説明

電話通信端末、ベース装置、電子メール情報提供プログラムおよび発信処理プログラム

【課題】電話の発信時に、発信元から着信側にメッセージ情報を送信し、着信側において応答操作がされる前であっても、発信元からのメッセージ情報を確認できるようにする。
【解決手段】ディスプレイ524に電子メール情報が表示されているときに、IP電話端末4のハンドセット440が取り上げられて発信操作が行われると、携帯電話端末5から電話をかける相手先の電話番号と表示されている電子メール情報の「件名」などの所定の情報をIP電話端末4に提供する。IP電話端末4の発信等処理部が、携帯電話端末5からの電話番号の相手先へのINVITEメッセージを形成し、この時、DisplayNameに携帯電話端末5からの「件名」などの所定の情報を含めて発信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作成した、あるいは、受信した電子メールの相手先に対して、電話をかける場合に用いる装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電話通信システムにおいては、従来から電話会社が提供する発信者番号通知サービスによって、着信側の電話端末のディスプレイ(表示部)に発信元の電話番号を表示することができるようにされている。これにより、着信側においては、応答前にまず通知された電話番号により相手先を確認して電話に出ることができる。しかし、発信者番号通知サービスは、発信者側の電話番号を着信先に通知するサービスであり、短くても伝言メッセージ等の表示用メッセージは送信することができない。
【0003】
そこで、表示用メッセージは、電子メールを用いて送信することが行われる。しかし、電子メールの場合、送信先では電子メールの閲覧ソフトウェア(メーラー)を起動させて、自分宛の電子メールを自分用のメールボックスから取得して閲覧しなければ見ることができない。このため、発信者が表示用メッセージを簡単かつ短時間に送信でき、しかも着信側においては応答操作する前でも、また、応答することができなかったときでも当該表示用メッセージを確認できるようにすることが望まれる。
【0004】
この課題を解決するものとして、後に記す特許文献1には、発着信に係わる接続シーケンスで既定されたINFOMATIONメッセージ等に、発信者が入力したメッセージや交換局(基地局)に用意されたメッセージを挿入して送信する発明が開示されている。これにより、発信者はメッセージを簡単かつ短時間に送信し、移動通信端末などの着信側では当該メッセージを抽出して表示し、着信に応答することができなかったときでも、当該伝言メッセージを確認することができるようにされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−128247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された発明の場合、受信側にはINFOMATIONメッセージから表示用メッセージを抽出して、これを表示する機能を新たに設ける必要がある。具体的に受信側には、(1)INFOMATIONメッセージが到来したときには、これを受信し、(2)受信したINFOMATIONメッセージから発信元からの表示用メッセージを抽出し、(3)抽出した表示用メッセージをディスプレイに表示する。といった機能を、あえて新たに設ける必要が生じる。このことは、特許文献1の例えば段落[0064]において図10が用いられて説明されている。
【0007】
このため、できれば受信側の電話端末等の通信機器には変更を加えることなく、発信元から着信側に表示用メッセージを送信し、着信側において応答操作がされる前であっても、ユーザが当該表示メッセージを確認できるようにすることが望まれる。このような要求は、電子メールと電話との連携を実現する場合における重要な課題の1つである。
【0008】
例えば、上述したように、電子メールを送信した場合、一般に相手先が当該電子メールを見たか否かは分からない。このため、重要な連絡の場合には、電子メールだけでなく、確認のために電話連絡を入れることがビジネスマナーにもなっている。そして、予め送信した電子メールについての電話連絡の場合には、何のために電話がかかってきているのかを、受信側の電話端末に表示できれば便利である。受信側においては、自機への着信が何のための連絡なのかを応答前に知ることができるので迅速な応答が期待できる。
【0009】
以上のことに鑑み、この発明は、少なくとも着信側の通信機器には大きな変更を加えることなく、電話の発信時において、発信元から着信側にメッセージ情報を送信し、着信側において応答操作がされる前であっても、発信元からのメッセージ情報を確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の電話通信端末は、
表示手段と、
前記表示手段に表示情報を表示する処理を行うようにする表示制御手段と、
ユーザからの発信操作を受け付ける受付手段と、
前記表示手段に表示情報が表示されているときに、前記受付手段を通じて発信操作を受け付けた場合に、前記表示情報に含まれる所定の情報をSIP(Session Initiation Protocol)におけるインバイト(INVITE)メッセージのディスプレイネーム(DisplayName)に含めて、指示された相手先に対して発信を行う発信処理手段と
を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明の電話通信端末によれば、表示制御手段により種々の表示情報が表示手段に表示するようにされる。当該表示手段に表示情報が表示されているときに、受付手段を通じて発信操作が受け付けられると、発信処理手段により、当該表示情報に含まれる所定の情報が、発信メッセージであるインバイト(INVITE)メッセージのディスプレイネーム(DisplayName)に含められて発信される。
【0012】
ディスプレイネームに記録された情報は、本来、着信先において「発信元表示名」として表示されるものである。このため、着信側の通信機器(電話端末)には何らの変更を加えることなく、発信元の表示手段に表示されている表示情報に含まれる所定の情報を、発信元から着信側に送信し、これを着信側の通信機器の表示手段に表示することができるようにされる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、極めて簡単な操作だけで、発信元から着信先に対して、表示情報に応じたメッセージ情報を送信することができる。そして、着信側においては、通信機器には大きな変更を加えることなく、発信元からのメッセージ情報を受信し、応答操作がされる前であっても、発信元からの当該メッセージ情報を表示して確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態の電話システムの概要を説明するためのブロック図である。
【図2】IP電話端末4と携帯電話端末5との連携の概要について説明するための図である。
【図3】SIPサーバ1の構成例を説明するためのブロック図である。
【図4】アドレス管理DB106に形成される管理情報(データベース)の構成例について説明するための図である。
【図5】IP電話端末4の構成例を説明するためのブロック図である。
【図6】携帯電話端末5の構成例を説明するためのブロック図である。
【図7】表示された電子メール情報の相手先に電話をかける場合の動作(処理)について説明するためのシーケンス図である。
【図8】発信元の携帯電話端末5のディスプレイの表示例と発信の相手先(発信先)の電話端末の着信時の表示例を説明するための図である。
【図9】携帯電話端末5のディスプレイに表示される通信履歴情報(発着信履歴情報および関連メール履歴情報)の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照しながら、この発明による装置、プログラムの一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態においては、例えば、事業所内に形成されるボタン電話システムであって、IP(Internet Protocol)網を通じても電話通信を行うことができるIP電話システムに、この発明を適用した場合を例にして説明する。
【0016】
[電話システムの概要]
図1は、この実施の形態の電話システムの概要を説明するためのブロック図である。図1に示すように、この実施の形態の電話システムは、SIPサーバ1に対してLAN(Local Area Network)2を通じ、複数のIP電話端末4(1)、4(2)、4(3)、…が接続されて構成される。そして、IP電話端末4(1)、4(2)、4(3)、…のそれぞれと、電子メールの送受が可能な携帯電話端末5とを、所定のデジタルインターフェースを用いて接続し、データの送受を行うことができるようにしている。
【0017】
そして、以下に説明する実施の形態において、IP電話端末4(1)、4(2)、4(3)、…のそれぞれが、電話機能を実現するベースとなるベース装置を構成し、携帯電話端末5が、電子メール情報等を表示する表示装置を構成するものとして位置付けられる。なお、以下においては、IP電話端末4(1)、4(2)、4(3)、…のそれぞれと携帯電話端末5とは、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格のインターフェースケーブル8により接続されるものとして説明する。
【0018】
SIPサーバ1は、図1に示したように、IP網6と電話網7とに接続され、通信路(通信回線)を接続する端末間のアドレス解決をするものである。つまり、SIPサーバ1は、レジストラ・サーバ機能とプロキシ・サーバ機能とを備え、これらの機能を用いることによって、LAN2に接続された電話システム内の機器との間や、LAN2に接続された機器とIP網6や電話網7に接続された機器との間に、通信路を接続することができるようにするものである。
【0019】
IP網6は、IP(Internet Protocol)を用いて通信を行うネットワークを意味し、具体的にはインターネットである。また、電話網7は、アナログ方式の公衆交換電話網(PSTN(Public Switched Telephone Network))、デジタル回線網(ISDN(Integrated Services Digital Network))、3G回線などと呼ばれる第3世代の高速携帯電話ネットワーク(携帯電話網)などを含むものである。
【0020】
IP電話端末4(1)、4(2)、4(3)、…のそれぞれは、通話を行うためにユーザによって用いられる通信端末である。IP電話端末4(1)、4(2)、4(3)、…のそれぞれは、LAN2に接続されたIP電話端末との間の内線通話と、IP網6や電話網7に接続された外部の電話端末との間の外線通話とを行うことができるものである。
【0021】
携帯電話端末5は、携帯電話網を通じて通信路を接続して通話を行うことができるものである。また、携帯電話端末5は、携帯電話網を通じてインターネットに接続し、Webページを閲覧したり、種々の情報のダウンロードやアップロードを行ったり、また、電子メールの送信、受信を行ったりすることができるものである。この実施の形態において、携帯電話端末5は、電子メールの送受やWebページの閲覧などを行うネットワーク機能や個人情報管理に優れたいわゆるスマートフォンなどと呼ばれる高機能の携帯電話端末である。
【0022】
そして、図1において、IP電話端末4(2)と携帯電話端末5とが接続されているように、IP電話端末4(1)、4(2)、4(3)、…と、携帯電話端末5とは、USBケーブル8を用いて接続し、相互に種々のデータの送受を行うことができるようにしている。これにより、IP電話端末4と携帯電話端末5とが連携することができるようにしている。
【0023】
なお、この実施の形態において、IP電話端末4(1)、4(2)、4(3)、…のそれぞれは、同様に構成されるものである。このため、以下においては、IP電話端末4(1)、4(2)、4(3)、…のそれぞれを総称してIP電話端末4という。また、図1においては、携帯電話端末5は1台しか示していないが、携帯電話端末5もまた複数存在する携帯電話端末を総称するものである。
【0024】
そして、図1に示したように、IP電話端末4と携帯電話端末5とがUSBケーブル8を通じて接続され、携帯電話端末5の表示画面に電子メール情報が表示されているときに、IP電話端末4に対して発信操作が行われたとする。この場合に、この実施の形態のIP電話端末4は、携帯電話端末5と協働し、携帯電話端末5の表示画面に表示中の電子メール情報の相手先に対して自動的に電話をかけることができるようにされる。この場合に、当該IP電話端末4は、携帯電話端末5と協働して、表示中の電子メール情報に含まれる所定の情報(例えば、件名等)についても送信し、着信先において応答前に当該所定の情報を見ることができるようにしている。
【0025】
図2は、IP電話端末4と携帯電話端末5との連携の概要について説明するための図である。図2Aに示すように、IP電話端末4に対しては、外部端子411及びUSBケーブル8を通じて携帯電話端末5が接続されている状態にあるとする。そして、IP電話端末4に接続された携帯電話端末5のディスプレイ524の表示画面には、送信元と送信先の電子メールアドレス、件名、本文といった種々の情報を含む電子メール情報が表示されているとする。
【0026】
この状態にあるときに、図2Bに示すように、IP電話端末4のハンドセット440をIP電話端末4の本体から取り上げると、フックスイッチSWはオン状態からオフ状態に遷移し、IP電話端末4はオフフック状態(回線接続状態)になる。このオフフック状態にされた場合を、IP電話端末4は発信操作が行われたと判別し、自機に接続されている携帯電話端末5のディスプレイ524の表示画面に表示されている電子メール情報の相手先に対して、自動的に発信して電話をかけることができるようにしている。
【0027】
この場合、IP電話端末4は、オフフック操作されると、オフフック操作されたことを携帯電話端末5に通知する。携帯電話端末5は、オフフック操作されたことの通知を受けると、電話をかける相手先を特定して、その電話番号を取得し、この取得した電話番号と共に、表示中の電子メール情報に含まれる所定の情報、例えば、「件名」をIP電話端末4に提供する。
【0028】
この場合に電話をかける相手先は、携帯電話端末5に表示されている電子メール情報に含まれる電子メールアドレスの内、当該携帯電話端末5のユーザの電子メールアドレス以外の電子メールアドレスにより特定される相手先となる。このような電話をかける相手先の特定(区別)は、簡単には、電子メール情報に含まれる電子メールアドレスと携帯電話端末5に予め登録されている自機のユーザの電子メールアドレスとの比較に基づいて行うことができる。
【0029】
そして、携帯電話端末5は、電話をかける相手先の電子メールアドレスに基づいて、携帯電話端末5のメモリに形成された少なくとも電子メールアドレスと電話番号とを対応付けた電話帳データを参照し、相手先の電話番号を特定する。この特定した電話番号の相手先に対して、IP電話端末4は、INVITEメッセージ(発信要求)を形成して発信する。この時、さらにIP電話端末4は、当該INVITEメッセージの中のヘッダの情報の1つとして定義されているDisplayNameに携帯電話端末5から提供された電子メール情報に含まれる所定の情報である例えば「件名」を記載する。
【0030】
当該INVITEメッセージ中のDisplayNameの情報は、受信側においては表示情報として処理されるものである。このため、当該INVITEメッセージを受信する着信側の電話端末においては、当該INVITEメッセージのDisplayNameに記載された情報を自機の表示画面に表示する。これにより、着信側の電話端末においては、応答操作前であっても、発信元からの当該電子メール情報の件名などのメッセージ情報をユーザに対して提供することができるようにしている。
【0031】
このように、この実施の形態の電話システムにおいては、ハンドセット440を持ち上げてオフフック状態にするといった直感的で簡単な操作を契機として、表示している電子メール情報の相手先に電話をかけることができる。さらに、表示している電子メール情報に含まれる件名等の所定の情報を発信元から着信側に表示情報として提供し、受信側の電話端末等において特別の手段を設けることなく、当該表示情報を表示して着信側のユーザに提供することができるようにしている。
【0032】
なお、ここではハンドセットを持ち上げるオフフック操作を発信操作として説明したが、これに限るものではなく、発信キーの押下操作など、所定の操作を行った場合に発信操作が行われたと判別することももちろん可能である。以下、この実施の形態の電話システムを構成する各機器について説明した後に、当該電話システムにおいて、IP電話端末4から電子メール情報の相手先に電話をかける場合の動作(処理)の具体例について説明する。
【0033】
[SIPサーバ1の構成例]
まず、第1の実施の形態の電話システムのSIPサーバ1の構成について説明する。図3は、SIPサーバ1の構成例を説明するためのブロック図である。図3に示すように、SIPサーバ1は、IP網6への接続端子101と、IP網インターフェース(以下、IP網I/Fと略称する。)102と、パケット分解/生成部103とを備えている。また、SIPサーバ1は、電話網インターフェース(以下、電話網I/Fと略称する。)104と、電話網7への接続端子105と、アドレス管理データベース(以下、アドレス管理DBと略称する。)106とを備えている。さらに、SIPサーバ1は、LANインターフェース(以下、LANI/Fと略称する。)107と、LAN2への接続端子108と、制御部110とを備えている。
【0034】
制御部110は、この実施の形態のSIPサーバ1の各部を制御するものであり、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113がシステムバス114を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU111は、ROM112に記憶保持されているプログラムを実行することにより、各部を制御するための制御信号を生成して各部に供給したり、各部からの情報を処理したりするものである。ROM112は、上述のように、CPU111で実行される種々のプログラムや処理に必要となる種々のデータを記憶保持しているものである。
【0035】
また、RAM113は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に、作業領域として用いられるものである。なお、図示しないが、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリーなどのいわゆる不揮発性メモリを備え、電源が落とされても保持しておくべきデータ、例えば、種々の設定パラメータや機能アップのために提供された新たなプログラムなどについても記憶保持することができるようにされている。
【0036】
接続端子101は、IP網6への接続端部を構成するものである。IP網I/F102は、IP網6を通じて供給されるパケットを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のパケットに変換して制御部110に供給する。また、IP網I/F102は、制御部110を通じて供給される送信すべきパケットを送信用の形式のパケットに変換して、これをIP網6に送出する。
【0037】
接続端子105は電話網7への接続端部を構成するものである。電話網I/F104は、電話網7を通じて供給されるデータを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のデータに変換して制御部110に供給する。また、電話網I/F104は、制御部110を通じて供給される送信すべきデータを送信用の形式のデータに変換して、これを電話網7に送出する。
【0038】
接続端子108はLAN2への接続端部を構成するものである。LANI/F107は、LAN2を通じて供給されるパケットを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のパケットに変換して制御部110に供給する。また、LANI/F107は、制御部110を通じて供給される送信すべきパケットを送信用の形式のパケットに変換して、これをLAN2に送出する。
【0039】
パケット分解/生成部103は、パケットの分解や生成を行うものであり、主に、電話網7に接続された端末装置とSIPサーバ1の配下のIP電話端末4との間で通話を行う場合に、送受するデータのパケットの分解や生成を行う。具体的には、LAN2を通じてSIPサーバ1に接続されたIP電話端末4等からの電話網7に接続された端末装置に送信すべきパケットが、接続端子108、LANI/F107を通じて制御部110に供給される。当該パケットは、制御部110からパケット分解/生成部103に供給され、ここでパケット分解された後に、電話網I/F104、接続端子105を通じて電話網に送出され、目的とする相手先に送信される。
【0040】
また、電話網7に接続された端末装置からのLAN2を通じてSIPサーバ1に接続されたIP電話端末4等へのデータは、接続端子105、電話網I/F104を通じて制御部110に供給される。当該データは、制御部110からパケット分解/生成部103に供給され、ここで所定の形式のパケットとされた後に、LANI/F107、接続端子108を通じて、LAN2に送出されて目的とするIP電話端末4等に送信される。
【0041】
なお、IP網6に接続された端末と、SIPサーバ1にLAN2を通じて接続されるIP電話端末4等との間では、パケットが送受される。このため、パケット分解/生成部103において、パケットの分解や生成は行われることはなく、IP網I/F102、LANI/F107において、データ形式が整えられてそのまま送受される。同様に、SIPサーバ1にLAN2を通じて接続されるIP電話端末4間においても、パケットが送受されるため、パケット分解/生成部103において、パケットの分解や生成は行われることはなく、LANI/F107を通じてパケットが送受される。
【0042】
そして、アドレス管理DB106は、レジストラ・サーバ機能を実現するために、IP網6やLAN2に接続され、このSIPサーバ1を通じて呼び出す可能性のある端末装置についてのアドレス情報を記憶保持するものである。具体的には、SIPサーバ1の制御部110は、IP網I/F102やLANI/F107を通じて、これらに接続されている種々の端末装置からの登録要求(レジスタ・リクエスト)を受信する。この場合に、制御部110は、受信した要求に含まれるURI(Uniform Resource Identifier)やIPアドレスなどのアドレス情報を抽出する。そして、制御部110は、抽出したアドレス情報をアドレス管理DB106に登録したり、抽出したアドレス情報を用いてアドレス管理DB106の登録情報を更新したりする。
【0043】
このようにして、アドレス管理DB106に登録されて管理される情報が参照され、自機にLAN2を通じて接続されるIP電話端末4などから要求のあった通信先を確実に特定する。そして、その特定した相手先に送信すべき情報(パケットデータ)を転送するようにするプロキシ・サーバとしての機能をSIPサーバ1が実現する。また、アドレス管理DB106に登録されて管理される情報は、自機にLAN2を通じて接続されるIP電話端末4などへの着信の判別などにも用いられる。
【0044】
図4は、アドレス管理DB106に形成される管理情報(データベース)の構成例について説明するための図である。SIPサーバ1のアドレス管理DB106は、IP網6に接続された他のIP電話システムの端末装置のアドレス情報の他、当該SIPサーバ1にLAN接続されたIP電話端末4などについてのアドレス情報をも管理する。
【0045】
基本的にSIPサーバ1のアドレス管理DB106に形成される管理情報は、上述もしたように、IP網6に接続された端末装置から送信されてくるURI(SIP URI)と、IPアドレスである。そして、この実施の形態のSIPサーバ1のアドレス管理DB106では、図3に示したように、SIPサーバ1にLAN接続されたIP電話端末4については、URIとIPアドレスの他、MAC(Media Access Control)アドレスと内線番号についても管理する。
【0046】
そして、この実施の形態の電話システムのIP電話端末4からIP網6に接続された端末装置に対する発信要求(発呼要求)をSIPサーバ1が受け付けたとする。この場合、SIPサーバ1の制御部110は、自己のアドレス管理DB106の管理情報に基づいて、目的とする相手先の端末装置を特定し、この特定した端末装置に対して、メッセージの転送を行う。また、IP網6や電話網7を通じて、LAN2に接続されているIP電話端末4に対する着信要求(外線着信)をSIPサーバ1が受け付けたとする。この場合、SIPサーバ1の制御部110は、送信されてきたメッセージを受け付けて、これを自システム内に送出する。
【0047】
なお、外線着信であっても、例えば個別着信(着信先のIP電話端末を特定した着信)や、SIPサーバ1にLAN接続されたIP電話端末間の内線の発着信の場合には、SIPサーバ1は相手先を特定して着信を通知する。すなわち、この場合、SIPサーバ1の制御部110は、自己のアドレス管理DB106の管理情報に基づいて、目的とする相手先のIP電話端末4を特定し、この特定したIP電話端末4に対して、メッセージの転送を行う。
【0048】
また、発信に際して、IP電話番号が用いられる場合には、図1には図示しなかったが、IP網6に接続されているゲートウェイやDNS(Domain Name System)が利用されて、IP電話番号からURIなどが検索されて用いられることになる。相手先から、この実施の形態の電話システムを構成するIP電話端末4に対して、IP電話番号を用いて電話をかける場合においても同様に、IP網6に接続されているゲートウェイやDNSが利用されて、IP電話番号からURIなどが検索されて用いられる。
【0049】
このように、この実施の形態のSIPサーバ1は、パケット分解/生成部103やアドレス管理DB106を備え、SIPサーバ1が接続される種々のネットワークに接続される端末間のメッセージの中継を行うことができるものである。したがって、この実施の形態のSIPサーバ1は、外線−内線間の接続や内線間の接続を行ったり、通信回線の使用状況を配下のIP電話端末4に通知したりすることができるものである。
【0050】
また、制御部110は、IP網I/F102、電話網I/F104、LANI/F107を通じて、使用中の通信回線や空いている通信回線を把握し、適切に回線交換を行うこともできるようにしている。また、制御部110は、把握した通信回線の使用状態等に応じて、LAN2を通じて接続されるIP電話端末4毎に供給すべきLED等の点灯、消灯を制御するための制御情報を形成する。当該制御情報は、LANI/F107、接続端子108を通じてLAN2に送出され、各IP電話端末4等に送信される。
【0051】
なお、図3において、パケット分解/生成部103は、独立した回路部分として示しているが、これに限るものではない。パケット分解/生成部103は、制御部110において実行されるプログラムにより、制御部110の機能として実現することももちろん可能である。
【0052】
[IP電話端末4の構成例]
次に、第1の実施の形態の電話システムで用いられるIP電話端末4の構成について説明する。図5は、この実施の形態の電話システムのIP電話端末4の構成例を説明するためのブロック図である。
【0053】
この実施の形態のIP電話端末4は、図5に示すように、主に電話機能を実現する部分として、LAN接続端子401、LANI/F402、パケット処理部403、通話音声入出力インターフェース(以下、通話音声入出力I/Fという。)404、ハンドセット接続端子405、オンフック/オフフック検出部406、ハンドセット440、リンガ407、操作入力部408、操作入力インターフェース(以下、操作入力I/Fという。)409、電話帳メモリ410、ディスプレイコントローラ415、ディスプレイ416を備えている。
【0054】
また、IP電話端末4は、外部機器を接続するための部分として、図5に示すように、外部端子411、外部インターフェース(以下、外部I/Fと略称する。)412、充電電流供給回路413、ACコンセント414を備えている。さらに、IP電話端末4は、自機に接続された携帯電話端末5との連携を実現する部分として、発信等処理部421、端末表示制御部422を備えると共に、当該IP電話端末4の各部を制御する制御部430を備えている。
【0055】
制御部430は、CPU431、ROM432、RAM433、EEPROM434が、CPUバス435を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU431は、ROM432に記憶保持されているプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成してこれを各部に供給したり、また、各部から供給されるデータを処理したりするものである。ROM432は、上述のように、CPU431で実行される種々のプログラムや処理に必要になる各種のデータが記憶保持されたものである。
【0056】
また、RAM433は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。また、EEPROM434は、いわゆる不揮発性メモリであり、電源が落とされても保持しておくべきデータ、例えば、種々の設定パラメータや機能アップのために提供された新たなプログラムなどを記憶保持する。
【0057】
[着信時の動作]
そして、LAN2を介して送信されてくるパケットデータは、LAN接続端子401を通じてLANI/F402に供給され、ここで自機において処理可能な形式のデータに変換された後、CPUバス435を介して、パケット処理部403に供給される。パケット処理部403は、これに供給されたパケットデータに含まれる制御データや音声データを分解して抽出する。ここで抽出された制御データは制御部430に供給され、自機の制御に用いられる。また、自機(自端末)宛の音声データが含まれていた場合には、当該音声データは、CPUバス435を通じて通話音声入出力I/F404に供給されることになる。
【0058】
パケット処理部403において分解されて抽出された制御データが、自機への呼び出しメッセージである場合には、制御部430は、リンガ407を制御して、着信鳴動させる。同時に、制御部430は、ディスプレイコントローラ415を制御し、ディスプレイ416の表示画面に自機に着信があることを通知するメッセージや発信元の電話番号や名前あるいは発信元の内線番号などを表示する。
【0059】
そして、自機への着信に応じて、ユーザがハンドセット440をIP電話端末4の本体から持ち上げると、オンフック/オフフック検出部406により、フックスイッチSWがオフになったことが検出され、これが制御部430に通知される。これにより、制御部430は各部を制御し、当該IP電話端末4をオフフック状態に遷移させる。この場合、制御部430は、着信に応答するメッセージを形成し、これをパケット処理部403においてパケット化して、LANI/F402に供給する。LANI/F402は、当該パケットデータを送信用のパケットデータに変換し、これをLAN接続端子401を通じてLAN2に送出し、発呼先の端末に送信するようにする。
【0060】
これにより、上述したSIPサーバ1を通じて発信元との間に通信路が生成され、通話が開始される。この場合、相手先からの音声データを含むパケットは、上述したように、LAN接続端子401、LANI/F402を通じてパケット処理部403に供給され、ここで分解されて、制御データは制御部430へ、音声データは通話音声入出力I/F404に供給される。
【0061】
通話音声入出力I/F404は、パケット処理部403からの音声データから自機のハンドセット440のスピーカ(受話器)に供給するアナログ音声信号を形成し、これをハンドセット接続端子405を通じてハンドセット440のスピーカに供給する。これにより、相手先から送信されてくる相手先の音声が、ハンドセット440のスピーカ(受話器)から放音される。
【0062】
一方、ハンドセット440のマイクロホン(送話器)によって集音された音声は、ここで電気信号に変換され、ハンドセット接続端子405を通じて通話音声入出力I/F404に供給される。通話音声入出力I/F404は、ハンドセット440からの音声データをデジタル信号に変換するなどの処理を行って、これをパケット処理部403に供給する。パケット処理部403は、通話音声入出力I/F404からの音声データを含む相手先への送信用のパケットを形成し、これをLANI/F402、LAN接続端子401を通じてLAN2に送出し、通信の相手先に送信する。このようにして、IP電話端末4は、自機への着信に応答し、発呼先との間で通信路を生成して通話を行うことができる。
【0063】
[発呼時の動作]
次に、当該IP電話端末4から電話をかける場合(発信(発呼)する場合)の処理について説明する。IP電話端末4から発信する場合には、まず、ハンドセット440をIP電話端末4の本体から持ち上げると、オンフック/オフフック検出部406により、フックスイッチSWがオフになったことが検出され、これが制御部430に通知される。これにより、制御部430は各部を制御し、当該IP電話端末4をオフフック状態に遷移させる。この場合、制御部430は、まず回線を確保し、操作入力部408および操作入力I/F409を通じて通信の相手先の電話番号、あるいは、内線番号の入力を受け付ける。
【0064】
この場合、制御部430は、発呼メッセージを形成し、これをパケット処理部403に供給する。パケット処理部403は、自機からの発呼メッセージをパケット化し、これをLANI/F402、LAN接続端子401を通じてLAN2に送出し、SIPサーバ1を通じて目的とする通信の相手先に送信するようにする。
【0065】
この後、目的とする相手先からの応答が返信されてきた場合に制御部430は通信路を生成する。これにより、LAN接続端子401、LANI/F402、パケット処理部403、通話音声入出力I/F404、ハンドセット接続端子405、ハンドセット440からなる通話系の機能により通話を行うことができるようにされる。このように、IP電話端末4は、自機から目的とする端末に発信して、相手先との間に通信路を接続して通話を行うこともできる。
【0066】
また、電話帳メモリ410には、通信の相手先(電話をかけたり、電話がかかってきたりする可能性のある相手先)の電話番号や名前が電話帳データとして登録される。これにより、電話帳メモリ410に登録されている電話帳データから目的とする相手先の電話帳データを選択することにより、当該電話帳データの電話番号を用いて、電話をかけることもできるようにされる。
【0067】
すなわち、携帯電話端末の場合と同様に、電話番号をいちいち入力することなく、電話帳メモリ410に登録済みの電話帳データを用いて電話をかけることもできるようにされる。また、当該電話帳データを用いて、自機への着信時に通知される発信元の電話番号に基づいて、発信元の名前を特定して表示するなどのこともできるようにされる。なお、電話帳メモリ410には、相手先の名前(名称)、電話番号、電子メールアドレス、住所、所属先(会社名、部署名等)、備考などの必要とされる種々の情報を登録することもできる。
【0068】
そして、外部端子411が、外部機器である携帯電話端末5との接続端部を構成するものであり、データ端子と充電端子とを有するものである。このため、図5に示したように、外部端子411には、外部I/F412と、充電電流供給回路413とが接続されている。外部端子411に携帯電話端末5などの外部機器が接続されると、外部I/F412は、当該携帯電話端末5との間で接続時の信号のやり取りをすることにより、携帯電話端末5が接続されたことを検知し、これを制御部430に通知する。これにより、制御部430は、外部端子411を通じて自機に携帯電話端末5が接続されたことを認識することができる。
【0069】
また、外部I/F412は、外部端子411を通じて供給される携帯電話端末5からのデータを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のデータに変換して制御部430に供給する。さらに、外部I/F412は、外部端子411に接続された携帯電話端末5に供給する制御部430からのデータを出力用の所定の形式のデータに変換して、これを、外部端子411を通じて出力する。
【0070】
充電電流供給回路413は、ACコンセント414から送られてくる商用交流電圧から直流の充電電流を生成する。そして、充電電流供給回路413は、外部I/F412からの携帯電話端末5がIP電話端末4に接続されたことの検知通知に基づく制御部430の制御により駆動状態に制御されて、充電電流を、外部端子を通じて携帯電話端末5に供給する。
【0071】
このように、この実施の形態のIP電話端末4は、外部端子411を通じて携帯電話端末5などの外部機器の接続を可能にし、接続された外部機器との間で情報の送受を行うことができると共に、外部機器に対して電力の供給をも行うことができる。外部機器は、外部端子411を通じて供給されるIP電話端末4からの電力を充電電力として用いたり、駆動電力として用いたりすることができる。なお、外部端子411、外部I/F412、充電電流供給回路413からなる部分は、USB規格に準拠したものである。
【0072】
そして、この実施の形態のIP電話端末4は、外部端子411を通じて接続される携帯電話端末5と協働するための部分として、発信等処理部421と、端末表示制御部422とを備える。発信等処理部421は、主に、自機に接続された携帯電話端末5から提供される電話番号に基づいて発信メッセージ(INVITEメッセージ)を形成して発信処理を行う部分である。
【0073】
また、発信等処理部421は、携帯電話端末5から提供される携帯電話端末5において表示中の電子メール情報に含まれる所定の情報の提供を受けて、これをINVITEメッセージのDisplayNameに記載することができるものである。また、端末表示制御部422は、自機に外部端子411を通じて接続されている携帯電話端末5のディスプレイ524への情報の表示を制御するようにするためのものである。これら発信等処理部421と端末表示制御部422とにより、自機に外部端子411を通じて接続されている携帯電話端末5との連携を図ることができるようにしている。
【0074】
また、図5において、二重線で示したパケット処理部403、発信等処理部421、端末表示制御部422のそれぞれは、独立した回路部分として示しているが、これに限るものではない。これらの各部の機能は、制御部430において実行されるプログラムにより、制御部430の機能として実現することも可能である。
【0075】
[携帯電話端末5の構成例]
次に、この実施の形態の電話システムで用いられる携帯電話端末5の構成について説明する。図6は、この実施の形態の電話システムの携帯電話端末5の構成例を説明するためのブロック図である。
【0076】
図6に示すように、この実施の形態の携帯電話端末5は、無線通信処理系として、送受信アンテナ501、電話通信部502、送受信信号処理部503、通話音声処理部504を備えている。通話音声処理部504には、受話アンプ505を通じて受話器(スピーカ)506が接続され、また、送話器(マイクロホン)507が、送話アンプ508を通じて接続されている。
【0077】
また、携帯電話端末5は、電話帳メモリ510を備えると共に、自機が接続されたIP電話端末4との連携を実現する部分として、メール情報通知処理部511および表示情報処理部512を備えている。また、携帯電話端末5は、ユーザインターフェースを構成する部分として、操作入力部521、操作入力I/F522、ディスプレイコントローラ523、ディスプレイ524、リンガ525を備えている。なお、図示しないが、携帯電話端末5には、着信などを通知するためのバイブレータなども設けられている。さらに、携帯電話端末5は、外部端子531、外部I/F532、充電回路533、バッテリ534を備えると共に、携帯電話端末5の各部を制御する制御部540を備えている。
【0078】
制御部540は、CPU541、ROM542、RAM543、EEPROM544が、CPUバス545を通じて接続されて形成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU541は、ROM542に記憶されているプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部から送信されてくるデータを受け付けて、これに応じた処理を実行したりする。ROM542は、CPU541において実行されるプログラムや処理に必要になる種々のデータが予め記録されたものである。
【0079】
また、RAM543は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。また、EEPROM544は、いわゆる不揮発性メモリであり、携帯電話端末5の電源を落としても保持しておくべきデータ等が記憶保持される。EEPROM544には、例えば、種々の設定パラメータ、アプリケーションプログラムや機能アップのための追加プログラムなどが記憶保持される。
【0080】
送受信アンテナ501は、携帯電話網との間でデータを送受する端部である。電話通信部502は、携帯電話網の基地局を通じて相手と通信をするためのものである。送受信信号処理部503は、制御部540の制御の下、電話通信部502を通じて受信した通信情報を解析して、呼制御メッセージや通話信号をデコードし、制御部540に供給すると共に、電話通信部502を通じて送信する送信信号を生成する。
【0081】
通話音声処理部504は、制御部540の制御の下、送受信信号処理部503からの受話音声情報を、デジタル信号からアナログ信号に変換し、受話アンプ505に供給する。受話アンプ505に供給された受話音声信号は、ここで増幅された後に受話器506に供給されて音響再生される。通話音声処理部504は、また、送話器507で収音され、送話アンプ508で増幅された送話音声信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換して、制御部540の制御の下、送受信信号処理部503に供給する。そして、上述したように、送受信信号処理部503は、通話音声処理部504からのデジタル化された送話音声信号から送信する送信信号を生成し、これを電話通信部502に供給して送信するようにする。
【0082】
操作入力部521は、数字キー、オフフックキー、オンフックキー、その他の各種のファンクションキー等が設けられ、ユーザからの操作入力を受け付ける部分である。操作入力部521を通じて受け付けられたユーザからの操作入力は、操作入力I/F522において電気信号に変換されて、制御部540に通知される。これにより、制御部540が操作入力I/F522からの信号に応じて各部を制御することにより、ユーザの指示に応じて処理を行うことができるようにされる。
【0083】
ディスプレイコントローラ523は、制御部540の制御に応じてディスプレイ524に情報を表示するための表示用信号を形成し、これをディスプレイ524に供給する。これによりディスプレイ524には、種々の情報が表示される。例えば、着信時においては、発信元の電話番号や名前、発信時においては、後述する電話帳メモリ510に登録されている電話帳データ等が表示される。この他、待ち受け時においては、所定の待ち受け画面をディスプレイ524に表示したり、各種のエラーメッセージやガイダンスメッセージなども表示したりすることもできるようにされる。
【0084】
外部端子531は、IP電話端末4との接続端部を構成するものであり、データ端子と充電端子とを有するものである。このため、図6に示したように、外部端子531には、外部I/F532と、充電回路533とが接続されている。
【0085】
外部I/F532は、外部端子531を通じて接続されたIP電話端末4との間でデータを送受するためのものである。外部端子531にIP電話端末4が接続されると、外部I/F532は、当該IP電話端末4との間で接続時の信号のやり取りをすることにより、IP電話端末4に接続されたことを検知し、制御部540に通知する。これにより、制御部540は、外部端子531を通じて自機がIP電話端末4に接続されたことを認識することができる。
【0086】
また、外部I/F532は、外部端子531を通じて供給されるIP電話端末4からのデータを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のデータに変換して制御部540に供給する。また、外部I/F532は、外部端子531に接続されたIP電話端末4に供給する制御部540からのデータを出力用の所定の形式のデータに変換して、これを外部端子531を通じて出力する。
【0087】
充電回路533は、外部端子531の充電端子を通じてIP電話端末4から送られてくる充電電流からバッテリに供給する電流を生成する。そして、充電回路533は、外部I/F532からのIP電話端末4に接続されたことの検知通知に基づく制御部540の制御により駆動状態に制御されて、充電用に生成した電流をバッテリ534に供給する。これにより携帯電話端末5のバッテリ534の充電が行われる。これら外部端子531、外部I/F532、充電回路533からなる部分は、USB規格に準拠したものである。また、IP電話端末4からの電流を駆動電流として用いるようにすることもできる。
【0088】
また、携帯電話端末5は電話帳メモリ510を備えている。電話帳メモリ510には、通信の相手先(電話をかけたり、電話がかかってきたりする可能性のある相手先や電子メールの送信元や送信先となる相手先)の電話番号、名前、電子メールアドレス、住所、会社名といった種々の情報からなる電話帳データが多数記録されている。この電話帳メモリ510の電話帳データは、通常、目的とする相手先に電話をかける場合に用いたり、電話がかかってきたときに当該相手先の名前などを通知される電話番号に基づいて表示したりする場合に用いられる。
【0089】
そして、携帯電話端末5が外部端子531を通じてIP電話端末4に接続されている場合に、ディスプレイ524に電子メール情報が表示されたとする。電子メール情報のディスプレイ524への表示は、操作入力部521を通じて受け付けたユーザからの指示入力に応じて、制御部540がディスプレイコントローラ523を制御して行う。このように携帯電話端末5に電子メール情報が表示されているときに、IP電話端末4が発信操作を受け付けると、携帯電話端末5とIP電話端末4とが協働して、表示されている電子メール情報の相手先に自動的に電話をかけることができるようにしている。
【0090】
この場合、メール情報通知処理部511は、電子メール情報に含まれる送信元、宛先、CC(Carbon Copy)、BCC(Blind Carbon Copy)の電子メールアドレスの内、携帯電話端末5のユーザの電子メールアドレスとは異なる電子メールアドレスを取得する。この取得した電子メールアドレスに基づいて、メール情報通知処理部511は、電話帳メモリ510の情報を参照し、当該電子メールアドレスに対応する電話番号を取得する。なお、携帯電話端末5のユーザの電子メールアドレスは、例えば、EEPROM544などの所定のメモリに予め登録するようにされているものである。
【0091】
さらに、メール情報通知処理部511は、上述のようにして特定した電話をかける相手先の電話番号と、ディスプレイ524の表示画面に表示している電子メール情報に含まれる所定の情報を、自機が接続されているIP電話端末4に通知する。この場合、電子メール情報に含まれる所定の情報は、例えば「件名」として保持している情報や「日時(送信日時)」を示す情報などである。この他、携帯電話端末5のユーザ名等を含めるようにしてもよい。
【0092】
また、表示情報処理部512は、IP電話端末4の端末表示制御部422の機能により当該IP電話端末4から提供される通信の状態通知に基づいて、「発信中」、「通話中」などの現在の通信の状態をディスプレイ524に表示する。このように、主にメール情報通知処理部511と表示情報処理部512とが、携帯電話端末5側における、IP電話端末4と連携するために機能する部分である。
【0093】
なお、図6において、二重線で示したメール情報通知処理部511、表示情報処理部512とは、それぞれ独立した回路部分として示しているが、これに限るものではない。メール情報通知処理部511、表示情報処理部512のそれぞれは、制御部540において実行されるプログラムにより、制御部540の機能として実現することももちろん可能である。
【0094】
[電話システムの動作(処理)]
次に、この実施の形態の電話システムにおいて、IP電話端末4に対して携帯電話端末5が接続されている場合であって、携帯電話端末5のディスプレイ524に電子メール情報が表示されている場合の発信時の動作について具体的に説明する。
【0095】
なお、上述したように、この実施の形態の電話システムは、上述したように、携帯電話端末5に表示されている電子メール情報の相手先であって、自分(携帯電話端末5のユーザ)以外の相手先に電話をかけることができる。すなわち、電話をかける相手先は、送信元、宛先だけでなく、いわゆるCCやBCCに指定された相手先も含められる。しかし、以下においては、説明を簡単にするため、まず、IP電話端末4に接続された携帯電話端末5から送信した電子メールが当該携帯電話端末5に表示されている場合であって、その電子メールの宛先に電話をかける場合を例にして具体的に説明する。
【0096】
図7は、この実施の形態の電話システムにおいて、表示された電子メール情報の相手先に電話をかける場合の動作(処理)について説明するためのシーケンス図である。また、図8は、発信元と着信先における画面への情報の表示例について説明するための図である。
【0097】
この電話システムにおいては、上述もしたように、IP電話端末4と携帯電話端末5とは、USBケーブル8を用いて接続される。そして、携帯電話端末5の制御部540は、外部端子531及び外部I/F532を通じてIP電話端末4と通信を行うことにより、自機がIP電話端末4に接続されたことを検知する(ステップS1)。同様に、IP電話端末4の制御部430は、外部端子411及び外部I/F412を通じて携帯電話端末5と通信を行うことにより、自機に携帯電話端末5が接続されたことを検知する(ステップS2)。
【0098】
これ以降、IP電話端末4と携帯電話端末5とは、IP電話端末4の外部端子411および外部I/F412と、携帯電話端末5の外部端子531および外部I/F532と、USBケーブル8とを通じて、データの送受を行うことができるようにされる。
【0099】
この後、携帯電話端末5が、操作入力部521および操作入力I/F522を通じて、電子メールの作成/閲覧ソフトウェアである所定のメーラーの起動指示を受け付けると、制御部540は、メーラーをROM542から読み出して実行する(ステップS3)。そして、携帯電話端末5が、操作入力部521および操作入力I/F522を通じて、目的とする電子メール情報を表示する指示入力を受け付けたとする。この場合、携帯電話端末5においては、制御部540とディスプレイコントローラ523とが機能し、電子メールの表示を行い、目的とする電子メール情報の閲覧を可能にする(ステップS4)。これらステップS3、ステップS4においては、携帯電話端末5とIP電話端末4とが通信を行うことはない。
【0100】
この後、携帯電話端末5のディスプレイ524の表示画面に表示された電子メールの相手先に電話をかけるために、IP電話端末4のハンドセット440がIP電話端末4の本体から取り上げられる操作(オフフック操作)が行われたとする(ステップS5)。このステップS5の操作は、オフフックキー(発信ボタン)などを押下する発信操作であってもよい。
【0101】
オフフック操作が行われたことは、オンフック/オフフック検出部406により検出され、制御部430に通知される。この場合、IP電話端末4の制御部430は、携帯電話端末5のディスプレイ524に表示されている電子メール情報に関係する相手先であって、電話をかける相手先の電話番号等の提供を要求する(ステップS6)。このステップS6の処理は、表示された電子メール情報に関する情報の提供要求であり、閲覧メール情報の要求に相当する。
【0102】
閲覧メール情報の要求の提供を受けた携帯電話端末5においては、制御部540の制御の下、メール情報通知処理部511が機能し、IP電話端末4に提供すべき情報を取得し、この取得した情報をIP電話端末4に提供する(ステップS7)。このステップS7において、メール情報通知処理部511は、表示されている電子メール情報に応じて特定した電話をかける相手先の電話番号と、表示されている電子メール情報から抽出した所定の情報とをIP電話端末4に提供する。
【0103】
なお、上述したように、携帯電話端末5のディスプレイ524に表示された電子メール情報は、当該携帯電話端末5から送信したものであり、送信元の電子メールアドレスは、携帯電話端末5のユーザのものである。このため、携帯電話端末5のディスプレイ524の表示画面に表示された電子メール情報が、図8Aに示したものである場合、メール情報通知処理部511は、自機のユーザの電子メールアドレスとは異なる宛先である「第一営業部タナカ」さんの電子メールアドレスを、電話をかける相手先の電子メールアドレスとして抽出する。
【0104】
そして、メール情報通知処理部511は、抽出した「第一営業部タナカ」さんの電子メールアドレスに基づいて、自機の電話帳メモリ510のデータを参照し、「第一営業部タナカ」さんの電話番号を取得する。さらに、メール情報通知処理部511は、表示されている電子メール情報に含まれる所定の情報から、この例では、「件名」として保持している情報と「日時(送信日時)」として保持している情報とを抽出する。そして、メール情報通知処理部511は、これら取得した電話番号、「件名」、「日時(送信日時)」のそれぞれを示す情報をIP電話端末4に提供する。
【0105】
このように、(1)電話をかける相手先の電子メールアドレスの抽出、(2)抽出した電子メールアドレスに基づく電話をかける相手先の電話番号の特定、(3)電子メール情報に含まれる情報の内、送信すべき所定の情報の抽出、(4)特定した電話番号、抽出した所定の情報のIP電話端末4への提供という処理が、ステップS7において行われる。そして、携帯電話端末5からIP電話端末4に提供される情報は、表示されている電子メール情報に応じて特定された、あるいは、抽出された情報であり、携帯電話端末5からIP電話端末4への閲覧メール情報である。
【0106】
この後、携帯電話端末5からの電話番号等の情報の提供を受けたIP電話端末4は、提供を受けた電話番号等の情報をRAM433に一時記憶し、これを解析する処理(閲覧メール情報解析)を行う(ステップS8)。この閲覧メール情報解析処理において、適正に電話番号等の情報の提供を受けたことが確認できた場合には、応答(200 OK)を携帯電話端末5に送信する。なお、携帯電話端末5から電話番号等の情報が提供されなかった場合などには、電話番号等の情報の再送信を要求し、携帯電話端末5から電話番号等の必要な情報の再送を受けるようにすることができる。
【0107】
携帯電話端末5からの電話番号や電子メール情報に含まれる所定の情報の提供を受けたIP電話端末4は、当該電話番号の相手先への発信を行うと共に、発信中であることの携帯電話端末5への通知を行う(ステップS9)。このステップS9において、IP電話端末4においては、まず、制御部430の制御の下、発信等処理部421が機能し、携帯電話端末5から提供された電話番号の相手先への発信メッセージ(INVITEメッセージ)を形成する。この場合、発信等処理部421は、当該INVITEメッセージには発信元の電話番号を含める他、DisplayNameに携帯電話端末5から提供された「件名」や「日時(送信日時)」を示す情報を記録する。
【0108】
発信等処理部421において形成されたINVITEメッセージは、制御部430、LANI/F402、LAN接続端子401を通じてSIPサーバ1に送信される。そして、SIPサーバ1は、IP電話端末4からのINVITEメッセージに応じて、電話をかける相手先を特定するようにし、当該電話をかける相手先に対して当該INVITEメッセージを送信する(ステップS10)。
【0109】
このようにして、IP電話端末4からは、目的とする相手先に対するINVITEメッセージには、携帯電話端末5に表示されていた電子メール情報の「件名」、「日時(送信日時)」がDispplayNameに記載されて送信される。そして、当該INVITEメッセージの送信先(電話をかけた相手先)では、自機宛ての当該INVITEメッセージに応じて着信通知処理等を行うが、当該INVITEメッセージのDisplayNameの情報を自機のディスプレイに表示する処理も行う。
【0110】
すなわち、電話をかけた相手先では、自機宛てのINVITEメッセージのDisplayNameから「件名」や「日時(送信日時)」を抽出し、これを自機のディスプレイに表示する処理を自動的に行う。上述もしたように、INVITEメッセージのDisplayNameに記載された情報は表示対象の情報であるため、当該情報は受信側の電話端末において自動的に表示するように処理される。
【0111】
これにより、この場合の着信側の電話端末のディスプレイには、図8Bに示すように、通常通り、着信中であることを示す「着信中」の表示と発信元の電話番号表示「050XXXXZZZZ」が行われる。さらに、図8Bに示すように、着信側の電話端末のディスプレイには、DisplayNameに「件名」として記録された情報の表示「来期目標の件」と、「日時(送信日時)」として記載された情報の表示「@2011.03.31」が行われる。なお、図8Bにおいて、右上端部の数字「5000」は、当該IP電話端末4の内線番号の表示である。
【0112】
そして、着信側の電話端末のユーザは、着信がある自己の電話端末の表示を見ることにより、今、自己の電話端末にかかってきている電話は、「2011年3月31日」に送信された、件名が「来期目標の件」に関する電話連絡であることを認識することができる。このため、着信先のユーザが、当該表示内容を認識することにより、迅速に電話に応答することが期待できる。また、着信側のユーザにとっても、何のためにかかってきている電話なのかを応答前に知ることができることにより、対応の準備を整えて応答することができるなどのメリットがある。
【0113】
また、上述したように、発信処理の他にステップS9においては、制御部430の制御の下、端末表示制御部422が、発信情報通知を形成し、これを携帯電話端末5に提供する処理も行われる。当該発信情報通知は、現在、発信中であることを通知すると共に、携帯電話端末5に対して発信中であることの表示を行うことを指示するものである。
【0114】
IP電話端末4からの発信情報通知を受け付けた携帯電話端末5は、表示情報処理部512が制御部540を通じてディスプレイコントローラ523を制御して、ディスプレイ524の表示画面の表示を発信中表示にする(ステップS11)。この例の場合、発信中表示として、例えば、電話をかけた相手先の表示である、宛先欄の「第一営業部タナカ」という表示が点滅表示される。
【0115】
そして、着信先の「第一営業部タナカ」さんが、着信のある自己の電話端末に対して、着信に応答する操作(オフフック操作)を行うことにより、当該電話端末から着信応答がSIPサーバ1に返信されてくる(ステップS12)。当該着信応答は、SIPサーバ1を通じて発信元のIP電話端末4に通知される(ステップS13)。これにより、SIPサーバ1を介して、発信元のIP電話端末4と着信先の「第一営業部タナカ」さんの電話端末との間に通信路が接続され、通話を行うことができるようにされる(ステップS14)。
【0116】
このようにして通信路が接続されて通話が行うようにされると、IP電話端末4の端末表示制御部422が、制御部430の制御の下、通話情報通知を形成し、これを携帯電話端末5に提供する(ステップS15)。当該通話情報通知は、現在、通話中であることを通知すると共に、携帯電話端末5に対して通話中であることの表示を行うことを指示するものである。
【0117】
IP電話端末4からの通話情報通知を受け付けた携帯電話端末5は、表示情報処理部512が制御部540を通じてディスプレイコントローラ523を制御して、ディスプレイ524の表示画面の表示を通話中表示にする(ステップS16)。この例の場合、表示情報処理部512が機能し、例えば、電話をかけた相手先の表示である、宛先欄の「第一営業部タナカ」という表示が拡大ボールド文字により表示するようにされる。さらに当該部分をハイライト表示したり、反転表示したりするなど、より目立つようにしてもよい。
【0118】
この後、通話が終了し、IP電話端末4のユーザがハンドセット440をIP電話端末4の本体に戻すオンフック操作を行ったとする(ステップS17)。この場合、IP電話端末4の制御部430は、まず、切断要求を形成して、これを、LANI/F402、LAN接続端子401を通じてSIPサーバ1に送信する(ステップS18)。SIPサーバ1は、IP電話端末4からの切断要求に応じて、当該IP電話端末4との間に接続していた通信路を切断するようにする(ステップS19)。
【0119】
この後、端末表示制御部422が、終話情報通知を形成し、これを携帯電話端末5に提供する(ステップS20)。当該終話情報通知は、通信路が切断されたことを通知すると共に、通常の表示に戻すことを要求するものである。
【0120】
IP電話端末4からの終話情報通知を受け付けた携帯電話端末5は、表示情報処理部512が制御部540を通じてディスプレイコントローラ523を制御して、ディスプレイ524の表示画面の表示を通常表示に戻す(ステップS21)。ここで、通常表示は、図8Aに示したように、電子メール情報の通常の表示を意味する。これにより、携帯電話端末5の電子メール情報の表示が、通常表示(図8A)に戻ったことによっても、ユーザは通話が終了したことを認識することができる。
【0121】
なお、電話をかけた相手先が先にオンフック操作した場合には、IP電話端末4には例えばビジートーンが供給されるなど、相手先がオンフックしたことが通知される。このため、IP電話端末4のユーザもオンフック操作することにより、IP電話端末4側においても通信路を解放し、ステップS20、ステップS21の処理を行うことによって、携帯電話端末5の表示も通常表示に戻すことができる。
【0122】
このように、ユーザは、IP電話端末4に接続した携帯電話端末5のディスプレイ524に電子メール情報を表示して確認しながら、オフフック操作などの極めて直感的で簡単な発信操作を行うだけで、当該電子メール情報の相手先に電話をかけることができる。しかも、表示対象の電子メール情報に含まれる「件名」や「日時(送信日時)」をINVITEメッセージのDisplayNameに記載して発信することができる。
【0123】
そして、着信側の電話端末では、自機宛てのINVITEメッセージに含まれるDisplayNameの情報を通常通り表示処理する。すなわち、受信側の電話端末には、送信されてくる表示メッセージを表示するために何の変更を行う必要もない。これにより、着信側のユーザは、どのような要件で自己の電話端末に電話がかかってきているのかを応答操作を行う前に知ることができる。したがって、重要な用件の場合には、迅速に応答することができるし、また、応答前に気持ちの準備を整えるなど、より良好な状態で自己への着信に応答することができる。
【0124】
[通信履歴の利用]
ところで、図1に示した電話システムにおいて、LAN2に接続されたIP電話端末間においては、DisplayNameに例えば「件名」等の所定の情報を記載したINVITEメッセージを送受することができる。また、図1に示したように構成され、IP網6に接続される異なる電話システム間においても、DisplayNameに例えば「件名」等の所定の情報を記載したINVITEメッセージを送受することができる。
【0125】
このように、同様に形成されるINVITEメッセージの送受が可能な電話システムにおいては、電話の発着信が発生する毎に、発着信の相手先、発着信の発生の日時、発信/着信の別、「件名」等を情報とする履歴を形成し、これを保持することができる。また、送信した電子メール情報についても、その送信の発生の日時、件名を情報とする履歴を形成し、これを保持することができる。
【0126】
このため、この実施の形態の電話システムでは、電話や電子メールの相手先毎に、電話の発着信履歴と電子メールの送信履歴とを合体させた履歴情報を形成し、これを見ながら電話をかける場合などにおいて利用することができるようにされる。図9は、電話の発着信履歴と電子メールの送信履歴とを合体させた通信履歴情報の例を説明するための図である。
【0127】
この実施の形態において、電話の発着信履歴は、IP電話端末4の例えばEEPROM434に形成される。この場合、発着信の相手先は、送信したり受信したりしたINVAITメッセージに含まれる着信先や発信元の電話番号により特定できる。すなわち、自機からの発信の場合には、発信したINVITEメッセージに含まれる着信先の電話番号により相手先を特定できるし、自機への着信の場合には、受信したINVITEメッセージの発信元の電話番号により相手先を特定できる。
【0128】
また、発着信の発生の日時は、発着信の発生毎に、図5には図示しなかったがIP電話端末4が備える時計回路から取得することができる。また、発信/着信の別は、発着信の発生の都度、制御部430において判別する自機の動作状態に応じて把握することができる。また、「件名」は、送信したり受信したりしたINVAITメッセージのDispLayNameの情報を抽出することにより取得できる。これらの情報をIP電話端末4の制御部430が抽出し、電話番号によって区別可能な相手先毎に電話の発着信履歴情報として、例えばEEPROM434に蓄積する。
【0129】
また、電子メールの送信履歴は、この実施の形態において、電子メールの送受を行うのは携帯電話端末5であるため、携帯電話端末5のEEPROM544に蓄積する。この例の場合、自機から送信した電子メールの送信日時、件名を抽出し、宛先(送信先)毎に蓄積するようにすることによって形成することができる。なお、携帯電話端末5において、自機から送信した電子メール情報を保持しておくことにより、必要に応じて電子メールの送信履歴を形成するようにしてもよい。
【0130】
そして、IP電話端末4と携帯電話端末5とがUSBケーブル8で接続され、携帯電話端末5に対して、目的とする相手先の電話の発着信履歴と電子メールの送信履歴とを合体させた通信履歴情報を表示するための所定の操作が行われたとする。この場合の所定の操作は、例えば、メニューから当該通信履歴情報を表示するための項目を選択した後、目的とする相手先を例えば電話帳データに登録されている相手先の中から選択する操作などである。
【0131】
当該所定の操作が行われると、携帯電話端末5の制御部540は、目的とする相手先についての電話の発着信履歴の提供要求を形成し、これを外部I/F532および外部端子531を通じてIP電話端末4に送信する。これに応じて、IP電話端末4の制御部430が、EEPROM434から目的とする相手先の電話の発着信履歴を抽出し、外部I/F412および外部端子411を通じて携帯電話端末5に提供する。
【0132】
携帯電話端末5の制御部540は、IP電話端末4からの電話の発着信履歴と自機が保持する電子メールの送信履歴とを合体すると共に、日時をキーにして並べ変え、これをディスプレイコントローラ523を通じてディスプレイ524の表示画面に表示する。これにより、図9に示したように、電話の発着信履歴と電子メールの送信履歴とを合体させた履歴情報を表示させることができる。なお、通信履歴情報のデータが多い場合には、携帯電話端末5において、表示をスクロールさせることができるようにされ、その全部を表示してユーザが見ることができるようにされる。
【0133】
図9に示した履歴情報は、「第一営業部タナカ」さんとの間の通信履歴情報である。この場合、2011年3月31日(木曜日)の10時54分に、「件名」を「来期目標の件」および「A社対応打ち合わせ」として通知した電話による発信を行ったことが示されている。また、その前には、2011年3月30日(水曜日)の14時28分に「件名」を「来期目標の件」とする電子メールを送信していることが示されている。
【0134】
また、2011年3月22日(火曜日)の11時01分に「件名」を「A社対応の件」として通知された電話の着信を受け、2011年3月22日(火曜日)の10時45分に「件名」を「A社対応の件」として通知された電話の着信を受けたが、不在で応答できなかったことが示されている。なお、着信に応答しなかった場合には、図9に示したように、IP電話端末4の制御部430により「着信(不在)」として把握され、これが発着信の別を示す情報として管理される。さらに、図9に示した履歴情報の場合には、2011年3月21日(月曜日)の9時30分に「件名」を「3月22日のA社対応の件について」として通知した電話の発信を行い、2011年3月17日(木曜日)の17時15分に「件名」を「A社対応打合せ日程について」とする電子メールを送信していることを示している。
【0135】
そして、IP電話端末4のユーザは、例えば、「第一営業部タナカ」さんに電話をかける前に、図9に示した履歴情報を形成して携帯電話端末5のディスプレイ524に表示させる。これにより、今までの「第一営業部タナカ」さんとの間で行った電話や電子メールの通信のやり取りの状態を把握することができ、思い違いなどを生じさせることなく適切に連絡を取ることができるようにされる。
【0136】
また、図9に示した履歴情報を携帯電話端末5のディスプレイ524に表示し、目的とする表示項目にカーソルを位置付けた状態で、IP電話端末4のハンドセット440を持ち上げるなどの発信操作を行ったとする。この場合、携帯電話端末5は、当該履歴情報の相手先である「第一営業部タナカ」さんの電話番号と、選択されている項目の「件名」として記録されている情報および発着信日時あるいは送信日時とをIP電話端末4に提供する。
【0137】
そして、IP電話端末4では、上述したように、携帯電話端末5から提供される電話番号の相手先に対するINVITEメッセージを形成するが、DisplayNameに提供された件名等の情報を記載して発信を行う。これにより、携帯電話端末5の表示画面に履歴情報が表示されている場合にも、上述した電子メール情報が表示されている場合と同様にして、電話をかける相手先を特定し、「件名」などの必要な情報を通知するようにして、目的とする相手先に電話をかけることができる。
【0138】
なお、ここでは、説明を簡単にするため、電子メールについては、携帯電話端末5から送信した電子メールの送信履歴を形成するものとして説明したが、これに限るものではない。携帯電話端末5が受信した電子メールについての履歴をも含めるようにし、電子メールの発着信履歴を形成することももちろんできる。電子メールの着信履歴の場合には、相手先は送信者の電子メールアドレスにより特定できるし、日時は、自機が当該電子メールを受信した日時を自機の時計回路から取得することにより把握することができる。また、「件名」などの所定の情報は、受信した電子メール情報から取得することができる。
【0139】
[変形例]
なお、上述した実施の形態においては、IP電話端末4に接続された携帯電話端末5側において、電話帳メモリ510の情報を参照し、電話をかける相手先の電話番号を取得するようにした。しかし、これに限るものではない。例えば、IP電話端末4の電話帳メモリ410にも、連絡を取り合う相手先の電子メールアドレスと電話番号とが対応付けられて記憶されているとする。この場合には、携帯電話端末5から電話をかける相手先の電子メールアドレスの提供を受けて、IP電話端末4側で当該電子メールアドレスに基づいて電話帳メモリ410の情報を参照し、電話をかける相手先の電話番号を特定することもできる。
【0140】
また、上述した実施の形態においては、携帯電話端末5から送信した電子メールの宛先とされた相手先に電話をかけるものとして説明したが、これに限るものではない。携帯電話端末5が受信した電子メールをディスプレイ524に表示している場合には、自機のユーザは受信者であるので、当該電子メールの発信者(発信元)に電話をかけるようにすることもできる。
【0141】
また、発信者や宛先以外にも、電子メールには、CC(Carbon Copy)機能やBCC(Blind Carbon Copy)機能が用いられて、同じ電子メールが同時に複数の人に送信される場合もある。このような場合であっても、例えば、オフフック操作とオンフック操作とを繰り返すことにより、順次に電話をかける相手先の電子メールを替えて電話帳メモリ510を通じて相手先の電話番号を特定し、電話をかけるようにする。
【0142】
これにより、同じ電子メールの複数の送信先、あるいは、その電子メールの発信元と自機を除く複数の送信先に対して、順番に電話をかけるようにすることもできる。このように、電話をかける相手先を替える場合であっても、INVITEメッセージのDisplayNameに、「件名」などの所定の情報を記載するようにすることによって、電話をかけるようにした相手先に対して、表示メッセージを提供し、要件等を応答操作前に通知することができるようにされる。
【0143】
また、作成中の電子メール情報が表示されている場合であっても、少なくとも宛先が指定されると共に、「件名」が入力されていれば、送信したり受信したりした電子メール情報の場合と同様にして発信を行うようにすることができる。すなわち、簡単な操作で当該相手先に電話をかけると共に、「件名」などの所定の情報を送信することができる。
【0144】
また、電子メール情報が表示されている場合に、どの情報を相手先に送信するかを選べるようにすることもできる。例えば、「発信者名」と「件名」と「日時(送信日時)」を送信するようにしたり、「件名」だけを送信したりするなどのことも可能である。このような選択は、例えば、携帯電話端末5の操作入力部521を通じて行うようにしたり、IP電話端末4の操作入力部408を通じて選択指示を入力し、携帯電話端末5に当該選択指示を送信することにより行うようにしたりすることができる。
【0145】
また、上述の実施の形態では、携帯電話端末5のディスプレイ524に電子メール情報が表示されているときに、IP電話端末4においてオフフック操作が行われた場合に、電子メール情報の「件名」などをDisplayNameに含めて発信を行うものとした。しかし、これに限るものではない。例えば、携帯電話端末5に対して、表示メッセージ入力画面を設けるようにし、当該表示メッセージ入力画面に対して、操作入力部521を通じて、目的とする相手先の電話番号と任意の表示メッセージとを入力できるようにしておく。
【0146】
この場合、目的とする相手先の電話番号は、例えば、電話帳データ510から選択することができるようにされる。そして、操作入力部521を通じて入力された電話をかける相手先の電話番号や任意の表示メッセージは、制御部540およびディスプレイコントローラ523を通じてディスプレイ524に表示されると共に、RAM543などの所定のメモリにも保持される。
【0147】
このように、表示メッセージ入力画面に対して、目的とする相手先の電話番号や任意の表示メッセージが入力された後に、IP電話端末4においてオフフック操作が行われたとする。この場合に、携帯電話端末5から入力された電話番号と表示メッセージとをIP電話端末4に提供する。そして、IP電話端末4は、提供された電話番号の相手先に対するINVITEメッセージの形成時に、DisplayNameに携帯電話端5からの表示用メッセージを記録して発信する。
【0148】
このようにすれば、表示された電子メール情報の「件名」などの所定の情報だけなく、ユーザが目的とする表示メッセージを電話の発信時において相手先に通知することができるようにされる。また、この他にも、表示メッセージとして送信する情報が表示されている場合に、相手先の電話番号を別途入力するようにすれば、目的とする相手先への電話発信時に、表示用のメッセージ情報を当該相手先に送信することもできる。すなわち、目的とする相手先の電話番号は、発信時に入力したり、電話帳メモリから選択したりしたものを用いるようにすることもできる。なお、表示メッセージとして送信可能な表示メッセージのデータ量は、DisplayNameに記載可能な例えば64文字程度とされる。
【0149】
また、携帯電話端末5側に、携帯電話端末5がIP電話端末4に接続された場合におけるIP電話端末としての発信処理機能や着信処理機能を設けるようにすることによって、IP電話端末4の構成を簡単にすることができる。すなわち、IP電話端末4に携帯電話端末5が接続された場合においてのみ、SIPサーバ1の配下の電話端末として機能することができるようにする。
【0150】
この場合、携帯電話端末5に発信等処理部421を設けるようにすればよい。また、ハンドセット440以外のユーザインターフェースは、携帯電話端末5のディスプレイ524や操作入力部521を用いるようにする。このようにすれば、IP電話端末4に、ディスプレイコントローラ415およびディスプレイ416、操作入力部408および操作入力I/F408を設ける必要もないようにすることができる。
【0151】
[この発明のプログラム]
なお、上述した実施の形態では、図7において、携帯電話端末5において実行されるものとして示したステップの処理を実行するプログラムが、表示装置に搭載されたコンピュータが実行する電子メール情報提供プログラムに対応する。このプログラムを携帯電話端末などの通信端末に搭載することにより、この発明に用いられる表示装置を実現できる。
【0152】
また、図7において、IP電話端末4において実行される処理として示したステップの処理を実行するプログラムが、ベース装置に搭載されたコンピュータが実行する発信処理プログラムに対応する。このプログラムをIP電話端末等の電話端末に搭載することにより、この発明のベース装置を実現することができる。
【0153】
[実施の形態の装置や回路部と、請求項の装置や手段との対応]
また、上述した実施の形態からも明らかなように、携帯電話端末5のディスプレイ524が表示手段としての機能を実現し、携帯電話端末5の制御部540およびディスプレイコントローラ523により表示制御手段としての機能を実現している。また、IP電話端末4の主にハンドセット440、フックスイッチSW、オンフック/オフフック検出部406、あるいは、操作入力部408のオフフックキーが受付手段としての機能を実現する。また、IP電話端末4の発信等処理部421が発信処理手段としての機能を実現している。
【0154】
また、携帯電話端末5の外部端子531が表示装置側接続端部としての機能を実現し、IP電話端末4の外部端子411がベース装置側接続端部としての機能を実現している。また、携帯電話端末5の外部I/F532および制御部540が発信通知受付手段としての機能を実現し、携帯電話端末5のメール情報通知処理部511が通知手段としての機能を実現している。また、IP電話端末4Aの主に制御部430および外部I/F412が発信通知提供手段、提供情報受付手段としての機能を実現している。
【0155】
[その他]
上述した実施の形態においては、例えば事業所内に形成される電話システムに提供した場合を例に説明したが、これに限るものではない。家庭に設置されるいわゆるIP電話端末と携帯電話端末とにより構成されるシステムに、この発明を適用することができる。
【0156】
また、上述した実施の形態においては、IP電話端末4と携帯電話端末5とはUSB規格のインターフェースにより接続したが、これに限るものではない。例えば、ブルートゥース(Bluetooth)規格などの近距離無線通信インターフェースやIrDA(Infrared Data Association)規格の赤外線による光無線データ通信インターフェースなどにより接続することも可能である。すなわち、有線、無線を問わず、種々のデジタルインターフェースによって接続することが可能である。
【0157】
また、上述した実施の形態においては、携帯電話端末を用いるようにしたが、これに限るものではない。パッド型情報端末やタブレッド型情報端末などと呼ばれる電子メール機能を備えた携帯通信端末や通信機能を備えたノート型パーソナルコンピュータなど、種々の通信端末を用いるようにすることもできる。したがって、携帯電話端末5の操作入力部521は、ディスプレイ524の表示画面に表示される表示情報と当該表示画面に貼付されるタッチパネルとにより実現されるいわゆるソフトウェアキーボードの構成とされる場合もある。
【0158】
また、必ずしもIP電話端末と携帯電話端末などの通信端末とを接続して形成する電話システムに限るものでもない。例えば、電話通信と電子メールの送受が可能な単体の固定電話端末や携帯電話端末にもこの発明を適用することができる。例えば、携帯電話端末において、送信したり、受信したりした電子メール情報を自機のディスプレイに表示して閲覧しているときに、オフフックキーが操作されたとする。
【0159】
この場合に、その表示されている電子メール情報に含まれる相手先であって、自分以外の相手先の電話番号をその相手先の電子メールアドレスに基づいて電話帳メモリから特定し、その特定した電話番号の相手先に電話をかけるようにすることも可能である。この時に、INVITEメッセージのDisplayNameに、「件名」などの所定の情報を記録して発信を行うようにすればよい。
【符号の説明】
【0160】
1…SIPサーバ、101…IP網への接続端子、102…IP網I/F、103…パケット分解/生成部、104…電話網I/F、105…電話網への接続端子、106…アドレス管理DB、107…LANI/F、108…LANへの接続端子、110…制御部、2…LAN、4…IP電話端末、401…LAN接続端子、402…LANI/F、403…パケット処理部、404…通話音声入出力I/F、405…ハンドセット接続端子、406…オンフック/オフフック検出部、407…リンガ、408…操作入力部、409…操作入力I/F、410…電話帳メモリ、411…外部端子、412…外部I/F、413…充電電流供給回路、414…ACコンセント、415…ディスプレイコントローラ、416…ディスプレイ、421…発信等処理部、422…端末表示制御部、430…制御部、440…ハンドセット、5…携帯電話端末、501…送受信アンテナ、502…電話通信部、503…送受信信号処理部、504…通話音声処理部、505…受話アンプ、506…受話器(スピーカ)、507…送話器(マイクロホン)、508…送話アンプ、510…電話帳メモリ、511…メール情報通知処理部、512…表示情報処理部、521…操作入力部、522…操作入力I/F、523…ディスプレイコントローラ、524…ディスプレイ、525…リンガ、531…外部端子、532…外部I/F、533…充電回路、534…バッテリ、540…制御部、6…IP網、7…電話網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
前記表示手段に表示情報を表示する処理を行うようにする表示制御手段と、
ユーザからの発信操作を受け付ける受付手段と、
前記表示手段に表示情報が表示されているときに、前記受付手段を通じて発信操作を受け付けた場合に、前記表示情報に含まれる所定の情報をSIP(Session Initiation Protocol)におけるインバイト(INVITE)メッセージのディスプレイネーム(DisplayName)に含めて、指示された相手先に対して発信を行う発信処理手段と
を備えることを特徴とする電話通信端末。
【請求項2】
請求項1に記載の電話通信端末であって、
前記表示手段と前記表示制御手段とを備えた表示装置と、前記受付手段と前記発信処理手段とを備えると共に、ネットワークに接続するようにされるベース装置とからなり、
前記表示装置は、
前記ベース装置への接続を可能にする表示装置側接続端部と、
前記ベース装置からの発信操作が行われたことの通知を受け付ける発信通知受付手段と、
前記表示装置側接続端部を通じて前記ベース装置に接続され、前記表示制御手段により前記表示手段に表示情報が表示されているときに、前記発信通知受付手段を通じて前記ベース装置から発信操作が行われたことの通知を受け付けた場合に、前記表示情報に含まれる前記所定の情報を前記ベース装置に提供する通知手段を備え、
前記ベース装置は、
前記表示装置の接続を可能にするベース装置側接続端部と、
前記ベース装置側接続端部を通じて前記表示装置が接続されているときに、前記受付手段を通じて発信操作を受け付けた場合に、発信操作が行われたことの通知を形成して、前記表示装置に提供する発信通知提供手段と、
前記表示装置からの前記所定の情報を受け付ける提供情報受付手段と
を備え、
前記発信処理手段は、前記提供情報受付手段を通じて受け付けた前記表示装置からの前記所定の情報をディスプレイネーム(DisplayName)に含めたインバイト(INVITE)メッセージを形成して発信することを特徴とする電話通信端末。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電話通信端末であって、
前記表示制御手段により前記表示手段に対して、作成した、あるいは、受信した電子メール情報が表示するようにされている場合に、前記ディスプレイネーム(DisplayName)に含める前記所定の情報は、当該電子メール情報に含まれる少なくとも件名を含むことを特徴とする電話通信端末。
【請求項4】
ネットワークに接続するようにされるベース装置と、当該ベース装置に対して接続される表示装置とからなる電話通信端末の前記ベース装置であって、
前記表示装置の接続を可能にする接続端部と、
ユーザからの発信操作を受け付ける受付手段と、
前記接続端部を通じて前記表示装置が接続されているときに、前記受付手段を通じて発信操作を受け付けた場合に、発信操作が行われたことの通知を形成して、前記表示装置に提供する発信通知提供手段と、
前記表示装置から提供される表示用の所定の情報を受け付ける提供情報受付手段と、
前記提供情報受付手段を通じて受け付けた前記表示装置からの表示用の前記所定の情報を、SIP(Session Initiation Protocol)におけるインバイト(INVITE)メッセージのディスプレイネーム(DisplayName)に含めて、指示された相手先に対して発信を行う発信処理手段と
を備えることを特徴とするベース装置。
【請求項5】
ネットワークに接続するようにされるベース装置と、当該ベース装置に対して接続される表示装置とからなる電話通信端末の前記表示装置に搭載されたコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
接続端部を通じて前記ベース装置に接続され、表示手段に表示情報が表示されているときに、発信通知受付手段を通じて前記ベース装置から発信操作が行われたことの通知を受け付けた場合に、通知手段が、前記表示情報に含まれる所定の情報を取得して前記ベース装置に提供する通知ステップを実行することを特徴とする電子メール情報提供プログラム。
【請求項6】
ネットワークに接続するようにされるベース装置と、当該ベース装置に対して接続される表示装置とからなる電話通信端末の前記ベース装置に搭載されたコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
受付手段を通じてユーザからの発信操作を受け付ける受付ステップと、
接続端部を通じて前記表示装置が接続されているときに、前記受付ステップにおいて発信操作を受け付けた場合に、発信通知提供手段が、発信操作が行われたことの通知を形成して、前記表示装置に提供する発信通知提供ステップと、
前記通知に応じて前記表示装置から提供される表示用の所定の情報を、提供情報受付手段が受け付ける受付ステップと、
前記提供情報受付ステップにおいて受け付けた前記表示装置からの表示用の前記所定の情報を、発信処理手段が、SIP(Session Initiation Protocol)におけるインバイト(INVITE)メッセージのディスプレイネーム(DisplayName)に含めて、指示された相手先に対して発信を行う発信処理ステップと
を実行することを特徴とする発信処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−55519(P2013−55519A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192607(P2011−192607)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】