静電アプリケータ用キャニスター
塗料アプリケータシステム用のキャニスターは、キャニスター内の塗料含有領域を、障壁を移動して塗料を吐出するためのフォースアプリケータを含有する領域から分離するフレキシブルな障壁を有する。各領域の容積は、障壁の移動により変化しながら、障壁の全移動範囲を通して、領域を形成する表面はその領域内に留まる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には塗料アプリケータ(塗布器)に関し、より特別には、本発明は、迅速かつ連続して、多様な異なる塗料の塗装用に適合された静電アプリケータに関する。
【背景技術】
【0002】
自動スプレーアプリケータは、製造中に対象物上に種々のタイプの塗料を塗装するために広い範囲で使用されている。例えば、自動車本体の部品は、一般的には、スプレーアプリケータ付きロボット装置を使用して塗装される。ロボットは、一連の操作を、自動車本体のそれぞれの部分が、塗料の無駄を最小にしつつ、迅速な手順において、十分に、かつ精度よく塗装されるようにプログラムされている。
【0003】
噴霧アプリケータは、過剰スプレー量と、無駄を更に削減するために使用されてきた。既知の噴霧アプリケータにおいては、ベルカップが高速で回転し、ペイントのような塗装材料がベルカップの内部に供給される。ペイントまたは他の塗料が、遠心力の結果として、ベルカップ表面から外側へ向かって離れるように移動するに従って、塗料は噴霧化されて噴霧になり、塗装対象に向けて導かれる。空気の流れを、カップの外側に沿って導き、噴霧化塗料を、塗装されている対象物に向けて限定して導くことが知られている。また、噴霧化霧を電圧で帯電させ、塗装されている対象物をアースして、それにより塗装材料が、対象物に引き付けられ、更に、過剰スプレーを削減して、不規則な形状の目標対象物上の被覆を改善することが知られている。
【0004】
今日の、自動車の車体などの製造手順においては、ランダム(無作為的)な色のシーケンス(順序)で部品を、製造ラインに沿って進めることが知られている。このように、各塗装対象物に対して、ペイントの色または塗料の種類を、前回の対象物に使用されたものから変更することが必要となってくる。30またはそれ以上の異なる色を自動車を購入する消費者が選択でき、そのため、製造工程のいかなる時点においても、ロボットの前に置かれる対象物を塗料するためにすべての色が必要となる。1つの塗料から別塗料へ変更するために必要な時間を短く維持し、それによりペイント塗装ロボットの性能が、アセンブリライン上での製造スピードにおける重大な制限要素にならないようにすることが望ましい。有利なシステムにおいては、塗料を変更するために必要な時間は、完成した対象物がロボットの前から移動して、次の目標対象物を塗布のために定位置に移動するために必要な時間よりも短くなくてはならない。
【0005】
異なる色のペイントのような、異なるタイプの塗料を含む交換可能な一連の容器を有するアプリケータを使用することが提案されてきた。塗装の間に、アプリケータは空になった容器を破棄し、次の対象物に対して適切な塗料を充填した容器を受け取る。流体チューブが容器から延伸しており、アプリケータを通してベルカップの近くに挿入され、続く噴霧化のために、ベルカップの内部へ塗料を供給する。しかし、キャニスター(容器)にチューブを挿入し、除去するのは面倒であり、チューブを受け入れるために十分な大きさのチャネル(流路)においては、チューブの位置決めはある程度ランダムになる。従って、塗料の噴霧化ベルへの供給は、ある程度ランダムであり、不安定である。また、特別な塗料がそれほどよく使用されないときは、その塗料を含むキャニスターは使用されずに長期間そのままの状態で置かれることになり、前回使用後にチューブ内に残った少量の塗料が固化し、チューブを塞ぐこともあり得る。
【0006】
別の提案されたシステムにおいては、容器は、列状態にして保持される。各容器は、異なるタイプの塗料で充填され、供給ラインを通してアプリケータと流体連通するように選択的に設置される。
【0007】
キャニスターに対して提案された構造では、塗料が投与されるとき、またはキャニスターが塗料で再充填されるときに問題が起こる可能性がある。ある提案された構造では、キャニスターは、キャニスター内をスライドする略剛性の壁を有し、塗料が投与されるときに容積を減少し、塗料がキャニスターに追加されるときに容積を増加する。スライド式壁と、キャニスターの固定表面との間の境界における流体防止の密封性を維持することが困難な場合もある。更に、壁表面の部分は、キャニスター内で壁がスライドするときに、塗料を含む容積の部分と、塗料を含まない容積の部分を交互に形成することになる。キャニスター内の塗料を空にするときに、塗料の薄膜が壁上に残る。キャニスターが異なるタイプの塗料で充填されると、残っている膜が新しい塗料と混じり、汚染することになる。壁が、キャニスターに送り込まれた誘電体投与流体により移動されると、壁上の塗料膜は投与流体と混じって汚染し、塗料が伝導性である場合は、時間経過とともに、投与流体の特性を変化させる。
【0008】
ブラダ(空気袋)または挿入物を有する種々の他の構造も使用され、または提案されているが、その成果の程度はまちまちである。必要なものは、噴霧化アプリケータ用のキャニスターであり、それは、迅速に脱着可能で、塗装手順の間に迅速に充填され、信頼性を伴って空にできることである。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、仕切りが塗料を含む領域を、仕切りを移動して塗料を投与するフォースアプリケータを含む領域から分離する、多様なキャニスター構成を提供する。各領域の容積は、仕切りが移動するときに変化するが、その領域を画定する表面は、それが画定する1つの領域のみに留まる。
【0010】
本発明の1つの形態において、本発明は、スプレーアプリケータにより塗装される塗料を収容するキャニスターを提供する。キャニスターは、外部固定容積殻と;フレキシブルな障壁であって、前記障壁の一方の側にある可変な第1の容積と、前記障壁の対向する側にある可変な第2の容積との間に、共通の分離部分を画定する、前記殻内のフレキシブルな障壁と;を有する。障壁は、前記殻と関係して、前記殻の面と前記障壁の面は、前記容積の寸法が変化する際でさえも、前記容積の内の一方だけに暴露される。アクチュエータは、前記障壁を動かして前記第1と第2の容積の寸法を変化させており、塗装材料経路は、前記容積の一方内へと流入し且つそこから外へと流入する。
【0011】
本発明の別の形態においては、本発明は、スプレーアプリケータにより塗布される塗料を収容するキャニスターであって、殻容積を有する外殻と、前記殻容積を、可変な塗装材料容積と、可変なアクチュエータ容積に分離する、可動な障壁とを有するキャニスターを提供する。アクチュエータは、前記障壁を移動させて、前記塗装材料容積と前記アクチュエータ容積の寸法を変化させる。前記塗料材料容積と前記アクチュエータ容積の内の一方は、前記障壁の全移動範囲を通して、前記容積の全表面を同じ容積内に保持しながら、前記塗料材料容積と前記アクチュエータ容積の内の他方内へ膨張可能である。
【0012】
本発明の別の形態において、本発明は、スプレーアプリケータにより塗布される塗料を収容するキャニスターを提供する。キャニスターは、殻容積を有する外殻と、前記殻容積を、可変な塗装材料容積と、可変な投与流体容積に分離する、可動な障壁とを有する。前記塗料材料容積と前記投与流体容積の内の一方は、前記容積の内の一方の表面を、前記容積の他方の表面に変換しないで、前記塗料材料容積と前記投与流体容積の内の他方内へ拡大可能である。投与流体経路は、前記投与流体容積内へと流入し且つそこから外へ流出し、塗装材料経路は、前記塗装材料容積内へ流入し且つそこから外へ流出する。前記経路は、前記殻の同じ端部に入り口と出口を有する。
【0013】
本発明の優位点は、その中に、塗装される塗料を受け取るためのブラダを有するキャニスターを提供することであり、ブラダは、投与流体がキャニスターに注ぎ込まれてブラダを圧縮し、塗料をブラダから排出するときに、ブラダの周囲に投与流体を均等に分布するように構成され、適合されている。
【0014】
本発明の別の優位点は、電気的伝導性塗料を含み、電気的に塗料を隔離するキャニスターを提供することである。
【0015】
本発明の更なる優位点は、塗料を含む隔離空間を形成することなく、ブラダを均等にかつ安定的に充填し、空にするブラダを有する塗装材料キャニスターを提供することである。
【0016】
本発明の更なる優位点は、アプリケータから容易にかつ効果的に脱着できる塗装材料キャニスターを提供することである。
【0017】
本発明の更なる優位点は、キャニスターと、それぞれが密封して、露出塗料を除去し、乾燥した塗料により形成される、つまりの原因となる障害物の可能性を減少させるアプリケータ弁装置と、を提供することである。
【0018】
本発明の他の特徴と優位点は、類似する特徴を示すために類似の数字を使用した下記の詳細な記述と図により、当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、下記の記述に記載され、または図に例示される構成要素の構成および配置の詳細に制限されないということを理解されたい。本発明は、他の実施の形態においても可能であり、種々の方法で実践または実行できる。また、ここで使用される語法および用語は、記述の目的のためであって、制限的に理解されるべきではない。ここで使用する「含む」、「備える」、およびその変形例は、その後に一覧表示される事項と、その等価物を、追加的事項とその等価物と共に包括するという意味である。
【0020】
ここで、より具体的に図を参照、特に図1を参照すると、回転式噴霧化塗料アプリケータ(塗布器)アセンブリ10が示されている。アプリケータアセンブリ10は、本発明によるキャニスター(容器)12を含み、キャニスター12は、それと共に使用されるように適合されたアプリケータ14に操作可能に接続されている。当業者は、アプリケータ10が、製造工程において、一連の対象物を適切かつ安定的に塗装するための一連の制御された操作を行うためのロボット(図示せず)に搭載され、操作されることを容易に理解するであろう。例えば、そのようなアプリケータは、自動車の本体部分を塗装するために使用される。しかし、このタイプのアプリケータはまた、ペイントまたは他の塗料により、多様な異なる対象物を塗装するためにも使用できる。本発明は、異なる様式およびタイプのアプリケータに対しても良好に機能し、ここで示され、記載されるアプリケータアセンブリ10の明確な構成は、キャニスター12を使用することができる適切な装置の一例にすぎないことも更に理解されたい。
【0021】
アプリケータ14は、本体16とコネクタアーム18を含む。キャニスタードッキング(接続)備品20は、本体16の一端部に設けられ、回転式噴霧化ヘッド22は、ドッキング備品20とは反対の、本体16の端部に設けられている。
【0022】
ここで図2の断面図を参照すると、アプリケータ14の内部構造が更に詳細に記載されている。コネクタアーム18は、ロボットアダプタ24を含み、それにより、アプリケータアセンブリ10がロボット(図示せず)に接続される構造が提供される。ロボットアダプタ24は、アプリケータアセンブリ10を物理的にロボットに接続し、ロボットおよびペインティングステーションの、種々の気圧、電気、および流体供給システムに接続している。コネクタアーム18内では、高電圧カスケード(列)26が提供され、それにより、当業者にはよく知られている方法で、噴霧化塗料粒子を帯電する。
【0023】
噴霧化ヘッド22は、本体16の前端部を覆うシュラウド(覆い)28と、本体16内に設けられた空気タービン30を含む。回転式噴霧化ベルカップ32は、空気タービン30に、それにより回転するために、操作可能に接続され、その結果、当業者にはよく知られている方法により、そこに供給された塗装材料が噴霧化される。空気タービン30は、ロボットアダプタ24内の空気コネクタと連通している加圧空気ライン34を介して加圧空気の供給を受け、ロボットおよびペインティングステーション(図示せず)から加圧空気を供給される。追加的な加圧空気ライン(図示せず)が、シュラウド28内の種々の出口に供給され、噴霧化ベルカップ32からの噴霧化塗装材料のパターンを制御および改良するための整形空気を供給する。
【0024】
ここまで記載してきたように、本体16における構成要素およびコネクタアーム18は、当業者にはよく知られているので、ここではこれ以上詳細には記述しない。
【0025】
ロボットアダプタ24は更に投与流体コネクタ40を含み、それにより、アプリケータアセンブリ10を、好ましくは酢酸ブチルまたは他の非伝導流体のような、誘電体投与流体である投与流体源と連通するように接続できる。コネクタアーム18における投与流体ライン42は、コネクタ40および本体16内の投与流体ライン44と流体連通している。投与流体遮断弁アセンブリ46が、キャニスタードッキング備品20において、キャニスター12の本体16との界面に設けられる。投与流体遮断弁アセンブリ46は、本体16内の遮断弁48と、キャニスター12内の遮断弁50を含む。
【0026】
本体16は更に、キャニスタードッキング備品20から噴霧化ヘッド22に延伸する塗装材料供給チューブ52を含み、それにより、塗装材料が、キャニスター12から噴霧化ベルカップ32に供給される。塗装材料遮断弁アセンブリ54は、キャニスター12と本体16との界面において、一般的には、キャニスタードッキング備品20内にある供給チューブ52の端部に設けられる。塗装材料遮断弁アセンブリ54は、本体16内の遮断弁56と、キャニスター12内の隣接遮断弁58を含む。
【0027】
投与流体遮断弁アセンブリ46と塗装材料遮断弁アセンブリ54は、協働して作動する遮断弁48、50および56、58をそれぞれ提供し、それにより、キャニスターは、本体16から切離されて、その間を流れる投与流体または塗装材料に無駄はない。弁アセンブリ46と54はまた、油圧システムにおいては知られている、「クイックコネクト」アセンブリとも称され、それは、切離されたときに閉じ、接続時には相互に開き、そこを通しての流体の流れを可能にする隣接構成要素を含む。このように、キャニスターがアプリケータ14に接続されると、投与流体遮断弁アセンブリ46内の遮断弁48と50は相互に動作可能になり、直接隣接し、そこを通しての投与流体の流れを提供する。遮断弁56と58は、相互に動作可能であり、塗装材料遮断弁アセンブリ54内で直接隣接して、そこを通しての塗装材料の流れを提供する。キャニスター12をアプリケータ14から切離すと、各弁48、50、56、および58は閉じて、そこを通しての、投与流体または塗装材料の流れを遮断する。
【0028】
ここで特に図4の拡大断面図を参照すると、キャニスター12がより詳細に記載されている。キャニスター12は、第1端部72および対向する第2端部74を有する、略剛性の外殻70を含む。第1端部72は、アプリケータドッキング構造を画定し、それにより、キャニスター12は、ドッキング備品20において本体16に接続される。第1端部72内で画定され、Oリング78により、本体16に対して密封された真空チャンバ76が真空にされる。キャニスター12が本体16に対して設置された後に真空チャンバ76は真空にされ、キャニスター12が本体16に接続されている限り真空が維持される。ドッキングリング、クランプ、およびピンもまた、キャニスター12を本体16に固定するために適切であり、電子アプリケーションシステムにおいては、大気圧における環境よりも、低電圧においてはより広い距離で起きる可能性がある真空環境でのアーク放電を回避するために好適である。
【0029】
第1端部72は更に、投与加流体遮断弁アセンブリ46の遮断弁50と、塗装材料遮断弁アセンブリ54の塗装材料遮断弁58を含む。
【0030】
第2端部74は、塗装材料入口弁アセンブリ80を含む、再充填ステーションドッキング構造を画定する。キャニスター12は、塗装材料をキャニスター12に供給する目的のために、再充填ステーションドッキング構造(図示せず)に接続可能である。
【0031】
第1および第2端部72、74をそれぞれ有する殻70は、キャニスター12の固定容積内部を画定する。ブラダ82がその中に配置され、ブラダ82は、ブラダ内部容積84を画定する。内部容積84は、ブラダ82への、またはそこからの塗装材料の追加または除去の際に可変である。このように、ブラダ82と殻70の間においては、可変アクチュエータまたは投与流体容積86が画定され、それは、投与流体遮断弁50からの投与流体経路88と連通している。
【0032】
ブラダ82は、第1および第2端部72と74の間を延伸して、第1端部72における出口フランジ90と、第2端部74における入口フランジ92によりそこに固定されている。出口フランジ90と入口フランジ92は、それぞれ第1および第2端部72と74を通して、ブラダ82の内部容積84への出口と入口をそれぞれ画定する。フランジ90と92は、ブラダ82の開口部に封止され、それにより、ブラダ82内の内部容積を、ブラダ82外部の投与流体容積86から隔離している。このように、ブラダ82内の塗装材料は、ブラダ82から出口フランジ90を通って流れ、ブラダ82に供給された塗装材料は、入口フランジ92を通って内部容積84に流れ、投与流体容積86内で投与流体から隔離される。
【0033】
ブラダ82は、そこから供給される塗装材料に依存して、弾性材料、非弾性材料、および半弾性材料を含む種々の材料から構築できる。適切な材料を選択するときは、疲労亀裂などの原因となり得る、ブラダの膨張収縮特性、萎み形成などと共に、供給される塗装材料の構成要素と、塗装材料の溶媒と、投与流体との互換性を考慮する。EPDMは、水性ペイントまたは他の、低溶媒濃度を有する塗装材料との使用に適切な材料である。
【0034】
サイフォンチューブ94は、ブラダ82内に設けられる。サイフォンチューブ94は、第1端部72および第2端部74から、その間を延伸し、入口フランジ92と出口フランジ90と連通している。このように、サイフォンチューブ94は、塗装材料がブラダ82に供給される再充填構造(図示せず)において、塗装材料供給源と流体連通するように設置できる。サイフォンチューブ94はまた、キャニスター12が本体16とドッキングするときに、塗装材料遮断弁アセンブリ54を介して、本体16の塗装材料供給チューブ52と流体連通するように設置できる。サイフォンチューブ94は略剛性であり、出口フランジ90および入口フランジ92において、ブラダ82の固定位置を画定する。このように、ブラダ82が膨張または収縮するときは、そのいかなる動きも主に半径方向であり、縦方向の動きは、あるとしてもごくわずかである。このようにブラダ82の膨張と収縮を制御すると、ブラダ82が膨張または収縮するときに、窪みまたは縊れが形成される可能性を削減できる。
【0035】
サイフォンチューブ94は、出口フランジ90と入口フランジ92の間に、その長さに沿う少なくとも1つの、好ましくはいくつかの開口96を含む。開口96は、サイフォンチューブ94の内部と、ブラダ82の内部容積84との間の流体連通を提供する。このように、入口フランジ92を通ってサイフォンチューブ94に供給される塗装材料は、開口96を通って内部容積84に流れる。更に、ブラダ82の内部容積84から流れる塗装材料は、開口96を通ってサイフォンチューブ94に入り込み、その後、塗装材料遮断弁アセンブリ54を通って、塗装材料供給チューブ52と噴霧化ベルカップ32に流れることができる。
【0036】
塗装材料をブラダ82から排出するために、投与流体が投与流体容積86内に注ぎ込まれる。投与流体が投与流体容積86に加えられるにつれてブラダ82が圧縮され、塗装材料を、前述したように、サイフォンチューブ94を通して排出する。投与流体は誘電流体であると有利である。
【0037】
ブラダ82周囲の投与流体の均一な流れを助長するために、その外部表面は、投与流体容積86を通る投与流体の均一な流れを促進するためのチャネル98を画定する。チャネル98は、ブラダ82の表面における窪みとして形成、またはブラダ82の外部表面上の隆起部間に画定することができる。チャネルは、ブラダ82の表面上で、縦方向に向けることも、角度を伴って向けることも、他に位置していてもよい。ブラダ82の周りおよびそれに沿う投与流体の均一な流れを促進することは、ブラダ82に沿って、およびその周りに均一な圧力を提供し、更に、窪みおよび縊れの形成を削除することも支援する。しかし、ブラダ82を更に、異なる形状に構築して、その周りの投与流体の均一かつ安定した流れを促進することもできる。
【0038】
図5は、縦方向のローブ(耳たぶ状部材)102、104、および106を含むような形状に形成されたブラダ100を示している。各ローブ102、104、および106は、実質的には、殻70に隣接して常設的に固定され、接着剤などにより、そこに物理的に取り付けることもできる。または、ブラダ100は、ブラダ100が空のときに、図5に示す形状を維持できるように十分な剛性を伴って形成することができる。サイフォンチューブ94は、ブラダ100の中心を通って延伸し、前述したように機能する。可動ブラダ壁108、110、および112は、それぞれ、ローブ102とローブ104の間、ローブ104とローブ106の間、およびローブ106とローブ102の間に設けられる。ブラダ壁108、110、および112は柔軟性(又は可撓性)が(フレキシブルで)あり、ブラダ100が略空のときの、図5に示される萎んだ位置と、ブラダ100が略満杯のときの膨張した位置(図示せず)の間で移動可能である。膨張した位置においては、ブラダ壁108、110、および112は、サイフォンチューブ94から遠ざかるように移動し、殻70の略近くに隣接する。このように、投与流体が投与流体容積86に供給されるにつれて、可動ブラダ壁108、110、および112は萎み、投与流体容積86内の投与流体の均一な流れと分布を促進する。空のときに、略平坦なブラダにおける2つのローブを含めて、例示された3つのローブより多い、または少ないローブを使用できるということは理解されたい。
【0039】
図6は、本発明の更に別の実施の形態を示している。更に修正されたブラダ120が示されており、第1端部122と第2端部124を有している。第1端部122は、投与流体経路88からの投与流体の流入部に最も近く、ブラダ120の第2端部124よりも径が小さい。このように、投与流体の入口から遠ざかるように延伸する先細り領域により、投与流体は、ブラダ120が圧縮されてサイフォンチューブ94を通して塗装材料を排出するときに、ブラダ120の周りを、均一かつ滑らかに流れる。
【0040】
図7は、外部体202と、その中に収縮可能ブラダ204を有する更に別のキャニスターアセンブリ200を示している。キャニスターアセンブリ200は、接続端部206を伴って構成され、この接続端部206を通って、塗装材料がブラダ204に充填され、そこからブラダ204内の塗装材料がアプリケータに供給される。従って、接続端部206は、ブラダ204への塗料の流入と、ブラダ204からの塗料の供給を行うための適切な弁構造210を有する、塗装材料導管208を含む。投与流体ライン212は、ブラダ204と、外部体202の内部壁表面との間の空間と連通している。
【0041】
ブラダ204は、一般的には球根状の形状であり、球形であってもよい。概略的に扁球体のブラダ204が図9および図10に示されている。図10において最も明確に分かるように、略剛性材料の弁ステムアセンブリ214が、略フレキシブルな(柔軟性の)ブラダ本体218の受け入れ端部216に取り付けられている。ブラダ本体218は、多様な異なる成形または形成技術において形成でき、単一体としてでも、または、溶接または他の締結技術により、外周シーム220に沿って接合される2つの分離したブラダ本体部分から形成されてもよい。
【0042】
ブラダ本体218は、略フレキシブル(柔軟性)であり、萎むことが可能であり、より剛性度の高いまたは低いパターンにより構成されて、その内部から塗料の排出の間、ブラダ本体218が効率よく萎むのを促進することができる。図8は、ブラダ本体222が、ブラダがより曲がりにくい傾向を有する、より厚い領域224と、直径方向の断面から見たきに、ブラダ本体222が、星状のパターンに萎むように、より曲がり易い傾向を有する、より薄い領域を交互に有する構造を示している。図8は、点線228として萎むパターンを示している。
【0043】
本発明ある適用および使用法においては、種々のブラダ本体の部分を、ブラダ本体において、好適な萎むパターンが促進されるように、それらを含む殻の内部表面に取り付けると有利である。更に、内部サイフォンチューブを有しないブラダを使用することができ、またはサイフォンチューブを、上述した任意のブラダに結合することもできる。
【0044】
上述した、例としての実施の形態のキャニスターは、ペイントのような塗装材料で構成され、ブラダ内に含まれ、ブラダの外部の空間は、投与流体を受け入れてブラダを圧縮してペイントを排出するように構成されている。しかし、アプリケータを有するキャニスターの構成は、ペイントまたは他の塗装材料が供給されて、ブラダとキャニスター壁の間の、ブラダの外部の空間から排出されるようであってもよいことは理解されたい。そのような構成においては、投与流体がブラダに注ぎ込まれてブラダを膨張させ、ペイントをブラダの外部の空間から排出する。
【0045】
キャニスターが直接アプリケータ上に設置され、そこから除去される交換可能な装置として使用法が示され、記述されてきたが、本発明によるキャニスターもまた、より固定的、または、より固定的でない装置に使用することもできる。複数のキャニスターを、使用される塗料の各異なるタイプに対して1つまたは2つ以上のキャニスターを有するようなマニホルド配置で設けることもできる。キャニスターは、ロボットベースのような可動構造上にあってもよいが、お互いに対して固定され状態を保持される。または、キャニスターは、ペイントブース内の固定された位置に設置されてもよい。更に、キャニスターは、複数のグループで配置することもできる。そのような固定型装置においては、弁と導管が使用されて、キャニスターが設置個所に留まりながら、選択的に満杯のキャニスターのアプリケータとの流体連通を確立し、空のキャニスターを、充填のために塗料供給源に流体連通するように接続する。キャニスターの全体のグループは、アプリケータと共に帯電でき、一方、必要であれば、供給源へのチューブの長さが長いことにより、および適切な電気絶縁弁により、塗料供給源から電気的に絶縁される。
【0046】
図11は、本発明の更に別のキャニスター300を示しており、このキャニスター300においては、外部体302は、塗装材料空間306およびアクチュエータ空間308への隔膜304のような仕切りにより分離された閉内部容積を画定する。隔膜304は、巻き上げおよび分配供給部310を有するロールシートであってもよく、または隔膜304は、その周辺が本体に302固定された、弾性的で、拡張可能な材料であってよい。アクチュエータ312は、隔膜304を移動して、塗装材料空間306の容積を減少して塗料をそこから供給するように構成されている。アクチュエータ312は、アクチュエータアーム314とヘッド316を有する機械型アクチュエータであってもよい。本発明の別の実施の形態においては、アクチュエータ312は、投与流体供給源320を介して減衰空間308に注ぎ込まれる投与流体318(図12)であってよく、投与流体318は、仕切り隔膜304に対して直接作用する。更に別の変形例においては、アクチュエータ312は、投与流体と、それにより移動される機械的形態との組み合わせであってよい。隔膜304は、塗装材料空間306を画定する外部壁の輪郭に密接に追従するように移動される。機械式アクチュエータが使用されるときは、アクチュエータヘッド316は、塗装材料空間306の内部壁表面に非常に類似した形状にできる。ここで開示される他の実施の形態と同様に、外部体302のすべての内部表面は、塗装材料空間306または減衰空間308のいずれかに留まり、塗装材料空間306内の塗装材料は、隔膜304により効果的に密封されている減衰空間308を汚染することはない。塗装材料空間306と減衰空間308の容積が変化しても、容積を画定する表面は、1つの容積のみに留まる。更に、塗装材料空間306が洗浄されると、塗料に接触するすべての表面は洗浄のため露出される。
【0047】
図13は、本発明の更に別の実施の形態を示している。キャニスター400は、外殻402と、その中の可変仕切り404を含む。この例としての実施の形態においては、可変仕切り404は、殻402内に配置されたフレキシブル(柔軟性)ポーチ(袋)404である。ポーチ404は、端部406において開口しており、外殻402に密封されている。投与流体は、ポーチ404と、ポーチ404とキャニスター400のカバー410との間の空間内の投与流体空間408に供給される。塗装材料空間412が、ポーチ404の外殻402内に設けられる。二方向弁アセンブリ414は、塗装材料源から塗装材料空間412内への、および塗装材料空間412からアプリケータへの流れを確立する。
【0048】
ここで示すブラダ、隔膜などは、種々の実施の形態に対して記載されたように、移動のために必要な柔軟性(又は、可撓性)を有し、また使用される投与流体に対して不活性な材料から製造され、および/または塗装材料の構成要素は、塗装材料を洗浄するために使用される溶媒を含む。EPDMおよびブチルゴムは、適切な柔軟性を提供し、同時に、一般的に使用される塗料、投与材料、および溶媒に対して不活性である。しかし、他の材料もまた適切である。そのような材料は、電子スプレーアプリケータに使用されるときは、すべて非導体でなければならない。更に、EPDM、ブチルゴム、および他の一般的に適切な材料は、強度、柔軟性、および全体的な寿命を改善するための種々の添加物を含むことができる。
【0049】
本発明は、容易に交換可能な、または選択的に接続可能な、アプリケータアセンブリ用のキャニスターを提供しており、種々のキャニスターそれぞれに、ペイントの異なる色のように、異なる塗装材料が供給可能である。適切な色のペイント等の適切な塗装材料が各特別な適用において使用されることを確保するために、各キャニスターに、キャニスターが、従ってそこに含まれる塗装材料が特定できるRFタグを設けることができる。RFタグ付けまたは付箋貼り付けの技術についてはよく知られているので、ここでは更なる詳細は記述しない。
【0050】
ブラダからの塗装材料の排出を更に滑らかかつ安定にするために、ブラダは、投与流体がブラダの周りを均一に流れるような所望の構成において制御された萎みかたをするように、異なる壁厚を有する材料から形成することができる。ブラダのそのような制御された萎みかたは、ブラダの外部表面上の、または、前述した、ブラダの周りの投与流体の流れを改善して、ブラダ内の窪みまたは縊れの形成を削減するための他の任意の構成上の、チャネル(溝)またはリブ(肋材)の形成の代わりに、またはそれと連係して使用できる。
【0051】
本発明のキャニスターと、その中の仕切りの使用は、水性ペイントのような伝導性の塗装材料が使用されるときに、電圧ブロックを必要とする適用に対しては特に有益である。仕切りと殻は誘電体材料から製造でき、誘電体流体は、電導性塗装材料の周りに適切な電圧ブロックを提供するための投与流体として使用できる。
【0052】
上記の変形例および修正例は、本発明の範囲に属する。ここで開示され規定された本発明は、上述された、またはテキストおよび/または図から明白な個々の特徴の2つ以上からなる代替の組み合わせにも及ぶことは理解されるであろう。これらの異なる組み合わせはすべて、本発明の種々の代替形態を構成する。ここで記載された実施の形態は、本発明を実践するために、および当業者が本発明を利用できることを可能にするために知られている最良の形態を説明する。請求項は、従来技術により容認される範囲までの代替実施の形態を含むものと解釈されたい。
【0053】
本発明の種々の特徴は、請求項において記載される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明による塗料キャニスターを有する噴霧化アプリケータの透視図である。
【図2】図2は、図1に示すアプリケータの断面図であり、図1の線2−2に沿った断面図である。
【図3】図3は、図1と図2に示す塗料キャニスターの拡大透視図である。
【図4】図4は、図3に示すキャニスターの断面図であり、図3の線4−4に沿った断面図である。
【図5】図5は、本発明による塗料キャニスターの変形例の断面図である。
【図6】図6は、本発明によるキャニスターの別の変形例の断面図である。
【図7】図7は、本発明による別のキャニスター設計の断面図である。
【図8】図8は、本発明による、ブラダに対する1つの実施の形態の作動の略図である。
【図9】図9は、本発明による、ブラダに対する別の実施の形態の操作の略図である。
【図10】図10は、図9に示されたブラダの断面図である。
【図11】図11は、本発明の別の実施の形態の断面図である。
【図12】図12は、本発明の更なる実施の形態の断面図である。
【図13】図13は、本発明の更に別の実施の形態の図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には塗料アプリケータ(塗布器)に関し、より特別には、本発明は、迅速かつ連続して、多様な異なる塗料の塗装用に適合された静電アプリケータに関する。
【背景技術】
【0002】
自動スプレーアプリケータは、製造中に対象物上に種々のタイプの塗料を塗装するために広い範囲で使用されている。例えば、自動車本体の部品は、一般的には、スプレーアプリケータ付きロボット装置を使用して塗装される。ロボットは、一連の操作を、自動車本体のそれぞれの部分が、塗料の無駄を最小にしつつ、迅速な手順において、十分に、かつ精度よく塗装されるようにプログラムされている。
【0003】
噴霧アプリケータは、過剰スプレー量と、無駄を更に削減するために使用されてきた。既知の噴霧アプリケータにおいては、ベルカップが高速で回転し、ペイントのような塗装材料がベルカップの内部に供給される。ペイントまたは他の塗料が、遠心力の結果として、ベルカップ表面から外側へ向かって離れるように移動するに従って、塗料は噴霧化されて噴霧になり、塗装対象に向けて導かれる。空気の流れを、カップの外側に沿って導き、噴霧化塗料を、塗装されている対象物に向けて限定して導くことが知られている。また、噴霧化霧を電圧で帯電させ、塗装されている対象物をアースして、それにより塗装材料が、対象物に引き付けられ、更に、過剰スプレーを削減して、不規則な形状の目標対象物上の被覆を改善することが知られている。
【0004】
今日の、自動車の車体などの製造手順においては、ランダム(無作為的)な色のシーケンス(順序)で部品を、製造ラインに沿って進めることが知られている。このように、各塗装対象物に対して、ペイントの色または塗料の種類を、前回の対象物に使用されたものから変更することが必要となってくる。30またはそれ以上の異なる色を自動車を購入する消費者が選択でき、そのため、製造工程のいかなる時点においても、ロボットの前に置かれる対象物を塗料するためにすべての色が必要となる。1つの塗料から別塗料へ変更するために必要な時間を短く維持し、それによりペイント塗装ロボットの性能が、アセンブリライン上での製造スピードにおける重大な制限要素にならないようにすることが望ましい。有利なシステムにおいては、塗料を変更するために必要な時間は、完成した対象物がロボットの前から移動して、次の目標対象物を塗布のために定位置に移動するために必要な時間よりも短くなくてはならない。
【0005】
異なる色のペイントのような、異なるタイプの塗料を含む交換可能な一連の容器を有するアプリケータを使用することが提案されてきた。塗装の間に、アプリケータは空になった容器を破棄し、次の対象物に対して適切な塗料を充填した容器を受け取る。流体チューブが容器から延伸しており、アプリケータを通してベルカップの近くに挿入され、続く噴霧化のために、ベルカップの内部へ塗料を供給する。しかし、キャニスター(容器)にチューブを挿入し、除去するのは面倒であり、チューブを受け入れるために十分な大きさのチャネル(流路)においては、チューブの位置決めはある程度ランダムになる。従って、塗料の噴霧化ベルへの供給は、ある程度ランダムであり、不安定である。また、特別な塗料がそれほどよく使用されないときは、その塗料を含むキャニスターは使用されずに長期間そのままの状態で置かれることになり、前回使用後にチューブ内に残った少量の塗料が固化し、チューブを塞ぐこともあり得る。
【0006】
別の提案されたシステムにおいては、容器は、列状態にして保持される。各容器は、異なるタイプの塗料で充填され、供給ラインを通してアプリケータと流体連通するように選択的に設置される。
【0007】
キャニスターに対して提案された構造では、塗料が投与されるとき、またはキャニスターが塗料で再充填されるときに問題が起こる可能性がある。ある提案された構造では、キャニスターは、キャニスター内をスライドする略剛性の壁を有し、塗料が投与されるときに容積を減少し、塗料がキャニスターに追加されるときに容積を増加する。スライド式壁と、キャニスターの固定表面との間の境界における流体防止の密封性を維持することが困難な場合もある。更に、壁表面の部分は、キャニスター内で壁がスライドするときに、塗料を含む容積の部分と、塗料を含まない容積の部分を交互に形成することになる。キャニスター内の塗料を空にするときに、塗料の薄膜が壁上に残る。キャニスターが異なるタイプの塗料で充填されると、残っている膜が新しい塗料と混じり、汚染することになる。壁が、キャニスターに送り込まれた誘電体投与流体により移動されると、壁上の塗料膜は投与流体と混じって汚染し、塗料が伝導性である場合は、時間経過とともに、投与流体の特性を変化させる。
【0008】
ブラダ(空気袋)または挿入物を有する種々の他の構造も使用され、または提案されているが、その成果の程度はまちまちである。必要なものは、噴霧化アプリケータ用のキャニスターであり、それは、迅速に脱着可能で、塗装手順の間に迅速に充填され、信頼性を伴って空にできることである。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、仕切りが塗料を含む領域を、仕切りを移動して塗料を投与するフォースアプリケータを含む領域から分離する、多様なキャニスター構成を提供する。各領域の容積は、仕切りが移動するときに変化するが、その領域を画定する表面は、それが画定する1つの領域のみに留まる。
【0010】
本発明の1つの形態において、本発明は、スプレーアプリケータにより塗装される塗料を収容するキャニスターを提供する。キャニスターは、外部固定容積殻と;フレキシブルな障壁であって、前記障壁の一方の側にある可変な第1の容積と、前記障壁の対向する側にある可変な第2の容積との間に、共通の分離部分を画定する、前記殻内のフレキシブルな障壁と;を有する。障壁は、前記殻と関係して、前記殻の面と前記障壁の面は、前記容積の寸法が変化する際でさえも、前記容積の内の一方だけに暴露される。アクチュエータは、前記障壁を動かして前記第1と第2の容積の寸法を変化させており、塗装材料経路は、前記容積の一方内へと流入し且つそこから外へと流入する。
【0011】
本発明の別の形態においては、本発明は、スプレーアプリケータにより塗布される塗料を収容するキャニスターであって、殻容積を有する外殻と、前記殻容積を、可変な塗装材料容積と、可変なアクチュエータ容積に分離する、可動な障壁とを有するキャニスターを提供する。アクチュエータは、前記障壁を移動させて、前記塗装材料容積と前記アクチュエータ容積の寸法を変化させる。前記塗料材料容積と前記アクチュエータ容積の内の一方は、前記障壁の全移動範囲を通して、前記容積の全表面を同じ容積内に保持しながら、前記塗料材料容積と前記アクチュエータ容積の内の他方内へ膨張可能である。
【0012】
本発明の別の形態において、本発明は、スプレーアプリケータにより塗布される塗料を収容するキャニスターを提供する。キャニスターは、殻容積を有する外殻と、前記殻容積を、可変な塗装材料容積と、可変な投与流体容積に分離する、可動な障壁とを有する。前記塗料材料容積と前記投与流体容積の内の一方は、前記容積の内の一方の表面を、前記容積の他方の表面に変換しないで、前記塗料材料容積と前記投与流体容積の内の他方内へ拡大可能である。投与流体経路は、前記投与流体容積内へと流入し且つそこから外へ流出し、塗装材料経路は、前記塗装材料容積内へ流入し且つそこから外へ流出する。前記経路は、前記殻の同じ端部に入り口と出口を有する。
【0013】
本発明の優位点は、その中に、塗装される塗料を受け取るためのブラダを有するキャニスターを提供することであり、ブラダは、投与流体がキャニスターに注ぎ込まれてブラダを圧縮し、塗料をブラダから排出するときに、ブラダの周囲に投与流体を均等に分布するように構成され、適合されている。
【0014】
本発明の別の優位点は、電気的伝導性塗料を含み、電気的に塗料を隔離するキャニスターを提供することである。
【0015】
本発明の更なる優位点は、塗料を含む隔離空間を形成することなく、ブラダを均等にかつ安定的に充填し、空にするブラダを有する塗装材料キャニスターを提供することである。
【0016】
本発明の更なる優位点は、アプリケータから容易にかつ効果的に脱着できる塗装材料キャニスターを提供することである。
【0017】
本発明の更なる優位点は、キャニスターと、それぞれが密封して、露出塗料を除去し、乾燥した塗料により形成される、つまりの原因となる障害物の可能性を減少させるアプリケータ弁装置と、を提供することである。
【0018】
本発明の他の特徴と優位点は、類似する特徴を示すために類似の数字を使用した下記の詳細な記述と図により、当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、下記の記述に記載され、または図に例示される構成要素の構成および配置の詳細に制限されないということを理解されたい。本発明は、他の実施の形態においても可能であり、種々の方法で実践または実行できる。また、ここで使用される語法および用語は、記述の目的のためであって、制限的に理解されるべきではない。ここで使用する「含む」、「備える」、およびその変形例は、その後に一覧表示される事項と、その等価物を、追加的事項とその等価物と共に包括するという意味である。
【0020】
ここで、より具体的に図を参照、特に図1を参照すると、回転式噴霧化塗料アプリケータ(塗布器)アセンブリ10が示されている。アプリケータアセンブリ10は、本発明によるキャニスター(容器)12を含み、キャニスター12は、それと共に使用されるように適合されたアプリケータ14に操作可能に接続されている。当業者は、アプリケータ10が、製造工程において、一連の対象物を適切かつ安定的に塗装するための一連の制御された操作を行うためのロボット(図示せず)に搭載され、操作されることを容易に理解するであろう。例えば、そのようなアプリケータは、自動車の本体部分を塗装するために使用される。しかし、このタイプのアプリケータはまた、ペイントまたは他の塗料により、多様な異なる対象物を塗装するためにも使用できる。本発明は、異なる様式およびタイプのアプリケータに対しても良好に機能し、ここで示され、記載されるアプリケータアセンブリ10の明確な構成は、キャニスター12を使用することができる適切な装置の一例にすぎないことも更に理解されたい。
【0021】
アプリケータ14は、本体16とコネクタアーム18を含む。キャニスタードッキング(接続)備品20は、本体16の一端部に設けられ、回転式噴霧化ヘッド22は、ドッキング備品20とは反対の、本体16の端部に設けられている。
【0022】
ここで図2の断面図を参照すると、アプリケータ14の内部構造が更に詳細に記載されている。コネクタアーム18は、ロボットアダプタ24を含み、それにより、アプリケータアセンブリ10がロボット(図示せず)に接続される構造が提供される。ロボットアダプタ24は、アプリケータアセンブリ10を物理的にロボットに接続し、ロボットおよびペインティングステーションの、種々の気圧、電気、および流体供給システムに接続している。コネクタアーム18内では、高電圧カスケード(列)26が提供され、それにより、当業者にはよく知られている方法で、噴霧化塗料粒子を帯電する。
【0023】
噴霧化ヘッド22は、本体16の前端部を覆うシュラウド(覆い)28と、本体16内に設けられた空気タービン30を含む。回転式噴霧化ベルカップ32は、空気タービン30に、それにより回転するために、操作可能に接続され、その結果、当業者にはよく知られている方法により、そこに供給された塗装材料が噴霧化される。空気タービン30は、ロボットアダプタ24内の空気コネクタと連通している加圧空気ライン34を介して加圧空気の供給を受け、ロボットおよびペインティングステーション(図示せず)から加圧空気を供給される。追加的な加圧空気ライン(図示せず)が、シュラウド28内の種々の出口に供給され、噴霧化ベルカップ32からの噴霧化塗装材料のパターンを制御および改良するための整形空気を供給する。
【0024】
ここまで記載してきたように、本体16における構成要素およびコネクタアーム18は、当業者にはよく知られているので、ここではこれ以上詳細には記述しない。
【0025】
ロボットアダプタ24は更に投与流体コネクタ40を含み、それにより、アプリケータアセンブリ10を、好ましくは酢酸ブチルまたは他の非伝導流体のような、誘電体投与流体である投与流体源と連通するように接続できる。コネクタアーム18における投与流体ライン42は、コネクタ40および本体16内の投与流体ライン44と流体連通している。投与流体遮断弁アセンブリ46が、キャニスタードッキング備品20において、キャニスター12の本体16との界面に設けられる。投与流体遮断弁アセンブリ46は、本体16内の遮断弁48と、キャニスター12内の遮断弁50を含む。
【0026】
本体16は更に、キャニスタードッキング備品20から噴霧化ヘッド22に延伸する塗装材料供給チューブ52を含み、それにより、塗装材料が、キャニスター12から噴霧化ベルカップ32に供給される。塗装材料遮断弁アセンブリ54は、キャニスター12と本体16との界面において、一般的には、キャニスタードッキング備品20内にある供給チューブ52の端部に設けられる。塗装材料遮断弁アセンブリ54は、本体16内の遮断弁56と、キャニスター12内の隣接遮断弁58を含む。
【0027】
投与流体遮断弁アセンブリ46と塗装材料遮断弁アセンブリ54は、協働して作動する遮断弁48、50および56、58をそれぞれ提供し、それにより、キャニスターは、本体16から切離されて、その間を流れる投与流体または塗装材料に無駄はない。弁アセンブリ46と54はまた、油圧システムにおいては知られている、「クイックコネクト」アセンブリとも称され、それは、切離されたときに閉じ、接続時には相互に開き、そこを通しての流体の流れを可能にする隣接構成要素を含む。このように、キャニスターがアプリケータ14に接続されると、投与流体遮断弁アセンブリ46内の遮断弁48と50は相互に動作可能になり、直接隣接し、そこを通しての投与流体の流れを提供する。遮断弁56と58は、相互に動作可能であり、塗装材料遮断弁アセンブリ54内で直接隣接して、そこを通しての塗装材料の流れを提供する。キャニスター12をアプリケータ14から切離すと、各弁48、50、56、および58は閉じて、そこを通しての、投与流体または塗装材料の流れを遮断する。
【0028】
ここで特に図4の拡大断面図を参照すると、キャニスター12がより詳細に記載されている。キャニスター12は、第1端部72および対向する第2端部74を有する、略剛性の外殻70を含む。第1端部72は、アプリケータドッキング構造を画定し、それにより、キャニスター12は、ドッキング備品20において本体16に接続される。第1端部72内で画定され、Oリング78により、本体16に対して密封された真空チャンバ76が真空にされる。キャニスター12が本体16に対して設置された後に真空チャンバ76は真空にされ、キャニスター12が本体16に接続されている限り真空が維持される。ドッキングリング、クランプ、およびピンもまた、キャニスター12を本体16に固定するために適切であり、電子アプリケーションシステムにおいては、大気圧における環境よりも、低電圧においてはより広い距離で起きる可能性がある真空環境でのアーク放電を回避するために好適である。
【0029】
第1端部72は更に、投与加流体遮断弁アセンブリ46の遮断弁50と、塗装材料遮断弁アセンブリ54の塗装材料遮断弁58を含む。
【0030】
第2端部74は、塗装材料入口弁アセンブリ80を含む、再充填ステーションドッキング構造を画定する。キャニスター12は、塗装材料をキャニスター12に供給する目的のために、再充填ステーションドッキング構造(図示せず)に接続可能である。
【0031】
第1および第2端部72、74をそれぞれ有する殻70は、キャニスター12の固定容積内部を画定する。ブラダ82がその中に配置され、ブラダ82は、ブラダ内部容積84を画定する。内部容積84は、ブラダ82への、またはそこからの塗装材料の追加または除去の際に可変である。このように、ブラダ82と殻70の間においては、可変アクチュエータまたは投与流体容積86が画定され、それは、投与流体遮断弁50からの投与流体経路88と連通している。
【0032】
ブラダ82は、第1および第2端部72と74の間を延伸して、第1端部72における出口フランジ90と、第2端部74における入口フランジ92によりそこに固定されている。出口フランジ90と入口フランジ92は、それぞれ第1および第2端部72と74を通して、ブラダ82の内部容積84への出口と入口をそれぞれ画定する。フランジ90と92は、ブラダ82の開口部に封止され、それにより、ブラダ82内の内部容積を、ブラダ82外部の投与流体容積86から隔離している。このように、ブラダ82内の塗装材料は、ブラダ82から出口フランジ90を通って流れ、ブラダ82に供給された塗装材料は、入口フランジ92を通って内部容積84に流れ、投与流体容積86内で投与流体から隔離される。
【0033】
ブラダ82は、そこから供給される塗装材料に依存して、弾性材料、非弾性材料、および半弾性材料を含む種々の材料から構築できる。適切な材料を選択するときは、疲労亀裂などの原因となり得る、ブラダの膨張収縮特性、萎み形成などと共に、供給される塗装材料の構成要素と、塗装材料の溶媒と、投与流体との互換性を考慮する。EPDMは、水性ペイントまたは他の、低溶媒濃度を有する塗装材料との使用に適切な材料である。
【0034】
サイフォンチューブ94は、ブラダ82内に設けられる。サイフォンチューブ94は、第1端部72および第2端部74から、その間を延伸し、入口フランジ92と出口フランジ90と連通している。このように、サイフォンチューブ94は、塗装材料がブラダ82に供給される再充填構造(図示せず)において、塗装材料供給源と流体連通するように設置できる。サイフォンチューブ94はまた、キャニスター12が本体16とドッキングするときに、塗装材料遮断弁アセンブリ54を介して、本体16の塗装材料供給チューブ52と流体連通するように設置できる。サイフォンチューブ94は略剛性であり、出口フランジ90および入口フランジ92において、ブラダ82の固定位置を画定する。このように、ブラダ82が膨張または収縮するときは、そのいかなる動きも主に半径方向であり、縦方向の動きは、あるとしてもごくわずかである。このようにブラダ82の膨張と収縮を制御すると、ブラダ82が膨張または収縮するときに、窪みまたは縊れが形成される可能性を削減できる。
【0035】
サイフォンチューブ94は、出口フランジ90と入口フランジ92の間に、その長さに沿う少なくとも1つの、好ましくはいくつかの開口96を含む。開口96は、サイフォンチューブ94の内部と、ブラダ82の内部容積84との間の流体連通を提供する。このように、入口フランジ92を通ってサイフォンチューブ94に供給される塗装材料は、開口96を通って内部容積84に流れる。更に、ブラダ82の内部容積84から流れる塗装材料は、開口96を通ってサイフォンチューブ94に入り込み、その後、塗装材料遮断弁アセンブリ54を通って、塗装材料供給チューブ52と噴霧化ベルカップ32に流れることができる。
【0036】
塗装材料をブラダ82から排出するために、投与流体が投与流体容積86内に注ぎ込まれる。投与流体が投与流体容積86に加えられるにつれてブラダ82が圧縮され、塗装材料を、前述したように、サイフォンチューブ94を通して排出する。投与流体は誘電流体であると有利である。
【0037】
ブラダ82周囲の投与流体の均一な流れを助長するために、その外部表面は、投与流体容積86を通る投与流体の均一な流れを促進するためのチャネル98を画定する。チャネル98は、ブラダ82の表面における窪みとして形成、またはブラダ82の外部表面上の隆起部間に画定することができる。チャネルは、ブラダ82の表面上で、縦方向に向けることも、角度を伴って向けることも、他に位置していてもよい。ブラダ82の周りおよびそれに沿う投与流体の均一な流れを促進することは、ブラダ82に沿って、およびその周りに均一な圧力を提供し、更に、窪みおよび縊れの形成を削除することも支援する。しかし、ブラダ82を更に、異なる形状に構築して、その周りの投与流体の均一かつ安定した流れを促進することもできる。
【0038】
図5は、縦方向のローブ(耳たぶ状部材)102、104、および106を含むような形状に形成されたブラダ100を示している。各ローブ102、104、および106は、実質的には、殻70に隣接して常設的に固定され、接着剤などにより、そこに物理的に取り付けることもできる。または、ブラダ100は、ブラダ100が空のときに、図5に示す形状を維持できるように十分な剛性を伴って形成することができる。サイフォンチューブ94は、ブラダ100の中心を通って延伸し、前述したように機能する。可動ブラダ壁108、110、および112は、それぞれ、ローブ102とローブ104の間、ローブ104とローブ106の間、およびローブ106とローブ102の間に設けられる。ブラダ壁108、110、および112は柔軟性(又は可撓性)が(フレキシブルで)あり、ブラダ100が略空のときの、図5に示される萎んだ位置と、ブラダ100が略満杯のときの膨張した位置(図示せず)の間で移動可能である。膨張した位置においては、ブラダ壁108、110、および112は、サイフォンチューブ94から遠ざかるように移動し、殻70の略近くに隣接する。このように、投与流体が投与流体容積86に供給されるにつれて、可動ブラダ壁108、110、および112は萎み、投与流体容積86内の投与流体の均一な流れと分布を促進する。空のときに、略平坦なブラダにおける2つのローブを含めて、例示された3つのローブより多い、または少ないローブを使用できるということは理解されたい。
【0039】
図6は、本発明の更に別の実施の形態を示している。更に修正されたブラダ120が示されており、第1端部122と第2端部124を有している。第1端部122は、投与流体経路88からの投与流体の流入部に最も近く、ブラダ120の第2端部124よりも径が小さい。このように、投与流体の入口から遠ざかるように延伸する先細り領域により、投与流体は、ブラダ120が圧縮されてサイフォンチューブ94を通して塗装材料を排出するときに、ブラダ120の周りを、均一かつ滑らかに流れる。
【0040】
図7は、外部体202と、その中に収縮可能ブラダ204を有する更に別のキャニスターアセンブリ200を示している。キャニスターアセンブリ200は、接続端部206を伴って構成され、この接続端部206を通って、塗装材料がブラダ204に充填され、そこからブラダ204内の塗装材料がアプリケータに供給される。従って、接続端部206は、ブラダ204への塗料の流入と、ブラダ204からの塗料の供給を行うための適切な弁構造210を有する、塗装材料導管208を含む。投与流体ライン212は、ブラダ204と、外部体202の内部壁表面との間の空間と連通している。
【0041】
ブラダ204は、一般的には球根状の形状であり、球形であってもよい。概略的に扁球体のブラダ204が図9および図10に示されている。図10において最も明確に分かるように、略剛性材料の弁ステムアセンブリ214が、略フレキシブルな(柔軟性の)ブラダ本体218の受け入れ端部216に取り付けられている。ブラダ本体218は、多様な異なる成形または形成技術において形成でき、単一体としてでも、または、溶接または他の締結技術により、外周シーム220に沿って接合される2つの分離したブラダ本体部分から形成されてもよい。
【0042】
ブラダ本体218は、略フレキシブル(柔軟性)であり、萎むことが可能であり、より剛性度の高いまたは低いパターンにより構成されて、その内部から塗料の排出の間、ブラダ本体218が効率よく萎むのを促進することができる。図8は、ブラダ本体222が、ブラダがより曲がりにくい傾向を有する、より厚い領域224と、直径方向の断面から見たきに、ブラダ本体222が、星状のパターンに萎むように、より曲がり易い傾向を有する、より薄い領域を交互に有する構造を示している。図8は、点線228として萎むパターンを示している。
【0043】
本発明ある適用および使用法においては、種々のブラダ本体の部分を、ブラダ本体において、好適な萎むパターンが促進されるように、それらを含む殻の内部表面に取り付けると有利である。更に、内部サイフォンチューブを有しないブラダを使用することができ、またはサイフォンチューブを、上述した任意のブラダに結合することもできる。
【0044】
上述した、例としての実施の形態のキャニスターは、ペイントのような塗装材料で構成され、ブラダ内に含まれ、ブラダの外部の空間は、投与流体を受け入れてブラダを圧縮してペイントを排出するように構成されている。しかし、アプリケータを有するキャニスターの構成は、ペイントまたは他の塗装材料が供給されて、ブラダとキャニスター壁の間の、ブラダの外部の空間から排出されるようであってもよいことは理解されたい。そのような構成においては、投与流体がブラダに注ぎ込まれてブラダを膨張させ、ペイントをブラダの外部の空間から排出する。
【0045】
キャニスターが直接アプリケータ上に設置され、そこから除去される交換可能な装置として使用法が示され、記述されてきたが、本発明によるキャニスターもまた、より固定的、または、より固定的でない装置に使用することもできる。複数のキャニスターを、使用される塗料の各異なるタイプに対して1つまたは2つ以上のキャニスターを有するようなマニホルド配置で設けることもできる。キャニスターは、ロボットベースのような可動構造上にあってもよいが、お互いに対して固定され状態を保持される。または、キャニスターは、ペイントブース内の固定された位置に設置されてもよい。更に、キャニスターは、複数のグループで配置することもできる。そのような固定型装置においては、弁と導管が使用されて、キャニスターが設置個所に留まりながら、選択的に満杯のキャニスターのアプリケータとの流体連通を確立し、空のキャニスターを、充填のために塗料供給源に流体連通するように接続する。キャニスターの全体のグループは、アプリケータと共に帯電でき、一方、必要であれば、供給源へのチューブの長さが長いことにより、および適切な電気絶縁弁により、塗料供給源から電気的に絶縁される。
【0046】
図11は、本発明の更に別のキャニスター300を示しており、このキャニスター300においては、外部体302は、塗装材料空間306およびアクチュエータ空間308への隔膜304のような仕切りにより分離された閉内部容積を画定する。隔膜304は、巻き上げおよび分配供給部310を有するロールシートであってもよく、または隔膜304は、その周辺が本体に302固定された、弾性的で、拡張可能な材料であってよい。アクチュエータ312は、隔膜304を移動して、塗装材料空間306の容積を減少して塗料をそこから供給するように構成されている。アクチュエータ312は、アクチュエータアーム314とヘッド316を有する機械型アクチュエータであってもよい。本発明の別の実施の形態においては、アクチュエータ312は、投与流体供給源320を介して減衰空間308に注ぎ込まれる投与流体318(図12)であってよく、投与流体318は、仕切り隔膜304に対して直接作用する。更に別の変形例においては、アクチュエータ312は、投与流体と、それにより移動される機械的形態との組み合わせであってよい。隔膜304は、塗装材料空間306を画定する外部壁の輪郭に密接に追従するように移動される。機械式アクチュエータが使用されるときは、アクチュエータヘッド316は、塗装材料空間306の内部壁表面に非常に類似した形状にできる。ここで開示される他の実施の形態と同様に、外部体302のすべての内部表面は、塗装材料空間306または減衰空間308のいずれかに留まり、塗装材料空間306内の塗装材料は、隔膜304により効果的に密封されている減衰空間308を汚染することはない。塗装材料空間306と減衰空間308の容積が変化しても、容積を画定する表面は、1つの容積のみに留まる。更に、塗装材料空間306が洗浄されると、塗料に接触するすべての表面は洗浄のため露出される。
【0047】
図13は、本発明の更に別の実施の形態を示している。キャニスター400は、外殻402と、その中の可変仕切り404を含む。この例としての実施の形態においては、可変仕切り404は、殻402内に配置されたフレキシブル(柔軟性)ポーチ(袋)404である。ポーチ404は、端部406において開口しており、外殻402に密封されている。投与流体は、ポーチ404と、ポーチ404とキャニスター400のカバー410との間の空間内の投与流体空間408に供給される。塗装材料空間412が、ポーチ404の外殻402内に設けられる。二方向弁アセンブリ414は、塗装材料源から塗装材料空間412内への、および塗装材料空間412からアプリケータへの流れを確立する。
【0048】
ここで示すブラダ、隔膜などは、種々の実施の形態に対して記載されたように、移動のために必要な柔軟性(又は、可撓性)を有し、また使用される投与流体に対して不活性な材料から製造され、および/または塗装材料の構成要素は、塗装材料を洗浄するために使用される溶媒を含む。EPDMおよびブチルゴムは、適切な柔軟性を提供し、同時に、一般的に使用される塗料、投与材料、および溶媒に対して不活性である。しかし、他の材料もまた適切である。そのような材料は、電子スプレーアプリケータに使用されるときは、すべて非導体でなければならない。更に、EPDM、ブチルゴム、および他の一般的に適切な材料は、強度、柔軟性、および全体的な寿命を改善するための種々の添加物を含むことができる。
【0049】
本発明は、容易に交換可能な、または選択的に接続可能な、アプリケータアセンブリ用のキャニスターを提供しており、種々のキャニスターそれぞれに、ペイントの異なる色のように、異なる塗装材料が供給可能である。適切な色のペイント等の適切な塗装材料が各特別な適用において使用されることを確保するために、各キャニスターに、キャニスターが、従ってそこに含まれる塗装材料が特定できるRFタグを設けることができる。RFタグ付けまたは付箋貼り付けの技術についてはよく知られているので、ここでは更なる詳細は記述しない。
【0050】
ブラダからの塗装材料の排出を更に滑らかかつ安定にするために、ブラダは、投与流体がブラダの周りを均一に流れるような所望の構成において制御された萎みかたをするように、異なる壁厚を有する材料から形成することができる。ブラダのそのような制御された萎みかたは、ブラダの外部表面上の、または、前述した、ブラダの周りの投与流体の流れを改善して、ブラダ内の窪みまたは縊れの形成を削減するための他の任意の構成上の、チャネル(溝)またはリブ(肋材)の形成の代わりに、またはそれと連係して使用できる。
【0051】
本発明のキャニスターと、その中の仕切りの使用は、水性ペイントのような伝導性の塗装材料が使用されるときに、電圧ブロックを必要とする適用に対しては特に有益である。仕切りと殻は誘電体材料から製造でき、誘電体流体は、電導性塗装材料の周りに適切な電圧ブロックを提供するための投与流体として使用できる。
【0052】
上記の変形例および修正例は、本発明の範囲に属する。ここで開示され規定された本発明は、上述された、またはテキストおよび/または図から明白な個々の特徴の2つ以上からなる代替の組み合わせにも及ぶことは理解されるであろう。これらの異なる組み合わせはすべて、本発明の種々の代替形態を構成する。ここで記載された実施の形態は、本発明を実践するために、および当業者が本発明を利用できることを可能にするために知られている最良の形態を説明する。請求項は、従来技術により容認される範囲までの代替実施の形態を含むものと解釈されたい。
【0053】
本発明の種々の特徴は、請求項において記載される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明による塗料キャニスターを有する噴霧化アプリケータの透視図である。
【図2】図2は、図1に示すアプリケータの断面図であり、図1の線2−2に沿った断面図である。
【図3】図3は、図1と図2に示す塗料キャニスターの拡大透視図である。
【図4】図4は、図3に示すキャニスターの断面図であり、図3の線4−4に沿った断面図である。
【図5】図5は、本発明による塗料キャニスターの変形例の断面図である。
【図6】図6は、本発明によるキャニスターの別の変形例の断面図である。
【図7】図7は、本発明による別のキャニスター設計の断面図である。
【図8】図8は、本発明による、ブラダに対する1つの実施の形態の作動の略図である。
【図9】図9は、本発明による、ブラダに対する別の実施の形態の操作の略図である。
【図10】図10は、図9に示されたブラダの断面図である。
【図11】図11は、本発明の別の実施の形態の断面図である。
【図12】図12は、本発明の更なる実施の形態の断面図である。
【図13】図13は、本発明の更に別の実施の形態の図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレーアプリケータにより塗布される塗料を収容するキャニスターであって、
外部固定容積殻と、
フレキシブルな障壁であって、前記障壁の一方の側にある可変な第1の容積と、前記障壁の対向する側にある可変な第2の容積との間に、共通の分離部分を画定する、前記殻内のフレキシブルな障壁であって、前記殻と関係して、前記殻の面と前記障壁の面は、前記容積の寸法が変化する際でさえも、前記容積の内の一方だけに暴露される、フレキシブルな障壁と、
前記障壁を動かして前記第1と第2の容積の寸法を変化させるためのアクチュエータと、
前記容積の一方内へと接続し且つそこから外へと接続する塗装材料経路と、
を備えるキャニスター。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記容積の他方内へ接続し且つそこから外へと接続する、投与流体経路を含む請求項1に記載のキャニスター。
【請求項3】
前記障壁はブラダであり、前記容積の一方が前記ブラダ内に画定され、前記容積の他方は前記ブラダの外側に画定される請求項2に記載のキャニスター。
【請求項4】
前記投与流体経路は、前記ブラダ内の前記容積を含む請求項3に記載のキャニスター。
【請求項5】
前記投与流体経路及び前記塗装材料経路は、前記キャニスターの対向する端部において、入り口と出口とを含む請求項3に記載のキャニスター。
【請求項6】
前記投与流体経路及び前記塗装材料経路は、前記キャニスターの同じ端部において、入り口と出口とを含む請求項3に記載のキャニスター。
【請求項7】
前記投与流体経路は、前記ブラダ内の前記容積を含む請求項6に記載のキャニスター。
【請求項8】
前記障壁は、前記殻を渡る膜を具備する請求項1に記載のキャニスター。
【請求項9】
前記アクチュエータは、前記容積の他方内へ接続し且つそこから外へと接続する、投与流体経路を含む請求項8に記載のキャニスター。
【請求項10】
前記膜は、前記膜の周辺において前記殻に固定される請求項8に記載のキャニスター。
【請求項11】
前記膜は、前記殻内において伸張可能な供給部を有する請求項8に記載のキャニスター。
【請求項12】
前記アクチュエータは、前記膜に対抗して作動可能な可動ヘッドを含む請求項8に記載のキャニスター。
【請求項13】
スプレーアプリケータにより塗布される塗料を収容するキャニスターであって、
殻容積を有する外殻と、
前記殻容積を、可変な塗装材料容積と、可変なアクチュエータ容積に分離する、可動な障壁と、
前記障壁を移動させて、前記塗装材料容積と前記アクチュエータ容積の寸法を変化させるためのアクチュエータと、
を具備しており、
前記塗料材料容積と前記アクチュエータ容積の内の一方は、前記障壁の全移動範囲を通して、前記容積の全表面を同じ容積内に保持しながら、前記塗料材料容積と前記アクチュエータ容積の内の他方内へ膨張可能であり、
前記容積の一方内へと接続し且つそこから外へと接続する塗装材料経路を更に備えるキャニスター。
【請求項14】
前記障壁はブラダであり、前記塗装材料容積と前記アクチュエータ容積の内の一方が前記ブラダ内に画定され、前記塗装材料容積と前記アクチュエータ容積の内の他方は前記ブラダの外側に画定される請求項13に記載のキャニスター。
【請求項15】
前記障壁は、前記殻を渡る膜を具備する請求項13に記載のキャニスター。
【請求項16】
前記アクチュエータは、前記膜に対抗して作動可能な可動ヘッドを含む請求項15に記載のキャニスター。
【請求項17】
前記アクチュエータは、誘電性流体を含む請求項13に記載のキャニスター。
【請求項18】
前記障壁は、開放端部を有するポーチを具備しており、前記開放端部は、前記殻の内面周りで前記殻に固定される請求項13に記載のキャニスター。
【請求項19】
前記障壁は、前記障壁の幾何学的に制御された収縮と膨張のために、より厚い部分とより薄い部分とを有する請求項13に記載のキャニスター。
【請求項20】
スプレーアプリケータにより塗布される塗料を収容するキャニスターであって、
殻容積を有する外殻と、
前記殻容積を、可変な塗装材料容積と、可変な投与流体容積に分離する、可動な障壁と、
前記塗料材料容積と前記投与流体容積の内の一方は、前記容積の内の一方の表面を、前記容積の他方の表面に変換しないで、前記塗料材料容積と前記投与流体容積の内の他方内へ拡大可能であり、
該キャニスターは、前記投与流体容積内へと接続し且つそこから外へと接続する投与流体経路と、前記塗装材料容積内へと接続し且つそこから外へと接続する塗装材料経路を更に備えており、
前記経路は、前記殻の同じ端部に入り口と出口を有するキャニスター。
【請求項1】
スプレーアプリケータにより塗布される塗料を収容するキャニスターであって、
外部固定容積殻と、
フレキシブルな障壁であって、前記障壁の一方の側にある可変な第1の容積と、前記障壁の対向する側にある可変な第2の容積との間に、共通の分離部分を画定する、前記殻内のフレキシブルな障壁であって、前記殻と関係して、前記殻の面と前記障壁の面は、前記容積の寸法が変化する際でさえも、前記容積の内の一方だけに暴露される、フレキシブルな障壁と、
前記障壁を動かして前記第1と第2の容積の寸法を変化させるためのアクチュエータと、
前記容積の一方内へと接続し且つそこから外へと接続する塗装材料経路と、
を備えるキャニスター。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記容積の他方内へ接続し且つそこから外へと接続する、投与流体経路を含む請求項1に記載のキャニスター。
【請求項3】
前記障壁はブラダであり、前記容積の一方が前記ブラダ内に画定され、前記容積の他方は前記ブラダの外側に画定される請求項2に記載のキャニスター。
【請求項4】
前記投与流体経路は、前記ブラダ内の前記容積を含む請求項3に記載のキャニスター。
【請求項5】
前記投与流体経路及び前記塗装材料経路は、前記キャニスターの対向する端部において、入り口と出口とを含む請求項3に記載のキャニスター。
【請求項6】
前記投与流体経路及び前記塗装材料経路は、前記キャニスターの同じ端部において、入り口と出口とを含む請求項3に記載のキャニスター。
【請求項7】
前記投与流体経路は、前記ブラダ内の前記容積を含む請求項6に記載のキャニスター。
【請求項8】
前記障壁は、前記殻を渡る膜を具備する請求項1に記載のキャニスター。
【請求項9】
前記アクチュエータは、前記容積の他方内へ接続し且つそこから外へと接続する、投与流体経路を含む請求項8に記載のキャニスター。
【請求項10】
前記膜は、前記膜の周辺において前記殻に固定される請求項8に記載のキャニスター。
【請求項11】
前記膜は、前記殻内において伸張可能な供給部を有する請求項8に記載のキャニスター。
【請求項12】
前記アクチュエータは、前記膜に対抗して作動可能な可動ヘッドを含む請求項8に記載のキャニスター。
【請求項13】
スプレーアプリケータにより塗布される塗料を収容するキャニスターであって、
殻容積を有する外殻と、
前記殻容積を、可変な塗装材料容積と、可変なアクチュエータ容積に分離する、可動な障壁と、
前記障壁を移動させて、前記塗装材料容積と前記アクチュエータ容積の寸法を変化させるためのアクチュエータと、
を具備しており、
前記塗料材料容積と前記アクチュエータ容積の内の一方は、前記障壁の全移動範囲を通して、前記容積の全表面を同じ容積内に保持しながら、前記塗料材料容積と前記アクチュエータ容積の内の他方内へ膨張可能であり、
前記容積の一方内へと接続し且つそこから外へと接続する塗装材料経路を更に備えるキャニスター。
【請求項14】
前記障壁はブラダであり、前記塗装材料容積と前記アクチュエータ容積の内の一方が前記ブラダ内に画定され、前記塗装材料容積と前記アクチュエータ容積の内の他方は前記ブラダの外側に画定される請求項13に記載のキャニスター。
【請求項15】
前記障壁は、前記殻を渡る膜を具備する請求項13に記載のキャニスター。
【請求項16】
前記アクチュエータは、前記膜に対抗して作動可能な可動ヘッドを含む請求項15に記載のキャニスター。
【請求項17】
前記アクチュエータは、誘電性流体を含む請求項13に記載のキャニスター。
【請求項18】
前記障壁は、開放端部を有するポーチを具備しており、前記開放端部は、前記殻の内面周りで前記殻に固定される請求項13に記載のキャニスター。
【請求項19】
前記障壁は、前記障壁の幾何学的に制御された収縮と膨張のために、より厚い部分とより薄い部分とを有する請求項13に記載のキャニスター。
【請求項20】
スプレーアプリケータにより塗布される塗料を収容するキャニスターであって、
殻容積を有する外殻と、
前記殻容積を、可変な塗装材料容積と、可変な投与流体容積に分離する、可動な障壁と、
前記塗料材料容積と前記投与流体容積の内の一方は、前記容積の内の一方の表面を、前記容積の他方の表面に変換しないで、前記塗料材料容積と前記投与流体容積の内の他方内へ拡大可能であり、
該キャニスターは、前記投与流体容積内へと接続し且つそこから外へと接続する投与流体経路と、前記塗装材料容積内へと接続し且つそこから外へと接続する塗装材料経路を更に備えており、
前記経路は、前記殻の同じ端部に入り口と出口を有するキャニスター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−536666(P2008−536666A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506626(P2008−506626)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/013618
【国際公開番号】WO2006/113264
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(591203428)イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド (309)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/013618
【国際公開番号】WO2006/113264
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(591203428)イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド (309)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]