電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具
【課題】従来、支持柱に回動自在に可動ブラケット2を取付けた後に、木材等でその回動を防止して、上記可動ブラケットに電車線路1を取付けていたので、木材等で回動を防止するまで、可動ブラケットが回動してしまい安全性に問題があるという欠点があった。
【解決手段】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具は、支持柱に設けた可動ブラケット支持用の支持柱バンドの支持柱締付用ボルトに固定される支持柱バンド固定具と、可動ブラケットに固定される可動ブラケット固定具と、上記支持柱バンド固定具と上記可動ブラケット固定具とを連結せしめる連結具とよりなることを特徴とする。
【解決手段】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具は、支持柱に設けた可動ブラケット支持用の支持柱バンドの支持柱締付用ボルトに固定される支持柱バンド固定具と、可動ブラケットに固定される可動ブラケット固定具と、上記支持柱バンド固定具と上記可動ブラケット固定具とを連結せしめる連結具とよりなることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具、特に、コンクリート柱や鋼管柱などの支持柱に回動自在に取付けた電車線路支持用可動ブラケットの回動を防止する固定具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図10〜図12に示すように、吊架線やトロリー線などの電車線路1を支持する可動ブラケット2は、支持柱3に設けた支持柱バンド4に、軌道(線路)5の方向と直角方向に片持で取付けられ、また、上記可動ブラケット2は、上記支持柱バンド4の枢支部6により、上記電車線路1の熱伸縮等による移動に追従できるように、軌道5方向に回動自在に設けられている。
【0003】
なお、上記可動ブラケット2の支持用の支持柱バンド4は、支持柱3への取り付けを容易にするために、図11及び図12に示すように、半円弧状の2つのバンド4a、4bと、その各両端部をそれぞれ連結せしめる支持柱締付用ボルト7aとナット7bとよりなる。
【0004】
上記可動ブラケット2を支持柱3及び電車線路1に取り付ける施工においては、可動ブラケット2を支持柱3の支持柱バンド4に取付けた後から上記可動ブラケット2を電車線路1に取り付けるまでの間、そのままでは、風圧等により上記可動ブラケット2が上記支持柱3に対して回動して、上記可動ブラケット2の長幹ガイシ8に衝撃力がかかり破損したり、また、可動ブラケット2が回動したのでは電車線路1の取付けの施工性が悪く、また、可動ブラケット2に梯子をかけることもできないので、従来、図13及び図14に示すように、上記支持柱3と上記可動ブラケット2とに丸太や角材等の木材9を掛け渡して例えば亜鉛メッキ鉄線(図示せず)で結んで固定し、上記可動ブラケット2の回動を防止していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、十分な強度を得るためには、複数の太い木材9が必要で、コストが高く、また、重量が重くなってしまうという欠点があった。
【0006】
また、鋼管柱は滑りやすいので、木材の固定状態の十分な確認が必要で、安全性に問題があった。
【0007】
また、可動ブラケット2を支持柱3に取付けた後に、木材9を取り付けるので、木材9で可動ブラケット2を固定するまでの安全性が保たれず、また、施工性が悪かった。
【0008】
本発明は上記の欠点の欠点を除くようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具は、支持柱に設けた可動ブラケット支持用の支持柱バンドの支持柱締付用ボルトに固定される支持柱バンド固定具と、可動ブラケットに固定される可動ブラケット固定具と、上記支持柱バンド固定具と上記可動ブラケット固定具とを連結せしめる連結具とよりなることを特徴とする。
【0010】
また、上記支持柱バンド固定具は、上記支持柱締付用ボルトに、その一端が螺合されるナットと、このナットの他端に螺合される固定用ボルトとよりなることを特徴とする。
【0011】
また、上記支持柱バンド固定具は、長板と、上記長板の両端部に設けた2つの貫通孔と、上記各貫通孔に挿入せしめた2つの固定用ボルトと、2つの半円弧状のバンドよりなる上記可動ブラケット支持用の支持柱バンドの、上記各半円弧状のバンドの両端部をそれぞれ連結する2つの支持柱締付用ボルトの先端と上記2つの固定用ボルトとをそれぞれ連結せしめる2つの高ナットとよりなり、上記2つの固定用ボルトを上記高ナットに対して締付けることにより、上記2つの固定用ボルトの頭部により押圧された上記長板が上記支持柱バンドの周面に当接して、上記支持柱バンド固定具を支持柱バンドに固定せしめることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具によれば、支持柱に可動ブラケットを取り付けると同時に可動ブラケットの回動を確実に防止することができるので、施工性、安全性を高めることができるという大きな利益がある。
【0013】
また、可動ブラケットを片持ち支持する支持柱バンドの支持柱締付用ボルトを利用して、回転防止具を固定しているので、部品点数、施工工程を減らすとができるので、施工性、コストに優れる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の説明用側面図である。
【図2】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の平面図である。
【図3】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の正面図である。
【図4】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の支持柱バンド固定具の縦断側面図である。
【図5】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の背面図である。
【図6】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の支持柱バンド固定具の説明用拡大平面図である。
【図7】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の支持柱バンド固定具の説明用拡大側面図である。
【図8】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの、支持柱バンド固定具を取り外した回動防止具の説明用平面図である。
【図9】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の支持柱バンド固定具の他の実施例の正面図である。
【図10】従来の電車線路支持用可動ブラケットの説明用側面図である。
【図11】従来の電車線路支持用可動ブラケットの支持用の支持柱バンドの平面図である。
【図12】従来の電車線路支持用可動ブラケットの支持用の支持柱バンドの側面図である。
【図13】従来の電車線路支持用可動ブラケットの説明用側面図である。
【図14】従来の電車線路支持用可動ブラケットの説明用平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具10は、図1〜図5に示すように、支持柱3に設けた可動ブラケット支持用の支持柱バンド4に固定される支持柱バンド固定具11と、可動ブラケット2の水平主パイプ12に固定される可動ブラケット固定具13と、上記支持柱バンド固定具11と上記可動ブラケット固定具13とを連結する連結具14とよりなる。
【0017】
上記支持柱バンド固定具11は、図3及び図4に示すように、溶融亜鉛メッキが施された等辺山形鋼よりなる断面L字状の固定金具15と、この固定金具15の一片15aの中央下縁に設けた、上記支持柱バンド4の枢支部6に係合する溝部16と、上記固定金具15の一片15aの両端部にそれぞれ設けた2つの貫通孔17と、上記各貫通孔17にそれぞれ挿入される2本のボルト18と、上記各ボルト18の先端にそれぞれ螺合される六角状の高ナット19と、上記各ボルト18の、その頭部と固定金具の一片15a間にそれぞれ螺合せしめた中間ナット20とよりなる。
【0018】
また、上記可動ブラケット固定具13は、図5に示すように、上記可動ブラケット2の水平主パイプ12を上下から挟持し、固定せしめるパイプバンド21からなる。
【0019】
また、上記連結具14は、図2〜図4に示すように、等辺山形鋼よりなる断面L字状の固定金具よりなり、上記支持柱バンド固定具11の固定金具15の他片15bの両端部に、その一端がそれぞれ固定され、上記可動ブラケット固定具13の両端部に、その他端がそれぞれ固定される。
【0020】
本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具10は、上記のような構成であるから、上記可動ブラケット2を支持柱3及び電車線路1に取り付ける施工においては、まず、上記回転防止具10から、上記支持柱バンド固定具11を取り外し、この取り外した支持柱バンド固定具11を上記支持柱バンド4に取り付ける。
【0021】
具体的には、図6及び図7に示すように、上記支持柱バンド固定具11の固定金具15の溝部16を、上記支持柱バンド4の枢支部6の上部に係合せしめて、上記支持柱バンド4の半円弧状のバンド4a、4bの両端部の支持柱締付用ボルト7aの各先端部に、上記支持柱バンド固定具11の高ナット19の遊端をそれぞれ螺合せしめて、上記各高ナット19により上記締付用ボルト7aと上記ボルト18とを連結せしめ、この状態で上記各ボルト18に対して上記各中間ナット20を支持柱3側に締め付ければ、上記各中間ナット20により押圧された上記固定金具15が上記支持柱バンド4の周面に当接して押圧し、上記支持柱バンド固定具11を上記支持柱バンド4に固定せしめることができる。
【0022】
次に、図8に示すように、上記回転防止具10の可動ブラケット固定具13のパイプバンド21に、上記可動ブラケット2の水平主パイプ12を挟持せしめて、上記回転防止具10の一端側を上記可動ブラケット2に固定するとともに、上記回転防止具10の他端側を、上記可動ブラケット2の水平主パイプ12に例えば亜鉛メッキ鉄線(番線)22により固定せしめる。
【0023】
次に、回転防止具10が固定された可動ブラケット2を例えばクレーン等により持ち上げて、上記可動ブラケット2の基部23を上記支持柱バンド4の枢支部6の連結部24に連結せしめ、支持柱バンド4に固定された回転防止具10の支持柱バンド固定具11に、上記回転防止具10の連結具14の遊端を固定せしめれば、上記可動ブラケット2を支持柱3に回転を防止した状態で取り付けることができる。
【0024】
次に、上記可動ブラケット2に電車線路1を取り付け、上記回転防止具10を上記可動ブラケット2から取り外せば、上記可動ブラケット2を上記電車線路1の熱伸縮等による移動に追従できるように、支持柱3に対して、軌道5方向に回動自在に設けることができる。
【0025】
なお、上記施工法においては、まず、上記回転防止具10から、上記支持柱バンド固定具11を取り外し、この取り外した支持柱バンド固定具11を上記支持柱バンド4に取り付けたが、上記回転防止具10から支持柱バンド固定具11を取り外すことなく、上記回転防止具10の可動ブラケット固定具13のパイプバンド21に、上記可動ブラケット2の水平主パイプ12を挟持せしめて、上記回転防止具10の一端側を上記可動ブラケット2に固定し、上記回転防止具10の他端側を、上記可動ブラケット2の水平主パイプ12に番線22により固定せしめ、回転防止具10が固定された可動ブラケット2を例えばクレーン等により持ち上げて、上記可動ブラケット2の基部23を上記支持柱バンド4の枢支部6の連結部24に連結せしめ、上記支持柱バンド固定具11の固定金具15の溝部16を、上記支持柱バンド4の枢支部6の上部に係合せしめ、上記支持柱バンド4の締付用ボルト7aの先端部に、上記支持柱バンド固定具11の高ナット19の遊端を螺合せしめて、上記高ナット19により上記締付用ボルト7aと上記ボルト18とを連結せしめ、この状態で上記中間ナット20を締め付けて、上記支持柱バンド4に上記支持柱バンド固定具11を固定せしめ、上記可動ブラケット2を支持柱3に回転を防止した状態で取り付けてもよい。
【0026】
また、図9に示すように、上記回転防止具10の支持柱バンド固定具11の左右に設けた貫通孔20はそれぞれ長孔であってもよく、また、それぞれ複数個設けてもよい。
【0027】
また、中間ナット20を省略して、上記2つのボルト18を上記高ナット19に対して締付けることにより、上記2つのボルト18の頭部により上記支持柱バンド固定具11の一片15aを押圧せしめて、上記一片15aを上記支持柱バンド4の周面に当接せしめて押圧し、上記支持柱バンド固定具11を上記支持柱バンド4に固定せしめるようにしてもよい。
【0028】
本発明の回転防止具10によれば、支持柱3に可動ブラケット2を取り付けると同時に可動ブラケット2の回動を確実に防止することができるので、施工性、安全性を高めることができるという大きな利益がある。
【0029】
また、回転防止具10の一端は可動ブラケット2の水平主パイプに固定され、他端は支持柱バンド4に固定されているので、回転防止具10が確実に支持柱3及び可動ブラケット2に固定されているので、安全性を高めることができる。
【0030】
また、可動ブラケット2を片持ち支持する支持柱バンド4の支持柱締付用ボルト7aを利用して、回転防止具10を固定しているので、部品点数、施工工程を減らすとができるので、施工性、コストに優れる。
【0031】
また、回転防止具10の支持柱バンド固定具11の溝16に、支持柱バンド4の枢支部6を係合せしめるので、取り付けの際、容易に回転防止具10のセンターを取る事ができる。
【0032】
また、支持柱バンド4の締付用ボルト7aと回転防止具10のボルト18との連結に高ナット19を用いているので、締付用ボルト7aとボルト18の距離を容易に調整することができ、径の異なる支持柱3に対応可能になる。また、同様に、回転防止具10の支持柱バンド固定具11の両端の貫通孔20をそれぞれ長孔、或いは複数設けたので、2つのボルト18,18間の取付ピッチ(孔位置)を容易に変える事ができ、径の異なる支持柱3に対応可能になる。また、これにより、回転防止具10の再利用ができ、コストダウンを図ることができる。
【0033】
また、等辺山形鋼を用いた事により強度を上げることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 電車線路
2 可動ブラケット
3 支持柱
4 支持柱バンド
4a バンド
4b バンド
5 軌道
6 枢支部
7a 締付用ボルト
7b ナット
8 ガイシ
9 木材
10 回転防止具
11 支持柱バンド固定具
12 水平主パイプ
13 可動ブラケット固定具
14 連結具
15 固定金具
15a 一片
15b 他片
16 溝部
17 孔
18 ボルト
19 高ナット
20 中間ナット
21 パイプバンド
22 番線
23 基部
24 連結部
【技術分野】
【0001】
本発明は電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具、特に、コンクリート柱や鋼管柱などの支持柱に回動自在に取付けた電車線路支持用可動ブラケットの回動を防止する固定具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図10〜図12に示すように、吊架線やトロリー線などの電車線路1を支持する可動ブラケット2は、支持柱3に設けた支持柱バンド4に、軌道(線路)5の方向と直角方向に片持で取付けられ、また、上記可動ブラケット2は、上記支持柱バンド4の枢支部6により、上記電車線路1の熱伸縮等による移動に追従できるように、軌道5方向に回動自在に設けられている。
【0003】
なお、上記可動ブラケット2の支持用の支持柱バンド4は、支持柱3への取り付けを容易にするために、図11及び図12に示すように、半円弧状の2つのバンド4a、4bと、その各両端部をそれぞれ連結せしめる支持柱締付用ボルト7aとナット7bとよりなる。
【0004】
上記可動ブラケット2を支持柱3及び電車線路1に取り付ける施工においては、可動ブラケット2を支持柱3の支持柱バンド4に取付けた後から上記可動ブラケット2を電車線路1に取り付けるまでの間、そのままでは、風圧等により上記可動ブラケット2が上記支持柱3に対して回動して、上記可動ブラケット2の長幹ガイシ8に衝撃力がかかり破損したり、また、可動ブラケット2が回動したのでは電車線路1の取付けの施工性が悪く、また、可動ブラケット2に梯子をかけることもできないので、従来、図13及び図14に示すように、上記支持柱3と上記可動ブラケット2とに丸太や角材等の木材9を掛け渡して例えば亜鉛メッキ鉄線(図示せず)で結んで固定し、上記可動ブラケット2の回動を防止していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、十分な強度を得るためには、複数の太い木材9が必要で、コストが高く、また、重量が重くなってしまうという欠点があった。
【0006】
また、鋼管柱は滑りやすいので、木材の固定状態の十分な確認が必要で、安全性に問題があった。
【0007】
また、可動ブラケット2を支持柱3に取付けた後に、木材9を取り付けるので、木材9で可動ブラケット2を固定するまでの安全性が保たれず、また、施工性が悪かった。
【0008】
本発明は上記の欠点の欠点を除くようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具は、支持柱に設けた可動ブラケット支持用の支持柱バンドの支持柱締付用ボルトに固定される支持柱バンド固定具と、可動ブラケットに固定される可動ブラケット固定具と、上記支持柱バンド固定具と上記可動ブラケット固定具とを連結せしめる連結具とよりなることを特徴とする。
【0010】
また、上記支持柱バンド固定具は、上記支持柱締付用ボルトに、その一端が螺合されるナットと、このナットの他端に螺合される固定用ボルトとよりなることを特徴とする。
【0011】
また、上記支持柱バンド固定具は、長板と、上記長板の両端部に設けた2つの貫通孔と、上記各貫通孔に挿入せしめた2つの固定用ボルトと、2つの半円弧状のバンドよりなる上記可動ブラケット支持用の支持柱バンドの、上記各半円弧状のバンドの両端部をそれぞれ連結する2つの支持柱締付用ボルトの先端と上記2つの固定用ボルトとをそれぞれ連結せしめる2つの高ナットとよりなり、上記2つの固定用ボルトを上記高ナットに対して締付けることにより、上記2つの固定用ボルトの頭部により押圧された上記長板が上記支持柱バンドの周面に当接して、上記支持柱バンド固定具を支持柱バンドに固定せしめることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具によれば、支持柱に可動ブラケットを取り付けると同時に可動ブラケットの回動を確実に防止することができるので、施工性、安全性を高めることができるという大きな利益がある。
【0013】
また、可動ブラケットを片持ち支持する支持柱バンドの支持柱締付用ボルトを利用して、回転防止具を固定しているので、部品点数、施工工程を減らすとができるので、施工性、コストに優れる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の説明用側面図である。
【図2】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の平面図である。
【図3】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の正面図である。
【図4】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の支持柱バンド固定具の縦断側面図である。
【図5】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の背面図である。
【図6】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の支持柱バンド固定具の説明用拡大平面図である。
【図7】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の支持柱バンド固定具の説明用拡大側面図である。
【図8】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの、支持柱バンド固定具を取り外した回動防止具の説明用平面図である。
【図9】本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具の支持柱バンド固定具の他の実施例の正面図である。
【図10】従来の電車線路支持用可動ブラケットの説明用側面図である。
【図11】従来の電車線路支持用可動ブラケットの支持用の支持柱バンドの平面図である。
【図12】従来の電車線路支持用可動ブラケットの支持用の支持柱バンドの側面図である。
【図13】従来の電車線路支持用可動ブラケットの説明用側面図である。
【図14】従来の電車線路支持用可動ブラケットの説明用平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具10は、図1〜図5に示すように、支持柱3に設けた可動ブラケット支持用の支持柱バンド4に固定される支持柱バンド固定具11と、可動ブラケット2の水平主パイプ12に固定される可動ブラケット固定具13と、上記支持柱バンド固定具11と上記可動ブラケット固定具13とを連結する連結具14とよりなる。
【0017】
上記支持柱バンド固定具11は、図3及び図4に示すように、溶融亜鉛メッキが施された等辺山形鋼よりなる断面L字状の固定金具15と、この固定金具15の一片15aの中央下縁に設けた、上記支持柱バンド4の枢支部6に係合する溝部16と、上記固定金具15の一片15aの両端部にそれぞれ設けた2つの貫通孔17と、上記各貫通孔17にそれぞれ挿入される2本のボルト18と、上記各ボルト18の先端にそれぞれ螺合される六角状の高ナット19と、上記各ボルト18の、その頭部と固定金具の一片15a間にそれぞれ螺合せしめた中間ナット20とよりなる。
【0018】
また、上記可動ブラケット固定具13は、図5に示すように、上記可動ブラケット2の水平主パイプ12を上下から挟持し、固定せしめるパイプバンド21からなる。
【0019】
また、上記連結具14は、図2〜図4に示すように、等辺山形鋼よりなる断面L字状の固定金具よりなり、上記支持柱バンド固定具11の固定金具15の他片15bの両端部に、その一端がそれぞれ固定され、上記可動ブラケット固定具13の両端部に、その他端がそれぞれ固定される。
【0020】
本発明の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具10は、上記のような構成であるから、上記可動ブラケット2を支持柱3及び電車線路1に取り付ける施工においては、まず、上記回転防止具10から、上記支持柱バンド固定具11を取り外し、この取り外した支持柱バンド固定具11を上記支持柱バンド4に取り付ける。
【0021】
具体的には、図6及び図7に示すように、上記支持柱バンド固定具11の固定金具15の溝部16を、上記支持柱バンド4の枢支部6の上部に係合せしめて、上記支持柱バンド4の半円弧状のバンド4a、4bの両端部の支持柱締付用ボルト7aの各先端部に、上記支持柱バンド固定具11の高ナット19の遊端をそれぞれ螺合せしめて、上記各高ナット19により上記締付用ボルト7aと上記ボルト18とを連結せしめ、この状態で上記各ボルト18に対して上記各中間ナット20を支持柱3側に締め付ければ、上記各中間ナット20により押圧された上記固定金具15が上記支持柱バンド4の周面に当接して押圧し、上記支持柱バンド固定具11を上記支持柱バンド4に固定せしめることができる。
【0022】
次に、図8に示すように、上記回転防止具10の可動ブラケット固定具13のパイプバンド21に、上記可動ブラケット2の水平主パイプ12を挟持せしめて、上記回転防止具10の一端側を上記可動ブラケット2に固定するとともに、上記回転防止具10の他端側を、上記可動ブラケット2の水平主パイプ12に例えば亜鉛メッキ鉄線(番線)22により固定せしめる。
【0023】
次に、回転防止具10が固定された可動ブラケット2を例えばクレーン等により持ち上げて、上記可動ブラケット2の基部23を上記支持柱バンド4の枢支部6の連結部24に連結せしめ、支持柱バンド4に固定された回転防止具10の支持柱バンド固定具11に、上記回転防止具10の連結具14の遊端を固定せしめれば、上記可動ブラケット2を支持柱3に回転を防止した状態で取り付けることができる。
【0024】
次に、上記可動ブラケット2に電車線路1を取り付け、上記回転防止具10を上記可動ブラケット2から取り外せば、上記可動ブラケット2を上記電車線路1の熱伸縮等による移動に追従できるように、支持柱3に対して、軌道5方向に回動自在に設けることができる。
【0025】
なお、上記施工法においては、まず、上記回転防止具10から、上記支持柱バンド固定具11を取り外し、この取り外した支持柱バンド固定具11を上記支持柱バンド4に取り付けたが、上記回転防止具10から支持柱バンド固定具11を取り外すことなく、上記回転防止具10の可動ブラケット固定具13のパイプバンド21に、上記可動ブラケット2の水平主パイプ12を挟持せしめて、上記回転防止具10の一端側を上記可動ブラケット2に固定し、上記回転防止具10の他端側を、上記可動ブラケット2の水平主パイプ12に番線22により固定せしめ、回転防止具10が固定された可動ブラケット2を例えばクレーン等により持ち上げて、上記可動ブラケット2の基部23を上記支持柱バンド4の枢支部6の連結部24に連結せしめ、上記支持柱バンド固定具11の固定金具15の溝部16を、上記支持柱バンド4の枢支部6の上部に係合せしめ、上記支持柱バンド4の締付用ボルト7aの先端部に、上記支持柱バンド固定具11の高ナット19の遊端を螺合せしめて、上記高ナット19により上記締付用ボルト7aと上記ボルト18とを連結せしめ、この状態で上記中間ナット20を締め付けて、上記支持柱バンド4に上記支持柱バンド固定具11を固定せしめ、上記可動ブラケット2を支持柱3に回転を防止した状態で取り付けてもよい。
【0026】
また、図9に示すように、上記回転防止具10の支持柱バンド固定具11の左右に設けた貫通孔20はそれぞれ長孔であってもよく、また、それぞれ複数個設けてもよい。
【0027】
また、中間ナット20を省略して、上記2つのボルト18を上記高ナット19に対して締付けることにより、上記2つのボルト18の頭部により上記支持柱バンド固定具11の一片15aを押圧せしめて、上記一片15aを上記支持柱バンド4の周面に当接せしめて押圧し、上記支持柱バンド固定具11を上記支持柱バンド4に固定せしめるようにしてもよい。
【0028】
本発明の回転防止具10によれば、支持柱3に可動ブラケット2を取り付けると同時に可動ブラケット2の回動を確実に防止することができるので、施工性、安全性を高めることができるという大きな利益がある。
【0029】
また、回転防止具10の一端は可動ブラケット2の水平主パイプに固定され、他端は支持柱バンド4に固定されているので、回転防止具10が確実に支持柱3及び可動ブラケット2に固定されているので、安全性を高めることができる。
【0030】
また、可動ブラケット2を片持ち支持する支持柱バンド4の支持柱締付用ボルト7aを利用して、回転防止具10を固定しているので、部品点数、施工工程を減らすとができるので、施工性、コストに優れる。
【0031】
また、回転防止具10の支持柱バンド固定具11の溝16に、支持柱バンド4の枢支部6を係合せしめるので、取り付けの際、容易に回転防止具10のセンターを取る事ができる。
【0032】
また、支持柱バンド4の締付用ボルト7aと回転防止具10のボルト18との連結に高ナット19を用いているので、締付用ボルト7aとボルト18の距離を容易に調整することができ、径の異なる支持柱3に対応可能になる。また、同様に、回転防止具10の支持柱バンド固定具11の両端の貫通孔20をそれぞれ長孔、或いは複数設けたので、2つのボルト18,18間の取付ピッチ(孔位置)を容易に変える事ができ、径の異なる支持柱3に対応可能になる。また、これにより、回転防止具10の再利用ができ、コストダウンを図ることができる。
【0033】
また、等辺山形鋼を用いた事により強度を上げることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 電車線路
2 可動ブラケット
3 支持柱
4 支持柱バンド
4a バンド
4b バンド
5 軌道
6 枢支部
7a 締付用ボルト
7b ナット
8 ガイシ
9 木材
10 回転防止具
11 支持柱バンド固定具
12 水平主パイプ
13 可動ブラケット固定具
14 連結具
15 固定金具
15a 一片
15b 他片
16 溝部
17 孔
18 ボルト
19 高ナット
20 中間ナット
21 パイプバンド
22 番線
23 基部
24 連結部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持柱に設けた可動ブラケット支持用の支持柱バンドの支持柱締付用ボルトに固定される支持柱バンド固定具と、可動ブラケットに固定される可動ブラケット固定具と、上記支持柱バンド固定具と上記可動ブラケット固定具とを連結せしめる連結具とよりなることを特徴とする電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具。
【請求項2】
上記支持柱バンド固定具は、上記支持柱締付用ボルトに、その一端が螺合されるナットと、このナットの他端に螺合される固定用ボルトとよりなることを特徴とする請求項1記載の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具。
【請求項3】
上記支持柱バンド固定具は、長板と、上記長板の両端部に設けた2つの貫通孔と、上記各貫通孔に挿入せしめた2つの固定用ボルトと、2つの半円弧状のバンドよりなる上記可動ブラケット支持用の支持柱バンドの、上記各半円弧状のバンドの両端部をそれぞれ連結する2つの支持柱締付用ボルトの先端と上記2つの固定用ボルトとをそれぞれ連結せしめる2つの高ナットとよりなり、上記2つの固定用ボルトを上記高ナットに対して締付けることにより、上記2つの固定用ボルトの頭部により押圧された上記長板が上記支持柱バンドの周面に当接して、上記支持柱バンド固定具を支持柱バンドに固定せしめることを特徴とする請求項1記載の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具。
【請求項1】
支持柱に設けた可動ブラケット支持用の支持柱バンドの支持柱締付用ボルトに固定される支持柱バンド固定具と、可動ブラケットに固定される可動ブラケット固定具と、上記支持柱バンド固定具と上記可動ブラケット固定具とを連結せしめる連結具とよりなることを特徴とする電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具。
【請求項2】
上記支持柱バンド固定具は、上記支持柱締付用ボルトに、その一端が螺合されるナットと、このナットの他端に螺合される固定用ボルトとよりなることを特徴とする請求項1記載の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具。
【請求項3】
上記支持柱バンド固定具は、長板と、上記長板の両端部に設けた2つの貫通孔と、上記各貫通孔に挿入せしめた2つの固定用ボルトと、2つの半円弧状のバンドよりなる上記可動ブラケット支持用の支持柱バンドの、上記各半円弧状のバンドの両端部をそれぞれ連結する2つの支持柱締付用ボルトの先端と上記2つの固定用ボルトとをそれぞれ連結せしめる2つの高ナットとよりなり、上記2つの固定用ボルトを上記高ナットに対して締付けることにより、上記2つの固定用ボルトの頭部により押圧された上記長板が上記支持柱バンドの周面に当接して、上記支持柱バンド固定具を支持柱バンドに固定せしめることを特徴とする請求項1記載の電車線路支持用可動ブラケットの回動防止具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−207355(P2011−207355A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77468(P2010−77468)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(390031934)日本リーテック株式会社 (7)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(390031934)日本リーテック株式会社 (7)
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