説明

電荷貯蔵材料、電極活物質、電極及び電池

【解決手段】下記式(1)で示されるスクアリン酸誘導体からなる電荷貯蔵材料。


(式中、R1〜R4は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数4〜20の1価の複素環基、又は置換基を有してもよい炭素数5〜20の複素環アルキル基を示す。)
【効果】本発明のスクアリン酸誘導体からなる電荷貯蔵材料は、電気化学的安定性が高く、電荷貯蔵材料として有用である。更に、2電子酸化が進行して安定なジカチオンが形成されるために、これを電池の電極活物質として使用した場合、高安定性と高容量化が両立される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクアリン酸誘導体からなる電荷貯蔵材料、該電荷貯蔵材料からなる電極活物質、該電極活物質を含む電極、及び該電極を含む電池に関する。
【背景技術】
【0002】
有機二次電池は、有機電荷貯蔵材料を電極活物質として用いた電池であり、高速充放電、高サイクル性、軽量薄膜、フレキシブル化可能等の特長から、大きな注目を集めている。この有機電荷貯蔵材料としては、ニトロキシラジカル基を含有する化合物がよく用いられるが(非特許文献1,2、特許文献1)、有機硫黄ポリマー(非特許文献3,4)、キノンポリマー(特許文献2)、キノイド系材料(特許文献3〜5)、ジオン系材料(特許文献6)、ルベアン酸系材料(特許文献7)等についても報告がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−117852号公報
【特許文献2】特開2009−217992号公報
【特許文献3】特開2010−44882号公報
【特許文献4】特開2010−55923号公報
【特許文献5】特開2010−80343号公報
【特許文献6】特開2010−212152号公報
【特許文献7】特開2008−147015号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Chem. Phys. Lett., vol. 359, pp. 351-354, 2002
【非特許文献2】Electrochem. Soc. Interface, vol. 14, pp. 32-36, 2005
【非特許文献3】J. Electrochem. Soc., vol. 136, pp. 661-664, 1989
【非特許文献4】Electrochimica Acta, vol. 46, pp. 2305-2312, 2001
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ニトロキシラジカル系電荷貯蔵材料を電極活物質として用いた電池は、無機系電極活物質を用いたそれと比較して容量が大きく劣り、有機硫黄ポリマー等の比較的容量の高い有機電荷貯蔵材料を用いた電池は、サイクル性が低いという課題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高容量、高レート特性及び高サイクル性を有する高性能な電池を作製できるスクアリン酸誘導体からなる電荷貯蔵材料、該電荷貯蔵材料からなる電極活物質、該電極活物質を含む電極、及び該電極を含む電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定構造のスクアリン酸誘導体からなる電荷貯蔵材料を電極活物質として用いた場合、高容量、高レート特性及び高サイクル性を有する高性能な電池を作製できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、
1.下記式(1)で示されるスクアリン酸誘導体からなる電荷貯蔵材料、
【化1】

(式中、R1〜R4は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数4〜20の1価の複素環基、又は置換基を有してもよい炭素数5〜20の複素環アルキル基を示す。)
2.前記R1〜R4が、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基である1の電荷貯蔵材料、
3.前記R1〜R4が、それぞれ独立して、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基又はp−ビフェニリル基、又は下記式(3)で示される基である1又は2の電荷貯蔵材料、
【化2】

(式中、Zは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、各々のアルキル基がそれぞれ独立に炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、グリシドキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニル基、炭素数3〜6のアルケニルカルボニル基、炭素数3〜6のアルキニルカルボニル基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のアルキニルカルボニルオキシ基、炭素数6〜10のアリール基、ハロゲン化アリール基、炭素数3〜10のヘテロアリール基、又はハロゲン化ヘテロアリール基を示す。)
4.前記Zが、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基、各々のアルキル基がそれぞれ独立に炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、及び炭素数6〜10のアリール基から選ばれる電子供与基である3の電荷貯蔵材料、
5.1〜4のいずれかの電荷貯蔵材料からなる電極活物質、
6.5の電極活物質を含む電極、
7.6の電極を含む電池
を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のスクアリン酸誘導体からなる電荷貯蔵材料は、電気化学的安定性が高く、電荷貯蔵材料として有用である。更に、式(1)におけるR1〜R4で示される置換基を適宜選択することによって、2電子酸化が進行して安定なジカチオンが形成されるために、これを電池の電極活物質として使用した場合、高安定性と高容量化が両立される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1で合成した化合物1のサイクリックボルタモグラムである。(a)及び(b)は陽極酸化過程を示す。
【図2】実施例2で合成した化合物2のサイクリックボルタモグラムである。(a)及び(b)は陽極酸化過程を示す。
【図3】実施例3で合成した化合物3のサイクリックボルタモグラムである。(a)及び(b)は陽極酸化過程程を示す。
【図4】実施例4で合成した化合物4のサイクリックボルタモグラムである。(a)及び(b)は陽極酸化過程を示す。
【図5】実施例5で合成した化合物5のサイクリックボルタモグラムである。(a)及び(b)は陽極酸化過程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
なお、本明細書中、「n−」はノルマルを、「i−」はイソを、「s−」はセカンダリーを、「t−」はターシャリーを、「c−」はシクロを、「o−」はオルトを、「m−」はメタを、「p−」はパラを意味する。
【0012】
本発明の電荷貯蔵材料は、下記式(1)で示されるスクアリン酸誘導体からなる。
【化3】

(式中、R1〜R4は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数4〜20の1価の複素環基、又は置換基を有してもよい炭素数5〜20の複素環アルキル基を示す。)
【0013】
上記炭素数1〜5のアルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、c−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、c−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、2,2−ジメチル−n−プロピル基、c−ペンチル基、2−メチル−c−ブチル基等が挙げられる。
【0014】
上記炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、ピレニル基等が挙げられる。
【0015】
上記炭素数7〜20のアラルキル基としては、ベンジル基、2−メチルフェニルメチル基、3−メチルフェニルメチル基、4−メチルフェニルメチル基、2−エチルフェニルメチル基、3−エチルフェニルメチル基、4−エチルフェニルメチル基、2−プロピルフェニルメチル基、4−イソプロピルフェニルメチル基、4−イソブチルフェニルメチル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、α−ナフチルエチル基、β−ナフチルエチル基、1−アントリルメチル基、2−アントリルメチル基、9−アントリルメチル基、1−アントリルエチル基、2−アントリルエチル基、9−アントリルエチル基、o−ビフェニリルメチル基、m−ビフェニリルメチル基、p−ビフェニリルメチル基等が挙げられる。
【0016】
上記炭素数4〜20の1価の複素環基としては、ピロリル基、ピリジル基、ビピリジル基、ターピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキザリル基、インドリル基、イソインドリル基、フェナジニル基、フルオレニル基、ピリミジル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、オキサゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
【0017】
上記炭素数5〜20の複素環アルキル基としては、ピロリルメチル基、ピロリルエチル基、ピリジルメチル基、ピリジルエチル基、ビピリジルメチル基、ビピリジルエチル基、ターピリジルメチル基、ターピリジルエチル基、キノリルメチル基、キノリルエチル基、イソキノリルメチル基、イソキノリルエチル基、キノキザリルメチル基、キノキザリルエチル基、インドリルメチル基、インドリルエチル基、イソインドリルメチル基、イソインドリルエチル基、フェナジニルメチル基、フェナジニルエチル基、フルオレニルメチル基、フルオレニルエチル基、ピリミジルメチル基、ピリミジルエチル基、イミダゾリルメチル基、イミダゾリルエチル基、ベンゾイミダゾリルメチル基、ベンゾイミダゾリルエチル基、オキサゾリルメチル基、オキサゾリルエチル基、キノリルメチル基、キノリルエチル基、イソキノリルメチル基、イソキノリルエチル基、チエニルメチル基、チエニルエチル基、ベンゾチエニルメチル基、ベンゾチエニルエチル基、ベンゾフラニルメチル基、ベンゾフラニルエチル基、ジベンゾチエニルメチル基、ジベンゾチエニルエチル基、ジベンゾフラニルメチル基、ジベンゾフラニルエチル基、カルバゾリルメチル基、カルバゾリルエチル基、キサンテニルメチル基、キサンテニルエチル基、チオキサンテニルメチル基、チオキサンテニルエチル基、テトラヒドロフラニルメチル基、テトラヒドロフラニルエチル基、テトラヒドロピラニルメチル基、テトラヒドロピラニルエチル基等が挙げられる。
【0018】
また、これらの基の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されていてもよい。
まず、上記R1〜R4で示されるアルキル基に結合してもよい置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、各々のアルキル基がそれぞれ独立に炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、グリシドキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニル基、炭素数3〜6のアルケニルカルボニル基、炭素数3〜6のアルキニルカルボニル基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のアルキニルカルボニルオキシ基、炭素数6〜10のハロゲン化アリール基、炭素数3〜10のヘテロアリール基、ハロゲン化ヘテロアリール基等が挙げられる。
【0019】
上記R1〜R4で示されるアルキル基に結合してもよい置換基の例を以下に示す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、c−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、c−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、1−メチル−n−ブトキシ基、2−メチル−n−ブトキシ基、3−メチル−n−ブトキシ基、1,1−ジメチル−n−プロポキシ基、c−ペンチルオキシ基、2−メチル−c−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチル−n−ペンチルオキシ基、2−メチル−n−ペンチルオキシ基、1,1−ジメチル−n−ブトキシ基、1−エチル−n−ブトキシ基、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ基、c−ヘキシルオキシ基、1−メチル−c−ペンチルオキシ基、1−エチル−c−ブトキシ基、1,2−ジメチル−c−ブトキシ基等が挙げられる。
【0020】
炭素数1〜6のハロアルコキシ基としては、例えば、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ブロモジフルオロメトキシ基、2−クロロエトキシ基、2−ブロモエトキシ基、1,1−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、3−ブロモプロポキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルオキシ基、3−ブロモ−2−メチルプロポキシ基、4−ブロモブトキシ基、パーフルオロペンチルオキシ基等が挙げられる。
【0021】
炭素数1〜6のアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、c−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、c−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、1−メチルブチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、3−メチルブチルチオ基、1,1−ジメチルプロピルチオ基、2,2−ジメチルプロピルチオ基、c−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、1−メチルペンチルチオ基、2−メチルペンチルチオ基、1,1−ジメチルブチルチオ基、1−エチルブチルチオ基、1,1,2−トリメチルプロピルチオ基、c−ヘキシルチオ基等が挙げられる。
【0022】
各々のアルキル基がそれぞれ独立に炭素数1〜6のジアルキルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジ−i−プロピルアミノ基、ジ−c−プロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−i−ブチルアミノ基、ジ−s−ブチルアミノ基、ジ−t−ブチルアミノ基、ジ−c−ブチルアミノ基、ジ−(1−メチル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(2−メチル−c−プロピル)アミノ基、ジ−n−ペンチルアミノ基、ジ−(1−メチル−n−ブチル)アミノ基、ジ−(2−メチル−n−ブチル)アミノ基、ジ−(3−メチル−n−ブチル)アミノ基、ジ−(1,1−ジメチル−n−プロピル)アミノ基、ジ−(1,2−ジメチル−n−プロピル)アミノ基、ジ−(2,2−ジメチル−n−プロピル)アミノ基、ジ−(1−エチル−n−プロピル)アミノ基、ジ−c−ペンチルアミノ基、ジ−(1−メチル−c−ブチル)アミノ基、ジ−(2−メチル−c−ブチル)アミノ基、ジ−(3−メチル−c−ブチル)アミノ基、ジ−(1,2−ジメチル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(2,3−ジメチル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(1−エチル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(2−エチル−c−プロピル)アミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−(1−メチル−n−ペンチル)アミノ基、ジ−(2−メチル−n−ペンチル)アミノ基、ジ−(3−メチル−n−ペンチル)アミノ基、ジ−(4−メチル−n−ペンチル)アミノ基、ジ−(1,1−ジメチル−n−ブチル)アミノ基、ジ−(1,2−ジメチル−n−ブチル)アミノ基、ジ−(1,3−ジメチル−n−ブチル)アミノ基、ジ−(2,2−ジメチル−n−ブチル)アミノ基、ジ−(2,3−ジメチル−n−ブチル)アミノ基、ジ−(3,3−ジメチル−n−ブチル)アミノ基、ジ−(1−エチル−n−ブチル)アミノ基、ジ−(2−エチル−n−ブチル)アミノ基、ジ−(1,1,2−トリメチル−n−プロピル)アミノ基、ジ−(1,2,2−トリメチル−n−プロピル)アミノ基、ジ−(1−エチル−1−メチル−n−プロピル)アミノ基、ジ−(1−エチル−2−メチル−n−プロピル)アミノ基、ジ−c−ヘキシルアミノ基、ジ−(1−メチル−c−ペンチル)アミノ基、ジ−(2−メチル−c−ペンチル)アミノ基、ジ−(3−メチル−c−ペンチル)アミノ基、ジ−(1−エチル−c−ブチル)アミノ基、ジ−(2−エチル−c−ブチル)アミノ基、ジ−(3−エチル−c−ブチル)アミノ基、ジ−(1,2−ジメチル−c−ブチル)アミノ基、ジ−(1,3−ジメチル−c−ブチル)アミノ基、ジ−(2,2−ジメチル−c−ブチル)アミノ基、ジ−(2,3−ジメチル−c−ブチル)アミノ基、ジ−(2,4−ジメチル−c−ブチル)アミノ基、ジ−(3,3−ジメチル−c−ブチル)アミノ基、ジ−(1−n−プロピル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(2−n−プロピル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(1−i−プロピル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(2−i−プロピル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(1,2,2−トリメチル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(1,2,3−トリメチル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(2,2,3−トリメチル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(1−エチル−2−メチル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(2−エチル−1−メチル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(2−エチル−2−メチル−c−プロピル)アミノ基、ジ−(2−エチル−3−メチル−c−プロピル)アミノ基等が挙げられる。
【0023】
上記炭素数2〜6のアルキルカルボニル基としては、例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、c−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、s−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、c−ブチルカルボニル基、1−メチル−c−プロピルカルボニル基、2−メチル−c−プロピルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、1−メチル−n−ブチルカルボニル基、2−メチル−n−ブチルカルボニル基、3−メチル−n−ブチルカルボニル基、1,1−ジメチル−n−プロピルカルボニル基、1,2−ジメチル−n−プロピルカルボニル基、2,2−ジメチル−n−プロピルカルボニル基、1−エチル−n−プロピルカルボニル基、c−ペンチルカルボニル基、1−メチル−c−ブチルカルボニル基、2−メチル−c−ブチルカルボニル基、3−メチル−c−ブチルカルボニル基、1,2−ジメチル−c−プロピルカルボニル基、2,3−ジメチル−c−プロピルカルボニル基、1−エチル−c−プロピルカルボニル基、2−エチル−c−プロピルカルボニル基等が挙げられる。
【0024】
上記炭素数3〜6のアルケニルカルボニル基としては、例えば、エテニルカルボニル基、1−プロペニルカルボニル基、2−プロペニルカルボニル基、1−メチル−1−エテニルカルボニル基、1−ブテニルカルボニル基、2−ブテニルカルボニル基、3−ブテニルカルボニル基、2−メチル−1−プロペニルカルボニル基、2−メチル−2−プロペニルカルボニル基、1−エチルエテニルカルボニル基、1−メチル−1−プロペニルカルボニル基、1−メチル−2−プロペニルカルボニル基、1−ペンテニルカルボニル基、2−ペンテニルカルボニル基、3−ペンテニルカルボニル基、4−ペンテニルカルボニル基、1−n−プロピルエテニルカルボニル基、1−メチル−1−ブテニルカルボニル基、1−メチル−2−ブテニルカルボニル基、1−メチル−3−ブテニルカルボニル基、2−エチル−2−プロペニルカルボニル基、2−メチル−1−ブテニルカルボニル基、2−メチル−2−ブテニルカルボニル基、2−メチル−3−ブテニルカルボニル基、3−メチル−1−ブテニルカルボニル基、3−メチル−2−ブテニルカルボニル基、3−メチル−3−ブテニルカルボニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニルカルボニル基、1−i−プロピルエテニルカルボニル基、1,2−ジメチル−1−プロペニルカルボニル基、1,2−ジメチル−2−プロペニルカルボニル基、1−c−ペンテニルカルボニル基、2−c−ペンテニルカルボニル基、3−c−ペンテニルカルボニル基等が挙げられる。
【0025】
上記炭素数3〜6のアルキニルカルボニル基としては、例えば、エチニルカルボニル基、1−プロピニルカルボニル基、2−プロピニルカルボニル基、1−ブチニルカルボニル基、2−ブチニルカルボニル基、3−ブチニルカルボニル基、1−メチル−2−プロピニルカルボニル基、1−ペンチニルカルボニル基、2−ペンチニルカルボニル基、3−ペンチニルカルボニル基、4−ペンチニルカルボニル基、1−メチル−2−ブチニルカルボニル基、1−メチル−3−ブチニルカルボニル基、2−メチル−3−ブチニルカルボニル基、3−メチル−1−ブチニルカルボニル基、1,1−ジメチル−2−プロピニルカルボニル基、2−エチル−2−プロピニルカルボニル基等が挙げられる。
【0026】
上記炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基としては、例えば、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、i−プロピルカルボニルオキシ基、c−プロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、i−ブチルカルボニルオキシ基、s−ブチルカルボニルオキシ基、t−ブチルカルボニルオキシ基、c−ブチルカルボニルオキシ基、1−メチル−c−プロピルカルボニルオキシ基、2−メチル−c−プロピルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、1−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、2−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、3−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1,1−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、2,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1−エチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、c−ペンチルカルボニルオキシ基、1−メチル−c−ブチルカルボニルオキシ基、2−メチル−c−ブチルカルボニルオキシ基、3−メチル−c−ブチルカルボニルオキシ基、1,2−ジメチル−c−プロピルカルボニルオキシ基、2,3−ジメチル−c−プロピルカルボニルオキシ基、1−エチル−c−プロピルカルボニルオキシ基、2−エチル−c−プロピルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0027】
上記炭素数3〜6のアルケニルカルボニルオキシ基としては、例えば、エテニルカルボニルオキシ基、1−プロペニルカルボニルオキシ基、2−プロペニルカルボニルオキシ基、1−メチル−1−エテニルカルボニルオキシ基、1−ブテニルカルボニルオキシ基、2−ブテニルカルボニルオキシ基、3−ブテニルカルボニルオキシ基、2−メチル−1−プロペニルカルボニルオキシ基、2−メチル−2−プロペニルカルボニルオキシ基、1−エチルエテニルカルボニルオキシ基、1−メチル−1−プロペニルカルボニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルカルボニルオキシ基、1−ペンテニルカルボニルオキシ基、2−ペンテニルカルボニルオキシ基、3−ペンテニルカルボニルオキシ基、4−ペンテニルカルボニルオキシ基、1−n−プロピルエテニルカルボニルオキシ基、1−メチル−1−ブテニルカルボニルオキシ基、1−メチル−2−ブテニルカルボニルオキシ基、1−メチル−3−ブテニルカルボニルオキシ基、2−エチル−2−プロペニルカルボニルオキシ基、2−メチル−1−ブテニルカルボニルオキシ基、2−メチル−2−ブテニルカルボニルオキシ基、2−メチル−3−ブテニルカルボニルオキシ基、3−メチル−1−ブテニルカルボニルオキシ基、3−メチル−2−ブテニルカルボニルオキシ基、3−メチル−3−ブテニルカルボニルオキシ基、1,1−ジメチル−2−プロペニルカルボニルオキシ基、1−i−プロピルエテニルカルボニルオキシ基、1,2−ジメチル−1−プロペニルカルボニルオキシ基、1,2−ジメチル−2−プロペニルカルボニルオキシ基、1−c−ペンテニルカルボニルオキシ基、2−c−ペンテニルカルボニルオキシ基、3−c−ペンテニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0028】
上記炭素数3〜6のアルキニルカルボニルオキシ基としては、例えば、エチニルカルボニルオキシ基、1−プロピニルカルボニルオキシ基、2−プロピニルカルボニルオキシ基、1−ブチニルカルボニルオキシ基、2−ブチニルカルボニルオキシ基、3−ブチニルカルボニルオキシ基、1−メチル−2−プロピニルカルボニルオキシ基、1−ペンチニルカルボニルオキシ基、2−ペンチニルカルボニルオキシ基、3−ペンチニルカルボニルオキシ基、4−ペンチニルカルボニルオキシ基、1−メチル−2−ブチニルカルボニルオキシ基、1−メチル−3−ブチニルカルボニルオキシ基、2−メチル−3−ブチニルカルボニルオキシ基、3−メチル−1−ブチニルカルボニルオキシ基、1,1−ジメチル−2−プロピニルカルボニルオキシ基、2−エチル−2−プロピニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0029】
炭素数6〜10のハロゲン化アリール基としては、例えば、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基等が挙げられる。炭素数3〜10のヘテロアリール基、ハロゲン化ヘテロアリール基としては、例えば、フリル基、クロロフリル基、フルオロフリル基、チエニル基、クロロチエニル基、フルオロチエニル基、ピロリル基、クロロピロリル基、ピロリル基、フルオロイミダゾリル基、クロロイミダゾリル基、フルオロイミダゾリル基等が挙げられる。
【0030】
次に、上記R1〜R4で示されるアリール基、アラルキル基、複素環基及び複素環アルキル基に結合してもよい置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、各々のアルキル基がそれぞれ独立に炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、グリシドキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニル基、炭素数3〜6のアルケニルカルボニル基、炭素数3〜6のアルキニルカルボニル基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のアルキニルカルボニルオキシ基、炭素数6〜10のアリール基、ハロゲン化アリール基、炭素数3〜10のヘテロアリール基、ハロゲン化ヘテロアリール基等が挙げられる。
【0031】
上記R1〜R4で示されるアリール基、アラルキル基、複素環基及び複素環アルキル基に結合してもよい置換基の具体例を以下に示す。
炭素数1〜6のアルキル基としては、上記炭素数1〜5のアルキル基に加え、c−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、c−ヘキシル基等が挙げられる。
炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。
【0032】
その他の上記R1〜R4で示されるアリール基、アラルキル基、複素環基、複素環アルキル基に結合してもよい置換基としては、上記R1〜R4で示されるアルキル基の置換基として例示したものと同じ基が挙げられる。
【0033】
上記式(1)中、R1〜R4で示される基としては、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基又は置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
【0034】
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、c−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、c−ブチル基等のアルキル基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシメチル基、ジアミノメチル基、2−ジアミノエチル基、メチルカルボニルオキシメチル基、エチルカルボニルオキシメチル基、2−メチルカルボニルオキシエチル基、2−エチルカルボニルオキシエチル基等の置換アルキル基;フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、下記式(2)で示される置換フェニル基等のアリール基が好ましい。
【0035】
【化4】

(式中、Zは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、各々のアルキル基がそれぞれ独立に炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、グリシドキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニル基、炭素数3〜6のアルケニルカルボニル基、炭素数3〜6のアルキニルカルボニル基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のアルキニルカルボニルオキシ基、炭素数6〜10のアリール基、ハロゲン化アリール基、炭素数3〜10のヘテロアリール基、又はハロゲン化ヘテロアリール基を示す。)
【0036】
更に、上記置換フェニル基としては、下記式(3)で示される置換フェニル基であることが好ましい。窒素原子との結合手に対してパラ位に置換基を有することで、酸化還元に対して安定な材料となり得る。
【0037】
【化5】

(式中、Zは、上記のとおり。)
【0038】
上記Zの具体例としては、上記R1〜R4で示されるアリール基、アラルキル基、複素環基、複素環アルキル基の置換基として例示したものと同じものが挙げられる。
特に、Zがヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基、各々のアルキル基がそれぞれ独立に炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、及び炭素数6〜10のアリール基から選ばれる電子供与基であることが好ましい。
これら電子供与性基が置換したスクアリン酸誘導体では、これらを含まないスクアリン酸誘導体と比較して、陽極酸化過程において生成するラジカルカチオン及びジカチオン状態がより安定になることで、電気化学的に安定になるものと考えられる。
これらのうち、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等がより好ましい。
【0039】
上記置換フェニル基として具体的には、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−n−プロピルフェニル基、3−n−プロピルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、2−n−プロポキシフェニル基、3−n−プロポキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、2−i−プロポキシフェニル基、3−i−プロポキシフェニル基、4−i−プロポキシフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−ジメチルアミノフェニル基、3−ジメチルアミノフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、2−ジエチルアミノフェニル基、3−ジエチルアミノフェニル基、4−ジエチルアミノフェニル基、2−メチルカルボニルオキシフェニル基、3−メチルカルボニルオキシフェニル基、4−メチルカルボニルオキシフェニル基、2−エチルカルボニルオキシフェニル基、3−エチルカルボニルオキシフェニル基、4−エチルカルボニルオキシフェニル基等が好ましい。
【0040】
上記R1〜R4で示される基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、c−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、c−ブチル基、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、p−ビフェニリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、p−トリル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、p−クメニル基、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、4−i−プロポキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、4−ジエチルアミノフェニル基、4−メチルカルボニルオキシフェニル基、4−エチルカルボニルオキシフェニル基がより好ましい。
【0041】
上記式(1)で示されるスクアリン酸誘導体の具体例としては、下記式で示されるもの等が挙げられるが、これらに限定されない。
【化6】

【0042】
【化7】

【0043】
【化8】

【0044】
【化9】

【0045】
【化10】

【0046】
【化11】

【0047】
【化12】

【0048】
【化13】

【0049】
上記式(1)で示されるスクアリン酸誘導体は、スクアリン酸あるいはセミスクアリン酸誘導体に2級アミンを反応させることで合成することができる。
具体的には、例えば、上記式(1)において、R1とR3とが同一かつR2とR4とが同一の場合、下記スキームに示される一連の反応にて製造することができるが、これに限定されるものではない。
【0050】
【化14】

(式中、R1及びR2は上記と同じ。)
【0051】
また、上記式(1)において、R1とR3及び/又はR2とR4とが異なる場合、下記スキームに示される一連の反応にて製造することができるが、これに限定されるものではない。
【0052】
【化15】

(式中、R1〜R4は上記と同じ。Xはハロゲン原子を示す。)
【0053】
本発明において、電荷貯蔵材料とは電荷を貯蔵することができる材料のことであり、上記スクアリン酸誘導体からなる電荷貯蔵材料は、例えば、電池の電極活物質として有用である。
【0054】
本発明の電池は、上記スクアリン酸誘導体からなる電荷貯蔵材料を電極活物質として用いることに特徴があり、その他の電池素子の構成部材は従来公知のものから適宜選択して用いればよい。
【0055】
一例として、二次電池について説明する。
二次電池は、一般的に、正極層と、負極層と、正極層と負極層の間に配されるセパレータ層と、これら全てを含む電池素子内部に充填される電解液とから構成される。正極層及び負極層は、集電体である基板上に、電極活物質と、必要に応じて電極層の導電性向上のために炭素等からなる導電助剤と、更に必要に応じて成膜均一性向上、イオン伝導性向上、電解液への溶出抑制等のためにバインダーとを含む薄膜を形成することで構成される。電解液は、イオン伝導の本体である塩からなる電解質と溶媒等とから構成される。
【0056】
本発明の電池では、この正極層又は負極層の電極活物質として、上記スクアリン酸誘導体からなる電荷貯蔵材料を用いる。
この場合、上記電極活物質を正極層、負極層のいずれの電極層に使用するかは特に限定されるものではなく、相対する電極の電位の貴、卑によって決定される。また、両極ともに上記電極活物質を使用してもよい。
【0057】
二次電池の形態は特に限定されるものではなく、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、マンガン電池、空気電池等のいずれでもよい。ラミネート方法や生産方法についても特に限定されるものではない。
【0058】
上記電極層は、本発明のスクアリン酸誘導体、溶媒、必要に応じて導電助剤、必要に応じてバインダー、従来公知の他の電極活物質等を混合して電極スラリーを調製し、これを用いて基板上に薄膜を形成することで作製することができる。
上記薄膜の形成方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の各種方法を用いることができる。例えば、スクアリン酸誘導体を含む材料を有機溶媒に溶解又は懸濁した電極スラリーを用いたオフセット印刷、スクリーン印刷等の各種印刷法、ディップコート法、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、インクジェット法等が挙げられる。
【0059】
上記電極層に用いられる基板としては、例えば、白金、金、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、リチウム等の金属基板、これらの金属の任意の組み合わせからなる合金基板、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)等の酸化物基板、又はグラッシーカーボン、パイロリティックグラファイト、カーボンフェルト等の炭素基板等が挙げられる。
【0060】
上記導電助剤としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラフェン等の炭素材料、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子等が挙げられる。上記導電助剤は、単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0061】
上記バインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン、(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、又はこれらの任意の組み合わせからなる共重合体やブレンドポリマー等が挙げられる。
【0062】
上記電極スラリー用溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
【0063】
本発明の電極活物質を正極層に使用する場合、負極層内に含まれる負極活物質としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラフェン等の炭素材料、金属リチウム、Li−Al、Li−Si、Li−Sn等のリチウム合金、チタン酸リチウム、シリコン(Si)、SiO、SiO2、Si−SiO2複合体、スズ(Sn)、SnO、SnO2、PbO、PbO2、GeO、GeO2、WO2、MoO2,Fe23、Nb25、TiO2、Li4Ti512、Li2Ti37等が挙げられる。
【0064】
本発明の電極活物質を負極層に使用する場合、正極層内に含まれる正極活物質としては、ニトロキシラジカル基を含有する化合物、有機硫黄ポリマー、キノンポリマー、キノイド系材料、ジオン系材料、ルベアン酸系材料等の有機電極活物質、LiCoO2、LiMn24、LiNiO2、LiNi0.5Mn0.52、LiFePO4、LiMnPO4、LiCoPO4、Fe2(SO43、LiMnSiO4、V25等の無機電極活物質等が挙げられる。
なお、正極を空気極とし、空気電池として用いてもよい。その場合、正極層内に含まれる酸化還元補助材として、酸化マンガン等の無機材料、TEMPOポリマー等のニトロキシラジカル材料を使用してもよい。
【0065】
また、容量向上、充放電速度向上等の目的のために、同一極内において、本発明のスクアリン酸誘導体とその他の電極活物質とを併用してもよい。その他の電極活物質としては、従来公知のものでよく、例えば、上記の有機電極活物質及び無機電極活物質等が挙げられる。
【0066】
上記電極層の膜厚は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜1000μm程度、より好ましくは1〜100μm程度である。
【0067】
上記セパレータ層に使用される材料としては、例えば、多孔質ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられる。
【0068】
上記電解液を構成する電解質としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiN(C25SO22、LiAsF6、LiSbF6、LiAlF4、LiGaF4、LiInF4、LiClO4、LiN(CF3SO22、LiCF3SO3、LiSiF6、LiN(CF3SO2)(C49SO2)等のリチウム塩、LiI、NaI、KI、CsI、CaI2等の金属ヨウ化物、4級イミダゾリウム化合物のヨウ化物塩、テトラアルキルアンモニウム化合物のヨウ化物塩及び過塩素酸塩、LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2等の金属臭化物等が挙げられる。
【0069】
また、ポリエチレンオキサイド系材料、Li2S−P25等のチオリシコン系材料や、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、フッ化ビニリデン等のモノマーを重合又は共重合して得られる高分子化合物等の固体電解質を用いてもよい。
【0070】
上記電解液を構成する溶媒は、電池を構成する物質に対して腐食や分解を生じさせて性能を劣化させるもので無く、上記電解質を溶解するものであれば特に限定されない。例えば、非水系の溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状エステル類等が用いられる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上混合物して用いることができる。
【0071】
本発明のスクアリン酸誘導体を含む電池は、スクアリン酸誘導体からなる電荷貯蔵材料を電極活物質として用いることで、一般的な二次電池と比較して高速充放電、高容量、高サイクル性を有することができる。
【実施例】
【0072】
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(使用機器)
1H−NMRスペクトルは、AVANCE500(500MHz、Bruker Biospin株式会社製)を用いて測定した。MALDI−TOF MSスペクトルは、autoflex III(Bruker Daltonics社製、マトリックス:ジスラノールを使用)を用いて測定した。
電気化学測定(サイクリックボルタンメトリー測定)には、Electrochemical Analyzer Model 708c(CH Instruments,Inc.製)を使用し、化合物の10-3Mジクロロメタン溶液(支持電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウム10-1Mを含む)について評価した。作用電極として白金電極(1.5mm直径)、対電極として白金ワイヤー、参照電極としてAg/Ag+(10-2M AgNO3 過塩素酸テトラブチルアンモニウム10-1Mを含む)を使用し、0.1V/sで10回掃引した。
【0073】
[実施例1]化合物1の合成
3,4−ジヒドロキシシクロブテン−1,2−ジオン809mgとジフェニルアミン3.00gを、n−ブタノール2.5mLとトルエン2.5mLの混合溶媒に加え、110℃で21時間反応させた。その後、析出した固体を濾取、メタノールにより洗浄することで、下記式(3)で示される化合物1(1.73g、橙色結晶、収率58.5%)を得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d6、TMS、δ、ppm):7.44−7.24(m,20H).
MALDI−TOF MS:calcd for C282022(MW=416.15):m/z=416.82[M+].
【化16】

【0074】
[実施例2]化合物2の合成
3,4−ジヒドロキシシクロブテン−1,2−ジオン1.28gとN−メチルアニリン3.00gを、n−ブタノール2.5mLとトルエン2.5mLの混合溶媒に加え、110℃で21時間反応させた。その後、析出した固体を濾取、メタノールにより洗浄することで、下記式(4)で示される化合物2(2.95g、橙色結晶、収率90.8%)を得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d6、TMS、δ、ppm):7.57−7.27(m,10H),2.89(s,6H).
MALDI−TOF MS:calcd for C181622(MW=292.12):m/z=292.61[M+].
【化17】

【0075】
[実施例3]化合物3の合成
3,4−ジヒドロキシシクロブテン−1,2−ジオン1.00gとN−フェニル−2−ナフチルアミン4.81gを、n−ブタノール2.5mLとトルエン2.5mLの混合溶媒に加え、110℃で25時間反応させた。その後、析出した固体を濾取、メタノールにより洗浄することで、下記式(5)で示される化合物3(3.55g、橙色結晶、収率78.4%)を得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d6、TMS、δ、ppm):7.96−7.32(m,24H).
MALDI−TOF MS:calcd for C362422(MW=516.18):m/z=516.93[M+].
【化18】

【0076】
[実施例4]化合物4の合成
3,4−ジヒドロキシシクロブテン−1,2−ジオン463mgとp,p'−ジトリルアミン2.00gを、n−ブタノール2.5mLとトルエン2.5mLの混合溶媒に加え、110℃で30時間反応させた。その後、析出した固体を濾取、メタノールにより洗浄することで、下記式(6)で示される化合物4(1.42g、黄色結晶、収率74.1%)を得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d6、TMS、δ、ppm):7.22−7.08(m,16H),2.33(s,12H).
MALDI−TOF MS:calcd for C322822(MW=472.22):m/z=472.90[M+].
【化19】

【0077】
[実施例5]化合物5の合成
3,4−ジヒドロキシシクロブテン−1,2−ジオン428mgと4−メトキシ−4'−メチルジフェニルアミン2.00gを、n−ブタノール2.5mLとトルエン2.5mLの混合溶媒に加え、110℃で17時間反応させた。その後、析出した固体を濾取、メタノールにより洗浄することで、下記式(7)で示される化合物5(1.46g、黄色結晶、収率77.2%)を得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d6、TMS、δ、ppm):7.21(d,2H、J=8.3Hz),7.16(d,2H、J=9.0Hz),7.09(d,2H、J=8.3Hz),6.96(d,2H、J=9.0Hz),3.84(s,3H),2.35(s,3H).
MALDI−TOF MS:calcd for C322824(MW=504.20):m/z=504.88[M+].
【化20】

【0078】
[実施例6]
化合物1〜5の陽極酸化過程における電気化学的性質の評価をサイクリックボルタンメトリーにより行った。測定結果を図1〜5に示す。サイクリックボルタモグラムは、それぞれ10回掃引の結果を重ねて示した。曲線に推移がある場合は、直近の矢印で推移の方向を示した。なお、掃引速度は0.1V/sとした。
【0079】
[化合物1〜3の電気化学的性質の評価]
図1(a)、図2(a)及び図3(a)は、それぞれ化合物1〜3の陽極酸化過程を示すサイクリックボルタモグラムである。掃引電圧は、それぞれ0.0〜1.2V、0.0〜1.1V及び0.0〜1.1Vとした。
図1(a)、図2(a)及び図3(a)より、化合物1〜3の陽極酸化過程において、1電子酸化目の酸化波及び対応する還元波がみられた(ピーク間電圧は約100mV)。これらのことから、化合物1〜3の1電子酸化目は電気化学的に可逆であることが示唆された。
【0080】
図1(b)、図2(b)及び図3(b)は、それぞれ化合物1〜3の陽極酸化過程を示すサイクリックボルタモグラムである。掃引電圧は、それぞれ−0.5〜1.5V、0.0〜1.5V及び0.0〜1.4Vとした。
図1(b)、図2(b)及び図3(b)より、化合物1〜3は、2電子酸化目に酸化波に対応する還元波が無いことから2電子酸化目については電気化学的に不可逆であることが示唆された。
また、化合物1では2電子酸化目までの10回掃引による電流値の変化が若干みられたが、化合物2及び化合物3では2電子酸化目までの10回掃引による電流値の変化がほとんどみられなかった。このことから化合物2及び化合物3は2電子酸化目までは化学的に可逆であることが分かった。化合物1では、1電子酸化目までの10回掃引による電流値の変化がほとんどみられなかったことから、1電子酸化目までは化学的に可逆であることが分かった。
【0081】
このように、化合物1〜3は陽極酸化過程において電気化学的活性であることが分かった。特に、化合物2及び化合物3は、陽極酸化過程において電気化学的可逆性を、陽極酸化過程において化学的可逆性(サイクル性)を示すことが分かった。
【0082】
[化合物4及び化合物5の電気化学的性質の評価]
図4(a)、図4(b)、図5(a)及び図5(b)は、化合物4及び化合物5の陽極酸化過程を示すサイクリックボルタモグラムである。掃引電圧は、それぞれ0.0〜1.1V、0.0〜1.4V、0.0〜1.0V及び0.0〜1.3Vとした。
図4(a)、図4(b)、図5(a)及び図5(b)より、化合物4及び化合物5の陽極酸化過程において、1電子酸化目及び2電子酸化目のそれぞれの酸化波及び対応する還元波がみられた(ピーク間電圧は約100mV)。これらのことから、化合物4及び化合物5の1電子酸化目及び2電子酸化目は電気化学的に可逆であることが示唆された。
【0083】
化合物4及び化合物5の酸化波のピーク電位を比較すると、化合物4では852mV及び1314mV、化合物5では785mV及び1183mVであった。この結果より、化合物4と比較して、化合物5は、1電子酸化目のピーク電位が低電位側にシフトすること、及び1電子酸化目と2電子酸化目のピーク間電位が小さくなることが分かった(1電子酸化波と2電子酸化波とのピーク間電位:化合物4 462mV、化合物5 398mV)。これは化合物5が電子供与性のメトキシ基を有していることから、酸化状態(ラジカルカチオン及びジカチオン状態)が安定になることで、化合物5から電子がとられやすくなり(酸化のピーク電位が低電位側にシフト)、また1電子酸化状態から2電子酸化状態へ移行しやすくなったためであると考えられた。これらのことから化合物4と比較して、化合物5の方が電気化学的に安定であると考えられた。
【0084】
また、化合物4及び化合物5では2電子酸化目までの10回掃引による電流値の変化がほとんどみられなかった。このことから化合物4及び化合物5は2電子酸化目までは化学的に可逆であることが分かった。
【0085】
このように化合物4及び化合物5は陽極酸化過程において電気化学的活性であることが分かった。また、陽極酸化過程において電気化学的に可逆な2段階酸化過程を示し、陽極酸化過程において化学的可逆性(サイクル性)を示すことが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で示されるスクアリン酸誘導体からなる電荷貯蔵材料。
【化1】

(式中、R1〜R4は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数4〜20の1価の複素環基、又は置換基を有してもよい炭素数5〜20の複素環アルキル基を示す。)
【請求項2】
前記R1〜R4が、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基である請求項1記載の電荷貯蔵材料。
【請求項3】
前記R1〜R4が、それぞれ独立して、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基又はp−ビフェニリル基、又は下記式(3)で示される基である請求項1又は2記載の電荷貯蔵材料。
【化2】

(式中、Zは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、各々のアルキル基がそれぞれ独立に炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、グリシドキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニル基、炭素数3〜6のアルケニルカルボニル基、炭素数3〜6のアルキニルカルボニル基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のアルキニルカルボニルオキシ基、炭素数6〜10のアリール基、ハロゲン化アリール基、炭素数3〜10のヘテロアリール基、又はハロゲン化ヘテロアリール基を示す。)
【請求項4】
前記Zが、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアルキルカルボニルオキシ基、各々のアルキル基がそれぞれ独立に炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、及び炭素数6〜10のアリール基から選ばれる電子供与基である請求項3記載の電荷貯蔵材料。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の電荷貯蔵材料からなる電極活物質。
【請求項6】
請求項5記載の電極活物質を含む電極。
【請求項7】
請求項6記載の電極を含む電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−20741(P2013−20741A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151427(P2011−151427)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】