説明

電話回線を用いる高速ディジタルデータ通信方法

【課題】 従来技術のADSL方式においては電話局10と端末機54との伝送距離は最大6〜7km以内に制限されていたが、このエリアを拡大するか、または、エリア内では伝送距離が長くなっても通信速度が低下する欠点を大きく軽減するか、または電話回線40の途中に光ファイバ一が使用されていても適用することができる高速ディジタルデータ通信システム(方法)を提供する。
【解決手段】 電話局10から電話回線40によって伝送された電話信号とデータ信号送受信設備20から有線伝送路60またはデータ信号送受信設備20のセンタアンテナとユーザ近隣のアンテナ間のデータ信号送受信設備20のセンタアンテナとユーザ近隣のアンテナ間の無線伝送路によって伝送されたデータ信号とをユーザ近隣で重畳して、この重畳した電話信号とデータ信号とを既設の電話回線引込線からユーザ50に提供する電話信号・データ信号ユーザ近隣重畳方式の高速ディジタルデータ通信方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電話回線および電話回線引込線または電話回線引込線だけをそのまま使用して高速ディジタルデータ通信する通信システムに関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
現在、既設の電話回線をそのまま使用するデータ通信システムとして、xDSL方式の内の1形態である非対称型ADSL方式が広くサービスされている。それに加えて、近年、既設の電話回線40で高速ディジタルデータ通信システムとして、xDSL方式において他の形態、例えば、高速非対称型HDSL、超高速非対称型VDSL、 対称型SDSL、ISDN用DSLなどの実用化が進められている(非特許文献1の42頁参照)。
【0003】
上記xDSLは、Digital Subscriber Line の総称であり、各種ディジタル加入者システムをいう。また、ADSL(非対称形)方式は、Asymmetric DSLであり、一対のメタリック・ケーブルを用いて、ユーザと通信設備センターとの間で上りの伝送速度(64[kbps]〜640[kbps)の低速ディジタル信号と下りの伝送速度(1.5[Mbps]〜8[Mbps)の高速ディジタル信号とを組み合わせた非対称なディジタル通信を行っている。
【0004】
従来技術では、後述する図11に示すように、バックボーンネットワークといわれるデータ信号送受信設備20が電話局10に接続されている。電話信号を交換機11から伝送する電話局10とデータ信号を伝送するデータ信号送受信設備20とを併せて通信設備センター30という。
【0005】
電話局10には、交換機11とデータ信号送受信設備20に接続する複数の中央モデム12とがそれぞれ一対で接続する複数の電話局スプリッタ13が設置されている。各電話局スプリッタ13は、それぞれ電話回線40を通じてユーザ50のユーザスプリッタ51に接続されている。それぞれのユーザスプリッタ51から電話機52とユーザ端末モデム53を通じて端末機54に接続されている。
【0006】
[用語の定義]
本出願で使用する用語を下記のとおり定める。
【0007】
○電話信号を交換機11から伝送する電話局10とデータ信号を伝送するデータ信号送受信設備20とを併せて通信設備センター30という。
【0008】
一対以上のメタリック電話回線(以下、メタリック電話回線という)40Mまたは光ファイバケーブルを含む一対以上のメタリック電話回線(以下、ファイバ・メタリック電話回線という)40MFとを併せて電話回線40という。ただし、従来技術1では、xDSLにはファイバ・メタリック電話回線40MFを使用することができないために、電話回線40はメタリック電話回線40Mだけが使用できる。
【0009】
○データ信号を同軸ケーブルなど(以下、メタリックケーブル伝送路60Mという)、光ファイバなど(以下、光ファイバ伝送路60Fという)を使用して伝送する伝送路を有線伝送路60という。
【0010】
○データ信号を送信アンテナおよび受信アンテナを使用して高周波信号で送受信するセンタアンテナ71Cとユーザ近隣アンテナ71Uとの間のアンテナ間無線伝送路をアンテナ間無線伝送路70という。
【0011】
○住宅、オフィスなどに設置する電話機52または端末機54からの電話信号およびデータ信号の使用者をユーザ50という。
【0012】
○スプリッタとは、電話回線、同軸ケーブル、光ファイバなどの有線伝送路の始端および終端に挿入された周波数分波器(以下、スプリッタという)であって、スプリッタは通過周波数の異なるフィルタで、
(a)低周波数の電話信号を通過させ高周波数のデータ信号を阻止する低域通過フィルタ(以下、LPFという)と高周波数のデータ信号を通過させ低周波数の電話信号を阻止する高域通過フィルタ(以下、HPFという)との異なる2つのフィルタから形成される。スプリッタを設置する位置によって次のとおりに区分する。
【0013】
(b)低周波数の電話信号を通過させ高周波数のデータ信号を阻止するスプリッタ(以下、交換機用LPFという)13L(図9および図10参照)と高周波数のデータ信号を通過させ低周波数の電話信号を阻止するスプリッタ(以下、交換機用HPFという)13Hとがある。
【0014】
(c)電話回線40から送受信した電話信号とデータ信号送受信設備20からユーザ近隣モデム62を経由して送受信したデータ信号とを分離して、電話信号を電話機52に伝送するフィルタ(以下、ユーザLPFという)51Lといい、データ信号を端末機54に伝送するフィルタ(以下、ユーザHPFという)51Hとを併せてユーザスプリッタ51という。
【0015】
(d)ユーザ50の近隣に設置されて電話回線40から送受信した低周波数の電話信号を通過させ高周波数のデータ信号を阻止するフィルタ(以下、ユーザ近隣LPFという)61Lとユーザ50の近隣に設置されてユーザ近隣モデム62を経由してから送受信した高周波数のデータ信号を通過させ低周波数の電話信号を阻止するフィルタ(以下、ユーザ近隣HPFという)61Hとを併せてユーザ近隣スプリッタ61という。
【0016】
○データ信号送受信設備20の光信号入出力のために設置する「Optical Line Termination」(光加入者端局装置)光分岐結合回路(スターカプラ)をセンタ光・電気変換回路22という。
【0017】
○複数の伝送路接続用分岐点63を収納した箱体を端子函という。
【0018】
○伝送路接続用分岐点63とは、アンテナ間無線伝送路70または有線伝送路60のユーザ近隣モデム62またはユーザ近隣モデム62を経由したユーザ近隣スプリッタ61とユーザ近隣の電話回線40との接続点をいう。
【0019】
ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線路44とは、アンテナ間無線伝送路70または有線伝送路60のユーザ近隣モデム62またはユーザ近隣モデム62を経由したユーザ近隣スプリッタ61とユーザ近隣の電話回線40とを接続する線路をいう。
【0020】
[従来技術1]
図11は、「電話局10の交換機11」と「データ信号送受信設備20のセンタデータ信号送受機21に接続する中央モデム12」とを接続した電話局スプリッタ13からユーザ50のユーザスプリッタ51まで、直接に、電話回線40で接続する従来技術1の電話局ユーザ間電話回線直接接続図である。
【0021】
従来技術1は、図11に示すように、「電話局10の交換機11」と「データ信号送受信設備20のセンタデータ信号送受機21に接続する中央モデム12」とを接続した電話局スプリッタ13からユーザ50のユーザスプリッタ51までが電話回線40で接続されていて、電話局10とユーザ50とが電話回線40によって直接に接続され、電話信号およびデータ信号を電話局10の交換機11からユーザ50まで一体で送受信をしている。
【0022】
[従来技術2]
図12は、データ信号送受信設備20とユーザ50とを光ファイバとメタリックケーブル伝送路を使用して一対一に接続するFTTB、FTTC、FTTCabなどの従来技術2の光メタル複合型伝送路概念図である。図13は、図12のデータ信号送受信設備20に通常1つの光加入者端局装置(OLT)を設置してデータ信号を送信し、各ユーザごとにそれぞれ個別に光加入者終端装置(ONU)を設置する従来技術2の光単独型伝送路概念図である。
【0023】
従来技術2は、図12に示すように、データ信号送受信設備20とユーザ50とを光ファイバを使用して一対一に接続するFTTB、FTTC、FTTCabなどの光ファイバ伝送路を示している。
【0024】
同図は、データ信号送受信設備20とユーザ50とを光ファイバを使用して一対一に接続してユーザ50の住宅、集合住宅の内部まで光ファイバの光ファイバ伝送路で引込むFTTH方式から光ファイバ伝送路のユーザ引き込み口近傍の数十[m]、数百[m]、数[km]をメタリックケーブル伝送路で形成するFTTB、FTTC、FTTCabなどの光メタル複合型伝送路の概念を示している。
【0025】
図13は、図12のデータ信号送受信設備20に通常1つの光加入者端局装置(OLT)を設置してデータ信号を送信し、各ユーザごとにそれぞれ個別に光加入者終端装置(ONU)を設置する従来技術2の光単独型伝送路の概念を示している。
【0026】
同図は、データ信号送受信設備20とユーザ50とを光ファイバを使用して一対一に接続してユーザ50の住宅、集合住宅に伝送するために、データ信号送受信設備20に通常1つの光加入者端局装置(OLT)[本出願ではセンタ光・電気変換回路22に相当]を設置してデータ信号を送信し、ユーザA、ユーザB、ユーザCなどの各ユーザごとにそれぞれ個別に光加入者終端装置(ONU)[本出願ではユーザ近隣モデム62の光伝送側にONUに相当する装置がある]を設置する従来技術2の光単独合型伝送路の概念を示している。
【0027】
[従来技術3]
従来技術3は、データ信号送受信設備の大型のアンテナを通じて電波を送受信し、それぞれ個別に設置された小型のアンテナで電波を送受信する無線アクセス方式の概念を示している。
【0028】
図14は、データ信号送受信設備20の基幹回線25に接続する交換局26から大型アンテナを通じて電波を送受信して各オフィスの屋上にそれぞれ個別に設置されたアンテナで電波を送受信するか、または、交換局28から光ファイバを電柱に架設して住宅、集合住宅などの近くに設置された小型のアンテナから電波を送受信して住宅などにそれぞれ個別に設置された小型のアンテナで電波を送受信する無線アクセス方式の概念を示している。
【0029】
非特許文献1は下記のとおりである。
【非特許文献1】FTTH/xDSL教科書、発行所:株式会社アスキーISBN4−7561−3234−0、42頁〜49頁
【非特許文献2】入門xDSL発行所:株式会社技術評論社ISBN4−7741−0884−7、18頁〜21頁 特許文献1は下記のとおりである。
【特許文献1】特開2000−151357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
以下、後述する本発明は、本出願の実施の形態によって解決しようとする課題が異なる。したがって、本出願の実施の形態と解決しようとする課題との関係を明確にするために、本出願の実施の形態ごとに解決しようとする課題を列挙する。
【0031】
(1)本出願の実施の形態1ないし実施の形態3が解決しようとする課題
後述する図1ないし図7に示す実施の形態1ないし実施の形態3が解決しようとする課題は次のとおりである。
【0032】
従来技術1でADSL方式を使用すると、データ信号送受信設備20が電話局10において中央モデム12に接続されているために、次のような問題点がある。
【0033】
第1に、電話局10とユーザ50との距離に制限があって、電話回線40の長さは最大6〜7km以内でなくてはならないためにサービスエリアの大きさが限られる。その大きさが限られる理由または原因は、約1.1[MHz]迄の高周波信号をそのまま使用しているためである(非特許文献1のP43図2−11参照)。
【0034】
一方、既設の電話回線40は通常、メタリック電話回線といわれ銅撚り対線が使用されており、アナログ音声信号(周波数が最大4[kHz]程度)を伝送するように設計されている。そのために、周波数の高い信号に対する減衰量が非常に大きく、距離(以下、伝送距離という)が長くなると信号レベルが通信可能値以下になってしまう。
【0035】
第2に、サービスエリア内でも伝送距離が長いほど通信速度が低下し、仕様上の最大通信速度を提供することができるエリアは小さくなる。最大通信速度を提供できるエリアが小さい理由または原因は、伝送距離が長くなると信号減衰量が大きくなる。
【0036】
一般に伝送速度が速いほど、高い信号対雑音比(SN比)が必要である。そこで、信号レベルが小さくSN比が低い場合、伝送速度を低下させて、通信を確立させる仕組みをADSLは有する。このために、伝送距離が長い場所では、伝送速度が低下する。
【0037】
電話回線40の途中に光ファイバが使用されている場合がある。第3に、電話回線40の途中に光ファイバの区間が存在すると、ADSLが使用できない。その理由または原因は、一般にアナログ電話信号の最高周波数が4[kHz]であるために、光伝送装置自体の伝送可能周波数も4[kHz]に制限されて、高周波まで使用するxDSL信号は通過することができない。
【0038】
(2)本出願の実施の形態3が解決しようとする課題
後述する図5ないし図7に示す実施の形態3が解決しようとする課題は次のとおりである。従来技術1でADSL方式を使用する従来技術2では、山間地の集落村などで、電話回線40が既設であっても、新たにデータ信号送受信設備20とユーザ近隣モデム62とを接続する有線伝送路60の敷設が難しい場合がある。有線伝送路60の敷設が難しい理由または原因は、新たな有線伝送路60の設置には、長区間に渡る敷設工事の必要がある。
【0039】
上記実施の形態3の問題の対策の一つに、従来技術3の図14に示したように、データ信号送受信設備20の大型アンテナを通じて電波を送受信し、各オフィスの屋上にそれぞれ個別に設置されたアンテナで電波を送受信するか、または光ファイバが架設された住宅、集合住宅などの近くの電柱に設置された小型のアンテナから住宅などにそれぞれ個別に設置された小型のアンテナで電波を送受信する無線アクセス方式(FWAなど 非特許文献1のP234参照)がある。
【0040】
しかし、各ユーザ50ごとに個別専属の送受信装置が必要であり、しかも送受信装置のコストが高く、各ユーザ50ごとに工事が必要である。コストが高いまたは工事が必要である理由または原因は、一般に普及しているADSLモデムのコストよりも、無線モデムのコストが高く、また、有線通信では不要なアンテナも必要なために、各ユーザ50の送受信装置のコストが高くなる。また、端末機54のあるユーザ50毎に戸外(屋根の上など)にアンテナを設置する必要がある。
【0041】
実施の形態3が解決しようとする他の課題は次のとおりである。従来技術3では、端末機54の接続台数が多くなると通信速度が遅くなることである。通信速度が遅くなる理由または原因は、複数の端末機54を―つの基地局に収容する一対多接続となるために、一つの無線チャネルを複数の端末機54で共用する多元接続方式が必要である。この方式では、端末機54の接続台数が増加すると通信速度が大きく低下する。
【0042】
(3)実施の形態4が解決しようとする課題
後述する図8で示す実施の形態4は、実施の形態1ないし実施の形態3をさらに改良しようとする技術であって次のとおりである。実施の形態1および実施の形態2において、ユーザ近隣の電話回線40にxDSL信号を重畳する装置(ユーザ近隣スプリッタ61)は、後述するように大型化して、屋外のユーザ近隣電柱Pu上などに設置する場合は、ユーザ近隣電柱Puの強度上および美観上の観点から、軽量であり、また極力小型であることが望ましい。
【0043】
ユーザスプリッタ51が各ユーザ50ごとの単一のスプリッタでは、さほど大きなものではない。しかし、ユーザ50(電話回線1対)ごとに―つのスプリッタが必要である。送受信装置の設置効率を上げるために、―地点において複数のユーザ50と接続するには、多くのスプリッタが必要であり大型となる。
【0044】
ユーザ近隣の電話回線40にxDSL信号を重畳する装置(ユーザ近隣スプリッタ61)が小型軽量であることが要望される理由は、上記のように、―地点において複数のユーザ50と接続するスプリッタが多数で大型化するために、屋外のユーザ近隣電柱Pu上などに設置する場合は、ユーザ近隣電柱Puの強度上および美観上の観点からである。
【0045】
(4)実施の形態5が解決しようとする課題
実施の形態5は、実施の形態1ないし実施の形態4をさらに改良しようとする技術であって次のとおりである。実施の形態1ないし実施の形態4において、ユーザスプリッタ51の接続工事が面倒である。ユーザ近隣電柱Pu上などの屋外では、接続工事が極力簡単にできることが望ましい。しかし、スプリッタは既設の電話回線40に直列に挿入しなければならないために、電話回線40を一旦切断してから接続しなければならない。
【0046】
本発明は、第1に、従来技術のADSL方式では、電話局10と端末機54との距離(伝送距離)は最大6〜7km以内に制限されていたが、この制限を大きく緩和してサービスエリアを拡大すること、第2に、サービスエリア内では伝送距離が長くなっても通信速度が低下する欠点を大きく軽減すること、第3に、電話回線40の途中に光ファイバ一が使用されていても適用することができること、第4に、既設の電話回線引込線を活用して安価にサービスを提供できること、第5に、山間、離島などのへき地にも安価にサービスを提供できることの少なくとも1つを達成することができる高速ディジタルデータ通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0047】
後述する図1に示すように、実施の形態1は、電話局10から電話回線40によって伝送された電話信号とデータ信号送受信設備20から有線伝送路60またはアンテナ間無線伝送路70によって伝送されたデータ信号とをユーザ近隣で重畳して、この重畳した電話信号とデータ信号とを既設の電話回線引込線からユーザ50に提供する電話信号・データ信号ユーザ近隣重畳方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0048】
後述する図1ないし図4に示す実施の形態1および実施の形態2(以下、本発明の有線伝送路方式という)は、第1に、「電話局10から電話回線40によって伝送された電話信号」と「データ信号送受信設備20から有線伝送路60によって伝送されたデータ信号」とをユーザ近隣で重畳する。第2に、この重畳した電話信号とデータ信号とを、既設の電話回線引込線からユーザ50に提供する。この本発明の有線伝送路方式は電話信号・データ信号ユーザ近隣重畳方式であって、ユーザ近隣で電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61およびユーザ近隣でデータ信号送受信設備20と有線伝送路60とを介して接続したユーザ近隣モデム62を電柱設置機器Pまたは地上設置機器Eとして設置する有線伝送ユーザ近隣スプリッタ設置方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0049】
後述する図5ないし図7に示す実施の形態3(以下、本発明のアンテナ間無線伝送路方式という)は、ユーザ近隣で電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61およびユーザ近隣でデータ信号送受信設備20とアンテナ間無線伝送路70とを介して接続したユーザ近隣モデム62を電柱設置機器Pまたは地上設置機器Eとして設置する無線伝送ユーザ近隣スプリッタ設置方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0050】
後述する図8に示す実施の形態4(以下、本発明のユーザ近隣LPF・ユーザ近隣HPF分離設置方式という)は、ユーザ近隣スプリッタ61を、電話信号を伝送するユーザ近隣LPF61Lとデータ信号を伝送するユーザ近隣モデム62を介して接続するユーザ近隣HPF61Hとに分離して、ユーザ近隣LPF61Lを電柱設置機器Pとし、ユーザ近隣HPF61Hを地上設置機器Eとして設置することによって、ユーザ近隣LPF61Lと伝送路接続用分岐点63からユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44を分岐させるユーザ近隣LPF・ユーザ近隣HPF分離設置する有線伝送ユーザ近隣スプリッタ設置方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0051】
後述する図9および図10に示す実施の形態5(以下、本発明の交換機用LPF・ユーザ近隣HPF分離設置方式という)は、交換機用LPF13Lに接続する電話回線40のユーザ近隣で伝送路接続用分岐点63を形成して、データ信号送受信設備20からデータ信号を伝送する有線伝送路60またはアンテナ間無線伝送路70に接続するユーザ近隣モデム62を介して接続するユーザ近隣HPF61Hをこの伝送路接続用分岐点63から分岐したユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44に接続し、このユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62の一方または両者を電柱設置機器Pまたは地上設置機器Eとして設置する交換機用LPF・ユーザ近隣HPF分離方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【発明の効果】
【0052】
本発明は、電話局10から遠隔地にあるユーザ50において、既設の電話回線40および既設の電話回線引込線を使用してまたは既設の電話回線引込線だけをそのまま使用してデータ信号重畳電話回線引込線43として利用することができ、高速データ通信サービスが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
発明を実施するための最良の形態は、「電話局10から電話回線40によって伝送された電話信号」と「データ信号送受信設備20から有線伝送路60またはアンテナ間無線伝送路70によって伝送されたデータ信号」とをユーザ近隣で重畳して、この重畳した電話信号とデータ信号とを既設の電話回線引込線からユーザ端末モデム53に伝送することによって、電話局10から遠隔地においても電話回線40を使用して高速データ通信サービスを可能にする。
【0054】
以下に、上記の発明を実施するための最良の形態以外に、本出願の発明を実施することができる実施の形態を列挙する。実施の形態は図面を参照して説明するので、実施の形態で説明する図面について説明する。
【0055】
[実施の形態の図面の説明]
図1は、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61および有線伝送路60としてメタリックケーブル伝送路60Mに接続するユーザ近隣モデム62の両方を電柱設置機器Pとして設置する実施の形態1Aのメタリックケーブル伝送ユーザ近隣スプリッタモデム電柱設置図である。
【0056】
図2は、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61および有線伝送路60として光ファイバ伝送路60Fに接続するユーザ近隣モデム62の両方を電柱設置機器Pとして設置する実施の形態1Bの光ファイバ伝送ユーザ近隣スプリッタモデム電柱設置図である。
【0057】
図3は、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61を電柱設置機器Pとして設置し、有線伝送路60としてメタリックケーブル伝送路60Mに接続するユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置する実施の形態2Aのメタリックケーブル伝送ユーザ近隣スプリッタ電柱設置・ユーザ近隣モデム地上設置図である。
【0058】
図4は、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61を電柱設置機器Pとして設置し、有線伝送路60として光ファイバ伝送路60Fに接続するユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置する実施の形態2Bの光ファイバ伝送ユーザ近隣スプリッタ電柱設置・ユーザ近隣モデム地上設置図である。
【0059】
図5は、「ユーザ近隣で電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61」および「ユーザ近隣でデータ信号送受信設備20とアンテナ間無線伝送路70とを介して接続するユーザ近隣モデム62」を電柱設置機器Pとして設置する実施の形態3Aの無線伝送ユーザ近隣スプリッタモデム電柱設置図である。
【0060】
同図は、アンテナ間無線伝送路70が、センタ無線データ信号送受信機72Cに接続するセンタアンテナ71Cとユーザ近隣無線データ信号送受信機72Uに接続するユーザ近隣アンテナ71Uとの間で形成される実施の形態3Bのアンテナ間無線伝送路図である。
【0061】
図6は、「ユーザ近隣で電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61」を電柱設置機器Pとし、「ユーザ近隣でデータ信号送受信設備20とアンテナ間無線伝送路70とを介して接続するユーザ近隣モデム62」を地上設置機器Eとして設置する実施の形態3Aの無線伝送ユーザ近隣スプリッタ電柱設置・ユーザ近隣モデム地上設置図である。
【0062】
同図は、アンテナ間無線伝送路70が、センタ無線データ信号送受信機72Cに接続するセンタアンテナ71Cとユーザ近隣無線データ信号送受信機72Uに接続するユーザ近隣アンテナ71Uとの間で形成される実施の形態3Bのアンテナ間無線伝送路図である。
【0063】
図7は、「ユーザ近隣で電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61」および「ユーザ近隣でデータ信号送受信設備20とアンテナ間無線伝送路70とを介して接続するユーザ近隣モデム62」を地上設置機器Eとして設置する実施の形態3Cの無線伝送ユーザ近隣スプリッタモデム地上設置図である。
【0064】
同図は、ユーザ近隣データ信号送受信機72Uに接続するユーザ近隣アンテナ71Uから入力されたデータ信号が、ユーザA引込線43A、ユーザB引込線43B、ユーザC引込線43Cなどに分岐される実施の形態3Cのユーザ近隣データ信号無線方式各ユーザ引込線データ信号伝送の概念を示している。
【0065】
図8は、「ユーザ近隣スプリッタ61を、電話信号を電話回線40へ伝送するユーザ近隣LPF61L」と「データ信号をユーザ近隣モデム62に伝達するユーザ近隣HPF61H」とに分離して、ユーザ近隣LPF61Lを電柱設置機器Pとし、ユーザ近隣HPF61Hを地上設置機器Eとして設置することによって、ユーザ近隣LPF61Lと伝送路接続用分岐点63からユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44を分岐させるユーザ近隣LPF・ユーザ近隣HPF分離設置図である。
【0066】
同図は、実施の形態4を実施するために、「電話回線40のユーザ近隣に設置するユーザ近隣スプリッタ61を電話回線40に接続するユーザ近隣LPF61L」と「有線伝送路60またはアンテナ間無線伝送路70にユーザ近隣モデム62を介して接続するユーザ近隣HPF61H」とに分離して、ユーザ近隣LPF61Lを電柱設置機器Pとし、ユーザ近隣HPF61Hを地上設置機器Eとして設置することによって、ユーザ近隣LPF61Lとデータ信号重畳電話回線引込線43とを接続する伝送路接続用分岐点(端子函)63からユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44を分岐させている。なお、ユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣LPF61Lの一方または両者を電柱設置機器Pとするかまたは一方または両者を地上設置機器Eとして設置することができる。
【0067】
図9は、交換機用LPF13Lに接続する電話回線40のユーザ近隣で形成した伝送路接続用分岐点63に、電柱設置機器Pとして設置するユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62を経由して有線伝送路60を接続して、データ信号と電話信号とを重畳して、各データ信号重畳電話回線引込線43から各ユーザ50に提供する有線伝送交換機用LPF・電柱設置ユーザ近隣HPF分離方式設置図である。
【0068】
同図は、実施の形態5Aを実施するために、交換機用LPF13Lに接続する電話回線40のユーザ近隣で伝送路接続用分岐点63を形成して、この伝送路接続用分岐点63から分岐してユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62を電柱設置機器Pとすることによって、交換機用LPFと電柱設置ユーザ近隣HPFとに分離設置している。
【0069】
図10は、交換機用LPF13Lに接続する電話回線40のユーザ近隣で形成した伝送路接続用分岐点63に、地上設置機器Eとして設置するユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62を経由して有線伝送路60を接続して、データ信号と電話信号とを重畳して、各データ信号重畳電話回線引込線43(43A,43B,43C)から各ユーザ50(50A,50B,50C)に提供する有線伝送交換機用LPF・地上設置ユーザ近隣HPF分離方式設置図である。
【0070】
同図は、実施の形態5Bを実施するために、交換機用LPF13Lに接続する電話回線40のユーザ近隣で伝送路接続用分岐点63を形成して、この伝送路接続用分岐点63から分岐したユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置することによって、交換機用LPFと地上設置ユーザ近隣HPFとに分離設置している。
【0071】
[実施の形態]
実施の形態1ないし実施の形態5Bに共通する電話信号とデータ信号とをユーザ近隣で重畳する上位概念の通信方法は、電話局10から電話回線40によって伝送された電話信号とデータ信号送受信設備20から有線伝送路60またはアンテナ間無線伝送路70によって伝送されたデータ信号とをユーザ近隣で重畳して、この重畳した電話信号とデータ信号とを既設の電話回線引込線からユーザ50に提供する電話信号・データ信号ユーザ近隣重畳方式である。
【0072】
上記の実施の形態1ないし実施の形態5Bの中位概念である実施の形態1および実施の形態2に共通する電話信号とデータ信号とをユーザ近隣で重畳する中位概念の通信方法は、電話局10から電話回線40によって伝送された電話信号とデータ信号送受信設備20から有線伝送路60によって伝送されたデータ信号とをユーザ近隣で重畳して、この重畳した電話信号とデータ信号とを既設の電話回線引込線からユーザ50に提供する電話信号・データ信号ユーザ近隣重畳方式である。
【0073】
上記の実施の形態の1および実施の形態2に共通する電話信号とデータ信号とをユーザ近隣で重畳する電柱設置機器Pまたは地上設置機器Eとして設置する通信方法は、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61および有線伝送路60に接続するユーザ近隣モデム62を電柱設置機器Pまたは地上設置機器Eとして設置する電話信号・データ信号ユーザ近隣重畳方式である。
【0074】
実施の形態1は、図1または図2に示すように、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61および有線伝送路60に接続するユーザ近隣モデム62の両方を電柱設置機器Pとして設置する有線伝送ユーザ近隣スプリッタモデム電柱設置方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0075】
実施の形態1Aは、図1に示すように、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61および有線伝送路60としてメタリックケーブル伝送路60Mに接続するユーザ近隣モデム62の両方を電柱設置機器Pとして設置するメタリックケーブル伝送ユーザ近隣スプリッタモデム電柱設置方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0076】
実施の形態1Bは、図2に示すように、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61および有線伝送路60として光ファイバ伝送路60Fに接続するユーザ近隣モデム62の両方を電柱設置機器Pとして設置する光ファイバ伝送ユーザ近隣スプリッタモデム電柱設置方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0077】
実施の形態2は、図3または図4に示すように、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61を電柱設置機器Pとして設置し、有線伝送路60に接続するユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置する有線伝送ユーザ近隣スプリッタ電柱設置・ユーザ近隣モデム地上設置方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0078】
実施の形態2Aは、図3に示すように、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61を電柱設置機器Pとして設置し、有線伝送路60としてメタリックケーブル伝送路60Mに接続するユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置するメタリックケーブル伝送ユーザ近隣スプリッタ電柱設置・ユーザ近隣モデム地上設置方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0079】
実施の形態2Bは、図4に示すように、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61を電柱設置機器Pとして設置し、有線伝送路60として光ファイバ伝送路60Fに接続するユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置する光ファイバ電話信号ユーザ近隣スプリッタ電柱設置・ユーザ近隣モデム地上設置方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0080】
実施の形態3は、図5ないし図7に示すように、ユーザ近隣で電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61およびユーザ近隣でデータ信号送受信設備20とアンテナ間無線伝送路70とを介して接続するユーザ近隣モデム62の一方または両者を電柱設置機器Pとして設置する無線伝送ユーザ近隣スプリッタモデム設置方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0081】
実施の形態3Aは、図5に示すように、ユーザ近隣で電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61およびユーザ近隣でデータ信号送受信設備20とアンテナ間無線伝送路70とを介して接続するユーザ近隣モデム62を電柱設置機器Pとして設置する無線伝送ユーザ近隣スプリッタモデム電柱設置方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0082】
同図に示すように、センタアンテナ71Cが送受信する電波をユーザ近隣に設置するユーザ近隣アンテナ71Uで送受信してユーザ近隣モデム62を通過したデータ信号をユーザ近隣に設置されて電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61において電話信号を重畳して、各データ信号重畳電話回線引込線43から各ユーザ50のユーザスプリッタ51に接続して通信するアンテナ間無線伝送路方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0083】
実施の形態3Bは、図6に示すように、ユーザ近隣で電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61を電柱設置機器Pとし、ユーザ近隣でデータ信号送受信設備20とアンテナ間無線伝送路70とを介して接続するユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置する無線伝送ユーザ近隣スプリッタ電柱設置・ユーザ近隣モデム地上設置方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0084】
同図に示すように、センタアンテナ71Cが送受信する電波をユーザ近隣に設置するユーザ近隣アンテナ71Uで送受信してユーザ近隣モデム62を通過したデータ信号をユーザ近隣に設置されて電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61において電話信号と重畳して、各データ信号重畳電話回線引込線43から各ユーザ50のユーザスプリッタ51に接続して通信するアンテナ間無線伝送路方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0085】
実施の形態3Cは、図7に示すように、ユーザ近隣で電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61およびユーザ近隣でデータ信号送受信設備20とアンテナ間無線伝送路70とを介して接続するユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置する無線伝送ユーザ近隣スプリッタモデム地上設置方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0086】
同図に示すように、センタアンテナ71Cが送受信する電波をユーザ近隣に設置するユーザ近隣アンテナ71Uで送受信してユーザ近隣モデム62を通過したデータ信号をユーザ近隣に設置されて電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61において電話信号と重畳して、各データ信号重畳電話回線引込線43から各ユーザ50のユーザスプリッタ51に接続して通信する無線伝送方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0087】
実施の形態3Dは、実施の形態3Bの図6または実施の形態3Cの図7に示すように、センタアンテナ71Cが送受信する電波をユーザ近隣に設置するユーザ近隣アンテナ71Uで送受信してユーザ近隣モデム62を通過したデータ信号をユーザ近隣に設置されて電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61において電話信号と重畳して、ユーザA引込線43A、ユーザB引込線43B、ユーザC引込線43Cなどのデータ信号重畳電話回線引込線43から各ユーザ50のユーザスプリッタ51に接続して通信する無線伝送方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0088】
実施の形態4は、図8に示すように、電話回線40のユーザ近隣に設置するユーザ近隣スプリッタ61を、電話回線40に接続するユーザ近隣LPF61Lとデータ信号送受信設備20からデータ信号を伝送する有線伝送路60またはアンテナ間無線伝送路70に接続するユーザ近隣モデム62を介して接続するユーザ近隣HPF61Hとに分離して、ユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣LPF61Lの一方または両者を電柱設置機器Pとするかまたは一方または両者を地上設置機器Eとして設置して、ユーザ近隣LPF61Lとデータ信号重畳電話回線引込線43とを接続する伝送路接続用分岐点(端子函)63からユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44を分岐させる有線伝送ユーザ近隣LPF・ユーザ近隣HPF分離方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0089】
実施の形態4Aは、図8に示すように、実施の形態4を実施するために、電話回線40のユーザ近隣に設置するユーザ近隣スプリッタ61を、電話回線40に接続するユーザ近隣LPF61Lとデータ信号送受信設備20からデータ信号を伝送する有線伝送路60にユーザ近隣モデム62を介して接続するユーザ近隣HPF61Hとに分離して、ユーザ近隣LPF61Lを電柱設置機器Pとし、ユーザ近隣HPF61Hを地上設置機器Eとして設置することによって、ユーザ近隣LPF61Lとデータ信号重畳電話回線引込線43とを接続する伝送路接続用分岐点(端子函)63からユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44を分岐させる有線伝送ユーザ近隣LPF・ユーザ近隣HPF分離方式の高速ディジタルデータ通信方法である。なお、ユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣LPF61Lの一方または両者を電柱設置機器Pとするかまたは一方または両者を地上設置機器Eとして設置することができる。
【0090】
実施の形態5は、図9または図10に示すように、交換機用LPF13Lに接続する電話回線40のユーザ近隣で伝送路接続用分岐点63を形成して、データ信号送受信設備20からデータ信号を伝送する有線伝送路60またはアンテナ間無線伝送路70に接続するユーザ近隣モデム62を介して接続するユーザ近隣HPF61Hをこの伝送路接続用分岐点63から分岐したユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44に接続し、このユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62の一方または両者を電柱設置機器Pまたは地上設置機器Eとして設置する交換機用LPF・ユーザ近隣HPF分離方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0091】
実施の形態5Aは、図9に示すように、交換機用LPF13Lに接続する電話回線40のユーザ近隣で伝送路接続用分岐点63を形成して、データ信号送受信設備20からデータ信号を伝送する有線伝送路60に接続するユーザ近隣モデム62を介して接続するユーザ近隣HPF61Hをこの伝送路接続用分岐点63から分岐したユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44に接続し、このユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62を電柱設置機器Pとして設置する交換機用LPF・ユーザ近隣HPF分離方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0092】
同図に示すように、交換機用LPF13Lに接続する電話回線40のユーザ近隣で伝送路接続用分岐点63を形成して、データ信号送受信設備20からデータ信号を伝送する有線伝送路60に接続するユーザ近隣モデム62を介して接続するユーザ近隣HPF61Hをこの伝送路接続用分岐点63から分岐したユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44に接続し、このユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62の一方または両者を電柱設置機器Pまたは地上設置機器Eとして設置して、データ信号と電話信号とを重畳して、各データ信号重畳電話回線引込線43から各ユーザ50のユーザスプリッタ51に接続して通信する有線伝送交換機用LPF・電柱設置ユーザ近隣HPF分離方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0093】
実施の形態5Bは、図10に示すように、交換機用LPF13Lに接続する電話回線40のユーザ近隣で伝送路接続用分岐点63を形成して、データ信号送受信設備20からデータ信号を伝送する有線伝送路60に接続するユーザ近隣モデム62を介して接続するユーザ近隣HPF61Hをこの伝送路接続用分岐点63から分岐したユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44に接続し、このユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置する交換機用LPF・地上設置ユーザ近隣HPF分離方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0094】
同図に示すように、交換機用LPF13Lに接続する電話回線40のユーザ近隣で伝送路接続用分岐点63を形成して、データ信号送受信設備20からデータ信号を伝送する有線伝送路60に接続するユーザ近隣モデム62を介して接続するユーザ近隣HPF61Hをこの伝送路接続用分岐点63から分岐したユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44に接続し、このユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置して、データ信号と電話信号とを、電話回線40のユーザ近隣で分岐して伝送路接続用分岐点63で重畳して、各データ信号重畳電話回線引込線43から各ユーザ50のユーザスプリッタ51に接続して通信する有線伝送交換機用LPF・地上設置ユーザ近隣HPF分離方式の高速ディジタルデータ通信方法である。
【0095】
以下、上記の各実施の形態ごとに、従来技術と比較して、有利な効果を記載する。以下に記載する各実施の形態ごとの効果のすべてを同時に有している必要はなく、実施の形態の一つ以上の効果を有していればよい。
【0096】
[実施の形態1の効果]
実施の形態1は、図1および図2に示すように、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61および有線伝送路60に接続するユーザ近隣モデム62の両方を電柱設置機器Pとして設置している。
【0097】
(a)電話局10から遠距離の地域であっても、既存の電話回線40および既存の電話回線引込線を使用し、または既存の電話回線引込線だけを使用し、新たにユーザ50内へ電話回線40を敷設する工事が不要であるので、安価に高速データ通信を提供することができる。また、ユーザ50は、ADSLに使用するユーザ端末モデム53、ユーザスプリッタ51などを何ら変更することなくそのまま使用することができるので、ユーザには抵抗感がない。
【0098】
(b)市街地から離れた郡部でも高速データ通信の利用が可能となり、ディジタルディバイドの解消に有効である。
【0099】
(c)データ信号の流れる電話回線40の長さは、例えば、ユーザ近隣電柱Puからの距離で短いので、xDSL方式でも安定に高い通信速度を維持することができる。
【0100】
(d)データ信号送受信設備20とユーザ近隣モデム62との接続伝送路は有線伝送路60であるので、敷設工事が必要であるが、安定で高速なデータ通信を提供することができる。
【0101】
[実施の形態2の効果]
実施の形態2は、図3および図4に示すように、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61を電柱設置機器Pとして設置し、有線伝送路60に接続するユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置している。
【0102】
実施の形態1は、図1および図2に示すように、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61および有線伝送路60に接続するユーザ近隣モデム62の両方を電柱設置機器Pとして設置している。ユーザ近隣スプリッタ61およびユーザ近隣モデム62の両方を電柱に設置すると大型化して、屋外のユーザ近隣電柱Pu上などに設置する場合は、前述したように、ユーザ近隣電柱Puの強度上および美観上の観点から問題が生じる。
【0103】
そこで、実施の形態2は、有線伝送路60に接続するユーザ近隣モデム62を地上に設置するので、実施の形態1の問題を少なくすることができる。
【0104】
[実施の形態3の効果]
実施の形態3は、図5ないし図7に示すように、実施の形態1および実施の形態2の効果に加えて、データ信号送受信設備20からユーザ近隣モデム62までの伝送路はアンテナ間無線伝送路であるので、有線伝送路60の敷設工事が不要であり、システムの設置が容易である。例えば市街地から隔絶された山間部の集落であっても、電話回線40および電話回線引込線が設置されていれば、容易に高速データ通信を提供することができる。
【0105】
他方、従来技術の無線データ通信では、各端末機設置場所毎にアンテナと無線モデムとを設置する方式が実用化しているが、この方式では、第1に、ユーザ50ごとに高価な無線装置、工事などが必要でありコストがかかる問題がある。
【0106】
また、この従来方式では、第2に、―つの基地局に対し、複数の端末局が存在し無線チャネルを共有する。したがって、同時に接続しているユーザ数が増加すると伝送速度が大幅に低下する問題がある。
【0107】
上記の従来技術の無線データ通信の第1の問題に対して、実施の形態3では、このような工事の必要が無く、端末装置も既存のADSLのユーザ端末モデム53およびユーザスプリッタ51を使用することができる。
【0108】
上記の従来技術3の無線データ通信の第2の問題に対して、実施の形態3では、無線部分はl対1の接続であるので、上記のような多元接続方式は不要である。もちろん、伝送路は各端末で共有するので、使用者の増加により伝送速度の低下はある。しかし、多元接続方式が不要であるので、チャネルの使用効率は高く、速度低下は小さい。
【0109】
[実施の形態4の効果]
実施の形態1および実施の形態2では、ユーザ近隣電柱Pu上に設置するユーザ近隣スプリッタ61が、ユーザ近隣LPF61Lとユーザ近隣HPF61Hとの2個の構成要素であった。それに対して、実施の形態4は、図8に示すように、実施の形態1および実施の形態2の効果に加えて、ユーザ近隣電柱Pu上などで電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61がユーザ近隣LPF61Lだけとなるので、構成要素数を2から1に半減することができ、ユーザ近隣電柱Pu上に設置する電柱設置機器Pを小型軽量にすることができる。
【0110】
[実施の形態5の効果]
図9および図10に示すように、ユーザ近隣スプリッタ61をユーザ近隣電柱Pu上などで電話回線40に接続することを要しない。交換機用LPF13Lに接続する既存のユーザ近隣の電話回線40に設置された伝送路接続用分岐点(端子函)63に、ユーザ近隣HPF61Hを接続するだけで工事が完了するので、ユーザ近隣電柱Pu上に設置する設備の簡素化および工事の簡素化に有効である。
【0111】
また、伝送路接続用分岐点として既存の端子函63を利用して、その端子函63から地上に設置するユーザ近隣HPF61Hに接続すればよいので、極めて簡単な工事である。さらに、従来技術では、スプリッタは既設の電話回線40に直列に挿入しなければならないために、電話回線40を一旦切断してから接続しなければならなかったが、実施の形態5では上述したように、既存の端子函63において電話回線40に並列に接続するだけでよいので、極めて簡単な工事である。
【実施例】
【0112】
実施例と従来技術との差異を分かりやすくするために、従来技術と対比しながら各実施例について説明する。従来技術では、図11に示すように、中央モデム12および中央スプリッタ13の両者を電話局10に設置している。それに対して、本発明は、ユーザ近隣で有線伝送路60またはアンテナ間無線伝送路70に接続するユーザ近隣モデム62を経由してユーザ近隣スプリッタ61を設置して、有線伝送路60またはアンテナ間無線伝送路70からのデータ信号を電話回線40からの電話信号に重畳して、ユーザ端末モデム53に伝送している。
【0113】
したがって、電話局10の遠隔地においても電話回線40を使用して高速データ通信サービスを可能にする。このユーザ近隣モデム62は、有線伝送路60またはアンテナ間無線伝送路70を介してデータ信号送受信設備20に接続される。この接続点は従来の電話局10に限らず、任意の位置でデータ信号送受信設備20に接続することが可能である。
【0114】
有線伝送路60は、同軸ケーブル、光ファイバなどを選定することができるので、電話回線40に使用している銅より対線に比べて長距離の高速ディジタルデータ伝送が可能である。
【0115】
以下、電話回線部分のデータ通信方式としてADSL方式を例に説明する。しかし、この実施の形態はADSLに限らず、電話回線40(銅より対線)を伝送路とするデータ通信方式に使用可能である。既存の電話信号と異なる周波数帯域を用いて通信する「ADSLの派生方式、例えば、VDSL、SDSLなどの他の通信方式」にも適用可能である。
【0116】
電話回線40は1回線につき1対の銅より対線を使用する。各設置図では煩雑さを避けるために、電話回線部分は1対の銅より線を1本の実線で示している。また、図1ないし図5および図8と図9との設置図では、電話回線数を2としているが、3以上の場合でもモデム、スプリッタを回線ごとに設置すれば全く同様に適用できる。
【0117】
(1)従来のADSLシステムの構成(非特許文献1のP67)
図11は、電話局10の交換機11とデータ信号送受信設備20の中央モデム12とに接続する電話局スプリッタ13からユーザ50のユーザスプリッタ51まで、直接に、電話回線40で接続する従来技術1の電話局ユーザ間電話回線直接接続図である。
【0118】
同図において、従来のシステムでは、電話局10の内部でデータ信号送受信設備20に接続する中央モデム12と交換機11とを中央スプリッタ13で接続して、既存の電話回線40にADSL信号を重畳する。
【0119】
ユーザ50は、ユーザスプリッタ51とユーザ端末モデム53とを設置して、パソコンなどの端末機54に接続する。このようにユーザ端末モデム53は電話回線40を介して中央モデム12と1対1に接続され、端末機54はデータ信号送受信設備20と通信できる。
【0120】
従来技術のスプリッタは、電話信号のみを通過させる低域通過フィルタ(LPF)とADSL信号のみを通過させる高域通過フィルタ(HPF)とにより形成されて、信号の方向によって分岐器または合成器として動作する。
【0121】
アナログ電話信号の周波数は数[Hz]〜約4[kHz]であり、またADSL信号は約30[kHz]〜約1.1[MHz]であるので、スプリッタによって、この2信号を分離し相互干渉を回避することができる。
【0122】
従来技術では、ADSL信号が伝送される電話回線40の長さは、信号を重畳する既存の電話回線40の長さそのものであり、サービスエリアは最大でも電話局10から約6〜7kmの範囲に限られる。
【0123】
(2)本発明の実施の形態
実施の形態1ないし実施の形態5Bに共通する上位概念の通信方法は、電話局10に設置する中央モデム12と中央スプリッタ13とに代えてユーザ近隣モデム62とユーザ近隣スプリッタ61とをユーザ50の近くの電話回線付近(例えばユーザ近隣電柱Pu上)に設置する。
【0124】
上記共通する上位概念の通信方法は、前述したように、電話局10から電話回線40によって伝送された電話信号とデータ信号送受信設備20から有線伝送路60またはアンテナ間無線伝送路70によって伝送されたデータ信号とをユーザ近隣で重畳して、この重畳した電話信号とデータ信号とを既設の電話回線引込線からユーザ50に提供する電話信号・データ信号ユーザ近隣重畳方式である。
【0125】
また、上位概念の通信方法は、電話信号とデータ信号とをユーザ近隣で重畳することによって、ユーザ50が電話局10から遠隔地であっても、また、電話回線40の一部に光ファイバ伝送路60Fを含んでいても、高速ディジタルデータサービスを提供することができることにある。
【0126】
さらに、上位概念の通信方法は、電話信号とデータ信号との重畳位置は、従来の電話局10に限らず、データ信号送受信設備20のデータ信号が存在する任意の位置である。有線伝送路60は、同軸ケーブル、光ファイバなど電話回線40に比べて長距離の高速ディジタルデータ伝送が可能な伝送路であれば種類及び通信方式は任意である。
【0127】
実施の形態1は、電話信号とデータ信号とをユーザ近隣で重畳する上位概念を具体化するために、図1または図2に示すように、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61および有線伝送路60に接続するユーザ近隣モデム62の両方を電柱設置機器Pとして設置する有線伝送ユーザ近隣スプリッタモデム電柱設置方式であって、実施の形態1Aは、図1に示すように、有線伝送路60としてメタリックケーブル伝送路60Mを使用し、また、実施の形態1Bは、図2に示すように、有線伝送路60として光ファイバ伝送路60Fを使用している。
【0128】
実施の形態2は、電話信号とデータ信号とをユーザ近隣で重畳する上位概念を具体化するために、図3または図4に示すように、ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61を電柱設置機器Pとして設置し、有線伝送路60に接続するユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置する有線伝送ユーザ近隣スプリッタ電柱設置・ユーザ近隣モデム地上設置方式であって、実施の形態2Aは、図3に示すように、有線伝送路60としてメタリックケーブル伝送路60Mを使用し、また、実施の形態2Bは、図4に示すように、有線伝送路60として光ファイバ伝送路60Fを使用している。
【0129】
(3)実施の形態3(図5ないし図7)
実施の形態3は、実施の形態1または実施の形態2のデータ信号送受信設備20のデータ信号の伝送に、有線伝送路60の代わりに、アンテナ間無線伝送路70を使用した通信方式である。アンテナ間無線伝送路70は高速ディジタルデータ伝送が可能な方式であれば、周波数、変復調方式などは任意である。例えば、Fixed Wireless Access(FWA)と呼ばれる無線システムなどであり、マイクロ波帯の電波を使用するシステムが実用化されている(非特許文献1のP234−235,252−253)。
【0130】
(4)実施の形態4(図8)
実施の形態4は、実施の形態1または実施の形態2のユーザ近隣に設置するユーザ近隣スプリッタ61の構成要素の一つであるユーザ近隣HPF61Hをユーザ近隣の地上設置機器Eとし、ユーザ近隣LPF61Lのみを電柱設置機器Pとして設置する。実施の形態1または実施の形態2の有線伝送路60をアンテナ間無線伝送路70に取り替えれば、実施の形態3にも適用することができる。
【0131】
本出願に使用するスプリッタの機能は次の2点である。
(a)アナログ電話信号とADSL信号とを周波数帯域の差を利用して分離する。
(b)電話端末のオンフックまたはオフフック、交換機の呼出音の発生に伴って生じる過渡信号のADSLモデムヘの進入を阻止する。
【0132】
LPFとHPFとから形成されるスプリッタを単一の箱体に内蔵する必然性はない。電話信号、過渡信号などが電話局10の中央モデム12に進入(逆進行)しないように、また、ADSL信号などが交換機11に進入(逆進行)しないように、LPFおよびHPFをそれぞれ設置すればよい。
【0133】
以下、実施の形態4の図8に示す伝送路接続用分岐点(端子函)63の影響について説明する。その前に、実施の形態4の伝送路接続用分岐点(端子函)63が存在しない実施の形態1ないし実施の形態3について説明する。実施の形態1ないし実施の形態3においては、図1ないし図7に示すように、電話回線40とユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44とは、ユーザ近隣スプリッタ61によって接続されているので、ユーザ近隣モデム62からのデータ信号は、ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44から電話回線40を通って交換機11に進入しない。また、電話回線40からの電話信号はユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44を通ってユーザ近隣モデム62に進入しない。
【0134】
それに対して、実施の形態4では、図8に示すように、ユーザ近隣スプリッタ61をユーザ近隣LPF61Lとユーザ近隣HPF61Hとに分離して、それぞれ電柱設置機器Pおよび地上設置機器Eとして設置することによって、ユーザ近隣LPF61Lとデータ信号重畳電話回線引込線43との接続点からユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44を分岐させる伝送路接続用分岐点(端子函)63が必要になる。
【0135】
従来技術では、電話回線の分岐点に接続する分岐線が存在すると、電話回線40を逆進して交換機11で反射して分岐点に戻ってきて、データ信号重畳電話回線引込線のADSL信号の通過減衰特性が劣化することが知られている(非特許文献1のP73−75参照)。
【0136】
しかし、実施の形態4では、電話回線40からの電話信号は周波数が低いので、電話信号は、分岐線(ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44)が存在しても、電話回線40およびデータ信号重畳電話回線引込線43の電話信号通過減衰特性は、分岐線(ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44)によってほとんど劣化しない。
【0137】
また、伝送路接続線用分岐点63の反対側のユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44の端部は、ユーザ近隣HPF61Hが終端となっているので、この終端での電話信号の反射は小さく、電話回線40およびデータ信号重畳電話回線引込線43の電話信号通過減衰特性は、分岐線(ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44)によってほとんど劣化しない。
【0138】
また、実施の形態4では従来技術と異なり、ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44からのデータ信号は、伝送路接続用分岐点63に接続するユーザ近隣LPF61Lによって通過が阻止される。したがって、データ信号が通過するユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44およびデータ信号重畳電話回線引込線43のデータ信号通過減衰特性は、分岐線(ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44)によってほとんど劣化しない。
【0139】
(5)実施の形態5(図9および図10)
実施の形態5は、実施の形態1または実施の形態2で使用するユーザ近隣スプリッタ61を、交換機用LPF13Lとユーザ近隣HPF61Hとに分割して、交換機用LPF13Lに接続する電話回線40のユーザ近隣で伝送路接続用分岐点63を形成して、この伝送路接続用分岐点63から分岐したユーザ近隣HPF61Hおよびデータ信号送受信設備20に接続するユーザ近隣モデム62を電柱設置機器Pまたは地上設置機器Eとして設置する有線伝送交換機用LPF・ユーザ近隣HPF分離方式としている。
【0140】
実施の形態5Aは、図9に示すように、ユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62を電柱設置機器Pとして設置し、実施の形態5Bは、図10に示すように、ユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置する。
【0141】
上記のとおり、電話回線40とデータ信号重畳電話回線引込線43とを接続するためのスプリッタは無く伝送路接続用分岐点63が存在するので、電話回線40との接続工事は、電話回線40とデータ信号重畳電話回線引込線43とを直接に接続する伝送路接続用分岐点63に並列にユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44を接続するだけである。
【0142】
実施の形態5は、前述した実施の形態4と同様に、電話回線40からの電話信号は周波数が低いので、分岐線(ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44)が存在しても、データ信号重畳電話回線引込線43の電話信号通過減衰特性はほとんど劣化しない。
【0143】
また、伝送路接続用分岐点63の反対側のユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44の端部は、ユーザ近隣HPF61Hが終端となっているので、この終端での電話信号の反射は小さく、分岐線(ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44)が存在しても、電話回線40およびデータ信号重畳電話回線引込線43の電話信号通過減衰特性はほとんど劣化しない。
【0144】
データ信号(xDSL信号)から見ると、実施の形態5は、実施の形態4と異なり、電話回線40が、ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44とデータ信号重畳電話回線引込線43との分岐点に接続する分岐線となる。この場合、次の理由によって、データ信号通過減衰特性の劣化は小さい。
【0145】
理由1は、伝送路接続線用分岐点63の反対側の電話回線40の端部は交換機用LPF13Lが終端となつているので、電話回線40に逆進入したデータ信号の電話回線40の終端での反射は小さく、分岐線(電話回線40)が存在しても、ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44およびデータ信号重畳電話回線引込線43のデータ信号通過減衰特性はほとんど劣化しない。
【0146】
理由2は、交換機11から伝送路接続用分岐点63までの電話回線40は遠距離であるので、データ信号(xDSL信号)の減衰が大きい。ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44から電話回線40に逆進入したデータ信号(xDSL信号)は交換機用LPF13Lで反射してユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44に戻ってきても減衰は極めて大である。したがって、伝送路接続線用分岐点63から交換機用LPF13Lまでの分岐線に相当する電話回線40の存在は、ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44およびデータ信号重畳電話回線引込線43のデータ信号(xDSL信号)通過減衰特性をほとんど劣化させない。
【0147】
なお、伝送路が2方向に分岐する場合に、各方向への伝送電力は1/2(−3dB)となる。すなわち、データ信号(xDSL信号)がユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44からデータ信号重畳電話回線引込線43に伝送される際に、伝送電力は、3dB減少する。しかし、この程度の減衰値はモデムの性能によって十分吸収可能な値である。
【0148】
実施の形態5は、上記のように、データ信号(xDSL信号)の伝送に十分な性能を有しているが、実施の形態4と比較すると、実施の形態4のデータ信号(xDSL信号)の減衰特性劣化は軽微であり、より高い周波数領域を使用するVDSL方式などに適している。
【0149】
実施の形態1の図2および実施の形態2の図4および実施の形態5の図10において、データ信号送受信設備20からユーザ近隣までの有線伝送路60が光ファイバ伝送路60Fの場合、図12に示すFTTHシステム(非特許文献1のP45−52)、特に、FTTC(非特許文献1のP68図3−5)の方式とは、部分的には一見類似しているように見えるが、本発明の構成全体から見れば、以下のような大きな差異がある。
【0150】
FTTCのコンセプトは次のとおりである。ユーザ50の内部まで光ファイバを敷設するのが理想であるが、光ファイバを壁に貫通させたり壁に添設する工事の工数が大で費用がかかる。ユーザ50の近くまで光ファイバを敷設し、残り(ラストワンマイルという)はメタル線を用いる。この方式は、光ファイバが伝送路の大部分を占め、ラストワンマイルを容易に敷設するためにメタル電話回線を使用する。
【0151】
図2の実施の形態1B、図4の実施の形態2Bなどでは、従来、電話局10からユーザ50まで全てメタル電話回線40Mを使用しているADSLサービスのサービスエリアを広げることを目的としている。電話回線40へのADSL信号を重畳する位置をユーザ50に近づけるために、データ信号送受信設備20からユーザ近隣モデム62までの伝送路として光ファイバを利用する。すなわち、上記の実施の形態では、ユーザ近隣で、ユーザ近隣モデム62およびユーザ近隣スプリッタ61を介してユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44と光ファイバ伝送路60Fとを接続して、電話信号とデータ信号とを重畳する技術的思想を基本にしているのに対して、FTTCのコンセプトにはそのような考え方が全く存在していない。
【0152】
この点が実施の形態とFTTCとが全く異なる考え方である。したがって、実施の形態では、データ信号送受信設備20とユーザ近隣モデム62とを接続する伝送路は光ファイバには限定されない。 図1の実施の形態1A、図3の実施の形態2Aなどでは、同軸ケーブル、LANに使用されるツイストペア線(UTPケーブル)などでもよい。電話回線40でADSL信号が伝送できないような距離でも、安定して高速データ伝送ができる伝送路であればよい。 実施の形態2についても、上述した実施の形態1と同様である。
【0153】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲の技術的範囲は、上記実施の形態に記載された説明ではなくて、特許請求の範囲に記載された構成よって定まり、特許請求の範囲に記載された構成と均等な構成のすべてが特許請求の範囲の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本発明は、下記の各実施の形態に対して実益性を伴った有益性があるので、産業上の利用可能性を裏付ける。
【0155】
(a)実施の形態1は、電話局10から遠隔地においても、ユーザ近隣で有線伝送路60のデータ信号と電話回線40の電話信号とを重畳するので、電話回線40の距離の影響を受けない上に、既存の電話回線引込線を使用して高速データ通信サービスを可能にする。
【0156】
(b)実施の形態2は、実施の形態1の効果に加えて、ユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとすることによってユーザ近隣電柱Puに設置する設備の構成部数を減らして小型軽量化し、美観を確保するとともに、ユーザ近隣スプリッタ61のユーザ近隣電柱Puへの設置工事を簡素化する。
【0157】
(c)実施の形態3は、実施の形態2の効果に加えて、データ信号送受信設備20からユーザ近隣スプリッタ61までの伝送路がアンテナ間無線伝送路70であるので、電話回線40の敷設工事が不要であり、特に、市街地から隔絶された山間部の集落であっても、電話回線40が設置されていれば、容易に高速データ通信を提供することができる。
【0158】
(d)実施の形態4は、実施の形態2の効果に加えて、ユーザ近隣電柱Pu上などで電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61がユーザ近隣LPF61Lだけとなるので、構成要素数を2から1に半減させることができ、ユーザ近隣電柱Pu上に設置する電柱設置機器Pを小型軽量にすることができる。
【0159】
(e)実施の形態5は、実施の形態2の効果に加えて、交換機用LPF13Lに接続する既存のユーザ近隣の電話回線40に取り付けられた伝送路接続用分岐点(端子函)63にユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44を接続するだけで工事が完了するので、ユーザ近隣電柱Pu上に設置する設備の簡素化および工事の簡素化をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61および有線伝送路60としてメタリックケーブル伝送路60Mに接続するユーザ近隣モデム62の両方を電柱設置機器Pとして設置する実施の形態1Aのメタリックケーブル伝送ユーザ近隣スプリッタモデム電柱設置図である。
【図2】ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61および有線伝送路60として光ファイバ伝送路60Fに接続するユーザ近隣モデム62の両方を電柱設置機器Pとして設置する実施の形態1Bの光ファイバ伝送ユーザ近隣スプリッタモデム電柱設置図である。
【図3】ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61を電柱設置機器Pとして設置し、有線伝送路60としてメタリックケーブル伝送路60Mに接続するユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置する実施の形態2Aのメタリックケーブル伝送ユーザ近隣スプリッタ電柱設置・ユーザ近隣モデム地上設置図である。
【図4】ユーザ近隣に設置して電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61を電柱設置機器Pとして設置し、有線伝送路60として光ファイバ伝送路60Fに接続するユーザ近隣モデム62を地上設置機器Eとして設置する実施の形態2Bの光ファイバ伝送ユーザ近隣スプリッタ電柱設置・ユーザ近隣モデム地上設置図である。
【図5】「ユーザ近隣で電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61」および「ユーザ近隣でデータ信号送受信設備20とアンテナ間無線伝送路70とを介して接続するユーザ近隣モデム62」を電柱設置機器Pとして設置する実施の形態3Aの無線伝送ユーザ近隣スプリッタモデム電柱設置図である。
【図6】「ユーザ近隣で電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61」を電柱設置機器Pとし、「ユーザ近隣でデータ信号送受信設備20とアンテナ間無線伝送路70とを介して接続するユーザ近隣モデム62」を地上設置機器Eとして設置する実施の形態3Bの無線伝送ユーザ近隣スプリッタ電柱設置・ユーザ近隣モデム地上設置図である。
【図7】「ユーザ近隣で電話回線40に接続するユーザ近隣スプリッタ61」および「ユーザ近隣でデータ信号送受信設備20とアンテナ間無線伝送路70とを介して接続するユーザ近隣モデム62」を地上設置機器Eとして設置する実施の形態3Cの無線伝送方式ユーザ近隣スプリッタモデム地上設置図である。
【図8】ユーザ近隣スプリッタ61を、電話信号を伝送するユーザ近隣LPF61Lとデータ信号を伝送するユーザ近隣モデム62を介して接続するユーザ近隣HPF61Hとに分離して、ユーザ近隣LPF61Lを電柱設置機器Pとし、ユーザ近隣HPF61Hを地上設置機器Eとして設置することによって、ユーザ近隣LPF61Lと伝送路接続用分岐点63からユーザ近隣電話回線・伝送路接続線44を分岐させるユーザ近隣LPFとユーザ近隣HPFとに分離設置するユーザ近隣LPF・ユーザ近隣HPF分離設置図である。
【図9】交換機用LPF13Lに接続する電話回線40のユーザ近隣で形成した伝送路接続用分岐点63に、電柱設置機器Pとして設置するユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62を経由してユーザ近隣HPF61Hを接続して、データ信号と電話信号とを重畳して、各データ信号重畳電話回線引込線43から各ユーザ50に提供する有線伝送交換機用LPF・電柱設置ユーザ近隣HPF分離方式設置図である。
【図10】交換機用LPF13Lに接続する電話回線40のユーザ近隣で形成した伝送路接続用分岐点63に、地上設置機器Eとして設置するユーザ近隣HPF61Hおよびユーザ近隣モデム62を経由してユーザ近隣HPF61Hを接続して、データ信号と電話信号とを重畳して、各データ信号重畳電話回線引込線43から各ユーザ50に提供する有線伝送交換機用LPF・地上設置ユーザ近隣HPF分離方式設置図である。
【図11】「電話局10の交換機11」と「データ信号送受信設備20のセンタデータ信号送受機21に接続する中央モデム12」とを接続した電話局スプリッタ13からユーザ50のユーザスプリッタ51まで、直接に、電話回線40で接続する従来技術1の電話局ユーザ間電話回線直接接続図である。
【図12】データ信号送受信設備20とユーザ50とを光ファイバとメタルケーブルを使用して一対一に接続するFTTB、FTTC、FTTCabなどの従来技術2の光複合型伝送路概念図である。
【図13】図12のデータ信号送受信設備20に通常1つの光加入者端局装置(OLT)を設置してデータ信号を送信し、各ユーザごとにそれぞれ個別に光加入者終端装置(ONU)を設置する従来技術2の光単独型伝送路概念図である。
【図14】データ信号送受信設備20の大型アンテナを通じて電波を送受信し、各オフィスの屋上にそれぞれ個別に設置されたアンテナで電波を送受信または光ファイバが架設された住宅、集合住宅などの近くの電柱に設置された小型のアンテナから住宅などにそれぞれ個別に設置された小型のアンテナで電波を送受信する従来技術3の無線アクセス方式概念図である。
【符号の説明】
【0161】
10 電話局
11 交換機
12 中央モデム
13 電話局スプリッタ
13L 交換機用LPF
13H 交換機用HPF
20 データ信号送受信設備
21 センタデータ信号送受機
22 センタ光・電気変換回路
30 通信設備センター
40 電話回線
40M メタリック電話回線
40MF ファイバ・メタリック電話回線
43 データ信号重畳電話回線引込線
43A ユーザA引込線
43B ユーザB引込線
43C ユーザC引込線
44 ユーザ近隣電話回線・伝送路接続線
50 ユーザ
51 ユーザスプリッタ
51L ユーザLPF
51H ユーザHPF
52 電話機
53 ユーザ端末モデム
54 端末機
E 地上設置機器
P 電柱設置機器
Pu ユーザ近隣電柱
60 有線伝送路
60F 光ファイバ伝送路
60M メタリックケーブル伝送路
61 ユーザ近隣スプリッタ
61A ユーザA近隣スプリッタ
61B ユーザB近隣スプリッタ
61C ユーザC近隣スプリッタ
61E 地上設置ユーザ近隣スプリッタ
61EH 地上設置ユーザ近隣HPF
61H ユーザ近隣HPF
61P 電柱設置ユーザ近隣スプリッタ
61L ユーザ近隣LPF
61PL 電柱設置ユーザ近隣LPF
62 ユーザ近隣モデム
62A ユーザA近隣モデム
62B ユーザB近隣モデム
62C ユーザC近隣モデム
62P 電柱設置ユーザ近隣モデム
62E 地上設置ユーザ近隣モデム
62EO ユーザ近隣光電気変換回路
63 伝送路接続用分岐点
65 光・電気信号変換機
66 LANスイッチ
70 アンテナ間無線伝送路
71C センタアンテナ
71U ユーザ近隣アンテナ
72C センタ無線データ信号送受信機
72U ユーザ近隣無線データ信号送受信機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話局から電話回線によって伝送された電話信号とデータ信号送受信設備から有線伝送路またはデータ信号送受信設備のセンタアンテナとユーザ近隣のアンテナ間の無線伝送路によって伝送されたデータ信号とをユーザ近隣で重畳して、前記重畳した電話信号とデータ信号とを既設の電話回線引込線からユーザに提供する電話信号・データ信号ユーザ近隣重畳方式の高速ディジタルデータ通信方法。
【請求項2】
ユーザ近隣に設置して電話回線に接続するユーザ近隣スプリッタおよびユーザ近隣に設置してデータ信号送受信設備からデータ信号を伝送する有線伝送路に接続するユーザ近隣モデムの一方または両者を電柱設置機器または地上設置機器として設置する有線伝送ユーザ近隣スプリッタモデム設置方式の高速ディジタルデータ通信方法。
【請求項3】
ユーザ近隣に設置して電話回線に接続するユーザ近隣スプリッタおよびユーザ近隣に設置してデータ信号送受信設備からデータ信号を伝送するデータ信号送受信設備のセンタアンテナとユーザ近隣のアンテナ間の無線伝送路に接続するユーザ近隣モデムの一方または両者を電柱設置機器または地上設置機器として設置する無線伝送ユーザ近隣スプリッタモデム設置方式の高速ディジタルデータ通信方法。
【請求項4】
電話回線のユーザ近隣に設置するユーザ近隣スプリッタを、電話回線に接続するユーザ近隣LPFとデータ信号送受信設備からデータ信号を伝送する有線伝送路または無線伝送路に接続するユーザ近隣モデムを介して接続するユーザ近隣HPFとに分離して、ユーザ近隣HPFおよびユーザ近隣LPFの一方または両者を電柱設置機器または地上設置機器として設置して、ユーザ近隣LPFとデータ信号重畳電話回線引込線とを接続する伝送路接続用分岐点からユーザ近隣電話回線・伝送路接続線を分岐するユーザ近隣LPF・ユーザ近隣HPF分離方式の高速ディジタルデータ通信方法。
【請求項5】
交換機用LPFに接続する電話回線のユーザ近隣で伝送路接続用分岐点を形成して、データ信号送受信設備からデータ信号を伝送する有線伝送路または無線伝送路に接続するユーザ近隣モデムを介して接続するユーザ近隣HPFを前記伝送路接続用分岐点から分岐したユーザ近隣電話回線・伝送路接続線に接続し、前記ユーザ近隣HPFおよびユーザ近隣モデムの一方または両者を電柱設置機器または地上設置機器として設置する交換機用LPF・ユーザ近隣HPF分離方式の高速ディジタルデータ通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−135416(P2006−135416A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−319448(P2004−319448)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】