説明

静止画像伝送形式の監視装置における監視用カメラに対する撮影妨害の検出方法

【課題】 監視用カメラに対する撮影妨害を自動的に検出して対処させる。
【解決手段】 監視用カメラ6により撮影した監視対象物の静止画像を圧縮処理した画像データとして送信するCPU1,ROM2,RAM3,演算プロセッサ4,フレームメモリ5,通信制御部7より成る第1の監視装置1と、通信回線8を介して入力した第1の監視装置1からの画像データを受信して伸張処理を施し、監視対象物の静止画像に復元して表示させて監視を行うCPU11,ROM12,RAM13,演算プロセッサ14,フレームメモリ15,表示装置16,通信制御部17,警報装置18より成る第2の監視装置2とによって構成している。第1の監視装置1における監視用カメラ6により撮影した画像を圧縮処理した画像データのデータ量が予め設定してあるデータ量の閾値より減少したことが検出されたときは、監視カメラ6による撮影に異状が発生したことを第2の監視装置に表示・警報させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像伝送形式の監視装置によるセキュリティ・システムに関する。
【0002】
【従来の技術】セキュリティ・システムにおいて使用されている従来の画像伝送形式の監視装置は、図2に示すように、送信側の監視装置201と受信側の監視装置202によって構成している。監視装置201における監視用カメラ106により撮影した静止画像はフレームメモリ105に格納される。このフレームメモリ105に格納された画像データは、監視装置201を統括制御するCPU101,画像処理プログラムを格納しているROM102,高速演算用の演算プロセッサ104,各処理に必要なメモリより成るRAM103等によって圧縮処理されてデータ量を減少させ、通信制御部107,通信回線108を介して監視装置202に画像データを送信する。
【0003】監視装置202においては、通信制御部117を介して入力した画像データを一旦RAM113に格納しておき、CPU111,ROM112,RAM113,演算プロセッサ114等によってRAM113に格納してある画像データに伸張処理を施した静止画像をフレームメモリ115を介して表示装置116に表示させ、監視者(操作者)が監視対象物の状態を確認していた。上述した監視装置によって常時監視することも可能であるが、監視対象物の環境条件に対応させて特定の時間帯のみ監視を行い、監視する必要がない時間帯においては監視解除とし、画像伝送も中止していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】監視解除中の監視用カメラ106のレンズに、スプレーの吹き付けやテープの接着等による撮影妨害を受けた状態で監視を開始すると、監視用カメラ106は監視対象物を撮影していないので、監視装置202における表示装置116に表示される静止画像から監視対象物の状況を把握することはできないことになる。また、監視中において発生した撮影妨害であっても、多数の監視カメラを一括して監視している場合には、監視者(操作者)による異状発見が遅れる恐れもあった。本発明は、上述した従来方式の監視装置における欠点を解消するためになされたものであって、監視中および監視解除中に係わらず、監視装置201における監視用カメラ106に対する撮影妨害を検出し、監視装置202にその異状を自動的に表示・警報させるようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために、本発明による監視用カメラに対する撮影妨害の検出方法は、監視装置201における監視用カメラにより撮影した静止画像を圧縮処理した画像データのデータ量が、予め設定してあるデータ量の閾値より減少したことが検出されたときは、前記監視カメラによる撮影に異状が発生したことを監視装置202に表示・警報させるようにしたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る画像伝送形式による監視装置の構成を示すブロック図である。図1において、第1の監視装置1は、監視装置1を統括制御するCPU1,通信処理および画像処理プログラムを格納しているROM2,各処理に必要なメモリより成るRAM3,高速演算用の演算プロセッサ4,画像データを格納するフレームメモリ5,静止画像撮影用の監視用カメラ6,通信回線8を制御する通信制御部7によって構成している。
【0007】また、第2の監視装置2は、監視装置2を統括制御するCPU11,通信処理および画像処理プログラムを格納しているROM12,各処理に必要なメモリより成るRAM13,高速演算用の演算プロセッサ14,画像データを格納するフレームメモリ15,画像を表示する表示装置16,監視用カメラ6の異状を警報する警報装置18,通信回線8を制御する通信制御部17によって構成している。
【0008】第1の監視装置1において、監視用カメラ6によって撮影された監視対象物の静止画像の画像データはフレームメモリ5に格納され、ROM2に格納してある画像処理プログラムに基づき、演算プロセッサ4によって高速演算されて圧縮処理される。圧縮処理は、任意に画像データに対して周波数変換および量子化処理を行い、最終的に、出現頻度の高い数値を短いビット数に、出現頻度の低い数値を長いビット数に変換することにより、全体のデータ量を減少させる。
【0009】第1の監視装置1における監視用カメラ6のレンズがスプレーの吹き付けやテープの接着等によって撮影妨害を受けた状態では、監視対象物を撮影した画像は一様に暗くて平坦な画像となり、各画素の値は変動が少ないものとなる。従って、圧縮処理を施した画像データのデータ量は、正常時における圧縮後のデータ量よりも非常に少なくなる。従って、予め設定してあるデータ量の閾値と比較すると、容易に監視用カメラ6のレンズの異常が検出される。上述したデータ量の異常検出は演算プロセッサ4によって実行され、異常検出信号は通信制御部7と通信回線8を介して第2の監視装置2に入力される。第2の監視装置2においては、受信した画像データが正常な場合には伸張処理を行ってフレームメモリ15を介して表示装置16に静止画像を表示するが、監視用カメラ6に対する撮影妨害が検出された場合には、そのメッセージを表示装置16に表示させると共に、警報装置18によって警報して監視者(操作者)に知らせる。
【0010】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る監視用カメラに対する撮影妨害の検出方法は、第1の監視装置における監視用カメラが撮影妨害されて監視対象物を撮影することができない状態になると、自動的にその異常を検出して第2の監視装置へその情報を伝送するので、第2の監視装置の監視者(操作者)は迅速に対処することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像伝送形式による監視装置の構成を示すブロック図。
【図2】従来技術による画像伝送形式による監視装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1,11 CPU
2,12 ROM
3,13 RAM
4,14 演算プロセッサ
5,15 フレームメモリ
6 監視用カメラ
7,17 通信制御部
8 通信回線
16 表示装置
18 警報装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】 監視用カメラにより撮影した監視対象物の静止画像を圧縮処理した画像データとして送信する第1の監視装置と、第1の監視装置からの画像データを受信して伸張処理を施し、監視対象物の静止画像に復元して表示装置に表示させ監視を行う第2の監視装置と、によって構成した静止画像伝送形式の監視装置において、第1の監視装置における監視カメラにより撮影した静止画像を圧縮処理した画像データのデータ量が、予め設定してあるデータ量の閾値より減少したことが検出されたときは、前記監視カメラによる撮影に異状が発生したことを第2の監視装置に表示・警報させるようにしたことを特徴とする監視用カメラに対する撮影妨害の検出方法。

【図1】
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【図2】
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