説明

静電容量式タッチパネルを備える電子機器と通信する外部入出力装置および、通信方法。

【課題】ユーザが自由にアプリケーションを追加可能なスマートフォン、電子音楽プレーヤー等の電子機器は、外部入出力装置と有線通信するためにUSBポートやシリアルポートといった通信手段を備えていることが多いが、これの通信手段は、セキュリティ上の理由等から、前記アプリケーションからはアクセスできないことが多い。
【解決手段】
上記のような電子機器は、静電容量式等の方式のタッチディスプレーを備えることが多い。本発明はこれを利用し、外部入出力装置が人体とディスプレーとの導通/非導通を制御することで、外部入出力装置から電子機器に信号を送ることを特徴とする。
本発明のもう一つの特徴は、外部入出力装置が、さらに受光素子を備え、電子機器がディスプレー上に表示する信号をこの受光素子を使って受信することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
静電容量式タッチパネルを備える電子機器と通信する外部入出力装置および、通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが自由にアプリケーションを追加可能なスマートフォン、電子音楽プレーヤー等の電子機器は、外部入出力装置と有線通信するためにUSBポートやシリアルポートといった通信手段を備えていることが多い。しかし、これの通信手段は、セキュリティ上の理由等から、前記アプリケーションからはアクセスできないことが多い。ところで、上記のような電子機器は、静電容量式等の方式のタッチディスプレーを備えることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、以上のような問題点を解決するために成されたものであり、上記のような外部入出力装置との通信インターフェースが制限された端末において、簡単な構成で外部の機器と通信するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
外部入出力装置は、受光素子および、伝導性の端子を備え、外部入出力装置は受光素子を使って、電子機器の表示装置からデータを受信し、伝導性の端子を使って表示装置を介して電子機器にデータを送信する。
外部入出力装置は、人体等の、静電気を逃がす物体と接触する端子と、この端子と表示装置に接触する端子の導通/非導通を制御する制御手段を有している。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の外部入出力装置のブロック図である。
【図2】本発明のタッチ位置の検出原理を説明するための図である。
【図3】本発明のディスプレー端子(データ)のパターン図の第1の例を示す図である。
【図4】本発明のディスプレー端子(データ)のパターン図の第2の例を示す図である。
【図5】本発明のディスプレー端子(データ)のパターン図の第3の例を示す図である。
【図6】本発明の第1の応用例を示す図である。
【図7】本発明の変形例1の原理を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の応用例を示す図である。
【図9】本発明の第3の応用例を示す図である。
【図10】本発明の変形例2の原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明を実施するための形態を、図を用いて説明する。
以下では、導電、導通等の用語を用いるが、これは本発明であは、静電気的に導電、導通をすることを意味する。
一般に,静電容量式のディスプレーを備える電子機器は指や導電性タッチペン等を使って操作する。
これは、指などがディスプレーに触れることによる、ディスプレー表面の静電変化を検出することにより接触している位置等を計算している。
静電容量式のディスプレーには、大きくわけて、表面型、投影型の2種類が存在するが、本発明の主たる実施例では、複数の点を検出する必要があるため、投影型を採用した場合として説明する。
【0007】
本発明は上記のようなタッチディスプレーの性質を利用し、人体とディスプレーとの導通/非導通を制御することで、外部入出力装置から電子機器に信号を送ることを特徴とする。
【0008】
本発明のもう一つの特徴は、外部入出力装置は受光素子を備え、電子機器のディスプレーの変化を検出することで、電子機器から外部入出力装置に信号を送ることを特徴とする。
【0009】
本発明の実施形態を図1に示す。
図1に示されるように、本実施形態の外部入出力装置は、人の指等に触れる導電性の外装150、電源等を含む制御部120、前記制御部120に接続され、スイッチやセンサーなので構成される入力デバイス140、ディスプレーやアクチュエータなどで構成される出力デバイス160、前記制御部120に接続され電子機器のディスプレーに接触するディスプレー端子(同期用)104、ディスプレー端子(データ1)100、ディスプレー端子(データ2)101、ディスプレー端子(データ3)102、及びディスプレー端子(データ4)104、前記制御部102に接続され、ディスプレーの光を検出する受光素子112から成る。
【第1の実施例】
外部入出力装置が電子機器に対して反固定で設置される場合の形態を第1の実施例として説明する。
【0010】
ここで、この外部入出力装置と静電容量式ディスプレーを備える電子機器との通信方法について説明する。
以下の説明では、ディスプレー端子(同期)、各ディスプレー端子(データ)、受光素子は、電子機器のディスプレーに対して、固定または反固定で設置されており、電子機器は各端子がディスプレー上のどの座標にあるのか既知であることを前提として説明する。
外部入出力装置が電子機器上を移動する形態の場合については、電子機器が各端子の位置を把握している必要があるが、この位置の検出方法については第2の実施の形態として後述する。
【0011】
外部入出力装置から電子機器へのデータ転送方法を説明する。制御部は内部のリレースイッチにより、ディスプレー端子(同期)、ディスプレー端子(データ1)100、ディスプレー端子(データ2)101、ディスプレー端子(データ3)102、及びディスプレー端子(データ4)103のそれぞれの端子と人体と接触するグランド端子150との導通/非導通を制御できる。制御部は一定の周期で、ディスプレー端子(同期)の導通/非導通を切り替える制御を行っている。制御部は、入力でデバイスからの入力を必要に応じてA/D変換等を行い、バイト列に変換する。このバイト列を、ディスプレー端子(同期)の切り替え周期と同期させて、4つのディスプレー端子(データ)を使って伝送する。
【0012】
電子機器は、外部入出力装置の制御部が、それぞれの端子を導通/非導通の制御をすると、ディスプレー上の対応する座標で、入力の有無を検出する。電子機器はディスプレー端子(同期)の座標の入力を検出したタイミングで、4つのディスプレー端子(データ)のそれぞれの座標でタッチされているかの判定を行い、それをデコードすることで、外部入出力装置からの信号を得ることができる。
【0013】
本実施例では、同期信号の1クロックで1バイトのデータ転送を行うことができる。
【0014】
電子機器、外部入出力装置間の通信プロトコルには周知のものが適用可能であるが、本発明の通信方式はイーサーネット等の通信方式に比べて比較的転送レートが低いので、オーバヘッドの少ないプロトコルが望ましい。
【0015】
また、誤認識に備えてエラー訂正/検出を備えるプロトコルを採用することも好適である。
【0016】
ここでは、ディスプレー端子(データ)は4つとして説明したが、本発明はこれに限定されない。コストやサイズ等を考慮し、1つから、電子機器が検出可能な数まで適用可能である。
【0017】
次に、電子機器から、外部入出力装置にデータを伝送する方法について説明する。
【0018】
ここでは、受光素子としてフォトダイオードを適用した例を説明する。電子機器は、外部入出力装置からの同期信号に同期したタイミングでフォトダイオードと近接する部分の画像を伝送すべき信号をエンコードした結果によって黒または白へ変更する。例えば、白を1、黒を0に割り当てて画像を変化させる。
【0019】
外部入出力装置は、自身が出力する同期用信号に同期したタイミングでフォトダイオードの入力を読み取り、電子機器が黒/白のどちらを表示したのか判定する。この入力をビット列として復号することで、電子機器から外部入出力装置へデータが伝送される。
【0020】
前記説明では、フォトダイオードは1つとして説明したが、必要な伝送速度やサイズやコスト等を考慮し、複数の場合にも適用可能なことは同業者であれば明らかである。
【0021】
前記説明は、同期信号は外部入出力装置が出力することとして説明したが、電子機器が同期信号となる表示を行い、外部入出力装置がこれにあわせてデータを送信するようにしてもよい。
【0022】
前記説明では、受光素子としてフォトダイオードを使用した例を説明したが、本発明はこれに限定されない。高い伝送レートが必要な場合には、CCDやCMOS等のマトリクス状のセンサーを適用することも可能である。
【0023】
前記説明では、電子機器の表示を黒または白を切り替えることで実現する方法を説明したが、本発明はこれに限定されない。色を検出できるセンサーであれば、色を利用したり、1つの受光素子の入力を多値化することで、より高速な伝送速度を得ることができる。これらの方式には、必要に応じて周知の可視光通信等の技術を適用することが可能である。
【0024】
また、前記説明は、同期用の端子を使用した例を示したが本発明はこれに限定されない。例えば周知のモールス信号のような方式を用いたり、ディスプレー端子(データ)からの入力に応じて、電子機器の側で自立的に同期タイミングを補正して、通信するような制御も可能である。これらの、方法はすでに周知の様々な方法が実施の形態に合わせて適用可能であることは同業者であれば明らかである。
【第2の実施例】
外部入出力装置が電子機器に対して回転/移動する場合を第2の実施の形態として説明する。
【0025】
第1の実施例では、外部入出力装置は、電子機器に対して固定的に敷設され、電子機器は各端子がどの位置にあるのか既知である場合について説明した。以下では、第2の実施例として、外部入出力装置が電子機器の画面上を回転伴う移動を行う場合について説明する。外部入出力装置が電子機器に対して移動する場合でも回転を伴わない場合には、定期的に入力される同期用の端子の入力から、ほかの端子の位置を推定するこができるので、第1の実施の形態で説明したのと同様の原理、方法により、外部入出力装置と電子機器の間で通信を行うことができる。
【0026】
しかし、外部入出力装置が電子機器に対して回転を行う場合には、ディスプレー端子(同期)からの入力では、ほかの端子の位置を推定することができない。
本実施形態では、これを解決するために、上の説明と同様のハードウェア構成の外部入出力装置を使った場合に、同期信号2サイクルで1バイトの信号を伝送する方式を採用するが、その方法について以下で説明する。
【0027】
2サイクルのうち、外部入出力装置が最初の同期信号を出力するタイミングを第1のタイミング、2回目の同期信号を出力するタイミングを第2のタイミングとする。
まず、外部入出力装置は、第1のタイミングで、同期端子を導通させるのと同期して、ディスプレー端子(データ3)102、ディスプレー端子(データ4)103を導通させる。
【0028】
電子機器は、これにより、3点の接触を検出する。そして、この3点の位置をもとに、受光素子および、ディスプレー端子(データ1)100、ディスプレー端子(データ2)101を含む、ディスプレー端子(同期)、ディスプレー端子(データ)の各位置を推定する計算を行う。次に外部入出力装置は第2のタイミングで、入力デバイスからの信号をエンコードし、各ディスプレー端子(データ)へ出力を行う。電子機器は、前記の推定した各端子位置の情報に基づいて、データをデコードする。また、送信すべきデータを、同様に推定された外部入出力装置の受光素子の位置の表示装置の表示を変化させることで行う。
【0029】
上記説明では、外部機器が4つのディスプレー端子(データ)と、1つの受光素子を備えるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
ディスプレー端子(データ)の数が異なる場合でも、各端子の位置が推定できる端子の配置、および位置推定用に同期信号と同期して導通させる端子を適切に設定することで本発明が適用可能であることは同業者であれば明らかである。
【0030】
次に、各端子の導通を検出する方法について説明する。以上の説明では、簡単のため、各端子は正方形状の面領域であり、外部入出力装置が各端子を導通制御した場合には、電子機器は、それぞれの中心座標を検出できるものとして説明した。
【0031】
しかし、電子機器に採用されるタッチ検出デバイスの種類やそれを制御するドライバーの制御、前記正方形面領域の大きさ、それぞれの間隔によっては、各接点への導通を独立した座標として検出できず、例えば2つの接点が導通された場合でも、電子デバイスがそれぞれの端子の中心座標を独立して検出できず、その2つの端子の中心の座標に対する1つの入力として検出してしまう場合がある。
【0032】
以下に、このような小さい面積の接点や、接点同士が近い場合に2つの以上の入力を1つとして検出してしまう場合に、電子機器でどのように各端子の入力を検出を行うのかを説明する。
【0033】
簡単のため図2に示されるように、2つの接点の場合の検出方法を説明する。
図2に示されるように外部入出力装置は、接点1、接点2を有している。そして、それぞれ電子機器のディスプレー上の中心座標を中心座標(1)201、中心座標(2)201と接触しているものとする。ディスプレー端子(1)200、ディスプレー端子(2)201のどちらか一方のみが導通する場合には、電子機器では、それぞれの端子の位置が既知であることから外部入出力装置からの入力を検出できる。中心座標(1)、中心座標(2)の両方が導通した場合には、電子機器は、中心座標(1)210と中心座標(2)211の略中心となる、中心座標3にタッチがあったことを検出することができる。電子機器は、これを以て中心座標(1)、中心座標(2)の両方が導通したと判定することができる。以上が、複数の端子の同時導通を別々の座標として個別に検出できない場合の検出アルゴリズムである。このように、電子機器が各端子への入力を独立して検出できないような場合にも本発明は適用可能である。
【0034】
上記の説明では、2つの接点を例に説明を行ったが、3つ以上でも同様の原理で外部入出力装置からの入力を検出可能であることは同業者であれば明らかである。ただし、この場合には、各端子のパターンを電子機器の検出結果として重複することがないようにレイアウトする必要がある。
たとえば、4つのディスプレー端子、端子1、端子2、端子3、端子4を備えるような例では、これらの導通の組み合わせで電子機器が同一の座標として検出してしまうような接点のパターンを採用すべきでない。たとえば、端子1のみが導通した場合に電子機器で検出される座標と、端子2、端子4の2つか導通したときに電子機器が検出する座標が同一となってはならない。複数端子が同時に導通している場合も含めて、それぞれのパターンで、電子機器が検出する中心座標ができるだけ離れるようなレイアウトとするこが好適である。
【0035】
次に、端子の形状、配置方法について説明する。
【0036】
図3、図4、図5に(特に面積が小さい端子の分離検出を行わないデバイスに好適な)4ディスプレー端子(データ)、小型接点のパターン例を示す。
【0037】
図に3おいて各端子は、その交差する点においては、静電気的に接触しないように絶縁してある。
【0038】
特に図3パターンでは、2つ以上の端子が同時に導通した場合に、それぞれを独立した接点として検出することはできないが、以上で説明した原理により、2つが同時に導通した場合でも、そのことを検出することが可能である。
【0039】
このような接点パターンとすることで、限られた面積の中で、各端子の面積、対角長等大きくとることができ、上記で説明したような小さい面積の接点を検出しないような電子機器であっても、通信用の接点を小型かつ多端子にすることができる。
【0040】
どのパターンを採用するかは適用するデバイスや、端子面積の制約等に応じて適宜選択されるべきものである。
【0041】
以上説明した、外部入出力装置が移動する場合の実施例は、外部入出力装置が反固定で敷設されるような実施例においても、アプリケーションの起動時、定期的な位置のキャリブレーションのために使用することも可能である。
【0042】
また、上記の各端子の位置の検出/キャリブレーションの方法は、ディスプレーを使った通信に限らず、通信用の端子の接続関係が変化するような通信システムに適用可能であることは同業者には明らかである。
【0043】
また、電子機器には、端末の外装に無線通信用のアンテナ等露出しているものがある、このような端末には、外部入出力装置に人体と接触するグランド端子をもうける代わりに、このアンテナに接触するようなグランド端子をもうけることで、スイッチが導通することで、アンテナとディスプレーが導通し、アンテナとの導通による静電容量の変化が発生する。これにより、ディスプレーへのタッチが検出され同様の効果を奏することができる。
【応用例1】
【0044】
本発明の実施例1の応用例について説明する。
図6は本発明の応用例1を説明する図であり、本発明をカメラ用入出力装置として応用したカメラ拡張ユニットの例を示す。通常、モバイル端末等の電子機器がカメラを備えているが、デジタルカメラと異なり専用のレリーズスイッチやズームレバーなどを備えていないものが多い。このカメラ拡張ユニットをモバイル端末等に取り付けることで、専用のレリーズスイッチやズームレバーを使ってカメラを制御したり、各種情報をカメラ拡張ユニットのLCDに表示したり、撮影動作と同期してカメラ拡張ユニットに備えられたフラッシュを使うことができるようにするためのものである。
図6に示されるように、このカメラ拡張ユニットは、電子機器に反固定的に脱着可能な形状となっており、ディスプレー、フラッシュ等の出力デバイスと、レリーズスイッチや各種設定スイッチ等の入力デバイスを備える。本応用例のカメラ拡張ユニットは電子機器と通信し、入出力デバイスのスイッチ等の入力に応じて電子でバイスのカメラのズームや、露出制御、撮影の制御を行い、また電子デバイスのUIで設定した設定情報等を、外部入出力装置のLCDに表示したり、フラッシュ等を制御することが可能である。
【変形例1】
【0045】
本発明の変形例を説明する。前述の実施の形態では、外部入出力装置が、電源等を備える制御部を有する例について示したが、外部入出力装置を接点スイッチ等の入力デバイスに限定することで、この制御部を省き、低コスト/小型化をおこなうことができる。当該変形例の動作を図7を使用して説明する。変形例の外部入出力装置は、人体やアンテナが接触するグランド端子750と、ディスプレー端子(1)701、ディスプレー端子(2)702、接点スイッチ(1)710、および接点スイッチ(2)711から成る。
【0046】
グランド端子とディスプレー端子(1)、ディスプレー端子(2)は、それぞれ接点スイッチ(1)、接点スイッチ(2)を介して接続され、それぞれの接点スイッチが導通することで、ディスプレー端子(1)、ディスプレー端子(2)と接触したディスプレーと人体が導通することになり、電子機器は2つのスイッチの状態を検出できる。
【0047】
上記の構成により、制御部を設けることなく、外部入出力装置の入力デバイスの信号を電子機器に伝送することができる。
【0048】
上記の説明では、2つのスイッチを使用した例を説明したが、1つや3つ以上のスイッチにも適用可能であることは明らかである。また、スイッチとしては、リードスイッチや傾斜スイッチ、温度センサー等が適用可能である。
【0049】
上記の説明では、外装と端子との間にスイッチを設置することとして説明したが、スイッチの指に接触する部分を伝導性の素材として、これをスイッチの一方の端子に接続しておき、もう一方の端子を端子と接続するような構成としてもよい。この場合にも、スイッチが導通することで、人体とディスプレーが接触し、同様の効果を奏することができる。
【応用例2】
【0050】
図8に上記で説明した変形例1の応用として応用例2を示す。応用例1で示したような、カメラ拡張ユニットの簡易版として、レリーズスイッチなどの入力回路のみをそなえたカメラ用入力装置等に応用可能である。
図8に示される、応用例2はカメラレリーズスイッチ拡張ユニットであり、ダブルアクションのレリーズスイッチ801、ディスプレー端子(1)802、ディスプレー端子(2)803、電子機器に装着したときにアンテナと接触するグランド端子804からなり、レリーズスイッチの動作に応じて、各ディスプレー端子がアンテナと導通し、電子機器は、それぞれ対応する場所で静電容量の変化を検出することでレリーズスイッチの押下の検出できる。
【0051】
図8に示される応用例2の別の例として、グランド端子をアンテナと接触される代わりに、グランド端子として、人体との接触部904をもうけた応用例3を図9を示す。ユーザは、このカメラユニットを電子機器に装着して使用するときに、グランド端子904を押さえるように保持する。ユーザがレリーズスイッチを操作すると、人体と各ディスプレー端子とが導通し、電子機器は、それぞれ対応する場所で静電容量の変化を検出することでレリーズスイッチの押下の検出できる。
【変形例2】
【0052】
次に本発明の第2の変形例について説明する。とくに第1の実施例で説明したような、外部入出力装置が電子機器に対して固定または反固定で設置されるような実施例においては、静電容量式ディスプレーと接触する部分を覆ってしまい、この部分は、ユーザのタッチ操作を受け付けないという問題がある。
【0053】
本変形例では、この問題を解決する方法を図9を用いて説明する。図9に示される外部入出力装置は、図1に示される実施例との違いは、外部入出力オン/オフを切り替えるメインスイッチを備える点、および同期端子および各ディスプレー端子(データ)の構造が異なる点である。
【0054】
図9示されるように、各端子は、複数の微小端子から成る。この、各微小端子は、電子機器のディスプレーに接する部分である部材ア1005と、指等が接する部分である部材イ1006からなり、これらは、図9に示されるように、スイッチング回路1007に接続される。スイッチング回路1007は内部にマイクロスイッチ備え、電子機の画面に対して垂直方向にペアとなる、部材ア1005と部材イ1006の導通のオン/オフを制御可能となっている。また、スイッチング制御部はさらに、同一の端子からのすべての部材アと接続され、部材アをすべて短絡して(まとめて)制御部の出力端子1008に接続したり、部材ア同士の接続を開講にして、制御部の出力端子1008との接続を開放に制御できるサブスイッチ1002と、同一の端子からのすべての部材イと接続され、部材イをすべて短絡して(まとめて)制御部のグランド端子1009に接続したり、部材ア同士の接続を開講にして、制御部のグランド端子1009との接続を開放に制御できるグランドスイッチ1003とを有している。
前記、グランドスイッチ1003、サブスイッチ1002、マイクロスイッチは、メインスイッチ1001のオン/オフに応じて、短絡/開放が制御されるようになっている。
【0055】
また、微小端子は導電性の部材で形成され、かつ、隣接する微小端子が絶縁されるような部材で結合されている。
【0056】
このような構成で、メインスイッチ1001がオンとなったときの動作を説明する。メインスイッチ1001がオンとなると、サブスイッチ1002がオンとなるのと同時に、スイッチング制御部1007内で、同一の端子から部材アへの出力が短絡される。したがって、同一の端子内のすべての微小端子の部材アは出力端子1008に接続される。
【0057】
さらに、すべてのマイクロスイッチが開放され、電子機器のディスプレーに対してペアと成る部材アと、部材イは開放される。
【0058】
さらに、グランドスイッチが短絡されると、すべての微小端子の部材イがスイッチング制御部内で短絡され、制御部の入力端子に接続される。同様に、すべての微小端子の部材アもスイッチング制御部内で短絡され、制御部の出力端子に接続される
【0059】
このときに、ユーザの指が接点部材、つまり、何個かのマイクロスイッチ部材イ1006に触れると、制御部のグランド端子1009と人体が接続されることになる。
【0060】
さらに、このときに制御部の不図示の入力デバイスからの入力によって、制御部の不図示のディスプレー端子(同期)や不図示の各ディスプレー端子(データ)のリレースイッチがオンにされると、対応する端子部のすべてのマイクロスイッチの部材ア1006と人体とか導通し、電子機器は対応する位置にタッチを検出することが可能になる。
【0061】
つまり、メインスイッチがオンのときには、本発明の第1の実施例と同様の効果を奏することができる。以上の説明では、簡単のため1つの端子のみを示して説明したが、複数の端子がある場合でも原理や制御方法は同じである。この場合には、スイッチング制御部に接続される複数のグランドスイッチが1つにまとめられて、制御部のグランド端子に接続されることになる。
【0062】
次にメインスイッチ1001がオフの時の動作を説明する。この場合には、ディスプレーに対して垂直方向にペアとなるすべての微小接点部材ア1006と微小接点部材イ1005はスイッチング制御部内のマイクロスイッチにより短絡される。また、微小端子部材ア1005が接続される各サブスイッチは開放に制御されるとともに、スイッチング制御部内での微小端子部材ア間の接続も開放される。また、グランドスイッチも開放され、スイッチング制御部内での微小端子部材イ間の接続も開放される。
このときにユーザの指が接点部材、つまり、何個かのマイクロスイッチ部材イ1006に触れると、電子機器は対応する位置にタッチを検出する。つまり、電子機器は略接点部材がない場合と同様の検出を行うことが可能になる。
【0063】
スイッチング制御部内のマイクロスイッチ、グランドスイッチ1009、サブスイッチ1008のオン/オフ制御には、種々の方法を採用可能である。たとえば、メカニカルスイッチを使用した構成、トランジスタ等の電気スイッチを使用した構成、地場や電場を利用したスイッチなのを利用することが可能である。どのように各スイッチをメインスイッチと連動して制御するかは、実施の形態によって適宜選択されるべきものである。
【0064】
以上のように、本実施例では、外部入出力装置が固定または反固定的に設置される場合であっても、メインスイッチ1001をオフにすることで、電子機器はディスプレー上のすべての領域で通常のタッチの検出を行うことが可能になる。
【0065】
また、端子部を透明な部材で構成すれば、表示とタッチ検出のすべてにおいて、外部入出力が設置されていない場合と同等の検出/表示を行うことが可能となる。
【0066】
また、変形例2は変形例1(応用例2、応用例3を含む)のような、制御部を有しない構成にも適用可能であることは同業者には明らかである。
【0067】
以上、本発明のすべての実施例は、静電容量式のディスプレーだけでなく、PCや、モバイル端末等で広く採用されている、静電容量式のトラックパッド等にも適用可能であることは同業者には明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明をスマートフォンのアプリケーションと、その外部入出力装置に適用することで、簡単な構成で外部入出力装置との通信が行える。
【符号の説明】
100ディスプレー端子(データ1)
101ディスプレー端子データ2) 102ディスプレー端子データ3)
103ディスプレー端子データ4) 104ディスプレー端子(同期)
112受光素子 120制御部
130出力回路 140入力デバイス
150外部機器外装 140出力デバイス
200ディスプレー端子(1) 201ディスプレー端子(2)
210中心座標(1) 211中心座標(2)
300ディスプレー端子(データ1) 301ディスプレー端子(データ2)
302ディスプレー端子(データ3) 303ディスプレー端子(データ4)
304同期端子 312受光素子
400ディスプレー端子(データ1) 401ディスプレー端子(データ2)
402ディスプレー端子(データ3) 403ディスプレー端子(データ4)
404同期端子 412受光素子
500ディスプレー端子(データ1) 501ディスプレー端子(データ2)
502ディスプレー端子(データ3) 503ディスプレー端子(データ4)
504同期端子 512受光素子
701ディスプレー端子(1) 702ディスプレー端子(2)
710スイッチ1 711スイッチ2
750グランド端子
601レリーズスイッチ 602ズームレバー
603設定スイッチ 604各種情報表示用LCD
605フラッシュ
610静電容量式ディスプレーとカメラを有する電子機器
801レリーズスイッチ 802ディスプレー端子(1)
803ディスプレー端子(2) 804グランド端子(アンテナ接続)
901レリーズスイッチ 902ディスプレー端子(1)
903ディスプレー端子(2) 904グランド端子(人体接続)
1001メインスイッチ 1002サブスイッチ
1003グランドスイッチ 1004制御部
1005微小接点 部材イ 1006微小接点 部材ア
1007スイッチング制御部 1008出力端子
1009グランド端子
1020静電容量式ディスプレーを備える電子機器のディスプレー
【代表図面】
[図1]

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチディスプレーと接触する導電性の端子であるディスプレー端子、人体等の触れることで静電容量を変化される物質との接点であるグランド端子、前記ディスプレー端子とグランド端子との間の導通/非導通を制御する導通制御部を含む制御部、前期制御部に接続される入力デバイスからなる外部入出力装置であって、前記制御部は前記入力デバイスからの入力に応じて前記導通制御部を制御することを特徴とする外部入出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の、外部入出力装置のディスプレー端子は1つの同期用端子と、1つ以上のデータ用端子からなることを特徴とする、外部入出力装置。
【請求項3】
請求項2に記載の外部入出力装置は、入力デバイスからの信号をエンコードし、同期同期用端子と同期して、前期エンコードされた信号に基づいて、前期導通制御を制御することを特徴とする、外部入出力装置。
【請求項4】
請求項2に記載の外部入出力装置は、第1のタイミングで同期端子および、データ端子より位置推定用の信号を出力し、第2のタイミングで入力デバイスより出力される同期信号と同期して、入力デバイスからの信号をエンコードして導通制御部を制御することを特徴とする、外部入出力装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4に記載の外部入出力装置はさらに受光素子を有し、電子機器がディスプレーを使用して出力する信号をデコードすることを特徴とする外部入出力装置。
【請求項6】
タッチディスプレーを有し、請求項1ないし5に記載の外部入出力装置の導電性の端子と前記タッチディスプレーを介して接触する電子機器であって、前記タッチディスプレーからの入力に応じて、前記外部入出力装置からの信号をデコードすることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の外部入出力装置であって、外部入出力装置の受光素子と近接する部分の画面の表示を変化させることで、前記外部入出力装置に対して信号を送信することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項1ないし7に記載の外部入出力装置、および電子機器からなる通信システム。
【請求項9】
請求項1ないし7に記載の外務入出力装置は、さらに外部入力装置からの出力を電子機器の画面に出力するか、外部入力装置からの出力を電子機器には出力せずディスプレー端子上のタッチ入力をそのままディスプレーに出力するかを切り替え可能な切り替えスチッチを備えることを特徴とする外部入力装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate