説明

静電荷現像用キャリア、静電荷現像用現像剤、静電荷現像用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

【課題】フェライト粒子のストロンチウム含有量、及びBET比表面積を特定の範囲にせず、かつ被覆層の樹脂としてシクロアルキル基を有する樹脂を適用しなかったキャリアに比べ、帯電量の変化が抑制される静電荷現像用キャリアを提供する。
【解決手段】ストロンチウムを0.1質量%以上1.0質量%以下含有し、BET比表面積が0.13m/g以上0.23m/g以下であるフェライト粒子と、該フェライト粒子を被覆する被覆層であって、シクロアルキル基を有する樹脂を含有する被覆層と、を有する静電荷現像用キャリア。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電荷現像用キャリア、静電荷現像用現像剤、静電荷現像用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法は、静電潜像保持体(感光体)表面に形成された静電潜像を、着色剤を含むトナーで現像し、得られたトナー画像を記録媒体表面へ転写し、これを熱ロール等で定着することにより画像が得られるものである。また、その潜像保持体は再び静電潜像を形成するために転写残存トナーがクリーニング等され、球形トナーを用いたときのように該転写残存トナーがほとんどない場合にはクリーニング工程が省かれる場合もある。このように電子写真法等に使用される乾式現像剤は、結着樹脂に着色剤等を配合したトナーを単独で用いる一成分現像剤と、そのトナーにキャリアを混合した二成分現像剤とに大別される。
【0003】
前記二成分現像剤に用いられるキャリアとしては、ストロンチウムフェライト、バリウムフェライト、又は鉛フェライトを含む磁性体粒子を、スチレンアクリル樹脂で被覆したキャリア(例えば、特許文献1参照)、及びストロンチウム、バリウム、鉛を含むフェライト粒子を、スチレンアクリル樹脂で被覆したキャリア(例えば、特許文献2参照)がそれぞれ提案されている。
【0004】
また、キャリアのBET比表面積と、該キャリアを構成する芯材の比表面積との比を規定したキャリア(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
更に、芯材の比表面積と内部空隙率を規定したキャリア(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
更にまた、磁性体粒子(芯材)をシクロアルキル基を有する樹脂を含有する被覆層で被覆したキャリア(例えば、特許文献5参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−323675号公報
【特許文献2】特開平6−324522号公報
【特許文献3】特開2005−134708号公報
【特許文献4】特開2007−58124号公報
【特許文献5】特開2008−77002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、フェライト粒子のストロンチウム含有量、及びBET比表面積を特定の範囲にせず、かつ被覆層の樹脂としてシクロアルキル基を有する樹脂を適用しなかったキャリアに比べ、帯電量の変化が抑制される静電荷現像用キャリアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、以下の手段により解決される。
即ち、請求項1に係る発明は、
ストロンチウムを0.1質量%以上1.0質量%以下含有し、BET比表面積が0.13m/g以上0.23m/g以下であるフェライト粒子と、
該フェライト粒子を被覆する被覆層であって、シクロアルキル基を有する樹脂を含有する被覆層と、
を有する静電荷現像用キャリアである。
【0008】
請求項2に係る発明は、
前記シクロアルキル基を有する樹脂が、シクロアルキルアクリレート及びシクロアルキルメタクリレートから選択される少なくとも一方と、メチルメタクリレート及びメタクリレートから選択される少なくとも一方と、の共重合体である請求項1に記載の静電荷現像用キャリアである。
【0009】
請求項3に係る発明は、
トナーと、請求項1又は請求項2に記載の静電荷現像用キャリアと、を含有する静電荷現像用現像剤である。
【0010】
請求項4に係る発明は、
画像形成装置に脱着され、請求項3に記載の静電荷現像用現像剤を収納した静電荷現像用現像剤カートリッジである。
【0011】
請求項5に係る発明は、
請求項3に記載の静電荷現像用現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を該現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
静電潜像保持体、該静電潜像保持体表面を帯電させるための帯電手段、及び該静電潜像保持体表面に残存したトナーを除去するための清掃手段からなる群より選ばれる少なくとも1つと、を備えるプロセスカートリッジである。
【0012】
請求項6に係る発明は、
静電潜像保持体と、該静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、請求項3に記載の静電荷現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に該トナー像を定着する定着手段と、を備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、フェライト粒子のストロンチウム含有量、及びBET比表面積を特定の範囲にせず、かつ被覆層の樹脂としてシクロアルキル基を有する樹脂を適用しなかったキャリアに比べ、帯電量の変化が抑制される静電荷現像用キャリアが提供される。
請求項2に係る発明によれば、被覆層がシクロアルキル基アクリレートと、メチルメタクリレート及びメタクリレートから選択される少なくとも何れかとの共重合体を含有しない場合に比べて、帯電量の変化の抑制が維持される。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、キャリアにおけるフェライト粒子のストロンチウム含有量、及びBET比表面積を特定の範囲にせず、かつ被覆層の樹脂としてシクロアルキル基を有する樹脂を適用しなかった場合に比べ、帯電量の変化が抑制される静電荷現像用現像剤が提供される。
請求項4に係る発明によれば、キャリアにおけるフェライト粒子のストロンチウム含有量、及びBET比表面積を特定の範囲にせず、かつ被覆層の樹脂としてシクロアルキル基を有する樹脂を適用しなかった場合に比べ、現像剤の帯電量の変化が抑制される静電荷現像用現像剤を現像手段に供給する静電荷現像用現像剤カートリッジが提供される。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、フェライト粒子のストロンチウム含有量、及びBET比表面積を特定の範囲にし、かつ被覆層の樹脂としてシクロアルキル基を有する樹脂を適用たキャリアを含有する現像剤を収納しなかった場合に比べ、カブリの発生を抑制するプロセスカートリッジが提供される。
請求項6に係る発明によれば、フェライト粒子のストロンチウム含有量、及びBET比表面積を特定の範囲にし、かつ被覆層の樹脂としてシクロアルキル基を有する樹脂を適用たキャリアを含有する現像剤を用いなかった場合に比べ、カブリの発生を抑制する画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<静電荷現像用キャリア>
本実施形態に係る静電荷現像用キャリア(以下、「本実施形態に係るキャリア」という場合がある。)は、ストロンチウムを0.1質量%以上1.0質量%以下含有し、BET比表面積が0.13m/g以上0.23m/g以下であるフェライト粒子と、該フェライト粒子を被覆し、シクロアルキル基を有する樹脂を含有する被覆層と、を有することを特徴とする。
【0018】
本実施形態に係るキャリアは、芯材として、ストロンチウムを0.1質量%以上1.0質量%以下含有するフェライト粒子を用いることにより、帯電量の変化が抑制されることを見出し、更に、この帯電量の変化が抑制されるという効果が、該フェライト粒子のBET比表面積を0.13m/g以上0.23m/g以下に制御し、かつ該フェライト粒子を、シクロアルキル基を有する樹脂を含有する被覆層で被覆することにより顕著になることを見出し、なされたものである。
【0019】
一般に、低温低湿(例えば、10℃、12%RH、以下同様)下で、印刷画像濃度を低くした状態で連続印刷を行ったり、印刷が行われずに現像器の空回しが行われると、現像剤中のトナーが、印刷により新しいトナーと入れ替わることが少なくなり、それにより、過度にキャリアとトナーが攪拌され、帯電量が上がってしまう。本実施形態に係るキャリアは、例えば、攪拌による帯電量の変化や、環境変化(高温高湿(例えば、30℃、33%RH、以下同様)又は低温低湿等)による帯電量の変化が抑制される。具体的には、本実施形態に係るキャリアを低温低湿下で過度に攪拌しても帯電が顕著に上がる現象(チャージアップ現象)が起こりにくい。この作用は以下によるものと考えられる。
【0020】
芯材として、ストロンチウムを0.1質量%以上1.0質量%以下含有するフェライト粒子を用いることにより、帯電量の変化が抑制される理由としては、以下のように考えられる。
ストロンチウムは、従来のフェライト粒子を構成する物質の中でも、第一イオン化エネルギーが低く、第1イオン化エネルギーと第2イオン化エネルギーとの和が大きいため、被覆層を構成する樹脂との電界移動が容易に起こるが、電界移動による影響が小さいという特性を有している。この電界移動による影響が小さいという特性がチャージアップの抑制に寄与していると考えられる。また、ストロンチウムは、電荷リークが起こしにくいため、帯電の減衰が生じにくいと考えられる。その結果、例えば、強い攪拌状態から弱い攪拌状態に変化しても帯電の変化が抑制されると考えられる。
【0021】
尚、本実施形態において、前記フェライト粒子におけるストロンチウムの含有量は、蛍光X線により測定する。具体的には、前処理として、規定量の包埋する樹脂とフェライト粒子を加圧成型器で10t、1分間の加圧成型を行い、(株)島津製作所の蛍光X線(SRF−1500)を使用し、測定条件は管電圧49KV、管電流90mA、測定時間30分で測定する。前記包埋する樹脂は、炭素、水素、酸素のみから成る樹脂が好ましく、セルロースやポリビニルアルコール、高融点ポリエチレンなどを用いる。
上記の条件での蛍光X線による測定によりストロンチウムの検量線を作成し、該検量線により、前記フェライト粒子におけるストロンチウムの含有量を定量的に測定する。
【0022】
また、前記フェライト粒子を前記シクロアルキル基を有する樹脂を含有する被覆層で被覆することにより、攪拌による帯電量の変化が抑制されるという効果が顕著になる理由としては、以下のように考えられる。
シクロアルキル基を有する樹脂は、極性が小さく、トナーとの電荷交換が行われにくいために、チャージアップ現象が生じにくいと考えられる。また、シクロアルキル基を有する樹脂とストロンチウムを含むフェライト粒子とが接触することで、シクロアルキル基を有する樹脂が帯電しても、電界移動による影響が小さいフェライト粒子へ電荷が移動し、過度に現像剤が攪拌されてもチャージアップが起こりにくいと考えられる。さらに、シクロヘキシル基は疎水性が高い基であるため、シクロアルキル基を有する樹脂を含有する被覆層を有することにより水分の影響を受けにくくなると考えられる。
【0023】
更に、前記フェライト粒子のBET比表面積が0.13m/g以上0.23m/g以下とすることにより、被覆層とフェライト粒子との適切な接触面積が得られ、上記の被覆層とフェライト粒子との界面における電荷の移動が活発になり易く、帯電量の変化が抑制されるという効果が顕著になると考えられる。尚、前記フェライト粒子BET比表面積は、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である
【0024】
(フェライト粒子)
本実施形態におけるフェライト粒子は、ストロンチウムを0.1質量%以上1.0質量%以下含有し、BET比表面積が0.13m/g以上0.23m/g以下のフェライト粒子である。ここで、フェライトとは一般的に下記式(1)で表されるものである。
(MO)(Fe ・・・ 式(1)
上記式(1)においてX、Yは質量モル比を示し、かつ、X+Y=100を満たす。
【0025】
前記式(1)におけるMは、少なくともストロンチウムを含む金属を示すが、通常ストロンチウムとストロンチウム以外の他の金属との合金を示す。該他の金属としては、フェライトに使用される金属であれば特に限定されず、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、錫が具体例として挙げられる。前記合金に含まれる他の金属は、一種でもよいし、二種以上でもよい。
【0026】
前記フェライト粒子におけるストロンチウムの含有量は、既述の通り、0.1質量%以上1.0質量%以下であり、0.4質量%以上0.8質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上0.6質量%以下であることがより好ましい。前記フェライト粒子におけるストロンチウムの含有量が0.1質量%以上1.0質量%以下であると、適度なシクロアルキル基を有する樹脂とストロンチウムを含むフェライト粒子との界面における電荷の移動が行われる。一方、前記フェライト粒子におけるストロンチウムの含有量が0.1質量%未満であると、充分な電荷の移動が行われず、1.0質量%を超えると、電荷の移動が多くなりすぎてしまい、トナーのカブリが発生してしまう。
【0027】
前記フェライト粒子は、既述の通り、BET比表面積が0.13m/g以上0.23m/g以下であり、0.15m/g以上0.20m/g以下であることが好ましく、0.16m/g以上0.18m/g以下であることがより好ましい。前記BET比表面積が0.13m/g未満であると、被覆層とフェライト粒子との界面における電荷の移動が滞り、攪拌による帯電量の変化が抑制されるという効果が発揮されず、カブリや、画像濃度の低下が生じやすくなる。また、前記BET比表面積が0.20m/gを超えると、被覆層の膜厚に差が生じ、帯電付与能力がキャリアによりばらついてしまい、トナーのカブリが発生してしまう。
【0028】
フェライト粒子は、一般に、原料となる金属酸化物または金属塩を用いて、造粒、焼結することにより製造される。本実施形態におけるフェライト粒子は、例えば、以下の様に、原料となる金属酸化物または金属塩に対して、仮焼成、粉砕、造粒、本焼成を行うことにより、BET比表面積を0.13m/g以上0.23m/g以下に調整する。
以下、本実施形態におけるフェライト粒子の製造方法の一例を示す。
原料となる金属酸化物または金属塩の粉末を混合し、ロータリーキルン等を用いて仮焼成を行い仮焼成物を得る。ここで、原料となる金属酸化物または金属塩としては、Fe、MnO、SrCO、Mg(OH)等が挙げられ、例えば、SrCOの量を調整することによりフェライト粒子におけるストロンチウムの含有量を0.1質量%以上1.0質量%以下とする。
また、仮焼成の温度は800℃以上1000℃以下が挙げられ、仮焼成の時間は6時間以上10時間以下が挙げられる。
【0029】
得られた仮焼成物を、公知の粉砕方法、具体的には、ポリビニールアルコールと水、界面活性剤、消泡剤を加え、乳鉢、ボールミル、ジェットミル等により粉砕する。仮焼成物の粉砕は、例えば、平均粒径が4μm以上10μm以下となるまで行う。
次に粉砕した仮焼成物をスプレードライヤーにて造粒し、乾燥させる。この乾燥した仮焼成物を再び仮焼成(再仮焼成)し、含有有機物を除去して再仮焼成物を得る。再仮焼成の温度は800℃以上1000℃以下が挙げられ、再仮焼成の時間は5時間以上10時間以下が挙げられる。
【0030】
得られた再仮焼成物を、ポリビニールアルコールと水、界面活性剤、消泡剤を加え、乳鉢、ボールミル、ジェットミル等により粉砕する。再仮焼成物の粉砕は、例えば、平均粒径が4μm以上8μm以下となるまで行う。次に粉砕した再仮焼成物をスプレードライヤーにて造粒し、乾燥させる。
【0031】
前記乾燥後の造粒物を、ロータリーキルン等を用いて焼成(本焼成)して、本焼成物を得る。ここで、本焼成の温度は1000℃以上1400℃以下が挙げられ、本焼成の時間は3時間以上6時間以下が挙げられる。
本焼成物は、引き続き、解砕工程、分級工程を経て、フェライト粒子が得られる。
【0032】
得られたフェライト粒子の平均粒径としては、30μm以上50μm以下が挙げられる。尚、焼成物或いはフェライト粒子の平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定された値をいう。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から個数累積分布を引いて、累積50%となる粒径を個数平均体積平均50%粒径とする。
【0033】
(被覆層)
本実施形態に係るキャリアは、前記フェライト粒子を被覆する被覆層であって、シクロアルキル基を有する樹脂を含有する被覆層を有する。
前記シクロアルキル基を有する樹脂としては、(1)シクロアルキル基を含むモノマーの単独重合体、(2)シクロアルキル基を含むモノマーを2種以上重合した共重合体、(3)シクロアルキル基を含むモノマーとシクロアルキル基を含まないモノマーとの共重合体が挙げられる。
前記(1)乃至(3)において、シクロアルキル基としては、例えば、3員環乃至10員環のシクロアルキル基が挙げられる。具体的には、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基が挙げられ、シクロヘキシル基、シクロペンチル基が好ましい。
【0034】
前記シクロアルキル基を有する樹脂としては、シクロアルキルアクリル酸樹脂、シクロアルキルメタクリル酸樹脂、シクロアルキルメタクリレートとメタクリレートとの共重合体、シクロアルキルアクリレートとメタクリレートとの共重合体、シクロアルキルメタクリレートとアクリレートとの共重合体、更には、シクロアルキルアクリレート、シクロアルキルメタクリレート、アクリレート、メタクリレートの任意の組み合わせでの共重合体、シクロアルキルメタクリレートとスチレンとの共重合体、シクロアルキルアクリレートとスチレンとの共重合体、側鎖にシクロアルキル基を持つポリエステル樹脂、側鎖にシクロアルキル基を持つウレタン樹脂、側鎖にシクロアルキル基を持つウレア樹脂などが挙げられる。
特に、前記シクロアルキル基を有する樹脂としては、前記(3)シクロアルキル基を含むモノマーとシクロアルキル基を含まないモノマーとの共重合体であることが好ましく、シクロアルキルアクリレート及びシクロアルキルメタクリレートから選択される少なくとも一方と、メチルメタクリレート及びメタクリレートから選択される少なくとも一方との共重合体であることがより好ましく、シクロアルキルアクリレートと、メチルメタクリレート及びメタクリレートから選択される少なくとも一方との共重合体が更に好ましい。前記シクロアルキル基がシクロアルキルアクリレートと、メチルメタクリレート及びメタクリレートから選択される少なくとも一方との共重合体であると、帯電量の変化の抑制が維持される。この効果は、被覆層とフェライト粒子との密着性が向上するためと考えられる。
【0035】
前記シクロアルキルアクリレート及びシクロアルキルメタクリレートの少なくとも一方と、メチルメタクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方との共重合体における共重合比(シクロアルキルアクリレート及びシクロアルキルメタクリレートの少なくとも一方:メチルメタクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方、モル比)としては、85:15乃至99:1が挙げられる。
【0036】
更に、シクロアルキル基を有する樹脂の重量平均分子量としては、3000以上200000以下が挙げられる。
尚、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。GPCは、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、カラムは、TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
【0037】
また、本実施形態におけるキャリアは、導電性粒子(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下の粒子)を被覆層中に分散させてもよい。該導電性粒子としては、金、銀、銅といった金属や、カーボンブラック、さらに酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
また、前記フェライト粒子の被覆層による被覆率は97%以上であることが好ましい。
ここで、上記被覆率は以下の方法によって測定される。
X線電子分光分析装置として、日本電(株)製 ESCA−9000MXを用い、キャリアを試料ホルダーに固定し、ESCAのチャンバー内に挿入する。チャンバーの真空度を1×10−6Pa以下とし、励起源としてはMg−Kαを用い、出力を200Wとする。以上の条件下で、磁性体粒子及びキャリアのXPSスペクトルを測定し、検出された元素のFeピーク(2p3/2)の面積強度の比から被覆率を算出する。
被覆率=F2/F1×100
(F1:磁性体粒子のFe面積強度,F2:キャリアのFe面積強度)
【0039】
フェライト粒子の表面に樹脂を被覆する方法としては、前記シクロアルキル基を有する樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を、適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。
より具体的には、前記フェライト粒子を前記被覆層形成用溶液に浸漬する浸漬法、前記被覆層形成用溶液を前記フェライト粒子の表面に噴霧するスプレー法、ニーダーコーター中で前記フェライト粒子と前記被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法などが挙げられる
【0040】
<静電荷現像用現像剤>
本実施形態に係る静電荷現像用現像剤(以下、「本実施形態に係る現像剤」という。)は、トナー及び既述の本実施形態に係るキャリアを含んで構成されるいわゆる二成分現像剤である。以下、本実施形態に用いるトナーについて説明する。
本実施形態に用いるトナーは、特に制限されないが、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナーが挙げられる。
【0041】
また、本実施形態に用いるトナーとしては、例えば、少なくとも結着樹脂の粒子、着色剤の粒子を水系分散媒中に分散する分散工程、分散した結着樹脂の粒子及び着色剤の粒子を金属イオンによって凝集させる凝集工程、次いで結着樹脂の粒子のみを追加して凝集させる追加凝集工程、及び凝集粒子を熱融着する熱融着工程を経て製造されたトナーが挙げられる。また、結着樹脂と着色剤、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法により製造されたトナー等が挙げられる。
【0042】
本実施形態に用いるトナーに含まれる結着樹脂としては、公知の結着樹脂が挙げられる。例えば、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
【0043】
また、本実施形態に用いるトナーに含まれる着色剤及び離型剤としては、公知の着色剤及び離型剤が挙げられる。
例えば、着色剤としてマグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が挙げられる
【0044】
また、離型剤として、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等が挙げられる。
【0045】
さらに、本実施形態に用いるトナーには必要に応じて、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤等の公知の帯電制御剤を添加してもよい。
また、本実施形態に用いるトナーには、シリカ、酸化チタン、メタチタン酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化クロム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の公知の外添剤を外添させてもよい。
【0046】
本実施形態に係る現像剤におけるトナーと本実施形態に係るキャリアは、例えば1:100乃至30:100(トナー:キャリア、質量比)の比率で混合する。
【0047】
<静電荷現像用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置>
本実施形態に係る静電荷現像用現像剤カートリッジ(以下、「本実施形態に係るカートリッジ」という場合がある。)は、画像形成装置に脱着され、既述の本実施形態に係る現像剤を収納したことを特徴とする。この構成にすることにより、本実施形態に係る現像剤が画像形成装置の現像手段に供給される。従って、後述するように、現像手段において、現像剤を過度に攪拌しても、現像剤の帯電量の変化が抑制される。
【0048】
本実施形態に係る画像形成装置は、静電潜像保持体と、該静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、既述の本実施形態に係る現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に該トナー像を定着する定着手段と、を備える。
【0049】
また、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を該現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、静電潜像保持体、該静電潜像保持体表面を帯電させるための帯電手段、及び該静電潜像保持体表面に残存したトナーを除去するための清掃手段からなる群より選ばれる少なくとも1つと、を備える。
【0050】
一般に、低温低湿環境で現像剤が攪拌されると、トナーの帯電は高くなる。特に、トナー排出の少ない、例えば文字印刷などでは、排出されずに現像器内で攪拌され続けるトナーが多く存在する。また、静電潜像保持体及び現像手段を複数有するカラー画像を形成するための画像形成装置においては、黒色の画像を形成する場合、黒色以外の現像剤の使用量は少なく、これらの現像剤については、排出されずに現像器内で攪拌され続けるトナーが多く存在する。
上記の現像器内で攪拌され続けるトナーは、帯電量が高くなり、現像されにくくなる。そのため、高帯電トナーについては、画像形成装置内でパラメーター調整を行い現像するのが一般的である。
【0051】
一方で、高温高湿環境では、水分によりトナーが帯電しにくくなる。そのため、低温低湿環境に置いた画像形成装置を高温高湿環境へ移動して放置した場合、水分によるトナーの帯電量低下が生じる。これは、低温低湿下でのトナー帯電が高いものほど、低下量は大きくなる。しかし、前記のように低温低湿環境で高帯電トナーにパラメーターを合わせたプリンターが、そのままのパラメーターで高温高湿で帯電量低下を起こしたトナーにより印刷を行った場合、帯電が低すぎることによるトナーカブリが生じやすい。特に、低温低湿下でのトナー排出がなく、長期に現像器が空回しされる場合(例えば、カラー画像を形成するための画像形成装置における黒色以外の現像剤等)は、顕著に現れる。
【0052】
しかし、本実施形態に係るプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、上記のように、帯電量の変化が抑制される本実施形態に係る現像剤を用いるので、例えば、低温低湿環境に置いた画像形成装置を高温高湿環境へ移動して放置した場合においても、現像剤の帯電量の変化が抑制されているので、カブリの発生が抑制される。
以下、図を用いて、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
【0053】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置であり、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
【0054】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、現像剤カートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像剤が供給される。
【0055】
上述した第1乃至第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
【0056】
第1ユニット10Yは、静電潜像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を帯電させる帯電ローラ(帯電手段)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電潜像を形成する露光装置(静電潜像形成手段)3、静電潜像に帯電したトナーを供給して静電潜像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
【0057】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
【0058】
現像装置4Y内には、イエロートナー及び本実施形態に係るキャリアを含有する現像剤(本実施形態に係る現像剤)が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き走行し、感光体1Y上に現像されたトナー像が1次転写位置へ搬送される。
【0059】
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
前記イエロートナーは、本実施形態に係るキャリアと共に現像剤を構成している。このため、攪拌或いは環境変化による帯電量の変化が抑制される。
【0060】
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
【0061】
第1乃至第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0062】
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
【実施例】
【0063】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例において、特に断らない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味するものとする。
【0064】
<フェライト粒子の作製>
(フェライト粒子1の作製)
仕込み原料として、Fe 74部、Mg(OH) 4部、Mn 21部、SrCO 1部を混合し、ロータリーキルンを用いて900℃、7時間の条件で仮焼成1を行い仮焼成物1を得た。得られた仮焼成物1を、湿式ボールミルで7時間粉砕し、平均粒径を2.0μmとした後にスプレードライヤーを用いて造粒、乾燥を行い、更にロータリーキルンで950℃、6時間の条件で仮焼成2を行い、仮焼成物2を得た。得られた仮焼成物2を湿式ボールミルで5時間粉砕し、平均粒径を5.6μmとした後、更にスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後、電気炉で温度1300℃用いて5時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て平均粒径36μmのフェライト粒子1を作製した。得られたフェライト粒子1のBET比表面積は0.14m/gであり、ストロンチウムの含有量が0.6%であった。
【0065】
(フェライト粒子2の作製)
フェライト粒子1の作製において、仮焼成物2を湿式ボールミルで6時間粉砕し、平均粒径を5μmとし、本焼成の焼成時間を4時間に変更する以外は、フェライト粒子1の作製と同様にして、平均粒径36μmのフェライト粒子2を作製した。得られたフェライト粒子のBET比表面積は0.18m/gであり、ストロンチウムの含有量が0.6%であった。
【0066】
(フェライト粒子3の作製)
フェライト粒子1の作製において、仮焼成物2を湿式ボールミルで8時間粉砕し、平均粒径を4.9μmとし、本焼成の焼成温度を1280℃、焼成時間を4.5時間に変更する以外は、フェライト粒子1の作製と同様にして、平均粒径35μmのフェライト粒子3を作製した。得られたフェライト粒子3のBET比表面積は0.21m/gであり、ストロンチウムの含有量が0.6%であった。
【0067】
(フェライト粒子4の作製)
フェライト粒子1の作製において、仕込み原料を、Fe 74部、Mg(OH) 4.5部、Mn 20部、SrCO 1.5部に変更し、本焼成の焼成温度を1290℃、焼成時間を5時間に変更する以外は、フェライト粒子1の作製と同様にして、平均粒径36μmのフェライト粒子4を作製した。得られたフェライト粒子4のBET比表面積は0.14m/gであり、ストロンチウムの含有量が0.9%であった。
【0068】
(フェライト粒子5の作製)
フェライト粒子4の作製において、仮焼成物2を湿式ボールミルで6時間粉砕し、平均粒径を5.1μmとし、本焼成の焼成温度を1290℃、焼成時間を4時間に変更する以外は、フェライト粒子4の作製と同様にして、平均粒径36μmのフェライト粒子5を作製した。得られたフェライト粒子5のBET比表面積は0.18m/gであり、ストロンチウムの含有量が0.9%であった。
【0069】
(フェライト粒子6の作製)
フェライト粒子4の作製において、仮焼成物2を湿式ボールミルで8時間粉砕し、平均粒径を4.9μmとし、本焼成の焼成温度を1270℃、焼成時間を4時間に変更する以外は、フェライト粒子4の作製と同様にして、平均粒径35μmのフェライト粒子6を作製した。
得られたフェライト粒子6のBET比表面積は0.21m/gであり、ストロンチウムの含有量が0.9%であった。
【0070】
(フェライト粒子7の作製)
フェライト粒子1の作製において、仕込み原料を、Fe 74部、Mg(OH) 4.7部、Mn 21部、SrCO 0.35部に変更し、本焼成の焼成温度を1310℃、5時間に変更する以外は、フェライト粒子1の作製と同様にして、平均粒径36μmのフェライト粒子7を作製した。得られたフェライト粒子7のBET比表面積は0.14m/gであり、ストロンチウムの含有量が0.2%であった。
【0071】
(フェライト粒子8の作製)
フェライト粒子7の作製において、仮焼成物2を湿式ボールミルで6時間粉砕し、平均粒径を5μmとし、本焼成の焼成温度を1300℃、焼成時間を5時間に変更する以外は、フェライト粒子7の作製と同様にして、平均粒径36μmのフェライト粒子8を作製した。得られたフェライト粒子8のBET比表面積は0.18m/gであり、ストロンチウムの含有量が0.2%であった。
【0072】
(フェライト粒子9の作製)
フェライト粒子7の作製において、仮焼成物2を湿式ボールミルで8時間粉砕し、平均粒径を4.9μmとし、本焼成の焼成温度を1290℃、焼成時間を4時間に変更する以外は、フェライト粒子7の作製と同様にして、平均粒径36μmのフェライト粒子9を作製した。得られたフェライト粒子9のBET比表面積は0.21m/gであり、ストロンチウムの含有量が0.2%であった。
【0073】
(フェライト粒子10の作製)
フェライト粒子1の作製において、仮焼成物2を湿式ボールミルで2時間粉砕し、平均粒径を6μmとし、本焼成の焼成温度を1300℃、焼成時間を4時間に変更する以外は、フェライト粒子1の作製と同様にして、平均粒径37μmのフェライト粒子10を作製した。得られたフェライト粒子10のBET比表面積は0.11m/gであり、ストロンチウムの含有量が0.6%であった。
【0074】
(フェライト粒子11の作製)
フェライト粒子1の作製において、仮焼成物2を湿式ボールミルで8時間粉砕し、平均粒径を4.9μmとし、本焼成の焼成温度を1250℃、焼成時間を4時間に変更する以外は、フェライト粒子1の作製と同様にして、平均粒径36μmのフェライト粒子11を作製した。得られたフェライト粒子11のBET比表面積は0.26m/gであり、ストロンチウムの含有量が0.6%であった。
【0075】
(フェライト粒子12の作製)
フェライト粒子1の作製において、仕込み原料を、Fe 70部、Mg(OH) 4部、Mn 21部、SrCO 5部に変更し、仮焼成物2を湿式ボールミルで8時間粉砕し、平均粒径を4.9μmとし、本焼成の焼成温度を1290℃、焼成時間を4時間に変更する以外は、平均粒径36μmのフェライト粒子1の作製と同様にして、フェライト粒子12を作製した。得られたフェライト粒子12のBET比表面積は0.17m/gであり、ストロンチウムの含有量が3.1%であった。
【0076】
(フェライト粒子13の作製)
フェライト粒子12の作製において、仕込み原料を、Fe 75部、Mg(OH) 4部、Mn 21部に変更する以外は、フェライト粒子1の作製と同様にして、平均粒径36μmのフェライト粒子13を作製した。得られたフェライト粒子13のBET比表面積は0.14m/gであり、ストロンチウムの含有量が0%であった。
【0077】
(フェライト粒子14の作製)
フェライト粒子1の作製において、仕込み原料を、Mn 20部、SrCO 2部に変更し、仮焼成物2を湿式ボールミルで6時間粉砕し、平均粒径を5μmとし、本焼成の焼成温度を1310℃に変更する以外は、フェライト粒子1作製と同様にして、平均粒径36μmのフェライト粒子14を作製した。得られたフェライト粒子14のBET比表面積は0.14m/gであり、ストロンチウムの含有量が1.2%であった。
【0078】
<被覆層形成用溶液の調製>
(被覆層形成用溶液1の調製)
・シクロヘキシルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体
(モル比(シクロヘキシルメタクリレート:メチルメタクリレート)=90:10、重 量平均分子量6万):36部
・カーボンブラック VXC72(キャボット社製):4部
・トルエン(和光純薬社製):500部
・イソプロピルアルコール(和光純薬社製):50部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間攪拌し固形分11%の被覆層形成用溶液1を調製した。
【0079】
(被覆層形成用溶液2の調製)
スチレン−シクロヘキシルメタクリレート共重合体
(モル比(シクロヘキシルメタクリレート:メチルメタクリレート)=84:16、重 量平均分子量10万):36部
カーボンブラック VXC72(キャボット社製):4部
トルエン(和光純薬社製):500部
イソプロピルアルコール(和光純薬社製):50部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間攪拌し固形分11%の被覆層形成用溶液2を調製した。
【0080】
<キャリアの作製>
(キャリア1の作製)
真空脱気型5Lニーダーにフェライト粒子1を2000部入れ、更に被覆層形成用溶液1を360部を入れ、攪拌しながら、昇温/減圧させ、90℃/−720mHgで30分間、攪拌・乾燥させ、被覆された粒子を得た。更に、75μメッシュの篩分網で篩分を行い、キャリア1を得た。
【0081】
(キャリア2の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子2に、被覆層形成用溶液1の使用量を450部にする以外は、キャリア1の作製と同様にしてキャリア2を得た。
【0082】
(キャリア3の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子3に、被覆層形成用溶液1の使用量を450部にする以外は、キャリア1の作製と同様にしてキャリア3を得た。
【0083】
(キャリア4の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子4にする以外は、キャリア1の作製と同様にしてキャリア4を得た。
【0084】
(キャリア5の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子5に、被覆層形成用溶液1の使用量を450部にする以外は同様にしてキャリア5を得た。
【0085】
(キャリア6の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子6に、被覆層形成用溶液1の使用液量を450部にする以外は、キャリア1の作製と同様にしてキャリア6を得た。
【0086】
(キャリア7の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子7にする以外は、キャリア1の作製と同様にしてキャリア7を得た。
【0087】
(キャリア8の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子8に、被覆層形成用溶液1の使用量を450部にする以外は、キャリア1の作製と同様にしてキャリア8を得た。
【0088】
(キャリア9の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子9に、被覆層形成用溶液1の使用量を450部にする以外は、キャリア1の作製と同様にしてキャリア9を得た。
【0089】
(キャリア10の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子2に、被覆層形成用溶液1を被覆層形成用溶液2にする以外は、キャリア1の作製と同様にしてキャリア10を得た。
【0090】
(キャリア11の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子10ににする以外は、キャリア1の作製と同様にしてキャリア11を得た。
【0091】
(キャリア12の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子11に、被覆層形成用溶液1の液量を450部にする以外は、キャリア1の作製と同様にしてキャリア12を得た。
【0092】
(キャリア13の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子12に、コート液1の液量を450部にする以外は同様にしてキャリア13を得た。
【0093】
(キャリア14の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子13にする以外は、キャリア1の作製と同様にしてキャリア14を得た。
【0094】
(キャリア15の作製)
キャリア1の作製において、フェライト粒子1をフェライト粒子14にする以外は、キャリア1の作製と同様にしてキャリア15を得た。
【0095】
<トナーの作製>
(樹脂分散液1の調製)
・エチレングリコール(和光純薬工業(株)製):37部
・ネオペンチルグリコール(和光純薬工業(株)製):65部
・1,9−ノナンジオール(和光純薬工業(株)製):32部
・テレフタル酸(和光純薬工業(株)製):96部
上記の成分をフラスコに仕込み、1時間をかけて温度200℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間をかけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、酸価が9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移温度62℃であるポリエステル樹脂を得た。
【0096】
次いで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cmの条件でキャビトロンを運転し、平均粒径160nm、固形分30%、ガラス転移温度62℃、重量平均分子量Mwが13,000の樹脂の分散液(樹脂分散液1)を得た。
【0097】
(着色剤粒子分散液の調製)
・シアン顔料(PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製):10部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製):2部
イオン交換水:80部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー(HJP30006、(株)スギノマシン製)により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤粒子分散液を得た。
【0098】
[結着樹脂1の合成]
・デカン二酸(東京化成(株)製):81部
・ヘキサンジオール(和光純薬(株)製):47部
上記の成分をフラスコに仕込み、1時間をかけて温度160℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを0.03部投入した。更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間をかけて200℃まで温度を上げ、200℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、反応を終了させた。反応液を冷却後、固液分離を行い得られた固形物を40℃、真空状態の下乾燥を行い結着樹脂1を得た。
得られた結着樹脂1の融点は、パーキネルマー社製の示差熱走査熱量計DSC−7を用いて測定した結果、64℃であった。重量平均分子量は東ソー社製の分子量測定器HLC−8020を用い、テトラヒドロキシフラン(THF)を溶媒として、測定したところ、15000であった。
【0099】
(樹脂分散液2の調製)
・結着樹脂1:50部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製):2部
・イオン交換水:200部
上記の成分を120℃に加熱して、IKE社製、ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が180nmになったところで回収した。このようにして固形分20%の樹脂分散液2を得た。
【0100】
(離型剤粒子分散液の調製)
・パラフィンワックス(HNP−9 日本精鑞(株)製):50部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製):2部
・イオン交換水:200部
上記の成分を120℃に加熱して、IKE社製ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径200nm、固形分20%の離型剤粒子分散液を得た。
【0101】
(トナー1の作製)
・樹脂分散液1:150部
・着色剤分散液:25部
・離型剤分散液:35部
・樹脂分散液2:50部
・ポリ塩化アルミニウム:0.4部
・イオン交換水:100部
上記の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でIKE社製のウルトラタラックスT50を用い十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコ内を攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、ここに上記と同じ樹脂粒子分散液1を緩やかに70部追加した。
【0102】
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを8.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌軸のシールを磁力シールして攪拌を継続しながら90℃まで加熱して30分間保持した。反応終了後、降温速度を5℃/分で冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに30℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで攪拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに6回繰り返し、濾液のpHが7.54、電気伝導度6.5μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を24時間継続してトナーを得た。
このトナーの体積平均粒径D50vをコールターカウンターで測定したところ5.7μmであった。
【0103】
更に、このトナーに、ヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」と略す場合がある)で表面疎水化処理した一次粒子平均粒径40nmのシリカ(SiO)微粒子と、メタチタン酸とイソブチルトリメトキシシランの反応生成物である一次粒子平均粒径20nmのメタチタン酸化合物微粒子とを、それぞれの着色平均粒度分布指標GSDvは1.20であった。粒子の表面に対する被覆率が40%となるように添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、静電荷像現像用トナー1を作製した。
【0104】
<実施例1>
Docu Centre Color400 改造機(Black単独印刷時に、多色/Yellow/Magenta/Cyanの現像器が、連れ回る)に、キャリア1とトナー1が100:6の質量比になるように混合した現像剤をCyan現像剤用現像機とBlack現像剤用現像機に仕込み、10℃、12%RHの環境下で12時間放置した。放置後、Black現像剤用現像機から10cm×10cmのソリッドパッチにて連続で1000枚の出力を行った。次いで、Cyan現像剤用現像機から同様に10cm×10cmのソリッドパッチを1枚出力した。これをC0画像とする。その後、30℃、88%RHの環境下に12時間、静置した。静置後、Cyan現像剤用現像機から10cm×10cmのソリッドパッチを1枚印刷した。これをC1画像とする。すなわち、C0画像とは帯電量が高くなりやすい状況下でトナーの入れ替わりがないまま攪拌された後出力されるため、現像がされにくく、濃度が低くなりやすい状態であり、C1画像はその後高温高湿状況下で帯電量が低下しやすく、背景部にトナーが付着しカブリが生じやすい状態を示す。
【0105】
次に、10℃、12%RHの環境に移動し、12時間静置した後、Cyan現像剤用現像機により10cm×10cmのソリッドパッチにて連続で10000枚の出力を行った。10000枚目の画像をC2画像とする。その後、30℃、88%RHの環境下に12時間、静置した。静置後、Cyan現像剤用現像機により10cm×10cmのソリッドパッチを1枚出力した。これをC3画像とする。C2画像とはトナーの入れ替わりがある状況でのキャリアの帯電量の安定性を示すもので、帯電量はトナーからの付着物により低下しやすく、同時に帯電量が確保できなくなるため、濃度低下とカブリが同時に生じやすい状態での評価を、C3画像とはさらに帯電量が低下しやすい状況下でのカブリに注目した評価となる。
【0106】
(カブリ評価)
上記のC1画像乃至C3画像について、以下の基準でカブリを評価した。その結果を表1に示す。尚、濃度低下は、前記10℃、12%RHの環境下で12時間放置後、Black現像剤用現像機で出力した1枚目のCyan画像の濃度に比較して評価したものである。また、評価結果は、△までが許容できる範囲である。
◎:濃度低下もカブリの無い良好な画像であった。
○:僅かにカブリ又は濃度低下が見られたが、拡大鏡にて観察されるレベルで目視では良好であった。
△:カブリが見られ、又は濃度低下が見られたが、許容できる範囲であった。
×:許容できないカブリまたは濃度低下が見られた。
【0107】
<実施例2>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア2を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0108】
<実施例3>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア3を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0109】
<実施例4>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア4を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0110】
<実施例5>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア5を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0111】
<実施例6>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア6を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0112】
<実施例7>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア7を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0113】
<実施例8>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア8を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0114】
<実施例9>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア9を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0115】
<実施例10>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア10を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0116】
<比較例1>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア11を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0117】
<比較例2>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア12を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0118】
<比較例3>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア13を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0119】
<比較例4>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア14を用い、トナー1の代わりにトナー2を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0120】
<比較例5>
実施例1において、キャリア1の代わりにキャリア15を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0121】
【表1】

【符号の説明】
【0122】
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストロンチウムを0.1質量%以上1.0質量%以下含有し、BET比表面積が0.13m/g以上0.23m/g以下であるフェライト粒子と、
該フェライト粒子を被覆する被覆層であって、シクロアルキル基を有する樹脂を含有する被覆層と、
を有する静電荷現像用キャリア。
【請求項2】
前記シクロアルキル基を有する樹脂が、シクロアルキルアクリレート及びシクロアルキルメタクリレートから選択される少なくとも一方と、メチルメタクリレート及びメタクリレートから選択される少なくとも一方と、の共重合体である請求項1に記載の静電荷現像用キャリア。
【請求項3】
トナーと、請求項1又は請求項2に記載の静電荷現像用キャリアと、を含有する静電荷現像用現像剤。
【請求項4】
画像形成装置に脱着され、請求項3に記載の静電荷現像用現像剤を収納した静電荷現像用現像剤カートリッジ。
【請求項5】
請求項3に記載の静電荷現像用現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を該現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
静電潜像保持体、該静電潜像保持体表面を帯電させるための帯電手段、及び該静電潜像保持体表面に残存したトナーを除去するための清掃手段からなる群より選ばれる少なくとも1つと、を備えるプロセスカートリッジ。
【請求項6】
静電潜像保持体と、該静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、請求項3に記載の静電荷現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に該トナー像を定着する定着手段と、を備える画像形成装置。

【図1】
image rotate