説明

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法

【課題】像保持体清掃手段としてクリーニングブレードを用いた場合でもクリーニングブレードの変形が抑制され、色スジの画質欠陥の発生が抑制される静電荷像現像用トナーを提供する。
【解決手段】ポリエステル樹脂および着色剤を含むトナー粒子と、ポリエステル樹脂を含み、着色剤を含まない無着色粒子と、を含有し、無着色粒子の形状係数SF1が110以下であり、無着色粒子の個数が、トナー粒子5,000個に対して50個以下である静電荷像現像用トナーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法など静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により像保持体上に静電潜像を形成し(潜像形成工程)、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある。)を含む静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある。)で静電潜像を現像し(現像工程)、転写工程、定着工程を経て可視化される。転写後の像保持体の表面に残留したトナー等の残留物はクリーニングブレード等の像保持体清掃手段により除去されて清掃される(像保持体清掃工程)。ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とがある。
【0003】
近年、トナーの形状および表面構造などの制御を意図的に行うことが可能な手段として、乳化凝集法などの湿式製法によるトナーの製造方法が提案されている。乳化凝集法は、一般に乳化重合、転相乳化などにより樹脂粒子分散液を作製し、一方、溶媒に着色剤を分散させた着色剤分散液、溶媒に離型剤を分散させた離型剤分散液等を作製した後、これらを混合し、トナー粒径に相当する凝集粒子を形成し、加熱することによって融合(合一)させてトナーとする製造方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
トナーに用いられる結着樹脂としては、スチレン/アクリル系共重合樹脂や、ポリエステル樹脂(例えば、特許文献2参照)などが代表的な結着樹脂として知られている。近年、高画質化、省エネルギ化のための低温定着性などの観点から、ポリエステル樹脂を用いて乳化凝集法を利用して作製されたトナーが広く用いられるようになってきている。
【0005】
ここで、ポリエステル樹脂の重合には、Sn元素を含む化合物等が触媒として用いられることがある。この触媒に起因するSn元素はポリエステル樹脂に残留し、最終的にトナー中に残留することがあるが、トナー中のSn元素の含有量を制御することにより、トナーの諸特性を改善することが試みられている。
【0006】
例えば、特許文献3には、Sn−C結合を有していない錫(II)化合物とスルホン酸基含有化合物との存在下、原料単量体を縮重合させて得られる縮重合系樹脂を含む結着樹脂を用いたトナーが記載され、縮重合系樹脂の原料単量体総量100質量部に対して、Sn−C結合を有していない錫(II)化合物の存在量が0.01質量部以上2.0質量部以下であること、このトナーは、帯電の立ち上がり性に優れ、高画像濃度を提供する良好な帯電量レベルを備えることが記載されている。
【0007】
例えば、特許文献4には、結晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、アルミニウム元素、スズ元素、および離型剤を含有し、アルミニウム元素の含有量は、トナー全体に対し0.005質量%以上0.060質量%以下であり、スズ元素の含有量は、トナー全体に対し0.12質量%以上0.72質量%以下であり、離型剤の酸価は、0mgKOH/g以上5.0mgKOH/g以下である、静電荷像現像用トナーが記載され、このトナーは、記録媒体の先端余白が小さい画像の形成においても定着部材からの画像剥離性が良好であり、高光沢な画像が形成され、かつ、耐オフセット性が良好であることが記載されている。
【0008】
例えば、特許文献5には、ポリエステル樹脂と、Sn元素とを含むトナー母粒子を有し、トナー母粒子中のSn元素の含有量が1.5質量%以上6.0質量%以下の範囲内である静電荷像現像用トナーが記載され、このトナーはクリーニングブレードへの固着が起こり難いことが記載されている。
【0009】
また、特許文献5には、転相乳化法を利用してポリエステル樹脂の樹脂粒子分散液を調製した場合、樹脂粒子分散液中に粒径が約100nm前後程度以下と推定される粒径の小さい樹脂粒子が発生し、この粒径の小さい樹脂粒子は溶液中での分散安定性が低いことから凝集粒子形成工程や融合工程において自己凝集を起こし、トナー粒径よりも粒径の小さい粒径1μm以下の粒子を生成しやすいこと、トナー中に含まれる、このポリエステル樹脂を含む粒径1μm以下の粒子の存在割合が、1.0質量%以下であることが好ましく、存在割合は0質量%に近ければ近いほどよく、その存在割合が1.0質量%を超える場合には、微小粒子の割合が増加するため、クリーニングブレードへの固着が発生し易くなる場合があることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭63−282752号公報
【特許文献2】特公昭62−39428号公報
【特許文献3】特開2008−70455号公報
【特許文献4】特開2009−122522号公報
【特許文献5】特開2009−69647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、像保持体清掃手段としてクリーニングブレードを用いた場合でもクリーニングブレードの変形が抑制され、色スジの画質欠陥の発生が抑制される静電荷像現像用トナー、そのトナーを含む静電荷像現像用現像剤、その現像剤を用いる現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、ポリエステル樹脂および着色剤を含むトナー粒子と、ポリエステル樹脂を含み、着色剤を含まない無着色粒子と、を含有し、前記無着色粒子の形状係数SF1が110以下であり、前記無着色粒子の個数が、前記トナー粒子5,000個に対して50個以下である静電荷像現像用トナーである。
【0013】
請求項2に係る発明は、前記無着色粒子に含まれるSn元素量が前記トナー粒子に含まれるSn元素量よりも多い、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーを含有する静電荷像現像用現像剤である。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤を含有する現像剤カートリッジである。
【0016】
請求項5に係る発明は、像保持体と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、を備え、前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であるプロセスカートリッジである。
【0017】
請求項6に係る発明は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、を備え、前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤である画像形成装置である。
【0018】
請求項7に係る発明は、像保持体の表面を帯電させる帯電工程と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記現像されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、を備え、前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤である画像形成方法である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明によると、像保持体清掃手段としてクリーニングブレードを用いた場合でもクリーニングブレードの変形が抑制され、色スジの画質欠陥の発生が抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
【0020】
請求項2に係る発明によると、像保持体清掃手段としてクリーニングブレードを用いた場合でもクリーニングブレードの変形がより抑制され、色スジの画質欠陥の発生が抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
【0021】
請求項3に係る発明によると、像保持体清掃手段としてクリーニングブレードを用いた場合でもクリーニングブレードの変形が抑制され、色スジの画質欠陥の発生が抑制される静電荷像現像用現像剤が提供される。
【0022】
請求項4に係る発明によると、像保持体清掃手段としてクリーニングブレードを用いた場合でもクリーニングブレードの変形が抑制され、色スジの画質欠陥の発生が抑制される現像剤カートリッジが提供される。
【0023】
請求項5に係る発明によると、像保持体清掃手段としてクリーニングブレードを用いた場合でもクリーニングブレードの変形が抑制され、色スジの画質欠陥の発生が抑制されるプロセスカートリッジが提供される。
【0024】
請求項6に係る発明によると、像保持体清掃手段としてクリーニングブレードを用いた場合でもクリーニングブレードの変形が抑制され、色スジの画質欠陥の発生が抑制される画像形成装置が提供される。
【0025】
請求項7に係る発明によると、像保持体清掃手段としてクリーニングブレードを用いた場合でもクリーニングブレードの変形が抑制され、色スジの画質欠陥の発生が抑制される画像形成方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0028】
<静電荷像現像用トナー>
本発明の実施形態に係るトナーは、ポリエステル樹脂および着色剤を含むトナー粒子と、ポリエステル樹脂を含み、着色剤を含まない無着色粒子と、を含有し、無着色粒子の形状係数SF1が110以下であり、無着色粒子の個数が、トナー粒子5,000個に対して50個以下である。
【0029】
本実施形態に係るトナーは、後述するように、例えば、転相乳化法を利用してポリエステル樹脂を含む樹脂粒子を溶媒に分散させた樹脂粒子分散液に、着色剤を溶媒に分散させた着色剤分散液、必要に応じてその他のトナーを構成する各種材料を分散させた分散液を混合した原料分散液中で、凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、凝集粒子を融合する融合工程とを経て作製される。
【0030】
ポリエステル樹脂を含むトナー中には、トナー粒子と粒径が比較的類似した、着色剤を含有していない無着色粒子が混入する場合がある。ポリエステル樹脂は一般的に酸成分とアルコール成分との重縮合反応により合成され、この重合には、Sn元素を含む触媒化合物(以下、単に「スズ含有触媒」と呼ぶ場合がある)が触媒として用いられることが多い。例えば、スズ含有触媒を触媒として用いたポリエステル樹脂の重合において、未反応の酸成分、アルコール成分の単量体が樹脂中に残留すると、このような残留成分のうち酸成分の単量体は官能基としてカルボン酸を有しており、極性が高く親水性も高い。ポリエステル樹脂の重合過程で樹脂骨格に入らないスズ含有触媒のイオン性のSn元素が、残留した酸成分と錯体を形成すると、この樹脂を用いた乳化樹脂(ラテックス)作製の過程において、樹脂粒子表面に付着するカルボン酸を含む酸成分が減少することになり、その結果、親水性が低下し、表面積の減少が抑制されることでトナー粒子と粒径が比較的類似したまたは粒径が比較的大きな樹脂粒子(以下、単に「樹脂粗粒子」と呼ぶ場合がある)が生成すると考えられる。
【0031】
また、ポリエステル樹脂の合成においてスズ含有触媒を触媒として用いるとスズ含有触媒が反応起点となり重合反応が進行するが、スズ含有触媒は反応系の粘度が比較的低い部分に集まって偏在し、その偏在した部分で重合反応が発熱しながら進行するため、その部分では発熱により粘度が上昇しないのでさらに重合が進み、その結果、分子量が比較的高く、ガラス転移温度が比較的高い樹脂粗粒子が生成すると考えられる。
【0032】
このような樹脂粗粒子を含む樹脂粒子分散液を用いて、着色剤分散液、必要に応じてその他の原料分散液中で凝集粒子を形成すると、通常の粒径が比較的小さな樹脂粒子(例えば、200nm程度)はブラウン運動を行うことにより衝突して凝集を繰り返して着色剤等を取り込んでトナー粒子を形成する。一方、樹脂粗粒子はブラウン運動をほとんど行わないために着色剤等を取り込まず、着色剤を含まない無着色粒子としてほとんどそのままの状態で残り、この無着色粒子は上述のように分子量およびガラス転移温度が比較的高いものとなると考えられる。
【0033】
このようにして、ポリエステル樹脂を含むトナー中には、トナー粒子と粒径が比較的類似したまたは粒径が比較的大きい、着色剤を含有していない無着色粒子が混入することになる。
【0034】
本実施形態に係るトナーでは、このような無着色粒子の個数がトナー粒子5,000個に対して50個以下であり、30個以下であることが好ましく、15個以下であることがより好ましい。無着色粒子の個数がトナー粒子5,000個に対して50個を超えると、無着色粒子は機械的強度が高いために、例えば、画像濃度が5%のような白紙に近い状態の出力を繰り返した場合にクリーニングブレードに負荷がかかり、クリーニングブレードの変形が発生することとなる。またクリーニングブレードの変形が発生すると、トナー粒子のクリーニング性も損ねることとなり、色スジの画質欠陥が発生する。すなわち、無着色粒子の個数がトナー粒子5,000個に対して50個以下であると、像保持体清掃手段としてクリーニングブレードを用いた場合でもクリーニングブレードの変形が抑制され、色スジの画質欠陥の発生が抑制される。なお、トナー粒子5,000個に対する無着色粒子の個数は少なければ少ないほどよいが、5個以上あるいは10個以上存在する場合がある。
【0035】
本実施形態に係るトナーにおいて、無着色粒子の個数をトナー粒子5,000個に対して50個以下とするためには、例えば、ポリエステル樹脂を転相乳化した後で、遠心分離処理や自然沈降処理により樹脂粗粒子を取り除く方法、ポリエステル樹脂を転相乳化した後の脱溶剤条件を加熱かつ減圧条件ではなく、常温(例えば20℃以上30℃以下)かつ常圧(例えば700mmHg以上800mmHg以下)の送風の間で制御する方法等が挙げられる。また、ポリエステル樹脂の製造時に、スズ含有触媒をできるだけ1段で反応系に添加する等のスズ含有触媒の反応系への添加方法により、反応系におけるスズ含有触媒の偏在を抑制して、樹脂粗粒子の生成を制御してもよい。
【0036】
本明細書において、無着色粒子が「着色剤を含まない」とは、後述する実施例に記載した方法により求めた無着色粒子に含まれる着色剤の量が10ppm以下であることをいう。
【0037】
本実施形態に係るトナーにおいて、無着色粒子のSF1は110以下である。転相乳化は表面積をなるべく小さくするように粒子が形成されるためである。無着色粒子のSF1が110を超えると、実質的にクリーニングされてしまうため問題がほとんど生じない。
【0038】
トナー粒子または無着色粒子中のSn元素の含有量が増加するに従い、粒子の機械的強度および耐熱性が高くなる。これは、Sn元素がトナー粒子または無着色粒子のマトリックス中でイオン架橋の形成に寄与するため、分子量およびガラス転移温度が比較的と高くなるためと考えられる。無着色粒子に含まれるSn元素量がトナー粒子に含まれるSn元素量よりも多いと、機械的強度が比較的高い無着色粒子がトナー粒子中に存在することになり、像保持体清掃手段としてクリーニングブレードを用いた場合にクリーニングブレードの変形が発生し、色スジの画質欠陥が発生する傾向にある。しかし、無着色粒子の個数がトナー粒子5,000個に対して50個以下であることにより、像保持体清掃手段としてクリーニングブレードを用いた場合でもクリーニングブレードの変形が抑制され、色スジの画質欠陥の発生が抑制される。
【0039】
なお、本明細書において「Sn元素量」とは、より正確には、ポリエステル樹脂の重合に利用されるスズ化合物触媒に含まれるようなイオン性のSn元素に起因する含有量を意味し、酸化スズなどの共有結合性のSn元素に起因する成分は除かれる。
【0040】
本明細書において、「無着色粒子に含まれるSn元素量がトナー粒子に含まれるSn元素量よりも多い」とは、後述する実施例に記載した方法により求めた無着色粒子に含まれるSn元素の量が、トナー粒子に含まれるSn元素の量よりも多いことをいい、例えば、無着色粒子に含まれるSn元素量がトナー粒子に含まれるSn元素量の1.1倍以上3倍以下の範囲であり、1.1倍以上2倍以下の範囲である。無着色粒子に含まれるSn元素量がトナー粒子に含まれるSn元素量の3倍以下であれば前述のクリーニングブレードの変形がより抑制されるため、色スジの発生が抑制される。具体的な方法としては、縮重合時の触媒の分散に時間をかけたり、分散時の粘度を上げるため一度低温で撹拌させるなどの方法をとればよい。
【0041】
本実施形態に係るトナーにおいて、ポリエステル樹脂が構成成分としてアルケニルコハク酸などを含むことが好ましい。ポリエステル樹脂が構成成分としてアルケニルコハク酸などを含むことにより、立体障害により酸成分との錯体を形成しにくくなる場合がある。
【0042】
なお、トナー粒子および無着色粒子のSn元素量、無着色粒子の形状係数SF1、個数、重量平均分子量、ガラス転移温度、構成成分等は、後述する実施例に記載したように測定する。
【0043】
(トナーの構成成分)
本発明の実施形態に係る静電荷像現像用トナーにおけるトナー粒子および無着色粒子は、ポリエステル樹脂を含有する。トナー粒子はさらに着色剤を含有し、必要に応じて離型剤等のその他の成分を含有する。
【0044】
ポリエステル樹脂は、酸(多価カルボン酸)成分とアルコール(多価アルコール)成分とから合成されるものであり、本実施形態において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
【0045】
[酸由来構成成分]
酸由来構成成分は、特に制限はなく、脂肪族ジカルボン酸、芳香族カルボン酸が好ましく用いられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、これらに限定されない。また芳香族カルボン酸としては例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類の低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。また、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類等が挙げられる。さらに良好な定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。また、前述のアルケニルコハク酸類の具体的なものとしては、ドデセニルコハク酸、ドデシルコハク酸、ステアリルコハク酸、オクチルコハク酸、オクセニルコハク酸等が挙げられる。
【0046】
[アルコール由来構成成分]
アルコール由来構成成分としては特に制限はないが、脂肪族ジオールとして、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられる。また、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどや、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が用いられる。また、良好な定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
【0047】
ポリエステル樹脂の製造方法としては特に制限はなく、酸成分とアルコール成分を反応させる一般的なポリエステル重合法で製造すればよく、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、単量体の種類によって使い分けて製造すればよい。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
【0048】
ポリエステル樹脂の製造は、例えば、重合温度180℃以上230℃以下の間で行えばよく、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させてもよい。単量体が、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、重合反応が部分的に早くなったり、遅くなる場合があり、無着色粒子を多く発生する場合があるため、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行ってもよい。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合はあらかじめ相溶性の悪い単量体と、その単量体と重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させてもよい。
【0049】
ポリエステル樹脂の製造時に使用してもよい触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、およびアミン化合物等が挙げられる。この中でも、例えば、スズ、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド等のスズ含有触媒を用いることが好ましい。
【0050】
上記スズ含有触媒の添加量を制御することにより、トナー粒子および無着色粒子に対するSn元素の含有量が制御される。上記スズ含有触媒の添加量は、例えば、単量体成分100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下とすることが好ましく、0.1質量部以上3.0質量部以下とすることがより好ましい。
【0051】
また、ポリエステル樹脂の製造時に、スズ含有触媒をできるだけ1段で反応系に添加する等のスズ含有触媒の反応系への添加方法により、反応系におけるスズ含有触媒の偏在を抑制して、樹脂粗粒子の生成を制御してもよい。
【0052】
スズ含有触媒には、有機スズ含有触媒と無機スズ含有触媒がある。有機スズ含有触媒とは、Sn−C結合を有する化合物であり、無機スズ含有触媒とは、Sn−C結合を有しない化合物である。スズ含有触媒には、ジ型、トリ型、テトラ型などの型があるが、ジ型が好ましく用いられる。また、無機スズ含有触媒が好ましい。
【0053】
上記の他に、無機スズ含有触媒としては、例えば、ジ酢酸スズ、ジヘキサン酸スズ、ジオクタン酸スズ、ジステアリン酸錫などの非分岐型アルキルカルボン酸スズ、ジネオペンチル酸スズ、ジ(2−エチルヘキシル)酸スズなどの分岐非分岐型アルキルカルボン酸スズ、シュウ酸スズなどのカルボン酸スズ、ジオクチロキシスズ、ジステアロキシスズなどのジアルコキシスズ、塩化スズ、臭化スズなどのハロゲン化スズ、酸化スズ、硫酸スズなどが挙げられ、特に、ジオクタン酸スズ、ジステアリン酸スズ、酸化スズが好ましい。
【0054】
本実施形態においては、静電荷像現像用トナー用の樹脂として共重合可能なものであれは、親水性極性基を有する化合物を用いてもよい。具体例としては、仮に用いる樹脂がポリエステルである場合、スルホニル−テレフタル酸ナトリウム塩、3−スルホニルイソフタル酸ナトリウム塩等の芳香環に直接スルホニル基が置換したジカルボン酸化合物が挙げられる。
【0055】
ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwは5,000以上であることが好ましく、5,000以上50,000以下の範囲であることがより好ましい。このポリエステル樹脂を含むと、擦摺性に優位である。ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwが5,000を下回ると、トナー粒子が変形しやすくなり,また場合によっては分離しやすくなることから、遊離した樹脂に由来する問題(フィルミング、脆さによる微粉増加、粉体流動性悪化など)が発生する場合がある。
【0056】
本実施形態に係るトナーにおいて、ポリエステル樹脂以外の他の樹脂を含んでもよい。含んでもよい樹脂としては特に制限されないが、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体;さらにアクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン酸ナトリウム等のエチレン系不飽和酸単量体;さらにアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類単量体の単独重合体、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体、またはそれらの混合物、さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、または、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂の中でもスチレン系樹脂やアクリル系樹脂が特に好ましい。
【0057】
離型剤の具体的な例としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのごとき動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、およびそれらの変性物が挙げられる。
【0058】
これらの離型剤は単独で使用可能な他、2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら離型剤の含有量としては結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下が好ましく、5質量部以上9質量部以下がより好ましい。
【0059】
本実施形態のトナーに用いられる着色剤としては染料および顔料でもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が好ましい。好ましい顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジジンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料を使用すればよい。また、着色剤として磁性粉を使用してもよい。磁性粉としては、コバルト、鉄、ニッケルなどの強磁性金属、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、鉛、マグネシウム、亜鉛、マンガンなどの金属の合金、酸化物などの公知の磁性体を使用すればよい。
【0060】
これらは単独で使用可能な他、2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら着色剤の含有量としては結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上40質量部以下が好ましく、1質量部以上30質量部以下がさらに好ましい。
【0061】
なお、前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の各色トナーが得られる。
【0062】
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、無機粒子、帯電制御剤等の公知の各種添加剤等が挙げられる。
【0063】
本実施形態のトナーには必要に応じて無機粒子を添加してもよい。前記無機粒子としてはシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理したもの等公知の無機粒子を単独または二種以上を組み合わせて使用すればよいが、発色性やオーバヘッドプロジェクタ(OHP)透過性等の透明性を損なわないという観点から屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ粒子が好ましい。またシリカ粒子は種々の表面処理を施されてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが好ましい。
【0064】
これら無機粒子を添加することによりトナーの粘弾性を調整してもよく、画像光沢度や紙への染み込みを調整してもよい。無機粒子はトナー原料100質量部に対して0.5質量%以上20質量%以下含有されることが好ましく、1質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
【0065】
本実施形態のトナーには必要に応じて帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としてはクロム系アゾ染料、鉄系アゾ染料、アルミニウムアゾ染料、サリチル酸金属錯体などを使用すればよい。
【0066】
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
本実施形態に係るトナーは、乳化凝集法(凝集・合一法)などの湿式製法で製造することが好ましい。
【0067】
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法は、例えば、樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液と、着色剤を分散した着色剤分散液と、離型剤を分散した離型剤分散液とを混合し、樹脂粒子、離型剤および着色剤を含む凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集系内のpHを調整して凝集粒子の凝集の成長を停止させる停止工程と、凝集粒子を樹脂粒子の融点またはガラス転移温度以上の温度に加熱して、融合させる融合工程と、融合して得られたトナー粒子を少なくとも水を用いて洗浄する洗浄工程と、を含む方法である。トナー粒子を乾燥する乾燥工程をさらに有していてもよい。また、必要に応じて、凝集工程の後に、同じまたは異なる樹脂粒子を添加し、凝集粒子の表面に付着させるシェル層形成工程を有してもよい。
【0068】
以下、静電荷像現像用トナーの製造方法の一例における各工程について詳細に説明する。なお、本実施形態に係るトナーの製造方法はこれに限定されるものではない。
【0069】
[分散液調製工程]
分散液調製工程においては、樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液などを準備する。
【0070】
樹脂粒子分散液は、公知の転相乳化方法を用いるか、あるいは樹脂のガラス転移温度以上に加熱して機械的せん断力によって乳化させる方法などを用いて調製すればよい。この際、イオン性界面活性剤を添加してもよい。
【0071】
着色剤分散液は、例えば、イオン性界面活性剤を用いて、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック等の所望の色の着色剤粒子を溶媒中に分散させることにより調製すればよい。
【0072】
離型剤分散液は、例えば、離型剤を、水中に高分子電解質(例えば、イオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基など)とともに分散し、離型剤の融点以上に加熱するとともに、強い剪断をかけられるホモジナイザや圧力吐出型分散機により粒子化することにより調製すればよい。
【0073】
[凝集工程]
凝集工程においては、樹脂粒子分散液と着色剤分散液と離型剤分散液とを混合し、樹脂粒子と離型剤と必要に応じて着色剤とをヘテロ凝集させ、所望のトナー径にほぼ近い径を持つ凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。
【0074】
[シェル層形成工程]
シェル層形成工程においては、コア凝集粒子の表面に、樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液を用いて樹脂粒子を付着させ、所望の厚みの被覆層(シェル層)を形成することにより、コア凝集粒子表面にシェル層が形成されたコア/シェル構造を持つ凝集粒子(コア/シェル凝集粒子)を得る。
【0075】
なお、凝集工程、シェル層形成工程は、段階的に複数回に分けて繰り返し実施したものであってもよい。
【0076】
ここで、凝集工程およびシェル層形成工程において用いられる、樹脂粒子、着色剤、離型剤の体積平均粒径は、トナー径および粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが好ましく、100nm以上300nm以下の範囲であることがより好ましい。
【0077】
体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定する。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mLにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分間待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とする。
【0078】
[停止工程]
停止工程においては、凝集系内のpHを調整することにより、凝集粒子の凝集成長を停止させる。例えば、凝集系内のpHを6以上9以下の範囲に調整することにより、凝集粒子の成長を停止させる。
【0079】
[融合工程]
融合工程(融合・合一工程)においては、まず、凝集工程および必要に応じて行われたシェル形成工程を経て得られた凝集粒子を含有する溶液中にて、凝集粒子中に含まれる樹脂粒子の融点あるいはガラス転移温度以上の温度に加熱して、融合・合一することによりトナー粒子を得る。
【0080】
[洗浄工程]
洗浄工程においては、融合工程にて得られたトナー粒子の分散液にイオン交換水等による置換洗浄を少なくとも施し、固液分離を行う。固液分離方法には特に制限はないが、生産性などの点から、吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。
【0081】
[乾燥工程]
乾燥工程においては、固液分離されたウェットケーキを乾燥し、トナー粒子を得る。乾燥方法には特に制限はないが、生産性などの点から、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
【0082】
<静電荷像現像用トナーの物性>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒径としては、4μm以上8μm以下の範囲が好ましく、5μm以上7μm以下の範囲がより好ましく、また、個数平均粒径としては、3μm以上7μm以下の範囲が好ましく、4μm以上6μm以下の範囲がより好ましい。
【0083】
前記体積平均粒径および個数平均粒径の測定は、コールターマルチサイザII型(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャ径で測定することにより行われる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒分散させた後に行う。
【0084】
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒度分布指標GSDvは、1.27以下であり、好ましくは1.25以下である。GSDvが1.27を超えると粒度分布がシャープとならず、解像性が低下し、トナー飛散やかぶり等の画質欠陥の原因となる場合がある。
【0085】
なお、体積平均粒径D50vおよび体積平均粒度分布指標GSDvは、以下のようにして求める。前述のコールターマルチサイザII型(ベックマン−コールター社製)で測定されるトナーの粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。この際、D50vは体積平均粒径を表し、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として求められる。なお、(D84p/D16p)1/2は数平均粒度分布指標(GSDp)を表す。
【0086】
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの、下記式で表される形状係数SF1は好ましくは110以上140以下の範囲、より好ましくは115以上130以下の範囲である。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
〔ただし、上記式において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm2)を表す。〕
トナーの形状係数SF1が110より小さい、または140を超えると、長期にわたって、優れた帯電性、クリーニング性、転写性が得られないことがある。
【0087】
なお、形状係数SF1はルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いて次のように測定する。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、個々のトナーについて、(ML2/A)×(π/4)×100を算出し、これを平均した値を形状係数SF1として求める。
【0088】
<静電荷像現像用現像剤>
本実施形態において、静電荷像現像用現像剤は、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとればよい。本実施形態における静電荷像現像用現像剤は、静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像用現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像用現像剤となる。
【0089】
例えばキャリアを用いる場合のそのキャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアが挙げられる。
【0090】
キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。該キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30μm以上200μm以下程度の範囲である。
【0091】
また、上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロぺニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有単量体;などの単独重合体、または2種類以上の単量体からなる共重合体、さらに、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下程度の範囲が好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下の範囲がより好ましい。
【0092】
キャリアの製造には、加熱型ニーダ、加熱型ヘンシェルミキサ、UMミキサなどを使用すればよく、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用してもよい。
【0093】
静電荷像現像用現像剤における前記本実施形態の静電荷像現像用トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0094】
<トナーカートリッジ>
本実施形態に係るトナーカートリッジは、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーを含有するものであればよく、特に制限はない。トナーカートリッジは、例えば、現像手段を備えた画像形成装置に着脱され、この現像手段に供給されるためのトナーとして、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーが収納されているものである。
【0095】
<現像剤カートリッジ>
本実施形態に係る現像剤カートリッジは、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤を含有するものであればよく、特に制限はない。現像剤カートリッジは、例えば、現像手段を備えた画像形成装置に着脱され、この現像手段に供給されるための現像剤として、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤が収納されているものである。
【0096】
<プロセスカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、像保持体と、像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段とを備える。本実施形態のプロセスカートリッジは、必要に応じて、像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の像保持体の表面に残留した残留トナー等を除去して清掃する像保持体清掃手段と、被転写体に転写されたトナー像を定着するための定着手段とからなる群より選択される少なくとも1つを備えていてもよい。
【0097】
本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジの一例の概略構成を図1に示し、その構成について説明する。プロセスカートリッジ1は、静電潜像が形成される像保持体としての感光体(電子写真感光体)14と、感光体14の表面を帯電する帯電手段としての帯電装置10と、感光体14の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段としての現像装置16と、感光体14の表面に接触して、転写後に感光体14の表面に残留した残留トナーなどを除去して清掃する像保持体清掃手段としてのクリーニングブレード20とが一体に支持されており、画像形成装置に着脱自在である。画像形成装置に装着されたときには感光体14の周囲に、帯電装置10、レーザ光あるいは原稿の反射光などにより感光体14の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置12、現像装置16、感光体14表面のトナー像を被転写体である記録用紙24に転写処理する転写手段としての転写ロール18、クリーニングブレード20がこの順序で配置されるようになっている。なお、図1では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、その記載を省略してある。
【0098】
本実施形態に係るプロセスカートリッジ1の動作について説明する。
【0099】
まず、帯電装置10により感光体14の表面が帯電される(帯電工程)。次に、露光装置12により感光体14の表面に光が当てられ、光の当てられた部分の帯電電荷が除去され、画像情報に応じて静電潜像(静電荷像)が形成される(潜像形成工程)。その後、静電潜像が現像装置16により現像され、感光体14の表面にトナー像が形成される(現像工程)。例えば、感光体14として有機感光体を用い、露光装置12としてレーザビーム光を用いたデジタル式電子写真複写機の場合、感光体14の表面は、帯電装置10により負電荷を付与され、レーザビーム光によりドット状にデジタル潜像が形成され、レーザビーム光の当たった部分に現像装置16でトナーを付与され可視像化される。この場合、現像装置16にはマイナスのバイアスが印加されている。次に転写ロール18で、被転写体である記録用紙24がこのトナー像に重ねられ、記録用紙24の裏側からトナーとは逆極性の電荷が記録用紙24に与えられ、静電気力によりトナー像が記録用紙24に転写される(転写工程)。転写されたトナー像は、定着手段としての定着ロール22を有する定着装置において熱および圧力が加えられ、記録用紙24に融着されて定着される(定着工程)。一方、転写されずに感光体14の表面に残存したトナー等の残留物はクリーニングブレード20により除去される(像保持体清掃工程)。この帯電工程から像保持体清掃工程に至る一連のプロセスで一回のサイクルが終了する。なお、図1において、転写ロール18で記録用紙24に直接トナー像が転写されているが、中間転写ベルト等の中間転写体を介して転写されてもよい。
【0100】
帯電手段である帯電装置10としては、例えば、図1に示すようなコロトロンなどの帯電器が用いられるが、導電性または半導電性の帯電ロールを用いてもよい。導電性または半導電性の帯電ロールを用いた接触型帯電器は、感光体14に対し、直流電流を印加するか、交流電流を重畳させて印加してもよい。例えばこのような帯電装置10により、感光体14との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることにより感光体14表面を帯電させる。なお、通常は、−300V以上−1000V以下に帯電される。また前記の導電性または半導電性の帯電ロールは単層構造あるいは多重構造でもよい。また、帯電ロールの表面をクリーニングする機構を設けてもよい。
【0101】
感光体14は、少なくとも静電潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。電子写真感光体は、円筒状の導電性の基体外周面に必要に応じて下引き層と、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とがこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、感光層の上に保護層を有してもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜など他の種類の感光層を使用してもよい。
【0102】
露光装置12としては、特に制限はなく、例えば、感光体14表面に、半導体レーザ光、LED(Light Emitting Diode)光、液晶シャッタ光などの光源を、所望の像様に露光するレーザ光学系、LEDアレイなどの光学系機器などが挙げられる。
【0103】
現像手段は、感光体14上に形成された静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む一成分現像剤あるいは二成分現像剤により現像してトナー像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、トナー層が感光体14に接触する方式のものでも、接触しない方式のものでもよい。例えば、図1のように静電荷像現像用トナーを現像装置16を用いて感光体14に付着させる機能を有する現像器、あるいはブラシなどを用いてトナーを感光体14に付着させる機能を有する現像器など、公知の現像器などが挙げられる。
【0104】
転写手段である転写装置としては、例えば、記録用紙24の裏側からトナーとは逆極性の電荷を記録用紙24に与え、静電気力によりトナー画像を記録用紙24に転写するもの、あるいは図1に示すような記録用紙24の表面に記録用紙24を介して直接接触して転写する導電性または半導電性のロール等を用いた転写ロールおよび転写ロール押圧装置を用いればよい。転写ロールには、像保持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロールは、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等により、任意に設定すればよい。また、低コスト化のため、転写ロールとして単層の発泡ロール等が好適に用いられる。転写方式としては、記録用紙24に直接転写する方式でも、中間転写体を介して記録用紙24に転写する方式でもよい。
【0105】
中間転写体としては、公知の中間転写体を用いればよい。中間転写体に用いられる材料としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンテレフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフロロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料等が挙げられるが、機械的強度の観点から熱硬化ポリイミド樹脂を用いた中間転写ベルトが好ましい。
【0106】
像保持体清掃手段としては、像保持体上の残留トナー等を除去して清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定して差し支えない。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。中でも、耐摩耗性に優れていることから、特にポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。
【0107】
定着手段としての定着装置としては、記録用紙24に転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであれば特に制限はない。例えば、加熱ロールと加圧ロールとを備える定着装置が用いられる。
【0108】
トナー像を転写する被転写体である記録用紙24としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタなどに使用される普通紙、OHPシートなどが挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、転写材の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂などでコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙などが好適に使用される。
【0109】
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、現像されたトナー像を被転写体に転写する転写手段とを備える。本実施形態の画像形成装置は、必要に応じて、被転写体に転写されたトナー像を定着するための定着手段と、転写後の像保持体の表面に残留した残留トナー等を除去して清掃する像保持体清掃手段と、からなる群より選択される少なくとも1つを備えていてもよい。また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記プロセスカートリッジを使用するものであってもよい。
【0110】
本実施形態に係る画像形成装置の一例の概略構成を図2に示し、その構成について説明する。画像形成装置3は、静電潜像が形成される像保持体としての感光体14と、感光体14の表面を帯電する帯電手段としての帯電装置10と、レーザ光あるいは原稿の反射光などにより感光体14の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置12と、感光体14の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段としての現像装置16と、感光体14表面のトナー像を被転写体である記録用紙24に転写処理する転写手段としての転写ロール18と、感光体14の表面に接触して、転写後に感光体14の表面に残留した残留トナーなどを除去して清掃する像保持体清掃手段としてのクリーニングブレード20とを備える。画像形成装置3において、感光体14の周囲に、帯電装置10、露光装置12、現像装置16、転写ロール18、クリーニングブレード20がこの順序で配置されている。また、定着手段として定着ロール22を有する定着装置を備える。なお、図2では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、その記載を省略してある。画像形成装置3の各構成、画像形成時の動作は図1のプロセスカートリッジ1と同様である。
【0111】
本実施形態に係るプロセスカートリッジおよび画像形成装置の各構成については、これらに限らず従来から電子写真方式のプロセスカートリッジおよび画像形成装置の各構成として公知の構成を適用してもよい。すなわち、帯電手段、潜像形成手段、現像手段、転写手段、像保持体清掃手段、除電手段、給紙手段、搬送手段、画像制御手段等について、必要に応じて従来公知のものが適宜採用される。これらの構成については、本実施形態において特に限定されるものではない。
【実施例】
【0112】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0113】
まず、本実施例において、各測定は次のように行った。
【0114】
[ガラス転移温度の測定方法]
トナー、無着色粒子のガラス転移温度は、DSC(示差走査型熱量計)測定法により決定し、ASTM D3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。
【0115】
主体極大ピークの測定には、パーキンエルマー社製のDSC−7を用いた。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
【0116】
[分子量、分子量分布の測定方法]
分子量分布は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
【0117】
[着色剤を含まない無着色粒子の個数、SF1の測定方法]
トナー中の着色剤を含有していない無着色粒子を、10×400倍光学顕微鏡で観察し、トナー粒子5,000個中の無着色粒子の個数を数えた。
【0118】
[形状係数SF1の測定方法]
トナーおよび無着色粒子の形状係数SF1は、以下の式により算出した。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
(ただし、上記式において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm2)を表す。)
形状係数SF1は、ルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いて次のように測定した。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーまたは○○個の無着色粒子について最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、個々のトナーについて、(ML2/A)×(π/4)×100を算出し、これを平均した値を形状係数SF1として求めた。
【0119】
[スズ元素量の測定方法]
トナー、無着色粒子に含まれるスズ元素量は、走査型電子顕微鏡装置(日立協和エンジニアリング社製、SEM−EDX)を用いて、トナー表面、無着色粒子表面から検出されるスズと炭素の比により測定した。具体的には炭素とスズの量との比を測定し、これをトナーと無着色粒子とを比較することにより、トナーに対する無着色粒子のスズ元素量の量比とした。
【0120】
[無着色粒子中の着色材量の測定方法]
無着色粒子に含まれる着色剤の量は、着色剤にCuやCaなどの特殊な金属が含まれている場合は前述のSEM−EDXによる断面観察によりトナー断面と無着色粒子断面の比較することにより、または、無着色粒子をアセトン、酢酸エチルなどの溶媒に溶解させ、粒子の重量と溶媒量、吸収される着色剤の吸収波長と吸光係数からランベルト−ベールの法則により求めた。なお測定する着色剤の吸光係数がわからない場合は、トナーをDTAにより熱分解させ、最も高い温度で分解した成分の量を測定し、これからトナー中の着色剤の濃度を求め、さらにトナーを前述の溶媒に溶解させ、トナーの重量と溶媒量、吸収される着色剤の吸収波長から吸光係数を求め、着色剤量を測定した。
【0121】
[無着色粒子中の成分分析方法]
無着色粒子にポリエステル樹脂が含まれることは、赤外分光光度計(島津製作所社製、FT−IR)を用いて測定し、エステルの吸収波長を確認した。
【0122】
(ポリエステル樹脂1の作製)
テレフタル酸ジメチル(和光純薬製) 10モル部
フマル酸ジメチル(和光純薬製) 767モル部
n−ドデセニルコハク酸(和光純薬製) 3モル部
ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物(和光純薬製) 85モル部
ビスフェノールA プロピレンオキサイド付加物(和光純薬製) 15モル部
アセトン(和光純薬製) 1モル部
ジブチルスズオキシド(和光純薬製) 0.05モル部
以上の成分を、窒素置換したフラスコに入れ、10℃で6時間撹拌した後、昇温し150℃で4.5時間、さらに減圧下200℃で6時間反応させた後、無水トリメリット酸8質量部、ジブチルスズオキシド0.02質量部を加え、さらに減圧下30分反応させ、重量平均分子量(Mw)13,000、重量平均分子量21,000、ガラス転移温度(Tg)63℃のポリエステル樹脂1を得た。
【0123】
(樹脂粒子分散液1の作製)
上記ポリエステル樹脂を溶融状態のまま、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径160nm、固形分30質量%の樹脂粒子分散液を得た。さらに、以下の条件で遠心分離処理を行い、樹脂粒子分散液1を得た。
【0124】
[遠心分離条件]
装置:遠心分離機 himac CR 22G(日立製作所製)
回転数:12,000rpm
分離時間:30min
溶媒:メチルエチルケトン(MEK)
サンプル濃度:10質量%溶液
【0125】
(着色剤分散液1の作製)
シアン顔料(PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製)20質量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製) 2質量部
イオン交換水 80質量部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー(HJP30006、(株)スギノマシン製)により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20質量%の着色剤分散液1を得た。
【0126】
(離型剤分散液1の作製)
パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞製) 19質量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬製) 1質量部
イオン交換水 80質量部
上記成分を耐熱容器中で混合し、90℃に昇温して30分、撹拌を行った。次いで、容器底部より溶融液をゴーリンホモジナイザーへと流通し、5MPaの圧力条件のもと、3パス相当の循環運転を行った後、圧力を35MPaに昇圧し、さらに3パス相当の循環運転を行った。こうして出来た乳化液を前記耐熱溶液中で40℃以下になるまで冷却し、離型剤分散液1を得た。堀場製作所製粒度測定器LA−700にて体積平均粒径を測定したところ240nmであった。
【0127】
(トナー粒子1およびトナー1の作製)
樹脂粒子分散液1 150質量部
着色剤分散液1 30質量部
離型剤分散液1 40質量部
ポリ塩化アルミニウム 0.4質量部
上記の成分をステンレス製フラスコ中でIKE社製のウルトラタラックスを用い混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で80分保持した後、ここに樹脂粒子分散液1を緩やかに70質量部追加した。その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを6.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、撹拌軸のシールを磁力シールして撹拌を継続しながら97℃まで加熱して3時間保持した。保持終了後、降温速度を1℃/分で冷却し、濾過、イオン交換水で洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに40℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで撹拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、濾液のpHが6.5、電気伝導度7.5μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A ろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を40℃、12時間継続してトナー粒子1を得た。
【0128】
トナー粒子1の体積平均粒径D50vをコールターマルチサイザII型(ベックマン−コールター社製)で測定したところ6.0μmであり、体積平均粒度分布指標GSDvは1.21であった。
【0129】
このトナー粒子に、ヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」と略す場合がある)で表面疎水化処理した一次粒子平均粒径40nmのシリカ(SiO2)粒子と、メタチタン酸とイソブチルトリメトキシシランの反応生成物である一次粒子平均粒径20nmのメタチタン酸化合物粒子とを、トナー粒子の表面に対する被覆率が40%となるように添加し、ヘンシェルミキサを用い周速25m/秒で5分間で混合し、トナー1を作製した。
【0130】
トナー1のSF1が110以下である無着色粒子の個数(A)、SF1が110以下である無着色粒子とトナー1との炭素元素に対するスズ元素量(B)、SF1が110以下である無着色粒子中の着色剤量(C)を表1に示す。
【0131】
(トナー粒子2およびトナー2の作製)
樹脂粒子分散液1の作製で遠心分離条件を12,000rpmで15分にした以外は樹脂粒子分散液1と同様に樹脂粒子分散液2を作製し、トナー粒子1およびトナー1と同様の方法でトナー粒子2およびトナー2を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0132】
(トナー粒子3およびトナー3の作製)
樹脂粒子分散液1の作製で遠心分離条件を12,000rpmで10分にした以外は樹脂粒子分散液1と同様に樹脂粒子分散液3を作製し、トナー粒子1およびトナー1と同様の方法でトナー粒子3およびトナー3を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0133】
(トナー粒子4およびトナー4の作製)
樹脂粒子分散液1の作製で遠心分離条件を10,000rpmで10分にした以外は樹脂粒子分散液1と同様に樹脂粒子分散液4を作製し、トナー粒子1およびトナー1と同様の方法でトナー粒子4およびトナー4を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0134】
(トナー粒子5およびトナー5の作製)
樹脂粒子分散液1の作製で遠心分離条件を8,000rpmで8分にした以外は樹脂粒子分散液1と同様に樹脂粒子分散液5を作製し、トナー粒子1およびトナー1と同様の方法でトナー粒子5およびトナー5を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0135】
(トナー粒子6およびトナー6の作製)
樹脂粒子分散液1の作製で遠心分離条件を8,000rpmで6分にし、サンプル濃度を7質量%にした以外は樹脂粒子分散液1と同様に樹脂粒子分散液6を作製し、トナー粒子1およびトナー1と同様の方法でトナー粒子6およびトナー6を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0136】
(トナー粒子7およびトナー7の作製)
樹脂粒子分散液1の作製で遠心分離条件を5,000rpmで10分にし、サンプル濃度を5質量%にした以外は樹脂粒子分散液1と同様に樹脂粒子分散液7を作製し、トナー粒子1およびトナー1と同様の方法でトナー粒子7およびトナー7を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0137】
(トナー粒子8およびトナー8の作製)
樹脂粒子分散液1の作製で重合前の撹拌を10℃で3時間撹拌にした以外は樹脂粒子分散液1と同様に樹脂粒子分散液8を作製し、トナー粒子1およびトナー1と同様の方法でトナー粒子8およびトナー8を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0138】
(トナー粒子9およびトナー9の作製)
樹脂粒子分散液1の作製で重合前の撹拌を10℃で1時間撹拌にした以外は樹脂粒子分散液1と同様に樹脂粒子分散液9を作製し、トナー粒子1およびトナー1と同様の方法でトナー粒子9およびトナー9を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0139】
(トナー粒子10およびトナー10の作製)
樹脂粒子分散液1の作製でアセトン添加量を0.2モル部にした以外は樹脂粒子分散液1と同様に樹脂粒子分散液10を作製し、トナー粒子1およびトナー1と同様の方法でトナー粒子10およびトナー10を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0140】
(トナー粒子11およびトナー11の作製)
樹脂粒子分散液1の作製で重合前の撹拌を10℃で1時間撹拌にアセトン添加量を0.1モル部にした以外は樹脂粒子分散液1と同様に樹脂粒子分散液11を作製し、トナー粒子1およびトナー1と同様の方法でトナー粒子11およびトナー11を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0141】
(トナー粒子12およびトナー12の作製)
樹脂粒子分散液2の作製で重合前の撹拌を10℃で3時間撹拌にした以外は樹脂粒子分散液2と同様に樹脂粒子分散液12を作製し、トナー粒子2およびトナー2と同様の方法でトナー粒子12およびトナー12を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0142】
(トナー粒子13およびトナー13の作製)
樹脂粒子分散液2の作製で重合前の撹拌を10℃で1時間撹拌にした以外は樹脂粒子分散液2と同様に樹脂粒子分散液13を作製し、トナー粒子2およびトナー2と同様の方法でトナー粒子13およびトナー13を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0143】
(トナー粒子14およびトナー14の作製)
樹脂粒子分散液3の作製で重合前の撹拌を10℃で3時間撹拌にした以外は樹脂粒子分散液3と同様に樹脂粒子分散液14を作製し、トナー粒子3およびトナー3と同様の方法でトナー粒子14およびトナー14を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0144】
(トナー粒子15およびトナー15の作製)
樹脂粒子分散液4の作製でアセトン添加量を0.2モル部にした以外は樹脂粒子分散液4と同様に樹脂粒子分散液15を作製し、トナー粒子4およびトナー4と同様の方法でトナー粒子15およびトナー15を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0145】
(トナー粒子16およびトナー16の作製)
樹脂粒子分散液4の作製で重合前の撹拌を10℃で1時間撹拌に、アセトン添加量を0.1モル部にした以外は樹脂粒子分散液4と同様に樹脂粒子分散液16を作製し、トナー粒子4およびトナー4と同様の方法でトナー粒子16およびトナー16を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0146】
(トナー粒子17およびトナー17の作製)
樹脂粒子分散液5の作製でアセトン添加量を0.2モル部にした以外は樹脂粒子分散液5と同様に樹脂粒子分散液17を作製し、トナー粒子5およびトナー5と同様の方法でトナー粒子17およびトナー17を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0147】
(トナー粒子18およびトナー18の作製)
樹脂粒子分散液5の作製で重合前の撹拌を10℃で1時間撹拌に、アセトン添加量を0.1モル部にした以外は樹脂粒子分散液5と同様に樹脂粒子分散液18を作製し、トナー粒子5およびトナー5と同様の方法でトナー粒子18およびトナー18を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0148】
(トナー粒子19およびトナー19の作製)
樹脂粒子分散液6の作製でアセトン添加量を0.2モル部にした以外は樹脂粒子分散液6と同様に樹脂粒子分散液19を作製し、トナー粒子6およびトナー6と同様の方法でトナー粒子19およびトナー19を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0149】
(トナー粒子20およびトナー20の作製)
樹脂粒子分散液6の作製で重合前の撹拌を10℃で1時間撹拌に、アセトン添加量を0.1モル部にした以外は樹脂粒子分散液6と同様に樹脂粒子分散液20を作製し、トナー粒子6およびトナー6と同様の方法でトナー粒子20およびトナー20を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0150】
(トナー粒子21およびトナー21の作製)
樹脂粒子分散液1の作製でドデセニルコハク酸を添加しなかった以外は樹脂粒子分散液1と同様に樹脂粒子分散液21を作製し、トナー粒子1およびトナー1と同様の方法でトナー粒子21およびトナー21を作製した。上記A、B、Cの結果を表1に示す。
【0151】
(現像剤の作製)
得られたトナー1〜21を8質量部と、フェライト粒子を1.5%PMMA(綜研化学社製、Mw:75,000)で樹脂被覆したキャリア(体積平均粒径45μm)100質量部とを混合して二成分現像剤を調製した。
【0152】
(画質評価)
カラー複写機(富士ゼロックス製、DocuCentre Color a450)を用い、画像濃度が1%(A4サイズの用紙に6.2mm×1mmのベタ画像が載っているもの)の画像形成を用紙(富士ゼロックス社製、C2r紙)に2,000枚繰り返した。そのあとのクリーニングブレード(材質:ポリウレタン)の変形具合、色スジの画質欠陥の発生状態を下記の基準で目視により評価した。結果を表1に示す。
【0153】
[クリーニングブレードの変形および色スジの画質欠陥の発生状態]
A:クリーニングブレードの変形はなく、色スジも確認されない。
B:クリーニングブレードの変形があるものの、画像に色スジは確認されない。
C:クリーニングブレードの変形が確認され、感光体に色スジはあるが、画像には出ていない。
D:画像に色スジが僅かに確認される。
E:画像に色スジが確認され、許容できない。
なお、許容できるのはAからDまでである。
【0154】
<実施例1〜20、比較例1>
トナー1から21を用いた現像剤について表1に記載の内容で上記の評価を行った。結果を表1に示す。
【0155】
【表1】

【0156】
表1からわかるように、実施例1から実施例20のトナーは、比較例1のトナーに比べて、像保持体清掃手段としてクリーニングブレードを用いた場合でもクリーニングブレードの変形が抑制され、色スジの画質欠陥の発生が抑制された。
【符号の説明】
【0157】
1 プロセスカートリッジ、3 画像形成装置、10 帯電装置、12 露光装置、14 感光体、16 現像装置、18 転写ロール、20 クリーニングブレード、22 定着ロール、24 記録用紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステル樹脂および着色剤を含むトナー粒子と、
ポリエステル樹脂を含み、着色剤を含まない無着色粒子と、
を含有し、
前記無着色粒子の形状係数SF1が110以下であり、
前記無着色粒子の個数が、前記トナー粒子5,000個に対して50個以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【請求項2】
前記無着色粒子に含まれるSn元素量が前記トナー粒子に含まれるSn元素量よりも多いことを特徴とする、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項3】
請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
【請求項4】
請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤を含有することを特徴とする現像剤カートリッジ。
【請求項5】
像保持体と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、を備え、
前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項6】
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、
前記現像されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、
を備え、
前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
像保持体の表面を帯電させる帯電工程と、
前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像工程と、
前記現像されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、
を備え、
前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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