説明

電飾表示装置

【課題】 表示部として強度が要求されることがなく、印刷表示面の損傷及び静電気の発生もなく、表示内容の変更もきわめて容易で、安価な電飾表示装置を提供する。
【解決方法】 平行移動する搬送条体1a、1bと、該搬送条体1a、1b間に着脱自在に保持された複数の光透過性表示シート2a、2bと、該光透過性表示シート2a、2bの一側に配置された窓枠体4と、該窓枠体4の窓枠6と対応する前記光透過性表示シート2a、2bの他側面に設けられたバックライト5からなり、好ましくは、前記搬送条体1a、1bがタイミングベルトであり、また、無端状に構成されて回転体10で支持されて回動自在である電飾表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告看板、駅の時刻表示板等として使用される電飾表示装置に関し、複数の変更表示部を有すること特徴とする。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の変更表示部を有する電飾表示装置として、バスの行き先表示板のように、二本の巻取り用ローラ間に、複数の表示部を有する光透過性フィルムの両端を巻き付け、該光透過性フィルムに所定のテンションを掛けながらモータ駆動により巻き上げ巻き戻しをするものが提供されている。
【特許文献1】実開平7−37385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の電飾表示装置は、多く表示部を設けることができる利点を有するが、そこで使用される光透過性フィルムは、巻き上げ巻き戻し時のほか、巻き上げ巻き戻し開始時及び停止時の緩み防止のブレーキや停止後に掛けるテンションに耐えるように所定の厚さを有する丈夫なものが準備及び使用され、さらに複数のモータが必要であるなど装置が高価であるという問題を有する。
【0004】
さらに、前記光透過性フィルムの巻き上げ巻き戻し時にフィルム同士の擦り合わせにより印刷表示面が損傷されるため、特殊インクによる印刷が必要不可欠であった。また、前記光透過性フィルムの巻き上げ巻き戻し時におけるフィルム同士の擦り合わせにより静電気が発生し、塵埃を吸い寄せるなどの問題があった。その他、表示部の変更には前記光透過性フィルムの全体を取り変える必要があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、表示部として強度が要求されることがなく、印刷表示面の損傷及び静電気の発生もなく、表示内容の変更もきわめて容易であり、安価な電飾表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の電飾表示装置は、平行移動する搬送条体と、該搬送条体間に着脱自在に保持された複数の光透過性表示シートと、該光透過性表示シートの一側面に配置された窓枠体と、該窓枠体の窓枠と対応する前記光透過性表示シートの他側面に設けられたバックライトと、からなることを特徴とする(請求項1)。
【0007】
前記本発明によれば、平行移動する搬送条体に光透過性表示シートが保持され、必要なテンションは搬送条体に加えられ前記光透過性表示シートに直接テンションが加えられることがないため、その強度を問題にする必要がなく、各種の光透過性表示シートを使用することができ、さらに印刷方法も自由であり安価に提供できる。さらに、前記光透過性表示シートを前記平行移動する搬送条体に着脱自在に保持してなるため、既存の表示内容の変更も容易である。
【0008】
本発明の実施の一形態は、前記平行移動する搬送条体がタイミングベルトであることを特徴とする(請求項2)。この実施の一形態によれば、搬送条体の平行移動が正確に行われ、光透過性表示シートが歪んだり変形等させられることがない。もっとも、通常のベルトであってもよい。
【0009】
本発明の他の実施の一形態は、前記平行移動する搬送条体がチェーンであることを特徴とする(請求項3)。この実施の一形態によれば、前記タイミングベルトと同様の効果を得ることができる。
【0010】
さらに本発明の他の実施の一形態は、前記平行移動する搬送条体がそれぞれ無端状に構成され、さらに回転体で支持されて回動自在であることを特徴とする(請求項4)。この実施の一形態によれば、全体をコンパクトにして、無端状の搬送条体に複数の光透過性表示シートを設けることが可能であり、さらに前記複数の光透過性表示シートの表示変更を手動及びつぎに述べる自動にて容易に行うことができる。
【0011】
例えば、電車の平日時刻表を正面の窓枠に位置した搬送条体に、休日時刻表を背面に位置した搬送条体に保持せしめ、片面表示の場合は正面に平日時刻表あるいは休日時刻表を移動表示せしめ、両面表示の場合には平日時刻表を正面に、休日時刻表を背面に同時に表示することができる。
【0012】
さらに本発明の他の実施の一形態は、前記平行移動する搬送条体を支持する前記回転体の一つが動力により正逆回転自在であることを特徴とする(請求項5)。この実施の一形態によれば、タイマー等を利用して適時に表示内容を自動変更することができる。なお、前記本発明の電飾表示装置は、縦方向及び横方向の使用が自在である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る電飾表示装置の要部の一部切欠斜視図、図2は一部切欠縦断面図、図3は光透過性表示シートの取付け状態を示す搬送条体部の斜視図、図4は他の実施の一形態を示す縦断面図、図5はテンションローラの一実施例を示す斜視図である。
【0014】
図1乃至図3中、1a、1bは平行移動するタイミングベルトからなる搬送条体、2a、2bは該搬送条体間に止着具3によって保持され、必要事項が印刷等により表示された複数の光透過性表示シート、4は該光透過性表示シート2aの一側面に配置された窓枠体、5は該窓枠体3の窓枠6と対応する前記光透過性表示シート2aの他側面に設けられたバックライトである。
【0015】
また、7は前記窓枠6部を被うアクリル樹脂等からなる透明カバー、8は前記光透過性表示シート2a、2bを交換するためにフレーム9の背面部に設けられた開閉扉である。
【0016】
なお、前記実施の一形態では、前記搬送条体1a、1bがそれぞれ無端状に構成され、さらにタイミングプーリからなる回転体10によって支持されて回動自在に構成されている。
【0017】
また、本発明では、前記光透過性表示シート2a、2bが前記搬送条体1a、1bに対して着脱自在に構成される。すなわち、前記止着具3が前記搬送条体1a、1bの水平位置に、前記光透過性表示シート2a、2bのそれぞれ上端部及び下端部を止着する間隔をあけて設けられ、さらに前記光透過性表示シート2a、2bが前記搬送条体1a、1bに対して着脱自在に構成される。なお、前記止着具3としては、前記光透過性表示シート2a、2bの上端部及び下端部をそれぞれ挟持及び挟持解除自在の構造とすることが好ましい。
【0018】
前記バックライト5は、前記窓枠6と対応する前記光透過性表示シート2a(2b)の他側面に設けられ、該光透過性表示シート2a(2b)の背面を照射する。なお、図1に示す実施例では、前記光透過性表示シート2a及び2bが連続させられているが分離して設けてもよい。
【0019】
前記構成において、表示内容の変更、例えば、前記光透過性表示シート2aの表示から前記光透過性表示シート2bに変更する場合は、適宜の方法により前記回転体10を回転させることにより行うことができる。
【0020】
前記光透過性表示シート2aの表示から前記光透過性表示シート2bへの表示内容の変更は手動でも行うことができるが、自動的に行う場合には、前記搬送条体1a、1bの一つ、すなわち、上端あるいは下端の一方の回転体10をモータ11により駆動させる構成とし、さらに該モータをタイマー等により制御して前記搬送条体1a、1bを正回転あるいは逆回転転させて行えばよい。
【0021】
一例を述べれば、前記搬送条体1a、1bに設けられた前記光透過性表示シート2a、2bを保持する前記止着具3にそれぞれ被感知体12a、12bを設け、他方、前記窓枠6の内部上下に感知器13a、13bをそれぞれ設け、スイッチ(図示せず)操作によりモータを駆動させた後、前記感知器13aあるいは13bが前記被感知体12aあるいは12bの到来を感知した時にモータが停止させられる構成にすればよい。さらに前記スイッチ操作をタイマーにより制御すればよい。
【0022】
なお、図2では、前記電飾表示装置を支持板14上に起立させ、キャスター16で移動自在に構成している。もっとも、本発明の前記電飾表示装置は、横起きは勿論、その他、壁面に嵌め込み使用するなど、その設置個所は任意である。
【0023】
図4及び図5は、本発明の他の実施例である。この実施例が前記実施例と異なるところ前記光透過性表示シート2a、2bの数を多数保持する点である。なお、前記実施例と同様部分には同じ符号を付されている。
【0024】
この実施例では、前記搬送条体1a、1bが前記フレーム9内において蛇行さえられて長尺に構成され、その間に光透過性表示シート2a、2b、さらに2cが保持されている。
【0025】
すなわち、前記搬送条体1a、1bが前記回転体10のほか、さらにタイミングプーリからなる回転体16、16、16及びテンションプーリ17、17によって支持され、全体ができる限りコンパクトになるように構成されている。
【0026】
なお、前記前記テンションプーリ17、17は、タイミングベルトからなる前記搬送条体1a、1bと噛み合うことがなく、逆に前記止着具3と当接し合うため、図5に示すように、あらかじめ、前記止着具3を受け入れる凹部18が形成される。
【0027】
また、前記図4、図5の実施例に限定されることなく、その構成を延長することにより、多数の光透過性表示シートを内蔵することができる。なお、前記搬送条体1a、1bに保持された光透過性表示シート2a、2b及び2cの手動及び自動による表示変更は前記図1乃至図3実施例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る電飾表示装置の要部の一部切欠斜視図である。
【図2】一部切欠縦断面図である。
【図3】光透過性表示シートの取付け状態を示す搬送条体部の斜視図である。
【図4】他の実施の一形態を示す要部断面図である。
【図5】テンションローラの一実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1a、1b 搬送条体
2a、2b 光透過性表示シート
4 窓枠体
5 バックライト
6 窓枠
10 回転体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行移動する搬送条体と、該搬送条体間に着脱自在に保持された複数の光透過性表示シートと、該光透過性表示シートの一側面に配置された窓枠体と、該窓枠体の窓枠と対応する前記光透過性表示シートの他側面に設けられたバックライトと、からなることを特徴とする電飾表示装置。
【請求項2】
前記平行移動する搬送条体がタイミングベルトであることを特徴とする請求項1に記載の電飾表示装置。
【請求項3】
前記平行移動する搬送条体がチェーンであることを特徴とする請求項1に記載の電飾表示装置。
【請求項4】
前記平行移動する搬送条体がそれぞれ無端状に構成され、さらに回転体で支持されて回動自在である請求項1、2又は3に記載の電飾表示装置。
【請求項5】
前記平行移動する搬送条体を支持する前記回転体の一つが動力により正逆回転自在である請求項4に記載の電飾表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−145820(P2006−145820A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−335505(P2004−335505)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(592206581)株式会社光道 (3)
【Fターム(参考)】