説明

静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成装置

【課題】画像濃度を維持した画像が得られる静電荷像現像用トナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含み、正帯電性又は負帯電性を持つトナー粒子と、
外添剤として、異なる極性の帯電性を持つ2種の無機粒子と、
を有し、2種の無機粒子のうち、トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子のトナー粒子に対する被覆率が10%以上40%以下であり、トナーを界面活性剤に分散させてその分散液中に超音波振動を(出力20W、周波数20kHz)10分間かけたとき、トナー粒子の表面から脱離していない2種の無機粒子のうち、トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子が当該トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量に対して50質量%以上であり、トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子が当該トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量に対して35質量%以下である静電荷像現像用トナー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法においては、一般的には、光導電性物質を利用した感光体(像保持体)表面に、種々の手段により電気的に潜像を形成し、形成された潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像し現像像を形成した後、この現像像を、必要に応じて中間転写体を介して、紙等の被転写体表面に転写し、加熱、加圧、加熱加圧等により定着する、という複数の工程を経て、画像が形成される。また、感光体表面に残ったトナーは、必要に応じて種々の方法によりクリーニングされ、再び現像に利用される。
【0003】
ところで、特許文献1には、大径外添剤と小径外添剤との組み合わせたトナーが提案されている。
また、特許文献2には、トナー粒子の微粉側を球形にし、トナー粒子の全体的な形状を球形に近づける技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−028276号公報
【特許文献2】特開昭62−184469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、外添剤として、異なる極性の帯電性を持つ少なくとも2種の無機粒子を適用しない場合に比べ、画像濃度の不安定さを抑制した画像が得られる静電荷像現像用トナーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
結着樹脂及び着色剤を含み、正帯電性又は負帯電性を持つトナー粒子と、
外添剤として、異なる極性の帯電性を持つ2種の無機粒子と、
を有し、
前記2種の無機粒子のうち、前記トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子の前記トナー粒子に対する被覆率が10%以上40%以下であり、
トナーを界面活性剤に分散させてその分散液中に超音波振動を(出力20W、周波数20kHz)10分間かけたとき、トナー粒子の表面から脱離していない前記2種の無機粒子のうち、前記トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子が当該トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量に対して50質量%以上であり、前記トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子が当該トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量に対して35質量%以下である静電荷像現像用トナー。
【0007】
請求項2に係る発明は、
前記トナー粒子が、負帯電性を持つトナー粒子であり、
前記トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子が、窒素原子を含む疎水化処理剤による疎水化処理層を表面に持つシリカ粒子であり、
前記トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子が、窒素原子を含まない疎水化処理剤による疎水化処理層を表面に持つシリカ粒子である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【0008】
請求項3に係る発明は、
前記2種の無機粒子のうち、前記トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量が、前記トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量よりも少ない請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【0009】
請求項4に係る発明は、
前記トナー粒子の形状係数SF1が125以上140以下であり、前記トナー粒子の形状係数SF2が105以上130以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
【0010】
請求項5に係る発明は、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
【0011】
請求項6に係る発明は、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に脱着されるトナーカートリッジ。
【0012】
請求項7に係る発明は、
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
【0013】
請求項8に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体上に形成された前記静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
前記像保持体上に形成された前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、
前記被転写体上に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
を有する画像形成装置。
【0014】
請求項9に係る発明は、
前記2種の無機粒子のうち、前記トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子を前記トナー粒子と混合して外添した後、前記トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子を当該トナー粒子と混合して外添する、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、2に係る発明によれば、外添剤として、上述した異なる極性の帯電性を持つ少なくとも2種の無機粒子を適用しない場合に比べ、画像濃度の不安定さを抑制した画像が得られる。
請求項3に係る発明によれば、外添剤として、2種の無機粒子のうち、前記トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量が、前記トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量よりも多い場合に比べ、ガブリの発生が抑制された画像が得られる。
請求項4に係る発明によれば、トナー粒子の形状係数SF1及び形状係数SF2が上記範囲外である場合に比べ、当該形状係数を持つトナー粒子で構成されたトナーであっても、外添剤として、上述した異なる極性の帯電性を持つ少なくとも2種の無機粒子を適用しない場合に比べ、画像濃度の不安定さを抑制した画像が得られる。
請求項5、6、7、8に係る発明によれば、外添剤として、上述した異なる極性の帯電性を持つ少なくとも2種の無機粒子を含まないトナーを適用した場合に比べ、画像濃度の不安定さを抑制した画像が得られる。
請求項9に係る発明によれば、外添剤として、2種の無機粒子のうち、トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子を、トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子よりも後にトナー粒子と混合した場合に比べ、画像濃度の不安定さを抑制した画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
(静電荷像現像用トナー)
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」という場合がある)は、結着樹脂及び着色剤を含み、正帯電性又は負帯電性を持つトナー粒子と、外添剤として、異なる極性の帯電性を持つ少なくとも2種の無機粒子と、を有して構成されている。
また、2種の無機粒子のうち、トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子のトナー粒子に対する被覆率は、10%以上40%以下である。
そして、トナーを界面活性剤に分散させてその分散液中に超音波振動を(出力20W、周波数20kHz)10分間かけたとき、トナー粒子の表面から脱離していない前記2種の無機粒子のうち、トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子は当該トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量に対して50質量%以上であり、トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子は当該トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量に対して35質量%以下である。
ここで、以下、トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子を「無機粒子A」と称し、トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子を「無機粒子B」と称して説明する。
【0019】
本実施形態に係るトナーは、上記構成とすることで、画像濃度の不安定さを抑制した画像が得られる。この理由は定かでないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
【0020】
従来、画像濃度の低下の原因となる「トナーの転写効率」を維持するために、経時でもトナー粒子に埋没しなに大型外添剤(例えば個数平均粒径が80nm以上400nm以下の外添剤)を適用することが知られている。
しかし、大型外添剤は、トナー粒子の表面で転がり易いことから、トナー粒子と混合終了後(外添処理終了後)にはトナー粒子の凹部に移行してしまい、初期の段階からトナー粒子の表面での緩衝機能(スペーサ機能)が発揮され難くなっていることも多い。加えて、大型外添剤は、トナー粒子の表面で転がり易いことから経時でトナー粒子の凹部に移行してしまい、またトナー粒子に埋没してしまい、初期と同等な状態で、トナー粒子の表面での緩衝機能(スペーサ機能)を維持させるのが困難である。
これは、特に、高温高湿環境下(例えば28℃、80%RH環境下)や、低画像密度(低エリアカバレッジ)の画像を形成するときには、トナーに強い負荷が掛かる状況では、大型外添剤のトナー粒子の凹部への移行や、大型外添剤のトナー粒子への埋没が促進されるため、顕著に現れる。
【0021】
一方で、異なる極性の帯電性を持つ少なくとも2種の無機粒子A、Bを適用すると、無機粒子Bは、トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つことから、トナー粒子と斥力的作用が働き易くなり、無機粒子Aに比べトナー粒子の表面を転がり易くなると考えられる。
一方で、無機粒子Aは、トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つことから、引力的作用が働き易くなることから、無機粒子Bに比べトナー粒子の表面を転がり難くなると考えられる。
このため、無機粒子A、Bをトナー粒子に外添すると、無機粒子Bは、トナー粒子表面で転がり易いことから、トナー粒子表面の凹部に移行し、当該凹部を埋め尽くし易くなる。一方で、無機粒子Aは、トナー粒子表面で転がり難い上に、トナー粒子表面の凹部が無機粒子Bで埋め尽くされ易くなるため、トナーに強い負荷が掛かる状況であっても、当該凹部に移行し難く、結果、トナー粒子表面の凸部に存在し易くなり、トナー粒子の表面での緩衝機能(スペーサ機能)を発揮され、かつこれが維持され易くなると考えられる。つまり、初期から経時かけて高い転写効率が維持され画像濃度の低下が抑制される。
また、トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子Bの被覆率を上記範囲とすることで、トナー粒子の表面での緩衝機能(スペーサ機能)が発揮されると共に、トナーの帯電性の低下が抑制される結果、高い転写効率が低下してしまうことを抑制するものと考えられる。
【0022】
そして、無機粒子Bがトナー粒子と斥力的作用が働き易くなることに加えて、無機粒子A、Bのトナー粒子に対する付着力を上記如く調整し、無機粒子Aをトナー粒子から離脱し難く、無機粒子Bを離脱し易い構成とすることで、無機粒子Aが経時でトナー粒子に埋没したとしても、無機粒子Bがトナー粒子から離脱し易いものの、キャリアへ移行した後、さらにトナー粒子に再付着し、そのときトナー粒子の凹物のみではなく凸部にも付着すると考えられることから、無機粒子Bによるトナー粒子の表面での緩衝機能(スペーサ機能)が発揮されることから、転写効率が低下するのを抑制するものと考えられる。
【0023】
以上から、本実施形態に係るトナーでは、画像濃度の不安定さを抑制した画像が得られるものと考えられる。そして、特に、高温高湿環境下(例えば28℃、80%RH環境下)や、低画像密度(低エリアカバレッジ)の画像を形成するときであっても、画像濃度の不安定さが抑制されるものと考えられる。
【0024】
以下、本実施形態に係るトナーの各構成について詳細に説明する。
【0025】
まず、トナー粒子について説明する。
トナー粒子は、少なくとも結着樹脂、着色剤、を含み、必要に応じて、離型剤、その他の内添剤を含んでもよい。
【0026】
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類などの単量体からなる単独重合体、又はこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体、さらにはこれらの混合物が挙げられる。また、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合樹脂、又は、これらと前記ビニル樹脂との混合物や、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。
【0027】
スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂は、例えば、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体を、単独又は適宜組み合わせて公知の方法により得られる。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含む表現である。
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分との中から好適なものを選択して組合せ、例えば、エステル交換法又は重縮合法等、従来公知の方法を用いて合成することで得られる。
【0028】
スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂及びこれらの共重合樹脂を結着樹脂として使用する場合、重量平均分子量Mwが20,000以上100,000以下、数平均分子量Mnが2,000以上30,000以下の範囲のものを使用することが好ましい。他方、ポリエステル樹脂を結着樹脂として使用する場合は、重量平均分子量Mwが5,000以上40,000以下、数平均分子量Mnが2,000以上10,000以下の範囲のものを使用することが好ましい。
【0029】
結着樹脂のガラス転移温度は、40℃以上80℃以下の範囲にあるのが望ましい。ガラス転移温度が上記範囲であることにより、耐熱ブロッキング性及び最低定着温度が維持される。
【0030】
着色剤としては、公知の着色剤であれば特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料が挙げられる。
【0031】
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
【0032】
着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲が望ましい。
【0033】
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成或いは鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0034】
離型剤の融点は、保存性の観点から、50℃以上であることが望ましく、60℃以上であることがより望ましい。また、耐オフセット性の観点から、110℃以下であることが望ましく、100℃以下であることがより望ましい。
【0035】
離型剤の含有量は、1質量%以上15質量%以下が望ましく、2質量%以上12質量%以下がより望ましく、3質量%以上10質量%以下がさらにより望ましい。
【0036】
その他の内添剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等が挙げられる。
【0037】
トナー粒子の形状係数SF1が125以上140以下(望ましくは125以上135以下、より望ましくは130以上135以下)であり、形状係数SF2が105以上130以下(望ましくは110以上125以下、より望ましくは115以上120以下)であることがよい。
ここで、上記形状係数を持つトナー粒子は、球状トナー粒子に比べ、表面に適度な凹凸を有するものであって、上記大型外添剤がトナー粒子表面を転がって、トナー粒子表面の凹部に移行し易く、大型外添剤によるトナー粒子の表面での緩衝機能(スペーサ機能)が発揮され難いトナー粒子であるが、このような形状係数を持つトナー粒子で構成されたトナーであっても、上記理由により、画像濃度の不安定さを抑制した画像が得られる易くなる。
【0038】
形状係数SF1は、は、下記式により求められる。
・式:形状係数SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナー粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個のトナー粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
【0039】
形状係数SF2は、次のようにして求める。
走査型電子顕微鏡(例えば日立株式会社製:S−4100など)を用いトナー粒子を観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(例えばLUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み100個の各々のトナー粒子について、次式に基づいてSF2を算出し、その平均値を求めて、形状係数SF2とする。なお、電子顕微鏡は1視野中に外添剤が3個以上20個以下程度写るように倍率を調整し、複数視野の観察を合わせて次式に基づいてSF2を算出した。
・式:形状係数SF2=「PM/(4・A・π)」×100
ここで、式中、PMは、トナー粒子の周囲長を示す。Aは、トナー粒子の投影面積を示す。πは、円周率を示す。
【0040】
トナー粒子の体積平均粒径としては、2μm以上10μm以下が望ましく、4μm以上8μm以下がより望ましい。
【0041】
トナー粒子の体積平均粒径の測定は、コールターマルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で測定する。この時、測定は、トナー粒子を電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、望ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5乃至50mg加え、これを前記電解液100乃至150ml中に添加する。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000である。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均粒径と定義する。
【0042】
ここで、トナー粒子は、負帯電性を持つトナー粒子、又は正帯電性を持つトナー粒子、が適用される。なお、トナー粒子は、負帯電性を持つトナー粒子であることがよい。
ここで、トナー粒子は、用いた結着樹脂に由来する帯電性を持つことになるが、帯電制御としてカルボキシル基や無水マレイン酸などを結着樹脂の骨格に導入することで負帯電性を持つものとなる。
一方、トナー粒子は、例えば、4級アミン塩などが側鎖に導入されたモノマーを結着樹脂の骨格に導入することでとすることで正帯電性を持つものとなる。

【0043】
次に、外添剤について説明する。
外添剤としては、異なる極性の帯電性を持つ少なくとも2種の無機粒子が適用される。
無機粒子は、トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子Aと、トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子Bと、が挙げられる。
例えば、トナー粒子が負帯電性を持つトナー粒子であるとき、無機粒子Aは正帯電性を持つ無機粒子であり、無機粒子Bは負帯電性を持つ無機粒子が適用される。一方で、トナー粒子が正帯電性を持つトナー粒子であるとき、無機粒子Aは帯電性を持つ無機粒子であり、無機粒子Bは正帯電性を持つ無機粒子が適用される。
なお、無機粒子の帯電性は、例えば、無機粒子の構成する金属イオンの電気陰性度により確認される。
【0044】
ここで、無機粒子は、例えば、酸化金属粒子(例えばシリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子等)に疎水化処理が施されたもの(疎水化処理剤による疎水化処理層を有する無機粒子)が挙げられる。そして、無機粒子の帯電性は、無機粒子を構成する材料に由来する帯電性に加え、この疎水化処理剤により制御される。
これら粒子の中もで、2種の無機粒子としては、例えば、強度、色域への影響の小ささ、安全性、コストなどの観点から、シリカ粒子が好ましく、粒径粒度分布制御性の観点から、ゾルゲル法、湿式法によるシリカ粒子が特に好ましい。
【0045】
無機粒子の構成として具体的には、負帯電性を持つトナー粒子を適用する場合、正帯電性を持つ無機粒子Aは、窒素原子を含む疎水化処理剤による疎水化処理層を表面に持つシリカ粒子であり、負帯電性を持つ無機粒子Bは、窒素原子を含まない疎水化処理剤による疎水化処理層を表面に持つシリカ粒子であることがよい。なお、前記無機粒子の個数平均粒径は80nm以上400nm以下であることが、画像濃度の不安定さを抑制した画像が得られる点で望ましい。
なお、シリカ粒子は、負帯電性を持つ粒子であり、この粒子に「窒素原子を含む疎水化処理剤」による疎水化処理を施すことで、正帯電性が付与されるものと考えられ、「窒素原子を含まない疎水化処理剤」による疎水化処理を施すことで、シリカ粒子本来の負帯電性を持つ粒子となるものと考えられる。
【0046】
窒素原子を含む疎水化処理剤としては、アミノ基やニトリル基、イソシアネート基を有する公知の表面処理剤が挙げられ、具体的には、例えばγ (2 アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ (2 アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノシラン、γ アミノプロピルトリエトキシシラン、N (2 アミノエチル)3 アミノプロピルトリメトキシシラン、N β (N ビニルベンジルアミノエチル) γ アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、アミノ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル等が挙げられる。
【0047】
窒素原子を含まない疎水化処理剤としては、アミノ基やニトリル基を有さない公知の表面処理剤が挙げられ、具体的には、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n ブチルトリメトキシシラン、n ヘキサデシルトリメトキシシラン、n オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。
また、窒素原子を含む疎水化処理剤としては、負帯電性を更に強めたい場合はフッ素系のシランカップリング剤やシリコーンオイル等も挙げられる。
【0048】
上記疎水化処理剤の処理量は、無機粒子に対して目的とする極性の帯電性を付与すると共に、疎水性が付与できる量であり、例えば、無機粒子に対して1質量%以上50質量%以下であるが、無機粒子の種類により異なる為一概には規定できなく、適宜調整される。
【0049】
無機粒子は、その個数平均粒径が80nm以上400nm以下が望ましいが、より望ましくは100nm以上200nm以下である。
この個数平均粒径は、次のようにして求める。走査型電子顕微鏡(例えば日立株式会社製:S−4100等)を用い、外添剤を観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(例えばLUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み300個の一次粒子の円相当径を測定して、その平均値を求め、一次粒子の個数平均粒子径とする。なお、電子顕微鏡は1視野中に外添剤が10個以上50個以下程度写るように倍率を調整し、複数視野の観察を合わせて一次粒子の円相当径を求めた。
【0050】
無機粒子のうち、無機粒子Bの被覆率(トナー粒子に対する被覆率)は、10%以上40%以下であるが、望ましくは15%以上30%以下であるが、より望ましくは15%以上25%以下であり、さらに望ましくは20%以上25%以下である。
一方、無機粒子Aの被覆率(トナー粒子に対する被覆率)は、無機粒子Bの被覆率よりも低いことがよく、具体的には例えば、5%以上15%以下であることがよく、望ましくは8%以上12%以下であり、この無機粒子Aの被覆率が、上記範囲であることで、適当な帯電が得られる。
【0051】
ここで、被覆率は、トナーの写真を画像解析することにより求められる。
具体的には、走査型電子顕微鏡S 4700(日立製作所製)を用い、倍率10000倍にてトナー粒子表面を100視野観察した後、観察したトナー表面の画像を画像処理解析ソフトWinROOF(三谷商事株式会社製)の面積解析ツールを用いてトナー表面の外添剤が付着していない部分の面積を算出することにより求められる。
なお、目的とする無機粒子(A、B)は、SEM−EDXにて窒素原子が検出されるかどうかで判別して、それぞれの被覆率を求める。
【0052】
無機粒子は、トナーを界面活性剤に分散させてその分散液中に超音波振動を(出力20W、周波数20kHz)10分間かけたとき、トナー粒子の表面から脱離していない無機粒子Aは当該無機粒子Aの含有量に対して50質量%以上(望ましくは60質量%以上、より望ましくは70質量以上、さらに望ましくは80質量以上であり、無機粒子Bは当該無機粒子Bの含有量に対して35質量%以下(望ましくは25質量%以下、より望ましくは20質量以下、さらに望ましくは15質量以下)となるように、トナー粒子に付着している。
【0053】
このトナー粒子の表面から脱離していない各無機粒子の量(残留量)は、具体的には次のようにして求められるものである。
まず、トナー2gを界面活性剤0.2%の水溶液40CCに分散させる。出力20W、周波数20kHzで超音波装置より超音波を10分かけ、処理サンプルを得る。これらの処理サンプルを水溶液中で処理し無機粒子を洗い流してトナーサンプルを得る。さらにこれらを20時間以上室温で乾燥して粉体トナーサンプルを得て、蛍光X線によりそれぞれの残存する無機粒子量を測定し、未処理のトナー中の無機粒子量からの差分によって脱離していない無機粒子量を求める。
そして、全無機粒子量については、無機粒子の材料を構成する元素(例えば、シリカ粒子の場合、Si原子)にて求める。一方で、無機粒子A、Bのそれぞれ量については、表面処理剤を構成する元素(例えば、窒素を含む表面処理剤の場合、窒素原子)にて求める。
なお、トナー粒子の表面から脱離していない各無機粒子の量(残留量)は、例えば、ヘンシェルミキサー等にてブレンド時間や回転数を調節することで調整される。
【0054】
無機粒子Aの含有量は、無機粒子Bの含有量よりも少ないことがよい。これにより、カブリの発生が抑制された画像が得られ易くなる。
【0055】
なお、その他の外添剤としては、例えば、個数平均粒径50nm未満(望ましくは5nm以上30nm以下)の外添剤(以下、小径外添剤と称する)が挙げられる。
小径外添剤としては、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子、チタン酸バリウム粒子、チタン酸マグネシウム粒子、チタン酸カルシウム粒子、チタン酸ストロンチウム粒子、酸化亜鉛粒子、ケイ砂粒子、クレー粒子、雲母粒子、ケイ灰石粒子、ケイソウ土粒子、塩化セリウム粒子、ベンガラ粒子、酸化クロム粒子、酸化セリウム粒子、三酸化アンチモン粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、炭化ケイ素粒子、窒化ケイ素粒子、炭酸カルシウム粒子、炭酸マグネシウム粒子、リン酸カルシウム粒子等が挙げられる。
その他の外添剤の添加量としては、トナー粒子100重量部に対して0.3質量部以上3.0質量部以下であることがよい。
【0056】
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子の製造方法としては、混練粉砕法や湿式造粒法が挙げられるが、湿式造粒法により行われることが望ましい。湿式造粒法としては、例えば、公知の溶融懸濁法、乳化凝集・合一法、溶解懸濁法等の方法が挙げられる。
得られたトナー粒子に外添剤を外添する方法としては、例えば、V型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって混合する方法が挙げられる。
ここで、本実施形態では、外添剤として2種の無機粒子を適用するが、これら2種の無機粒子を共に外添してもよいが、2種の無機粒子のうち、トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子Bをトナー粒子と混合して外添した後、トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子Aを当該トナー粒子と混合して外添することがよい。
これにより、トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子Bを先に外添することにより、当該無機粒子Bがトナー粒子表面の凹部へ移行し、埋め尽くした後に、トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子Aを外添することで、当該無機粒子Aがトナー粒子表面の凹部ではなく、凸部に存在し易くなると考えられる。このため、無機粒子によるトナー粒子の表面での緩衝機能(スペーサ機能)が発揮されることから、転写効率が低下するのを抑制するものと考えられる。結果、画像濃度の不安定さを抑制した画像が得られるものと考えられる。
【0057】
(静電荷像現像剤)
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
【0058】
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア、樹脂分散型キャリア等が挙げられる。
【0059】
前記二成分現像剤における、本実施形態に係るトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲が望ましく、3:100乃至20:100程度の範囲がより望ましい。
【0060】
(画像形成装置)
次に、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有する。そして、静電荷像現像剤として、上記本実施形態に係る静電荷像現像剤を適用する。
【0061】
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
【0062】
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0063】
図1は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
【0064】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーが供給可能である。
【0065】
上述した第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
【0066】
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、及び1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配置されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
【0067】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
【0068】
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
【0069】
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む本実施形態に係る静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
【0070】
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0071】
また、第2のユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
【0072】
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定められたタイミングで給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0073】
この後、記録紙Pは定着装置(ロール状定着手段)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。
【0074】
トナー像を転写する被転写体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面も可能な限り平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
【0075】
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
【0076】
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図2は、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例の実施形態を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、図2において符号300は被転写体を示す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置に対して着脱自在としたものである。
【0077】
図2で示すプロセスカートリッジ200では、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせることが可能である。本実施形態のプロセスカートリッジでは、感光体107のほかには、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。
【0078】
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。本実施形態に係るトナーカートリッジは、画像形成装置に脱着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用の静電荷像現像用トナーを収容するトナーカートリッジである。
【0079】
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
【実施例】
【0080】
以下、本実施形態を実施例により具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお以下の説明において、特に断りがない限り、「部」「%」は全て「質量部」「質量%」を意味する。
【0081】
[トナー粒子の作製]
(ポリエステル樹脂分散液の調製)
・エチレングリコール(和光純薬工業(株)製):37部
・ネオペンチルグリコール(和光純薬工業(株)製):65部
・1,9 ノナンジオール(和光純薬工業(株)製):32部
・テレフタル酸(和光純薬工業(株)製):96部
上記モノマーをフラスコに仕込み、1時間をかけて温度200℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間をかけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、酸価が9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移点62℃であるポリエステル樹脂を得た。
【0082】
次いで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に毎分100部の速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cmの条件でキャビトロンを運転し、
平均粒径160nm、固形分30%、ガラス転移点62℃、重量平均分子量Mwが13,000の樹脂粒子が分散された非晶性ポリエステル樹脂分散液を得た。
【0083】
(着色剤分散液の調製)
・シアン顔料(PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製):10部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製):2部
・イオン交換水:80部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー(HJP30006、(株)スギノマシン製)により1
時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤分散液を得た。
【0084】
(離型剤分散液の調製)
・パラフィンワックス(HNP 9、日本精鑞製):50部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬製):2部
・イオン交換水:200部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した後、圧力吐出型
ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分20%の離型剤分散液を得た。
【0085】
(トナー粒子1の作製)
・ポリエステル樹脂分散液:200部
・着色剤分散液:25部
・ポリ塩化アルミニウム: 0.4部
・イオン交換水:100部
上記の成分をステンレス製フラスコに投入し、IKA社製のウルトラタラックスを用い十分に混合、分散した後、
加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分保持した後、ここに上記と同じポリエステル樹脂分散液を緩やかに70部追加した。
【0086】
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを8.0 に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌軸のシールを磁力シールして攪拌を継続しながら90℃まで加熱して3時間保持した。反応終了後、降温速度を2℃/分で冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに30℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで攪拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに6回繰り返し、濾液のpHが7.54、電気伝導度6.5μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A ろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子1を得た。
トナー粒子1の体積平均粒径D50vをコールターカウンターで測定したところ5.8μmであり、SF1は130であった。
【0087】
(トナー粒子2の作製)
トナー粒子1の作製において90℃加熱で3時間保持を75℃加熱で3時間保持した以外は同じ製法で作製した。トナー粒子2の体積平均粒径D50vをコールターカウンターで測定したところ5.8μmであり、SF1は145であった。得られたトナー粒子は、負帯電性のものであった。
【0088】
(トナー粒子3の作製)
トナー粒子1の作製において90℃加熱で3時間保持を95℃5時間保持した以外は同じ製法で作製した。トナー粒子3の体積平均粒径D50vをコールターカウンターで測定したところ5.8μmであり、SF1は115であった。得られたトナー粒子は、負帯電性のものであった。
【0089】
(トナー粒子4の作製)
トナー粒子1の作製において90℃加熱で3時間保持を90℃加熱で4時間保持した以外は同じ製法で作製した。トナー粒子4の体積平均粒径D50vをコールターカウンターで測定したところ5.8μmであり、SF1は125であった。得られたトナー粒子は、負帯電性のものであった。
【0090】
(トナー粒子5の作製)
トナー粒子1の作製において90℃加熱で3時間保持を85℃加熱で4時間保持とした以外は同じ製法で作製した。トナー粒子5の体積平均粒径D50vをコールターカウンターで測定したところ5.8μmであり、SF1は135であった。得られたトナー粒子は、負帯電性のものであった。
【0091】
[外添剤:正帯電性の無機粒子A]
(無機粒子A1の作製)
窒素雰囲気下、反応容器にエタノール80部、2 プロパノール80部、テトラエトキシシラン6部、tert ブチルジメチルクロロシラン6部、蒸留水6部を入れ、200rpmで攪拌を行なっているところに、20%アンモニア水14部を10分間で滴下した。30℃で3.5時間攪拌を行なった後、液量が半分になるまでエバポレーターを用いて濃縮した。そこにtert ブチルアルコールを10部、蒸留水300部を加え、遠心沈降機により生成物を沈殿させた。上澄み液をデカンテーションで除去した後、蒸留水300部を加え同様に遠心沈降機により分離を行なった。これを数度繰り返した後、沈殿物を凍結乾燥機で2日間凍結乾燥させることにより、白色粉末を得た。
この白色粉末10部をトルエン300部、アミノシラン1。5部に加え、超音波をかけ30分間室温で攪拌した後濃縮乾固し120℃で1時間加熱乾燥を行なった。その後更にHMDS100部に加え、超音波をかけ30分間室温で攪拌した後濃縮乾固し120℃で1時間加熱乾燥した後、個数平均粒径200nmの白色粉末を得た。これを正帯電性の無機粒子A1とした。
【0092】
(無機粒子A2の作製)
400rpmで攪拌を行い、1時間で滴下した以外は無機粒子A1の作製と同様に行い個数平均粒径450nmの白色粉末を得た。これを、正帯電性の無機粒子A2とした。
【0093】
(無機粒子A3の作製)
60rpmで攪拌を行い、40分で滴下した以外は無機粒子A1の作製と同様に行い個数平均粒径60nmの白色粉末を得た。これを、正帯電性の無機粒子A3とした。
【0094】
[外添剤:負性の無機粒子B]
(無機粒子B1の作製)
アミノシランをHMDSに変え1部加えた以外は無機粒子A1の作製と同様に行い個数平均粒径200nmの白色粉末を得た。これを、正帯電性の無機粒子B1とした。
【0095】
(無機粒子B2の作製)
アミノシランをHMDSに変え1部加えた以外は無機粒子B2の作製と同様に行い個数平均粒径450nmの白色粉末を得た。これを、正帯電性の無機粒子B2とした。
【0096】
(無機粒子B3の作製)
アミノシランをHMDSに変え1部加えた以外は無機粒子B3の作製と同様に行い個数平均粒径60nmの白色粉末を得た。これを、正帯電性の無機粒子B3とした。
【0097】
得られたトナー粒子、外添剤としての無機粒子の特性について表1〜3に一覧にして示す。
【0098】
[実施例1〜14、比較例1〜2]
表4〜表5に従って、トナー粒子と,外添剤としての無機粒子Bと、をヘンシェルミキサー(条件:表4〜表5参照)により混合した後、これに外添剤としての無機粒子Aをヘンシェルミキサー(条件:表4〜表5参照)により混合して、トナーを得た。
そして、得られたトナーにおける外添剤の被覆率、付着力について調べた。結果を表6に示す。
なお、付着力は、トナーを界面活性剤に分散させてその分散液中に超音波振動を(出力20W、周波数20kHz)10分間かけたとき、トナー粒子の表面から脱離していない無機粒子の量(無機粒子の含有量に対するトナー粒子の表面から脱離していない無機粒子の割合:残留量と標記)である。
【0099】
[評価]
得られた各例のトナーとキャリアとを、それぞれ質量比5:95の割合でVブレンダーにいれ20分間撹拌し、現像剤を得た。
なお、キャリアは次のように作製されたものを用いた。ニーダーにMn−Mgフェライト(体積平均粒径:50μm、パウダーテック社製、形状係数SF1:120)を1,000部投入し、パーフルオロオクチルメチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(重合比率:20/80、Tg:72℃、重量平均分子量:72,000、綜研化学(株)製)150部をトルエン700部に溶かした溶液を加え、常温で20分混合した後、70℃に加熱して減圧乾燥した後、取り出し、コートキャリアを得た。さらに得たコートキャリアを75μm目開きのメッシュでふるい、粗粉を除去してキャリアを得た。キャリアの形状係数SF1は122であった。
【0100】
得られた現像剤を、Docu Centre Color 400改造機(富士ゼロックス社製)の現像器に充填し、画像濃度、トナー「かぶり」について評価を行った。結果を表6に示す。
【0101】
−画像濃度評価−
画像濃度評価は、高温・高湿(30℃,85%RH)下で50000枚の出力試験(画像面積:5%)を行い、1枚目(初期)と50000枚目(出力後)で得られた画像の濃度をX−rite404濃度測定器により測定した。評価基準は以下の通りである。
◎:濃度1.4以上であり問題なし
○:濃度1.3以上1.4未満であり、目視ではわからない程度で問題なし
△:濃度1.2以上1.3未満であり、やや薄いが問題なし
×:濃度1.2未満であり、問題あり
【0102】
−かぶり評価−
かぶり評価は、非画像部へのトナー「かぶり」があるかどうかを1枚目と50000枚目で目視にて確認を行った。評価基準は以下の通りである。
◎:問題なし
○:感光体にかぶりはあるが画像にはなし
△:かぶりはあるが実用上問題なし
×:かぶりがあり問題あり
【0103】
【表1】

【0104】
【表2】

【0105】
【表3】

【0106】
【表4】

【0107】
【表5】

【0108】
【表6】

【0109】
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、初期から出力後にかけて画像濃度が低下し難く、また、かぶりの発生も少なく、これが維持されていることがわかる。
【符号の説明】
【0110】
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、110 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K 現像剤カートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(被転写体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結着樹脂及び着色剤を含み、正帯電性又は負帯電性を持つトナー粒子と、
外添剤として、異なる極性の帯電性を持つ2種の無機粒子と、
を有し、
前記2種の無機粒子のうち、前記トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子の前記トナー粒子に対する被覆率が10%以上40%以下であり、
トナーを界面活性剤に分散させてその分散液中に超音波振動を(出力20W、周波数20kHz)10分間かけたとき、トナー粒子の表面から脱離していない前記2種の無機粒子のうち、前記トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子が当該トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量に対して50質量%以上であり、前記トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子が当該トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量に対して35質量%以下である静電荷像現像用トナー。
【請求項2】
前記トナー粒子が、負帯電性を持つトナー粒子であり、
前記トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子が、窒素原子を含む疎水化処理剤による疎水化処理層を表面に持つシリカ粒子であり、
前記トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子が、窒素原子を含まない疎水化処理剤による疎水化処理層を表面に持つシリカ粒子である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項3】
前記2種の無機粒子のうち、前記トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量が、前記トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子の含有量よりも少ない請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項4】
前記トナー粒子の形状係数SF1が125以上140以下であり、前記トナー粒子の形状係数SF2が105以上130以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に脱着されるトナーカートリッジ。
【請求項7】
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
【請求項8】
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体上に形成された前記静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
前記像保持体上に形成された前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、
前記被転写体上に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項9】
前記2種の無機粒子のうち、前記トナー粒子と同じ極性の帯電性を持つ無機粒子を前記トナー粒子と混合して外添した後、前記トナー粒子と異なる極性の帯電性を持つ無機粒子を当該トナー粒子と混合して外添する、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。

【図1】
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【図2】
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