説明

非常時対応可能の可搬蓄電照明装置

【課題】 業務用の用途を含めて、常時の据置点灯使用と任意の可搬点灯使用を選択できる非常時対応可能の可搬蓄電照明装置を提供する。
【解決手段】 ボックス1にリチウムイオン電池2を収納して、LEDモジュール83を一次光源とする一対の面照明ライト8を配置するとともにメインスイッチ4、調光ツマミ5を配置し且つAC100V、太陽電池用の充電端子3、シガーソケット、USB端子等の出力端子6を配置し、手持ち用のハンドル9を付したものとする。重量を7kg以下、単一の面照明ライト8の1m離隔位置の最大照度を90lux、平均照度25lux以上、単一の面照明ライト8の連続点灯時間を15時間以上として、非常時の可搬使用に耐えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、常時の据置点灯と任意の可搬点灯を自在として、平時及び非常時に有効な照明をなし得るようにした非常時対応可能の可搬蓄電照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の照明装置として、本発明者等は、下記特許文献1の照明装置を提案済みであり、これによると、LEDモジュールを導光板の入射端面に臨設して、該導光板に入射光を供給して、導光板背面の入射端面から離隔方向に向けて高密度化するように密度変調した、例えばドットパタンとした導光パタンによって面照明を行うようにして、これらを二次電池とともに密封ケースに収容したコンパクトな懐中電灯型のハンディなものとされ、このとき該照明装置は細幅の常夜灯照明と、点灯制御回路によって停電時に点灯するやや太幅にして非常用照明を行う一対の面照明体を隣接して重合するように配置したものとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−238733号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この場合、面照明装置は、上記コンパクトの懐中電灯型のものとされるから、例えば夜間に避難するときに持参する如くに、懐中電灯のスポット照明を面照明としたものとして、懐中電灯の代替照明として使用することが可能であるが、その実際の照度は1ルックス程度であり、フル充電状態の点灯時間も0.5時間程度であり、従って、上記避難に用いるには有効であるとしても、避難以外の用途、特に業務用の用途に使用するには適当とはいえない。
【0005】
即ち、照明装置の機能として、一般の生活に支障のないことはもとより、業務用途の使用に特段の支障のない充分な照度及び点灯時間を確保することが望まれるところであり、例えば、避難後の避難所、災害時の病院での入院患者の看病等のための照明、百貨店のような大型店舗における顧客誘導避難のための照明、電源使用不能の展示場における展示商品の照明の如くに、照度、点灯時間、必要時の可搬性等を備えて、これらの用途に耐えられる照明装置の出現が待たれる状況にある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、その解決課題とするところは、照度、点灯時間等において業務用途を含めて各種用途の使用に適し、常時の据置点灯使用と任意の可搬点灯使用を選択自在とした非常時対応可能の可搬蓄電照明装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に沿って本発明は、照明装置をボックスとして形成し、これに高発光輝度の単一又は一対のバー状形成の面照明ライトをコード接続下で着脱自在に配置する一方、ボックス内に、例えばリチウムイオン系二次電池の如き二次電池を収納し、AC100Vに接続することによって該二次電池の常時充電と該AC100Vによる面照明ライトの常時点灯を可能とする一方、点灯制御回路の停電検知によって面照明ライトの二次電池点灯を行うようにするとともに可搬の照明装置として総重量を人の容易な持ち運びを可能とするように7kg以下に規制し、面照明ライトの1m離隔位置の最大照度を90lux、平均照度25lux以上、連続点灯時間を15時間以上とすることによって、上記業務を含めた各種用途の使用に適し且つ選択的に常時の据置点灯使用と任意の可搬点灯使用、即ち搬送点灯使用を自在とした非常時対応可能の可搬蓄電照明装置としたものであって、即ち、請求項1に記載の発明を、矩形又は方形のボックスと、該ボックスに収納した二次電池と、該二次電池にAC100V電源又は該電源及び太陽電池からそれぞれ充電を行うようにボックスに配置した充電端子と、点灯制御回路によって停電時に点灯するようにコード接続してボックスに着脱自在に配置した単一又は一対のバー状に形成したLEDモジュールを一次光源とする面照明ライトと、該面照明ライトの点灯と消灯を行うメインスイッチ又は該メインスイッチと点灯時の面照明ライトの発光輝度調整用の調光ツマミを備え且つ総重量を7kg以下、単一の面照明ライトの1m離隔位置の最大照度を90lux、平均照度25lux以上、二次電池による単一の面照明ライトの連続点灯時間を15時間以上とし且つ上記ボックスに手持ち用のハンドル又は肩掛けベルトを配置することによって常時の据置点灯使用と任意の可搬点灯使用を選択自在としてなることを特徴とする非常時対応可能の可搬蓄電照明装置としたものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、面照明ライトを一対備え且つ各コード長さを0.5m以上とすることによって、可搬点灯使用に際して、例えば大規模店舗での顧客誘導避難において、一対の面照明ライトの一方を顧客足下を照らし、他の一方を誘導者足下を照らすように用いる等、可搬点灯に際して面照明ライトを手持ちして照明を行うに適するようにして、業務用途を含めて使い勝手を向上し得るものとするように、これを、上記面照明ライトを一対備えるとともにその上記ボックスに接続した各コード長さを0.5m以上としてなることを特徴とする請求項1に記載の非常時対応可能の可搬蓄電照明装置としたものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、例えばインバータ使用によって家電機器の作動を行うようにDC12Vのシガーソケット、携帯電話等の充電を行うようにDC5VのUSB端子の如くに、直流電流供給用の出力端子を配置して、非常時対応適応性を向上し得るものとするように、これを、ボックスに、直流電流を供給自在とする単一乃至複数の出力端子を配置してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の非常時対応可能の可搬蓄電照明装置としたものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、非常時の面照明ランプのボックスへの着脱を可及的簡易且つ確実に行って使い勝手を向上し得るものとするように、これを、上記ボックスに対する面照明ランプの着脱自在の配置を、ボックスと面照明ランプ間に配置したマグネット又はフックとフック受けを用いることによって着脱をワンタッチで可能としてなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の非常時対応可能の可搬蓄電照明装置としたものである。
【0011】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として、上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以上のとおりに構成したから、請求項1に記載の発明は、照明装置をボックスとして形成し、これに高発光輝度の単一又は一対のバー状形成の面照明ライトをコード接続下で着脱自在に配置する一方、ボックス内に、例えばリチウムイオン系二次電池の如き二次電池を収納し、AC100Vに接続することによって該二次電池の常時充電と該AC100Vによる面照明ライトの常時点灯を可能とする一方、点灯制御回路の停電検知によって面照明ライトの二次電池点灯を行うようにするとともに可搬の照明装置として総重量を人の容易な持ち運びを可能とするように7kg以下に規制し、面照明ライトの1m離隔位置の最大照度を90lux、平均照度25lux以上、連続点灯時間を15時間以上とすることによって、上記業務を含めた各種用途の使用に適し且つ選択的に常時の据置点灯使用と任意の可搬点灯使用を自在とした非常時対応可能の可搬蓄電照明装置を提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、面照明ライトを一対備え且つ各コード長さを0.5m以上とすることによって、可搬点灯使用に際して、例えば大規模店舗での顧客誘導避難において、一対の面照明ライトの一方を顧客足下を照らし、他の一方を誘導者足下を照らすように用いる等、可搬点灯に際して面照明ライトを手持ちして照明を行うに適するようにして、業務用途を含めて使い勝手を向上し得るものとすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、例えばインバータ使用によって家電機器の作動を行うようにDC12Vのシガーソケット、携帯電話等の充電を行うようにDC5VのUSB端子の如くに、直流電流供給用の出力端子を配置して、非常時対応適応性を向上し得るものとすることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、非常時の面照明ランプのボックスへの着脱を可及的簡易且つ確実に行って使い勝手を向上し得るものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】照明装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】照明装置の正面図である。
【図3】照明装置の一方の側面図である。
【図4】照明装置の他方の側面図である。
【図5】照明装置の平面図である。
【図6】面照明ライトの側面図である。
【図7】他の例の照明装置の正面図である。
【図8】照明装置の側面図である。
【図9】照明装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば、図1乃至図6においてAは非常時対応可能の可搬蓄電照明装置であり、該照明装置Aは、矩形又は方形のボックス1と、該ボックス1に収納した二次電池2と、該二次電池2にAC100V電源又は該電源及び太陽電池からそれぞれ充電を行うようにボックスに配置した充電端子3と、点灯制御回路によって停電時に点灯するようにコード接続してボックス1に着脱自在に配置した単一又は一対のバー状に形成したLEDモジュール83を一次光源とする面照明ライト8と、該面照明ライト8の点灯と消灯を行うメインスイッチ4又は該メインスイッチと点灯時の面照明ライト8の発光輝度調整用の調光ツマミ5を備え且つ総重量を7kg以下、単一の面照明ライト8の1m離隔位置の最大照度を90lux、平均照度25lux以上、二次電池2による単一の面照明ライト8の連続点灯時間を15時間以上とし且つ上記ボックス1の上面に手持ち用のハンドル又は肩掛けベルト、本例にあってはハンドル9を配置することによって常時の据置点灯使用と任意の可搬点灯使用を選択自在としたものとしてあり、このとき、上記面照明ライト8は、これを一対備えるとともにその上記ボックス1に接続した各コード85長さを0.5m以上としてあり、これによって照明装置Aの業務を含めた各種用途の使い勝手を向上してある。
【0018】
本例にあって照明装置Aは、例えば、ボックス1の高さを30乃至40cm、本例にあっては35cm程度、幅を20乃至30cm、本例にあっては25cm程度、奥行を10cm以下、本例にあっては5乃至6cm程度として、例えばアタッシュケースを縦長とした如くに、正背面において矩形をなすものとしてあり、該ボックス1は、塗装鋼板、クロム鍍金鋼板、アルミ板等の金属板又は硬質合成樹脂板を加工形成したもの、本例にあっては上記クロム鍍金鋼板によるものとし、このとき該ボックス1は、例えば表裏方向に開閉自在に形成することによって、照明装置Aのメンテナンス用にその開閉を可能としてある。
【0019】
ボックス1内には上記二次電池2として、例えばリチウムイオン電池、中でも蓄電能力に優れ、安全性、長寿命性を備えるとともに小型軽量化に適したリン酸鉄リチウムイオン電池を収納して、照明装置Aを可及的高性能のものとして、業務用途を含めて汎用性を備えたものとしてある。
【0020】
該ボックス1には、例えば上面に面照明ライト8の点灯、消灯の操作用のメインスイッチ4、点灯時の発光輝度、即ち照明装置としての照度を可変操作する、面照明ライト8を一対とした本例にあっては、各面照明ライト8毎の一対の調光ツマミ5、照明装置Aの充電状態を表示する、例えば3つのLEDランプによる充電レベルインジケーター7を配置し、一方の側面には、上記充電端子としてAC100Vの充電用コードレセプター31を、他方の側面には、直流電流を供給自在とする単一乃至複数、本例にあっては単一の出力端子6として、例えばDC12Vのシガーソケット61をそれぞれ配置してある。
【0021】
更に該ボックス1には、これらに加えて、その上面の長手方向及び短手方向のそれぞれ中央に位置するように上記手持ち用のハンドル(把手といってもよい)9を設置してある。該ハンドル9は、照明装置Aの重量を支持する強度を備える材質、即ち金属、硬質合成樹脂、織布帯材等を用いて、同じく重量を支持する固定強度を備えてボックス1にその長手方向両端を固定してあり、本例にあって該ハンドル9はこれを下向きコ字状の硬質合成樹脂製のものとしてある。
【0022】
本例にあって面照明ライト8は、上記LEDモジュール(LEDバーといってもよい)83を一次光源として、該LEDモジュール83を図示省略の導光板の入射端面に臨設し、その入射光を該導光板によって導光して、正面配置の光拡散板84を介して面状の照明光を供給するものとしてあり、このとき導光板は光透過性に優れた透明樹脂板、例えば厚肉のアクリル樹脂板の裏面にスクリーン印刷乃至導光板の一体成形によって配置して入射端面から離隔方向に配置密度を増変化したドット、ライン等の導光パタンを備えるとともに背面に導光性を向上する高白色度にして高反射性を呈する、例えば発泡白色樹脂、例えばポリエステル樹脂の反射板を、導光板の表面、本例にあっては口述のように正面及び両側面に、粗面化や添加剤含有によって光拡散性を付与した光拡散板84を配置し、ライトケース82に収納して縦長バー状に形成してある。
【0023】
本例にあって、該面照明ライト8は、上記ライトケース82を、長さ、幅を、上記照明装置Aのボックス1側面に合せて、これより幾分小さめのものとし、また、奥行を可及的に薄く形成することによって、上記ボックス1側面に着脱自在に配置して、上記縦長バー状の形状と相俟って良好な納まりと使い勝手を可及的に確保したものとしてあり、本例にあって長さを30乃至35cm、本例にあっては30cm、幅を5乃至6cm弱、本例にあっては4.5cm程度とし、また奥行を2cm以下、本例にあっては1.8cm程度としてあり、このとき該ライトケース82はその重量を可及的に減少するように比重の小さい金属、例えばアルミを用いてLEDモジュール発熱のヒートシンク機能を有するものとしてある。
【0024】
このときライトケース82は、上記厚肉の導光板の正面と、両側面の肉厚方向正面側の部分とこれを覆う光拡散板84がC字状に露出するように長手方向中間を切欠き加工して形成した長寸の照明部位を備えてあり、これによって該照明部位において厚肉の導光板は、その両側面部分とともに3面の照明を行うようにして、平面の単面のみの照明に比して、暗部における照明装置乃至面照明ライト8の位置を可及的容易に視認し得るようにしてある。
【0025】
本例の面照明ライト8は、その長手方向端部、本例にあっては下端部に、例えば光束550lmのLEDモジュール83を配置し、導光板下端の入射端面から入射光を供給して、その導光による面照明を行うようにしてあり、このとき、ボックス1内で二次電池2に接続し且つライトケース82内で上記LEDモジュール83に接続したコード(リード線といってもよい)、例えばカールコード85を、該ボックス1の各側面下部とライトケース82の各下面間に配置し、二次電池2による面照明ライト8の照明、即ち、その導光板の面発光を行うようにしてある。上記550lmのLEDモジュール83を用いた本例の各面照明ライト8は、その1m離隔位置の最大照度を90lux、平均照度25lux以上、本例にあっては最大照度98lux、平均照度28luxとし、上記二次電池2を用いることによる単一の面照明ライト8の連続点灯時間を15時間以上、本例にあっては40時間程度としてある。因みに、白熱電球60Wの1m離隔位置の最大照度は56lux、平均輝度は22luxである。
【0026】
照明装置Aは、面照明ライト8の点灯制御回路を備えてあり、これによって、面照明ライト8が検知した設置場所の照度に応じて、該面照明ライト8の点灯、消灯をコントロールして、夜間に自動点灯し、昼間に自動消灯するようにしてあり、夜間の自動点灯は、例えば一対のうち一方の面照明ライト8を、調光ツマミ5設定の、例えば2W程度の照度で行うようにして、その常夜灯機能を発揮するようにしてある。
【0027】
このとき、上記ボックス1に対する面照明ランプ8の着脱自在の配置は、これを、ボックス1と面照明ランプ8間に配置したマグネット又はフックとフック受け、本例にあってはマグネットを用いて着脱をワンタッチで可能としてあり、本例のマグネットは、例えばゴムマグネット81として、上記ライトケース82の裏面、即ち、ライトケース82のボックス1との対向面に所定の長さ及び幅のものを接着することによってその配置を行ってある。
【0028】
図7乃至図9は、他の例を示したもので、本例にあって照明装置Aは、上記縦長の正背面において矩形をなす形状を、横長として同じく正背面において矩形をなす横長のアタッシュケースの如くに形成した例である。
【0029】
本例の照明装置Aは、そのボックスの高さを15乃至25cm、本例にあっては20cm程度、幅を30乃至40cm、本例にあっては30cm程度、奥行を15cm以下、本例にあっては11cm程度とし、上記アタッシュケースを横長として奥行を幾分厚くした形状をなすようにしてある。
【0030】
このとき、該照明装置Aは、面照明ライト8を、上記と同様に一対備えるとともにその配置を、ボックス1の正背面上部に形成した収容段部11に収容し、該面照明ライト8の収容状態でボックス1正背面をフラット面とするようにしてある。
【0031】
即ち、ボックス1は正背面の鋼板にプレス加工によって上記収容段部11を、横長の断面L字状に形成し、両端を側面に開放したボックス1幅と同長のものとし、奥行を、上記面照明ライト8の寸法に合せて、例えば2cm程度のものとしてある。
【0032】
本例にあって面照明ライト8は、その長さを該ボックス1幅と同長とした一対として、該正背面の収容段部11にそれぞれ収容してあり、これによって該面照明ライト8を収容した状態で、照明装置Aは正背面、側面をそれぞれ矩形を呈するものとしてある。
【0033】
このとき、本例の照明装置Aは、その片側の側面、本例にあっては右側面に、上記と同様にAC100Vの充電用コードレセプター31、DC12Vのシガーソケット61を配置するとともに更に出力端子6としてDC5VのUSB端子62を配置し、太陽光発電による充電を可能とするように、充電端子3として太陽電池用の充電用コードレセプター32を配置したものとしてあり、更に、本例にあっては照明装置Aの二次電池2の並列接続を行うことによって照明ライト8の照明時間を延長し得るように並列接続端子63を配置したものとしてある。また、該ボックス1の片側の側面には、その上部と上記一対とした面照明ライト8のライトケース82の長手方向一端間に上記と同様にカールコード85を配置してある。
【0034】
その余は、上記例と変わらないので、同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0035】
以上のように形成した照明装置Aは、それぞれその総重量を7kg以下、本例にあってはいずれも、例えば6kg程度乃至以下に規制することによって可搬性を確保したものとしてあるから、上記アタッシュケース状とした形状と相俟って、常時の据置点灯使用と任意の可搬点灯使用の双方を必要に応じて選択し得るようにしてあり、これによって、例えば、単に常夜灯として、また避難用として使用するに止まらず、避難後の避難所、災害時の病院での入院患者の看病等のための照明、百貨店のような大型店舗における顧客誘導避難のための照明、電源使用不能の展示場における展示商品の照明等の、業務用途を含めた非常時対応可能の可搬蓄電照明装置として使用することができる。そして、照明装置Aは、LEDモジュール83を1次光源とする面照明ライト8を使用し、またこれを一対備えたことによって、様々な場面で必要な照度を確保して、特に非常時に有効に機能するものとすることができる。照明装置Aは、シガーソケット61やUSB端子62の出力端子6を備えたから、携帯電話の充電、市販のインバーター(120W)を用いて、AC100Vの液晶TV等家電品の使用を行うこともでき、また、複数の照明装置Aを並列接続して、二次電池2の容量を複数倍とすることもできるから、業務用の用途にあっては複数の照明装置Aを用意して、必要に応じてその並列接続をなし得るようにすることが好ましい。
【0036】
二次電池2をリチウムイオン電池、特に上記リン酸鉄リチウムイオン電池とした本例の照明装置Aにあって、面照明ライト8の点灯は、これを夜間2日乃至4日間程度に亘って行うことができる。実験によれば一対の面照明ライト8を最大照度でフル点灯したときその使用時間は20時間(夜間2日間)、照度を50%に調光したときその使用時間は40時間(夜間4日間)であった。家電品の使用時は長時間とすることは困難であるが、単一の面照明ライト8をフル点灯し、液晶TVをONとしたときの使用時間は2.5時間であった。
【0037】
照明装置Aの充電は、搬送して用いる可搬使用以外はAC100Vに接続して常時行うようにすればよいが、可搬使用時は、上記太陽電池用の充電用コードレセプター32を配置したものにあっては、市販の太陽電池によってその充電を行うことが可能であり、これによって長期停電や計画停電に相当程度対応することができる。
【0038】
図示した例は以上のとおりとしたが、上記ボックスを方形とし又はその余の形状とすること、上記手持ち用のハンドルに代えて又はこれとともに肩掛けベルトを配置し又は該ベルトの取付金具をボックスに配置すること、上記面照明ライトを単一に備えたものとすること、上記充電端子に代えて又はこれとともにAC100Vの充電コードをボックスに設置すること、上記ボックスに対する面照明ランプの着脱自在の配置を、ボックスと面照明ランプ間に配置したフックとフック受けを用いたものとすること等を含めて、本発明の実施に当って、照明装置、ボックス、二次電池、充電端子、点灯制御回路、面照明ライト、コード、LEDモジュール、メインスイッチ、調光ツマミ、重量、照度、連続点灯時間、ハンドル又は肩掛けベルト、必要に応じて用いる出力端子、マグネット、フックとフック受け等の各具体的形状、構造、材質、用途、数値、これらの関係、これらに対する付加等は、上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができ、上記に示したものに限定するには及ばない。
【符号の説明】
【0039】
A 可搬蓄電照明装置
1 ボックス
11 収容段部
2 二次電池
3 充電端子
31 AC100Vの充電用コードレセプター
32 太陽電池用充電用コードレセプター
4 メインスイッチ
5 調光ツマミ
6 出力端子
61 シガーソケット
62 USB端子
63 並列接続端子
7 充電レベルインジケーター
8 面照明ライト
81 ゴムマグネット
82 ライトケース
83 LEDモジュール
84 光拡散板
85 コード
9 ハンドル




【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形又は方形のボックスと、該ボックスに収納した二次電池と、該二次電池にAC100V電源又は該電源及び太陽電池からそれぞれ充電を行うようにボックスに配置した充電端子と、点灯制御回路によって停電時に点灯するようにコード接続してボックスに着脱自在に配置した単一又は一対のバー状に形成したLEDモジュールを一次光源とする面照明ライトと、該面照明ライトの点灯と消灯を行うメインスイッチ又は該メインスイッチと点灯時の面照明ライトの発光輝度調整用の調光ツマミを備え且つ総重量を7kg以下、単一の面照明ライトの1m離隔位置の最大照度を90lux、平均照度25lux以上、二次電池による単一の面照明ライトの連続点灯時間を15時間以上とし且つ上記ボックスに手持ち用のハンドル又は肩掛けベルトを配置することによって常時の据置点灯使用と任意の可搬点灯使用を選択自在としてなることを特徴とする非常時対応可能の可搬蓄電照明装置。
【請求項2】
上記面照明ライトを一対備えるとともにその上記ボックスに接続した各コード長さを0.5m以上としてなることを特徴とする請求項1に記載の非常時対応可能の可搬蓄電照明装置。
【請求項3】
ボックスに、直流電流を供給自在とする単一乃至複数の出力端子を配置してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の非常時対応可能の可搬蓄電照明装置。
【請求項4】
上記ボックスに対する面照明ランプの着脱自在の配置を、ボックスと面照明ランプ間に配置したマグネット又はフックとフック受けを用いることによって着脱をワンタッチで可能としてなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の非常時対応可能の可搬蓄電照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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