説明

電線用動物忌避器具

【課題】効果的に動物を忌避することのできる電線用動物忌避器具であって、取り付ける電線の形状や設置環境を選ばず、簡便に設置・交換を行うことのできる構成を提供する。
【解決手段】電線上に動物が乗ることを防ぐ電線用動物忌避器具1であって、電線の長手方向と略並行に設置する棒状の横架基部2と、該横架基部から、少なくとも3方向以上の放射状に突出すると同時に、長手方向に略均等な間隔で直列した針状突起部21と、該横架基部の一端に第1連結部3、他端に第2連結部4とを備え、2方向の針状突起部の列が電線を挟んで該横架基部を安定的に保持し、該第1連結部には他の同器具の第2連結部から突出した針状突起部を貫通させる貫通孔31と、その貫通させる向きと反対方向に突出した嵌合凸部32とを備え、第2連結部には他の電線用動物忌避器具の第1連結部から突出した嵌合凸部を嵌合させるための嵌合孔41を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線やその周辺設備上に鳥や鼠などの動物が乗ることを防ぐ電線用動物忌避器具に関し、特に電線に設置して針状の突起により動物が近づくことを防ぐ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
電力の送電線や、電話線、ケーブルテレビの信号線など、様々な架空電線が屋外に配線されている。これらの電線にカラスや鳩、ムクドリなどの多数の鳥類が飛来して停留したり、鼠やリス、イタチなどの小動物が乗ることで様々な弊害が生じている。
例えば、動物の糞が電線の表面に付着して劣化したり、爪によって傷が付くことがある。また、動物が囓ったり、体で短絡する事故の原因にもなる。さらに、動物の糞が落下して周辺住民に迷惑となっている。そこで、これらの動物を電線に寄せ付けないための技術が開発されている。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、帯状のベルト部の一面に突起を植設し、ベルト部の一端にノッチ部を備えると共に、他端にはノッチ部と係止したときにその係止が外れないように外れ防止のための爪を備えたブレーキ部を備えた鳥害防止具を開示している。
本文献の発明は、取付に手間がかからないこと、取り付ける対象が限定されないことの他、電線から外れたときに送電事故や被害を与えないことを目的としたものである。
【0004】
本文献発明の構成は、帯状のベルト部を非常に多く電線に設置する必要があるため、設置や交換に係る作業性が悪い。また、複雑な構造を持つ鳥害防止具を多数製造しなければならないので製造コストが高くなる問題がある。
【0005】
特許文献2に記載の発明は、螺旋状のテープ本体と、このテープ本体の外周面に突出して設けられた針状突起とを備え、テープ本体を電線等の長尺状体に巻き付けて装着するようにした鳥害防止具を提供している。そして、テープ本体の一端に上記の突起を通すことができる貫通穴を形成し、この貫通穴に他のテープ本体の端部に設けられた針状突起を通してテープ本体同士を接続する。
【0006】
本文献発明によれば、多数の鳥害防止具を連続して能率的に電線に装着することができ、脱落の恐れも少ない点、また部品点数が少ない点で優位性のある構成を開示している。一方、テープ本体を電線等に巻き付ける必要があるため、設置時や交換時の工法が限定されること、巻き付ける電線等の断面がほぼ円形でないと巻き付けるのが困難な問題がある。また、テープ本体同士を接続する作業は、電線等への巻き付け後に現場で行う必要があり、1本のテープ本体の長さが短いと接続箇所が多くなる。テープ本体の長さを長くすると、接続箇所は減らせるが、無駄に切り落とさなければならない部分が多くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003-219785号公報
【特許文献2】実用新案登録第3137047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、これら従来技術の有する問題を解決するために創出されたものであり、効果的に動物を忌避することのできる電線用動物忌避器具であって、取り付ける電線の形状や設置環境を選ばず、簡便に設置・交換を行うことのできる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は次のような電線用動物忌避器具を提供する。
すなわち、電線上に動物が乗ることを防ぐ電線用動物忌避器具であって、電線の長手方向と略並行に設置する棒状の横架基部と、その横架基部から、少なくとも3方向以上の放射状に突出すると同時に、長手方向に略均等な間隔で直列した針状突起部と、横架基部の一端に第1連結部、他端に第2連結部とを備えて、2方向の針状突起部の列が電線を挟んで該横架基部を安定的に保持する。
【0010】
上記第1連結部には他の電線用動物忌避器具の第2連結部から突出した針状突起部を貫通させる貫通孔と、その貫通させる向きと反対方向に突出した嵌合凸部とを備える一方、第2連結部には他の電線用動物忌避器具の第1連結部から突出した嵌合凸部を嵌合させるための嵌合孔を備える。
これにより、2つの本器具を連結させる際に、針状突起部を貫通孔に貫通させると、それと同時に嵌合凸部が嵌合孔に嵌合して連結することができる。
【0011】
上記の電線用動物忌避器具において、針状突起部の長さが、放射状で隣り合う少なくとも1組の針状突起部を他の針状突起部よりも相対的に長くしてもよい。
【0012】
上記の電線用動物忌避器具において、針状突起部の長手方向の突出位置を、放射状の方向ごとに偏位させてもよい。
【0013】
上記の電線用動物忌避器具において、横架基部の断面形状が針状突起部の突出方向に合わせたリブ形状を成すように形成してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、次のような効果を奏する。
すなわち、第1連結部に針状突起部を貫通させる貫通孔を備えるので、第2連結部にも針状突起部を設けることが可能であり、動物を忌避するのに好適な間隔で針状突起部を配置することができる。また、針状突起部と貫通孔とが嵌合しているため、長手方向の引っ張り・圧縮の力や、ねじり方向の力にも強い耐性を有する。
【0015】
さらに第2連結部の針状突起部を貫通させる向きと反対方向に突出した第1連結部の嵌合凸部は、針状突起部の貫通と同時に嵌合が行えるので、連結作業性が良く、かつ強固な連結を図ることができる。
【0016】
2方向の針状突起部の列が電線を挟む本発明の構成によれば、直列した多数の針状突起部が電線と接する状態となるので、安定的に横架基部を電線上に載置させることができると共に、電線の断面が円形の場合に限らず、角状の場合や、複数の電線を束ねた不定形状の場合にも確実に載置することができる。
【0017】
また、針状突起部の長さを、隣り合う少なくとも1組の列だけ他の針状突起部よりも長くすることにより、電線の径に応じて挟む列を適宜選択することができるようになる。すなわち、小径の電線の場合には、短い針状突起部側で電線を挟むことができるし、大径の電線の場合には、長い針状突起部間で挟むことで安定性の向上に寄与する。
【0018】
複数の電線用動物忌避器具を保管、運搬する際に、長い針状突起部の側を揃えて重ね合わせることにより、十分な長さの針状突起部を備えつつ、少ないスペースでスタックすることができる。
【0019】
針状突起部の長手方向の突出位置を、放射状の方向ごとに偏位させる構成によれば、動物と干渉する針状突起部を効果的に増やすことができる。すなわち、動物と同時に干渉する針状突起部は1列に限らず、隣接する列の針状突起部とも干渉する。そのため、各列を長手方向に偏位させると、ある列の長手方向の間隔が空いていても、すぐ隣の列の針状突起部がその間隔の中に突出しているため、連続した空きスペースが小さくなる。鳥や小動物が空き部分に足を乗せようとしても、体が他の列の針状突起部と干渉しやすくなる。
【0020】
横架基部の断面形状において、放射状のリブを備えることにより、針状突起部と横架基部との接続部の強度を増すことができる他、針状突起部から横架基部の中心に向けて1直線状になるため、電線に載置した際の安定性が向上する。また、本器具を重ね合わせた際にも横架基部同士のスタック性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る電線用動物忌避器具の平面図及び正面図である。
【図2】本器具の右側面断面図である。
【図3】本器具を電線上に設置する様子を示した説明図である。
【図4】本器具をスタックした際の説明図である。
【図5】本器具を連結する際の斜視拡大図である。
【図6】本器具の別実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る電線用動物忌避器具(以下、本器具)である。図1(a)は本器具(1)の平面図、図1(b)は正面図である。図2は、同右側面断面図である。
【0023】
本器具(1)は、電力線や信号線等の電線に鳥類や鼠やリスなどの小動物類が乗るのを防ぐために、電線に直接固定して使用する。また電線に関連する設備、例えば電線を電柱上で碍子を介して支持する腕金などに固定して使用することもできる。
リサイクル性を考慮して単色のポリプロピレンで一体成型しており、装置全体でも電線に負荷がかからないように軽量な構成としている。一体成型により構成することで、部品点数を削減して低コスト化を実現できる他、万一落下した際にも、軽量なため、通行者への人的被害、自動車等への物的被害が生じるのを防ぐことができる。
【0024】
本器具(1)は、電線の長手方向と略平行に設置される棒状の横架基部(2)と、横架基部(2)から四方に針状突起部(21)(22)(23)(24)を多数配設している。
図2の右向き(図1(b)の正面図における奥向き)に相対的に長い針状突起部(21)、上向き(同、上向き)に短い針状突起部(22)、左向き(同、手前向き)に短い針状突起部(23)、下向き(同、下向き)に長い針状突起部(24)を横架基部(2)から放射状に向けている。
【0025】
各針状突起部(21)(22)(23)(24)は、先端に針状部(21a)(22a)(23a)(24a)を備えて、電線に乗ろうとした動物の体に干渉して忌避するように構成している。
【0026】
図1に明らかなように、それぞれの向きの針状突起部は長手方向では略均等な間隔で直列している。図1中では右端部分と左端部分のみ符号を付しているが、例えば図1(a)で左端に設けた上向きの針状突起部(21)から、右端の同針状突起部(21)まではすべて同一構成である。他の針状突起部(22)(23)(24)についても全て同様である。
【0027】
図3に示すように、本器具(1)では2列の針状突起部の間に、取り付ける対象の電線を挟み保持する。各針状突起は電線と平行に直列しているので、多数の針状突起部が電線と接し、電線と安定的に固定することができる。電線への取付方法は任意であるが、針金やベルト体などを用いて横架基部(2)と電線とを巻回する構成が簡便である。
【0028】
上述したように、針状突起部には長い針状突起部(21)(24)と、短い針状突起部(22)(23)との2種類の長さを設けている。これは、様々な電線の断面形状に柔軟に対応することが最大の目的である。例えば図3(a)では、小径の電線(5)に取り付けるために短い針状突起部(22)(23)の間で挟むようにしている。図3(b)では断面の大きな電線(6)を長い針状突起部(21)(24)の間で挟むようにしている。
このように、長短2種類の針状突起部を備えることで、全部の針状突起部を長くするよりも小型にしつつ、様々な大きさの電線に対応させることができる。
【0029】
本発明の利点として、電線の断面形状を問わない点も挙げられる。図3(a)は、従来の同様の器具で想定している円形の断面を有する電線(5)であり、もちろんこのような形状でも問題なく取り付けできる。次に図3(b)は矩形の断面を有する電線(6)の場合である。本実施例のように四方に針状突起部が突出する構成では、矩形の電線とは接触部分がさらに多く、従来の器具よりもはるかに安定的に保持できる。図3(c)はさらに複雑な形状の電線(7)を示しているが、本発明の構成では、平面部分(7a)と針状突起部(24)の列とが当接し、尖った部分の接点(7b)と合わせて電線(7)への取付性は良好である。
【0030】
本実施例では、針状突起部は放射状に四方に突出する構成で説明しているが、本発明の実施においては三方向以上の任意の方向に放射する構成でもよい。例えば図3(d)のように三方の場合には、各針状突起部(25)(26)(27)間の成す角を120度として、その2つの針状突起部(26)(27)間に電線を挟むことができる。図では円形の電線(8)を示しているが、例えば、略六角形状の電線などにおいては、電線への取付性はさらによくなる。このように、取付対象の電線の断面形状に合わせて針状突起部間の角度は任意に設定することができる。
【0031】
針状突起部に長短を設ける構成は、図4のように本器具(1)を重ねた場合のスタック性にも寄与する。図示するように長い針状突起部の間に他の器具(1)の向きを揃えて重ね合わせることで、全部を長い針状突起部にした場合に比して、必要とするスペースを削減することができる。同時に多数の品数を保管、運搬する本器具(1)において、省スペースに構成できる点は特に好ましい。
【0032】
本発明における針状突起部の長さは、隣り合う少なくとも1組の列だけ他の針状突起部よりも長くすることができるが、例えば3方向に針状突起部を突出する場合には、1本だけ短く、他の2本を長くすればよい。4方向の場合には、2本に限らず、3本を長く、1本を短くしてもよい。5方向の場合には、例えば2本を長く、3本を短くしてもよいし、2本を長く、1本を短く、残り2本をその中間の長さとしてもよい。
【0033】
針状突起部の長さは、本実施例において長い方が45mm、短い方が30mmである。本器具(1)が対象とする鳥類や小動物類にはこの程度の長さが最も好適である。なお、針の強度及び忌避効果の点から長針の長さは50mm以下とすることが好ましく、また、長針と短針との差異は15mm以上とすることが好ましい。
【0034】
次に、図1に示すように、本発明では針状突起部(21)(22)(23)(24)の長手方向の突出位置を、放射状の方向ごとに偏位させている。すなわち、例えば針状突起部(21)の突出位置から長手方向左に13mm偏位させた位置から針状突起部(22)が突出し、さらにその13mm偏位させた位置から針状突起部(23)が突出し、さらにその13mm偏位させた位置から針状突起部(24)が突出する。そして、またさらに13mm偏位させた位置から針状突起部(21)が突出する繰り返しとなっている。
このように本実施例ではスパイラル状に針状突起部が突出するような構成とした。
【0035】
本構成によれば、例えば図1(b)で2つの上向きの針状突起部(21)の間に鳥が停留しようとしたときに、手前向きや奥向きの針状突起部(22)(24)が長手方向ではすぐ近い位置に突出しているため、これらと体が干渉して停留しにくくなる。各方向の針状突起部を全て同じ長手方向の位置に配置した場合に比して、同じ本数で忌避効果を高めることができる。
偏位の間隔としては、本実施例の13mm程度が最適であるが、10mmないし25mmの範囲が好適である。
【0036】
図5は、本器具(1)を連結する際の斜視拡大図である。本器具(1)の一端に付設する第1連結部(3)(図1における右端)には他の本器具(1)の第2連結部(4)(図1における左端)から突出した針状突起部(22’)を貫通させる貫通孔(31)と、その貫通させる向きと反対方向に突出した嵌合凸部(32)とを備える。
【0037】
一方、第2連結部(4)には他の本器具(1)の第1連結部(3)から突出した嵌合凸部(32)を嵌合させるための嵌合孔(41)を備える。
図5のように、貫通孔(31)に針状突起部(22’)を通して、第1連結部(3)と第2連結部(4)を連結する際に、嵌合凸部(32)も嵌合孔(41)に嵌入し、第1連結部(3)の下面と第2連結部(4)の上面とが密着することで2つの本器具(1)が連結できる。
【0038】
本構成によれば、連結部位においても針状突起部の間隔を変えずに設けることができるので、本器具(1)の設置範囲について漏れなく忌避効果を奏することができる。そのために、第1連結部(3)からは針状突起部(23’)が、第2連結部(4)から針状突起部(22’)がそれぞれ突出している。
【0039】
上記実施例の連結部位は、貫通孔(31)と嵌合凸部(32)とを連結する向きが針状突起部(22)(24)と同一の方向の例を示したが、例えば45度回転させた状態で連結できるようにしてもよい。すなわち、貫通孔と嵌合凸部(32)の貫通方向、突出方向を針状突起部(21)と針状突起部(24)との中間角度の向きとする。本構成によれば、針状突起部(21)と針状突起部(24)、あるいは針状突起部(22)と針状突起部(23)を、下向き45度に向けて配置する際に、その配置状態で簡便に連結作業を行うことができる。
【0040】
上記では連続する横架基部(2)が直線状に連結される構成であったが、所定の角度だけ屈折して連結させるように構成してもよい。例えば、貫通孔(31)と嵌合凸部(32)とを横架基部(2)の軸線方向と偏位させて配置することで、偏位量に対応する角度、屈折して連結することができる。隣接する本器具(1)と60度の成す角となるように連結できるようにすれば、3つの本器具(1)で三角形状に連結することもできる。同様に連結部の成す角を90度にして4つの本器具(1)から四角形状となるようにする、など任意の多角形になるように連結可能な構成でもよい。
【0041】
最後に、横架基部(2)の断面形状について説明する。
図2に示すように本発明の横架基部(2)の断面形状は針状突起部(21)(22)(23)(24)の突出方向に合わせたリブ(2a)(2b)(2c)(2d)を形成している。
放射状のリブを備えることにより、横架基部(2)全体の強度が高まると共に、針状突起部と横架基部との接続部、例えば針状突起部(21)と横架基部(2)のリブ(2a)が接続する部分の強度を増すことができる。
また、針状突起部(21)(22)(23)(24)から横架基部(2)の中心に向けて1直線状になるため、電線に載置した際の安定性が向上する。図4のように本器具(1)を重ね合わせた際にも横架基部同士のスタック性が向上する。
【0042】
横架基部(2)の断面を中空の環状で構成してもよい。中空とすることで軽量化を図りながら、高い強度を保つことができる。
【0043】
図6は、横架基部の断面形状の別実施例を示す図である。
図6(a)はリブ部(2a)(2c)に所定の間隔で括れ部(50)を設ける構成を示す。この別実施例では針状突起部(22)からそれぞれ90度位相の異なる位置のリブ部(2a)(2c)に、山型の括れ部を軸心方向に向けて形成することにより、該括れ部(50)の位置で横架基部(2)が屈曲しやすく構成している。
本構成によれば、横架基部(2)全体では十分な強度を確保しながら、複数の括れ部(50)で屈曲できるため、電線が湾曲するような場合にも電線に無理なく沿わせることができる。
【0044】
さらに、図6(b)は横架基部を数珠状に形成した別実施例を示す。図示のように扁平な玉部(60)と、玉部間を接続する小径の接続部(61)とから構成され、玉部から針状突起部が各方向に突出すると共に、接続部(61)は可撓性を有するため横架基部全体は柔軟に電線に沿わせることができる。
本実施例も、電線の形状に合わせた設置が行いやすい点に利点がある。
【0045】
本発明は、上記したポリプロピレンの他、任意の材料を用いて構成することができるが、リサイクル性を考慮して、1種の熱可塑性樹脂により成型することが好ましい。すなわち、1種の材料で全体を構成すれば、リサイクル時に分別の必要がなく、リサイクル材を用いて再度成型することもできる。
また、本発明のように断面形状に特徴を持たせたことで、樹脂成型でも十分に強度を確保し、長尺化が可能となった。
【符号の説明】
【0046】
1 電線用動物忌避器具
2 横架基部
3 第1連結部
4 第2連結部
21 針状突起部
22 針状突起部
22’ 針状突起部
23 針状突起部
23’ 針状突起部
24 針状突起部
31 貫通孔
32 嵌合凸部
41 嵌合孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線上に動物が乗ることを防ぐ電線用動物忌避器具であって、
電線の長手方向と略並行に設置する棒状の横架基部と、
該横架基部から、少なくとも3方向以上の放射状に突出すると同時に、長手方向に略均等な間隔で直列した針状突起部と、
該横架基部の一端に第1連結部、他端に第2連結部と
を備えた構成において、
2方向の針状突起部の列が電線を挟んで該横架基部を安定的に保持すると共に、
該第1連結部には他の電線用動物忌避器具の第2連結部から突出した針状突起部を貫通させる貫通孔と、その貫通させる向きと反対方向に突出した嵌合凸部とを備える一方、
該第2連結部には他の電線用動物忌避器具の第1連結部から突出した嵌合凸部を嵌合させるための嵌合孔を備える
ことを特徴とする電線用動物忌避器具。
【請求項2】
前記電線用動物忌避器具において、
前記針状突起部の長さが、
放射状で隣り合う少なくとも1組の針状突起部を他の針状突起部よりも相対的に長くした
請求項1に記載の電線用動物忌避器具。
【請求項3】
前記電線用動物忌避器具において、
前記針状突起部の長手方向の突出位置を、放射状の方向ごとに偏位させた
請求項1又は2に記載の電線用動物忌避器具。
【請求項4】
前記電線用動物忌避器具において、
前記横架基部の断面形状が前記針状突起部の突出方向に合わせたリブ形状を成す
請求項1ないし3のいずれかに記載の電線用動物忌避器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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