静脈アクセスポートアセンブリおよびその製造方法
静脈アクセスポートアセンブリ10は、排出ポート16を備えるハウジングベース28、隔壁14およびキャップ48を有する。内部リザーバ22がハウジングベースの井戸30と隔壁の底とで画定され、流路がリザーバから排出ポート16を通って延伸する。キャップ48は、ハウジングベースの上部に固定され、アセンブリ10の中に隔壁をしっかりと保持し、隔壁の環状のフランジ60をハウジングベースの隔壁座52に対して押圧する。キャップ48は、ハウジングベース28に機械的に固定され、さらに接着される。隔壁14のフランジ60を圧縮し、リザーバ22を封止するように、キャップ48をハウジングベース28に機械的に固定する方法が開示されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、医療機器の分野、より詳しくは、患者に液体を注入し、患者から液体を引き抜くためのカテーテルアセンブリおよびカテーテルアセンブリのためのポートに関する。
【背景技術】
【0002】
患者への輸液および/または液の引き抜きのための輸液ポートが公知であり、挿入されたカテーテルの近位端に固定される。これらのポートは、主として、液体の大きな流量が要求されない薬の注入または少量の血液を引き抜くために使用される。ポートは、カテーテルと流体連絡する排出ポートを有する針を通さないハウジングと、ポートハウジングの中のリザーバとのアセンブリであり、続けて新しいアクセス場所を探すことなく、患者の外皮組織を通して、隔壁を通して、そして、リザーバの中に突き刺す複数の針のためのアクセス場所を画定し、皮下で自己封止する隔壁を提供する。そのようなポートの例は、例えば、米国特許第4704103号、第4762517号、第4778452号、第5185003号、第5213574号および第5637102号に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
確実に封止された方法で確実に一体固定された静脈アクセスポートアセンブリを提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ハウジングおよび隔壁を有し、内部リザーバと、リザーバから排出ポートの管を通して延伸し、カテーテル内腔の近位端と液体連絡をなし、患者の中にアセンブリを配置する前にポートアセンブリが固定された流路とを提供する静脈アクセスポートである。ハウジングは、ベースおよびキャップを含み、ベースおよびキャップは、アセンブリの中に針を通す隔壁を固定するために協力し合い、隔壁の着座フランジをハウジングベースの座に押圧する。キャップは、機械式継手よってハウジングベースに機械的に固定される。機械式継手は、好ましくは、ハウジングベースおよびキャップの一方の保持リブであり、保持リブは、径方向に外側に延伸し、ハウジングベースおよびキャップの他方の内面に沿った保持溝に受け入れられてスナップ止めされ、ポートアセンブリの外周の殆どに延伸する。好ましくは、ハウジングベースとキャップとの隣接面の間に溶剤接着も提供される。
【0005】
第1の実施形態では、保持リブはハウジングベースの外面に画定され、保持溝はキャップの内面に画定される。第2の実施形態では、保持リブはキャップの内面に画定され、保持溝はハウジングベースの外面に画定される。
【0006】
本発明の方法では、静脈アクセスポートアセンブリのキャップは、保持部によって、静脈アクセスポートアセンブリのハウジングベースに固定される。保持部は、キャップをハウジングベースに機械的に固定し、キャップをハウジングベースに器具なしにさらに固定する溶剤の硬化の間、隔壁のフランジを押圧する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
添付の図面は、ここに組み入れられ、明細書の一部をなし、本発明の現在好ましい実施形態を示し、上述の一般的な説明および以下の詳細な説明とともに、本発明の特徴を説明する役目を果たす。
【0008】
ここでは、単なる簡便のために幾つかの用語を用いるが、本発明を限定するためのものではない。「遠位」および「近位」は、挿入可能なカテーテルアセンブリにおいて、相対的に、カテーテルの挿入端に近い方向および遠い方向を指す。用語は、具体的に言及する単語と、その派生語と、同義語とを含む。以下に説明する実施形態は、完全であること、或いは、開示したものから厳密に本発明を限定することを意図しない。これらの実施形態は、本発明の原則とその適用および実際的使用を最もよく説明するために選択されて記述され、当業者は本発明を他に利用することができる。
【0009】
図1から5の静脈アクセスポートアセンブリ10は、ハウジング12と隔壁14とを含み、ポートアセンブリ10の遠位端18から延伸し、カテーテル(不図示)の近位端にしっかりと気密に取り付けられる排出ポート16を有する。流路20は、内部リザーバ22から排出ポート16の遠位端開口24まで延伸する。凹部26が、排出ポート16の両側に沿って設けられ、排出ポート16のカテーテルの内腔への挿入を助け、ロックスリーブまたはクランプ(不図示)のためのクリアランスを提供することが示されている。ロックスリーブまたはクランプが、カテーテルとポートアセンブリ10との確実で気密な接続のために、カテーテルの内腔の壁を排出ポート16の外面に対して押圧するのに利用される。
【0010】
ここで図3から8を参照すると、内部リザーバ22を提供するポートアセンブリ10の内側が示されている。ハウジング12は、針を通さない材質のハウジングベース28を含み、底床32と側壁34とを有する井戸30を含み、隔壁14の下の内部リザーバ22を画定する。底床32は、必要であれば、凸状またはリザーバの中心に向かって隆起していてもよい。ハウジングベース28は、井戸30の底から外側に径方向に延伸するベースフランジ36を含み、ベースフランジ36は、静脈アクセスポートの配置と取り付けられたカテーテルの患者の中への配置に際し、患者に対する接合を可能にする役目を果たす開口38,40を含む。
【0011】
図3から5に示すように、スカート42がハウジングベース28にインサート成型されている。スカート42は、シリコンエラストマーであってもよい。スカート42は、ハウジングベース28の底壁44および側壁46の底部を包み込み、接合穴38,40に充填される。材料がシリコンエラストマーであるので、接合針がスカート42の材料を貫通して容易に挿入できるため、接合が可能である。その後、充填された開口は、患者の組織が開口の中に入り込む可能性を極小化する。
【0012】
また、図1から5に、ハウジングベース28に固定され、それにより、ポートアセンブリ10の中の位置で隔壁14を固定するキャップ48が示される。キャップ48は、図15から17により詳細に記載され、隔壁14は、図12から14により詳細に記載されている。スカート42は、キャップ48をハウジングベース28の上部に固定して隔壁をその位置に固定する前または後のどちらかに、ハウジングベース28にインサート成型される。
【0013】
図6から10には、ハウジングベース28と一体の排出ポート16が示されているが、代案として、排出ポートは、ハウジングベースにインサート成型された金属のような管部材(不図示)からなってもよい。排出ポート16は、カテーテルの近位端とポートアセンブリ10との機械的な接続を補助する一対の環状突起50を有する。ハウジングベース28は、井戸30の頂部の中に延伸する隔壁座52を含み、その中に隔壁のフランジが、好ましくは径方向内側に圧縮した状態で座する。図6および8から11に示すように、ハウジングベース28の側壁46の大部分の周りに、保持リブ54の周囲に弓形に延伸する第1保持部が設けられている。第1保持部は、以下に詳細に検討する。
【0014】
図12から14において、隔壁14は、丸みを帯びたドーム型頂面58と、環状の着座フランジ60と、プラグ部62とを有する。ドーム型頂面58は、一度静脈アクセスポートアセンブリ10およびそれに組み付けられたカテーテルが患者に挿入されたなら、簡単に感触よく見分けられる針の貫通の目標物として医療従事者にはよく知られている。着座フランジ60は、ハウジングベース28のフランジ座52に中に、好ましくは径方向内側に圧縮された状態で配置される。図3から5に最もよく示されるように、着座フランジ60をフランジ座52に対して押圧するキャップ48がハウジングベース28にスナップ止めされたとき、着座フランジ60の縦の圧縮も達成される。また、着座フランジ60は、着座フランジ60の上面および下面に配置され、隔壁の周囲を完全に囲んで延伸し、縦に配列された丸みを帯びた頂部64,66を有する。丸みを帯びた頂部64,66は、着座フランジ60の上面および下面の周囲を完全に取り囲む円周状に大きい圧縮を集中させ、キャップ48およびハウジングベース28とのシールを確実にし、リザーバ22をシールする。
【0015】
キャップ48は、図15から17に示される。キャップ48は、大きな丸みを帯び、好ましくは、少なくともドーム型隔壁58の中央と同じ高さまで延伸する形状の頂部58を含む。キャップ48は、底面72まで下向きおよび径方向外側に傾斜した環状側部70も含む。頂部68は、径方向内向きに延伸し、組み立てられたときにハウジングベース28の頂端74および隔壁14の着座フランジ60を覆う。キャップ48の内腔76は、隔壁14の着座フランジ60およびハウジングベース28の側壁46の上部の両方をその中に受け入れる形状および寸法である。図3から11を参照して上述したハウジングベース28の第1保持部または保持リブ54に対応し、相補的な第2保持部または保持溝78は、内腔76の側面の大部分の周囲に設けられている。保持溝78および保持リブ54は、キャップ48をハウジングベース28に確実に機械的に固定するスナップ止めを提供する。好ましくは、保持リブ54は、約0.010インチ(0.254mm)の半径を有してもよく、保持溝78は、約0.015インチ(0.381mm)の半径を有してもよい。保持溝78の下は、キャップ48の下部を保持リブ54に押圧することを助ける面取りされた面である。スナップ止めに加えて、好ましくは頂部74と隣接するキャップ48の腔76の部分に溶剤接着がなされ、保持リブ54と保持溝78とを含む予定される隣接面に接着する。
【0016】
好ましくは、ハウジングベース上部の保持リブ54は、互いに同じ隙間を空けて分かれ、それぞれ、ハウジングベース上部の周りに約90°の角度に円周状に延伸する、2つの分離された同一平面上にある部分からなり、キャップの保持溝78は、互いに同じ隙間を空けて分かれ、それぞれ、約120°の角度に円周状に延伸する、2つの分離された同一平面上にある部分からなる。ハウジングベース上部への保持リブの配置およびキャップの内面への保持溝の配置は、幾らかのキャップのたわみが必要なので、アセンブリの中でキャップのストレスを最小化する。しかし、選択的に、保持溝をキャップの内面に配置することができ、対応する保持溝をハウジングベース上部に配置することができる。組み立て工程の支援として、溝部の間のキャップ中程の底面に盲穴82が設けられている。これは、排出ポートに対して容易に整列でき、スナップ止めのために溝部がリブ部と角度を持って整列することを保証する。
【0017】
ここで、図18から21を参照すると、本発明の静脈アクセスポートアセンブリ100の第2実施形態が図示される。この実施形態では、キャップ102は、ハウジングベース104の底と同一平面上にある底端まで下向きに延伸する。隔壁106は、キャップ102およびハウジングベース104によって、アセンブリ100の中に固定され、ハウジングベース104は、排出ポート108を含む。保持リブ110は、キャップ102の内面から径方向内側に突出し、保持溝114は、ハウジングベース104の側壁116の外面に画定され、保持リブ110相補的である。図21に示されるように、保持リブ110は静脈アクセスポート100の完成したアセンブリにおいて、保持溝114の中にスナップ止めされる。この実施形態では、保持リブは、キャップに画定され、一方、保持溝は、ハウジングベースに画定されている。図1から17の静脈アクセスポートアセンブリ10と同様に、保持溝114は、保持リブ110の角度よりも大きな角度の2つの分離された部分として延伸する。この例では、保持リブ部分は、それぞれ80°の角度に延伸し、一方、保持溝部分はそれぞれ90°の角度に延伸する。ハウジングベース104は、アセンブリ上にリザーバ120を形成する井戸118、および、リザーバ120と排出ポート108の遠位端開口124との間を連絡する流路122を画定する。
【0018】
キャップのハウジングベースへの機械的保持の利点は、それらの接着に加え、キャップとハウジングベースとの固定が確実であることを含む。他の利点は、静脈アクセスポートアセンブリの製造におけるより高い効率と、結果としての経済性とである。隔壁フランジが組み立て時およびその後に圧縮状態にあるため、および、キャップのハウジングに対するさらなる固定とシールとが達成される。機械的固定は、隔壁フランジの適切な圧縮を維持すると同時にキャップをハウジングベースに対して適切に保持する。このため、接着材料が完全に硬化するまで、3つの部品を一緒に保持するために必要とされる他の工作設備の必要を排除する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の静脈アクセスポートの斜視図。
【図2】図1のポートの平面図。
【図3】図1の3−3線に沿って取った、図1のポートの断面図。
【図4】図1の4−4線に沿って取った、図1のポートの断面図。
【図5】図4の5−5線に沿って取った、ポートの排出ポートの拡大図。
【図6】図1の静脈アクセスポートの針を通さないハウジングベースの斜視図。
【図7】図6のハウジングベースの平面図。
【図8】図7の8−8線に沿って取った、図6のハウジングの断面図。
【図9】図7の9−9線に沿って取った、図6のハウジングの断面図。
【図10】図9の10−10線に沿って取った拡大図。
【図11】図9の11−11線に沿って取った拡大図。
【図12】図1の静脈アクセスポートの隔壁の側面図。
【図13】図1の静脈アクセスポートの隔壁の断面図。
【図14】図13の14−14線に沿って取った拡大図。
【図15】図1の静脈アクセスポートのキャップの平面図。
【図16】図15の16−16線に沿って取った断面図。
【図17】図15の17−17線に沿って取った断面図。
【図18】本発明の静脈アクセスポートアセンブリの第2実施形態のキャップの斜視図。
【図19】本発明の静脈アクセスポートアセンブリの第2実施形態のハウジングベースの斜視図。
【図20】本発明の静脈アクセスポートアセンブリの第2実施形態のキャップの断面図。
【図21】本発明の静脈アクセスポートアセンブリの第2実施形態のアセンブリの断面図。
【技術分野】
【0001】
本願は、医療機器の分野、より詳しくは、患者に液体を注入し、患者から液体を引き抜くためのカテーテルアセンブリおよびカテーテルアセンブリのためのポートに関する。
【背景技術】
【0002】
患者への輸液および/または液の引き抜きのための輸液ポートが公知であり、挿入されたカテーテルの近位端に固定される。これらのポートは、主として、液体の大きな流量が要求されない薬の注入または少量の血液を引き抜くために使用される。ポートは、カテーテルと流体連絡する排出ポートを有する針を通さないハウジングと、ポートハウジングの中のリザーバとのアセンブリであり、続けて新しいアクセス場所を探すことなく、患者の外皮組織を通して、隔壁を通して、そして、リザーバの中に突き刺す複数の針のためのアクセス場所を画定し、皮下で自己封止する隔壁を提供する。そのようなポートの例は、例えば、米国特許第4704103号、第4762517号、第4778452号、第5185003号、第5213574号および第5637102号に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
確実に封止された方法で確実に一体固定された静脈アクセスポートアセンブリを提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ハウジングおよび隔壁を有し、内部リザーバと、リザーバから排出ポートの管を通して延伸し、カテーテル内腔の近位端と液体連絡をなし、患者の中にアセンブリを配置する前にポートアセンブリが固定された流路とを提供する静脈アクセスポートである。ハウジングは、ベースおよびキャップを含み、ベースおよびキャップは、アセンブリの中に針を通す隔壁を固定するために協力し合い、隔壁の着座フランジをハウジングベースの座に押圧する。キャップは、機械式継手よってハウジングベースに機械的に固定される。機械式継手は、好ましくは、ハウジングベースおよびキャップの一方の保持リブであり、保持リブは、径方向に外側に延伸し、ハウジングベースおよびキャップの他方の内面に沿った保持溝に受け入れられてスナップ止めされ、ポートアセンブリの外周の殆どに延伸する。好ましくは、ハウジングベースとキャップとの隣接面の間に溶剤接着も提供される。
【0005】
第1の実施形態では、保持リブはハウジングベースの外面に画定され、保持溝はキャップの内面に画定される。第2の実施形態では、保持リブはキャップの内面に画定され、保持溝はハウジングベースの外面に画定される。
【0006】
本発明の方法では、静脈アクセスポートアセンブリのキャップは、保持部によって、静脈アクセスポートアセンブリのハウジングベースに固定される。保持部は、キャップをハウジングベースに機械的に固定し、キャップをハウジングベースに器具なしにさらに固定する溶剤の硬化の間、隔壁のフランジを押圧する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
添付の図面は、ここに組み入れられ、明細書の一部をなし、本発明の現在好ましい実施形態を示し、上述の一般的な説明および以下の詳細な説明とともに、本発明の特徴を説明する役目を果たす。
【0008】
ここでは、単なる簡便のために幾つかの用語を用いるが、本発明を限定するためのものではない。「遠位」および「近位」は、挿入可能なカテーテルアセンブリにおいて、相対的に、カテーテルの挿入端に近い方向および遠い方向を指す。用語は、具体的に言及する単語と、その派生語と、同義語とを含む。以下に説明する実施形態は、完全であること、或いは、開示したものから厳密に本発明を限定することを意図しない。これらの実施形態は、本発明の原則とその適用および実際的使用を最もよく説明するために選択されて記述され、当業者は本発明を他に利用することができる。
【0009】
図1から5の静脈アクセスポートアセンブリ10は、ハウジング12と隔壁14とを含み、ポートアセンブリ10の遠位端18から延伸し、カテーテル(不図示)の近位端にしっかりと気密に取り付けられる排出ポート16を有する。流路20は、内部リザーバ22から排出ポート16の遠位端開口24まで延伸する。凹部26が、排出ポート16の両側に沿って設けられ、排出ポート16のカテーテルの内腔への挿入を助け、ロックスリーブまたはクランプ(不図示)のためのクリアランスを提供することが示されている。ロックスリーブまたはクランプが、カテーテルとポートアセンブリ10との確実で気密な接続のために、カテーテルの内腔の壁を排出ポート16の外面に対して押圧するのに利用される。
【0010】
ここで図3から8を参照すると、内部リザーバ22を提供するポートアセンブリ10の内側が示されている。ハウジング12は、針を通さない材質のハウジングベース28を含み、底床32と側壁34とを有する井戸30を含み、隔壁14の下の内部リザーバ22を画定する。底床32は、必要であれば、凸状またはリザーバの中心に向かって隆起していてもよい。ハウジングベース28は、井戸30の底から外側に径方向に延伸するベースフランジ36を含み、ベースフランジ36は、静脈アクセスポートの配置と取り付けられたカテーテルの患者の中への配置に際し、患者に対する接合を可能にする役目を果たす開口38,40を含む。
【0011】
図3から5に示すように、スカート42がハウジングベース28にインサート成型されている。スカート42は、シリコンエラストマーであってもよい。スカート42は、ハウジングベース28の底壁44および側壁46の底部を包み込み、接合穴38,40に充填される。材料がシリコンエラストマーであるので、接合針がスカート42の材料を貫通して容易に挿入できるため、接合が可能である。その後、充填された開口は、患者の組織が開口の中に入り込む可能性を極小化する。
【0012】
また、図1から5に、ハウジングベース28に固定され、それにより、ポートアセンブリ10の中の位置で隔壁14を固定するキャップ48が示される。キャップ48は、図15から17により詳細に記載され、隔壁14は、図12から14により詳細に記載されている。スカート42は、キャップ48をハウジングベース28の上部に固定して隔壁をその位置に固定する前または後のどちらかに、ハウジングベース28にインサート成型される。
【0013】
図6から10には、ハウジングベース28と一体の排出ポート16が示されているが、代案として、排出ポートは、ハウジングベースにインサート成型された金属のような管部材(不図示)からなってもよい。排出ポート16は、カテーテルの近位端とポートアセンブリ10との機械的な接続を補助する一対の環状突起50を有する。ハウジングベース28は、井戸30の頂部の中に延伸する隔壁座52を含み、その中に隔壁のフランジが、好ましくは径方向内側に圧縮した状態で座する。図6および8から11に示すように、ハウジングベース28の側壁46の大部分の周りに、保持リブ54の周囲に弓形に延伸する第1保持部が設けられている。第1保持部は、以下に詳細に検討する。
【0014】
図12から14において、隔壁14は、丸みを帯びたドーム型頂面58と、環状の着座フランジ60と、プラグ部62とを有する。ドーム型頂面58は、一度静脈アクセスポートアセンブリ10およびそれに組み付けられたカテーテルが患者に挿入されたなら、簡単に感触よく見分けられる針の貫通の目標物として医療従事者にはよく知られている。着座フランジ60は、ハウジングベース28のフランジ座52に中に、好ましくは径方向内側に圧縮された状態で配置される。図3から5に最もよく示されるように、着座フランジ60をフランジ座52に対して押圧するキャップ48がハウジングベース28にスナップ止めされたとき、着座フランジ60の縦の圧縮も達成される。また、着座フランジ60は、着座フランジ60の上面および下面に配置され、隔壁の周囲を完全に囲んで延伸し、縦に配列された丸みを帯びた頂部64,66を有する。丸みを帯びた頂部64,66は、着座フランジ60の上面および下面の周囲を完全に取り囲む円周状に大きい圧縮を集中させ、キャップ48およびハウジングベース28とのシールを確実にし、リザーバ22をシールする。
【0015】
キャップ48は、図15から17に示される。キャップ48は、大きな丸みを帯び、好ましくは、少なくともドーム型隔壁58の中央と同じ高さまで延伸する形状の頂部58を含む。キャップ48は、底面72まで下向きおよび径方向外側に傾斜した環状側部70も含む。頂部68は、径方向内向きに延伸し、組み立てられたときにハウジングベース28の頂端74および隔壁14の着座フランジ60を覆う。キャップ48の内腔76は、隔壁14の着座フランジ60およびハウジングベース28の側壁46の上部の両方をその中に受け入れる形状および寸法である。図3から11を参照して上述したハウジングベース28の第1保持部または保持リブ54に対応し、相補的な第2保持部または保持溝78は、内腔76の側面の大部分の周囲に設けられている。保持溝78および保持リブ54は、キャップ48をハウジングベース28に確実に機械的に固定するスナップ止めを提供する。好ましくは、保持リブ54は、約0.010インチ(0.254mm)の半径を有してもよく、保持溝78は、約0.015インチ(0.381mm)の半径を有してもよい。保持溝78の下は、キャップ48の下部を保持リブ54に押圧することを助ける面取りされた面である。スナップ止めに加えて、好ましくは頂部74と隣接するキャップ48の腔76の部分に溶剤接着がなされ、保持リブ54と保持溝78とを含む予定される隣接面に接着する。
【0016】
好ましくは、ハウジングベース上部の保持リブ54は、互いに同じ隙間を空けて分かれ、それぞれ、ハウジングベース上部の周りに約90°の角度に円周状に延伸する、2つの分離された同一平面上にある部分からなり、キャップの保持溝78は、互いに同じ隙間を空けて分かれ、それぞれ、約120°の角度に円周状に延伸する、2つの分離された同一平面上にある部分からなる。ハウジングベース上部への保持リブの配置およびキャップの内面への保持溝の配置は、幾らかのキャップのたわみが必要なので、アセンブリの中でキャップのストレスを最小化する。しかし、選択的に、保持溝をキャップの内面に配置することができ、対応する保持溝をハウジングベース上部に配置することができる。組み立て工程の支援として、溝部の間のキャップ中程の底面に盲穴82が設けられている。これは、排出ポートに対して容易に整列でき、スナップ止めのために溝部がリブ部と角度を持って整列することを保証する。
【0017】
ここで、図18から21を参照すると、本発明の静脈アクセスポートアセンブリ100の第2実施形態が図示される。この実施形態では、キャップ102は、ハウジングベース104の底と同一平面上にある底端まで下向きに延伸する。隔壁106は、キャップ102およびハウジングベース104によって、アセンブリ100の中に固定され、ハウジングベース104は、排出ポート108を含む。保持リブ110は、キャップ102の内面から径方向内側に突出し、保持溝114は、ハウジングベース104の側壁116の外面に画定され、保持リブ110相補的である。図21に示されるように、保持リブ110は静脈アクセスポート100の完成したアセンブリにおいて、保持溝114の中にスナップ止めされる。この実施形態では、保持リブは、キャップに画定され、一方、保持溝は、ハウジングベースに画定されている。図1から17の静脈アクセスポートアセンブリ10と同様に、保持溝114は、保持リブ110の角度よりも大きな角度の2つの分離された部分として延伸する。この例では、保持リブ部分は、それぞれ80°の角度に延伸し、一方、保持溝部分はそれぞれ90°の角度に延伸する。ハウジングベース104は、アセンブリ上にリザーバ120を形成する井戸118、および、リザーバ120と排出ポート108の遠位端開口124との間を連絡する流路122を画定する。
【0018】
キャップのハウジングベースへの機械的保持の利点は、それらの接着に加え、キャップとハウジングベースとの固定が確実であることを含む。他の利点は、静脈アクセスポートアセンブリの製造におけるより高い効率と、結果としての経済性とである。隔壁フランジが組み立て時およびその後に圧縮状態にあるため、および、キャップのハウジングに対するさらなる固定とシールとが達成される。機械的固定は、隔壁フランジの適切な圧縮を維持すると同時にキャップをハウジングベースに対して適切に保持する。このため、接着材料が完全に硬化するまで、3つの部品を一緒に保持するために必要とされる他の工作設備の必要を排除する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の静脈アクセスポートの斜視図。
【図2】図1のポートの平面図。
【図3】図1の3−3線に沿って取った、図1のポートの断面図。
【図4】図1の4−4線に沿って取った、図1のポートの断面図。
【図5】図4の5−5線に沿って取った、ポートの排出ポートの拡大図。
【図6】図1の静脈アクセスポートの針を通さないハウジングベースの斜視図。
【図7】図6のハウジングベースの平面図。
【図8】図7の8−8線に沿って取った、図6のハウジングの断面図。
【図9】図7の9−9線に沿って取った、図6のハウジングの断面図。
【図10】図9の10−10線に沿って取った拡大図。
【図11】図9の11−11線に沿って取った拡大図。
【図12】図1の静脈アクセスポートの隔壁の側面図。
【図13】図1の静脈アクセスポートの隔壁の断面図。
【図14】図13の14−14線に沿って取った拡大図。
【図15】図1の静脈アクセスポートのキャップの平面図。
【図16】図15の16−16線に沿って取った断面図。
【図17】図15の17−17線に沿って取った断面図。
【図18】本発明の静脈アクセスポートアセンブリの第2実施形態のキャップの斜視図。
【図19】本発明の静脈アクセスポートアセンブリの第2実施形態のハウジングベースの斜視図。
【図20】本発明の静脈アクセスポートアセンブリの第2実施形態のキャップの断面図。
【図21】本発明の静脈アクセスポートアセンブリの第2実施形態のアセンブリの断面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出ポートを備えるハウジング、針を通す隔壁、および、前記ハウジングに固定可能であり、アセンブリ内に前記隔壁をしっかりと保持するキャップを含み、
前記ハウジングのハウジングベースの上部は、その中に前記隔壁の着座フランジが座する隔壁座を含み、
前記ハウジングベースの上部は、該上部の大半に円周状に延伸する第1保持部を含み、
前記キャップは、前記ハウジングベースの上部に係合して隣接する内向きの面を有する内腔を含み、前記第1保持部と係合し、それらと相補的な第2保持部が前記内向きの面の大半に円周状に画定され、
前記キャップの前記ハウジングベースへの組み付けにおいて、前記第1保持部および前記第2保持部が互いにスナップ止めし合って、前記キャップの前記ハウジングベースへの機械的接続を確実にし、それによって、前記隔壁を前記ハウジングに固定する静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項2】
前記キャップを前記ハウジングベースとの隣接面は、アセンブリ上で互いに溶剤接着されている請求項1の静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項3】
前記第1保持部および前記第2保持部は、保持リブおよび相補的な保持溝である請求項1の静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項4】
前記保持リブは、前記ハウジングベースの外面に画定され、前記保持溝は、前記キャップの前記内腔の前記内向きの面に画定されている請求項3の静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項5】
前記保持リブは、前記ハウジングベースの外面に画定され、前記保持溝は、前記キャップの前記内腔の前記内向きの面に画定されている請求項3の静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項6】
前記保持リブは、互いに隙間を空けて分けられ、それぞれ約60°から約100°の間の角度に円周状に延伸する2つの分離された同一平面上にある部分からなり、前記保持溝は、互いに隙間を空けて分けられ、それぞれ約70°から約130°の間の角度に円周状に延伸し、前記延伸する角度が相補的な前記保持リブの部分よりも大きい2つの分離された同一平面上にある部分からなる請求項3の静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項7】
前記保持リブは、互いに隙間を空けて分けられ、それぞれ約80°から約90°の間の角度に円周状に延伸する2つの分離された同一平面上にある部分からなり、前記保持溝は、互いに隙間を空けて分けられ、それぞれ約90°から約120°の間の角度に円周状に延伸し、前記延伸する角度が相補的な前記保持リブの部分よりも大きい2つの分離された同一平面上にある部分からなる請求項6の静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項8】
井戸を有し、さらに、排出ポートおよび前記井戸から前記排出ポートを通して延伸する流路を有するハウジングベースと、針を通す隔壁と、前記ハウジングベースに固定して、前記隔壁を前記ハウジングベースにしっかりと保持可能なキャップとを準備する工程と、
前記キャップを前記ハウジングベースに機械的にロック可能に固定する工程とを含む、静脈アクセスポートアセンブリの組立方法。
【請求項9】
前記キャップを前記ハウジングに接着する工程をさらに含む請求項8の方法。
【請求項10】
前記キャップを前記ハウジングの接着する工程は、前記キャップが隔壁フランジを前記ハウジングベースの対向面に対して押圧しているときに行う請求項8の方法。
【請求項1】
排出ポートを備えるハウジング、針を通す隔壁、および、前記ハウジングに固定可能であり、アセンブリ内に前記隔壁をしっかりと保持するキャップを含み、
前記ハウジングのハウジングベースの上部は、その中に前記隔壁の着座フランジが座する隔壁座を含み、
前記ハウジングベースの上部は、該上部の大半に円周状に延伸する第1保持部を含み、
前記キャップは、前記ハウジングベースの上部に係合して隣接する内向きの面を有する内腔を含み、前記第1保持部と係合し、それらと相補的な第2保持部が前記内向きの面の大半に円周状に画定され、
前記キャップの前記ハウジングベースへの組み付けにおいて、前記第1保持部および前記第2保持部が互いにスナップ止めし合って、前記キャップの前記ハウジングベースへの機械的接続を確実にし、それによって、前記隔壁を前記ハウジングに固定する静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項2】
前記キャップを前記ハウジングベースとの隣接面は、アセンブリ上で互いに溶剤接着されている請求項1の静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項3】
前記第1保持部および前記第2保持部は、保持リブおよび相補的な保持溝である請求項1の静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項4】
前記保持リブは、前記ハウジングベースの外面に画定され、前記保持溝は、前記キャップの前記内腔の前記内向きの面に画定されている請求項3の静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項5】
前記保持リブは、前記ハウジングベースの外面に画定され、前記保持溝は、前記キャップの前記内腔の前記内向きの面に画定されている請求項3の静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項6】
前記保持リブは、互いに隙間を空けて分けられ、それぞれ約60°から約100°の間の角度に円周状に延伸する2つの分離された同一平面上にある部分からなり、前記保持溝は、互いに隙間を空けて分けられ、それぞれ約70°から約130°の間の角度に円周状に延伸し、前記延伸する角度が相補的な前記保持リブの部分よりも大きい2つの分離された同一平面上にある部分からなる請求項3の静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項7】
前記保持リブは、互いに隙間を空けて分けられ、それぞれ約80°から約90°の間の角度に円周状に延伸する2つの分離された同一平面上にある部分からなり、前記保持溝は、互いに隙間を空けて分けられ、それぞれ約90°から約120°の間の角度に円周状に延伸し、前記延伸する角度が相補的な前記保持リブの部分よりも大きい2つの分離された同一平面上にある部分からなる請求項6の静脈アクセスポートアセンブリ。
【請求項8】
井戸を有し、さらに、排出ポートおよび前記井戸から前記排出ポートを通して延伸する流路を有するハウジングベースと、針を通す隔壁と、前記ハウジングベースに固定して、前記隔壁を前記ハウジングベースにしっかりと保持可能なキャップとを準備する工程と、
前記キャップを前記ハウジングベースに機械的にロック可能に固定する工程とを含む、静脈アクセスポートアセンブリの組立方法。
【請求項9】
前記キャップを前記ハウジングに接着する工程をさらに含む請求項8の方法。
【請求項10】
前記キャップを前記ハウジングの接着する工程は、前記キャップが隔壁フランジを前記ハウジングベースの対向面に対して押圧しているときに行う請求項8の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2009−537220(P2009−537220A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510974(P2009−510974)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/011015
【国際公開番号】WO2007/136538
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(500053263)メデイカル コンポーネンツ,インコーポレーテツド (36)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/011015
【国際公開番号】WO2007/136538
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(500053263)メデイカル コンポーネンツ,インコーポレーテツド (36)
【Fターム(参考)】
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