納するケースフロントの構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1a,1b,1c,1d ケースフロント、2a,2b,2c,2d,2e ケースリア、3a,3b,3c,3d シートマグネットフロント、4a,4b,4c シートマグネットリア、5a,5b,5c バッファシート、6a,6b,6c,6d フレキシブル基板、8 ボイスコイル、9,30 フレキシブル基板用位置決め穴、9a,9b,9c 位置決め穴、10a,10c,10d クリアランスホール、11,12 入力端、13 振動部、14 保持部、15 接続部、16b,16c 切り込み部、17,17a,18,18a 保持部材、19,19a,23,23a ガイドピン(位置決め凸部)、20 端子板、21 取り付けビス、22,22a 組立用冶具、24 フレキシブル基板用位置決め切り欠き部、24d 位置決め切り欠き部、25 空気孔、26 マグネット用位置決め穴、27,27a マグネット用位置決め凸部、28 マグネット用位置決め切り欠き部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
S極とN極がストライプ状に交互に着磁されたシートマグネットと、
配置されたボイスコイルにより振動板を構成するフレキシブル基板と、
上記シートマグネットと上記フレキシブル基板を収納するケースとを備えた電磁変換器において、
上記フレキシブル基板は、入力された電気信号を音声信号に変換する振動部と、上記ケースに保持するための保持部と、上記振動部と上記保持部を接続すると共に上記振動部と上記保持部との干渉を減少させるためのクリアランスホール又は切り込み部を有する接続部とを備えたことを特徴とする電磁変換器。
【請求項2】
シートマグネットに位置決め穴又は位置決め切り欠き部を備え、ケースに上記シートマグネットの位置決め穴又は位置決め切り欠き部に勘合する位置決め凸部を備えたことを特徴とする請求項1記載の電磁変換器。
【請求項3】
フレキシブル基板の保持部に位置決め穴又は位置決め切り欠き部を備え、ケースに上記フレキシブル基板の位置決め穴又は位置決め切り欠き部に勘合する位置決め凸部を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁変換器。
【請求項4】
シートマグネットに位置決め穴又は位置決め切り欠き部を備え、ケースに上記シートマグネットの位置決め穴又は位置決め切り欠き部と相対する位置に位置決め穴を備え、上記シートマグネットに備えられた位置決め穴又は位置決め切り欠き部と上記ケースに備えられた位置決め穴に勘合する位置決め凸部を有する組立用冶具により、上記シートマグネットと上記ケースの位置決めを行うことを特徴とする請求項1記載の電磁変換器。
【請求項5】
フレキシブル基板の保持部に位置決め穴又は位置決め切り欠き部を備え、ケースに上記フレキシブル基板の位置決め穴又は位置決め切り欠き部と相対する位置に位置決め穴を備え、上記フレキシブル基板の保持部に備えられた位置決め穴又は位置決め切り欠き部と上記ケースに備えられた位置決め穴に勘合する位置決め凸部を有する組立用冶具により、上記フレキシブル基板と上記ケースの位置決めを行うことを特徴とする請求項1または請求項4記載の電磁変換器。
【請求項6】
フレキシブル基板の保持部とケースとの間に保持部材を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の電磁変換器。
【請求項1】
S極とN極がストライプ状に交互に着磁されたシートマグネットと、
配置されたボイスコイルにより振動板を構成するフレキシブル基板と、
上記シートマグネットと上記フレキシブル基板を収納するケースとを備えた電磁変換器において、
上記フレキシブル基板は、入力された電気信号を音声信号に変換する振動部と、上記ケースに保持するための保持部と、上記振動部と上記保持部を接続すると共に上記振動部と上記保持部との干渉を減少させるためのクリアランスホール又は切り込み部を有する接続部とを備えたことを特徴とする電磁変換器。
【請求項2】
シートマグネットに位置決め穴又は位置決め切り欠き部を備え、ケースに上記シートマグネットの位置決め穴又は位置決め切り欠き部に勘合する位置決め凸部を備えたことを特徴とする請求項1記載の電磁変換器。
【請求項3】
フレキシブル基板の保持部に位置決め穴又は位置決め切り欠き部を備え、ケースに上記フレキシブル基板の位置決め穴又は位置決め切り欠き部に勘合する位置決め凸部を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁変換器。
【請求項4】
シートマグネットに位置決め穴又は位置決め切り欠き部を備え、ケースに上記シートマグネットの位置決め穴又は位置決め切り欠き部と相対する位置に位置決め穴を備え、上記シートマグネットに備えられた位置決め穴又は位置決め切り欠き部と上記ケースに備えられた位置決め穴に勘合する位置決め凸部を有する組立用冶具により、上記シートマグネットと上記ケースの位置決めを行うことを特徴とする請求項1記載の電磁変換器。
【請求項5】
フレキシブル基板の保持部に位置決め穴又は位置決め切り欠き部を備え、ケースに上記フレキシブル基板の位置決め穴又は位置決め切り欠き部と相対する位置に位置決め穴を備え、上記フレキシブル基板の保持部に備えられた位置決め穴又は位置決め切り欠き部と上記ケースに備えられた位置決め穴に勘合する位置決め凸部を有する組立用冶具により、上記フレキシブル基板と上記ケースの位置決めを行うことを特徴とする請求項1または請求項4記載の電磁変換器。
【請求項6】
フレキシブル基板の保持部とケースとの間に保持部材を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の電磁変換器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−228075(P2008−228075A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65399(P2007−65399)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(591036457)三菱電機エンジニアリング株式会社 (419)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(591036457)三菱電機エンジニアリング株式会社 (419)
【Fターム(参考)】
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