説明

非接合的に格納される半導体デバイス

【課題】センサーパッケージにおいて、圧力測定精度において問題となる、機械的マウントおよび熱膨張等に起因して発生する、パッケージング応力を緩和するためのパッケージ構造を提供する。
【解決手段】非接合的に格納された半導体デバイスは、半導体ダイ(例えば、MEMS圧力センサーダイ)102を含む。前記半導体ダイ102は、周囲の格納体104の内部キャビティに接着されていない状態であるため、前記半導体ダイ102は前記格納体104に接着されず、これにより、前記格納体104と前記半導体ダイ102との間のパッケージング応力および歪みが緩和される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスにおける応力緩和に関し、より詳細には、応力緩和パッケージングを用いたMEMS圧力センサーパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ダイをパッケージング応力などから隔離するための多様なデバイスが、当該技術分野において公知である。パッケージング応力またはマウント応力とは、半導体ダイの取り付け先であるパッケージから当該半導体ダイへと付与される応力である。このような応力の原因として、半導体ダイにおいて、半導体ダイの取り付け先であるパッケージングからおよび/またはダイをパッケージへとマウントするための接着材からの熱膨張係数が異なる点があり得る。このような場合、温度変化に起因して半導体ダイに応力/歪みが発生し、ダイ機能によっては、この応力/歪みに起因して能力低下が発生する。パッケージング応力の別の原因として、パッケージへのダイの取り付け態様および周囲物におけるパッケージそのものの取り付け態様に起因する機械的マウント効果がある。
【0003】
パッケージング応力の一例において、従来のピエゾ抵抗素子MEMS圧力センサーパッケージは、付加圧力に起因するダイヤフラム上の応力を感知するように設計されている。そのため、ピエゾ抵抗素子によって感知される応力は、付加圧力に起因するもののみであって、パッケージング応力に起因するものではない点が重要である。このようなセンサーパッケージにおいては、MEMSダイは典型的には金属パッケージに直接取り付けられていることが多いため、上述したような機械的マウント応力および熱膨張応力に起因して、高いパッケージング応力が発生し得る。このようなセンサーパッケージは廉価であるものの、ダイヤフラム上へのパッケージング応力に起因して、圧力測定精度において問題が発生する。
【0004】
望ましくないパッケージング応力および歪みを最小化するための典型的アプローチを挙げると、コンプレイント接着(例えば、軟性またはエラストマー系の接着剤)の利用がある。このアプローチの場合、かなり廉価であり、製造も容易であり、部分的な応力緩和も得られるものの、不利な点がある(例えば、処理(すなわち、硬化)、脱ガス、温度に伴う不安定な機械的特性、および媒体不適合の可能性)。他のアプローチを挙げると、固定マウント方法がある(例えば、溶融、フリット、半田、ろう付け、陽極および共晶接合)。これらのアプローチの場合、媒体不適合において有利であり得、機械的特性もより安定しており、他の技術と比較してより強固であり得るものの、コストが高くなり、特殊な処理装置およびプロセスならびにより高温の処理が必要となり、そのため応力を誘発する可能性も出てくる。さらに他のアプローチを挙げると、MEMS構造の付加がある(例えば、バネおよびマウント台ジオメトリ)。これらの技術の場合、有利な点がある(例えば、バネがMEMS構造と一体化されている点、さらなる応力緩和が不要である点、小型化の可能性がある点)。しかし、これらの技術の場合、不利な点がある(例えば、他の技術と比較して開発コストが高い点、機械的共振の問題に対処する必要がある点)。このような状況に起因して、上記のような複数のアプローチを複数併用して、パッケージング応力に対処している場合が多い。
【0005】
例えば、いくつかの従来のMEMS圧力センサーパッケージにおいては、ダイヤフラムを封入する表面ウェーハおよび裏面ウェーハの厚み増加と、アスペクト比の低い台のパッケージ及びMEMSダイ間への付加と、パッケージング全体を格納する大型カスタムパッケージの利用とにより、パッケージング応力緩和を達成していた。これらの対策の場合、対策通りに構成されたセンサーパッケージによって行われた圧力測定の精度を10倍高くすることが可能であることが分かっている。しかし、上記のような応力緩和の特徴に起因して、センサーパッケージのコストおよびサイズが増加する。
【0006】
このような従来の方法およびシステムの場合、その意図する目的については、おおむね満足できるものとしてみなされてきた。しかし、MEMS圧力センサーなどにおけるパッケージング応力緩和の向上が可能な半導体デバイスが当該技術分野において未だ必要とされている。また、全体的性能の向上が可能でありかつ製造および利用が簡単な半導体デバイスも、当該技術分野において未だ必要とされている。本発明は、これらの問題に対する解決法を提供する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、新規かつ有用な半導体デバイスパッケージに関し、前記半導体デバイスパッケージは、半導体ダイを有する。前記半導体ダイは、周囲の格納体の内部キャビティから取り外される。前記半導体ダイは前記格納体に密着していないため、前記格納体と前記半導体ダイとの間のパッケージング応力および歪みが軽減される。
一実施形態において、前記格納体は、複数の電気接点により内部キャビティおよび外部を規定する。前記複数の電気接点は、それぞれ、前記内部キャビティから前記外部へと延びる。前記半導体ダイは前記内部キャビティ内に収容され、複数のワイヤーボンドにより、前記半導体ダイが前記電気接点へと可撓的に接続される。前記ワイヤーボンドのたわみにより調整された前記格納体に関し、前記半導体が前記格納体の前記内部キャビティ内を自由に移動することが可能となり、これにより、前記格納体と前記半導体間との間のパッケージング応力および歪みを軽減することが可能となる。
【0008】
前記ワイヤーボンドにより、前記半導体ダイと前記電気接点との間の電気通信が可能となり、また、前記ワイヤーボンドを、前記格納体と前記半導体ダイとの間の唯一の固定機械接続部とすることができることが期待される。前記内部キャビティは複数の内面を含み、前記半導体ダイは、複数のダイ表面を含む。前記複数のダイ表面は、それぞれ、前記内部キャビティの内面それぞれに対向する。前記半導体ダイと前記内面との間に、隙間空間が規定される。前記内部キャビティおよび前記ダイ表面の各内面は、相互に接触している場合であっても相互に移動できるように構成および適合することができる。
【0009】
自由に相互移動している前記半導体ダイと前記内部キャビティの表面との間の任意の接触面を促進するために、前記隙間空間に潤滑流体を少なくとも部分的に充填することができる。前記内部キャビティと前記半導体ダイとの間の隙間は、前記半導体ダイの少なくとも3本の軸の並進運動が前記内部キャビティに対して可能となるのに十分な隙間である。前記隙間の寸法については、前記ワイヤーボンドを過度のたわみに起因する損傷から保護するために、3本の軸全てにおける前記内部キャビティに対して前記半導体ダイの移動が所定の程度まで制限できるような寸法であればよい。
【0010】
一実施形態において、前記格納体は、キャップに取り付けられたベースを含むことが期待される。前記ベースは、前記電気接点と、前記内部キャビティの少なくとも1つの表面とを含む。前記キャップは、前記内部キャビティの少なくとも1つの表面を含む。前記半導体ダイはMEMS圧力センサーを含み、前記格納体のベースおよびキャップのうち少なくとも1つは、アパチャを含む。前記アパチャは、前記内部キャビティから内部を貫通して前記外部へと延びる。雰囲気圧力を前記MEMS圧力センサーへと連通させるために、前記アパチャをダイヤフラムによって被覆することができる。
【0011】
当業者であれば、以下の好適な実施形態の詳細な説明を図面と共に参照すれば、本発明のシステムおよび方法の上記および他の目的をより深く理解する。
【0012】
本発明が関連する分野の当業者が本発明のデバイスおよび作製方法および利用方法を過度の試験無しに容易に理解できるようするために、本明細書中、以下において好適な実施形態について図面を参照して詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に従って構築された半導体デバイスパッケージの例示的実施形態の分解斜視図であり、格納体を半導体ダイから分離した状態を上方から示す。
【図2】図1の半導体デバイスパッケージの分解斜視図であり、格納体および半導体ダイを下方から見た状態を示す。
【図3】図1の半導体デバイスパッケージの分解斜視図であり、格納体のベース内に半導体ダイを配置した状態を示す。
【図4】図1の半導体デバイスパッケージの斜視図であり、格納体のベースおよびキャップを共に接合した様子を示す。
【図5】図1の半導体デバイスパッケージの平面図であり、半導体ダイが格納体のベース内に配置され、格納体のキャップを取り外した状態を示す。
【図6】図1の半導体デバイスパッケージの立断面図であり、半導体ダイおよび格納体が図5に示す断面にある様子を示す。
【図7】図1の半導体デバイスパッケージの立断面図であり、半導体ダイおよび格納体が図5に示す断面にある様子を示す。
【図8】図6の半導体デバイスパッケージの一部の拡大立断面図であり、半導体ダイと格納体との間の隙間空間を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照する。図面中、類似の参照符号は、本発明の類似の特徴または局面を示す。非限定的な説明および例示の目的のために、図1中、本発明による半導体デバイスパッケージの例示的実施形態の部分図を示す。半導体デバイスパッケージを主に参照番号100で示す。本発明またはその概念によるパッケージの他の実施形態については、以下に記述し、図2〜図8に示す。本発明のシステムおよび方法を用いて、半導体デバイス(例えば、MEMSダイ)のパッケージング応力を緩和することができる。
【0015】
図1を参照して、半導体デバイスパッケージ100は、半導体ダイ102と、格納体104とを含む。格納体104は、キャップ106およびベース108を有する。パッケージ100内にダイ102が組み込まれるた後、ダイ102は、周囲の格納体104内に形成された内部キャビティ110から取り外すことが可能であるか、または内部キャビティ110に連結されていない状態である。なぜならば、ダイ102は格納体104に接着されていないからである。このようにダイ102は格納体104に直接接着されておらず、またしっかり固定されていないため、ダイ102は内部キャビティ110内において自由に移動することが可能であり、これにより、格納体104と半導体ダイ102との間のパッケージング応力および歪みが緩和される。
【0016】
図1に示すように、内部キャビティ110の一部が格納体104のベース108内に形成される。図2に示すように、内部キャビティ110の一部がキャップ106内に形成される。図4は、デバイスパッケージ100を示す。キャップ106およびベース108を共に組み付けることで、封入パッケージ104がダイ102の周囲に形成される。図4中、ダイ102の図示を省略する。半導体ダイ102は、MEMS圧力センサーを含む。前記MEMS圧力センサーは、絶対圧力測定のために構成される。圧力アパチャ122は、ベース108を通じて設けられる。別の圧力アパチャ124は、キャップ106を通じて設けられ、これにより、外部圧力による流体連通を封入パッケージ104を通じて内部キャビティ110内のMEMS圧力センサーへと到達させる。
【0017】
格納体104のベース108は、4つの電気接点112を含む。これらの電気接点112はそれぞれ、図1に示すような内部キャビティ110から図2に示すような格納体104の外部へと延びる。任意選択的に、前記複数の電気接点を前記格納体から分離してもよいし、あるいは前記センサーパッケージの一部としてもよい。キャップ106は、電気接点を任意選択的に持ち得る。図3を参照して、組み立て状態において、半導体ダイ102は内部キャビティ110内に収容され、複数のワイヤーボンド114により半導体ダイ102が電気接点112へと可撓的に接続される。ワイヤーボンド114は、格納体104と半導体ダイ102との間の唯一の接続部である。このように、ワイヤーボンド114が可撓性であるため、ダイ102は内部キャビティ110内において自由に移動することができる。
【0018】
ここで図5〜図8を参照して、内部キャビティ110は、複数の内面116a〜116fを含む。これら複数の内面116a〜116fは、キャップ106およびベース108内に形成される。半導体ダイ102は、複数の各ダイ表面118a〜118fを含む。これらのダイ表面118a〜118fはそれぞれ、内部キャビティ110の内面116a〜116fそれぞれに対向する。図5中、内面116a〜116dをダイ表面118a〜118dと共に示す。図6および図7中、内面116e〜116fを各ダイ表面118e〜118fと共に示す。図8に示す隙間空間120は、半導体ダイ102と、内部キャビティ110の内面116a〜116fとの間に規定される。
【0019】
隙間空間120の一部は、各ダイおよび内部キャビティ表面の各対間(すなわち、表面116aと表面118aとの間、表面116bと表面118bとの間、表面116cと表面118cとの間、表面116dと表面118dとの間、表面116eと表面118eとの間、表面116fと表面118fとの間)に画定される。
【0020】
内部キャビティ110の各内面116a〜116fおよびダイ表面118a〜118fは、相互に接触している状態であっても相互に移動できるように、構成および適合される。半導体ダイ102は内部キャビティ110内において移動可能であるため、任意の所与のタイミングにおいて半導体ダイ102が配置されている状態に応じて、半導体ダイ102は、対応する非接触面116a〜116fと118a〜118fとの間に規定された隙間空間120により、表面116a〜116fのうち1つ以上に寄りかかることができる。隙間空間120中に任意選択的に少なくとも部分的に潤滑流体(例えば、油)を充填することが可能であり、これにより、任意の接触面118a〜118fと、接触面116a〜116fとの間の相互自由移動が促進される。潤滑流体を用いた場合、アパチャ122および/または124を任意選択的にダイヤフラムで被覆することができ、MEMS圧力センサーへの雰囲気圧力の連通を潤滑流体の損失無く行うことが可能となる。ダイヤフラムを用いる場合、ダイヤフラムの形状を例えば潤滑流体の熱膨張からの偽背圧を回避するために薄肉化された膜形状とすると有利である。
【0021】
隙間空間120により、内部キャビティ110と半導体ダイ102との間に十分な隙間が得られ、これにより、内部キャビティ110に対して半導体ダイ102の少なくとも3本軸の並進運動(すなわち、図5に示す直交軸xおよびyならびに図6に示すさらなる直交軸zに沿った並進運動)が可能となり、また、これら3本の軸の周囲における回転も可能となる。また、隙間空間120の隙間の寸法は、3本の軸全てにおいて半導体ダイ102が内部キャビティ110に相対して並進および回転する程度を所定の程度まで限定できるような寸法に設定され、これにより、過度のたわみに起因する損傷からワイヤーボンド114が保護される。換言すれば、隙間空間120は、ダイ102が内部キャビティ110内において多少の移動することが可能な位に十分大きく、これによりパッケージング応力が緩和されると同時に、隙間空間120は、ダイ102の過度の移動を回避するくらいに十分に小さく、これによりワイヤーボンド114が保護される。隙間空間120の寸法ならびにワイヤーボンド114のサイズおよび組成は、用途に応じて構成することができ、これにより、疲労および弾性歪み双方における制約を有利に考慮することができ、これによりワイヤーボンド114の寿命を適切にすることができる。上記した潤滑流体を用いた場合、ダイ102の移動に対して減衰効果を得ることができ、これにより、機械的衝撃および振動に対する耐久性を高めることができ、その結果、ワイヤーボンド114の保護がさらに向上する。
【0022】
パッケージ100を組み立てるには、接着剤を用いずにダイ102を内部キャビティ部ベース108内に配置する。ダイ102と、ベース108の電気接点112との間において、ワイヤーボンド114を接続する。ワイヤーボンド接続の形成時においては、必要な空間120がダイ102の周囲に(例えば、表面118a〜118dに隣接して)得られるように空間内のダイ位置を維持することが重要であり、これにより、ワイヤーボンド接続が完了した際、環境露出時において内部キャビティ110内においてダイ102が移動したことに起因してワイヤーボンド114に過度な応力が付加されないか、または損傷を受けることがなくなる(例えば、前記ワイヤーボンドの遊びが十分となる)。典型的なワイヤー接合プロセスの場合、接合プロセス時において標的ダイをリジッド取り付けした場合においてプロセスが最良に機能する。ダイ102はベース108にリジッド取り付けされていないため、表面118a〜118dに隣接する隙間空間120に一時的固定具を挿入することで、ダイ102をワイヤー接合プロセス時において所定位置に一時的に保持することができる。ワイヤーボンド接続が完了した後、一時的固定具を全て取り外して、キャップ106のベース108への取り付けをキャップ106とダイ102との間の接着剤接合を用いることなく行うことができる。その後、格納体104内へのダイ102全体の収容を両者間の接着を用いることなく行う。その後、パッケージング応力および歪みに関連する問題を引き起こすことなく、格納体104のセンサーパッケージ内への配置を行う。
【0023】
キャップ106およびベース108を含む格納体104はプラスチック製であり得、上述した内部キャビティ特徴を得るように機械加工することができることが期待される。また、格納体104そのものをMEMSデバイスとしてダイ102と共に形成することも可能であるし、あるいはダイ102と別個のプロセスにおいて形成することも可能であることが期待される。他の任意の適切な材料およびプロセスを用いて、格納体104およびダイ102の作製を本発明の意図および範囲から逸脱することなく行うことができる。格納体104の形状は、図1〜図8に示すように円形にしてもよいし、あるいは用途に応じて他の任意の適切な形状にしてもよい。
【0024】
上述した例示的デバイスは、典型的なMEMSダイ取り付けに関連する望ましくない応力効果および歪み効果を解消しつつ、環境露出(例えば、振動、機械的衝撃、および温度変動)に適している。その結果、時間および温度と共に変化する、ダイに対する応力効果および歪み効果が緩和される。このような応力効果および歪み効果は、取り付け方法に起因して発生する。このようにして、取り付けの代わりにダイ封入を用いることで、例えばMEMS歪み負荷デバイスの高耐久化が可能となる。このように、歪み感知デバイスと封入構造との間の機械的連結または接着を無くすことにより、従来の技術と比較してMEMSデバイスの長期安定性が向上する。
【0025】
MEMS圧力センサーの例示において図示および記載を進めてきたが、当業者であれば、上述したパッケージング応力隔離のためのシステムおよび方法は、任意の適切なデバイスに適用することが可能であることを容易に理解する。例えば、上記のシステムおよび方法は、MEMSジャイロ、MEMS加速度計、電子チップ、またはパッケージング応力に起因する性能問題を抱えている他の任意の適切なデバイスに適用することができる。例えばMEMS加速度計の場合において、ダイと内部キャビティとの間の隙間の寸法を用途に合わせた寸法にする必要がある(例えば、前記内部キャビティ内におけるダイの任意の動きが測定されている加速に対して無視できるくらいにごく僅かとなるような寸法にする必要がある)。
【0026】
上記において記載および図示したような本発明の方法およびシステムにより、格納された半導体デバイスが提供される。このデバイスは、優れた特性を提供する(例えば、パッケージング応力緩和による、MEMS圧力センサーにおける精度および信頼性の向上)。本発明の装置および方法について好適な実施形態を参照しつつ図示および記載してきたが、当業者であれば、記載内容の変更および/または改変が本発明の意図および範囲から逸脱すること無く可能であることを容易に理解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスパッケージであって、
格納体であって、前記格納体が、内部キャビティおよび外部を複数の電気接点と共に規定し、前記複数の電気接点がそれぞれ、前記内部キャビティから前記外部へと延びる、格納体と、
前記内部キャビテイ内に複数のワイヤーボンドによって収容された半導体ダイであって、前記複数のワイヤーボンドが、前記半導体ダイを前記電気接点へと可撓的に接続させ、前記ワイヤーボンドのたわみにより調整された前記格納体に関して、前記半導体が前記格納体の前記内部キャビティ内を自由に移動することが可能となり、これにより、前記格納体と前記半導体間との間のパッケージング応力および歪みを軽減することが可能となる、半導体ダイと、
を含む、半導体デバイスパッケージ。
【請求項2】
前記内部キャビティが複数の内面を含み、前記半導体ダイが複数のダイ表面を含み、前記複数のダイ表面がそれぞれ、前記内部キャビティの前記内面それぞれに対向し、前記内部キャビティの各内面および前記ダイ表面が、相互に接触している場合であっても相互に移動できるように構成される、請求項1に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項3】
前記内部キャビティが複数の内面を含み、前記半導体ダイと前記内面との間に隙間空間が規定され、自由に相互移動している前記半導体ダイと前記内部キャビティの表面との間の任意の接触面を促進するために、前記隙間空間に潤滑流体が少なくとも部分的に充填される、請求項1に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項4】
前記半導体ダイの少なくとも3本の軸の並進運動が前記内部キャビティに対して可能となるのに十分な隙間が前記内部キャビティと前記半導体ダイとの間に形成される、請求項1に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項5】
前記隙間の寸法が、前記半導体ダイの外側格納フィーチャに対する位置および空間アライメントおよび配向を所定の程度で維持することで前記ワイヤーボンドを過度のたわみに起因する損傷から保護するために、3本の軸全てにおける前記内部キャビティに対して前記半導体ダイの移動が所定の程度まで制限できるような寸法である、請求項4に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項6】
前記格納体がキャップに取り付けられたベースを含み、前記ベースが、前記電気接点と、前記内部キャビティの少なくとも1つの表面とを含み、前記キャップが、前記内部キャビティの少なくとも1つの表面を含む、請求項1に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項7】
前記半導体ダイがMEMS圧力センサーを含み、前記格納体のベースおよびキャップのうち少なくとも1つはアパチャを含み、前記アパチャが、前記内部キャビティから内部を貫通して前記外部へと延び、前記アパチャが、前記MEMS圧力センサーへの雰囲気圧力の連通のためにダイヤフラムによって被覆される、請求項6に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項8】
半導体デバイスパッケージであって、
複数の電気接点により内部キャビティおよび外部を規定する格納体であって、前記複数の電気接点が、それぞれ、前記内部キャビティから前記外部へと延びる、格納体と、
複数の可撓性ワイヤーボンドを介して前記格納体の前記電気接点と電気通信する半導体ダイであって、前記ワイヤーボンドが、前記格納体と前記半導体ダイとの間の唯一の固定接続であり、前記ワイヤーボンドのたわみにより調整された前記格納体に関して、前記半導体が前記格納体の前記内部キャビティ内を自由に移動することが可能となり、これにより、前記格納体と前記半導体間との間のパッケージング応力および歪みが軽減される、半導体ダイと、
を含む、半導体デバイスパッケージ。
【請求項9】
前記内部キャビティが複数の内面を含み、前記半導体ダイが複数のダイ表面を含み、前記複数のダイ表面が、それぞれ、前記内部キャビティの前記内面にそれぞれ対向し、前記内部キャビティおよび前記ダイ表面の各内面が、相互に接触している場合であっても相互に移動できるように構成および適合される、請求項8に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項10】
前記内部キャビティが複数の内面を含み、前記半導体ダイと前記内面との間に隙間空間が画定され、自由に相互移動している前記半導体ダイと前記内部キャビティの表面との間の任意の接触面を促進するために、前記隙間空間に潤滑流体が少なくとも部分的に充填される、請求項8に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項11】
前記半導体ダイの少なくとも3本の軸の並進運動が前記内部キャビティに対して可能となるのに十分な隙間が前記内部キャビティと前記半導体ダイとの間に形成される、請求項8に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項12】
前記隙間の寸法が、前記半導体ダイの外側格納フィーチャに対する位置および空間アライメントおよび配向を所定の程度で維持することで前記ワイヤーボンドを過度のたわみに起因する損傷から保護するために、3本の軸全てにおける前記内部キャビティに対して前記半導体ダイの移動が所定の程度まで制限できるような寸法である、請求項11に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項13】
前記格納体がキャップに取り付けられたベースを含み、前記ベースが、前記電気接点と、前記内部キャビティの少なくとも1つの表面とを含み、前記キャップが、前記内部キャビティの少なくとも1つの表面を含む、請求項8に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項14】
前記半導体ダイがMEMS圧力センサーを含み、前記格納体のベースおよびキャップのうち少なくとも1つはアパチャを含み、前記アパチャが、前記内部キャビティから内部を貫通して前記外部へと延び、前記アパチャが、前記MEMS圧力センサーへの雰囲気圧力の連通のためにダイヤフラムによって被覆される、請求項13に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項15】
半導体デバイスパッケージであって、
複数の電気接点により内部キャビティおよび外部を規定する格納体であって、前記複数の電気接点が、それぞれ、前記内部キャビティから前記外部へと延びる、格納体と、
前記内部キャビティ内に収容された半導体ダイであって、前記半導体ダイが前記内部キャビティから取り外されており、かつ前記内部キャビティに接着されていない状態であり、これにより、前記格納体と前記半導体ダイとの間のパッケージング応力および歪みが緩和される、半導体ダイと、
を含む、半導体デバイスパッケージ。
【請求項16】
前記内部キャビティが複数の内面を含み、前記半導体ダイが複数のダイ表面を含み、前記複数のダイ表面が、それぞれ、前記内部キャビティの前記内面それぞれに対向し、前記内部キャビティの各内面および前記各ダイ表面は、相互に接触している場合であっても相互に移動できるように構成および適合される、請求項15に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項17】
前記内部キャビティが複数の内面を含み、前記半導体ダイと前記内面との間に隙間空間が規定され、自由に相互移動している前記半導体ダイと前記内部キャビティの表面との間の任意の接触面を促進するために、前記隙間空間に潤滑流体が少なくとも部分的に充填される、請求項15に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項18】
前記半導体ダイの少なくとも3本の軸の並進運動が前記内部キャビティに対して可能となるのに十分な隙間が前記内部キャビティと前記半導体ダイとの間に形成され、前記隙間の寸法が、前記半導体ダイの外側格納フィーチャに対する位置および空間アライメントおよび配向を所定の程度で維持することで前記ワイヤーボンドを過度のたわみに起因する損傷から保護するために、3本の軸全てにおける前記内部キャビティに対して前記半導体ダイの移動が所定の程度まで制限できるような寸法である、請求項15に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項19】
前記格納体が、キャップに取り付けられたベースを含み、前記ベースが、前記電気接点と、前記内部キャビティの少なくとも1つの表面とを含み、前記キャップが、前記内部キャビティの少なくとも1つの表面を含む、請求項15に記載の半導体デバイスパッケージ。
【請求項20】
前記半導体ダイがMEMS圧力センサーを含み、前記格納体のベースおよびキャップのうち少なくとも1つがアパチャを含み、前記アパチャが、前記内部キャビティから内部を貫通して前記外部へと延び、前記アパチャが、前記MEMS圧力センサーへの雰囲気圧力の連通のためにダイヤフラムによって被覆される、請求項15に記載の半導体デバイスパッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−89959(P2013−89959A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−226517(P2012−226517)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【出願人】(506283927)ローズマウント・エアロスペース・インコーポレーテッド (26)
【氏名又は名称原語表記】ROSEMOUNT AEROSPACE INC.