説明

静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

【課題】色点を抑制した画像が得られる静電潜像現像用トナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂と、硫黄元素と、Al及びMgから選ばれる1種の元素と、を含有するトナー粒子を有し、前記トナー粒子に含有される硫黄元素の蛍光X線(XRF)分析によるNet強度をCs(kcps)、前記トナー粒子に含有されるAl及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素の蛍光X線(XRF)分析によるNet強度をCm(kcps)としたとき、下記関係式(1)及び(2)を満たす静電潜像現像用トナー。
関係式(1):0.2<Cm<0.4
関係式(2):4.5<Cs/Cm<5.5

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子写真法などにより、静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電および露光工程により潜像保持体(感光体)表面に画像情報を静電潜像として形成し、トナーを含む現像剤を用いて、感光体表面にトナー像を現像し、このトナー像を、記録媒体(被転写体)に転写する転写工程、さらに、トナー像を記録媒体表面に定着させる定着工程を経て画像として可視化される。
このような画像形成に用いられるトナーとしては、従来から種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、トナー中のMg、Ca、Ba、Pb、Al、Pの含有量と硫黄の含有量との関係を規定したトナーが提案さている。
また、特許文献2には、トナー表面近傍に含まれるAlとSの含有量の関係を規定。
また、特許文献3には、硫黄元素量と、炭素元素量を規定したトナーが提案されている。
また、特許文献4には、構造中に硫黄元素を含む結晶性ポリエステル樹脂を使用したトナーが提案されている。
また、特許文献5には、触媒由来の金属元素と硫黄元素量を規定したトナーが提案されている。
また、特許文献6には、トナー粒子表面とトナー粒子内部の硫黄元素量の比を規定したトナーが提案されている。
また、特許文献7には、トナー表面の窒素元素量、硫黄元素量の比を規定したトナーが提案されている。
また、特許文献8には、トナー全体の窒素元素量、S元素量の比を規定したトナーが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−62807号公報
【特許文献2】特開2006−267743号公報
【特許文献3】特開2006−276073号公報
【特許文献4】特開2007−033828号公報
【特許文献5】特開2007−225838号公報
【特許文献6】特開2008−233175号公報
【特許文献7】特開2009−048097号公報
【特許文献8】特開2009−075161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、硫黄元素とAl及びMgから選ばれる1種の元素とにおける蛍光X線(XRF)分析によるNet強度の関係が下記関係式(1)及び(2)を満たさない場合に比べ、色点の発生を抑制した画像が得られる静電潜像現像用トナーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
結着樹脂と、硫黄元素と、Al及びMgから選ばれる1種の元素と、を含有するトナー粒子を有し、
前記トナー粒子に含有される硫黄元素の蛍光X線(XRF)分析によるNet強度をCs(kcps)、前記トナー粒子に含有されるAl及びMgから選ばれる1種の元素の蛍光X線(XRF)分析によるNet強度をCm(kcps)としたとき、下記関係式(1)及び(2)を満たす静電潜像現像用トナー。
関係式(1):0.2<Cm<0.4
関係式(2):4.5<Cs/Cm<5.5
【0007】
請求項2に係る発明は、
Al及びMgから選ばれる1種の元素が、Mgである請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
【0008】
請求項3に係る発明は、
前記トナー粒子が、3−ヒドロキシ-2,2’−イミノジコハク酸を含有する請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
【0009】
請求項4に係る発明は、
外添剤として、Al及びMgから選ばれる1種の元素を含む無機粒子を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
【0010】
請求項5に係る発明は、
トナーを低温低湿環境下で攪拌しながら保存した後、さらに高温高湿環境下で攪拌しながら保存したとき、トナーの前記高温高湿環境下での保存前後における前記トナーの水分率変化量が0.1質量%以上1.0質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
【0011】
請求項6に係る発明は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーを含む静電潜像現像用現像剤。
【0012】
請求項7に係る発明は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーが収納されたトナーカートリッジ。
【0013】
請求項8に係る発明は、
請求項5に記載の静電荷現像用現像剤を収容し、前記静電荷現像用現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
【0014】
請求項9に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5に記載の静電荷現像用現像剤を収容し、前記静電荷現像用現像剤により、前記像保持体上に形成された前記静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
前記像保持体上に形成された前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、
前記被転写体上に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
を有する画像形成装置。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、硫黄元素とAl及びMgから選ばれる1種の元素とにおける蛍光X線(XRF)分析によるNet強度の関係が上記関係式(1)及び(2)を満たさない場合に比べ、色点の発生を抑制した画像が得られる。
請求項2に係る発明によれば、トナー粒子がAlを含む場合に比べ、色点の発生を抑制した画像が得られる。
請求項3に係る発明によれば、トナー粒子が3−ヒドロキシ-2,2’−イミノジコハク酸を含有しない場合に比べ、耐久性が向上した画像が得られる。
請求項4に係る発明によれば、外添剤として、Al及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素を持たない無機粒子を有する場合に比べ、色点の発生を抑制した画像が得られる。
請求項5に係る発明によれば、トナーの水分変化率が上記範囲外に比べ、色点の発生を抑制した画像が得られる。
請求項6、7、8、9に係る発明によれば、硫黄元素とAl及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素とにおける蛍光X線(XRF)分析によるNet強度の関係が上記関係式(1)及び(2)を満たさないトナーを適用した場合に比べ、色点の発生を抑制した画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[静電潜像現像用トナー]
本実施形態に係る静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称する場合がある)は、トナー粒子と、必要に応じて、外添剤と、を有する。
トナー粒子は、結着樹脂と、硫黄元素と、Al及びMgから選ばれる1種の元素と、を含んで構成される。そして、トナー粒子は、硫黄元素の蛍光X線(XRF)分析によるNet強度をCs(kcps)、Al及びMgから選ばれる1種の元素の蛍光X線(XRF)分析によるNet強度をCm(kcps)としたとき、下記関係式(1)及び(2)を満たす。
関係式(1):0.2<Cm<0.4
関係式(2):4.5<Cs/Cm<5.5
なお、Cmは、Al及びMgの双方が含まれている場合、その合計のNet強度を意味する。
【0018】
ここで、例えば、添加剤(例えば、連鎖移動剤、界面活性剤等)に由来する硫黄元素と添加剤(例えば、凝集剤等)に由来する特定金属元素(Al及びMg)とがトナー粒子に含まれると、硫黄元素と特定金属元素との親和性が高いことから、硫黄元素が当該特定金属元素に対して過剰に存在し易く、しかもトナー粒子中で偏在して存在し易くなる又は偏在して存在するトナー粒子の比率が高くなると考えられる。
【0019】
硫黄元素がトナー粒子中で偏在して存在すると、硫黄元素がトナー粒子表面から露出した場合、偏在した状態で露出し易くなると考えられる。
硫黄元素が偏在して表面に露出したトナー粒子は、硫黄元素の親水性が高いため水分との親和性が高く、トナー粒子表面において局所的な吸湿が生じ易くなると考えられる(つまり、偏在して露出した硫黄元素が存在するトナー表面に部分的に集中して水分が集まると考えられる)。トナー粒子表面において、局所的な吸湿が生じると、吸湿した部分の粘度が低下する(柔らかくなる)ことから、局所的に付着力が高まり、外添剤の付着量が吸湿した部分にのみ部分的に増加すると考えられる。部分的に外添剤の付着量が増加したトナー粒子は、帯電量が高まり易く、つまり過剰に帯電し易くなる。
過剰に帯電したトナー粒子が存在すると、硫黄元素が偏在して表面に露出せずに、通常の帯電状態(低い帯電状態)であるはずのトナー粒子が逆極性に帯電してしまうと考えられる。すると、逆極のトナー粒子が混在することとなり、静電的な力が作用して、緩凝集が発生すると考えられる。
緩凝集したトナー粒子は、転写するとき、被転写体に落下してしまうことから、色点が発生することが多い。
【0020】
この色点の発生は、低温低湿環境下(10℃15%RH環境下)で長期出力(50000枚以上の出力:プリント)を行った後、高温高湿環境下(30℃85%RH環境下)で長期出力(50000枚以上の出力:プリント)を行ったときに、顕著に生じる。これは、低温低湿環境下による長期出力によりトナー粒子表面の荒れが発生し、硫黄元素が露出され易くなった状態で、高温高湿環境下で長期出力を行うことで、トナー粒子が吸湿され易くなり、上記如くトナー粒子の帯電量が過剰に高くなる現象が生じ易くなるためである。加えて、トナー粒子表面の荒れが発生すると、トナー粒子の帯電量が高まり易くなるためである。
【0021】
そこで、本実施形態に係るトナーでは、上記構成とすることで、色点を抑制した画像が得られる。この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
【0022】
上記関係式(1)及び(2)は、特定金属元素が適度な量でトナー粒子中に含まれると共に、硫黄元素が特定金属元素に対して過剰に存在せず適度な量で含まれることを意味し、このような状態で硫黄元素と特定金属元素とがトナー粒子中に含まれると、当該硫黄元素が局所的にトナー粒子中に存在し難くなる、つまりトナー粒子中で均一に分散された状態で存在し易くなると考えられる。硫黄元素が均一な状態でトナー粒子中に存在すると、トナー粒子から硫黄元素が露出し難くなり、またたとえトナー粒子から露出しても局所的(部分的)に露出することが抑制されることから、上記如くトナー粒子の帯電量が過剰に高くなる現象が生じ難くなると考えられる。
【0023】
このため、本実施形態に係るトナーでは、色点を抑制した画像が得られる。そして、特に、色点が発生し易い、低温低湿環境下(例えば10℃15%RH環境下)で長期出力(50000枚以上の出力:プリント)を行った後、高温高湿環境下(例えば30℃85%RH環境下)で長期出力(50000枚以上の出力:プリント)を行ったときでも、色点を抑制した画像が得られる。
【0024】
本実施形態に係るトナーは、上記関係式(1)及び(2)を満たすが、Cm≦0.2の場合、特定金属元素の量が少なすぎて、硫黄元素がトナー粒子中で偏在してしまう。Cm≧0.4の場合、特定金属元素の量が多すぎて、特定金属元素自体がトナー粒子中で偏在してしまい、それに伴い硫黄元素もトナー粒子中で偏在してしまう。Cs/Cm≦3の場合、硫黄元素の量が少なすぎて、トナー粒子中に均一分散できるほどの量とはならず、硫黄元素がトナー粒子中に偏在してしまう。Cs/Cm≧5の場合、硫黄元素の量が多すぎて、トナー粒子中に均一分散した場合の飽和量を上回り、硫黄元素がトナー粒子中に偏在してしまう。
【0025】
また、本実施形態に係るトナーは、望ましくは下記関係式(1A)及び(2A)を満たすことであり、より望ましくは関係式(1B)及び(1B)を満たすことである。
関係式(1A):0.25<Cm<0.35
関係式(2A):4.5<Cs/Cm<5.2

関係式(1B):0.28<Cm<0.32
関係式(2B):4.6<Cs/Cm<4.9
【0026】
なお、蛍光X線分析による各元素のNet強度の測定方法及び測定条件は以下のとおりである。測定用試料前処理としては、トナー0.12gを加圧成型器で6t、1分間の加圧条件下で圧縮成型を実施した。(株)島津製作所の蛍光X線(XRF−1500)を使用し、測定条件は管電圧40KV、管電流70mAで、全元素分析により測定を行った。
【0027】
また、上記関係式(1)及び(2)を満たすためには、例えば、以下の手法を採用することがよい。
1)凝集合一法において、凝集剤添加後に分散液を室温(例えば25℃)で攪拌しながら、長時間以上保持する手法
2)凝集合一法において、各粒子の凝集過程で昇温する際、40℃まで低い昇温速度でで行う手法。
3)凝集合一法において、コア/シェル構造のトナー粒子を作製するとき、シェル層形成用の樹脂粒子分散液のpHを、凝集粒子分散液のpHよりも0.5以上1.5以下低くする手法
【0028】
ここで、本実施形態に係るトナーは、特定金属元素をトナー粒子中に含むが、特定金属元素のうち、Mg元素をトナー粒子中に含むことがよい。これにより、色点の発生が抑制された画像が得られ易くなる。
これは、結着樹脂中のMgの分布が、Alを使用した場合よりも均一になり易いためである。メカニズムは定かではないが、おそらくMgと架橋構造を形成する結着樹脂の錯体生成定数が高いため、Mgがトナー粒子の系内に偏在することなく、より均一に存在しやすくなると考えられるためである。
【0029】
また、本実施形態に係るトナーは、上述のように、低温低湿環境下(例えば10℃15%RH環境下)で長期出力(50000枚以上の出力:プリント)を行った後、高温高湿環境下(例えば30℃85%RH環境下)で長期出力(50000枚以上の出力:プリント)を行ったときでも、トナー粒子の吸湿が生じ難い特性を有する。
つまり、本実施形態に係るトナーは、トナーを低温低湿環境下で攪拌しながら保存した後、さらに高温高湿環境下で攪拌しながら保存したとき、トナーの前記高温高湿環境下での保存前後における前記トナーの水分率変化量が0.1質量%以上1.0質量%以下(望ましくは0.1質量%以上0.6質量%以下、より望ましくは0.1質量%以上0.4質量%以下)となる特性を有することがよい。
【0030】
このトナーの水分率変化量の特性は、具体的には、次のように求められるものである。
現像剤を、Fuji Xerox社製DocuCenterColor a450改造機の現像器に充填し、まず、低温低湿環境下(10℃15%RH環境下)で50000枚以上の出力(画像濃度100%画像のプリント)を行った後、高温高湿環境下(30℃85%RH環境下)で50000枚以上の出力(画像濃度100%画像のプリント)を行った。
そして、上記高温高湿環境下での出力前におけるトナーの水分量、上記高温高湿環境下での出力後におけるトナーの水分率を測定し、水分率変化量(高温高湿環境下での出力後におけるトナーの水分率−高温高湿環境下での出力前におけるトナーの水分率)を求める。
なお、トナーの水分率は次のようにして測定する。
現像器から回収した現像剤から、トナーのみを分離し、5.0gを熱天秤((株)島津製作所製TGA−50型)により5℃/分の昇温速度で、常温から150℃まで加熱し、150℃で20分間保持した後の加熱減量を測定した。
(水分率)=(加熱後の重量)/(加熱前の重量)
【0031】
以下、本実施形態に係るトナーを構成する各成分について詳細に説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と必要に応じて外添剤を有する。
【0032】
まず、トナー粒子について説明する。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤、離型剤等その他添加剤と、を含んで構成される。そして、トナー粒子は、硫黄元素、及び特定金属元素(Al、Mg)を含んで構成されている。
【0033】
結着樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類;等の単量体などの重合体、若しくはこれらを2種以上組み合せた共重合体、又はこれらの混合物等が挙げられる。また結着樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。これらの樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0034】
結着樹脂としては、上記樹脂の中でもポリエステル樹脂を用いることがよい。ポリエステル樹脂としては、例えば多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものが挙げられる。
【0035】
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられ、これらを1種または2種以上混合して使用する。
【0036】
着色剤としては、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を併用したりしてもよい。
着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等が得られる。
【0037】
着色剤の含有量としては、例えば、結着樹脂100質量部に対して、1質量部から30質量部の範囲が挙げられる。
【0038】
離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が挙げられる。
離型剤の融解温度としては、例えば、50℃以上100℃以下の範囲が挙げられる。
離型剤のトナー粒子中の含有量としては、例えば0.5質量%以上15質量%以下の範囲が挙げられる。
【0039】
その他添加剤としては、例えば、帯電制御剤等が挙げられる。
帯電制御剤としては、例えば、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体を含む染料や、トリフェニルメタン系顔料など、通常使用される種々の帯電制御剤が挙げられる。
【0040】
硫黄元素は、例えば、結着樹脂の分子量調整の目的で用いられる連鎖移動剤、トナー粒子製造時に分散安定剤等で用いられる界面活性剤、副資材等に由来して、トナー粒子中に含まれる。
連鎖移動剤としては、例えば、長鎖アルキル基と硫黄元素とからなるものが挙げられ、具体的には、例えばオクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、テトラデカンチオール、ヘキサデカンチオールが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、例えば、硫酸エステル塩系界面活性剤、スルホン酸塩系界面活性剤等が挙げられる。
副資材としては、硫酸の他、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどの硫酸塩等が挙げられる。
【0041】
一方、特定金属元素(Al、Mg)は、例えば、トナー粒子製造時に用いられる凝集剤等に由来して、トナー粒子中に含まれる。
Alを含む凝集剤としては、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等が挙げられる。
Mgを含む凝集剤としては、例えば、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
【0042】
また、トナー粒子には、その製造工程で用いられる上記凝集剤の他に、必要に応じてキレート剤が含まれていてもよい。キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、3−ヒドロキシ-2,2’−イミノジコハク酸(HIDS)等が挙げられるが、特にHIDSを用いることがよい。HIDSを用いることにより、定着画像の耐久性が向上する。
【0043】
次に、外添剤について説明する。
外添剤としては、例えば、無機粒子や有機粒子が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム等が挙げられる。なお無機粒子の表面には、目的に応じて表面処理を施してもよい。
無機粒子の1次粒径としては、例えば、1nmから200nmの範囲が挙げられ、その添加量としては、例えば、トナー100質量部に対して、0.01から20質量部の範囲が挙げられる。
有機粒子としては、具体的には例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
【0044】
外添剤としては、特に、Al及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素を含む無機粒子(例えば、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等)がよい。これにより、色点の発生が抑制された画像が得られ易くなる。
これは、硫黄元素とAl及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素とは親和性が高いことから、硫黄元素が均一な状態でトナー粒子中に存在すると、外添剤としても当該Al及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素を含む無機粒子もトナー粒子表面に均一に付着し易くなる(局所的に付着し難くなる)と考えられるためである。
【0045】
なお、トナー(トナー粒子)の体積平均粒径は、例えば、4μmから9μmの範囲が挙げられる。
なお、体積平均粒径の測定は、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で行う。この際、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
【0046】
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーを製造する方法は特に限定されないが、具体的には、例えば、トナーを構成するトナー粒子の製造方法として凝集合一法を用いる方法等が挙げられる。
【0047】
凝集合一法によるトナー粒子の製造方法としては、例えば、結着樹脂の粒子である樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を調整する樹脂粒子分散液調整工程と、樹脂粒子を含む溶液に凝集剤を添加して樹脂粒子を含む凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、凝集粒子を樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱して融合・合一する融合・合一工程と、を有する製造方法が挙げられる。
【0048】
以下、上記凝集合一法によるトナー粒子の製造方法の各工程について詳細に説明する。
−各分散液調整工程−
樹脂粒子分散液の調整は、例えば、得られた樹脂を機械的せん断力によって乳化させる方法や、転相乳化法を用いる方法等が挙げられる。
転相乳化法による樹脂粒子分散液の調整方法の一例としては、例えば、結着樹脂を、有機溶媒(良溶媒)と水溶性溶媒(水溶性の貧溶媒)との混合液に溶解させ、必要に応じて中和剤(例えば、アンモニア等)や分散安定剤(例えば、界面活性剤)を添加し、攪拌下にて水溶性溶媒(例えば水)を滴下して乳化粒子を得た後、樹脂粒子分散液中の溶媒を除去して、乳化液(樹脂粒子分散液)を得る。なお、中和剤及び分散安定剤の投入順は変更してもよい。
【0049】
機械的せん断力によって乳化させる方法としては、例えば、水系媒体と結着樹脂とを混合した溶液に、分散機により剪断力を与える方法が挙げられる。その際、加熱して樹脂成分の粘性を下げて粒子を形成してもよい。また分散剤を使用してもよい。
上記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられ、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0050】
樹脂粒子の大きさとしては、例えば、その平均粒径(体積平均粒径)で0.08から0.8μmの範囲が挙げられる。
樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定する。測定法としては、分散液となっている状態の試料を固形分で2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して40mlにする。これをセルに投入し、2分待って、セル内の濃度が安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とする。離型剤粒子及び着色剤粒子の体積平均粒径も同様の方法で測定する。
【0051】
トナー粒子が着色剤や離型剤を含む場合は、必要に応じて、着色剤の粒子である着色剤粒子が分散した着色剤粒子分散液や、離型剤の粒子である離型剤粒子が分散した離型剤粒子分散液を、別途調整した後に上記樹脂粒子分散液と混合してもよい。
着色剤粒子分散液は、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機を用いた分散液調整方法により調整される。また、分散時に極性を有するイオン性界面活性剤を用いてもよい。
離型剤粒子分散液は、例えば、イオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに、離型剤を水中に分散し、融解温度以上に加熱するとともに、ホモジナイザーや圧力吐出型分散機により粒子化することにより調製される。
着色剤粒子及び離型剤粒子の体積平均粒径としては、例えば、0.08から0.8μmの範囲が挙げられる。
【0052】
−混合溶液調整工程−
着色剤粒子分散液や離型剤粒子分散液を、樹脂粒子分散液とは別に調整した場合は、混合溶液調整工程においてこれらの各分散液を混合して混合溶液を調整する。
【0053】
−凝集粒子形成工程−
凝集粒子形成工程においては、樹脂粒子を含んだ溶液(原料分散液)を加熱し、溶液中の粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。なお、上記原料分散液としては、樹脂粒子分散液をそのまま用いてもよいし、上記混合溶液を用いてもよい。
【0054】
凝集粒子形成工程では、上記の通り、特定金属元素を含む凝集剤を添加することが望ましい。凝集剤を添加する方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、超音波分散機回転せん断型ホモジナイザーなどを用いて、凝集剤の粒子が分散した凝集剤粒子分散液を調整し、原料分散液に添加してもよい。上記凝集剤の粒子の体積平均粒径としては、例えば、100nm以上500nm以下の範囲が挙げられる。
また、特定金属元素を含む凝集剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子(結着樹脂成分)100質量部に対して、0.1質量部以上3.0質量部以下の範囲が挙げられる。
【0055】
なお、凝集粒子形成工程における加熱は、例えば結着樹脂のガラス転移温度を下回る温度域(ガラス転移温度に対して20℃乃至10℃低い温度)で実施する。また凝集粒子の形成は、回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、温度が20℃乃至30℃の状態で上記凝集剤及びキレート剤を添加し、原料分散液のpHを酸性にすることによってなされる。
【0056】
−付着工程−
凝集粒子形成工程を経た後には、必要であれば付着工程を実施してもよい。付着工程では、上記した凝集粒子形成工程を経て形成された凝集粒子の表面に、樹脂粒子を付着させることにより被覆層を形成する。これにより、コア層とこのコア層を被覆するシェル層(被覆層)とを含む、コア/シェル構造を有するトナー粒子が得られる。
被覆層の形成は、例えば、凝集粒子形成工程において凝集粒子(コア粒子)を形成した分散液中に、樹脂粒子分散液を追添加することにより行われる。なお、付着工程で利用する樹脂は、凝集粒子形成工程で利用するものと同一であっても異なっていてもよい。
【0057】
−融合・合一工程−
凝集粒子形成工程、又は、凝集粒子形成工程および付着工程を経た後に実施される融合・合一工程は、これらの工程を経て形成された凝集粒子を含む懸濁液のpHを調整することにより、凝集の進行を止めた後、加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。
pHの調整は、酸及び/またはアルカリを添加することによって行なわれる。酸は特に限定されないが、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸を0.1質量%以上50質量%以下の範囲で含む水溶液を用いてもよい。アルカリは特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物を0.1質量%以上50質量%以下の範囲とした水溶液が挙げられる。
上述した組成コントロールを行った後、凝集粒子を加熱して融合させる。なお、融合は、例えば、樹脂のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。
【0058】
−洗浄、乾燥工程等−
凝集粒子の融合・合一工程を終了した後、洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経てトナー粒子を得る。洗浄工程としては、例えばイオン交換水で置換洗浄する方法が挙げられる。また、固液分離工程には特に制限はないが、吸引濾過、加圧濾過等が挙げられる。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、例えば、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が用いられる。
【0059】
−外添工程−
乾燥後のトナー粒子は、そのままトナーとして用いてもよいが、必要に応じて既述した種々の外添剤を添加したトナーを作製してもよい。
外添剤を添加する方法としては、例えば、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等の混合機によって行う方法が挙げられる。
外添工程においては、必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、流動化剤;ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子等のクリーニング助剤;転写助剤;等が挙げられる。
【0060】
[静電潜像現像剤]
本実施形態の静電潜像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、又は二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
【0061】
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが用いられる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げられる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
【0062】
二成分現像剤における本実施形態のトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)は、例えば、トナー:キャリア=1:100から30:100程度の範囲が挙げられる。
【0063】
[画像形成装置]
次に、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷現像用現像剤を収容し、静電荷現像用現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有する。そして、静電荷現像用現像剤として、上記本実施形態に係る静電荷現像用現像剤を適用する。
【0064】
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷現像用現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
【0065】
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0066】
図1は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
【0067】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含む現像剤が供給可能である。
【0068】
上述した第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
【0069】
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、及び1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配置されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
【0070】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
【0071】
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
【0072】
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む本実施形態に係る静電荷現像用現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
【0073】
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0074】
また、第2のユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
【0075】
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定められたタイミングで給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0076】
この後、記録紙Pは定着装置(ロール状定着手段)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。
【0077】
トナー像を転写する被転写体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面も可能な限り平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
【0078】
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
【0079】
[プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ]
図2は、本実施形態に係る静電荷現像用現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例の実施形態を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、図2において符号300は被転写体を示す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置に対して着脱自在としたものである。
【0080】
図2で示すプロセスカートリッジ200では、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせられてカートリッジ化してもよい。本実施形態のプロセスカートリッジでは、現像装置111のほかには、感光体107、帯電装置108、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。
【0081】
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。本実施形態に係るトナーカートリッジは、画像形成装置に脱着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用の静電荷現像用トナーを収容するトナーカートリッジである。
【0082】
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
【実施例】
【0083】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例にのみ限定されるものではない。
なお、実施例中において「部」及び「%」は、特に断りのない限り「質量部」及び「質量%」を意味する。
【0084】
[トナー(1)の作製]
−結着樹脂分散液(1)の調製(樹脂粒子分散液の調整)−
・エチレングリコール 22.1部
・ネオペンチルグリコール 21.6部
・1,9−ノナンジオール 68.6部
・テレフタル酸 97.2部
・トリメリット酸 76.8部
【0085】
上記成分をフラスコに仕込み、1.5時間かけて温度200℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。更に、生成する水を除去しながら同温度から6時間かけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、重量平均分子量が60,000であるポリエステル樹脂(1)を得た。
【0086】
次いで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備していた水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cmの条件でキャビトロンを運転し、固形分39.1%の結着樹脂分散液(1)を得た。
【0087】
−顔料分散液の調製(着色剤粒子分散液の調整)−
・カーボンブラック(CABOT社製、R330) 80部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 10部
・イオン交換水 245部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて20分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量24.7質量%の顔料分散液を調製した。
【0088】
−離型剤分散液の調製(離型剤粒子分散液の調整)−
・離型剤(日本精鑞社製、FT105) 90部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 15部
・イオン交換水 270部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて20分間分散した後、循環式長音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて固形分量25.2質量%の離型剤分散液を調製した。
【0089】
−トナー粒子(1)の作製−
・結着樹脂分散液(1) 152.2部
・顔料分散液 28.7部
・離型剤分散液 27.8部
・界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス) 6部
・イオン交換水 456部
【0090】
上記の成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpm、34時間攪拌した後、0.1℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.5であった。その後、あらかじめpHを4.3に調整した、追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が6.0μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を14g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が5.9μmのトナー粒子(1)を得た。
【0091】
−トナー(1)の作製−
市販のヒュームドシリカRX50(日本アエロジル(株)製、個数平均粒子径D50:40nm)を用意した。
得られたトナー粒子(1)100部に対し、外添剤としてヒュームドシリカRX50(日本アエロジル(株)製、個数平均粒子径D50:40nm)を3部加え、ヘンシェルミキサーを用い周速45m/sで10分間ブレンドを行った後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー(1)を得た。
【0092】
[トナー(2)の作製]
−トナー粒子(2)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、0.1℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.5であった。その後、あらかじめpHを2.8に調整した、追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が6.0μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を30g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が5.9μmのトナー粒子(2)を得た。
【0093】
−トナー(2)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(2)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(2)を得た。
【0094】
[トナー(3)の作製]
−トナー粒子(3)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpm、47時間攪拌した後、2℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.1であった。その後、あらかじめpHを3.3に調整した、追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が6.2μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を12g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が6.1μmのトナー粒子(3)を得た。
【0095】
−トナー(3)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(3)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(3)を得た。
【0096】
[トナー(4)の作製]
−トナー粒子(4)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpm、36時間攪拌した後、0.1℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.6であった。その後、あらかじめpHを3.5に調整した、追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が6.1μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を10g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が6.0μmのトナー粒子(4)を得た。
【0097】
−トナー(4)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(4)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(4)を得た。
【0098】
[トナー(5)の作製]
−トナー粒子(5)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpm、26時間攪拌した後、0.1℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.3であった。その後、あらかじめpHを3.3に調整した、追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が6.5μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を26g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が6.4μmのトナー粒子(5)を得た。
【0099】
−トナー(5)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(5)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(5)を得た。
【0100】
[トナー(6)の作製]
−トナー粒子(6)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%硫酸アルミニウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpm、39時間攪拌した後、2℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.5であった。その後、あらかじめpHを3.8に調整した、追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が6.1μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を34g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が6.0μmのトナー粒子(6)を得た。
【0101】
−トナー(6)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(6)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(6)を得た。
【0102】
[トナー(7)の作製]
−トナー粒子(7)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpm、32時間攪拌した後、0.1℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.5あった。その後、あらかじめpHを2.8に調整した、追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が5.9μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を24g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が5.8μmのトナー粒子(7)を得た。
【0103】
−トナー(7)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(7)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(7)を得た。
【0104】
[トナー(8)の作製]
−トナー粒子(8)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、2℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.3あった。その後、あらかじめpHを2.5に調整した、追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が6.3μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を41g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が6.2μmのトナー粒子(8)を得た。
【0105】
−トナー(8)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(8)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(8)を得た。
【0106】
[トナー(9)の作製]
−トナー粒子(9)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認した後、2℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.3あった。その後、あらかじめpHを4.2に調整した、追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が6.3μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を36g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が6.2μmのトナー粒子(7)を得た。
【0107】
−トナー(9)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(9)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(9)を得た。
【0108】
[トナー(10)の作製]
−トナー粒子(10)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認した後、2℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.4あった。その後、あらかじめpHを3.1に調整した、追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が5.9μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を13g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が5.8μmのトナー粒子(10)を得た。
【0109】
−トナー(10)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(10)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(10)を得た。
【0110】
[トナー(11)の作製]
−トナー粒子(11)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpm、48時間攪拌した後、2℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.2あった。その後、あらかじめpHを3.9に調整した、追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が6.1μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を37g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が6.0μmのトナー粒子(11)を得た。
【0111】
−トナー(11)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(11)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(11)を得た。
【0112】
[トナー(12)の作製]
トナー(1)の作製において、ヒュームドシリカRX50の代わりに酸化アルミニウムAEROXIDE AluC(日本アエロジル(株)製、個数平均粒子径D50:13nm)、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(2)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(12)を得た。
【0113】
[トナー(13)の作製]
−トナー粒子(12)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpm、37時間攪拌した後、2℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.4あった。その後、あらかじめpHを3.2に調整した、追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が6.0μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を16g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が5.9μmのトナー粒子(12)を得た。
【0114】
−トナー(13)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(12)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(13)を得た。
【0115】
[トナー(14)の作製]
−トナー粒子(13)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認した後、0.1℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.3あった。その後、あらかじめpHを3.2に調整した、追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が6.3μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を14g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が6.2μmのトナー粒子(13)を得た。
【0116】
−トナー(14)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(13)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(14)を得た。
【0117】
[トナー(15)の作製]
−トナー粒子(14)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpm、18時間攪拌した後、2℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.3あった。その後、あらかじめpHを3.0に調整した追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が6.2μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を19g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が6.1μmのトナー粒子(14)を得た。
【0118】
−トナー(15)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(14)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(15)を得た。
【0119】
[トナー(16)の作製]
−トナー粒子(15)の作製−
トナー粒子(1)の作製で用いた同様の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散する。その後、前記分散液をウォーターバスを用いて、5℃に保持しながら、10%塩化マグネシウム水溶液5部を加え、フラスコ内の内容物を攪拌した。均一に分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpm、61時間攪拌した後、2℃/分の昇温速度で44℃まで加熱攪拌し、44℃で35分間保持した。このときの分散液のpHは2.0あった。その後、あらかじめpHを2.9に調整した追加の結着樹脂分散液(1)65.2部を添加し、40分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が6.5μmの凝集粒子が生成していることが確認された。0.8M水酸化ナトリウム水溶液を28g添加した。その後、温度を上げて90℃に到達した時点で22%HIDS水溶液を12部添加したのち5時間かけて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が6.4μmのトナー粒子(15)を得た。
【0120】
−トナー(16)の作製−
トナー(1)の作製において、トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(15)を用いたこと以外は同様に行い、トナー(16)を得た。
【0121】
[実施例1〜9、比較例1〜7]
表3に従ったトナーを、実施例1〜9、比較例1〜7のトナーとし、以下に示す評価を行った。
【0122】
(トナーの分析評価)
得られた各トナーついて、次の分析を行ない評価した。
・トナー粒子中における硫黄元素の蛍光X線(XRF)分析によるNet強度Cs(kcps)
・トナー粒子中におけるAl及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素の蛍光X線(XRF)分析によるNet強度Cm(kcps)
・トナーを低温低湿環境下で攪拌しながら保存した後、さらに高温高湿環境下で攪拌しながら保存したとき、トナーの高温高湿環境下での保存前後におけるトナーの水分率変化量
・トナー粒子中におけるHIDSの測定
なお、HIDSの測定以外の分析は、既述の通りに行った。
【0123】
−HIDSの測定−
以下のようにして、トナー粒子中にHIDSが含有されているかどうかを確認した。
(1)トナー0.1gを秤量し、これに0.5MのNaOH水溶液50mL、及び20%界面活性剤(テイカパワー)を適量加えて、28度で2時間ボールミルを用いて混合・攪拌を行う。
(2)その後、(1)を遠心分離機により2000rpmで、30分間分離を行う。
(3)(2)で得られた上澄み液を、JIS規格5Aの濾紙を用い、固液分離を行う。
(4)(3)で得られた濾液8.5mL、酢酸緩衝溶液1.0mL(1M酢酸20.0mL、1M酢酸ナトリウム30.0mL、及びイオン交換水100mLを十分に混合したもの)、並びに0.19%塩化鉄(III)水溶液0.5mLを三角フラスコに秤量し、十分に混合を行う。
(5)(4)で得られた試料を、高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて、下記の条件により測定し、分散液中にHIDSが含有されているかどうかを確認した。
【0124】
分析装置:(株)日立ハイテクノロジーズ製LaChromElite L−2000シリーズ
カラム:HITACHI GL−W520−S(Φ7.8mm×300mm)
検出器:L−2455形ダイオードアレイ検出器
測定波長:UV190〜400nm
定量波長:UV284nm
移動相:50mMリン酸水素2カリウム
送液速度:1.0mL/min
サンプル注入量:10μL
カラム温度:50℃
【0125】
(画質評価)
−現像剤の作製−
得られたトナー5部に対し、得られたキャリア100部を加え、V−ブレンダーを用い40rpmで20分間撹拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより、現像剤を得た。
【0126】
なお、キャリアとしては、次のものを用いた。
・フェライト粒子(体積平均粒子径:50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体 2部
(成分比:90/10、Mw=80000)
・カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを得た。
【0127】
−画質評価−
・色点発生評価1
得られた現像剤を、Fuji Xerox社製DocuCenterColor a450改造機の現像器に充填し、次の色点発生評価を行った。
まず、低温低湿環境下(10℃15%RH環境下)で50000枚以上の出力(画像濃度100%画像のプリント)を行った後、高温高湿環境下(30℃85%RH環境下)で50000枚以上の出力(画像濃度100%画像のプリント)を行った。
その後、A4用紙を白紙で出力し、白色部における色点の個数をカウントした。色点の総和(色点個数)を求め、以下の基準で評価した。なおG2以上を実用上問題ないレベルとした。
−評価基準−
G0:色点個数が0個
G1:色点個数が5個未満
G2:色点個数が5個以上10個未満
G3:色点個数が10個以上30個未満
G4:色点個数が30個以上
【0128】
以下に、作製したトナーの詳細や、評価結果を、一覧で表1〜3に示す。
【0129】
【表1】

【0130】
【表2】

【0131】
【表3】

【0132】
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、色点発生評価につき良好な結果が得られることがわかる。
【符号の説明】
【0133】
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、110 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K 現像剤カートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(被転写体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結着樹脂と、硫黄元素と、Al及びMgから選ばれる1種の元素と、を含有するトナー粒子を有し、
前記トナー粒子に含有される硫黄元素の蛍光X線(XRF)分析によるNet強度をCs(kcps)、前記トナー粒子に含有されるAl及びMgから選ばれる1種の元素の蛍光X線(XRF)分析によるNet強度をCm(kcps)としたとき、下記関係式(1)及び(2)を満たす静電潜像現像用トナー。
関係式(1):0.2<Cm<0.4
関係式(2):4.5<Cs/Cm<5.5
【請求項2】
Al及びMgから選ばれる1種の元素が、Mgである請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
【請求項3】
前記トナー粒子が、3−ヒドロキシ-2,2’−イミノジコハク酸を含有する請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
【請求項4】
外添剤として、Al及びMgから選ばれる1種の元素を含む無機粒子を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
【請求項5】
トナーを低温低湿環境下で攪拌しながら保存した後、さらに高温高湿環境下で攪拌しながら保存したとき、トナーの前記高温高湿環境下での保存前後における前記トナーの水分率変化量が0.1質量%以上1.0質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーを含む静電潜像現像用現像剤。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーが収納されたトナーカートリッジ。
【請求項8】
請求項5に記載の静電荷現像用現像剤を収容し、前記静電荷現像用現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
【請求項9】
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5に記載の静電荷現像用現像剤を収容し、前記静電荷現像用現像剤により、前記像保持体上に形成された前記静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
前記像保持体上に形成された前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、
前記被転写体上に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−209313(P2011−209313A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73721(P2010−73721)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】