説明

静電噴霧装置

【課題】噴霧溶液を貯留する液体容器(31)と、液体容器(31)に接続されたノズル部材(32)と、電圧の印加によりノズル部材(32)から溶液を噴霧するための静電噴霧機構とを備えた静電噴霧装置の使用後にノズル部材(32)の先端から液が出てしまうのを簡単な構造で確実に防止できるようにする。
【解決手段】柔軟な袋状の密閉容器により形成した液体容器(31)を圧搾して溶液をノズル部材に供給する圧搾機構と、ノズル部材の内部に作用する使用停止後の残圧を解除する残圧解除機構(36)とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電噴霧装置に関し、特に、静電噴霧装置の使用停止後に噴霧ノズル(ノズル部材)の先端から溶液が滴下するのを防止する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば人体に有用な物質を含む溶液を室内へ噴霧するため、噴霧溶液を収納した噴霧容器の先端に噴霧ノズル(ノズル機構)を設けて、この噴霧ノズルに電圧を印加することにより溶液を噴霧するようにした静電噴霧装置が用いられている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1の静電噴霧装置は、長方形の箱形容器の短辺側の下端部に噴霧ノズルが設けられている。
【0003】
この静電噴霧装置では、噴霧動作時に噴霧ノズル の先端を開放する一方、噴霧停止時に該噴霧ノズルの先端を遮閉する開閉蓋が設けられている。この構成においては、静電噴霧装置の使用後に噴霧ノズルの先端に蓋をすると、溶液が滴下するのを防止できる。従って、静電噴霧装置の周囲を溶液で汚したり、静電噴霧装置を携帯する場合に鞄の中が溶液で濡れたりするのを防止できる。
【特許文献1】特開2006−231133号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、噴霧ノズルの蓋を閉めても閉塞状態が緩いと溶液が噴霧ノズルと蓋の間からにじみ出すおそれがあり、その場合は、結局、静電噴霧装置の周囲や鞄の中などを汚してしまうことになる。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電噴霧装置の使用後に噴霧ノズルの先端から液が出てしまうのを簡単な構造で確実に防止できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、噴霧溶液を貯留する液体容器(31)と、該液体容器(31)に接続されたノズル部材(32)と、電圧の印加によりノズル部材(32)から溶液を噴霧するための静電噴霧機構(35)とを備えた静電噴霧装置を前提としている。
【0007】
そして、この静電噴霧装置は、上記液体容器(31)が柔軟な袋状の密閉容器により形成され、上記袋状の液体容器(31)を圧搾して溶液をノズル部材(32)に供給する圧搾機構(23)と、ノズル部材(32)の内部に作用する使用停止後の残圧を解除する残圧解除機構(36)とを備えていることを特徴としている。ここで、残圧の「解除」は、残圧を実質的に除去することを意味している。
【0008】
この第1の発明では、圧搾機構(23)により袋状の液体容器(31)が圧搾されて溶液がノズル部材(32)に供給され、溶液に電圧が印加されることにより溶液が噴霧される。袋状の液体容器(31)には圧力が加えられているので、装置を止めた後もノズル部材(32)の先端に圧力が残ることがある。そして、ノズル部材(32)の先端に圧力がかかっていると、溶液がノズル部材(32)から滴下して周囲を汚したり、静電噴霧装置を携帯する場合に鞄の中が溶液で濡れたりすることが考えられるが、本発明では、ノズル部材(32)の内部に作用する使用停止後の残圧を解除する残圧解除機構(36)を設けたことにより、ノズル部材(32)から溶液が押し出されるのを防止できる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、ノズル部材(32)の内部には、液体容器(31)を圧搾することによりノズル部材(32)に供給された溶液がノズル部材(32)から浸出する量を単位時間当たり所定量以下に規制する抵抗手段(38)が設けられ、上記残圧解除機構(36)が、使用後の上記抵抗手段(38)の通路抵抗を使用中よりも小さくするように構成されていることを特徴としている。
【0010】
この第2の発明では、使用後にノズル部材(32)の先端に作用する残圧を、抵抗手段(38)の通路抵抗を使用中よりも小さくすることにより実質的に除去することができる。残圧を除去すると、ノズルから溶液が押し出されるのを防止できる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、上記抵抗手段(38)が、上記ノズル部材(32)の内部に通路抵抗を与える通路抵抗部材(38)を備え、上記残圧解除機構(36)が、上記通路抵抗部材(38)を液体の流路から退避させることが可能に構成されていることを特徴としている。
【0012】
この第3の発明では、使用後にノズル部材(32)の先端に作用する残圧を、通路抵抗部材(38)を液体の流路から退避させることにより除去することができる。残圧を除去すると、ノズルから溶液が押し出されるのを防止できる。
【0013】
第4の発明は、第1の発明において、ノズル部材(32)の内部には、液体容器(31)を圧搾することによりノズル部材(32)に供給された溶液がノズル部材(32)から浸出する量を単位時間当たり所定量以下に規制する抵抗手段(33)が設けられ、上記残圧解除機構(36)が、抵抗手段(33)を挟んで位置するノズル部材(32)側の部分と液体容器(31)側の部分とを均圧化する均圧機構(39)により構成されていることを特徴としている。
【0014】
この第4の発明では、使用後にノズル部材(32)の先端に作用する残圧を、抵抗手段(33)を挟んで位置するノズル部材(32)側の部分と液体容器(31)側の部分とを均圧化することにより除去することができる。残圧を除去すると、ノズルから溶液が押し出されるのを防止できる。
【0015】
第5の発明は、第4の発明において、上記均圧機構(39)が、液体容器(31)の容積を拡大する機構により構成されていることを特徴としている。
【0016】
この第5の発明では、液体容器(31)の容積を拡大することで、使用後にノズル部材(32)の先端に作用する残圧を除去することができる。そして、残圧を除去すると、ノズルから溶液が押し出されるのを防止できる。
【0017】
第6の発明は、第4の発明において、上記均圧機構(39)が、補助容器(39a)と、上記液体容器(31)と補助容器(39a)とを連通する均圧通路(39b)と、均圧通路(39b)を開閉する均圧弁(39c)とを備えていることを特徴としている。
【0018】
この第6の発明では、均圧弁(39c)を開くことにより液体容器(31)と補助容器(39a)とを均圧通路(39b)を介して連通させることにより、使用後にノズル部材(32)の先端に作用する残圧を除去することができる。そして、残圧を除去すると、ノズルから溶液が押し出されるのを防止できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、圧搾機構(23)により袋状の液体容器(31)が圧搾されて溶液がノズル部材(32)に供給され、そこで電圧が印加されることにより溶液が噴霧されるが、袋状の液体容器(31)には圧力が加えられているので、装置を止めた後もノズル部材(32)の先端に圧力が残ることがある。そして、ノズル部材(32)の先端に圧力がかかっていると、溶液がノズル部材(32)から滴下して周囲を汚したり、静電噴霧装置を携帯する場合に鞄の中が溶液で濡れたりすることが考えられるが、本発明では、ノズル部材(32)の内部に作用する使用停止後の残圧を解除する残圧解除機構(36)を設けたことにより、ノズルから溶液が押し出されるのを防止できる。したがって、静電噴霧装置の周囲や鞄の中などを汚してしまうのを防止できる。
【0020】
上記第2の発明によれば、使用後にノズル部材(32)の先端に作用する残圧を、抵抗手段(38)の通路抵抗を使用中よりも小さくすることにより除去することができる。残圧を解除すると、ノズルから溶液が押し出されるのを防止できる。したがって、静電噴霧装置の周囲や鞄の中などを汚してしまうのを防止できる。
【0021】
上記第3の発明によれば、使用後にノズル部材(32)の先端に作用する残圧を、通路抵抗部材(38)を液体の流路から退避させることにより除去することができる。残圧を除去すると、ノズルから溶液が押し出されるのを防止できる。したがって、静電噴霧装置の周囲や鞄の中などを汚してしまうのを防止できる。また、通路抵抗部材(38)を退避させるだけでよいので、簡単な構成で残圧除去を実現できる。
【0022】
上記第4の発明によれば、使用後にノズル部材(32)の先端に作用する残圧を、抵抗手段(33)を挟んで位置するノズル部材(32)側の部分と液体容器(31)側の部分とを均圧化することにより除去することができる。残圧を除去すると、ノズルから溶液が押し出されるのを防止できる。したがって、静電噴霧装置の周囲や鞄の中などを汚してしまうのを防止できる。
【0023】
上記第5の発明によれば、液体容器(31)の容積を拡大することで、使用後にノズル部材(32)の先端に作用する残圧を除去することができる。そして、残圧を除去すると、ノズルから溶液が押し出されるのを防止できる。したがって、静電噴霧装置の周囲や鞄の中などを汚してしまうのを防止できる。
【0024】
上記第6の発明によれば、均圧弁(39c)を開くことにより液体容器(31)と補助容器(39a)とを均圧通路(39b)を介して連通させることにより、使用後にノズル部材(32)の先端に作用する残圧を除去することができる。そして、残圧を除去すると、ノズルから溶液が押し出されるのを防止できる。したがって、静電噴霧装置の周囲や鞄の中などを汚してしまうのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。
【0027】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る静電噴霧装置(10)は、噴霧溶液を貯留する液体の供給源としての液体容器(31)と該液体容器(31)に接続されたノズル部材(32)とを有するノズル機構(34)と、液体への電圧の印加によりノズル部材(32)から溶液を噴霧するための静電噴霧機構(35)とを備えた静電噴霧装置であって、ケーシングである本体部(20)と、噴霧カートリッジ(30)とを備えている。この静電噴霧装置(10)では、噴霧カートリッジ(30)が、本体部(20)に対して着脱自在に装填されるようになっている。
【0028】
噴霧カートリッジ(30)は、扁平な袋状容器として構成された容器部(液体容器)(31)と、容器部(31)内に連通するノズル部材(噴霧ノズル)(32)とを備えている。容器部(31)とノズル部材(32)は、一体に形成してもよいし、別々の部品を組み合わせて形成してもよい。噴霧カートリッジ(30)は、容器部(31)が圧迫されると、容器部(31)内の液体(噴霧溶液)がノズル部材(32)を通じて排出されるように構成されている。噴霧カートリッジ(30)は、容器部(31)内の液体がなくなるか少なくなると交換される。
【0029】
容器部(31)は、液体(噴霧溶液)が浸透しない比較的柔軟な材料によって形成されている。図3に示すように、容器部(31)は、2枚の矩形状シート(31a)を重ね合わせることによって形成されている。2枚の矩形状シート(31a)は、4辺のうちの3辺が互いに貼り合わされ、1辺がノズル部材(32)の菱形状の基部(32a)を介して接続されている。容器部(31)の内部には、空気が混入しない状態で、保湿成分や抗酸化成分を含んだスキンケア用の液体(例えばヒアルロン酸を含む溶液)が貯留されている。このスキンケア用の液体は、電気抵抗率が1.0×10Ωcm以上1.0×10Ωcm以下の範囲の値になるように濃度が調整されている。
【0030】
ノズル部材(32)は、例えば樹脂製で、断面円形のノズル部(32b)が上記基部(32a)と一体的に形成されたものである。また、ノズル部材(32)のノズル部(32b)は、基端部から中央部までの外径が一様になっており、中央部から先端部までの外径が先端に近づくに従って小さくなっている。
【0031】
ノズル部材(32)は、基部(32a)の中央部にノズル部(32b)が設けられている。図3に示すように、ノズル部材(32)には、後述する本体側電極と前端が接触するカートリッジ側電極(16)が設けられている。このカートリッジ側電極(16)は、容器部(31)内の液体に接触することができるように、ノズル部材(32)の基部(32a)の後端から後方へも突出している。このカートリッジ側電極(16)は、ノズル部材(32)の先端部に電界を形成するための電界形成部(16)を構成している。
【0032】
ノズル機構(34)の詳細は図2には示していないが、その拡大断面図である図4及び図5に示すように、ノズル部(32b)は液体が流出する先細の液体流路(32c)を備えている。液体流路(32c)は、ノズル部(32b)の形状に沿って、中間より前方が先細の円錐状で、中間より後方が面積一定の円形断面になっている。このノズル部(32b)には、その不使用時に上記液体流路(32c)に滞留した液体を該液体流路(32c)の先端から後退させる液体退避機構(36)が設けられている。この液体退避機構(36)は、上記液体流路(32c)の先端よりも後方で負圧を発生させて、使用停止後にノズル部材(32)の内部に作用する残圧を解除する残圧解除機構(37)を構成している。
【0033】
残圧解除機構(37)は、具体的には、液体流路(32c)における先端よりも後方で第1位置(図4)と該第1位置よりも後方の第2位置(図5)とに進退可能な移動部材(33)を備えている。この移動部材(33)は、円柱状のスプール(33a)を備え、第1位置より後方の第2位置へ後退することにより、液体流路(32c)の先端より後方に負圧が発生するように構成されている。つまり、上記移動部材(33)を第2位置に設定すると、該移動部材(33)のスプール(33a)の先端面(33b)とノズル部(32b)の液体流路(32c)の先端との間に形成される空間の容積が図5の2点鎖線で示す位置から実線で示す位置の差の分だけ、第1位置に設定した状態よりも大きくなるので、液体流路(32c)の先端より後方に負圧が発生する。この部分に負圧が発生すると、ノズル部(32b)の先端に溜まっている液体が液体流路(32c)の後方へ引き込まれる(図5)とともに、使用後の残圧が除去される。
【0034】
上記移動部材(33)は、ユーザーが該移動部材(33)をノズル部(32b)の前後方向へ操作するための操作部(33c)を備えている。操作部(33c)は、スプール(33a)からほぼ直交するように突出している。ノズル部(32b)には、この操作部(33c)が貫通する操作用長孔(32d)が設けられていて、この操作用長孔(32d)により移動部材(33)をノズル部(32b)の前後方向へ移動させることが可能になっている。操作部(33c)と操作用長孔(32d)は、伸縮可能なシール材(32e)で隙間が塞がれている。また、移動部材(33)の後端部にはOリング(33d)が装着され、このOリング(33d)が液体流路(32c)の内面に密に接している。
【0035】
ノズル部(32b)の後端部には、上記移動部材(33)を第1位置に設定すると液体容器と液体流路(32c)の先端とが連通する連通路(32f)が設けられている。一方、上記移動部材(33)には、該移動部材(33)を第2位置に設定すると、上記連通路(32f)を閉塞して液体容器と液体流路(32c)の先端との連通状態を遮断する閉塞部(33e)が形成されている。
【0036】
上記本体部(20)は、ハウジング(21)と、台座用部材(22)と、押圧機構(圧搾機構)(23)と、電源部(24)とを備えている。押圧機構(23)は、容器部(31)を圧搾して液体をノズル部材(32)に供給するように押圧荷重が定められている。上記液体流路(32c)と移動部材(33)のスプール(33a)との間の隙間寸法や、該液体流路(32c)の先端の直径は、単位時間当たりのノズル部材(32)からの液体の浸出量を所定量以下に規制する流路抵抗となるように定められている。
【0037】
ハウジング(21)は、対になった第1ケース(41)と第2ケース(42)とを備えている。第1ケース(41)と第2ケース(42)とは、ハウジング(21)が開閉するように一端が蝶番(46)で連結されている。閉じた状態のハウジング(21)は、平面視で円形状に形成され、側面視で楕円形状に形成されている。第1ケース(41)と第2ケース(42)とは、概ね同じ形状である。第2ケース(42)には、ハウジング(21)が意図せずに開くことを防止するために、第1ケース(41)に掛止される爪状部材(48)が設けられている。
【0038】
この静電噴霧装置(10)では、第2ケース(42)が第1ケース(41)の下側に位置するようにハウジング(21)が設置される。第2ケース(42)には、ハウジング(21)を支持するための脚部が設けられている(図示省略)。なお、ハウジング(21)には、ハウジング(21)に取り付けられた噴霧カートリッジ(30)のノズル部材(32)の角度を調節するための角度調節機構を設けてもよい。また、上記脚部を、ノズル部材(32)の角度を調節できるように構成してもよい。
【0039】
台座用部材(22)は、第2ケース(42)の上方の開放端を覆うように第2ケース(42)に取り付けられている。台座用部材(22)の真ん中付近には、容器部(31)を設置するための容器設置部(容器保持部)(43)が形成されている。容器設置部(43)は、矩形の窪み状に形成されている。容器設置部(43)の平面形状は、容器部(31)の平面形状と概ね同じ大きさである。容器設置部(43)は、深さが一様になっている。容器設置部(43)の側壁面は、底面に向かって窄まるように傾斜している。
【0040】
台座用部材(22)の外周部分には、蝶番(46)の逆側の位置に切り欠き部(44)が形成されている。切り欠き部(44)には、ノズル部材(32)を保持するためのノズル保持部材(45)が設けられている。ノズル保持部材(45)は、ノズル部材(32)を挟持可能に構成されている。ノズル保持部材(45)の近傍には、カートリッジ側電極(16)に接触する本体側電極が設けられている(図示省略)。本体側電極は、後述する電源部(24)に接続されている。そして、ノズル部材(32)、カートリッジ側電極(16)、本体側電極及び電源部(24)により、静電噴霧機構(35)が構成されている。
【0041】
押圧機構(23)は、第1ケース(41)に設けられている。押圧機構(23)は、定荷重ゼンマイ(25)と、押圧部材(26)と、一対のガイド部材(27)とを備えている。押圧機構(23)は、定荷重ゼンマイ(25)で発生する荷重によって押圧部材(26)を下方へ移動させることによって容器部(31)を押圧するように構成されている。
【0042】
具体的に、定荷重ゼンマイ(25)は、全長に亘って概ね一定の曲率で巻かれているゼンマイである。定荷重ゼンマイ(25)は、ストロークが所定値を超えると、それ以上ストロークが大きくなっても復元力が一定になるという特性を有している。定荷重ゼンマイ(25)は、ゼンマイドラム(28)に巻き付けられている。ゼンマイドラム(28)は、第1ケース(41)に回転自在に支持されている。定荷重ゼンマイ(25)の外側端部は、押圧部材(26)の背面(図の上面)から突出する突出部(26a)の先端に連結されている。
【0043】
なお、定荷重ゼンマイ(25)は、所定のストローク以上に伸びているときに定荷重が得られるものである。そこで、この定荷重ゼンマイ(25)は、ハウジング(21)が閉じた状態において、押圧部材(26)が容器設置部(43)の底面に接触する状態、すなわち、ストロークが最短になる状態でも上記の所定のストロークが得られていて、そのストロークの大きさが定荷重ゼンマイ(25)の荷重が一定になる範囲になるように設けられている。このため、押圧部材(26)が容器設置部(43)の底面よりも上方に位置する状態では、定荷重ゼンマイ(25)の復元力は常に一定になる。
【0044】
押圧部材(26)は、容器設置部(43)に設置された容器部(31)に接触してその容器部(31)を押圧するための部材である。押圧部材(26)は、台座用部材(22)に対面するように設けられている。そして、押圧部材(26)と台座用部材(22)とは、図6に示すように、一対の挟み部材を構成している。
【0045】
押圧部材(26)は、台座用部材(22)の容器設置部(43)に対応した形状に形成されている。押圧部材(26)は、容器部(31)に接触する接触部(26b)の下面が平坦面になっている。この平坦面の大きさは、容器設置部(43)の底面よりも僅かに小さくなっている。この平坦面は、容器部(31)の一端側(後端側)から他端側(先端側)に亘って当接する。
【0046】
一対のガイド部材(27)は、共に細長い板状の部材である。一対のガイド部材(27)は、共に基端が第1ケース(41)に固定されている。一方のガイド部材(27)は第1ケース(41)の前側に、他方のガイド部材(27)は第1ケース(41)の後側に設けられている。
【0047】
各ガイド部材(27)には、長手方向に沿う長穴(27a)が形成されている。各ガイド部材(27)の長穴(27a)には、押圧部材(26)の両端部が係合している。各ガイド部材(27)は、押圧部材(26)をガイド部材(27)の長手方向に沿って可動に支持している。一対のガイド部材(27)は、ハウジング(21)が閉じた状態において、押圧部材(26)が容器設置部(43)の底面に対して平行に保たれた状態で移動するように、押圧部材(26)を支持している。
【0048】
電源部(24)は、容器部(31)内の液体に電圧を印加するためのものである。電源部(24)は、第2ケース(42)に設けられている。電源部(24)は、第2ケース(42)に収納された電池からの出力電圧を、例えば6kVの高電圧に変換して、本体側電極に出力するように構成されている。本体側電極に出力された電圧は、カートリッジ側電極(16)を介して、容器部(31)内の液体に印加される。なお、電源部(24)は、例えば5kV以上11kV以下の値に電圧を変換するように構成されていればよい。
【0049】
−運転動作−
本実施形態の静電噴霧装置(10)の運転動作について説明する。この静電噴霧装置(10)では、いわゆるコーンジェットモードのEHD噴霧が行われる。
【0050】
この静電噴霧装置(10)は、使用者が噴霧カートリッジ(30)をハウジング(21)の容器設置部(43)に設置してからハウジング(21)を閉じると、運転可能な状態になる。噴霧カートリッジ(30)を設置すると、定荷重ゼンマイ(25)のストロークが、噴霧カートリッジ(30)の設置前に比べて容器部(31)の厚みの分だけ大きくなる。この状態では、定荷重ゼンマイ(25)で発生する荷重によって容器部(31)が押圧(圧搾)されている。そして、この状態で、使用者が電源部(24)をオン状態に設定すると、液体の噴霧が開始される。
【0051】
具体的に、定荷重ゼンマイ(25)で発生する荷重によって押圧部材(26)が下方へ移動することによって、容器部(31)が圧縮され、容器部(31)内の液体がノズル部材(32)の先端に送り込まれる。ここで、ノズル部材(32)の流路抵抗が大きいので、容器部(31)内の液体は少しずつノズル部材(32)の先端に供給される。容器部(31)内の液体が減少するのに伴って定荷重ゼンマイ(25)のストロークの長さは変化するが、定荷重ゼンマイ(25)で発生する荷重は一定であるため、ノズル部材(32)内の液体の圧力は常に一定である。
【0052】
一方、電源部(24)がオン状態になると、電源部(24)から出力された電圧が容器部(31)内の液体に印加されて、ノズル部材(32)の先端に電界が形成される。ノズル部材(32)の先端に電界が形成されると、ノズル部材(32)の先端に供給された液体が分極し、ノズル部材(32)の先端の気液界面近傍に+(プラス)の電荷が集まる。そして、ノズル部材(32)の先端では、気液界面が引き延ばされて円錐状となり、この円錐状となった気液界面の頂部から一部の水溶液が引きちぎられて液滴化する。
【0053】
なお、この実施形態の印加電圧の大きさ、及び液体の電気抵抗率であれば、ノズル部材(32)から飛散する液滴の大きさは、概ね50μmから200μmの範囲の大きさになる。ノズル部材(32)から飛散した液体は、ノズル部材(32)の先端から40から60cm程度離れた距離まで到達する。使用者が、50cm程度前方に、顔面にノズル部材(32)を向けて静電噴霧装置(10)を設置すると、飛散した液滴が使用者の顔面に付着する。
【0054】
一方、この静電噴霧装置(10)のノズル機構(34)では、ノズル部材(32)の不使用時には、使用停止後の液体流路(32c)に液体が滞留していても、残圧解除機構(37)(液体退避機構(36))で液体流路(32c)の先端よりも後方で負圧が発生することにより、使用停止後の残圧が実質的に除去されるとともに上記液体が負圧側に引っ張られて先細の液体流路(32c)の先端から退避する。液体が液体流路(32c)の先端から退避すると、液体流路(32c)の先端に液体が満たされていない状態となる。したがって、ノズル部材(32)の先端から液体が滴下することはない。
【0055】
また、ノズル部材(32)の不使用時に残圧を解除するのは、残圧解除機構(37)の移動部材(33)を第1位置から第2位置へ移動させるだけでよい。こうすることにより、移動部材(33)の先端面(33b)とノズル部材(32)の液体流路(32c)の先端との間に形成される空間の容積が、第1位置に設定した状態よりも大きくなることにより、液体流路(32c)の先端より後方に負圧が発生して残圧が解除される。
【0056】
この実施形態では、移動部材(33)を第1位置に設定すると液体の供給源と液体流路(32c)の先端とが連通するから、液体を供給源からノズル部材(32)に供給し、噴霧や注出を行うことができるが、移動部材(33)を後退させて第2位置に設定すると、ノズル部材(32)の先端に貯留している液体が先端よりも後方に退避するとともに、液体が供給源からノズル部材(32)へ供給されなくなる。つまり、液体流路(32c)へ液体が入っていかないので、ノズル部材(32)の先端から液体が滴下するのを確実に防止できる。
【0057】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、残圧解除機構(37)(液体退避機構(36))で液体流路(32c)の先端よりも後方に負圧を発生させることにより、ノズル部材(32)の不使用時には、使用停止後の残圧が実質的に除去されるとともに、液体流路(32c)に滞留した液体が負圧側に引っ張られて先細の液体流路(32c)の先端から退避する。液体が液体流路(32c)の先端から退避すると、液体流路(32c)の先端に液体が満たされていない状態となるので、ノズル部材(32)の先端から液体が滴下することはない。したがって、ノズル部材(32)の周囲を液体で濡らしたり、静電噴霧装置(10)を携帯する場合に鞄の中が溶液で濡れたりする問題が生じない。
【0058】
また、この実施形態によれば、ノズル部材(32)の不使用時に、残圧解除機構(37)の移動部材(33)を第1位置から第2位置へ移動させることにより、移動部材(33)の先端面(33b)とノズル部材(32)の液体流路(32c)の先端との間に形成される空間の容積が、第1位置に設定した状態よりも大きくなることにより、液体流路(32c)の先端より後方に負圧が発生して残圧が解除される。このように、移動部材(33)を第1位置と第2位置の間で移動させるだけで残圧解除機構(37)を作用させることができるため、構成を簡素化することが可能となる。
【0059】
さらに、この実施形態によれば、移動部材(33)を第1位置に設定すると液体の供給源と液体流路(32c)の先端とが連通するから、液体を供給源からノズル部材(32)に供給し、噴霧を行うことができる。一方、移動部材(33)を第2位置に設定すると、ノズル部材(32)の先端に貯留している液体が先端よりも後方に退避するとともに、液体が供給源からノズル部材(32)へ供給されなくなる。つまり、液体流路(32c)へ液体が入っていかないので、ノズル部材(32)の周囲を液体で濡らしたり、静電噴霧装置を携帯する場合に鞄の中が溶液で濡れたりするのを確実に防止できる。
【0060】
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2に係る静電噴霧装置(10)は、ノズル機構(34)の構造を実施形態1とは異なるようにした例である。
【0061】
図7に示すように、このノズル機構(34)では、ノズル部材(32)のノズル部(32b)が基部(32a)の片側の端部に設けられていて、L字形状を呈している。これに伴って、ノズル部材(32)の内部の液体流路(32c)もL字形状に形成されている。液体流路(32c)は、基部(32a)側の第1流路(32c-1)と、ノズル部(32b)側の第2流路(32c-2)とから構成されている。第1流路(32c-1)は、連通孔(32g)を介して液体容器(31)の内部と連通している。
【0062】
ノズル部材(32)の第1流路(32c-1)には、液体容器(31)を圧搾することによりノズル部材(32)に供給された溶液がノズル部材(32)から浸出する量を単位時間当たり所定量以下に規制する通路抵抗部材(抵抗手段)(38)が設けられている。通路抵抗部材(38)は、第1流路(32c-1)に嵌合する軸部(38a)と、この軸部(38a)の一端に形成されたストッパ部(38b)とを有している。軸部(38a)には螺旋溝(38c)が形成され、ストッパ部(38b)は円板状に形成されている。ノズル部材(32)の第1流路(32c-1)は内周が平滑な円筒面であり、通路抵抗部材(38)の軸部(38a)が嵌合すると、上記ノズル部材(32)の内部に通路抵抗を与える螺旋状の微細流路(38d)が形成されるようになっている。また、基部(32a)の一端には通路抵抗部材(38)のストッパ部(38b)がはまり込む座ぐり孔(32h)が形成されていて、ノズル部材(32)の基部(32a)に対する通路抵抗部材(38)の差し込み深さが規制されるようになっている。
【0063】
この実施形態において、上記残圧解除機構(36)は、使用停止後の上記微細流路(38d)の通路抵抗を使用中よりも小さくするように構成されている。具体的には、上記残圧解除機構(36)は、上記通路抵抗部材(38)の先端(図の下端)を図において連通孔(32g)の上方の位置まで液体の流路から退避させることで、使用停止後のノズル部(32b)内の残圧を解除することが可能に構成されている。
【0064】
その他の構成は実施形態1と同じである。そのため、具体的な説明は省略する。
【0065】
この実施形態では、静電噴霧装置(10)の使用中には液体容器(10)から微細流路(38d)を通って液体が少しずつノズル部(32b)の先端に供給され、液体に印加される電圧の作用によりノズル部(32b)の先端から液体が噴霧される。
【0066】
液体容器(10)内の液体がなくなって使用停止する際は、使用中に定荷重ゼンマイ(25)から加えられていた荷重による圧力がノズル部(32b)の内部に残る。このとき、電圧の印加を停止してしまうと、ノズル部材(32)の先端から液体が滴下するが、本実施形態では通路抵抗部材(38)を図7の仮想線で示す位置まで退避させることにより残圧を解除できるため、液体がノズル部材(32)から押し出されない。したがって、ノズル部材(32)の周囲を液体で濡らしたり、静電噴霧装置(10)を携帯する場合に鞄の中を溶液で濡らしたりする問題が生じない。
【0067】
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3は、ノズル機構(34)の基本的な構成は実施形態1と同じであるが、残圧解除機構(36)を実施形態1とは異なるようにした例である。
【0068】
図8に示すように、この実施形態において、ノズル部材(32)の内部には、液体容器(31)を圧搾することによりノズル部材(32)に供給された溶液がノズル部材(32)から浸出する量を、単位時間当たり所定量以下に規制する抵抗手段(33)が設けられている。この抵抗手段(33)は、上記移動部材(33)により構成されている。
【0069】
そして、上記残圧解除機構(36)は、移動部材(33)を挟んで両側に位置するノズル部材(32)側の部分(空間)と液体容器(31)側の部分(空間)とを均圧化する均圧機構(39)により構成されている。この均圧機構(39)は、噴霧停止後の液体容器(31)の上面を上方へ引っ張り上げることにより、その液体容器(31)の容積を拡大する構造になっている。
【0070】
その他の構成は実施形態1と同じである。
【0071】
この実施形態3では、噴霧停止とともに液体容器(31)の上側を均圧機構(39)により上方へ引っ張り上げることで、抵抗手段(33)を挟んで位置するノズル部材(32)側の部分と液体容器(31)側の部分とが均圧化され、ノズル部材(32)の内部に作用する残圧が解除される。したがって、以後は液体がノズル部材(32)から押し出されないので、ノズル部材(32)の周囲を液体で濡らしたり、静電噴霧装置(10)を携帯する場合に鞄の中を溶液で濡らしたりする問題が生じない。
【0072】
−実施形態3の変形例−
図8の例では、均圧機構(39)によって使用停止後の液体容器(31)の上面を上方へ引っ張り上げることにより、その液体容器(31)の容積を拡大する例を説明したが、均圧機構(39)は図9の変形例のように構成してもよい。
【0073】
この図9の変形例では、均圧機構(39)は、補助容器(39a)と、液体容器(31)と補助容器(39a)とを連通する均圧通路(39b)と、均圧通路(39b)を開閉する均圧弁(39c)とを備えている。また、均圧通路(39b)には、均圧弁(39c)を開閉するための操作部材(39d)が設けられている。
【0074】
均圧弁(39c)を閉じた状態で液体容器(31)を圧搾すると、液体容器(31)内の圧力は保持されるが、噴霧停止後に均圧弁(39c)を開くと、ノズル部材(32)内に残っている圧力が液体容器(31)から均圧通路(39b)を通って補助容器(39a)へ逃げることになり、その結果として、ノズル部材(32)内の残圧が除去される。
【0075】
したがって、以後は液体がノズル部材(32)から押し出されないので、ノズル部材(32)の周囲を液体で濡らしたり、静電噴霧装置(10)を携帯する場合に鞄の中を溶液で濡らしたりする問題が生じない。
【0076】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0077】
例えば、上記実施形態では、ノズル部材(32)内の残圧を解除する機構として、負圧を発生させる機構や、通路抵抗部材(38)を液体通路から取り除く機構や、通路抵抗部材(38)である移動部材(33)を挟んで位置するノズル部材(32)側の部分と液体容器(31)側の部分を均圧化する機構などを説明したが、残圧解除機構はこれらの機構に限定されるものではなく、その他の任意の機構を採用してもよい。
【0078】
また、静電噴霧装置(10)の全体についての具体的な構成や、ノズル機構(34)についての具体的な構成なども、本発明を製品として実施するに当たっては適宜変更することが可能である。
【0079】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上説明したように、本発明は、静電噴霧装置の使用停止後に噴霧ノズル(ノズル部材)の先端から溶液が滴下するのを防止する構成について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態に係る静電噴霧装置を開いた状態の斜視図である。
【図2】図1の静電噴霧装置の内部構造を示す縦断面図である。
【図3】噴霧カートリッジの斜視図である。
【図4】噴霧カートリッジのノズル機構の拡大断面図(第1位置)である。
【図5】噴霧カートリッジのノズル機構の拡大断面図(第2位置)である。
【図6】押圧部の動作を示す側面図である。
【図7】実施形態2に係る静電噴霧装置の要部拡大断面図である。
【図8】実施形態3に係る静電噴霧装置の噴霧カートリッジの断面図である。
【図9】実施形態3の変形例に係る静電噴霧装置の噴霧カートリッジの断面図である。
【符号の説明】
【0082】
10 静電噴霧装置
20 ケーシング
23 押圧機構(圧搾機構)
30 噴霧カートリッジ
31 液体容器
32 ノズル部材(噴霧ノズル)
33 移動部材(抵抗手段)
35 静電噴霧機構
36 残圧解除機構
38 通路抵抗部材(抵抗手段)
39 均圧機構
39a 補助容器
39b 均圧通路
39c 均圧弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧溶液を貯留する液体容器(31)と、該液体容器(31)に接続されたノズル部材(32)と、電圧の印加によりノズル部材(32)から溶液を噴霧するための静電噴霧機構(35)とを備えた静電噴霧装置であって、
上記液体容器(31)が柔軟な袋状の密閉容器により形成され、
上記袋状の液体容器(31)を圧搾して溶液をノズル部材(32)に供給する圧搾機構(23)と、ノズル部材(32)の内部に作用する使用停止後の残圧を解除する残圧解除機構(36)とを備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
【請求項2】
請求項1において、
ノズル部材(32)の内部には、液体容器(31)を圧搾することによりノズル部材(32)に供給された溶液がノズル部材(32)から浸出する量を単位時間当たり所定量以下に規制する抵抗手段(38)が設けられ、
上記残圧解除機構(36)は、使用後の上記抵抗手段(38)の通路抵抗を使用中よりも小さくするように構成されていることを特徴とする静電噴霧装置。
【請求項3】
請求項2において、
上記抵抗手段(38)は、上記ノズル部材(32)の内部に通路抵抗を与える通路抵抗部材(38)を備え、
上記残圧解除機構(36)は、上記通路抵抗部材(38)を液体の流路から退避させることが可能に構成されていることを特徴とする静電噴霧装置。
【請求項4】
請求項1において、
ノズル部材(32)の内部には、液体容器(31)を圧搾することによりノズル部材(32)に供給された溶液がノズル部材(32)から浸出する量を単位時間当たり所定量以下に規制する抵抗手段(33)が設けられ、
上記残圧解除機構(36)は、抵抗手段(33)を挟んで位置するノズル部材(32)側の部分と液体容器(31)側の部分とを均圧化する均圧機構(39)により構成されていることを特徴とする静電噴霧装置。
【請求項5】
請求項4において、
上記均圧機構(39)は、液体容器(31)の容積を拡大する機構により構成されていることを特徴とする静電噴霧装置。
【請求項6】
請求項4において、
上記均圧機構(39)は、補助容器(39a)と、上記液体容器(31)と補助容器(39a)とを連通する均圧通路(39b)と、均圧通路(39b)を開閉する均圧弁(39c)とを備えていることを特徴とする静電噴霧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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