電車レールの付着鉄粉の掻き取り具

【課題】レール間の絶縁材の下面に付着した鉄粉の除去を確実に行える器具を提供する。
【解決手段】レールＲ端面間に介在する絶縁材ａの介在方向の幅より広い横幅が有り、しかも適所に磁石４を収設した上面開口の容器主体１を有し、該容器主体１の、前記横幅方向に直交する方向の先端側上面に、前記絶縁材ａの下面に接触させるブラシ２を突設する。また、前記先端側に対応する、前記容器主体１の基端面には把手３を突設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電車レール殊に絶縁材を介するレールの接目部分下面に付着した鉄粉を掻き取るために用いる、電車レールの付着鉄粉の掻き取り具に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
電車レールは、ポイント区間ごとに絶縁材を用いた接目を介して継ぎ、ポイント区間同士の電気系統を違えて電車を運行するようにしているが、電車の車輪の摩擦によってレールから擦り取られた鉄粉が前記絶縁材部に磁着し、前記ポイント区間間を導通させ、前記の電気系統を乱し、大きな電車事故に繋がることがある。
【０００３】
このため、絶縁材部に付着した鉄粉を例えば、モップのような器具を用いて取り除く作業が適宜行われているのが、レール下面側は場所的な狭小な空間を利用して取り除かなければならないため、例えば、布きれ等で拭き取るようにせざるを得ず、拭き取り時に鉄粉が手元から脱落し、風等で再び付着したりするので、有用な器具が望まれていた。
【０００４】
本発明は、斯様な要求に答えるものとして提案するものである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【０００５】
レール端面間に介在する絶縁材の介在方向の幅より広い横幅が有り、しかも適所に磁石を収設した上面開口の容器主体を有し、該容器主体の、前記横幅方向に直交する方向の先端側上面に、前記絶縁材の下面に接触させるブラシを突設すると共に、前記先端側に対応する、前記容器主体の基端面には把手を突設した構成とするのである。
【発明の効果】
【０００６】
本発明によれば、ブラシで掻き取った鉄粉を、直ちに磁石に吸着させて、飛散させることなく吸着できるから、レール間の絶縁材下面に付着した鉄粉を確実に除去することができ、実用的である。
【実施例】
【０００７】
図面は本発明に係る、電車レールの付着鉄粉の掻き取り具の一実施例を示し、図１は一部欠截平面図、図２は一部欠截正面図、図３は使用状態を示す一部欠截平面図、図４は使用状態を示す一部欠截正面図である。
【０００８】
図中、１は本発明に係る掻き取り具Ａの容器主体で、容器主体１は、レールＲの端面間に介在させた絶縁材ａの介在方向（レールＲの長手方向）の幅より広い横幅の有る、底の浅い長方形箱状体で成り、この容器主体１の前壁部片を省略して開放した先端には、基盤２ａと植毛材料２ｂとで成るブラシ２を、前記基盤２ａにおいて主体１の底板１ａ上に載置止着して装置し、該ブラシ２側の先端に対応する主体１の基端面（主体１の後壁部片１ｂの外面）には把手３を突設してある。
【０００９】
図示４は、容器主体１の前記底板１ａに載置して固定した磁石（永久）で、磁石４は長方形平板体で成り、該磁石４を係合して組合せた套装枠５の先後両端の部片５ａ，５ｂをボルト６およびナット７によって前記底板１ａに締付けて容器主体１内に収設したものである。
【００１０】
しかして、レールＲ，Ｒ間に存する絶縁材ａ直下に配置して、ブラシ２を該絶縁材ａの下面に接触させるようにして把手３によって掻き取り具ＡをレールＲと直交する方向に前後させると、ブラシ２によって絶縁材ａ下面に付着した鉄粉（概し、電車の車輪がレールＲとの摩擦によって生じる）ｒ，ｒ，…は、掻き取られ、容器１内に装置した磁石４に吸着され、飛散することなく集積されるのである。
【００１１】
なお、容器主体１の形状は自由に選択すれば良く、また、該容器１内に収設した磁石の容器に対する固定手段は実施例の構造に限定する必要はないし、磁石そのものの形状、数、配置位置も自由に選択すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】一部欠截平面図。
【図２】一部欠截正面図。
【図３】使用状態を示す一部欠截平面図。
【図４】使用状態を示す一部欠截正面図。
【符号の説明】
【００１３】
１容器主体
２ブラシ
３把手

【特許請求の範囲】
【請求項１】
レール端面間に介在する絶縁材の介在方向の幅より広い横幅が有り、しかも適所に磁石を収設した上面開口の容器主体を有し、該容器主体の、前記横幅方向に直交する方向の先端側上面に、前記絶縁材の下面に接触させるブラシを突設すると共に、前記先端側に対応する、前記容器主体の基端面には把手を突設した、電車レールの付着鉄粉の掻き取り具。

【図１】