説明

電線の回動継手

【課題】電線の捩れ,曲り等の繰り返しによる劣化,断線を防止する。
【解決手段】 分割してなる中空の半球体の両分割面に内向フランジを設け両配電盤Jを固定し,両球端に透孔1を設け外周縁に各負端子D,正端子Eを分割面に対称に付設し各外周縁に端子台Fを付設しキャップF1を螺嵌し配電盤Jの中心寄り,外周寄りの径の各同心円上に凹溝を設け中心の軸線に鉛直線上の両対極位の,中心寄りの,端子台Fの負端子D側には負端子Dを,外周寄りの同前の正端子E側には正端子Eを配して植立し各凹溝に同型の継電環をそれぞれ付設し,入電側において両負端子D,両正端子Eに配線して入電プラグAとし,送電側において両負端子D,両正端子Eに配線して送電プラグBとし,内面が両プラグA,Bと同型中空で外面が直円の送電側ソヶットB1と入電側ソケットA1の両外端閉じ面の各端子台Fの下端縁相当位に大径の透孔1を設け該分割縁上で螺合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,電線の捩れ,折れ曲りを防ぐための回動継手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電線の継手には,入電側配線にメス端子のついた入電側コネクタを,送電側配線にオス端子のついた送電側コネクタを用い入電側,送電側の両電線を接続した。
【0003】
高圧送電線の継手は該高圧線が大径であり鉄柱間が大渓谷を渡る等の例においては大径,長尺であり氷雪の付着とそれに吹き付ける暴風による揺れによるショートの発生,遮断器の作動即ち,停電に到るものであった。
【0004】
【特許文献1】特願2001−329964
【非特許文献1】「電気のハヤワカリ」大河出版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上に述べた従来の電線の継手は,位置変えの頻繁なアイロン,ラジオ,扇風機,炊飯器などに使用すると該電線のねじれ,折れ曲がりによる歪み,折損は通常,該機器本体に配線を螺着する近接部位に多かった。
【0006】
業界の説明によると,高圧送電線の継手は,暴風雪のもとでは電気を通しやすい塩分をふくんだ氷雪が送電線に付着し,強風による揺れによるショートで放電が発生し変電所の遮断器が作動したものと見ている。
【0007】
本願は,このような従来の構成が有する問題点を解決しようとするものであり,球面継手が有する同心円上を回動し,球心を頂点に振幅する機能を応用し各種電気機器に使用の電線のねじれ,折曲りによる劣化,折損の防止を目的とする。
【0008】
また,直円体のソケットの内面に嵌合の両プラグの洞孔とスピンドルの回動機能を応用し高圧送電線に氷着する雪塊に当る強風による揺れとショートによる停電を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
図1は請求項1の構成に関する。入電プラグA,送電プラグBは球心上の軸線に鉛直面で分割してなる両半球体を所要の径差をもって中空の同心半球体に形成し,両半球体の軸線上の外側端部に透孔1をそれぞれ設け外端面周縁に負端子D,正端子Eを設け何れも外側周縁に筒形の端子台Fを一体に付設しキャップF1を螺嵌し,分割面の両内周縁にそれぞれ内向フランジを設けて配電盤Jを嵌設し両面の各中心寄り,外周寄りの同径の同心円上にそれぞれ凹溝を設け外周寄りの各対極位の,内周寄りにおいて負端子D,同前の外周寄りにおいて正端子Eを植立し負の継電環C,正の継電環Cをそれぞれ付設している。
【0010】
入電プラグAは,入電側配電盤Jの負端子Dと端子台Fの負端子D,正端子Eと同前の正端子Eにそれぞれ配線し,送電プラグBは,送電側配電盤Jの負端子Dと送電側の負端子D,正端子Eと同前の正端子Eに配線している。
【0011】
送電側ソケットB1は,内型が送電プラグBの外型と同型中空の半球面であり直円の開き側を入電側端縁相当位に,雄ねじを設け送電側の閉じ面の,端子台Fの下端縁に相当
位の周縁に所要の球心角をもって透孔1を設け,入電側ソケットA1は,内型が入電プラグAの外型と同型中空の半球面であり外径が送電側ソケットB1と同径の直円の開き側を送電側の端縁相当位に,雌ねじを設け,入電側閉じ面の端子台Fの下端縁相当位の外周縁に所要の球心角をもって透孔1を設けている。入電プラグAと送電プラグBを送電側ソケットB1と入電側ソケットA1により嵌合している。両プラグは軸線上を個別に回動でき,かつ球心を頂点に振幅できる。
【0012】
図2は請求項2の構成に関する。入電プラグA,送電プラグBは,球心上の軸線に鉛直面で分割してなる同型の半球体を所要の厚みをもって同心中空の各半球体に形成し両分割面を着脱可能に突合せ固定している。入電プラグAは,入電側半球体の分割面に所要の球心角をおいて拡大球面に形成し軸線上の外端に透孔1を設け外端周縁に負端子D,正端子Eを設け外周縁に筒体の端子台Fを一体に設けキャップF1を螺嵌し, 送電側半球体の軸線上の外端側,球心側の各径の同心外球面の所要の球心角上に凹溝を設け,軸線に対称で外端寄りの,端子台Fの各端子D,Eと同符号の側の各外端に負端子D,正端子Eを配して植立し,両凹溝に負の継電環C,正の継電環Cを付設し,負端子Dと入電側の負端子D,正端子Eと同前の正端子Eに配線している。
【0013】
送電プラグBは,内面が入電プラグAの送電側半球体外面と同型中空の半球面であり,外径が該拡大球面と同径の中空の半球体であり軸線上の球端に透孔1を設け外端周縁に負端子D,正端子Eを入電プラグAの負端子D,正端子Eと分割面を対称に同符号を同側に設け,入電側の端子台Fにおけると同じ径差をおいて筒体の端子台Fを一体に設けキャップF1を螺嵌し内球面の,入電プラグAの送電側半球体の外面の各凹溝と同心角上にそれぞれ凹溝を設け負端子D,正端子Eの頂面との各重合位に負の環接片C1,正の環接片C1を設け該凹溝に負の継電環C,正の継電環Cを付設し,負の環接片C1と送電側の端子台Fの負端子D,正の環接片C1と同前の正端子Eに配線している。
【0014】
送電側ソケットB1は内面が送電プラグBの外面と同型中空の半球面であり外面が送電プラグBの厚み相当の径差になる直円で入電側の端縁相当位に雄ねじを配し,送電側の閉じ面が端子台Fの基底縁に相当位の外周縁に所要の径差をおいて透孔1を設けている。 入電側ソケットA1は,内面が入電プラグAの外面と同型中空の半球面で外面が送電側ソケットB1の外径と同径の直円で送電側の端縁相当位に雌ねじを配し,入電側の閉じ面が端子台Fの基端縁に相当位の外周縁に所要の径差をおいて透孔1を設けている。両プラグは軸線上を個々に回動,振幅でき,両プラグA,Bは両ソケットA1,B1内を個々に回動,振幅できる。
【0015】
図3は請求項3の構成に関する。入電プラグA,送電プラグBは,二つの円筒体の開き側端縁の内周に沿って内向フランジを設けそれと同径,同厚みの配電盤Jを着脱可能に嵌設して固定し各円筒体の直円面の一部位に中心方向へ透孔1を設け, 入電プラグAは,該配電盤Jを上向に,両平面の中心上にねじ穴9を設け,該透孔1と中心上の直線に鉛直な中心線上の中心寄り,外周寄りの各径の同心円上に各継電環Cの幅と厚み相当の凹溝を設け両対極位の中心寄りにおいては負端子D,外周寄りにおいては正端子Eを植立し負の継電環C,正の継電環Cを付設し,透孔1を入電側に配して入電線Mを挿通し両極を負端子D,正端子Eに配線している。
【0016】
送電プラグBは,該配電盤Jを下向に,両平面の中心上にねじ穴9を設け,該透孔1と中心上の直線に鉛直な中心線上の中心寄り,外周寄りの各径の同心円上に各継電環Cの幅と厚み相当の凹溝を設け両対極位の中心寄りにおいては負端子D,外周寄りにおいては正端子Eを植立し負の継電環C,正の継電環Cを付設し,透孔1を送電側に配し送電線Nを挿通し両極を負端子D,正端子Eに配線し, 送電プラグBを上側から入電プラグAに重合し,送電プラグBの閉じ側のねじ穴9からねじ7を挿着し両プラグA,Bを螺合して
いる。両プラグA,Bは個々に回動できる。
【0017】
図4は請求項4の構成に関する。入電プラグA,送電プラグB本体は同径,同長さの通電性の直円体であり, 入電プラグAは入電側の軸線上に稍小径の係留幹3を一体に形成し軸線に鉛直に係留孔4を設け,送電側の突合せ面から軸線上に所要の径と長さのスピンドルKを一体に設けている。
【0018】
送電プラグBは,送電側軸線上に入電プラグAの係留幹3と同型の係留幹3を一体に形成し軸線に鉛直に係留孔4を設け,入電側の突合せ面から軸線上に該スピンドルKと同型の透孔Lを内設している。
【0019】
送電側ソケットB1は,内面が送電プラグBの本体と同型中空の筒体で外面が所要の径の直円であり,入電側の開き端縁を洞孔Lの略中間相当位に,雄ねじを配し軸線上の送電側の閉じ面の送電プラグB本体の送電側端縁相当位に該係留幹3の径に相当の透孔1を設けている。 入電側ソケットA1は,内面が入電プラグAの本体と同型中空の筒体で外径が送電プラグB1と同径の直円で送電側の開き端縁を洞孔Lの略中間位に,雌ねじを配し入電側閉じ面の該プラグA本体の入電側の端縁相当位に該係留幹3の径に相当の透孔1を設けている。 入電プラグA,送電プラグBは両ソケットA1,B1に嵌合し螺嵌している。両プラグA,Bは個々に軸線上を回動できる。
【発明の効果】
【0020】
本願の電線の回動継手はねじり力を加えても応力が生じないので捩れないことは勿論,金属疲労による劣化,断線等の問題点は生じない。
【0021】
請求項1においては,入電プラグ,送電プラグは両配電盤が平面の同心円上で接し個々に軸線上を回動でき,両プラグの外側球面と両ソケットの内側球面が同心球面で接し,両端の各端子台の下端縁と両ソケットの透孔との径差により振幅できる。
【0022】
請求項2においては,送電プラグの内面は入電プラグの送電側半球外面に同心球面で接し両継電環が所要の幅員の継電環であることにより個々に振幅,回動でき,かつ送電プラグの外面と入電プラグの拡大外球面が入電側ソケットと送電側ソケットの内面に同心球面で接し,かつ入電側,送電側の各ソケットに設けた透孔と端子台周縁との径差により振幅度を大きくしている。
【0023】
請求項3においては,筒形で同径の入電プラグと送電プラグは,配電盤と閉じ側の中心上にねじで軸支してあり回動機能だけを有する。両プラグの製作工程はソケットを必要とせず簡易である。
【0024】
請求項4においては,高圧電線の回動継手に使用できる。 両プラグは軸線上を回動でき所要の位置と区間で氷雪の付着を防除できる。暴風雪が電線に塊状に氷着し垂下すると強風による回動で破砕,落下し氷着量を一定に抑制でき,該電線の過度な揺動を回避できる。
【0025】
請求項1,3において,図1,図3の回動継手は平面の同心円上を回動し個々に振幅しないので高い安定性を保ち高精度で多量の通信ケーブル等の配線に適する。
【0026】
請求項1〜3においては,旋回,回動等の移動体に載置する有線機器を特定方向に維持する用途に適する。
【0027】
各種ロボットの開発など応用分野は広い。

【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本願における各構成は互換性を有する。
【実施例1】
【0029】
図1は請求項1に関する。回動継手Gは,球心上の軸線に鉛直面で分割し同型中空の半球体に形成し,入電側,送電側の両外端の軸線上に略30゜の球心角をもって透孔1を設け該外周縁を平面に成し軸線に対称に負端子Dを正面側に,正端子Eを裏面側に,かつ各ねじ頭部を該分割面に対向して設け周縁に下端縁外周が略球心角50゜に相当の筒形の端子台Fを一体に付設し上端部に雄ねじを,かつ後端の閉じ面に透孔1を設けてなるキャップF1を螺嵌し,各分割面の内周縁に配電盤Jの厚み相当の内向フランジを形成し,該内向フランジの中間線上の均等な中心角上に合釘穴6を設け合釘5を植立し,各配電盤J周縁の該合釘5に当接する各部位に合釘穴6を設け該内向フランジにそれぞれ嵌合し固定している。
【0030】
入電プラグAは,入電側の配電盤Jの中心寄り,外周寄りの各径の同心円上にそれぞれ負,正の継電環Cの,環接片C1の径に相当の幅と厚み相当の凹溝を設け,両凹溝中心上の軸線に鉛直な中心線上の両対極位に,中心寄りの凹溝においては端子台Fの負端子D側に負端子Dを,外周寄りの凹溝においては同前の正端子E側に正端子Eをそれぞれねじ頭部を外周向に,環接片C1の頂面を凹溝底面位に配して植立し中心寄り,外周寄りの各凹溝に負の継電環C,正の継電環Cを付設し,負端子Dと入電側の負端子D,正端子Eと同前の正端子Eに配線している。
【0031】
送電プラグBは,送電側の配電盤Jの中心寄り,外周寄りの各径の同心円上にそれぞれ負,正の継電環Cの厚みと幅が環接片C1の径に相当の凹溝を設け,両凹溝中心上の軸線に鉛直な中心線上の両対極位に,中心寄りの凹溝においては端子台Fの負端子D側に負端子Dを,外周寄りの凹溝においては同前の正端子E側に正端子Eをそれぞれねじ頭部を外周向に,環接片C1の頂面を凹溝底面位に配して植立し中心寄り,外周寄りの各凹溝に負の継電環C,正の継電環Cを付設し,負端子Dと送電側の負端子D,正端子Eと同前の正端子Eに配線している。
【0032】
送電側ソケットB1は,内面が送電プラグBの外面と同型中空の半球面であり外面が送電プラグBの略厚み相当に大径の直円で入電側の開き端縁に雄ねじ先端を,かつ後端に外向フランジを配し,送電側の閉じ面が端子台Fの下端縁相当位の軸線上に振幅域が12゜に相当の球心角74゜をもって透孔1を設けている。入電側ソケットA1は,内面が入電プラグAの外型と同型中空の半球面であり外面が送電側ソケットB1と同径の直円で該雄ねじ相当のねじ代を一体に伸展してなる送電側の開き端縁に雌ねじ先端を,かつ後端の該雄ねじ先端相当位に内向フランジを配し,入電側の閉じ面が端子台Fの下端縁相当位の軸線上に振幅域12゜に相当の球心角74゜をもって透孔1を設けている。
【0033】
入電プラグAを入電側ソケットA1に嵌合し,送電プラグBを送電側ソケットB1に嵌合し両ソケットA1,B1を螺合する。入電プラグAと送電プラグBは軸線上を個々に回動でき,両プラグA,Bは両ソケットA1,B1の透孔1内の端子台F周縁を球心角12゜の域内で振幅できる。
【実施例2】
【0034】
図2は請求項2に関する。回動継手Gは端子台Fと両端子D,Eの配設,両ソケットA1,B1の構成が図1におけると共通である。入電プラグAは球体を球心から軸線に鉛直面で分割し両半球体を所要の厚みをもって同心中空の半球体に形成し,両分割面の中間線と均等な中心角上の各交点に合釘穴6を設け入電側の該合釘穴6に合釘5を立設し,入電
側半球体の球心側に振幅域12゜に相当の球心角156゜をもって入電側へ自体の厚みの略2倍相当の拡大球面に形成し軸線上の球端に透孔1を設け外端周縁を平面になし軸線に対称に負端子Dを正面側に,正端子Eを裏面側に並設し外周上に基端縁が球心角50゜の筒形の端子台Fを一体に付設し上端縁に雄ねじを設け,かつ後端の閉じ面に透孔1を設けてなるキャップF1を螺嵌し,両分割面の中間線上の均等な中心角上の各交点に合釘穴6を設け合釘5を入電側に立設し,送電側の半球体外面の軸線上の外端寄りの球心角48゜上,球心側の球心角150゜上を幅員が球心角14゜の中間線とし各継電環Cの厚み相当の凹溝をそれぞれ設け,外端寄り,分割面寄りの各凹溝の,端子台Fの負端子Dと正端子Eの各同側の両対極位に,負端子D,正端子Eを各頂面を該凹溝底面位に配し,かつ各端子D,Eのねじ頭部を端子台Fの両端子D,Eにおけると同符号の側に配して植立し負の継電環Cを負端子Dの凹溝に,正の継電環Cを正端子Eの凹溝に付設し,負端子Dと端子台Fの負端子D,正端子Eと同前の正端子Eに配線し,自体の分割面の合釘穴6に該立設の合釘を嵌挿して突合せ固定している。
【0035】
送電プラグBは,内面が入電プラグAの送電側半球体外面と同型中空で外径が該拡大球面の外径と同径の半球体であり,軸線上の外端に透孔1を設け外端周縁を平面になし負端子D,正端子Eを入電側の端子台Fの各端子D,Eと分割面に鉛直,対称に付設し外周上に基端縁が球心角50゜の筒形の端子台Fを一体に付設し,上端縁に雄ねじを設け,かつ後端の閉じ面に透孔1を設けてなるキャップF1を螺嵌し内側球面の,入電プラグAの軸線上の外端側の負端子D,球心側の正端子Eの環接片C1に重合の各部位上の同心角上に該入電側の各継電環Cの幅と厚み相当の凹溝をそれぞれ設け,該各部位に負の環接片C1,正の環接片C1の底面を凹溝底面位に配して設け負の環接片C1の凹溝に負の継電環C,正の環接片C1の凹溝に正の継電環Cを付設し負の環接片C1と送電側の端子台Fの負端子D,正の環接片C1と同前の正端子Eに配線している。
【0036】
送電側ソケットB1は,内面が送電プラグBの外面と同型中空の半球面であり外面が送電側半球体と略同厚みの径差を外円に拡大した直円の入電側の開き端縁を送電プラグBの入電側端縁相当位に,雄ねじ先端を,かつ後端に外向フランジを配し,送電側の閉じ面が端子台Fの基端縁相当位の軸線上に振幅域12゜に相当の球心角74゜をもって透孔1を設けている。
【0037】
入電側ソケットA1は,内面が入電プラグAの外面と同型中空の半球面であり,外面が送電側ソケットB1と同径の直円で該雄ねじ相当のねじ代を一体に伸展してなる送電側の開き端縁に雌ねじ先端を,かつ後端の該雄ねじ先端相当位に内向フランジを配し,入電側の閉じ面が端子台Fの基端縁相当位の軸線上に振幅域12゜に相当の球心角74゜をもって透孔1を設けている。入電側ソケットA1に入電プラグAを嵌合し,送電側ソケットB1に送電プラグBを嵌合し両ソケットA1とB1を螺合する。入電プラグAと送電プラグBは軸線上を個々に回動,振幅でき,両プラグA,Bは両ソケットA1,B1の同心球面との接面と,両ソケットA1,B1外端の各閉じ面に設けた透孔1と端子台Fの径差により振幅できる。
【実施例3】
【0038】
図3は請求項3に関する。回動継手Gにおいて,入電プラグA,送電プラグBの本体はそれぞれ外径,内径とも直円で中空の一端が閉じ,開き側の内周縁に内向フランジJを着脱可能に設け該フランジの中間線上の均等な中心角上に合釘を植立し,各配電盤Jの外周縁の該合釘に当接する各部位に合釘穴6を設け各配電盤Jを嵌合して固定し,該直円体側面の一部位にそれぞれ中心方向へ透孔1を設け,各配電盤Jと閉じ面の中心線上にねじ穴9を設けている。
【0039】
入電プラグAは,配電盤Jを上向に,かつ透孔1を入電側に配し該配電盤J表面の中心
寄り,外周寄りの各径の同心円上に継電環Cと同径で幅と厚み相当の凹溝を設け,透孔1と結ぶ中心線に鉛直な中心線上の両凹溝の外周寄りの両対極位に,中心寄りの凹溝においては負端子Dを正面側に,外周寄りの凹溝においては正端子Eを裏面側に,各ねじ頭部を外周に向け環接片C1の頂面を凹溝底面位に配して植立し,中心寄り,外周寄りの各凹溝にそれぞれ負の継電環C,正の継電環Cを付設している。
【0040】
送電プラグBは,配電盤Jを下向に,かつ透孔1を送電側に配し,表面の中心寄り,外周寄りの,入電プラグAの該継電環Cと各同径の同心円上に該凹溝と同型の各凹溝を設け,透孔1上の中心線に鉛直な中心線上の両凹溝の両対極位に,中心寄りの凹溝においては負端子Dを正面側に,外周寄りの凹溝においては正端子Eを裏面側に,各ねじ頭部を外周に向け環接片C1の頂面を凹溝底面位に配して植立し,中心寄り,外周寄りの各凹溝にそれぞれ負の継電環C,正の継電環Cを付設し該透孔1に送電線Nを挿通し両電極を負端子D,正端子Eに配線し,入電プラグAの透孔1に入電線Mを挿通して両電極を負端子D,正端子Eに配線し上方から送電プラグBを入電プラグAに重合しねじを挿着し螺合している。両プラグA,Bは同一平面で接する配電盤Jの同心円上を個々に回動できる。
【実施例4】
【0041】
図4は請求項4に関する。回動継手Gにおいて,入電プラグA,送電プラグBの各本体はいずれも所要の径と長さの通電性の直円体であり,入電プラグAは入電側外端の軸線上に直円で稍小径の係留幹3を一体に形成し入電線Mと同径の係留孔4を鉛直に設け,送電側の突合せ面の軸線上に所要の径と長さのスピンドルKを一体に設けている。
【0042】
送電プラグBは,送電側の軸線上に直円で稍小径の係留幹3を入電プラグAの係留幹3と同型に一体に形成し送電線Nと同径の係留孔4を鉛直に設け,入電側の突合せ面の軸線上に該スピンドルKの径と長さに相当の内径と深さの洞孔Lを設けている。
【0043】
送電側ソケットB1は,内面が送電プラグB本体の外型と同型中空の直円で外径が該洞孔Lのシリンダより稍薄手の直円で入電側の端縁を洞孔Lの略中間相当位に,雄ねじ先端を,かつ後端に外向フランジを配し送電側の閉じ面の送電プラグBの端縁相当位に該係留幹3と同径の透孔1を設けている。
【0044】
入電側ソケットA1は,内面が入電プラグA本体の外型と同型中空の直円で,外径が送電側ソケットB1と同径の直円で送電側の端縁を該雄ねじ相当のねじ代に一体に伸展して雌ねじ先端を,かつ後端の雄ねじ先端相当位に内向フランジを配し入電プラグAの端縁相当位の入電側の閉じ面に該係留幹3と同径の透孔1を設けている。
【0045】
入電側ソケットA1の透孔1に予め入電線Mを挿通し該先端部を入電プラグAの係留孔4に挿通して結束線により結束し,該入電プラグAを入電側ソケットB1に嵌合し,入電線Mの係留と同様に,送電側ソケットB1の透孔1に予め送電線Nを挿通し該先端部を送電プラグBの係留孔4に挿通して結束線により結束し送電プラグBを送電側ソケットB1に嵌合し洞孔LにスピンドルKを嵌挿し併せて入電プラグA1と送電プラグB1を螺合する。入電プラグAと送電プラグBは個々に回動できる。
【0046】
請求項1,2,4においては,各ソケットA1,B1は,軸線を含む平面上で分割でき,請求項2においては各プラグA,Bは,軸線を含む平面上で分割できる。
【0047】
図3において入電プラグA,送電プラグBの上下いずれかの接面周縁に所要の円環を立上げフランジ機能を付与することにより回動の安定度は一層高まる。図面は正確ではない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
(9)
【図1】回動継手Gの正面断面図。
【図1−1】図1における送電プラグBの部分分解断面図。
【図1−2】図1−1の,両継電環Cと両環接片C1の配置を示す右側面図。
【図1−3】図1のqの,負端子Dを示す拡大立体図。
【図1−4】図1−1の左側面図。
【図1−5】図1−1の,入電プラグAに対し∠R右回転を示す=平面断面図。
【図2】回動継手Gの正面断面部分分解図。
【図2−1】入電プラグAの正面断面分解図。
【図2−2】送電プラグBの正面断面図。
【図2−3】両継電環Cと両端子D,Eの各配線を示すB−B断面図。
【図2−4】環切片C1を示すrの拡大図。
【図3】回動継手Gの正面断面部分分解図。
【図3−1】入電プラグAの両継電環Cに入電線Mの配線を示すC−C断面図。
【図3−2】図3の左側面断面図。
【図4】回動継手Gの正面部分断面部分分解図。
【図4−1】両プラグA,Bの正面分解断面図。
【図5】従来例。
【符号の説明】
【0049】
A 入電プラグ A1 入電側ソケット B 送電プラグB
B1 送電側ソケット C 継電環 C1 環接片
D 負端子 E 正端子 F 端子台
F1 キャップ G 回動継手 J 配電盤
K スピンドル L 洞孔 M 入電線
N 送電線 P 配線 1 透孔
2 切欠 3 係留幹 4 係留孔
5 合釘 6 合釘穴 7 ねじ
8 ナット 9 ねじ穴 10 結束線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球心上の軸線に鉛直面で分割してなる二つの中空の半球体の,両分割面の各内周縁に内向フランジを形成しそれぞれに同型の配電盤(J)を着脱可能に嵌設し,軸線上の入電側,送電側それぞれの球端に透孔(1)を設け該透孔(1)の外端縁に負端子(D),正端子(E)を設け外周上に所要の径差をおいて筒体の端子台(F)を設け閉じ面にキャップ(F1)を螺嵌し,両配電盤(J)の接面側の各中心寄り,外周寄りの各同径の両同心円上に継電環(C)と同型の凹溝を設け両凹溝にそれぞれ負端子(D),正端子(E)を植立し各頂面に接して負の継電環(C),正の継電環(C)を付設し,入電側の配電盤(J)と同端子台(F)の両負端子(D),両正端子Eに配線し入電プラグ(A)とし,送電側の配電盤(J)と同端子台(F)の両負端子(D),両正端子(E)に配線し送電プラグ(B)とし,内面が送電プラグ(B)の外型と同型中空で外面が直円の入電側端縁の該分割面相当位に雄ねじ先端を配し,送電側の閉じ面の該端子台(F)基端の周縁相当位に所要の径差の透孔(1)を設け送電側ソケット(B1)とし,内面が入電プラグ(A)の外型と同型中空で外径が送電側ソケット(B1)と同径の直円の送電側端縁の該分割面相当位に雌ねじを配し,入電側の閉じ面の端子台(F)基端の周縁相当位に所要の径差の透孔(1)を設け入電側ソヶット(A1)としてなる電線の回動継手。
【請求項2】
球心上の軸線に鉛直面で分割してなる二つの中空の半球体を両分割面で着脱可能に突合せて固定し,入電側半球体の分割面に所要の球心角をおいて外端へ一体の拡大球面に形成し,入電側の球端に透孔(1)を設け該透孔(1)の外端縁に負端子(D),正端子(E)を設け外周上に所要の径差をおいて筒体の端子台(F)を設けキャップ(F1)を螺嵌し,送電側半球体の軸線上の外端寄りの外周面,球心寄りの各同心角上の外周上に凹溝を設け負端子(D),正端子(E)を植立し各頂面に接して該両凹溝と同型の負の継電環(C),正の継電環(C)を付設し,負端子(D)と端子台(F)の負端子D,正端子(E)と同前の正端子(E)に配線し入電プラグ(A)とし,内径が該送電側半球体の外型と同型中空で外径が該拡大球面の外径に相当の半球体内面の外端側軸線上の,球心側の各同心角が,入電プラグ(A)の該負の継電環(C),正の継電環(C)に相当の内球面にそれぞれ同型の凹溝を設け該凹溝の,入電プラグ(A)外球面の負の環接片C1,正の環接片C1に重合の両部位に負の環接片(C1),正の環接片(C1)を配設し各底面に接して負の継電環(C),正の継電環(C)を付設し,負の環接片(C1)と送電側端子台(F)の負端子(D),正の環接片(C1)と同前の正端子(E)に配線し送電プラグ(B)とし,内面が該送電プラグ(B)の外型と同型中空の半球面であり外径を送電プラグ(B)の略厚み相当に拡大してなる直円の開き側の端縁の,該分割面相当位に雄ねじを配し,送電側の閉じ面の端子台(F)基端の外周縁相当位に所要の径差をおいて透孔(1)を設け送電側ソケット(B1)とし,内面が該入電プラグ(A)の拡大球面と同型中空の半球面であり外径が送電側ソケット(B1)と同径の直円の開き側の端縁の,該分割面相当位に雌ねじを配し,入電側の閉じ面の端子台(F)基端の外周縁相当位に所要の径差をおいて透孔(1)を設け入電側ソケット(A1)としてなる電線の回動継手。
【請求項3】
二つの同型の筒体であり何れも一端が平面で閉じ,各筒体の開き側の端縁内周に内向フランジを形成し同型の各配電盤(J)を着脱可能に嵌設し外周直円面の1部位に中心方向へ透孔(1)を設け両配電盤(J)と各閉じ面の中心線上にねじ穴(9)を設け,両配電盤(J)の各接面の中心寄り,外周寄りの各同径の両同心円上に各継電環(C)と同型の凹溝を設け,該透孔(1)と中心に鉛直な中心線上の中心寄り,外周寄りの両凹溝の対極位に負端子(D),正端子(E)を植立し負の継電環(C),正の継電環(C)を付設し一方の配電盤Jを上面に,透孔(1)を入電側に配して入電プラグ(A)とし,他方の配電盤(J)の表面を下側に,透孔(1)を送電側に配して送電プラグ(B)としてなる電線の回動継手。
【請求項4】
所要の径と長さの二つの通電性の直円体の軸線上の各外端に,稍小径の係留幹(3)をそれぞれ一体に形成して係留孔(4)を設け,入電側に配する一方の直円体の送電側軸線上に所要の径と長さのスピンドル(K)を一体に設け入電プラグ(A)とし,送電側の直円体の入電側軸線上に該スピンドル(K)と同型の洞孔(L)を設け送電プラグ(B)とし,内面が送電プラグ(B)の外型と同型中空で,外径を所要の直円に拡大した筒体の入電側の端縁を該洞孔Lの略中間位に,雄ねじの先端を配し,後端の閉じ面の送電プラグ(B)の端縁相当位に送電側の係留幹(3)を嵌挿するに相当の透孔(1)を設け送電側ソケット(B1)とし,内面が入電プラグ(A)の外型と同型中空で外径が送電側ソケット(B1)と同径の筒体の送電側の端縁の,入電プラグAの端縁相当位に雌ねじを配し,後端閉じ面の入電プラグ(A)の端縁相当位に入電側の係留幹(3)を嵌挿するに相当の透孔(1)を設け入電側ソケット(A1)としてなる電線の回動継手。


【図1】
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【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図2】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図3】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図4−1】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−129888(P2009−129888A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−307332(P2007−307332)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(593107638)