静電気を生じる繊維付きローラを設けた掃除機ノズル

【課題】絨毯、床、凹凸面などのゴミを効率的に吸引できる掃除機のノズルを提供する。
【解決手段】掃除機のノズルの先端に静電気を有効に発生させる繊維付きローラ（１）を設け、回転方向変換ギア（４）により回転軸（２）をノズルの先端方向へ回転する方向に回転させる。回転するローラ（１）にはワイパー（３）を接触させ、ローラ（１）の表面に付着した埃などを除去するのと同時に摩擦により静電気を発生させ、埃の吸着効率を上げる構造を持つ掃除機のノズル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は繊維付きローラを掃除機ノズルに設け、ローラを回転させることにより、静電気と回転に伴う風力を利用して、吸引力を増す掃除機に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
掃除具は、空気の吸引力を利用する掃除具、粘着テープの粘着力により貼り付けて髪の毛や埃等を除去するローラ型の掃除具、静電気や化学物質の効果により埃などを吸着させ除去するモップ型や雑巾型の掃除具など、多種存在している。掃除する際にはより効果が得られる掃除具に掃除する対象部分に合わせて適宜交換する必要があった。
このように多種の掃除具を適宜交換して作業するのは面倒であり、出来れば１種類の掃除具で掃除できれば作業効率は上がる。
この発明は１種類の掃除具で多種の掃除具の機能を包含させることを狙ったものである。
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
従来の空気の吸引力を利用した掃除機の場合は絨毯の上の髪の毛などの細長いものを吸引することは難しかった。このような髪の毛などを除去するために粘着テープ付きのローラを回転させる掃除具が存在するが、粘着テープ表面に埃などが付着するので粘着力はすぐに低下し表面の粘着テープを頻繁に交換しなければならなかった。
また、床の上を空気の吸引力を利用した掃除機で掃除しても表面の微細な埃や板の間の隙間の埃を除去するのは難しかった。そのためモップなどを利用して拭き掃除も必要になっていた。
凹凸が多い部分に付着した埃などを従来の掃除機で吸引しようとしても凹面においては吸引力が低下し十分な埃除去効果を得ることができなった。化学繊維の静電気により凹凸面の埃を除去する掃除具が存在するが、掃除具の繊維の表面に付着した埃を除去するのは面倒な作業であった。
化学物質を雑巾に付着させた掃除具も存在するが、埃を吸着するだけではなく、逆に化学物質を掃除の対象物に付着させてしまうので、化学物質を付着させたくない掃除の対象物には向かなかった。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
掃除機ノズルの先端に静電気を生じる繊維付きローラを設け、ノズルの先端方向へ回転する方向にモータか、吸引力を利用したプロペラなどの動力により回転させる。掃除機ノズルの内部には繊維付きローラの表面の埃を掻き取るのと同時に摩擦により静電気を生じさせるワイパーを設ける。
【発明の効果】
【０００５】
本発明により「発明が解決しようとする課題」で挙げた全ての課題が解決できる。
繊維付きローラの静電気の効果と繊維付きローラの回転に伴う風力により、絨毯表面の髪の毛や埃を強力に吸引することができ、絨毯の掃除に粘着テープのローラの掃除具は不要になる。
床の掃除では板の間の隙間の埃を繊維付きローラの毛足が到達するか、静電気およびローラの回転に伴う風力の効果で掻き出すことができる。さらに板表面は繊維付きローラにより磨き上げることができるので、モップなどの掃除具を利用した拭き掃除は不要になる。
凹凸が多い部分に付着した埃などを吸引するには繊維付きローラの毛足を比較的長いものを利用することで凹凸の起伏が大きい場合でも利用できる。繊維付きローラに付着した埃はワイパーによりローラーの回転中に自動的に除去されるので連続して作業することができる。化学物質は使わないので化学物質を付着させたくないものへの掃除にも有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００６】
次にこの発明の具体的な構造について説明する。
掃除機のノズルの先端に静電気を有効に発生させる繊維付きローラ（１）を設け、回転方向変換ギア（４）により回転軸（２）をノズルの先端方向へ回転する方向に回転させる。回転するローラ（１）にはワイパー（３）を接触させ、ローラ（１）の表面に付着した埃などを除去するのと同時に摩擦により静電気を発生させ、埃の吸着効率を上げる。また、ワイパーは掃除機本来の吸引力を漏らさないシールドとしての役目も果たす。
回転方向変換ギア（４）には掃除機の吸引力により回転動力を発生させる螺旋状プロペラ（５）と接続させる。螺旋状プロペラ（５）は一つの回転動力発生装置で本発明に必須ではなく、回転動力が得られれば電気モータなどを回転動力発生装置として利用してもよい。
ローラ（１）はノズルの先端に付けた方が凹凸面にローラを接触させやすくなるという点で掃除しやすくなるので適しているが、ローラ（１）をノズルの後端に付け、回転方向を逆にした場合でも本発明の効果は得られる。
ローラ（１）は磨耗による劣化や表面の汚れの洗浄などのために容易に交換できる構造であることが望ましい。
ローラ（１）の幅の狭いタイプにすることによって、狭い隙間の掃除に適したノズルとすることができる。
ローラ（１）の毛足を長いものにすることによって、より凹凸の起伏の大きな面の掃除に適したノズルとすることができる。
本発明は以上のような構造を持つ掃除機のノズルである。
【実施例】
【０００７】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
（イ）掃除機の吸引力か、モータの動力などによって、回転動力を得、繊維付きローラ（１）を回転させる。
（ロ）ローラ（１）はワイパー（３）に接触しており、摩擦により静電気が発生する。
（ハ）掃除機ノズルを床、絨毯などに接触させると、ローラ（１）表面の静電気、回転に伴う風力、ローラと掃除面の接触によって、従来、吸引することが難しかった髪の毛や細かい埃を吸引し、ローラ（１）に接触するワイパー（３）によって掻き取ることができる。
【産業上の利用可能性】
【０００８】
家庭用、業務用掃除機を製造するメーカにとって、より作業効率の高い掃除機を提供することで利用者に高い利便性を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明の一部を切り欠いた側面図である。
【図２】本発明の一部を切り欠いた下方から見た平面図である。
【符号の説明】
１ローラ２回転軸３ワイパー
４回転方向変換ギア５螺旋状プロペラ６吸気口

【特許請求の範囲】
【請求項１】
掃除機のノズルの先端に静電気を生じる繊維付きローラ（１）を設け、回転動力によりローラを回転させ、ワイパー（３）によりローラ（１）表面のゴミを除去するのと同時に摩擦により静電気を発生させる構造を持つ掃除機のノズル。

【図１】