電線の配線情報用表示タグと、その装着装置
【課題】電線Wの配線工事を容易にして高能率化する。
【解決手段】電線Wの配線情報Wa を表示する主シートSa と、主シートSa と組み合わせる副シートSb とを設け、主シートSa 、副シートSb は、電線Wを挟むようにして一体に貼り合わせることにより電線Wに装着し、副シートSb を破断することにより主シートSa とともに電線Wから取り外す。
【解決手段】電線Wの配線情報Wa を表示する主シートSa と、主シートSa と組み合わせる副シートSb とを設け、主シートSa 、副シートSb は、電線Wを挟むようにして一体に貼り合わせることにより電線Wに装着し、副シートSb を破断することにより主シートSa とともに電線Wから取り外す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種の自動機械設備や電気制御盤などの内部配線作業を一層容易にすることができる電線の配線情報用表示タグと、その装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の自動機械設備や電気制御盤には、両端を適切に端末処理したビニル被覆電線が多用されている。
【0003】
電線の端末処理は、電線を接続するための圧着端子と、電線の配線記号を表示するチューブ状のマーカとを電線の両端に装着することが必要であり、このような一連の端末処理作業を自動化するための装置も知られている(たとえば特許文献1、2)。
【特許文献1】特開平8−140233号公報
【特許文献2】特開平9−282957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来技術によるときは、各電線の端末には、圧着端子、マーカを装着することができるが、マーカ上には、各電線の配線記号しか表示されていないため、作業者に対する配線作業用の指示情報が十分でなく、配線作業の能率向上に限界があり、誤配線のおそれも少なくないという問題があった。一般に、各電線の配線記号は、電気配線図において指示される電気回路上の記号に過ぎず、各電線の接続先を具体的に指示するものではないからである。
【0005】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、主シート、副シートを組み合わせることによって、各電線の接続先を示す情報(以下、配線情報という)を表示し、配線作業を容易にして高能率化することができる電線の配線情報用表示タグと、その装着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するためのこの出願に係る第1発明(請求項1に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、電線の配線情報を表示する主シートと、主シートと組み合わせる副シートとからなり、主シート、副シートは、電線を挟むようにして一体に貼り合わせることにより電線に装着し、副シートを破断することにより主シートとともに電線から取り外すことをその要旨とする。
【0007】
なお、主シートは、裏面側全面に感圧性接着剤を塗布することができ、副シートは、裏面側両端部に感圧性接着剤を塗布することができる。
【0008】
第2発明(請求項4に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、電線の配線情報用表示タグを構成する主シート、副シートをそれぞれ吸着して保持する左右一対の開閉アームを備えてなり、開閉アームは、電線を挟むようにして閉じることにより、主シート、副シートを一体に貼り合わせて電線に装着することをその要旨とする。
【0009】
なお、開閉アームには、主シート、副シートを貼り合わせるとき、電線を適位置にガイドする開閉ガイドを付設することができる。
【0010】
また、開閉アームに付着する主シート、副シートを除去する除去部材を設けることができる。
【発明の効果】
【0011】
かかる第1発明の構成によるときは、電線の配線情報を表示する主シートは、副シートと一体に貼り合わせることにより電線に装着されている。そこで、作業者は、配線情報の指示に従って電線を容易に正しい接続先に接続することができ、接続先を見出すために過大な時間を要したり、誤配線をしたりする機会を最少にすることができる。また、主シート、副シートは、電線の接続が完了したら、副シートを破断することにより、主シートとともに一挙に電線から取り外して廃棄すればよい。
【0012】
主シートは、裏面側全面に感圧性接着剤を塗布することにより、搬送用のキャリヤテープ上に整然と整列して搬送し、印字ユニットにより必要な配線情報を印字して表示するとともに、電線を挟んで副シートと貼り合わせると、中央部が電線の被覆に接着するため、電線の長手方向に不用意に移動することがない。一方、副シートは、裏面側両端部に感圧性接着剤を塗布することにより、同様に、搬送用のキャリヤテープ上に整列して搬送することができ、破断の際に、主シートを内側にして折り曲げても、電線の被覆に過大に強力に接着してしまうおそれがない。なお、印字ユニットによる印字動作に支障がない限り、感圧性接着剤は、主シートの裏面側両端部に塗布し、副シートの裏面側全面に塗布することも可能であり、このときは、主シート側を破断して電線から一挙に取り外すことができる。
【0013】
第2発明の構成によるときは、左右一対の開閉アームは、たとえば180°に開いてそれぞれの先端部下面に主シート、副シートを吸着して保持し、電線を挟むようにして下方に閉じることにより、主シート、副シートを一体に貼り合わせて電線に装着し、主シート上の配線情報を介して電線の接続先を作業者に具体的に指示することができる。ただし、開閉アームは、たとえば、180°に開いてキャリヤテープ上の主シート、副シートを吸着する吸着位置、キャリヤシートの進行とともに前進して主シート、副シートをキャリヤテープから剥がし取る剥離位置、さらに斜め上向きに前進して電線の上方に待機する待機位置、下方の電線に向けて下向きに閉じ、主シート、副シートを電線に装着する装着位置の間を可逆的に移動するように、前後方向、上下方向に駆動するものとする。
【0014】
開閉アームに付設する開閉ガイドは、開閉アームを閉じるとき、電線を適位置にガイドし、主シート、副シートを正しく電線に装着させる。また、除去部材は、主シート、副シートの一方または双方が電線に装着できなかった場合、開閉アームに付着したままの主シート、副シートを開閉アームから機械的に除去することにより、次の主シート、副シートを開閉アームに支障なく吸着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0016】
電線の配線情報用表示タグは、主シートSa 、副シートSb からなる(図1)。
【0017】
電線Wは、たとえばビニル被覆電線である。電線Wは、たとえば配線記号Ma を表示するチューブ状のマーカMと、絶縁シースT1 付きの圧着端子Tとを各端末に取り付けて端末処理がなされている。
【0018】
主シートSa は、たとえば紙製であって、表面には、電線Wの一端の配線情報Wa が印字されて表示されている。ただし、図示の配線情報Wa =AB01D02は、たとえば器具番号AB01の端子D02に電線Wを接続すべきことを示している。なお、配線情報Wa は、作業者に対する配線作業用の指示情報であるから、他の任意の表示形式に変更することができる。また、副シートSb は、主シートSa と同形同大の紙製である。
【0019】
主シートSa の裏面側全面には、感圧性接着剤Nが塗布されている(図2(A))。また、副シートSb の裏面側両端部には、それぞれ感圧性接着剤Nが塗布されている(同図)。そこで、主シートSa 、副シートSb は、電線Wを挟むようにして一体に貼り合わせることにより、電線の配線情報用表示タグとして電線Wに装着することができる(図1の二点鎖線、図2(B))。なお、このようにして電線Wに装着した主シートSa 、副シートSb は、主シートSa の裏面側の感圧性接着剤Nを介して電線Wの被覆に接着するから、電線W上の一定位置に固定され、電線Wの長手方向に不用意に移動するおそれがない。また、電線W上の主シートSa 、副シートSb は、電線Wの配線が完了すると、主シートSa が内側になるように手指で折り曲げ(図2(C)の矢印方向)、そのまま主シートSa 側に引くことにより(同図(D)の矢印方向)、外側の副シートSb を破断して主シートSa とともに電線Wから一挙に取り外し、廃棄することができる。
【0020】
配線情報Wa を印字する前のブランクの主シートSa は、感圧性接着剤Nを介して搬送用のキャリヤテープC上に整然と一列に等ピッチに貼り付け、ロール状に巻き上げて準備することができる(図2(E))。また、主シートSa は、キャリヤテープCを巻きほどき、図示しないガイド上に沿って間欠的に進行させるとともに(図2(F)の矢印C1 方向)、図示しない印字ユニットにより必要な配線情報Wa を印字する(同図の矢印C2 位置)。その後、図示しない吸着パッドを上面から押し当てて吸着パッドに吸着させ(同図の矢印C3 位置)、吸着パッドとともに前進させてキャリヤテープCを下向きに鋭角に屈曲させると、主シートSa をキャリヤテープCから容易に剥離して吸着パッドとともに主シートSa だけを電線Wに対する装着位置にまで搬送することができる(同図の矢印C4 方向)。
【0021】
なお、副シートSb も、全く同様に取り扱うことができる。ただし、副シートSb は、配線情報Wa を印字する必要がない。すなわち、主シートSa 、副シートSb は、それぞれを1枚ずつ互いに同期させて電線Wに対する装着位置にまで搬送し、一体に貼り合わせて電線Wに装着すればよい。
【0022】
電線の配線情報用表示タグの装着装置は、主シートSa 用、副シートSb 用の左右一対の対称形の開閉アーム11、11を備えてなる(図3、図4)。ただし、図4は、副シートSb 用の開閉アーム11を図示しているが、主シートSa の開閉アーム11も、同様に構成されている。
【0023】
各開閉アーム11の先端部は、後方に部分的に幅広に拡幅されており、拡幅部分の下面には、開閉アーム11を横切る溝11aが形成されている。また、拡幅部分の下面後半部には、主シートSa または副シートSb を吸着させる吸着パッド12、12が溝11aの両側に装着されており、上面には、各吸着パッド12に対応するコネクタ12a、12aが搭載されている。開閉アーム11の拡幅部分内には、各コネクタ12aに連通する盲栓12c付きのヘッダ穴12b、12bが形成されており、各ヘッダ穴12bには、吸着パッド12の下面にまで到達する小孔12d、12d…が連通して形成されている。なお、各吸着パッド12は、たとえばシリコーンゴムのような適度の弾性体により形成されており、各コネクタ12aは、図示しない負圧源に接続されている。
【0024】
そこで、主シートSa 、副シートSb は、それぞれ対応する開閉アーム11の溝11aを横切るようにして吸着パッド12、12の下面に吸着させて保持することができる。なお、各開閉アーム11上のコネクタ12a、12aの間には、溝11aの天面に開口する孔11eを介して光センサ11dが装着されており、光センサ11dは、吸着パッド12、12に吸着される主シートSa または副シートSb を検出することができる。
【0025】
開閉アーム11、11は、共通のエア駆動のアクチュエータ13によって開閉することができる(図3、図5)。すなわち、開閉アーム11、11は、水平に180°に開いて主シートSa 、副シートSb を吸着するとともに(図3、図5の実線)、アクチュエータ13を介して下向きに閉じ(図3の矢印方向、図5の二点鎖線、一点鎖線)、電線Wを挟むようにして主シートSa 、副シートSb を一体に貼り合わせて電線Wに装着することができる。ただし、端末処理済みの電線Wは、開閉アーム11、11の下側に向けて平行移動するガイドロッドWb を介して開閉アーム11、11の下方の適位置に供給されるものとし(図3の実線、二点鎖線)、開閉アーム11、11を閉じると、各吸着パッド12、12の間の溝11a、11aが形成する四角いエリア11bに収納されるものとする。なお、アクチュエータ13には、開閉アーム11、11を180°に開くときの開放限を規定するために、ストッパ11c、11cが付設されている。
【0026】
開閉アーム11、11の前後には、各一対の開閉ガイド14、14が組み付けられている。各組の開閉ガイド14、14の基部は、開閉アーム11、11に回転自在に連結され、先端部は、互いにクロスして回転自在に連結されている。そこで、開閉ガイド14、14は、開閉アーム11、11を閉じるとともに下向きの先端部が閉じながら下降し(図5の二点鎖線、一点鎖線)、ガイドロッドWb とともに電線Wをエリア11b内に正しくガイドすることができる。
【0027】
アクチュエータ13は、一方の側面に付設するスライダ16と、スライダ16に組み合わせるスライドレール16aとを介し、移動ベース17の下端に前後動自在に組み付けられている(図5、図6)。また、アクチュエータ13には、スライダ16、スライドレール16aと平行なラック15が付設され、ラック15には、移動ベース17上のモータ15bの軸端のピニオン15aが噛合している。
【0028】
一方、移動ベース17の背面側には、スライダ17aが固定されており、スライダ17aは、固定ベース18上の上下方向のスライドレール17bと組み合わされている。また、固定ベース18上には、ブラケット19aを介し、ダブルロッドのエアシリンダ19が上下方向に搭載されており、エアシリンダ19の下向きのロッドは、ブラケット19aに連結され、上向きのロッドは、ブラケット19bを介して移動ベース17に連結されている。そこで、アクチュエータ13に連結する開閉アーム11、11は、エアシリンダ19を介して上下に3段階に駆動することができ、モータ15bを介し、前後に任意に移動させることができる。ただし、図6の細線で示す開閉アーム11、吸着パッド12は、その代表的な複数の移動位置を図示している。
【0029】
開閉アーム11、11の後方には、ロール状に巻いた主シートSa 用、副シートSb 用のキャリヤテープC、Cを進行させて鋭角に屈曲させるために、左右一対の船形のガイドブロック21、21が配設されている(図7、図8)。ただし、図7(A)、(B)は、それぞれ側面図、正面図であり、図8は、主シートSa 側のガイドブロック21と、その上方の印字ユニット22とを示す要部拡大斜視図である。
【0030】
ガイドブロック21の前端には、キャリヤテープCを下向きに鋭角に屈曲させるために、左右のブラケット21a、21aを介してロッド21bが回転自在に装着されている。また、印字ユニット22は、保護カバー22aによって保護されており、後方のプレッシャローラ22bとともに、スライダ22d、スライドレール22eを介して上下動可能な移動ブラケット22cに搭載されている。移動ブラケット22cには、補助ブラケット23aが付設されており、固定ベース23bに下向きに固定するキャッチ23に補助ブラケット23aを係脱させることにより、移動ブラケット22c上の印字ユニット22を上方の待機位置(図7(A)の実線)と、ガイドブロック21上においてキャリヤテープC上の主シートSa に所定の配線情報Wa を印字させる作動位置(同図の二点鎖線)との間に手動移動させることができる。
【0031】
なお、印字ユニット22を作動位置にすると、プレッシャローラ22bは、移動ブラケット22cを下向きに付勢するばね22fを介してガイドブロック21上のキャリヤテープCに押し付けられる。ただし、副シートSb 側の移動ブラケット22cは、印字ユニット22が省略されている。また、主シートSa 側、副シートSb 側の各移動ブラケット22cには、ガイドブロック21上を進行するキャリヤテープC上の主シートSa または副シートSb を検出するために、光センサ22gが組み付けられている。
【0032】
そこで、主シートSa 側、副シートSb 側の各キャリヤテープCは、供給ローラ25を介して対応するガイドブロック21の上面に後方側から供給され、ガイドブロック21の前端においてロッド21bを介して下向きに鋭角に屈曲し、図示しない巻取ローラに巻き取ることができる。また、キャリヤテープC上の主シートSa または副シートSb は、それぞれ対応する光センサ22gによって検出され、したがって、印字ユニット22を介し、主シートSa 上に配線情報Wa を正しく印字することができる。ただし、主シートSa 用、副シートSb 用のキャリヤテープC、Cは、互いに同期させ、主シートSa 、副シートSb の1ピッチずつをガイドブロック21上に間欠的に進行させるものとする。
【0033】
ガイドブロック21、21の下側には、板状の除去部材31が配設されている(図7、図9)。除去部材31の前端は、フォーク状に分岐して上向きに屈曲する爪31a、31aが形成されており、後端の連結片31bは、後向きのエアシリンダ31cのロッドに連結されている。なお、エアシリンダ31cは、ブラケット31eを介して固定のベース板31d上に搭載されている。
【0034】
爪31a、31aは、左右のガイドブロック21、21の前方に上向きに突出しており(図7、図8)、各ガイドブロック21の下面には、爪31aに対応する上向きの爪32aを有する補助材32が固定されている。そこで、エアシリンダ31cを伸縮させて除去部材31を前後に駆動すると、爪31a、31aは、それぞれガイドブロック21の前方において、補助材32の爪32aに密着する挟み位置(図7(A)の実線、図8)と、爪32aの前方に離れる待機位置(図7(A)の二点鎖線)との間に前後動させることができる。ただし、除去部材31の前部は、左右の長孔31f、31fに各ガイドブロック21の下面のガイドピン21c、21cを挿通させてガイドされており(図9)、除去部材31の後部は、除去部材31上のスライダ31hとベース板31dの下面のスライドレール31gとを組み合わせることによってガイドされている(図7)。
【0035】
かかる電線の配線情報用表示タグの装着装置の作動は、次のとおりである。
【0036】
まず、開閉アーム11、11を180°に開いて、印字ユニット22の直近前方のガイ
21上を進行するキャリヤテープC、C上の主シートSa 、副シートSb の各1ピッチ相当だけ印字ユニット22の前方の位置である。また、このときの除去部材31は、待機位置に待機させる。
【0037】
一方、図示しない電線供給装置からの信号に基づき、印字ユニット22は、ガイドロッドWb を介して開閉アーム11、11の前方に順に供給される電線W、W…の配線情報Wa 、Wa …をキャリヤテープC上の主シートSa 、Sa …上に順に印字するから、それに合わせて、主シートSa 用、副シートSb 用のキャリヤテープC、Cを1ピッチずつ同期させて間欠的に前進させる。そこで、印字ユニット22と電線供給装置との作動タイミングを同期させることにより、準備位置の開閉アーム11、11の直下の主シートSa に印字されている配線情報Wa と、現に開閉アーム11、11の前方に供給される電線Wとの対応関係を適合させることができる。
【0038】
配線情報Wa を印字した主シートSa と、それに対応する副シートSb とが準備位置の
こで、開閉アーム11、11は、それぞれの先端部の吸着パッド12、12を介し、ガイドブロック21、21上の主シートSa 、副シートSb を吸着して保持することができる。なお、各吸着パッド12の下面には、図示しない負圧源からの負圧を作用させるものとする。
【0039】
つづいて、主シートSa 、副シートSb が1ピッチ相当だけ前進すると、それと同期して開閉アーム11、11をガイドブロック21、21の前端の剥離位置にまで前進させる
対応するガイドブロック21の前端のロッド21bを介して鋭角に屈曲するから、開閉アーム11、11に吸着して保持されている主シートSa 、副シートSb は、対応するキャリヤテープCから容易に剥がすことができる。そこで、開閉アーム11、11は、剥離位置に留まることなく、さらに斜め上向きに前進することにより、キャリヤテープC、Cから剥がした主シートSa 、副シートSb を保持して、除去部材31の爪31a、31aの
シートSb を装着すべき電線Wは、ガイドロッドWb を介して開閉アーム11、11の下方の適位置に供給される(図10の実線、二点鎖線)。
【0040】
と(図10の一点鎖線)、電線Wを挟むようにして主シートSa 、副シートSb を貼り合わせ、電線Wに装着することができる。そこで、各吸着パッド12に対する負圧を停止し
b の進出を待ち、以下同様の装着動作を繰り返せばよい。
【0041】
以上の一連の動作において、電線Wに対する主シートSa 、副シートSb の装着に失敗すると、吸着パッド12、12の下面に主シートSa または副シートSb が付着したまま開閉アーム11、11が準備位置に復帰する。そこで、開閉アーム11、11上の光センサ11d、11dにより装着に失敗した主シートSa または副シートSb が検出されると、開閉アーム11、11は、除去部材31の爪31a、31aの上方の除去用の待機位置
きの除去部材31は、その待機位置にあり、爪31a、31aが補助材32、32の爪32a、32aに対して十分に開いている(図11の二点鎖線)。
【0042】
位置に後退させて爪31a、31aを爪32a、32aに密着させると(図11の二点鎖線、実線)、各組の吸着パッド12、12の下面の主シートSa または副シートSb を爪31a、32aの間に折り縮めるようにして挟み込み、吸着パッド12、12の下面から機械的に除去することができる。なお、このときの各組の爪31a、32aは、各開閉アーム11の吸着パッド12、12の間の溝11aに対応するものとし、爪31aの上端は、溝11a内を開閉アーム11の前方から後方に通り抜けるものとする。したがって、そ
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】使用状態斜視図
【図2】使用状態説明図
【図3】要部拡大斜視図(1)
【図4】図3のX−X線矢視相当拡大断面図
【図5】要部正面図
【図6】図5のY矢視相当側面図
【図7】要部構成説明図
【図8】要部拡大斜視図(2)
【図9】要部拡大斜視図(3)
【図10】動作説明図(1)
【図11】動作説明図(2)
【符号の説明】
【0044】
W…電線
Wa …配線情報
Sa …主シート
Sb …副シート
N…感圧性接着剤
11…開閉アーム
14…開閉ガイド
31…除去部材
特許出願人 ライオンパワー株式会社
代理人 弁理士 松 田 忠 秋
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種の自動機械設備や電気制御盤などの内部配線作業を一層容易にすることができる電線の配線情報用表示タグと、その装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の自動機械設備や電気制御盤には、両端を適切に端末処理したビニル被覆電線が多用されている。
【0003】
電線の端末処理は、電線を接続するための圧着端子と、電線の配線記号を表示するチューブ状のマーカとを電線の両端に装着することが必要であり、このような一連の端末処理作業を自動化するための装置も知られている(たとえば特許文献1、2)。
【特許文献1】特開平8−140233号公報
【特許文献2】特開平9−282957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来技術によるときは、各電線の端末には、圧着端子、マーカを装着することができるが、マーカ上には、各電線の配線記号しか表示されていないため、作業者に対する配線作業用の指示情報が十分でなく、配線作業の能率向上に限界があり、誤配線のおそれも少なくないという問題があった。一般に、各電線の配線記号は、電気配線図において指示される電気回路上の記号に過ぎず、各電線の接続先を具体的に指示するものではないからである。
【0005】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、主シート、副シートを組み合わせることによって、各電線の接続先を示す情報(以下、配線情報という)を表示し、配線作業を容易にして高能率化することができる電線の配線情報用表示タグと、その装着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するためのこの出願に係る第1発明(請求項1に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、電線の配線情報を表示する主シートと、主シートと組み合わせる副シートとからなり、主シート、副シートは、電線を挟むようにして一体に貼り合わせることにより電線に装着し、副シートを破断することにより主シートとともに電線から取り外すことをその要旨とする。
【0007】
なお、主シートは、裏面側全面に感圧性接着剤を塗布することができ、副シートは、裏面側両端部に感圧性接着剤を塗布することができる。
【0008】
第2発明(請求項4に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、電線の配線情報用表示タグを構成する主シート、副シートをそれぞれ吸着して保持する左右一対の開閉アームを備えてなり、開閉アームは、電線を挟むようにして閉じることにより、主シート、副シートを一体に貼り合わせて電線に装着することをその要旨とする。
【0009】
なお、開閉アームには、主シート、副シートを貼り合わせるとき、電線を適位置にガイドする開閉ガイドを付設することができる。
【0010】
また、開閉アームに付着する主シート、副シートを除去する除去部材を設けることができる。
【発明の効果】
【0011】
かかる第1発明の構成によるときは、電線の配線情報を表示する主シートは、副シートと一体に貼り合わせることにより電線に装着されている。そこで、作業者は、配線情報の指示に従って電線を容易に正しい接続先に接続することができ、接続先を見出すために過大な時間を要したり、誤配線をしたりする機会を最少にすることができる。また、主シート、副シートは、電線の接続が完了したら、副シートを破断することにより、主シートとともに一挙に電線から取り外して廃棄すればよい。
【0012】
主シートは、裏面側全面に感圧性接着剤を塗布することにより、搬送用のキャリヤテープ上に整然と整列して搬送し、印字ユニットにより必要な配線情報を印字して表示するとともに、電線を挟んで副シートと貼り合わせると、中央部が電線の被覆に接着するため、電線の長手方向に不用意に移動することがない。一方、副シートは、裏面側両端部に感圧性接着剤を塗布することにより、同様に、搬送用のキャリヤテープ上に整列して搬送することができ、破断の際に、主シートを内側にして折り曲げても、電線の被覆に過大に強力に接着してしまうおそれがない。なお、印字ユニットによる印字動作に支障がない限り、感圧性接着剤は、主シートの裏面側両端部に塗布し、副シートの裏面側全面に塗布することも可能であり、このときは、主シート側を破断して電線から一挙に取り外すことができる。
【0013】
第2発明の構成によるときは、左右一対の開閉アームは、たとえば180°に開いてそれぞれの先端部下面に主シート、副シートを吸着して保持し、電線を挟むようにして下方に閉じることにより、主シート、副シートを一体に貼り合わせて電線に装着し、主シート上の配線情報を介して電線の接続先を作業者に具体的に指示することができる。ただし、開閉アームは、たとえば、180°に開いてキャリヤテープ上の主シート、副シートを吸着する吸着位置、キャリヤシートの進行とともに前進して主シート、副シートをキャリヤテープから剥がし取る剥離位置、さらに斜め上向きに前進して電線の上方に待機する待機位置、下方の電線に向けて下向きに閉じ、主シート、副シートを電線に装着する装着位置の間を可逆的に移動するように、前後方向、上下方向に駆動するものとする。
【0014】
開閉アームに付設する開閉ガイドは、開閉アームを閉じるとき、電線を適位置にガイドし、主シート、副シートを正しく電線に装着させる。また、除去部材は、主シート、副シートの一方または双方が電線に装着できなかった場合、開閉アームに付着したままの主シート、副シートを開閉アームから機械的に除去することにより、次の主シート、副シートを開閉アームに支障なく吸着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0016】
電線の配線情報用表示タグは、主シートSa 、副シートSb からなる(図1)。
【0017】
電線Wは、たとえばビニル被覆電線である。電線Wは、たとえば配線記号Ma を表示するチューブ状のマーカMと、絶縁シースT1 付きの圧着端子Tとを各端末に取り付けて端末処理がなされている。
【0018】
主シートSa は、たとえば紙製であって、表面には、電線Wの一端の配線情報Wa が印字されて表示されている。ただし、図示の配線情報Wa =AB01D02は、たとえば器具番号AB01の端子D02に電線Wを接続すべきことを示している。なお、配線情報Wa は、作業者に対する配線作業用の指示情報であるから、他の任意の表示形式に変更することができる。また、副シートSb は、主シートSa と同形同大の紙製である。
【0019】
主シートSa の裏面側全面には、感圧性接着剤Nが塗布されている(図2(A))。また、副シートSb の裏面側両端部には、それぞれ感圧性接着剤Nが塗布されている(同図)。そこで、主シートSa 、副シートSb は、電線Wを挟むようにして一体に貼り合わせることにより、電線の配線情報用表示タグとして電線Wに装着することができる(図1の二点鎖線、図2(B))。なお、このようにして電線Wに装着した主シートSa 、副シートSb は、主シートSa の裏面側の感圧性接着剤Nを介して電線Wの被覆に接着するから、電線W上の一定位置に固定され、電線Wの長手方向に不用意に移動するおそれがない。また、電線W上の主シートSa 、副シートSb は、電線Wの配線が完了すると、主シートSa が内側になるように手指で折り曲げ(図2(C)の矢印方向)、そのまま主シートSa 側に引くことにより(同図(D)の矢印方向)、外側の副シートSb を破断して主シートSa とともに電線Wから一挙に取り外し、廃棄することができる。
【0020】
配線情報Wa を印字する前のブランクの主シートSa は、感圧性接着剤Nを介して搬送用のキャリヤテープC上に整然と一列に等ピッチに貼り付け、ロール状に巻き上げて準備することができる(図2(E))。また、主シートSa は、キャリヤテープCを巻きほどき、図示しないガイド上に沿って間欠的に進行させるとともに(図2(F)の矢印C1 方向)、図示しない印字ユニットにより必要な配線情報Wa を印字する(同図の矢印C2 位置)。その後、図示しない吸着パッドを上面から押し当てて吸着パッドに吸着させ(同図の矢印C3 位置)、吸着パッドとともに前進させてキャリヤテープCを下向きに鋭角に屈曲させると、主シートSa をキャリヤテープCから容易に剥離して吸着パッドとともに主シートSa だけを電線Wに対する装着位置にまで搬送することができる(同図の矢印C4 方向)。
【0021】
なお、副シートSb も、全く同様に取り扱うことができる。ただし、副シートSb は、配線情報Wa を印字する必要がない。すなわち、主シートSa 、副シートSb は、それぞれを1枚ずつ互いに同期させて電線Wに対する装着位置にまで搬送し、一体に貼り合わせて電線Wに装着すればよい。
【0022】
電線の配線情報用表示タグの装着装置は、主シートSa 用、副シートSb 用の左右一対の対称形の開閉アーム11、11を備えてなる(図3、図4)。ただし、図4は、副シートSb 用の開閉アーム11を図示しているが、主シートSa の開閉アーム11も、同様に構成されている。
【0023】
各開閉アーム11の先端部は、後方に部分的に幅広に拡幅されており、拡幅部分の下面には、開閉アーム11を横切る溝11aが形成されている。また、拡幅部分の下面後半部には、主シートSa または副シートSb を吸着させる吸着パッド12、12が溝11aの両側に装着されており、上面には、各吸着パッド12に対応するコネクタ12a、12aが搭載されている。開閉アーム11の拡幅部分内には、各コネクタ12aに連通する盲栓12c付きのヘッダ穴12b、12bが形成されており、各ヘッダ穴12bには、吸着パッド12の下面にまで到達する小孔12d、12d…が連通して形成されている。なお、各吸着パッド12は、たとえばシリコーンゴムのような適度の弾性体により形成されており、各コネクタ12aは、図示しない負圧源に接続されている。
【0024】
そこで、主シートSa 、副シートSb は、それぞれ対応する開閉アーム11の溝11aを横切るようにして吸着パッド12、12の下面に吸着させて保持することができる。なお、各開閉アーム11上のコネクタ12a、12aの間には、溝11aの天面に開口する孔11eを介して光センサ11dが装着されており、光センサ11dは、吸着パッド12、12に吸着される主シートSa または副シートSb を検出することができる。
【0025】
開閉アーム11、11は、共通のエア駆動のアクチュエータ13によって開閉することができる(図3、図5)。すなわち、開閉アーム11、11は、水平に180°に開いて主シートSa 、副シートSb を吸着するとともに(図3、図5の実線)、アクチュエータ13を介して下向きに閉じ(図3の矢印方向、図5の二点鎖線、一点鎖線)、電線Wを挟むようにして主シートSa 、副シートSb を一体に貼り合わせて電線Wに装着することができる。ただし、端末処理済みの電線Wは、開閉アーム11、11の下側に向けて平行移動するガイドロッドWb を介して開閉アーム11、11の下方の適位置に供給されるものとし(図3の実線、二点鎖線)、開閉アーム11、11を閉じると、各吸着パッド12、12の間の溝11a、11aが形成する四角いエリア11bに収納されるものとする。なお、アクチュエータ13には、開閉アーム11、11を180°に開くときの開放限を規定するために、ストッパ11c、11cが付設されている。
【0026】
開閉アーム11、11の前後には、各一対の開閉ガイド14、14が組み付けられている。各組の開閉ガイド14、14の基部は、開閉アーム11、11に回転自在に連結され、先端部は、互いにクロスして回転自在に連結されている。そこで、開閉ガイド14、14は、開閉アーム11、11を閉じるとともに下向きの先端部が閉じながら下降し(図5の二点鎖線、一点鎖線)、ガイドロッドWb とともに電線Wをエリア11b内に正しくガイドすることができる。
【0027】
アクチュエータ13は、一方の側面に付設するスライダ16と、スライダ16に組み合わせるスライドレール16aとを介し、移動ベース17の下端に前後動自在に組み付けられている(図5、図6)。また、アクチュエータ13には、スライダ16、スライドレール16aと平行なラック15が付設され、ラック15には、移動ベース17上のモータ15bの軸端のピニオン15aが噛合している。
【0028】
一方、移動ベース17の背面側には、スライダ17aが固定されており、スライダ17aは、固定ベース18上の上下方向のスライドレール17bと組み合わされている。また、固定ベース18上には、ブラケット19aを介し、ダブルロッドのエアシリンダ19が上下方向に搭載されており、エアシリンダ19の下向きのロッドは、ブラケット19aに連結され、上向きのロッドは、ブラケット19bを介して移動ベース17に連結されている。そこで、アクチュエータ13に連結する開閉アーム11、11は、エアシリンダ19を介して上下に3段階に駆動することができ、モータ15bを介し、前後に任意に移動させることができる。ただし、図6の細線で示す開閉アーム11、吸着パッド12は、その代表的な複数の移動位置を図示している。
【0029】
開閉アーム11、11の後方には、ロール状に巻いた主シートSa 用、副シートSb 用のキャリヤテープC、Cを進行させて鋭角に屈曲させるために、左右一対の船形のガイドブロック21、21が配設されている(図7、図8)。ただし、図7(A)、(B)は、それぞれ側面図、正面図であり、図8は、主シートSa 側のガイドブロック21と、その上方の印字ユニット22とを示す要部拡大斜視図である。
【0030】
ガイドブロック21の前端には、キャリヤテープCを下向きに鋭角に屈曲させるために、左右のブラケット21a、21aを介してロッド21bが回転自在に装着されている。また、印字ユニット22は、保護カバー22aによって保護されており、後方のプレッシャローラ22bとともに、スライダ22d、スライドレール22eを介して上下動可能な移動ブラケット22cに搭載されている。移動ブラケット22cには、補助ブラケット23aが付設されており、固定ベース23bに下向きに固定するキャッチ23に補助ブラケット23aを係脱させることにより、移動ブラケット22c上の印字ユニット22を上方の待機位置(図7(A)の実線)と、ガイドブロック21上においてキャリヤテープC上の主シートSa に所定の配線情報Wa を印字させる作動位置(同図の二点鎖線)との間に手動移動させることができる。
【0031】
なお、印字ユニット22を作動位置にすると、プレッシャローラ22bは、移動ブラケット22cを下向きに付勢するばね22fを介してガイドブロック21上のキャリヤテープCに押し付けられる。ただし、副シートSb 側の移動ブラケット22cは、印字ユニット22が省略されている。また、主シートSa 側、副シートSb 側の各移動ブラケット22cには、ガイドブロック21上を進行するキャリヤテープC上の主シートSa または副シートSb を検出するために、光センサ22gが組み付けられている。
【0032】
そこで、主シートSa 側、副シートSb 側の各キャリヤテープCは、供給ローラ25を介して対応するガイドブロック21の上面に後方側から供給され、ガイドブロック21の前端においてロッド21bを介して下向きに鋭角に屈曲し、図示しない巻取ローラに巻き取ることができる。また、キャリヤテープC上の主シートSa または副シートSb は、それぞれ対応する光センサ22gによって検出され、したがって、印字ユニット22を介し、主シートSa 上に配線情報Wa を正しく印字することができる。ただし、主シートSa 用、副シートSb 用のキャリヤテープC、Cは、互いに同期させ、主シートSa 、副シートSb の1ピッチずつをガイドブロック21上に間欠的に進行させるものとする。
【0033】
ガイドブロック21、21の下側には、板状の除去部材31が配設されている(図7、図9)。除去部材31の前端は、フォーク状に分岐して上向きに屈曲する爪31a、31aが形成されており、後端の連結片31bは、後向きのエアシリンダ31cのロッドに連結されている。なお、エアシリンダ31cは、ブラケット31eを介して固定のベース板31d上に搭載されている。
【0034】
爪31a、31aは、左右のガイドブロック21、21の前方に上向きに突出しており(図7、図8)、各ガイドブロック21の下面には、爪31aに対応する上向きの爪32aを有する補助材32が固定されている。そこで、エアシリンダ31cを伸縮させて除去部材31を前後に駆動すると、爪31a、31aは、それぞれガイドブロック21の前方において、補助材32の爪32aに密着する挟み位置(図7(A)の実線、図8)と、爪32aの前方に離れる待機位置(図7(A)の二点鎖線)との間に前後動させることができる。ただし、除去部材31の前部は、左右の長孔31f、31fに各ガイドブロック21の下面のガイドピン21c、21cを挿通させてガイドされており(図9)、除去部材31の後部は、除去部材31上のスライダ31hとベース板31dの下面のスライドレール31gとを組み合わせることによってガイドされている(図7)。
【0035】
かかる電線の配線情報用表示タグの装着装置の作動は、次のとおりである。
【0036】
まず、開閉アーム11、11を180°に開いて、印字ユニット22の直近前方のガイ
21上を進行するキャリヤテープC、C上の主シートSa 、副シートSb の各1ピッチ相当だけ印字ユニット22の前方の位置である。また、このときの除去部材31は、待機位置に待機させる。
【0037】
一方、図示しない電線供給装置からの信号に基づき、印字ユニット22は、ガイドロッドWb を介して開閉アーム11、11の前方に順に供給される電線W、W…の配線情報Wa 、Wa …をキャリヤテープC上の主シートSa 、Sa …上に順に印字するから、それに合わせて、主シートSa 用、副シートSb 用のキャリヤテープC、Cを1ピッチずつ同期させて間欠的に前進させる。そこで、印字ユニット22と電線供給装置との作動タイミングを同期させることにより、準備位置の開閉アーム11、11の直下の主シートSa に印字されている配線情報Wa と、現に開閉アーム11、11の前方に供給される電線Wとの対応関係を適合させることができる。
【0038】
配線情報Wa を印字した主シートSa と、それに対応する副シートSb とが準備位置の
こで、開閉アーム11、11は、それぞれの先端部の吸着パッド12、12を介し、ガイドブロック21、21上の主シートSa 、副シートSb を吸着して保持することができる。なお、各吸着パッド12の下面には、図示しない負圧源からの負圧を作用させるものとする。
【0039】
つづいて、主シートSa 、副シートSb が1ピッチ相当だけ前進すると、それと同期して開閉アーム11、11をガイドブロック21、21の前端の剥離位置にまで前進させる
対応するガイドブロック21の前端のロッド21bを介して鋭角に屈曲するから、開閉アーム11、11に吸着して保持されている主シートSa 、副シートSb は、対応するキャリヤテープCから容易に剥がすことができる。そこで、開閉アーム11、11は、剥離位置に留まることなく、さらに斜め上向きに前進することにより、キャリヤテープC、Cから剥がした主シートSa 、副シートSb を保持して、除去部材31の爪31a、31aの
シートSb を装着すべき電線Wは、ガイドロッドWb を介して開閉アーム11、11の下方の適位置に供給される(図10の実線、二点鎖線)。
【0040】
と(図10の一点鎖線)、電線Wを挟むようにして主シートSa 、副シートSb を貼り合わせ、電線Wに装着することができる。そこで、各吸着パッド12に対する負圧を停止し
b の進出を待ち、以下同様の装着動作を繰り返せばよい。
【0041】
以上の一連の動作において、電線Wに対する主シートSa 、副シートSb の装着に失敗すると、吸着パッド12、12の下面に主シートSa または副シートSb が付着したまま開閉アーム11、11が準備位置に復帰する。そこで、開閉アーム11、11上の光センサ11d、11dにより装着に失敗した主シートSa または副シートSb が検出されると、開閉アーム11、11は、除去部材31の爪31a、31aの上方の除去用の待機位置
きの除去部材31は、その待機位置にあり、爪31a、31aが補助材32、32の爪32a、32aに対して十分に開いている(図11の二点鎖線)。
【0042】
位置に後退させて爪31a、31aを爪32a、32aに密着させると(図11の二点鎖線、実線)、各組の吸着パッド12、12の下面の主シートSa または副シートSb を爪31a、32aの間に折り縮めるようにして挟み込み、吸着パッド12、12の下面から機械的に除去することができる。なお、このときの各組の爪31a、32aは、各開閉アーム11の吸着パッド12、12の間の溝11aに対応するものとし、爪31aの上端は、溝11a内を開閉アーム11の前方から後方に通り抜けるものとする。したがって、そ
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】使用状態斜視図
【図2】使用状態説明図
【図3】要部拡大斜視図(1)
【図4】図3のX−X線矢視相当拡大断面図
【図5】要部正面図
【図6】図5のY矢視相当側面図
【図7】要部構成説明図
【図8】要部拡大斜視図(2)
【図9】要部拡大斜視図(3)
【図10】動作説明図(1)
【図11】動作説明図(2)
【符号の説明】
【0044】
W…電線
Wa …配線情報
Sa …主シート
Sb …副シート
N…感圧性接着剤
11…開閉アーム
14…開閉ガイド
31…除去部材
特許出願人 ライオンパワー株式会社
代理人 弁理士 松 田 忠 秋
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の配線情報を表示する主シートと、該主シートと組み合わせる副シートとからなり、前記主シート、副シートは、電線を挟むようにして一体に貼り合わせることにより電線に装着し、前記副シートを破断することにより前記主シートとともに電線から取り外すことを特徴とする電線の配線情報用表示タグ。
【請求項2】
前記主シートは、裏面側全面に感圧性接着剤を塗布することを特徴とする請求項1記載の電線の配線情報用表示タグ。
【請求項3】
前記副シートは、裏面側両端部に感圧性接着剤を塗布することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電線の配線情報用表示タグ。
【請求項4】
電線の配線情報用表示タグを構成する主シート、副シートをそれぞれ吸着して保持する左右一対の開閉アームを備えてなり、該開閉アームは、電線を挟むようにして閉じることにより、主シート、副シートを一体に貼り合わせて電線に装着することを特徴とする電線の配線情報用表示タグの装着装置。
【請求項5】
前記開閉アームには、主シート、副シートを貼り合わせるとき、電線を適位置にガイドする開閉ガイドを付設することを特徴とする請求項4記載の電線の配線情報用表示タグの装着装置。
【請求項6】
前記開閉アームに付着する主シート、副シートを除去する除去部材を設けることを特徴とする請求項4または請求項5記載の電線の配線情報用表示タグの装着装置。
【請求項1】
電線の配線情報を表示する主シートと、該主シートと組み合わせる副シートとからなり、前記主シート、副シートは、電線を挟むようにして一体に貼り合わせることにより電線に装着し、前記副シートを破断することにより前記主シートとともに電線から取り外すことを特徴とする電線の配線情報用表示タグ。
【請求項2】
前記主シートは、裏面側全面に感圧性接着剤を塗布することを特徴とする請求項1記載の電線の配線情報用表示タグ。
【請求項3】
前記副シートは、裏面側両端部に感圧性接着剤を塗布することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電線の配線情報用表示タグ。
【請求項4】
電線の配線情報用表示タグを構成する主シート、副シートをそれぞれ吸着して保持する左右一対の開閉アームを備えてなり、該開閉アームは、電線を挟むようにして閉じることにより、主シート、副シートを一体に貼り合わせて電線に装着することを特徴とする電線の配線情報用表示タグの装着装置。
【請求項5】
前記開閉アームには、主シート、副シートを貼り合わせるとき、電線を適位置にガイドする開閉ガイドを付設することを特徴とする請求項4記載の電線の配線情報用表示タグの装着装置。
【請求項6】
前記開閉アームに付着する主シート、副シートを除去する除去部材を設けることを特徴とする請求項4または請求項5記載の電線の配線情報用表示タグの装着装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−196399(P2006−196399A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−9026(P2005−9026)
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(000115430)ライオンパワー株式会社 (3)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(000115430)ライオンパワー株式会社 (3)
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