説明

静電荷現像用トナーの製造方法

【課題】 経時での帯電特性が安定し、特に高温/高湿下においても著しい帯電性低下をともなわず、耐久時でもクリーニング不良が発生せず、安定した画像を得られる静電荷像現像用トナーの製造方法、該方法により得られる静電荷像現像用トナー、及び該トナーを用いる画像形成方法、該トナーを装填した画像形成装置、該トナーを保持した画像形成装置に着脱自在のプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】 少なくとも結着樹脂と着色剤を液状媒体中に分散してトナー粒子を生成後、複数回のろ過を行なってトナーケーキを得る工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法において、
最後以外のろ過ではケーキ含水率を35〜45重量%とし、最後のろ過ではケーキ含水率を20〜35重量%とし、
最後以外のろ過ケーキとアルカリ性溶液を、少なくとも1回接触させることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電荷像現像用トナーの製造方法、及び該方法により製造される静電荷像現像用トナー、及びそれを用いる画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
旧来の粉砕法によるトナーでは、結着樹脂中に着色剤を分散した樹脂着色剤分散体が充分にもろく、経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでなければならず、トナー用材料の選択範囲に制限があった。
【0003】
これらの要求を満たすために樹脂着色剤分散体をもろくすると、該分散体を実際に高速で微粉砕した場合、形成された粒子の粒径範囲が広くなり、さらに、このように脆性の高い材料から得られるトナーは、複写機等の現像器でさらなる粉化を受けやすい。
このような場合、トナー粒子の破断面に着色剤が露出し、現像特性の変動を引き起こし、画像濃度低下、カブリといった画像形成不良の原因となる。
【0004】
近年、これらの粉砕法の問題点を克服するため、液状媒体中でトナー粒子を製造する方法、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、乳化凝集法が提案されている。これらの方法は粉砕工程が含まれていないため、トナーに脆性が必要でなく、樹脂として軟質の材料を使用することができ、また、粒子表面への着色剤の露出が発生せず、均一な摩擦帯電性を有するトナーが得られるという利点がある。
【0005】
しかしながら、液状媒体中で直接生成させたトナーは、トナー表面が媒体の影響を受けやすく、例えば、分散媒体が水系媒体の場合、一般に極性の高い極性樹脂や荷電制御剤は、トナー表面近傍に局在化しやすくなる。その結果として粉砕トナーと比較して、非常に少量の荷電制御剤で、均一に高い帯電性をトナーに付与できるが、荷電制御剤のような極性の高い材料は、極一部ではあるが、水系媒体中へ溶解してしまうものもある。そのため、トナー粒子生成反応終了後の液状分散媒体からトナー粒子を濾別する工程で、非常に注意を払う必要がある。
【0006】
更に、懸濁重合法によるトナー形状は球型であるため、感光体上に残留したトナーをブレードでクリーニングするのが困難であるという問題点があった。
上述のような残留トナーの除去は、クリーニングブレードが感光体表面に当接されて行われるため、トナー除去効率は感光体とクリーニングブレードの当接圧力や、現像スリーブ、感光体の表面形状などによって大きく左右される。同様にトナー特性に関する点でも、クリーニング時のトナー除去効率はトナー形状及び微粉量に大きく左右される。トナー除去が不充分である場合は、感光体ドラムの表面上に残留トナーによるフィルミングが発生する。また、これが蓄積したフィルミング膜の影響で感光体とクリーニングブレード間にかかる応力が増大することで、発熱によるトナー融着の発生、感光体ドラムの疲労摩擦が発生する。かかる問題は、トナー粒子が小径化することでいっそう加速され、感光体への付着力が高まり転写残となり易いことで感光体とブレード間をすり抜けるトナー量が増すので、クリーニング不良がより発生してしまう課題がある。
【0007】
このようなクリーニング不良を回避するために、トナーの形状や表面凹凸(形状係数SF−1及びSF−2、フロー式粒子像分析による平均円形度)を液状分散媒体中でさまざまに制御する方法が提案されている。特許3291618号公報(特許文献1)ではトナーの平均円形度が0.900〜0.965で円形度分布が0.95未満の粒子の含有量が20乃至60個数%と規定した提案がなされている。また、形状係数SF−1あるいはSF−2の範囲設定をすることでクリーニング性向上を狙った提案が数多くなされている(特開2000−267331号公報、特開2002−023408号公報、特開2000−029297号公報・・・特許文献2〜4)。しかしながら、液状分散媒体からトナー粒子を濾別する際に、濾別する前に制御したトナー表面状態を、濾別後も維持するために、非常に注意を払う必要がある。
【0008】
すなわち、液状媒体中で直接生成させ、かつ、形状制御したトナー粒子を製造するためには、いかに効率よくトナー粒子と液状媒体を均一に分離できるか、ということが重要である。分離が不均一な場合、各トナー粒子の表面状態が各々異なり、トナーの帯電量分布がブロードとなり、特に高湿下などの、トナーが帯電しにくい環境下では、カブリ、トナー飛散、画像濃度低下などが発生しやすくなる。
【0009】
液状分散媒体からトナー粒子を濾別する方法として、特開平8−160661号公報(特許文献5)の重合トナー及びその製造方法のなかでは、連続式ベルトフィルター、サイホンピラー型セントリフュージで脱水及び洗浄を行なうことで、分散安定剤の除去が効率よく行なわれ、上記課題を解決できることを提案している。これら提案された装置を用いて、トナーの製造を行なえば、確かに従来と比較して帯電性の優れたトナーが得られるが、濾別する前のトナー表面状態を濾別後も維持する点で満足いくものではない。
【0010】
また、特開2000−10341号公報(特許文献6)、特開2002−91073号公報(特許文献7)では、フィルタープレスで洗浄を行なうことで、上記課題を解決できることを提案している。この提案された装置を用いて、トナーの製造を行なえば、トナー粒子の濾別効率は良いが、得られたケーキの含水率が40重量%よりも高い場合、ケーキ中の水分が大気中の不純物を吸着し、再度洗浄する手間が発生する。また、時間をかけて含水率を20重量%よりも下げた場合、ケーキが硬化してしまうため、ミキサーなどを利用して機械的に解砕する必要がある。このような解砕を数回繰返した場合、摩擦によりトナー表面性が損われ、帯電特性の劣化を招くばかりか、クリーニング性が不充分な形状なトナー粒子となる。
【0011】
さらに特開2000−292975号公報(特許文献8)では、重合法により調整された着色粒子を固化し水分30〜50重量%の含水ケーキとし、これを気流乾燥機による乾燥を行なう処理操作を含む方法によりトナーを製造することが提案されている。該方法は主に乾燥処理の改良を目的とするものであり、しかも含水ケーキを得るためのろ過処理は、限定されておらず、特に遠心分離法が好ましい旨記載され、具体的には1回の遠心分離で行なっている。しかしながら、ろ過処理を遠心分離法で行なった場合、遠心効果の高い外側と、遠心効果の低い内側のケーキ含水率を均一に制御することが困難であるため、各トナー粒子表面に残留する分散安定剤の濃度が異なり、そのようなケーキをそのまま乾燥した場合、トナー粒子の表面性が不均一となるという欠点があり、またろ過処理を1回のみ行なった場合はトナー粒子表面の凹凸に残留した不純物が完全に除去できず、帯電特性が不均一になりやすく、結果として地肌汚れの原因になるという問題がある。
【0012】
また特開2002−365839号公報(特許文献9)では、水系媒体中で合成されるトナーのろ別を真空式のベルトフィルターによって行ない含水率35%以下の重合法トナーを製造する方法が記載されている。
しかしながら、ろ過処理を真空式のベルトフィルターでおこなった場合、ケーキ含水率を均一に制御するにはケーキにクラックが起こらない条件でろ過する必要があり、そのような条件でろ過した場合、ケーキ含水率が高いため、剥離性が悪く、作業効率を低下させるという欠点があり、またろ過処理は具体的には1回のみ行なっており、上記特許文献8に記載の方法と同様の問題がある。
【0013】
【特許文献1】特許第3291618号公報
【特許文献2】特開2000−267331号公報
【特許文献3】特開2002−023408号公報
【特許文献4】特開2000−029297号公報
【特許文献5】特開平8−160661号公報
【特許文献6】特開2000−10341号公報
【特許文献7】特開2002−91073号公報
【特許文献8】特開2000−292975号公報
【特許文献9】特開2002−365839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、経時での帯電特性が安定し、特に高温/高湿下においても著しい帯電性低下をともなわず、耐久時でもクリーニング不良が発生せず、安定した画像を得られる静電荷像現像用トナーの製造方法、及び該製造方法により得られる静電荷像現像用トナーを提供することにある。
また本発明の目的は、上記静電荷像現像用トナーを用いる画像形成方法、及びそれに用いる装置であって上記静電荷像現像用トナーが装填された画像形成装置、並びに画像形成装置に着脱自在の該静電荷像現像用トナーが保持されたプロセスカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、鋭意検討の結果、液状媒体中で生成させたトナー粒子の高温/高湿下での更なる帯電性の向上、ならびにクリーニング性の向上について、トナー粒子を液状媒体から濾別する方法が大きく影響を与えていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明によれば、下記(1)〜(23)が提供される。
(1)「少なくとも結着樹脂と着色剤を液状媒体中に分散してトナー粒子を生成後、複数回のろ過を行なってトナーケーキを得る工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法において、
最後以外のろ過ではケーキ含水率を35〜45重量%とし、最後のろ過ではケーキ含水率を20〜35重量%とし、
最後以外のろ過ケーキとアルカリ性溶液を、少なくとも1回接触させることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(2)「前記ろ過の少なくとも1回を加圧ろ過で行なうことを特徴とする前記(1)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(3)「前記最後以外のろ過を加圧ろ過で行なうことを特徴とする前記(2)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(4)「前記ろ過の少なくとも1回を加圧ろ過で行ない、該加圧ろ過後に水でケーキ洗浄することを特徴とする前記(2)又は(3)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」
(5)「前記ろ過の少なくとも1回を加圧ろ過で行ない、最後以外のろ過ケーキとアルカリ性溶液の接触を、該ケーキをアルカリ性水に分散させることで行なうことを特徴とする前記(2)〜(4)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(6)「前記アルカリ性水にケーキを分散した分散液のpH値が、8.0以上12.0未満であることを特徴とする前記(5)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(7)「前記アルカリ性水にケーキを分散した分散液のろ過を加圧ろ過で行ない、該加圧ろ過で濾別したケーキの分散を、酸性水で行なうことを特徴とする前記(5)又は(6)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(8)「前記アルカリ性水にケーキを分散した分散液に、酸性水を添加し、分散液を酸性とすることを特徴とする前記(5)又は(6)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(9)「前記酸性水にケーキを分散した分散液のpH値が、3.0以上5.0未満であることを特徴とする前記(7)又は(8)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(10)「前記最後のろ過を遠心ろ過で行なうことを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(11)「前記最後のろ過の前段のろ過後のケーキは、固形分濃度20重量%のスラリーとしたときの電気伝導度が、5〜20μS/cmであることを特徴とする前記(1)〜(10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(12)「前記加圧ろ過に使用するフィルターの通気量が、2〜40cc/cm・minであることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(13)「前記加圧ろ過の圧搾圧力が、0.1〜1.0MPaであることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(14)「前記遠心ろ過にサイホンピラー型セントリフュージ(横型遠心ろ過機)を用いることを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(15)「前記遠心ろ過にバスケット型遠心ろ過機(立型遠心ろ過機)を用いることを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(16)「前記遠心ろ過に立型デカンタを用いることを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(17)「濾別後のケーキを再分散する水に電荷制御剤を添加することを特徴とする前記(1)〜(16)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(18)「有機溶媒中に活性水素と反応可能な変性ポリエステル系樹脂からなるトナーバインダーを含むトナー組成分を溶解又は分散させ、該溶解又は分散物を樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させ、次いで活性水素基を有する化合物と反応させ、得られた分散液からトナー粒子を濾別し、乾燥することを特徴とする前記(1)〜(17)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
(19)「前記(1)〜(18)のいずれかに記載の製造方法により得られた静電荷像現像用トナーであって、フロー式粒子像分析による平均円形度が0.940以上0.990未満であり、且つ0.60以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子が個数基準で10以上50%未満であり、且つ0.60以上2.00μm未満の粒径範囲における平均円形度が0.930以下であることを特徴とする静電荷現像用トナー」;
(20)「体積平均粒径Dvが3〜8μmであることを特徴とする前記(19)に記載の静電荷像現像用トナー」;
(21)「前記(19)又は(20)に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアを摩擦帯電させることを特徴とする画像形成方法」;
(22)「前記(21)に記載の画像形成方法に使用するものであって、トナーとして前記(19)又は(20)に記載の静電荷像現像用トナーが装填されていることを特徴とする画像形成装置」;
(23)「感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも現像手段を含む手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は、トナーを保持し、該トナーは、前記(19)又は(20)に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ」。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、帯電特性の安定性に優れ、特に高温/高湿環境下での経時変化が少なく、長期にわたりクリーニング特性も安定であり、画質不良が起こらない静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することができる。
また本発明は、上記製造方法により得られる静電荷像現像用トナー、および該トナーを用いる画像形成方法、並びに該製造方法に使用される、上記トナーが装填された画像形成装置、さらに該画像形成装置に着脱自在で、上記トナーが保持されたプロセスカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の静電荷像現像用トナーを保持したプロセスカートリッジを装着した画像形成装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の詳細を説明する。
[1]第一の発明
本発明においては、液状媒体中に分散した、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するトナー粒子から、複数回のろ過を行なってトナーケーキを得る工程を含む製造方法において
最後以外のろ過では加圧ろ過によりケーキ含水率を35〜45重量%とし、最後のろ過では遠心ろ過によりケーキ含水率を20〜35重量%とする。
本発明において、上記液状媒体中に分散した、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するトナーとしては、有機媒体に樹脂を含むトナー成分を溶解又は分散させ、該溶解又は分散物を水系媒体中に乳化/分散したものや、水系媒体中に、少なくともモノマー及び着色剤等を入れ、これを乳化/分散し重合したもの(重合トナー分散体)や、水系媒体中にモノマーを入れて乳化重合させ、さらにこれに他のトナー成分の微粒子を加えて共に凝集させたもの(別のタイプの重合トナー分散体)等が挙げられる。
ろ過の回数は2回以上であるが、例えばろ過の回数が3回の場合、1回目のろ過はトナー粒子と液状媒体成分を分離及び粗洗浄を行ない、2回目のろ過はトナー粒子表面の微細洗浄を行ない、3回目(最後)のろ過は乾燥前の脱水を行なうことが処理効率の点で好ましい。
ろ過ケーキを分散するために水または酸性水を使用するが、それらの使用割合は、ケーキ100重量部に対して150〜300重量部とすると、充分な分散効果が得られ、且つ、排水量も少なくて済む点で好ましい。
【0020】
最後以外のろ過後のケーキ含水率は35〜45重量%であることが必要であり、該含水率が45重量%を超える場合、大気中の不純物の吸着や水分吸湿が生じやすく、これによるトナー表面性の劣化が起こる。
また、含水率を下げる方法として、ケーキに通気させる方法がある。
充分に通気させて、含水率を35重量%未満にしてしまうと、圧力によるトナー粒子同士の合着が起こり、凝集体が増加し、ケーキを水系媒体中に分散して得られた分散液が不均一な分散になるという欠点がある。
【0021】
また、最後のろ過後のケーキ含水率としては、20〜35重量%であることが必要であり、35重量%を超える場合、乾燥効率が低下してしまい、一方20重量%未満の場合、粉塵として舞い上がりがひどいため、作業性を低下させる。
最後のろ過の前段のろ過後のケーキが固形分濃度20重量%のスラリーとしたときの電気伝導度は5〜20μS/cmが好ましく、より好ましくは5〜10μS/cmとすることで、個々のトナー粒子表面は清浄であり、トナー粒子の生成に用いた液状媒体および不純物の残留がほとんどない。
上記電気伝導度が20μS/cmより高いケーキを以後の乾燥工程で処理した場合、トナー粒子表面に部分的に不純物が凝縮し、帯電が不均一になり易い。
【0022】
液状媒体中でトナー粒子を生成させた最初の分散液(分散液1)からのトナー粒子の濾別する方法としては、加圧ろ過であるフィルタープレスを用いることが好ましい。
フィルタープレスでは、加圧によるろ過、さらに、圧搾による脱水が連続して行えるため、効率が良く、濾別する前のトナー表面状態を濾別後も維持できる点で好適である。
また、濾別したケーキの脱水状態が厚み方向に対して均一であるため、ケーキのひび割れが起きにくく、このケーキに洗浄水を流しても洗浄効率が良い。
【0023】
フィルタープレスに使用するフィルターの通気量が2〜40cc/cm・minであることが好ましい。通気量が2cc/cm・minに満たないと、フィルターの目詰まりが発生しやすく、均一な濾別が困難になり、また、ケーキに洗浄水を流す場合、洗浄のムラの原因をなる。逆に、通気量が40cc/cm・minを超えてしまうと、フィルターからトナー粒子の一部が通り抜け、好ましくない。
【0024】
フィルタープレスの圧搾圧力は、0.1〜1.0MPaであることが好ましい。圧搾圧力は、0.1MPaに満たない場合、濾別の効率が落ちるばかりでなく、ろ過室内のケーキに均一な圧力がかからず、均一な濾別が困難となってしまう。逆に、1.0MPaを超えると、トナー粒子の変形がおこり、クリーニング性が損われ好ましくない。
【0025】
フィルタープレスでの水洗浄を行なう場合は、少なくともフィルター側から水を供給する方法であることが好ましい。これによって、フィルターの目詰まりが軽減できるばかりでなく、ケーキ内に均一に洗浄水が行き渡り、洗浄のムラが起きにくくなる。
【0026】
加圧ろ過で濾別したケーキの分散媒体としては、酸性水を用いることが好ましい。
酸性水にケーキを分散したスラリーのpH値が3.0以上5.0であることが好ましく、この範囲であると、濾別効率が飛躍的に向上するばかりか、得られたトナー粒子の表面劣化を抑制する効果がある。pH値が5.0を超える場合、このような劣化抑制の効果は得られず、pH値が3.0未満の場合、ろ過装置の接液部分を構成するステンレス部材が錆びてしまうため好ましくない。
【0027】
酸性水を作成するために添加する酸としては塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、クロム酸、ヨウ化水素酸、亜硫酸、クエン酸、酢酸、ホウ酸、炭酸、フッ酸、リン酸、亜硝酸等が挙げられるが、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が、価格や取扱いの点で好ましい。
【0028】
酸性水にケーキを分散した分散液(分散液2)からのトナー粒子の濾別に、加圧ろ過であるフィルタープレスを用いても良く、更に、この濾別後のケーキを、再度、水に分散した分散液(分散液3)を最後のろ過の場合は遠心ろ過により濾別する。
また、得られたケーキを固形分濃度が20重量%となるように純水に分散させた場合、電気伝導度が5〜20μS/cmであると、各トナー粒子の表面は清浄であり、遠心ろ過により含水率を下げてあるため大気中において汚染されない。
【0029】
フィルタープレスで得られたケーキを水系媒体中に分散して、得られた分散液2または分散液3からのトナー粒子の濾別する方法としては、最後のろ過の場合は遠心ろ過であるバスケット型遠心ろ過機(松本機械製作所、タナベウィルテック、三菱化工機)またはサイホンピラー型セントリフュージ(三菱化工機)または立型デカンタ(新潟ウオシントン)を用いて処理することが好適である。
【0030】
遠心ろ過では、濾別したケーキの含水率を短時間で下げられるため、大気中の不純物の吸着を抑えられ、トナーの帯電性を損なわず、制御形状を維持できる。
遠心ろ過の遠心効果は500〜1500Gであることが好ましい。
遠心効果は、500Gに満たない場合、濾別の効率が落ちる。逆に、1500Gを超えると、ケーキ層が硬化し、濾過フィルターからのケーキ剥離が困難になる。
【0031】
このように本発明においては複数回のろ過を、特定の加圧ろ過と遠心ろ過を組み合わせ、かつ最後以外のろ過を加圧ろ過とし、さらに最後のろ過を遠心ろ過となるように、特定の順序とし、しかも最後以外の加圧ろ過によりケーキ含水率を35〜45重量%とすることにより、次のろ過の前処理において、これを分散液に分散させることが容易となり、かつ最後の遠心ろ過によりケーキ含水率を20〜35重量%とすることにより、次の乾燥処理の操作効率が良好となり、その結果トナーの品質を著しく向上させることができる。
加圧ろ過は脱水効果が低く、加圧ろ過のみの場合はケーキ含水率が高いため乾燥効率が悪く、高含水率下で長時間乾燥すると、電荷制御剤の変質(偏析、被膜)が起こり易い。
一方、遠心ろ過は脱水効果が高く、遠心ろ過のみの場合ケーキが締まった状態であり、再分散が困難なため均一洗浄がしにくくなる。これは例えば、最後以外のろ過を遠心ろ過の条件を緩和にして行なった場合、含水率を35〜45重量%とすることはできるが、条件を緩和した場合、ケーキ含水率が半径方向に分布を持ち、内側と外側のケーキ含水率差が大きくなるため、均一なケーキ含水率を得ることは困難であり好ましくない。
遠心ろ過後のケーキは固く、分散(一次粒子に戻す)効率が悪いため、先に遠心ろ過を実施した場合、以後の洗浄効率低下または帯電付与処理不均一などが起こり易くなる。
【0032】
加圧のろ過で濾別したケーキの分散に用いる水に電荷制御剤を添加しても良い。特に電荷制御剤として極性の高い材料を用いる場合は、酸性水で分散した後、加圧ろ過で濾別した後、得られたケーキを純水で分散した後、添加するとトナーの帯電特性が良い。
【0033】
電荷制御剤としては、公知のものが利用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、及びサリチル酸誘導体の金属塩等である。
【0034】
本発明において電荷制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、電荷制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0035】
遠心ろ過で濾別したケーキの乾燥は、流動層乾燥機、気流乾燥機、循風乾燥機、真空乾燥機などの乾燥機で乾燥させ、トナー粒子を得る。
【0036】
[II]第二の発明
本発明においては、少なくとも結着樹脂と着色剤を液状媒体中に分散してトナー粒子を生成後、複数回のろ過を行なってトナーケーキを得る製造方法において、
最後以外のろ過ではケーキ含水率を35〜45重量%とし、最後のろ過ではケーキ含水率を20〜35重量%とし、最後以外のろ過ケーキとアルカリ性溶液を、少なくとも1回接触させる。
ろ過の回数は2回以上であるが、例えばろ過の回数が3回の場合、1回目のろ過はトナー粒子と液状媒体成分を分離及び粗洗浄を行ない、ろ過ケーキをアルカリ性溶液と接触させてトナー粒子表面の帯電特性を低下させる不純物を遊離させ、2回目のろ過はトナー粒子表面の微細洗浄を行ない、3回目のろ過は乾燥前の脱水を行なうことが処理効率の点で好ましい。
【0037】
ろ過ケーキとアルカリ性溶液を接触させる方法としては、ろ過ケーキの分散にアルカリ性水を用いると、より均一化な洗浄効果が得られる。
ケーキ分散に使用するまたはアルカリ性水の使用割合は、ケーキ100重量部に対して150〜300重量部とすると、充分な分散効果が得られ、且つ、排水量も少なくて済む点で好ましい。
【0038】
最後以外のろ過後のケーキ含水率は第一の発明の場合と同様に35〜45重量%であることが必要であり、該含水率が45重量%を超える場合、大気中の不純物の吸着や水分吸湿が生じやすく、これによるトナー表面性の劣化が起こる。
また、含水率を下げる方法として、ケーキに通気させる方法がある。
充分に通気させて、含水率を35重量%未満にしてしまうと、圧力によるトナー粒子同士の合着が起こり、凝集体が増加し、ケーキを水系媒体中に分散して得られた分散液が不均一な分散になるという欠点がある。
【0039】
また、最後のろ過後のケーキ含水率としては、第一の発明の場合と同様に20〜35重量%であることが必要であり、35重量%を超える場合、乾燥効率が低下してしまい、一方20重量%未満の場合、粉塵として舞い上がりがひどいため、作業性を低下させる。
最後のろ過の前段のろ過後のケーキが固形分濃度20重量%のスラリーとしたときの電気伝導度は5〜20μS/cmが好ましく、より好ましくは5〜10μS/cmとすることで、個々のトナー粒子表面は清浄であり、トナー粒子の生成に用いた液状媒体および不純物の残留がほとんどない。
上記電気伝導度が20μS/cmより高いケーキを以後の乾燥工程で処理した場合、トナー粒子表面に部分的に不純物が凝縮し、帯電が不均一になり易い。
【0040】
液状媒体中でトナー粒子を生成させた最初の分散液(分散液1)からのトナー粒子の濾別する方法としては、第一の発明と同様に加圧ろ過であるフィルタープレスを用いることが好ましい。
フィルタープレスでは、加圧によるろ過、さらに、圧搾による脱水が連続して行なえるため、効率がよく、濾別する前のトナー表面状態を濾別後も維持できる点で好適である。
また、濾別したケーキの脱水状態が厚み方向に対して均一であるため、ケーキのひび割れが起きにくく、このケーキに洗浄水を流しても洗浄効率がよい。
【0041】
フィルタープレスを使用する場合の好ましい態様も、第一の発明と同様である。
即ち、フィルタープレスに使用するフィルターの通気量が2〜40cc/cm・minであることが好ましい。通気量が2cc/cm・minに満たないと、フィルターの目詰まりが発生しやすく、均一な濾別が困難になり、また、ケーキに洗浄水を流す場合、洗浄のムラの原因をなる。逆に、通気量が40cc/cm・minを超えてしまうと、フィルターからトナー粒子の一部が通り抜け、好ましくない。
【0042】
フィルタープレスの圧搾圧力は、0.1〜1.0MPaであることが好ましい。圧搾圧力は、0.1MPaに満たない場合、濾別の効率が落ちるばかりでなく、ろ過室内のケーキに均一な圧力がかからず、均一な濾別が困難となってしまう。逆に、1.0MPaを超えると、トナー粒子の変形がおこり、クリーニング性が損われ好ましくない。
【0043】
フィルタープレスでの水洗浄を行なう場合は、少なくともフィルター側から水を供給する方法であることが好ましい。これによって、フィルターの目詰まりが軽減できるばかりでなく、ケーキ内に均一に洗浄水が行き渡り、洗浄のムラが起きにくくなる。
【0044】
アルカリ性溶液と接触させた後に、加圧ろ過等で濾別したケーキを酸性水に分散することで、トナー粒子の表面劣化を抑制する効果が得られる。また、アルカリ性溶液と接触させた後に、そのまま分散液に酸性水を添加し、分散液を酸性としても同様な効果が得られる。
酸性水にケーキを分散した分散液のpH値が3.0以上5.0未満とすると、濾別効率が飛躍的に向上するため好ましい。pH値が5.0を超える場合、濾別効率は変化せず、pH値が3.0未満の場合、ろ過装置の接液部分を構成するステンレス部材が錆びてしまうため好ましくない。
【0045】
アルカリ性溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、炭酸カルシウム溶液等が挙げられ、これらを添加してアルカリ性水を作成してもよい。
酸性水を作成するために添加する酸としては塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、クロム酸、ヨウ化水素酸、亜硫酸、クエン酸、酢酸、ホウ酸、炭酸、フッ酸、リン酸、亜硝酸等が挙げられるが、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が、価格や取扱いの点で好ましい。
【0046】
酸性水にケーキを分散した分散液(分散液2又は3)、または、酸性水を添加して酸性とした分散液(分散液2又は3)からのトナー粒子の濾別に、加圧ろ過であるフィルタープレスを用いてもよく、更に、この濾別後のケーキを、再度、水に分散した分散液を遠心ろ過により濾別してもよい。
また、得られたケーキを固形分濃度が20重量%となるように純水に分散させた場合、電気伝導度が5〜20μS/cmであると、各トナー粒子の表面は清浄であり、遠心ろ過により含水率を下げてあるため大気中において汚染されない。
【0047】
フィルタープレスで得られたケーキを水系媒体中に分散して、得られた分散液2または分散液3からのトナー粒子の濾別する方法としては、遠心ろ過であるバスケット型遠心ろ過機(松本機械製作所、タナベウィルテック、三菱化工機)またはサイホンピラー型セントリフュージ(三菱化工機)または立型デカンタ(新潟ウオシントン)を用いて処理することが好適である。
【0048】
遠心ろ過を行なう場合の好ましい態様も、第一の発明と同様である。
即ち、遠心ろ過では、濾別したケーキの含水率を短時間で下げられるため、大気中の不純物の吸着を抑えられ、トナーの帯電性を損なわず、制御形状を維持できる。
遠心ろ過の遠心効果は500〜1500Gであることが好ましい。
遠心効果は、500Gに満たない場合、濾別の効率が落ちる。逆に、1500Gを超えると、ケーキ層が硬化し、濾過フィルターからのケーキ剥離が困難になる。
【0049】
第二の発明においても、加圧ろ過と遠心ろ過を組み合わせることで品質が向上する。
加圧ろ過のみの場合はケーキ含水率が高いため乾燥効率が悪く、高含水率下で長時間乾燥すると、電荷制御剤の変質(偏析、被膜)が起こり易い。
遠心ろ過のみの場合ケーキが締まった状態であり、再分散が困難なため均一洗浄がしにくくなる。
遠心ろ過後のケーキは固く、分散(一次粒子に戻す)効率が悪いため、先に遠心ろ過を実施した場合、以後の洗浄効率低下または帯電付与処理不均一などが起こり易くなる。
【0050】
加圧等のろ過で濾別したケーキの分散に用いる水に電荷制御剤を添加してもよい。特に電荷制御剤として極性の高い材料を用いる場合は、酸性水で分散した後、加圧ろ過で濾別した後、得られたケーキを純水で分散した後、添加するとトナーの帯電特性がよい。
電荷制御剤、及びその使用量については、第一の発明の場合と同様である。
【0051】
遠心ろ過等で濾別したケーキの乾燥は、流動層乾燥機、気流乾燥機、循風乾燥機、真空乾燥機などの乾燥機で乾燥させ、トナー粒子を得る。
【0052】
[III]第一の発明及び第二の発明において、
乾燥後のトナー粒子の処理、トナー粒子の粒径、形状、材料等については第一の発明と第二の発明とは同様である。以下にそれらについて説明する。尚、第一の発明及び第二の発明を総称して、本発明という。
乾燥後のトナー粒子と外添剤を混合してトナーを製造するには、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ハイスピードミキサー、Q型ミキサーなどが挙げられるが、これに限らず公知の混合機がすべて利用できる。
【0053】
流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜1000nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
【0054】
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。この他高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0055】
液状媒体中でトナー粒子を生成させる方法としては、有機溶媒中に活性水素と反応可能な変性ポリエステル系樹脂からなるトナーバインダーを含むトナー組成分を溶解又は分散させ、該溶解又は分散物を樹脂微粒子を含む水系媒体中で、分散させ、次いで架橋剤及び/又は伸長剤である活性水素基を有する化合物と反応させることが好ましい。
【0056】
トナーの平均円形度ならびに2μm未満の微粉量がクリーニング性に対して非常に重要な因子であり、定着性と両立させるためには、微粉量を適度に制御し、更に0.60μm以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子の円形度を制御することが重要である。鋭意検討したところによると、平均円形度としては0.940以上0.990未満であり、0.60μm以上2.00μm未満の粒径範囲の粒子が個数基準で10%以上50%未満であり、該粒径範囲における平均円形度が0.930以下であればクリーニング性が良好で、コールドオフセットが発生しない。
【0057】
トナーの重量平均粒径D4としては3〜8μmが好ましく、さらに上記の粒度分布と円形度の範囲を満たすことにより、粗大粒子に起因する転写不良が起こらず画像品質が良い。
【0058】
円形度および円相当径が個数基準で0.60μm以上2.00μm未満の粒径範囲である粒子の個数%の測定は、(株)SYSMEX製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。装置および測定の概略は特開平8−136439号公報に記載されている。
測定は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液に調整した後0.45μmのフィルターを通した液50〜100mlに分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、試料を1〜10mg加える。これを、超音波分散機で1分間の分散処理を行ない、粒子濃度を5000〜15000個/μlに調整した分散液を用いて測定を行なう。粒子個数の測定は、CCDカメラで撮像した2次元の画像面積と、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出を行なう。CCDの画素の精度から、円相当径で0.6μm以上を有効とし粒子の測定データを得る。
【0059】
重量平均粒径D4の測定は、米国コールターエレクトロニクス社製のコールターカウンターTAIIに個数分布,重量分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続して用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液に調整する。測定方法としては、前記電解液50〜100ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、試料を1〜10mg加える。これを、超音波分散機で1分間の分散処理を行なう。別のビーカーに電解水溶液100〜200mlを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターカウンターTAII型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて個数を基準として2〜40μmの粒子の30000個の粒度分布を測定し、2〜40μmの粒子の重量分布と個数分布を算出し、重量平均粒径(D4:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)を求める。
【0060】
第一及び第二の発明のトナーの製造方法において、前記ろ過処理以外の部分について説明する。例えば具体的には以下のように行われる。
【0061】
(樹脂微粒子)
本発明で使用される樹脂微粒子は、ガラス転移点(Tg)が50〜90℃であることが好ましく、ガラス転移点(Tg)が50℃未満の場合、トナー保存性が悪化してしまい、保管時および現像機内でブロッキングを発生してしまう。ガラス転移点(Tg)が90℃超の場合、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまう。更に好ましい範囲としては50〜70℃の範囲があげられる。また、その重量平均分子量は10万以下であることが望ましい。好ましくは5万以下である。その下限値は、通常、4000である。重量平均分子量が10万を超える場合、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまう。
【0062】
樹脂微粒子は水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂又はそれらの併用樹脂からなるものが好ましい。ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。樹脂微粒子において、その平均粒径は5〜200nmが好ましく、より好ましくは20〜300nmである。
【0063】
(結着樹脂)
結着樹脂としては、従来の一般的な材料を使用することができる。従来、トナー製造に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等があるが、通常のトナーにおいては、これらの中でもスチレンとアクリル酸エステルの共重合体からなる樹脂が最も一般的に使われている。これに対して、低温定着トナーにおいては、上述したような熱特性を満たしやすい樹脂である。ポリエステル樹脂は結着樹脂の軟化温度が低くガラス転移点が高いことにより、低温定着性と保存安定性に優れている。更にポリエステル樹脂のエステル結合と紙との親和性が良好であるため、耐オフセット性にも優れたトナーになる。
【0064】
本発明の静電荷像現像用トナーの結着樹脂の主成分に用いられるポリエステル樹脂は、酸成分とアルコール成分の縮合反応、或いは環状エステルの開環反応により合成されるか、或いは、ハロゲン化合物とアルコール成分及び一酸化炭素により合成される。本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、上記した樹脂微粒子溶液中で、ポリエステル樹脂の合成材料となる上記したモノマーを組み合わせて重合させることによって、先に述べた優れた物性を有する本発明の静電荷像現像用トナーが容易に得られる。以下、ポリエステル樹脂の合成材料として用いられる各種モノマーについて説明する。
【0065】
先ず、アルコール成分及び酸成分としては、2価以上のものが好適に用いられる。例えば、2価のアルコールとしては、エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチレングリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
【0066】
2価の酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、及びその他の2価の有機酸が挙げられる。また、3価の酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−カルボキシメチルプロパン、テトラ(カルボキシメチル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等が挙げられる。これら有機酸の酸無水物及び酸ハロゲン化物も合成上好ましい酸成分である。
【0067】
本発明においては、ポリエステル樹脂の合成成分として、上記に挙げた酸成分とアルコール成分のどちらか一方に、少なくとも芳香環を有するものを使用することが好ましい。また、本発明においては、ポリエステル樹脂の合成成分である酸成分とアルコール成分の合計量が、先に述べた樹脂微粒子1重量部に対して1重量部〜30重量部、好ましくは1.5重量部〜10重量部の範囲となるようにして用いることが好ましい。
【0068】
また、酸成分とアルコール成分の使用比は、カルボキシル基1モル当量に対して、アルコール基0.9〜1.5モル当量、好ましくは1.0〜1.3モル当量の範囲であることが好ましい。なお、ここでいうカルボキシル基としては、上記に挙げた酸成分に相当する化合物であるハロゲン化物も含まれる。その他の添加剤としては、アミン成分を用いてもよい。具体的には例えば、トリエチルアミン、トリメチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等が挙げられる。また、他の縮合剤、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド等を用いて反応を行ってもよい。
【0069】
(活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル)
活性水素基を有する化合物と反応可能な反応性変性ポリエステル系樹脂(RMPE)(以下、ポリエステル系樹脂は単にポリエステルとも言う)には、例えば、インシアネート基等の活性水素と反応する官能基を有するポリエステルプレポリマー等が包含される。本発明で好ましく使用されるポリエステルプレポリマーは、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)である。このイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)は、アルコール成分のポリオール(PO)と酸成分のポリカルボン酸(PC)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルにポリイソシアネート(PIC)を反応させることによって製造される。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0070】
ポリオールとしては、ジオール(DIO)および3価以上のポリオール(TO)が挙げられ、DIO単独、またはDIOと少量のTOとの混合物が好ましい。ジオールとして特に好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオールとしては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0071】
ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIC)および3価以上のポリカルボン酸(TC)が挙げられ、DIC単独、およびDICと少量のTCとの混合物が好ましい。ジカルボン酸として特に好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオールと反応させてもよい。
【0072】
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0073】
ポリイソシアネート(PIC)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0074】
ポリイソシアネートの比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
【0075】
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)からは、これにアミン類(B)を反応させることにより、ウレア変性ポリエステル系樹脂(UMPE)を得ることができる。このものは、トナー結着樹脂として優れた効果を示す。
【0076】
必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
【0077】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0078】
本発明で用いるウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。ウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステル単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
【0079】
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記ウレア結合で変性されたポリエステル等の変性ポリエステル(MPE)単独使用だけでなく、このものと共に、変性されていないポリエステル(PE)をトナー結着樹脂成分として含有させることもできる。PEを併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。PEとしては、前記MPEのポリエステル成分と同様なポリオール成分とポリカルボン酸成分との重縮合物などが挙げられ、好ましいものもMPEと同様である。また、PEは無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。MPEとPEは少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、MPEのポリエステル成分とPEは類似の組成が好ましい。PEを含有させる場合のMPEとPEの重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。MPEの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0080】
PEのピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。PEの水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。PEの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
【0081】
本発明において、トナー中の結着樹脂(トナーバインダー)のガラス転移点(Tg)は、通常50〜70℃、好ましくは55〜65℃である。50℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不充分となる。ウレア変性ポリエステル系樹脂等の変性ポリエステルの共存により、本発明の乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0082】
(着色剤)
本発明で用いる着色剤としては、公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0083】
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0084】
(離型剤)
本発明のトナーに対しては、結着樹脂(トナーバインダー)、着色剤とともに離型剤となるワックスを含有させても良く、ワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。
これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
【0085】
本発明のワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。
トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
【0086】
(トナー結着樹脂の製造方法)
トナー結着樹脂は、例えば以下の方法などで製造することができる。ポリオールとポリカルボン酸を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネートを反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。ポリイソシアネートを反応させる際および(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのポリイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。ウレア結合で変性されていないポリエステル(PE)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルの場合と同様な方法でこのPEを製造し、これを前記ウレア変性ポリエステルの反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
【0087】
(水系媒体中でのトナー製造法)
本発明の乾式トナーは以下の方法で製造することができるが、勿論これらに限定されることはない。
まず、水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
【0088】
トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分散体を、アミン類(B)と反応させて形成することができる。水系媒体中でウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成分を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成分(以下トナー原料と呼ぶ)である着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、帯電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、電荷制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させるときに混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
【0089】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)を含むトナー組成分(組成物)100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成分の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
【0090】
トナー組成分が分散された油性相を、水が含まれる液体に乳化、分散するための分散剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0091】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果を上げることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる,商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(タイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0092】
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0093】
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いることができる。
【0094】
また高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0095】
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能なものを用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、活性水素基を有する化合物との伸長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
【0096】
さらに、トナー組成分を含む液体の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)100重量部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
【0097】
活性水素と反応可能な変性ポリエステルに活性水素基を有する化合物である架橋剤及び/又は伸長剤としてのアミン類(B)を反応させる場合、その伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0098】
(形状制御工程)
所望の形状を得るためには、例えば、乳化分散液(油相)に、増粘剤や活性剤等を加えた高粘度の水溶液(水相)を混合し、この混合溶液にホモミキサー、エバラマイルダーなどのよってせん断力を与える装置を使用して、油相と水相の粘度差を利用して乳化粒子を変形させることができる。このときの条件としては、装置のせん断力を調整する方法、例えば、処理時間や処理回数、もしくは、油相・水相間の粘度差を調整する方法、例えば、油相内の非水溶性有機溶媒の濃度、温度、水相内の増粘剤、活性剤、温度を最適化すること等によって、所望の形状を制御することができる。
【0099】
(脱溶剤)
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
【0100】
(画像形成方法、二成分用キャリア)
本発明において、前記トナーを用いた一成分系現像方式により、或いは該トナーをキャリアと混合し摩擦帯電させる二成分系現像方式により画像形成する。磁性キャリアと混合して用いる場合、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、これらキャリア粒子は被覆してもよく、該被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレン−アクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
【0101】
(画像形成装置)
本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置は、感光体を中心として帯電装置と、露光装置と、現像手段と、転写手段とクリーニング手段を有しており、前記クリーニング手段は感光体と当接するブレードクリーニング方式で清掃除去する工程を繰り返す画像形成装置である。クリーニングブレードと感光体との当接圧力は通常線圧20g/cm以上70g/cm以下であるものが使用されるが、線圧20g/cm未満のような感光体とクリーニングブレードの当接圧力が低い場合には、クリーニング性に対して余裕度の低い画像形成方式であるといえる。また線圧70g/cmを越える場合は、クリーニング性は高まるものの逆に感光体最外層の表面の磨耗が高まることから、感光体の寿命が低下してしまい、画像品質の維持には余裕度の低いシステムであるといえる。当接圧力の測定法であるが、擬似的な感光体に荷重変換機を取り付け、感光体の表面にクリーニングブレードを押しつけ、その荷重を線圧として測定することができる。なお、本実施例における画像形成装置は上記当接圧力が35g/cmの当接圧力であるものを用いた。
【0102】
(プロセスカートリッジ)
図1に本発明の静電荷像現像用トナーを保持するプロセスカートリッジを有する画像形成装置の概略構成を示す。図において、(1)はプロセスカートリッジ全体を示し、(2)は感光体、(3)は帯電手段、(4)は現像手段、(5)はクリーニング手段を示す。
本発明において、上述の感光体(2)、帯電手段(3)、現像手段(4)、及びクリーニング手段(5)等の構成要素のうち、少なくとも現像手段(4)を含む複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
【実施例】
【0103】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明の形態はこれに限定されるものではない。また部および%は重量基準である。
【0104】
[参考例1]
[現像剤の作製]
先ず、本実施例に用いられるトナー、キャリア、これらより成る二成分現像剤について説明する。
実施例に使用するトナーは以下に説明する工法により作製した。
【0105】
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した重量平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は15万であった。
【0106】
〜水相の調整〜
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
【0107】
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1〕は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700,Tg43℃、酸価25であった。
【0108】
〜中間体ポリエステルおよびプレポリマーの合成〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
【0109】
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行ない、[ケチミン化合物1]を得た。
[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
【0110】
〜マスターバッチの合成〜
水35部、フタロシアニン顔料(東洋インキ、FG7351)40部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)60部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
【0111】
〜油相の作成〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバWAX11O部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
【0112】
〜乳化〜
[顔料・WAX分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]6.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
【0113】
〜形状制御〜
イオン交換水、活性剤、増粘剤を適宜な割合で容器に入れて攪拌した水溶液に、[乳化スラリー1]を混合し、TKホモミキサー(特殊機化製)で2,000rpmで1時間混合し[形状制御スラリー1]を得た。
【0114】
〜脱溶剤〜
撹拌機および温度計をセットした容器に、[形状制御スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行ない、[分散スラリー1]を得た。
【0115】
〜洗浄〜
[分散スラリー1]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]100部にイオン交換水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、[分散スラリー2]を得た。
[分散スラリー2]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ2]を得た。
【0116】
〜乾燥〜
[濾過ケーキ2]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、最終的な[トナー母体粒子1]を得た。
【0117】
〜外添剤添加〜
ついで、[トナー母体粒子1]の100部に、平均粒径が0.3μmの疎水性酸化チタン0.7部をヘンシェルミキサーにて攪拌翼の周速が20m/sで混合して[トナー1]の作成を完了した。
【0118】
(参考例2〜8、比較例1〜5)
参考例2〜8、比較例1〜5のトナーでは、洗浄工程の濾別方法をさまざまに変えたトナーをそれぞれ作成した。乾燥及び外添混合の条件は参考例1と同じとした。
【0119】
[参考例2]
[濾過ケーキ1]100部に、塩酸でpH値を4.0に調整した酸性水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、[分散スラリー3]を得た。
[分散スラリー3]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ3]を得た。
【0120】
[参考例3]
[分散スラリー3]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ4]を得た。
[濾過ケーキ4]100部にイオン交換水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、水溶性の電荷制御剤としてフッ素系活性剤0.001部を添加し、[分散スラリー4]を得た。
[分散スラリー4]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ5]を得た。
【0121】
[参考例4]
[分散スラリー1]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、イオン交換水100部で洗浄し、[濾過ケーキ6]を得た。
[濾過ケーキ6]100部にイオン交換水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、[分散スラリー5]を得た。
[分散スラリー5]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ7]を得た。
【0122】
[参考例5]
[濾過ケーキ6]100部に、塩酸でpH値を4.0に調整した酸性水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、[分散スラリー6]を得た。
[分散スラリー6]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ8]を得た。
【0123】
[参考例6]
[分散スラリー6]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ9]を得た。
[濾過ケーキ9]100部にイオン交換水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、水溶性の電荷制御剤としてフッ素系活性剤0.001部を添加し、[分散スラリー7]を得た。
[分散スラリー7]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ10]を得た。
【0124】
[参考例7]
[濾過ケーキ1]100部にイオン交換水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、水溶性の電荷制御剤としてフッ素系活性剤0.001部を添加し、[分散スラリー8]を得た。
[分散スラリー8]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ11]を得た。
【0125】
[参考例8]
[濾過ケーキ6]100部にイオン交換水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、水溶性の電荷制御剤としてフッ素系活性剤0.001部を添加し、[分散スラリー9]を得た。
[分散スラリー9]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ12]を得た。
【0126】
[比較例1]
[分散スラリー1]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ13]を得た以外は参考例1と同じ。
【0127】
[比較例2]
[分散スラリー2]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ14]を得た以外は参考例1と同じ。
【0128】
[比較例3]
[分散スラリー4]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ15]を得た以外は参考例3と同じ。
【0129】
[比較例4]
[分散スラリー5]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ16]を得た以外は参考例4と同じ。
【0130】
[比較例5]
[分散スラリー7]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ17]を得た以外は参考例6と同じ。
【0131】
一方、本参考例、実施例、比較例に使用するキャリアは、フェライトコア材2500部に対し、シリコン樹脂溶液(信越化学社製)200部、カーボンブラック(キャボット社製)3部をトルエン中にて溶解分散させたコート液を流動層式スプレー法にて塗布し、コア材表面を被覆した後、300℃の電気炉で2時間焼成しシリコン樹脂コートキャリアを得た。なお、キャリア粒径については、粒径分布が比較的シャープで平均粒径が30〜60μmのもの使用するのが好ましく、本参考例においてもこれを使用した。
【0132】
[画像形成装置]
参考例、実施例及び比較例で用いた画像形成装置の形態について説明する。
像担持体である感光体ドラムの周囲に近接、あるいは接触して、感光体ドラム上に一様な電荷を帯電させる帯電ロ−ラ、感光体ドラム上に静電潜像を形成するための露光手段である露光装置、静電潜像を顕像化してトナー像とする現像装置、トナー像を転写紙に転写する転写ベルト、感光体ドラム上の残留トナーを除去するクリ−ニング装置、感光体ドラム上の残電荷を除電する除電ランプ、帯電ローラ印加電圧及び現像のトナー濃度を制御するための光センサが配置されている。また、この現像装置にはトナー補給装置よりトナー補給口を介して参考例、実施例または比較例のトナーが補給される。作像動作は次のように行われる。感光体ドラムは反時計回転方向に回転する。感光体ドラムは除電光により除電され、表面電位が0〜−150Vの基準電位に平均化される。次に帯電ローラにより帯電され、表面電位が−1000V前後となる。次に露光装置で露光され、光が照射された部分(画像部)は表面電位が0〜−200Vとなる。現像装置によりスリーブ上のトナーが上記画像部分に付着する。トナー像が作られた感光体ドラムは回転移動し、給紙部より用紙先端部画像先端部とが転写ベルトで一致するようなタイミングで転写紙が送られ、転写ベルトで感光体ドラム表面のトナー像が転写紙に転写される。その後転写紙は定着部へ送られ、熱と圧力によりトナーが転写紙に融着されてコピーとして排出される。感光体ドラム上に残った残留トナーはクリーニング装置中のクリーニングブレードにより掻き落とされ、その後、感光体ドラムは除電光により残留電荷が除電されてトナーのない初期状態となり、再び次の作像工程へ移る。
【0133】
各参考例1〜8及び比較例1〜5の操作条件を下記[表1]に、また各参考例1〜8及び比較例1〜5で作成されたトナーについて次の評価を行ない、その結果を下記[表2]に示す。
[評価項目]
上記画像形成装置において、参考例、実施例及び比較例のトナー、および現像剤を用いて以下項目を評価した。
1)帯電特性
帯電特性は、温度/湿度=23℃/55%RHの環境でトナーとキャリアを摩擦帯電させ、現像剤とし、[帯電量1]を測定した後、該現像剤を温度/湿度=30℃/90%RHの試験室に2日放置し、[帯電量2]を測定し、[帯電量1]から[帯電量2]へのQ/Mの変動率を調べた。
Q/M変動率(%)=([帯電量1]−[帯電量2])/[帯電量1]×100
Q/M変動率が0〜15%未満のものを○、15〜30%未満のものを△、30%以上を×として評価した。
【0134】
2)クリーニング性
クリーニング性は、温度/湿度=10℃/15%の試験室において、Ricoh製画像形成装置にて10000枚の通紙を行ない、その後、白紙画像を通紙中に停止させ、クリーニング工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.010未満でクリーニング性良好なものを○、0.010〜0.02でクリーニング性良好ではないが許容なものを△、0.02を超えるものでクリーニング性不良なものを×として定量評価した。
【0135】
3)画像品質
画像品質は通紙後画像の画質品質劣化(具体的には転写不良、地汚れ画像発生)を総合的に判断した。転写不良は、Ricoh製画像形成装置にて5000枚の通紙を行ない、その後黒ベタ画像を通紙させて、その画像の転写不良レベルを目視でランク付けして判断した。また、地肌汚れ画像については、Ricoh製画像形成装置にて5000枚の通紙を行ない、その後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差をスペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定して定量評価し、その差が0.30未満のものを○、0.30以上のものを×とした。これら2つを総合して画像品質が良好なものを○、画像品質良好ではないが許容なものを△、画像品質不良なものを×として評価した。
【0136】
【表1】

【0137】
【表2】

【0138】
総合評価として、評価の良い方から
◎>○>△>×>××
の5段階で表わした。
【0139】
(解説その1)
参考例1のトナーは、加圧ろ過後のケーキを水に分散した際の分散性が良く、続いて遠心ろ過による濾別をしたケーキは、以後の乾燥、混合後の品質も優れていた。
参考例2のトナーは、[分散スラリー3]で塩酸を投入したことにより、Q/M変動率がさらに良くなった。
参考例3のトナーは、[分散スラリー4]で水溶性の電荷制御剤を投入したことにより、画像品質がさらに良くなった。
参考例4のトナーは、加圧ろ過後にフィルター側からケーキに洗浄水を通したことにより、個々のトナー粒子の表面性が均一となり、クリーニング性がさらに良くなった。
参考例5〜8のトナーは、それぞれ途中の濾別方法と添加処理方法の違いにより、個々の特性は優れており、中でも、参考例6のトナーは、すべての品質が非常に優れていた。
【0140】
(解説その2)
比較例1のトナーは、[分散スラリー1]からの濾別した時点で凝集体が多く確認され、乾燥後に得られたトナー粒子においてもひどく凝集していたため、評価できないと判断した。
比較例2〜5のトナーは、加圧ろ過後/乾燥前のケーキの含水率が40%程度あり、大気中での吸着による表面性の変化と、乾燥機内での凝集が起こってしまい、品質不良であった。
【実施例1】
【0141】
参考例1で得られた[分散スラリー1]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ1’]を得た。
[濾過ケーキ1’]100部に水酸化ナトリウムでpH値を10.0に調整したアルカリ性水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、[分散スラリー2’]を得た。
[分散スラリー2’]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ2’]を得た。
【0142】
〜乾燥〜
[濾過ケーキ2’]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、最終的な[トナー母体粒子9]を得た。
【0143】
〜外添剤添加〜
ついで、[トナー母体粒子9]の100部に、平均粒径が0.3μmの疎水性酸化チタン0.7部をヘンシェルミキサーにて攪拌翼の周速が20m/sで混合して[トナー9]の作成を完了した。
【0144】
(実施例2〜8、比較例7〜16)
実施例2〜8、比較例7〜16のトナーでは、洗浄工程の濾別方法をさまざまに変えたトナーをそれぞれ作成した。乾燥及び外添混合の条件は実施例1と同じとした。
【実施例2】
【0145】
[分散スラリー2’]100部に、10%塩酸0.1部を添加してpH値を4.0に調整し、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、[分散スラリー3’]を得た。
[分散スラリー3’]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ3’]を得た。
【実施例3】
【0146】
[分散スラリー3’]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ4’]を得た。
[濾過ケーキ4’]100部にイオン交換水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、水溶性の電荷制御剤としてフッ素系活性剤0.001部を添加し、[分散スラリー4’]を得た。
[分散スラリー4’]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ5’]を得た。
【実施例4】
【0147】
参考例1で得られた[分散スラリー1]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、イオン交換水100部で洗浄し、[濾過ケーキ6’]を得た。
[濾過ケーキ6’]100部に水酸化ナトリウムでpH値を10.0に調整したアルカリ性水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、[分散スラリー5’]を得た。
[分散スラリー5’]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ7’]を得た。
【実施例5】
【0148】
[分散スラリー5’]100部に、10%塩酸0.1部を添加してpH値を4.0に調整し、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、[分散スラリー6’]を得た。
[分散スラリー6’]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ8’]を得た。
【実施例6】
【0149】
[分散スラリー6’]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ9’]を得た。
[濾過ケーキ9’]100部にイオン交換水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、水溶性の電荷制御剤としてフッ素系活性剤0.001部を添加し、[分散スラリー7’]を得た。
[分散スラリー7’]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ10’]を得た。
【実施例7】
【0150】
[分散スラリー7’]100部を、バスケット型遠心ろ過機で、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ11’]を得た。
【実施例8】
【0151】
[分散スラリー7’]100部を、立型デカンタで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ12’]を得た。
【0152】
[比較例6]
参考例1で得られた[分散スラリー1]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ13’]を得た。
[濾過ケーキ13’]100部に水酸化ナトリウムでpH値を10.0に調整したアルカリ性水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、[分散スラリー8’]を得た。
[分散スラリー8’]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ14’]を得た。
【0153】
[比較例7]
[濾過ケーキ1’]100部に塩酸でpH値を4.0に調整した酸性水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、[分散スラリー9’]を得た。
[分散スラリー9’]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ15’]を得た。
【0154】
[比較例8]
[濾過ケーキ15’]100部にイオン交換水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、水溶性の電荷制御剤としてフッ素系活性剤0.001部を添加し、[分散スラリー10’]を得た。
[分散スラリー10’]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ16’]を得た。
【0155】
[比較例9]
[分散スラリー5’]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ17’]を得た。
【0156】
[比較例10]
[濾過ケーキ6’]100部に塩酸でpH値を4.0に調整した酸性水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、[分散スラリー11’]を得た。
[分散スラリー11’]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ18’]を得た。
【0157】
[比較例11]
[分散スラリー11]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ19’]を得た。
[濾過ケーキ19’]100部にイオン交換水200部を加え、TKホモミキサーで均一に分散(回転数6,000rpmで30分間)し、水溶性の電荷制御剤としてフッ素系活性剤0.001部を添加し、[分散スラリー12’]を得た。
[分散スラリー12’]100部を、サイホンピラー型セントリフュージで、遠心効果1000Gで濾別し、[濾過ケーキ20’]を得た。
【0158】
[比較例12]
[分散スラリー7’]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、[濾過ケーキ21’]を得た以外は実施例6と同じ。
【0159】
[比較例13]
参考例1で得られた[分散スラリー1]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量0.8cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、イオン交換水100部で洗浄し、[濾過ケーキ22’]を得た以外は実施例6と同じ。
【0160】
[比較例14]
参考例1で得られた[分散スラリー1]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量60cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.4MPaで脱水し、イオン交換水100部で洗浄し、[濾過ケーキ23’]を得た以外は実施例6と同じ。
【0161】
[比較例15]
参考例1で得られた[分散スラリー1]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力0.05MPaで脱水し、イオン交換水100部で洗浄し、[濾過ケーキ24’]を得た以外は実施例6と同じ。
【0162】
[比較例16]
参考例1で得られた[分散スラリー1]100部を、フィルタープレスで、フィルターの通気量20cc/cm・minで濾別し、圧搾圧力1.2MPaで脱水し、イオン交換水100部で洗浄し、[濾過ケーキ25’]を得た以外は実施例6と同じ。
【0163】
実施例1〜8、比較例6〜16に使用するキャリア、画像形成装置、及び評価項目、その具体的評価方法、評価基準は、参考例1〜8、比較例1〜5の場合と同様である。
【0164】
各実施例1〜8及び比較例6〜16の操作条件を下記[表3]に、また各実施例1〜8及び比較例6〜16で作成されたトナーについて評価を行ない、その結果を下記[表4]に示す。
【0165】
【表3】

【0166】
【表4】

【0167】
(解説その3)
実施例1のトナーは、加圧ろ過後のケーキをアルカリ性水に分散した際の分散性がよく、続いて遠心ろ過による濾別をしたケーキは、以後の乾燥、混合後の品質も優れ、特にアルカリ性水でトナー表面を洗浄したことにより、帯電特性の経時劣化が抑制できた。
実施例2のトナーは、[分散スラリー3’]で塩酸を投入したことにより、Q/M変動率がさらによくなった。
実施例3のトナーは、[分散スラリー4’]で水溶性の電荷制御剤を投入したことにより、画像品質がさらによくなった。
実施例4のトナーは、加圧ろ過後にフィルター側からケーキに洗浄水を通したことにより、個々のトナー粒子の表面性が均一となり、クリーニング性がさらによくなった。
実施例5、6、7、8のトナーは、それぞれ途中の濾別方法と添加処理方法の違いにより、個々の特性は優れており、中でも、実施例6、7、8のトナーは、すべての品質が非常に優れていた。
【0168】
(解説その4)
比較例6のトナーは、参考例1で得られた[分散スラリー1]からの濾別した時点で凝集体が多く確認され、乾燥後に得られたトナー粒子においてもひどく凝集していたため、評価できないと判断した。
比較例7、9、12、13、15のトナーは、加圧ろ過後/乾燥前のケーキの含水率が40%程度あり、大気中での吸着による表面性の変化と、乾燥機内での凝集が起こってしまい、品質不良であった。更に、比較例13、15のトナーは1回目のろ過ケーキの含水率が高く、ろ過機材に付着するため、製造性が悪い。
比較例8、10、11のトナーは、アルカリ性水でトナー表面の不純物を充分に除去していないため、帯電特性の経時劣化が満足のいくものではなかった。
比較例14のトナーは、1回目のろ過後のケーキ含水率が高くなるため、スラリーの分散性が悪く、洗浄効率が低下する。更に、フィルターからのトナー粒子の漏れが多く、歩留が悪い。
比較例16のトナーは、参考例1で得られた[分散スラリー1]からの濾別した時点で凝集体が多く確認され、乾燥後に得られたトナー粒子においてもひどく凝集し、個々のトナー粒子の形状が変形していたため、評価できないと判断した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも結着樹脂と着色剤を液状媒体中に分散してトナー粒子を生成後、複数回のろ過を行なってトナーケーキを得る工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法において、
最後以外のろ過ではケーキ含水率を35〜45重量%とし、最後のろ過ではケーキ含水率を20〜35重量%とし、
最後以外のろ過ケーキとアルカリ性溶液を、少なくとも1回接触させることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項2】
前記ろ過の少なくとも1回を加圧ろ過で行なうことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項3】
前記最後以外のろ過を加圧ろ過で行なうことを特徴とする請求項2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項4】
前記ろ過の少なくとも1回を加圧ろ過で行ない、該加圧ろ過後に水でケーキ洗浄することを特徴とする請求項2又は3に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項5】
前記ろ過の少なくとも1回を加圧ろ過で行ない、最後以外のろ過ケーキとアルカリ性溶液の接触を、該ケーキをアルカリ性水に分散させることで行なうことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項6】
前記アルカリ性水にケーキを分散した分散液のpH値が、8.0以上12.0未満であることを特徴とする請求項5に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項7】
前記アルカリ性水にケーキを分散した分散液のろ過を加圧ろ過で行ない、該加圧ろ過で濾別したケーキの分散を、酸性水で行なうことを特徴とする請求項5又は6に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項8】
前記アルカリ性水にケーキを分散した分散液に、酸性水を添加し、分散液を酸性とすることを特徴とする請求項5又は6に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項9】
前記酸性水にケーキを分散した分散液のpH値が、3.0以上5.0未満であることを特徴とする請求項7又は8に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項10】
前記最後のろ過を遠心ろ過で行なうことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項11】
前記最後のろ過の前段のろ過後のケーキは、固形分濃度20重量%のスラリーとしたときの電気伝導度が、5〜20μS/cmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項12】
前記加圧ろ過に使用するフィルターの通気量が、2〜40cc/cm・minであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項13】
前記加圧ろ過の圧搾圧力が、0.1〜1.0MPaであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項14】
前記遠心ろ過にサイホンピラー型セントリフュージ(横型遠心ろ過機)を用いることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項15】
前記遠心ろ過にバスケット型遠心ろ過機(立型遠心ろ過機)を用いることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項16】
前記遠心ろ過に立型デカンタを用いることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項17】
濾別後のケーキを再分散する水に電荷制御剤を添加することを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【請求項18】
有機溶媒中に活性水素と反応可能な変性ポリエステル系樹脂からなるトナーバインダーを含むトナー組成分を溶解又は分散させ、該溶解又は分散物を樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させ、次いで活性水素基を有する化合物と反応させ、得られた分散液からトナー粒子を濾別し、乾燥することを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2011−221339(P2011−221339A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91324(P2010−91324)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】