説明

静的物質材料のかき混ぜ装置

【課題】 物質材料が装置内を充満しない場合、および物質材料の供給が不安定である場合でも、良好なかき混ぜ効果が得られ、粘度の低い粘性体、粘度の高い粘性体、各種の粉粒体、液体、骨材等の一種類または複数種の物質材料間のかき混ぜにも適用できるかき混ぜ装置を提供する。
【解決手段】 一個または複数個の山形の突起部材を有したかき混ぜ構造によって構成される静的物質材料かき混ぜ装置。かき混ぜ構造の外壁断面は円形または多角形をなし、内部には二つまたは二つ以上の山形の突起部材と排出口が縦方向と横方向に交互に配置される。隣り合うかき混ぜ構造間の山形の突起部材と排出口は交互に配置され、複数個のかき混ぜ構造は縦方向に沿って連結され、物質材料かき混ぜ装置を構成する。この物質材料かき混ぜ装置は物質材料の分割、混合、移動の効果を有し、物質材料とかき混ぜ装置内壁面の衝突および物質材料間の衝突の作用を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新しい物質材料かき混ぜ構造で構成されたかき混ぜ装置に関するものであり、特に各種の粉粒体、骨材、液体等のうち一種類または多種類の物質材料間のかき混ぜを対象とした施工装置である。
【背景技術】
【0002】
既存の物質材料かき混ぜ装置には二つの種類があり、一つはコンクリート等の材料のかき混ぜに用いる強制式のかき混ぜ装置、もう一つは液体と比較的粘性の低い材料のかき混ぜに用いる静的かき混ぜ装置である。
【0003】
静的かき混ぜ装置は幅広く、液体と比較的粘度の低い粘性体を混合するための混合装置である。既存の静的かき混ぜ装置は、一般に内部を隔壁あるいは棒等のかき混ぜ部品で幾つかの通路に分割する、一つまた複数のかき混ぜ構造からなり、かき混ぜ構造間を接続する箇所に、隔壁あるいは棒を交差させるように配置するものである。物質材料がかき混ぜ構造内に進入し、隔壁あるいは棒によって分割された幾つかの通路を通る際に、物質材料は幾つかの部分に分割され、さらに、二つのかき混ぜ装置の連結部において分割された各部分の物質材料は再度合併される。このように物質材料が各かき混ぜ装置を通過する際に、分割と合併が行われ、物質材料の均質混合が行われる。ある静的かき混ぜ装置に対しては、かき混ぜ装置内部の隔壁は物質材料が通過する際に回転が発生し、物質材料の回転は物質材料に切断作用を発生させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の静的かき混ぜ装置のかき混ぜ原理は、物質材料が通過する際の連続的な分割、混合によって、物質材料には幾何学的な回数の混合作用が加われるとともに、物質材料への切断作用が加えられ、また、物質材料のかき混ぜは連続的に行われるのである。静的かき混ぜ装置は、その端部に圧力を加え、物質材料が連続的に供給され、内部に物質材料が充満された場合に適用する。したがって、かき混ぜ装置内に物質材料が充満されたときに良好なかき混ぜ効果が得られ、物質材料が充満されないときにかき混ぜ効果は良好ではない。粘性が比較的高い物質材料とコンクリートのような骨材と大粒径の材料によって構成される材料をかき混ぜる場合、このかき混ぜ装置内に物質材料が充満された際には、閉塞の問題が生じ、かき混ぜ装置内に物質材料が充満されない際に、良好なかき混ぜ効果を得ることが出来ない。また、静的かき混ぜ装置内への物質材料供給が安定でない場合にも良好な混合効果が得られない問題が生じる。施工現場の素材を利用して物質材料のかき混ぜを実行するとき、物質材料の供給量が不安定な状況が生じ、静的かき混ぜ装置の内部の物質材料があるときは充満させ、あるときは充満させない。現場でのこのような状況は普遍的に存在しうる問題であるので、このような静的かき混ぜ装置で物質材料をかき混ぜると効果がよくない。また、既存の静的かき混ぜ装置は構造が複雑であり、設計コスト、製造コストが過大となってしまうという問題がある。
【0005】
強制式のかき混ぜ装置の主な構造は、かき混ぜ構造の中に一本の回転軸を配置し、回転軸にかき混ぜ羽根および螺旋形羽根を配置し、回転軸を回動することにより物質材料の混合、かき混ぜを行うものである。既存の強制式のかき混ぜ装置は物質材料の練混ぜ時に物質材料に強制的に切断力を加えるため、非常に大きな動力を必要とする。かき混ぜ装置の構造が複雑であり、運転時に非常に大きなエネルギーを必要とするため、設備の設計、製造に関するコストが過大となるとともに、運転時の電力消費、設備の運転と維持費用が過大となる。
【0006】
本発明は、液体と粘度の比較的低い粘性体のかき混ぜ時に、特に物質材料が装置内を充満しない場合と物質材料の供給が不安定する場合には、良好なかき混ぜ効果が得られない問題を解決し、さらに粘性の比較的高い物質材料や粒径の比較的大きい物質材料のような容易に閉塞を生じさせるような材料に対して、物質材料が装置内を充満しない場合にはかき混ぜ効果が低いという問題を解決し、容易に閉塞することが発生しない新しい静的物質材料かき混ぜ装置を提供することを目的とする。さらに、本装置の構造は簡易であり、製造コストと運転コストを縮減できるメリットがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の技術案は以下の通りである。
一個あるいは複数個のかき混ぜ構造(1)により構成され、かき混ぜ構造内にはかき混ぜ部材を含み、複数個のかき混ぜ構造を長手方向に順次連結する静的物質材料かき混ぜ装置であって、前記かき混ぜ部材は山形の突起部材(3)を採用し、当該山形の突起部材は平面および/または曲面によって形成される幾何学体であり、かき混ぜ構造はそれぞれ筒形の外壁(2)、かき混ぜ構造入口(5)、山形の突起部材、外壁と山形の突起部材の壁面によって囲まれる空間(4)と排出口(6)によって構成され、かき混ぜ構造はそれぞれ少なくとも二つの山形の突起部材と排出口を有し、山形の突起部材と排出口は縦方向と横方向に交互に配置され、一つのかき混ぜ構造の排出口とその次のかき混ぜ構造入口が連結され、前のかき混ぜ構造における山形の突起部材および排出口と後のかき混ぜ構造における山形の突起部材および排出口は交互に配置されたことを特徴とする静的物質材料かき混ぜ装置。
【0008】
本発明の山形の突起部材は四角錐型、三角柱型、半球型または半円柱型を採用している。本発明のかき混ぜ構造の筒形外壁の断面形状は円形または多角形である。
【0009】
本発明の物質材料かき混ぜ装置によれば、当該装置は、四角錐型または半球型の山形の突起部材によって構成されたかき混ぜ構造を長手方向に順次連結して構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の物質材料かき混ぜ装置によれば、当該装置は、四角錐型または半球型の山形の突起部材によって構成されたかき混ぜ構造と三角柱型または半円柱型の山形の突起部材によって構成されたかき混ぜ構造を長手方向に交互に連結して構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は既存の技術と比べて、以下の利点と顕著な効果が得られる。液体と比較的粘性の低い粘性体のかき混ぜ時に、物質材料が装置内を充満しないおよび物質材料の供給が不安定である場合に、内部装置の山形の突起部材により、物質材料がかき混ぜ装置を通過する際に、物質材料と物質材料の間、物質材料と山形の突起部材の間および物質材料と外壁の間での衝突によって、物質材料に圧縮と切断の作用が促され、良好なかき混ぜ効果が得られるものである。比較的粘性の高い物質材料と比較的粒径の大きい物質材料のような容易に閉塞する物質材料に対して、物質材料がかき混ぜ装置内に充満されない場合にも、同様に良好なかき混ぜ効果が得られ、閉塞の危険性も減少する。
【0012】
本発明のかき混ぜ装置の使用範囲は広く、物質材料の特性、使用条件、現地の条件に応じて、かき混ぜ装置のレイアウト形式を選択することができる。
【0013】
液体、粘塑性体等の物質材料の混合過程中には閉塞の問題は存在しないので、ポンプ圧送等の外圧力によってかき混ぜを行うことができる。
粉粒体と粉粒体、液体、骨材によって構成されるコンクリート等の複合材料とをかき混ぜる際に、垂直にあるいは一定の傾斜角度で縦方向にかき混ぜ装置を配置し、物質材料の自由落下の動力を利用して物質材料のかき混ぜを実施することによって、設備運行時の大きな動力を必要とせず、安定した大量製造が可能であり、運行時の電力エネルギーと維持管理費用を低減することができる。
【0014】
さらに、山形の突起部材によって構成されたかき混ぜ構造が採用され、その内部の構造は平面で形成され、構造が簡易であり、設計と製造の費用を縮減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のかき混ぜ構造は、断面形状が円形あるいは多角形の筒形外壁と、かき混ぜ構造の入口と、山形の突起部材と、外壁および山形突起壁面が囲む空間と、排出口とを有する。かき混ぜ構造は二つあるいは二つ以上の山形の突起部材と排出口から構成され、山形の突起部材と排出口は縦方向および横方向に交互に配置され、その数量は混合しようとする物質材料の物質材料特性によって決定される。山形の突起部材は平面および/あるいは曲面によって形成される幾何形状体であり、形状は四角錐型、三角柱型、半球型および半円柱型等である。山形の突起部材の側壁の角度、高度、形状は混合しようとする物質材料の性質によって選択される。
【0016】
かき混ぜ構造に四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材が設置された場合には、物質材料の分割、混合、物質材料と物質材料間の衝突を行うことができる。かき混ぜ構造の入口から進入した物質材料ははじめに四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材の側壁に衝突し、同時に物質材料の運動方向が変更され、二つの部分に分けられ、排出口上の空間に進入する。空間中の物質材料は再度混合され、同時に、物質材料間の衝突が発生し、物質材料の衝突の後の物質材料の一部分は外壁に衝突、反発してから、物質材料と物質材料間の衝突も生じる。このように空間中で物質材料には4方向の衝突が生じ、この衝突が物質材料の圧縮と切断の作用を促す。
【0017】
かき混ぜ構造に三角柱型あるいは半円柱型の山形突起を配置した場合は、物質材料の混合と移動を行うことができる。かき混ぜ構造の入口から進入した物質材料ははじめに三角柱型あるいは半円柱型の山形の突起部材の斜面に衝突し、同時に物質材料は排出口に移動され、物質材料の位置が変更される。
【0018】
本発明のかき混ぜ装置は一個あるいは一個以上のかき混ぜ構造を連結して構成され、あるかき混ぜ構造の排出口と次のかき混ぜ構造の入口が連結され、一つ前のかき混ぜ構造における山形の突起部材および排出口と一つ後のかき混ぜ構造における山形の突起部材および排出口は交互に配置される。複数個のかき混ぜ構造は長手方向に上述の方法で連結され、縦方向の連続通路が形成され、かき混ぜ装置が構成される。
【0019】
かき混ぜ装置は機能の異なる山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造を連結して構成されることができる。液体、比較的粘度の低い粘性体あるいは粉体類のかき混ぜ時には、かき混ぜ装置は四角錐型あるいは半円球型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造を連結して構成されることができ、比較的粘度の高い粘性体あるいはコンクリート類のかき混ぜ時には、かき混ぜ効果を高めるため、かき混ぜ装置は四角錐型あるいは半円球型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造と三角柱型あるいは半円柱型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造を交互に連結して構成されることができる。
【0020】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態について説明する。
図1は二つの四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材のかき混ぜ構造の模式図であり、物質材料の分割、混合および物質材料と物質材料の衝突を行う効果がある。
【0021】
図2は二つの三角柱型あるいは半円柱型の山形の突起部材のかき混ぜ構造の模式図であり、物質材料の混合と移動を行う効果がある。
【0022】
図1と図2に示すように、かき混ぜ構造1は断面形状が円形あるいは多角形である外壁2によって構成される筒形であり、内部には山形の突起部材3を含み、外壁2と山形の突起部材の壁面によって囲まれた部分は物質材料が通過、混合、衝突する空間4であり、上部はかき混ぜ構造の入口5、下部は排出口6である。
【0023】
かき混ぜ構造1は二つの山形の突起部材3と排出口6を対角線方向に交互に配置して形成される。図1の(A)に示すかき混ぜ構造1は、二つの四角錐型の山形の突起部材3と排出口6を、対角線方向に交互に配置して構成されるものであり、図1の(B)に示すかき混ぜ構造1は、二つの半球型の山形の突起部材3と排出口6を、対角線方向に交互に配置して構成されるものである。図2の(A)に示すかき混ぜ構造1は、二つの三角柱山形の突起部材3と排出口6を、対角線方向に交互に配置して構成されるものであり、図2の(B)に示すかき混ぜ構造1は、二つの半円柱型の山形の突起部材3と排出口6を、対角線方向に交互に配置して構成されるものである。
【0024】
図3は二つ以上の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造の模式図である。図3の(A)に示すかき混ぜ構造1aは、複数個の四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材3a〜3hと排出口6a〜6hを、縦方向および横方向に交互に配置して構成されており、図3の(B)に示すかき混ぜ構造1bは、複数個の三角柱型あるいは半円柱型の山形の突起部材3a〜3hと排出口6a〜6hを、縦方向および横方向に交互に配置して構成されている。山形の突起部材3の数は混合物質材料の物質材料特性に応じて決定される。
【0025】
図4は若干種の山形の突起部材の模式図である。山形の突起部材3は平面および/または曲面によって形成される幾何学体であり、形状は図4の(A)に示す四角錐型、図4の(B)に示す三角柱型、図4の(C)に示す半球型、図4の(D)に示す半円柱型を含むものである。山形の突起部材3の側壁の角度、高さ、形状はかき混ぜ物質材料の性質に基づいて選定される。
【0026】
図5は四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材によって構成されたかき混ぜ構造のかき混ぜ原理を示す模式図である。かき混ぜ構造入口5から進入した物質材料8aは四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材3aに衝突し、物質材料8bは四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材3bに衝突し、この衝突によって物質材料8aと物質材料8bに対して圧縮と切断の効果が促され、同時に、物質材料8aは物質材料8cと物質材料8dの二つの部分に分割され、物質材料8bは物質材料8eと物質材料8fの二つの部分に分割される。物質材料は山形の突起部材の側壁に衝突した後に、運動の方向が変えられ、物質材料8cと物質材料8eは排出口6aの上の空間4aに達して改めて混合され、物質材料8dと物質材料8fは排出口6bの上の空間4bに達して改めて混合される。混合が行われると同時に、物質材料8aと物質材料8bの間で衝突が起こり、衝突後の一部分の物質材料8hと物質材料8jは外壁2に衝突し、運動の方向が変えられ、物質材料8d、物質材料8f、物質材料8h、物質材料8jの間で相互に衝突が起こる。また、物質材料8cと物質材料8dの間で衝突が起こり、衝突後の一部分の物質材料8gと物質材料8iは外壁2に衝突し、運動の方向が変えられ、物質材料8c、物質材料8e、物質材料8g、物質材料8iの間で相互に衝突が起こる。この衝突により、物質材料間で4方向の衝突の効果が促され、物質材料に対して圧縮と切断の作用が促される。
【0027】
図6は三角柱型あるいは半円柱型の山形の突起部材を採用したかき混ぜ構造のかき混ぜ原理の模式図である。かき混ぜ構造入口5から進入した物質材料8aは三角柱型あるいは半円柱型の山形の突起部材3aの斜面に衝突し、物質材料8bは三角柱型あるいは半円柱型の山形の突起部材3bの斜面に衝突する。この衝突によって物質材料に圧縮と切断の効果が促され、同時に物質材料8aは排出口6aに移動され、物質材料8bは排出口6bに移動され、物質材料の位置が変えられる。物質材料がこの種のかき混ぜ構造を通過する際に、物質材料と斜面、物質材料と物質材料の間の衝突のかき混ぜ効果があるとともに、物質材料を任意の位置に移動することが可能となる。
【0028】
図7は複数個のかき混ぜ構造により構成されたかき混ぜ装置の構造の模式図であり、その中のかき混ぜ構造は四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材によって構成されたものである。図7に示すように、液体、粘度が比較的低い粘性体あるいは粉体類のかき混ぜ時には、四角錐型あるいは半球型のかき混ぜ構造1aのみを設置し、長手方向に連結し、内部の山形の突起部材3a〜3fと排出口6a〜6fは長手方向に交差するように連結し、長手方向に連続な通路を有するかき混ぜ装置7が構成される。第一のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3aの下方は第二のかき混ぜ構造1aの排出口6cであり、第一のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3bの下方は第二のかき混ぜ構造1aの排出口6dであり、第一のかき混ぜ構造1aの排出口6aの下方は第二のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3cであり、第一のかき混ぜ構造1aの排出口6bの下方は第二のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3dである。第二のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3cの下方は第三のかき混ぜ構造1aの排出口6eであり、第二のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3dの下方は第三のかき混ぜ構造1aの排出口6fであり、第二のかき混ぜ構造1aの排出口6cの下方は第三のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3eであり、第二のかき混ぜ構造1aの排出口6dの下方は第三のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3fである。
【0029】
図8は複数個の効果の異なるかき混ぜ構造により構成されたかき混ぜ装置の構造の模式図であり、四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材によって構成されたかき混ぜ構造と三角柱型あるいは半円柱型突起部材によって構成されたかき混ぜ構造を交互に配置し、構成したものである。粘度の比較的高い粘性体あるいは粘度の比較的高いコンクリート類をかき混ぜる際に、図8に示すように、四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材を配したかき混ぜ構造1aと三角柱型あるいは半球型の山形の突起部材を配したかき混ぜ構造1bを交互に連結し、かき混ぜ構造7を構成する。
【0030】
かき混ぜ構造1aとかき混ぜ構造1bの内部は山形の突起部材3a〜3hと排出口6a〜6hが長手方向に交互になるように連結、構成される。
第一のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3aの下方は第一のかき混ぜ構造1bの排出口6cであり、第一のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3bの下方は第一のかき混ぜ構造1bの排出口6dであり、第一のかき混ぜ構造1aの排出口6aの下方は第一のかき混ぜ構造1bの山形の突起部材3cであり、第一のかき混ぜ構造1aの排出口6bの下方は第一のかき混ぜ構造1bの山形の突起部材3dである。
【0031】
第一のかき混ぜ構造1bの山形の突起部材3cの下方は第二のかき混ぜ構造1aの排出口6eであり、第一のかき混ぜ構造1bの山形の突起部材3dの下方は第二のかき混ぜ構造1aの排出口6fであり、第一のかき混ぜ構造1bの排出口6cの下方は第二のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3eであり、第一のかき混ぜ構造1bの排出口6dの下方は第二のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3fである。
【0032】
第二のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3eの下方は第二のかき混ぜ構造1bの排出口6gであり、第二のかき混ぜ構造1aの山形の突起部材3fの下方は第二のかき混ぜ構造1bの排出口6hであり、第二のかき混ぜ構造1aの排出口6eの下方は第二のかき混ぜ構造1bの山形の突起部材3gであり、第二のかき混ぜ構造1aの排出口6fの下方は第二のかき混ぜ構造1bの山形の突起部材3hである。
【0033】
第一のかき混ぜ構造1bの山形の突起部材3cおよび山形の突起部材3dの配置方向と、第二のかき混ぜ構造1bの山形の突起部材3gおよび山形の突起部材3hの配置方向とは互いに垂直であり、物質材料の移動の方向は異なる。
【0034】
図9は、四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造と、三角柱型あるいは半円柱型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造を交互に配置し、構成されたかき混ぜ装置の物質材料のかき混ぜのフローチャートである。四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造1aの分割効果と、三角柱型あるいは半円柱型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造1bの物質材料移動の効果によって、図9に示すように、2の幾何学的分割混合効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1(A)は四角錐型突起部材を配置したかき混ぜ構造の模式図である。図1(B)は半球型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造の模式図である。
【図2】図2(A)は三角柱型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造の模式図である。図2(B)は半円柱型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造の模式図である。
【図3】図3(A)は二つ以上の四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造の模式図である。図3(B)は二つ以上の三角柱あるいは半円柱型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造の模式図である。
【図4】図4(A)は四角錐型の山形の突起部材の模式図である。図4(B)は三角柱型の山形の突起部材の模式図である。図4(C)は半球型の山形の突起部材の模式図である。図4(D)は半円柱型の山形の突起部材の模式図である。
【図5】図5(A)は四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造のかき混ぜ原理の模式図である。図5(B)は図5(A)の平面図である。
【図6】図6(A)は三角柱型あるいは半円柱型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造のかき混ぜ原理の模式図である。図6(B)は図6(A)の平面図である。
【図7】四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造で構成されたかき混ぜ装置の模式図である。
【図8】四角錐型あるいは半球型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造と、三角柱型あるいは半円柱型の山形の突起部材を配置したかき混ぜ構造とを交互に配置したかき混ぜ装置の模式図である。
【図9】図8のかき混ぜ装置の物質材料をかき混ぜるフローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
1,1a,1bかき混ぜ構造
2 外壁
3,3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h 突起部材
4,4a,4b 空間
5 入口
6,6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h 排出口
7 かき混ぜ装置
8a,8b,8c,8d,8e,8f,8g,8h,8i 物質材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一個あるいは複数個のかき混ぜ構造(1)により構成され、かき混ぜ構造内にはかき混ぜ部材を含み、複数個のかき混ぜ構造を長手方向に順次連結する静的物質材料かき混ぜ装置であって、前記かき混ぜ部材は山形の突起部材(3)を採用し、当該山形の突起部材は平面及び/または曲面によって形成される幾何学体であり、かき混ぜ構造はそれぞれ筒形の外壁(2)、かき混ぜ構造入口(5)、山形の突起部材、外壁と山形の突起部材の壁面とで囲まれる空間(4)と排出口(6)によって構成され、かき混ぜ構造はそれぞれ少なくとも二つの山形の突起部材と排出口を有し、山形の突起部材と排出口は縦方向と横方向に交互に配置され、一つのかき混ぜ構造の排出口とその次のかき混ぜ構造の入口が連結され、前のかき混ぜ構造における山形の突起部材および排出口と後のかき混ぜ構造における山形の突起部材および排出口は交互に配置されたことを特徴とする静的物質材料かき混ぜ装置。
【請求項2】
前記山形の突起部材は、四角錐型、三角柱型、半球型または半円柱型を採用していることを特徴とする請求項1に記載の物質材料かき混ぜ装置。
【請求項3】
当該装置は、四角錐型または半球型の山形の突起部材によって構成されたかき混ぜ構造を長手方向に順次連結して構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の物質材料かき混ぜ装置。
【請求項4】
当該装置は、四角錐型または半球型の山形の突起部材によって構成されたかき混ぜ構造と三角柱型あるいは半円柱型の山形の突起部材によって構成されたかき混ぜ構造を長手方向に交互に連結して構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の物質材料かき混ぜ装置。
【請求項5】
前記かき混ぜ構造の筒形外壁の断面形状が円形または多角形であることを特徴とする請求項1に記載の物質材料かき混ぜ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−245147(P2007−245147A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69638(P2007−69638)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(501031415)チンファ ユニバーシティ (3)
【氏名又は名称原語表記】TSINGHUA UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】Beijing,P.R.China
【出願人】(000201478)前田建設工業株式会社 (358)
【Fターム(参考)】