説明

電磁継電器

【課題】カードの移動量が大きい場合であって安定した作動が行われる電磁継電器を提供すること。
【解決手段】本実施例にかかる電磁継電器は、ベースと、電磁石装置と、前記電磁石装置の作用に基づいて作動する可動部と、前記ベースに揺動自在に支持され、前記可動部の作動により揺動するカードと、固定接触片、前記カードの揺動により移動して前記固定接触片と接触する可動接触片、を有する接点機構とを備え、前記カードは、作動する前記可動部と当接して前記可動部により押圧される押圧部、前記押圧部の幅方向の長さよりもその幅方向の長さが短い突状のカード側係合部、を有し、前記可動部は、遊嵌状態で前記カード側係合部に係合する孔状の可動部側係合部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁継電器としては、接離可能に支持された可動接触片及び固定接触片と、電磁石装置の作用により可動接触片を固定接触片に接離させるカードとを備えたものが知られている。
このような電磁継電器に採用されるカードは、例えば特許文献1乃至3に開示されているように、ベースなどに揺動自在に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−184291号公報
【特許文献2】特開2006−185731号公報
【特許文献3】特開2001−216880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の電磁継電器のカードの支持構造は、カードに形成された軸部と、ベースに形成された溝状又は切欠状の軸受部とが摺動可能に係合することによって達成されている。
特許文献1には、このようなカードの位置ずれを防止すべく、可動鉄片がカードをベース側に押圧する構造が開示されている。しかしながら、可動鉄片は、電磁石の作用により回動するため、可動鉄片の回動位置によっては、カードがベース側に十分に押圧されず、カードにガタつきが発生するおそれがある。
また、特許文献2には、ベースに形成された支持部に、カードに形成された回転軸が挿嵌されるが、支持部は、切欠状に形成されているため、回転軸を確実に保持することはできない。
また、特許文献3についても特許文献2と同様の構造である。
従って、上記特許文献に開示されている構造であると、カードにガタつきが発生し、またカードが外れる恐れがある。特に、カードの移動量が大きい場合には、このような事態が発生することが懸念される。
【0005】
本発明は、カードの移動量が大きい場合であって安定した作動が行われる電磁継電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、ベースと、電磁石装置と、前記電磁石装置の作用に基づいて作動する可動部と、前記ベースに揺動自在に支持され、前記可動部の作動により揺動するカードと、固定接触片、前記カードの揺動により移動して前記固定接触片と接触する可動接触片、を有する接点機構とを備え、前記カードは、作動する前記可動部と当接して前記可動部により押圧される押圧部、前記押圧部の幅方向の長さよりもその幅方向の長さが短い突状のカード側係合部、を有し、前記可動部は、遊嵌状態で前記カード側係合部に係合する孔状の可動部側係合部を有する、ことを特徴とする電磁継電器によって達成できる。
この構成により、孔部と突起部とが摺動自在に嵌合するため、カードを安定した状態で揺動させることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カードの移動量が大きい場合であって安定した作動が行われる電磁継電器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明に係る電磁継電器の側面図である。
【図2】図2は、電磁継電器の分解斜視図である。
【図3】図3は、電磁継電器を上方から見た斜視図である。
【図4】図4は、カードを組み付ける前のカードの後方から見た斜視図である。
【図5】図5は、カード50を組み付ける前の上方から見た斜視図である。
【図6】図6は、カードを組み付けた後の上方からの斜視図である。
【図7】図7は、継鉄にヒンジばねを組み付ける前の状態を示した斜視図である。
【図8】図8は、継鉄にヒンジばねを組み付け後の斜視図である。
【図9】図9は、可動接触片及び絶縁カバーについての説明図である。
【図10】図10は、絶縁カバーを組み付けた際の説明図である。
【図11】図11は、電磁継電器の底面側から見た斜視図である
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用い本発明の実施例を説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る電磁継電器の側面図である。図2は、電磁継電器の分解斜視図である。図3は、電磁継電器を上方から見た斜視図である。尚、図3においては、後述する鉄心20、可動鉄片40を省略している。
図1及び図2に示すように、電磁継電器は、ベース10、鉄心20、継鉄30、可動鉄片40(可動部)、カード50、ヒンジばね60、可動接触片70、固定接触片80、絶縁カバー90、ケース99などから構成される。
【0011】
ベース10は、合成樹脂により形成され、後述するスプール14bと一体に形成さている。スプール14bには、励磁用のコイル19aが巻回される。尚、コイル端子部19bには、コイル19aの両端部がそれぞれ巻回される。
【0012】
また、スプール14bの上端部には、ガイド壁14aが形成されている。ガイド壁14aは、後述する可動鉄片40の動作をガイドする。ガイド壁14aには、図3に示すように、鉄心20を挿入するための開口14cが形成されている。開口14cの周囲には、4箇所に通気孔14dが形成されている。
【0013】
鉄心20は、円柱状のフェライトからなり、コイル19aの通電により励磁される。コイル19aは、下端部22側から開口14cへ挿入され、継鉄30の貫通孔32と嵌合する。
【0014】
継鉄30は、鉄心20と連結される。継鉄30は、ヒンジばね60により、可動鉄片40を回動自在に支持する。
尚、電磁石装置は、コイル19a、鉄心20、継鉄30を主な部品として構成される。
【0015】
可動鉄片40は、L字状に形成され、継鉄30にヒンジばね60を介して回動自在に支持される。また、可動鉄片40は、L字状に形成された谷部を支点として支持される。また、可動鉄片40は、電磁石装置の作用により回動する。可動鉄片40の回動に基づいて、カード50が揺動する。
【0016】
カード50は、ベース10に揺動自在に支持されている。詳細には、ベース10に形成された突部11と揺動自在に嵌合する孔部51が形成されている。
カード50には、図1に示すように、可動鉄片40と当接する第1押圧部54が形成されている。また、第1押圧部54が形成されている面と反対側の面には、可動接触片70と当接する第2押圧部57が形成されている。
また、第1押圧部54が形成されている面には、第1押圧部54よりも上方に係合突片53(カード側係合部)が形成されている。係合突片53は、可動鉄片40に形成された長孔42と遊嵌状態で係合する。詳細は後述する。
【0017】
ヒンジばね60は、継鉄30に対して可動鉄片40を回動自在に支持するものであり、長孔42(可動部側係合部)を貫通するように配置される。
【0018】
可動接触片70、固定接触片80は、カード50の揺動により開閉する接点機構を構成するものであり、それぞれ、可動接点71、固定接点81を上端部に有している。可動接触片70、固定接触片80は、共に導電性の材料で形成されている。可動接触片70については、後述する。
【0019】
固定接触片80は、板状に形成されており、下端部には端子部84が形成されている。固定接触片80は、後述する差込口15aに貫通して保持される。
【0020】
絶縁カバー90は、端子板部73のベース10の上面からの突出部分を覆う。
ケース99は、各部品を収納するためのものであり、ベース10に形成された係止突起18と、ケース99に形成された係止孔98とが係合する。
【0021】
次に、電磁継電器の動作について説明する。
まず、コイル19aが通電されると、電磁石装置の作用により、可動鉄片40と上端部21との間に磁気的吸引力が発生し、可動鉄片40と上端部21とは当接する。これにより、可動鉄片40は、図1において、可動鉄片40の折れ曲がった部分を支点として、反時計方向に回動する。これにより、第1押圧部54が押圧され、カード50は、突部11を支点として時計方向に陽動する。カード50が時計方向に揺動すると、第2押圧部57が、可動接触片70の背面を押し、可動接触片70は、右方向へと押される。これにより、可動接点71と固定接点81とが当接する。
【0022】
また、コイル19aへの通電が切れると、可動鉄片40は、ヒンジばね60の付勢力により、図1に示した初期位置に位置付けられる。これにより、カード50も反時計方向に揺動し、可動接触片70のばねの作用により、可動接点71と固定接点81とは離間する。
【0023】
次に、電磁継電器の組立順序について説明する。
まず、ベース10に形成したコイル端子孔にコイル端子部19bを圧入する。次に、スプール14bにコイル19aを巻回する。次に、開口14c内に鉄心20を挿入し、ベース10の下面から継鉄30を挿入して、下端部22と貫通孔32とを嵌合させる。
【0024】
続いて、継鉄30にヒンジばね60を組み付ける。その後、コイル19aの端部をコイル端子部19bにそれぞれ巻回する。また、差込口15a、差込口15cに、それぞれ固定接触片80、可動接触片70を圧入して、ベース10の下面から端子部84、端子部74を突出させる。次に、端子板部73に絶縁カバー90を組み付ける。次に、可動鉄片40を、ヒンジばね60を介して継鉄30へ組み付ける。そして、突部11に孔部51が嵌合するように、ベース10に対してカード50を組み付ける。次に、ベース10の下面から露出した継鉄30と下端部22とに封止剤を塗布する。次に、係止突起18に係止孔98を組み付け電磁継電器が完成する。
【0025】
次に、カード50について詳細説明する。
図4乃至図6は、カード50の組み付け方法についての説明図であり、図4は、カード50を組み付ける前のカード50の後方から見た斜視図であり、図5は、カード50を組み付ける前の上方から見た斜視図であり、図6は、カード50を組み付けた後の上方からの斜視図である。
尚、図4乃至図6については、説明を容易にすべく、他の構成部品については省略してある。
【0026】
図4及び図5に示すように、カード50をベース10の上方から下方へと、突部11と孔部51とが嵌合するように押し付けて組み付ける。これにより、図6に示すようにカード50がベース10に組み付けられる。
【0027】
このように、カード50はベース10に対して、孔部51と突部11とが嵌合することによって揺動自在に支持されているため、カード50を安定した状態で揺動させることができる。特に、従来の電磁継電器と異なり、溝状や切欠状に形成された軸受部と軸部とが係合することによって支持されているものではなく、突部11と孔部51とが嵌り合うことによって、カード50は揺動自在に支持されているので、安定した状態で揺動される。
【0028】
ここで、図4乃至図6に示すように、孔部51は、後述する切欠部58を挟むようにして、下方に延伸した一対の腕部55のそれぞれに形成されており、腕部55と切欠部58との間には、スリット56が形成されている。この構成により、一対の腕部55は、ハ字状に弾性変形可能となり、孔部51を突部11に嵌合する際の組みつけが容易となる。このようにカード50は、孔部51及び突部11の嵌合を容易にするように弾性変形可能に形成されている。
また、図4及び図5に示すように、孔部51の周囲は、他の部分よりも薄肉に形成された摺動面52を有している。これにより、摺動性が向上する。
【0029】
また、図4に示すように、可動接触片70の上端部には、折曲部75が形成されている。折曲部75は、ベース10に対してカード50を組み付ける際のカード50との干渉を防止するように、固定接触片80の上方に向けて折れ曲がって形成されている。この構成により、組み付け時のカード50との接触による可動接触片70の変形、及びカード50への傷の発生を防止でき、組み付け作業性が向上する。
【0030】
次に、カード50に対する可動鉄片40のガタつきを抑制するガタつき抑制機構について説明する。
図2に示すように、長孔42と係合突片53とは遊嵌状態で係合するように形成されている。
係合突片53は、図4に示すように、第1押圧部54よりもカード50の幅方向での長さが短く形成されている。また、長孔42は、図2に示すように、カード50に対向する部分の長手方向に沿って形成されている。長孔42及び係合突片53は、可動鉄片40の回動及びカード50の揺動が許容される状態で係合する。
【0031】
即ち、可動鉄片40の回動及びカード50の揺動により、係合突片53は、長孔42の長手方向で移動するが、この移動を許容するように長孔42は形成されている。これに対し、長孔42の短手方向、即ち、カード50及び可動鉄片40の幅方向に対しては、係合突片53は、長孔42の内幅よりも若干小さく形成されている。このため、カード50に対する、幅方向の可動鉄片40のガタつきが抑制される。これにより、可動鉄片40の作動を安定してカード50へと伝達ができる。また、作動音も抑制される。
【0032】
また、長孔42には、ヒンジばね60が貫通する。長孔42にヒンジばね60が貫通することにより、可動鉄片40は、継鉄30に対して回動自在に支持されている。これにより、可動鉄片40に対して、係合突片53と係合する係合部を新たに設ける必要がないので、可動鉄片40を簡易な構成とすることができる。また、従来の電磁継電器に採用されていた可動鉄片をそのまま採用することができる。
【0033】
次に、継鉄30とヒンジばね60との組み付けについて説明する。
図7及び図8は、継鉄30とヒンジばね60との組み付けの説明図であり、図7は、継鉄30にヒンジばね60を組み付ける前の状態を示した斜視図であり、図8は、継鉄30にヒンジばね60を組み付け後の斜視図である。尚、図7及び図8については、説明を容易にすべく、他の構成部品については省略してある。
【0034】
まず、継鉄30の上端部を、ベース10の下面から、図4乃至図6に示した差込口15eに貫通するように圧入する。次に、鉄心20を開口14cへ挿入して、下端部22を貫通孔32に嵌合させる。この状態が、図7に示した状態である。
【0035】
継鉄30には、図7に示すように、孔部31a(継鉄側係合部)、突部31b(継鉄側係合部)が、形成されている。孔部31aは、継鉄30の中央部に四角形状に形成されている。突部31bは、孔部31aよりも下方であり、固定接触片80等が配置されている面に形成されている。
【0036】
ヒンジばね60には、係合舌片61a(ヒンジばね側係合部)と、孔部61bヒンジばね側係合部)とがそれぞれ、孔部31a、突部31bと対応する位置関係を有して形成されている。
係合舌片61aは、ヒンジばね60にコ字状に打ち抜き加工により形成されている。また、孔部61bも同様に打ち抜き加工により形成されている。
【0037】
係合舌片61aを孔部31aへと押し込み、孔部61bが突部31bへ押し込むことにより、継鉄30に対してヒンジばね60を組み付けることが容易となる。これにより、従来のようにヒンジばねと継鉄をカシメ又は溶接で固定する必要がなく、短時間で組み付けることができるので、組み付け作業性を向上する。
【0038】
次に、可動接触片70について説明する。図9は、可動接触片70及び絶縁カバー90についての説明図である。
可動接触片70は、固定接触片80と上端部から対向する対向部72aと、対向部72aからベース10側(下端部側)に近づくにつれ、固定接触片80から離れるように反り返って再び上方を向くように湾曲した湾曲部72bとを有している。対向部72a及び湾曲部72bは弾性変形可能に薄板状に形成されている。従って、対向部72a及び湾曲部72bはJ字状に形成されている。また、湾曲部72bの端部には、端子板部73が固定されている。端子板部73は、湾曲部72bより肉厚に形成されている。端子板部73の下端部には、端子部74を有している。端子板部73は、差込口15dに貫通して保持される。
【0039】
図9に示すように、端子板部73には、プレート片76が取り付けられている。このプレート片76についても電導性を有しており、可動接触片70の一部を構成する。また、端子板部73には2つの突起77を有している。プレート片76及び湾曲部72bの端部には、突起77と嵌合する孔部がそれぞれ形成されている。
【0040】
まず、プレート片76が組みつけられていない状態で、湾曲部72bの端部に形成された孔部を突起77へ嵌める。次に、プレート片76を、突起77と嵌るように端子板部73に固定する。次に、突起77をカシメ固定する。これにより、湾曲部72bと端子板部73とが固定され、可動接触片70が完成する。
【0041】
このように、可動接触片70は、弾性変形可能な湾曲部72bを有しているので、固定接触片80との接離に必要となる、可動接触片70の曲げ応力を小さくすることができる。これにより、例えば、コイル19aへ供給される電圧が低い場合であっても、可動接触片70を固定接触片80から接離させることができる。また、可動接触片70の曲げ応力を小さくすることができるので、可動接触片70への残留応力を抑制でき、疲労破壊を抑制できる。
【0042】
また、湾曲部72bは、固定接触片80から離れるように反り返っているので、端子部74と、端子部84との距離を確保することができる。従って、このような電磁継電器を基板に手作業で組み付ける際には、作業性が容易となる。
【0043】
尚、図5乃至図8に示したように、ベース10には、固定接触片80の移動によって生じる湾曲部72bの撓みを許容するように湾曲部72bを収納する凹部15bが形成されている。尚、凹部15bと一体に、差込口15cが形成されている。
【0044】
次に、カード50の配置について説明する。
カード50は、図4に示すように、対向部72aと端子板部73との間に配置されることになる。また、図4乃至図6に示すように、カード50の孔部51に挟まれる位置には、湾曲部72bを逃がすように形成された切欠部58を有している。このように、カード50に切欠部58が形成されていることにより、カード50と湾曲部72bとの干渉を防止でき、カード50を、対向部72aと端子板部73との間に配置することができる。
これによりカード50が、可動接触片70の対向部72aと継鉄30との絶縁状態を確保することができる。また、デッドスペースの発生を防止でき、電磁継電器の大型化を抑制できる。
【0045】
次に、図9及び図10を用いて絶縁カバー90について説明する。
図10は、絶縁カバー90を組み付けた際の説明図である。
絶縁カバー90は、絶縁性の材料から形成されている。
絶縁カバー90は、図9に示すように、下面から差込片91が突出している。また、切欠部93が形成されている。また、絶縁カバー90の内部は、端子板部73のベース10の上面からの突出部分を覆うように形成されている。
【0046】
絶縁カバー90は、差込片91を、差込口15dへと差し込むことにより、ベース10に対して組み付けられる。また、差込片91は、端子板部73と、継鉄30とを隔てる隔壁の一部を構成する。
また、図10に示すように、切欠部93が、継鉄30の、端子板部73と対向する面のみならず、側面までも覆うように形成されている。
【0047】
これにより、端子板部73と継鉄30との絶縁を確実にすることができる。従って、端子板部73の位置が、継鉄30に近い場合であっても、十分に絶縁をすることができる。これにより、装置の大型化を抑制できる。
【0048】
次に、通気孔14dについて説明する。
図11は、電磁継電器の底面側から見た斜視図である。
図11に示すように、ベース10の底面側は、継鉄30の底面33と下端部22とが露出するように形成されている。この露出部分に液状の熱硬化性の封止剤を塗布し、加熱することにより継鉄30と鉄心20との連結は確実に行われる。
【0049】
図11に示すように、継鉄30とベース10との隙間Aがあくように形成されている。この隙間Aは、スプール14bの内周と鉄心20との隙間を介して、通気孔14dと連通するように形成されている。また、通気孔14dは、図7、図8及び図10に示すように、上端部21により完全に塞がれない程度の大きさを有している。
【0050】
従って、隙間Aと通気孔14dとは連通するように形成されている。従来、封止剤を塗布し、過熱した場合に、封止剤に含まれた気泡が加熱により膨張し、硬化後にピンホールとなる場合があった。
しかしながら、上述したように、隙間Aと通気孔14dとは連通しているため、気泡が通気孔14dを通じて逃げるように作用する。従って、封止剤にピンホールの発生を防止でき、確実に封止できる。
【0051】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
10 ベース
11 突部
14a ガイド壁
14b スプール
14c 開口
14d 通気孔
15a、15c、15d 差込口
15b 凹部
18 係止突起
19a コイル
19b コイル端子部
20 鉄心
21 上端部
22 下端部
30 継鉄
31a 孔部
31b 突部
32 貫通孔
33 底面
40 可動鉄片
42 長孔
50 カード
51 孔部
52 摺動面
53 係合突片
54 第1押圧部
55 腕部
56 スリット
57 第2押圧部
58 切欠部
60 ヒンジばね
61a 係合舌片
61b 孔部
70 可動接触片
71 可動接点
72a 対向部
72b 湾曲部
73 端子板部
74、84 端子部
75 折曲部
76 プレート片
77 突起
80 固定接触片
81 固定接点
90 絶縁カバー
91 差込片
93 切欠部
98 係止孔
99 ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
電磁石装置と、
前記電磁石装置の作用に基づいて作動する可動部と、
前記ベースに揺動自在に支持され、前記可動部の作動により揺動するカードと、
固定接触片、前記カードの揺動により移動して前記固定接触片と接触する可動接触片、を有する接点機構とを備え、
前記カードは、作動する前記可動部と当接して前記可動部により押圧される押圧部、前記押圧部の幅方向の長さよりもその幅方向の長さが短い突状のカード側係合部、を有し、
前記可動部は、遊嵌状態で前記カード側係合部に係合する孔状の可動部側係合部を有する、ことを特徴とする電磁継電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−146685(P2012−146685A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−106230(P2012−106230)
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【分割の表示】特願2007−78940(P2007−78940)の分割
【原出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)