説明

非接触充電モジュール、携帯端末及び非接触充電器

【課題】磁性シート上のスリットを収納溝長手方向に対して斜めに形成し、磁性シートが破損しやすくなるのを困難にすることで、電力伝送特性に悪影響を与えてしまうことを防止し、かつ非接触充電モジュールの電力伝送効率を大きく低下させることを防止することができる非接触充電モジュール、携帯端末及び非接触充電器を提供することを目的とする。
【解決手段】平面コイル部2の導線の一部を収納する凹部33と、磁性シート3に柔軟性をもたせる複数の斜めスリット36とを備え、斜めスリット36は凹部33の長手方向に対して斜めに交差することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導線を巻回した平面コイル部と磁性シートとを有する非接触充電モジュール、携帯端末及び非接触充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、本体機器を充電器で非接触充電することのできるものが多く利用されている。これは、充電器側に送電用コイル、本体機器側に受電用コイルを配し、両コイル間に電磁誘導を生じさせることにより充電器側から本体機器側に電力を伝送するものである。そして、上記本体機器として携帯端末機器等を適用することも提案されている。
【0003】
この携帯端末機器等の本体機器や充電器に用いられる非接触充電モジュールは、薄型化や小型化が要望されるものである。この要望に応えるため、(特許文献1)のように、この種の非接触充電モジュールは送電用コイルや受電用コイルとしての平面コイル部と、磁性シートとを備えることが考えられる。また、磁性シートに関しては、(特許文献2)のようにスリットを入れて柔軟性を有するものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−42519号公報
【特許文献2】特許第4400509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(特許文献1)に記載の非接触充電モジュールに採用されている磁性シートは、平板状の磁性シートであり、柔軟性を備えていないという課題があった。このため、非接触充電モジュールの取り扱い方により、磁性シートが破損してしまい、電力伝送特性に悪影響を与えてしまう。
【0006】
このため、(特許文献2)に記載された、スリットを入れることで柔軟性を備えた磁性シートをこの種の非接触充電モジュールに搭載されることが検討されている。(特許文献2)に記載された磁性シートを非接触充電モジュールに採用すると、磁性シートは柔軟性を備えるようになるが、平面コイル部から引き出されたリード線を納めるために磁性シートに作られた収納溝の構成によっては逆に磁性シートが破損しやすくなり、電力伝送特性に悪影響を与えてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、磁性シート上の柔軟性を付与するスリットを収納溝の長手方向に対して斜めに形成し、磁性シートが破損しやすくなるのを防止することで、電力伝送特性に悪影響を与えてしまうことを防止し、かつ非接触充電モジュールの電力伝送効率を大きく低下させることを防止することができる非接触充電モジュール、携帯端末及び非接触充電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、導線が巻回された平面コイル部と、平面コイル部のコイル面を載置し、平面コイル部のコイル面に対向するように設けられた磁性シートと、磁性シートに設けられ、平面コイル部の巻き始めの点から磁性シートの端部にまで延び、平面コイル部の導線の一部を収納する凹部またはスリットと、磁性シートに柔軟性をもたせる複数の柔軟スリットとを備え、柔軟スリットは凹部またはスリットの長手方向と斜めに交差することを特徴とする非接触充電モジュールとした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、磁性シート上に柔軟スリットを備えることで磁性シートに柔軟性を付与させるとともに、磁性シート上の柔軟スリットを収納溝長手方向に対して斜めに形成し、磁性シートが破損しやすくなるのを防止することで、電力伝送特性に悪影響を与えてしまうことを防止し、かつ非接触充電モジュールの電力伝送効率を大きく低下させることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態における非接触充電モジュールの組立図
【図2】本発明の実施の形態における非接触充電モジュールの概念図
【図3】本発明の実施の形態における非接触充電モジュールの磁性シートの詳細図
【図4】本発明の実施の形態における非接触充電モジュールを備える非接触電力伝送機器を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態における非接触充電モジュールを備える非接触充電器の構成を示す図
【図6】本発明の実施の形態における非接触充電モジュールを備える携帯端末機器の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
請求項1に記載の発明は、導線が巻回された平面コイル部と、平面コイル部のコイル面を載置し、平面コイル部のコイル面に対向するように設けられた磁性シートと、磁性シートに設けられ、平面コイル部の巻き始めの点から磁性シートの端部にまで延び、平面コイル部の導線の一部を収納する凹部またはスリットと、磁性シートに柔軟性をもたせる複数の柔軟スリットとを備え、柔軟スリットは凹部またはスリットの長手方向と斜めに交差することを特徴とする非接触充電モジュールであって、磁性シート上に柔軟スリットを備えることで磁性シートに柔軟性を付与させるとともに、磁性シート上の柔軟スリットを収納溝長手方向に対して斜めに形成し、磁性シートが破損しやすくなるのを防止することで、電力伝送特性に悪影響を与えてしまうことを防止し、かつ非接触充電モジュールの電力伝送効率を大きく低下させることを防止することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、磁性シートはその形状が矩形であるとともに、その一辺が凹部またはスリットの長手方向に平行であることを特徴とする請求項1に記載の非接触充電モジュールであって、磁性シートの形状を平面コイルに合った矩形にしているために、非接触充電モジュールは必要最小限の大きさで構成することができ、その非接触充電モジュールを搭載する機器を小型化することができ、非接触充電モジュールを容易に配置させることができる。
【0013】
また、磁性シートの一辺が凹部またはスリットの長手方向に平行であるので、磁性シート内で占める凹部またはスリットの面積を少なくすることができ、非接触充電モジュールの伝送効率の低下を抑えることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、磁性シートの凹部またはスリットの長手方向に平行である辺の長さをa、凹部またはスリットの長手方向の長さをb、凹部またはスリットの幅をc、柔軟スリットが凹部またはスリットの長手方向に対して斜めに交差する角度をθとした時に、θがtan-1(c/(a−b))<θ<90°を満たすことを特徴とする請求項2に記載の非接触充電モジュールであって、凹部またはスリットの長手方向に対して斜めに交差する柔軟スリットの角度がtan-1(c/(a−b))<θ<90°を満たすようにさせることで、磁性シートを凹部またはスリットの長手方向を軸として折り曲げた場合でも、凹部またはスリットの溝と柔軟スリットとが互いに作用しあって磁性シートが破断しやすくなるのを防ぐことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、凹部またはスリットの長手方向と斜めに交わる複数の前記柔軟スリットの凹部またはスリットの幅方向の間隔長が、凹部またはスリットの幅よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の非接触充電モジュールであって、凹部またはスリットの幅方向の柔軟スリットの間隔を凹部またはスリットの幅より長くすることで、凹部またはスリットの幅方向の辺と柔軟スリットは最大でも2つとしか交わらず最小では1つも交わらず、磁性シートを凹部またはスリットの長手方向を軸にして折り曲げた場合でも柔軟スリットによる磁性シートへの破損加担の影響を最小限に抑えることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の非接触充電モジュールに備えられた平面コイル部を、送電用コイルまたは受電用コイルの少なくともいずれかひとつに用いたことを特徴とする非接触充電機器であって、磁性シート上に柔軟スリットを備えることで磁性シートに柔軟性を付与させるとともに、磁性シート上の柔軟スリットを収納溝長手方向に対して斜めに形成し、磁性シートが破損しやすくなるのを防止することで、電力伝送特性に悪影響を与えてしまうことを防止し、かつ非接触充電モジュールの電力伝送効率を大きく低下させることを防止することができ、非接触充電モジュールを搭載する非接触充電機器を小型化することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の非接触充電モジュールを備えたことを特徴とする非接触充電器であって、磁性シート上に柔軟スリットを備えることで磁性シートに柔軟性を付与させるとともに、磁性シート上の柔軟スリットを収納溝長手方向に対して斜めに形成し、磁性シートが破損しやすくなるのを防止することで、電力伝送特性に悪影響を与えてしまうことを防止し、かつ非接触充電モジュールの電力伝送効率を大きく低下させることを防止することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の非接触充電モジュールを備えたことを特徴とする携帯端末であって、磁性シート上に柔軟スリットを備えることで磁性シートに柔軟性を付与させるとともに、磁性シート上の柔軟スリットを収納溝長手方向に対して斜めに形成し、磁性シートが破損しやすくなるのを防止することで、電力伝送特性に悪影響を与えてしまうことを防止し、かつ非接触充電モジュールの電力伝送効率を大きく低下させることを防止することができる。
【0019】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態における非接触充電モジュールの組立図である。図2は、本発明の実施の形態における非接触充電モジュールの概念図であって、(a)は上面図、(b)は図2(a)のA−A´方向から見た断面図である。図3は、本発明の実施の形態における非接触充電モジュールの磁性シートの詳細図であって、(a)は上面図、(b)は収納溝が凹部構造時のB−B'断面図、(c)は収納溝がスリット構造時のB−B'断面図である。
【0020】
なお、図2においては、磁性シート3に設けられた凹部33とコイル21の導線の線径がかなり近い値であるが、実際は導線の線径が0.25〜0.35mm程度、凹部33の幅は1〜3mm程度、凹部33の深さは0.25〜0.5mm程度である。もちろん、この値に限られるものではない。
【0021】
また、本実施の形態ではコイル21から引き出されたリード線を収納する収納溝の形状を凹部で代表して説明しているが、溝が深さ方向に貫通したスリットであっても同様である。
【0022】
図1に示すとおり、本実施の形態の非接触充電モジュール1は、導線が渦巻き状に巻回された平面コイル部2と、平面コイル部2のコイル21の面に対向するように設けられた磁性シート3とを備える。
【0023】
平面コイル部2は、面上で渦を描くように径方向に向けて導電体を巻いたコイル21と、コイル21の両端に設けられた端子22、23を備える。コイル21は導線を平面上で平行に巻回したものであり、コイルによって形成された面をコイル面と呼ぶ。本実施の形態では、コイル21は直径が20mmの内径から外に向かって巻回され、外径が30mmとなっている。すなわち、コイル21はドーナツ形状に巻回されている。なお、コイル21は円形に巻回されてもよいし、多角形に巻回されてもよい。
【0024】
また、図2に示すように本実施の形態においては、コイル21の導線の断面は円形状としているが、矩形形状などの形状でもよい。ただし、断面が矩形状の導線と比較して円形状の導線とでは、隣り合う導線どうしの間に隙間が生じるため、導線間の浮遊容量が小さくなり、コイル21の交流抵抗を小さく抑えることができる。
【0025】
また、コイル21は厚さ方向に2段で巻回するよりも1段で巻回した方がコイル21の交流抵抗が低くなり、伝送効率を高くすることができる。これは、2段で導線を巻回すると、上段の導線と下段の導線との間に浮遊容量が発生するためである。従って、コイル21は全体を2段で巻回するよりも、本実施の形態のようになるべく多くの部分を1段によって巻回した方がよい。
【0026】
こうすることで、非接触充電モジュール1の電力伝送効率に寄与するコイル21のインダクタンスであるL値を向上させることができるとともに、1段で巻回することによって非接触充電モジュール1を薄型化させることができる。
【0027】
すなわち、コイル21の交流抵抗を低くすることでコイル21における損失を防ぎ、コイル21のインダクタンスであるL値を向上させることによってL値に依存する非接触充電モジュール1の電力伝送効率を向上させることができる。
【0028】
また、コイル21を構成する導線は単線の場合もあるが、複数線を並列に巻回し、その端部を半田などで接合することで1本の導線のようにしても良い。これにより、導線の断面積を増加(倍増)させ、流すことのできる電流を大きくすることができる。また、端部を接合される複数線は、磁性シート3に平行にお互いに隣り合っても良いし、垂直に隣り合って良い。これにより、断面積の大きい導線を1本使用するよりも、導線間距離を小さくでき、巻回数を増加してコイル21のL値を向上させたり、非接触充電モジュール1の薄型化が可能となる。
【0029】
本実施の形態においては、図2に示すコイル21の内側の内径Xは10mm〜20mmであり、外径Yは約30mmである。同じ設置面積を持つ非接触充電モジュール1においては内径Xが小さいほどコイル21のターン数を増やすことができ、L値を向上させることができる。
【0030】
なお、端子22、23はお互いに近接してもよく、離れて配置されてもよいが、近接して配置された方が端子の後処理がしやすく、非接触充電モジュール1は実装しやすい。
【0031】
磁性シート3は電磁誘導作用を利用した非接触充電の電力伝送効率を向上させるとともに磁性シート3裏面側への磁束漏れを低減するために設けたものであって、平坦部31と凹部33そして磁性シート3の柔軟性を持たせる斜めスリット36とを備える。
【0032】
斜めスリット36は、焼成前に磁性シート3の片面に複数の浅い切り込み(スリットではない)を入れ、焼成後に磁性シート3の両面にテープを貼り付け、切り込みを入れた面の反対側の面を加圧して割って作成される(斜めスリット36の詳細は後述する)。
【0033】
なお、斜めスリット36の形状は、溝状に形成するものであれば、いずれの形状であってもよく、例えば、U字状であってもよい。また、図2および図3において、斜めスリット36は他の部分よりも誇大して記載されているが、実際の斜めスリット36(磁性シート3の一方の表面に形成された溝部)の幅方向の寸法はコイル21の導線径のおよそ1/10程度である。
【0034】
また、磁性シート3の面は一面平坦になっているが、磁性シート3は必ずしも平坦である必要もなく、コイル21の中空部である内周円に対応する位置にある磁性シート3の一部が筒抜けであってもよいし凹型や凸型であってもよい。
【0035】
また、図2(a)にあるように、コイル21から引き出されたリード線を収納する溝である凹部33を設けることによって、コイル21の巻き終わりから端子23までの導線(図2(b)での黒丸に相当)を凹部33内に収納することができるので、薄型化することができる。すなわち、凹部33は磁性シート3の端部とほぼ垂直であり、コイル21の内周部の接線と重なるように形成される。
【0036】
このように凹部33を形成することによって、リード線は導線を90°以上折り曲げることなく端子23までストレートに引き出すことができる。なお、この場合、凹部33の長さは約5mm〜20mmである。ただし、凹部33の長さはコイル21の内径に依存する。
【0037】
また、凹部33は、磁性シート3の端部とコイル21の内周が最も近づく部分に形成してもよい。これによって、端子22や端子23まで引き出すリード線はともに導線を90°以上折り曲げることなく引き出すことができ、凹部33の形成面積を最低限に抑えることができ、非接触充電モジュール1の伝送効率の低下を抑えることができる。なお、この場合、凹部33の長さは約5mm〜10mmである。
【0038】
前述したように、コイル21はなるべく1段構造であることが望ましく、その場合、コイル21の半径方向のすべてのターンを1段構造とするか、1部を1段構造として他の部分を2段構造とすることが考えられる。従って、端子22、23のうち1方はコイル21外周から引き出すことができるが、他方は内側から引き出さなくてはならない。従って、コイル21が巻回されている部分と、足部24とが、必ず厚さ方向において重なってしまう。従って、その重なる部分に凹部33を設け、足部24をその中に収納すればよい。ここで足部24とは、コイル21の巻き終わりから端子22または23までの部分をいう。
【0039】
図2(a)に示すように、凹部33は、コイル21面の内周円の円周の接線に平行であって、コイル面の巻始めもしくは巻き終わりの点から磁性シート3の端部にまで伸びる直線状のものである。なお、凹部33またはスリット34はなるべく短い方がよく、最短距離になるように設けられることが好ましい。なお、コイル21面の内周円の円周の接線とは、凹部33はコイル21面の内周円から伸びており、凹部33がコイル21面の内周円に近づく場所における内周円の円周の接線である。このように凹部33を形成することによって、磁性シート3上で導線を折り曲げることなく端子22、23を形成することができる。すなわち、凹部33を設け、その凹部33に導線をはめ込むため、平坦部31から凹部33に向かって導線を厚み方向に屈折させなくてはならない。従って、導線が平坦部31から凹部33に向かってはめ込まれる部分において、磁性シート3上で導線を折り曲げることがないため、導線の強度を維持したまま薄型化を達成することができる。なお、この場合、凹部33の直線部の長さは約15mm〜20mmである。
【0040】
また、凹部33はコイル21面の内周円の円周の接線に平行であって、コイル21面の巻始めもしくは巻き終わりの点から磁性シート3の端部にまで最短距離で伸びる直線状のものであるので、磁性シート3内で占める凹部33の面積を少なくすることができ、非接触充電モジュール1の伝送効率の低下を抑えることができる。すなわち、凹部33を設けることで、磁性シート3の一部分が欠落、または薄くなってしまう。従って、凹部33から磁束が漏れ、非接触充電モジュール1の電力伝送効率が多少であるが低下する恐れがある。従って、凹部33の形成面積を最低限に抑えることで磁束の漏れを最小限に抑えて非接触充電装置の電力伝送効率を維持したまま、薄型化を達成することができる。
【0041】
また、コイル21は導線を円形に巻回して構成されるとともに磁性シート3の形状は矩形の一種である正方形である。すなわち、円形のコイル21に合った正方形の磁性シート3の形状にしているために、非接触充電モジュール1は必要最小限の大きさで構成することができ、その非接触充電モジュール1を搭載する機器を小型化することができ、非接触充電モジュール1を容易に配置させることができる。
【0042】
なお、コイル21は多角形状に巻回されてもよく、その場合、コイル21面の内側端部が形成する空間の形状またはその接線に平行であって、コイル面の巻始めもしくは巻き終わりの点から磁性シート3の端部にまで最短距離で伸びる直線状に凹部33を設けるとよい。
【0043】
また、磁性シート3に、コイル21面の内周円の円周の接線に垂直であって、コイル面の巻始めもしくは巻き終わりの点から磁性シート3の端部にまで最短距離で伸びる凹部33を形成してもよい。これによって、凹部33の形成面積を最低限に抑えることができ、非接触充電モジュール1の伝送効率の低下を抑えることができる。すなわち、凹部33を設けることで、磁性シート3の一部分が欠落、または薄くなってしまう。従って、凹部33から磁束が漏れ、非接触充電モジュール1の電力伝送効率が多少であるが低下する恐れがある。従って、凹部33の形成面積を最低限に抑えることで磁束の漏れを最小限に抑えて非接触充電装置の電力伝送効率を維持したまま、薄型化を達成することができる。なお、この場合、凹部33の直線部の長さは約5mm〜10mmである。なお、コイル21は多角形状に巻回されてもよく、その場合、コイル21面の内側端部が形成する空間の形状またはその接線に垂直であってもよいので、コイル21面の巻始めもしくは巻き終わりの点から磁性シート3の端部にまで最短距離で伸びる直線状に凹部33を設けるとよい。
【0044】
以上のことから、凹部33はコイル21と足部24とが重なりあう部分に設けられ、平坦部31上にはコイル21の面が設置される。なお、凹部33は、多少長くまたは短く設けられても良いが、少なくともコイル21と足部24とが重なりあう部分の80%以上はカバーできるようにしたほうが良い。
【0045】
なお、本実施の形態では凹部33はその長手方向に磁性シート3の底がある凹部構造になっているが、凹部構造に限らず底の無い、すなわち磁性シート3が切り抜かれたスリット構造であってもよい。しかし、凹部構造にしたほうが磁性シートの無い領域を少なくすることができるので、凹部33から磁束が漏れるのを防ぎ、非接触充電モジュール1の電力伝送効率が低下するのを抑えることができる。
【0046】
また、本実施の形態においては磁性シート3としてMn−Zn系のフェライトシート(焼結体)を使用している。他に、Ni−Zn系のフェライトシート、Mg−Zn系のフェライトシートおよびアモルファス金属の磁性シートなどを使うこともできる。なお、フェライトシートはアモルファス金属の磁性シートに比較してコイル21の交流抵抗を低下させることができる。
【0047】
磁性シート3は高飽和磁束密度材で作られているが、場合によっては高飽和磁束密度材と高透磁率材とを積層させても作られる。なお、高飽和磁束密度材と高透磁率材とを積層する場合でもしない場合でも、飽和磁束密度350mT以上、厚みは約300μmから700μmの高飽和磁束密度材を使用するとよい。
【0048】
磁性シート3の大きさは約33mm×33mmであり、磁性シート3の厚みは、高飽和磁束密度材の厚みは0.45mmであり、積層時には高透磁率材の厚みは0.15mmである。
【0049】
図3(a)に示すように、凹部33は磁性シート3の端部3aと略平行に、磁性シート3の端部3bからコイル21の内周円の円周上(図2参照)に向かって一直線状に延びている。すなわち、本実施の形態の磁性シート3は矩形であるので凹部33は矩形の磁性シート3の一方の一対の対向する端部3aの辺に平行であり、他方の一対の対向する端部3bの辺には垂直である。
【0050】
しかしながら、磁性シート3の形状は矩形に限定されず、円形、多角形など様々な形状が考えられる。従って、例えば磁性シート3の形状は多角形であり、凹部33はその一端が突き当たる辺に対して垂直であることによって、利用しやすい多角形の磁性シート3において凹部33の面積を最小限に抑えることができる。特に磁性シート3の形状が矩形の場合には、磁性シート3の一方の一対の対向する端部の辺に平行であり、他方の一対の対向する端部の辺には垂直であることによって、簡単に製造することができる矩形の磁性シート3において凹部33の面積を最小限に抑えることができる。
【0051】
本実施の形態では凹部33はその長手方向に磁性シート3の底がある凹部構造(図3(b)参照)になっているが、凹部構造に限らず底の無い、すなわち磁性シート3が切り抜かれたスリット構造(図3(c)参照)であってもよい。しかし、凹部構造にしたほうが磁性シート3の無い領域を少なくすることができるので、凹部33から磁束が漏れるのを防ぎ、非接触充電モジュール1の電力伝送効率が低下するのを抑えることができる。
【0052】
次に、図3(a)を用いて磁性シート3の凹部33と斜めスリット36との関係について詳細に説明する。
【0053】
磁性シート3には、図1、図2、および図3に示されるとおり、凹部33の長手方向に対して斜め左右の二方向に互いに略直角で略等間隔に斜めスリット36が設けられている。
【0054】
一般的に、磁性シート3に柔軟性をもたせるためのスリットは、例えば凹部33の長手方向に対して平行に設けられる。なぜならば、加工が難しいためである。凹部33の長手方向と柔軟性をもたせるためのスリットが斜めの関係であると、お互いが交わる点に鋭角の破片が形成される。すなわち、磁性シート3に柔軟性をもたせるためのスリットによって形成される磁性小片(セラミック小片)の形状が、例えば凹部33の長手方向と柔軟性をもたせるためのスリットが平行及び垂直の場合、セラミック小片の形状は長方形や正方形になる。その場合、外径の角部分が、90°程度であるので、鋭角が形成されない。そのため、セラミック小片ひとつひとつが破損しにくい。対して、凹部33の長手方向と柔軟性をもたせるためのスリットが斜めに交わる場合、必ずセラミック小片に鋭角部分が形成される。従って、セラミック小片の中には、破損しやすい小片が存在するため、加工が難しくなる。しかしながら、本願発明は凹部33の長手方向に対して斜め左右の二方向に互いに略直角で略等間隔に斜めスリット36とすることによって、下記のように効果を奏する。
【0055】
なお、この斜めスリット36は必ずしも斜め左右の二方向でなくてもよく、例えば一方向でもよいが、斜め左右の二方向にした場合のほうが磁性シート3の柔軟性をもつ方向を多くすることができる。
【0056】
また、この斜め左右の二方向の斜めスリット36は必ずしも略直角(約80〜100°)でなくてもよい(約30〜150°)が、磁性シート3の柔軟性を発揮させるには略直角であるほうがよい。
【0057】
なお、この磁性シート3の構成については、(特許文献2)に詳しく説明されている。
【0058】
ここで、図3を用いて凹部33と斜めスリット36の構成について詳細に説明する。磁性シート3の凹部33の長手方向に平行である端部3aの辺の長さをa、凹部33の長手方向の長さをb、凹部33の幅をcとし、斜めスリット36が凹部33の長手方向に対して斜めに交差(到達)する角度をθとした時に、斜めに交差する角度θがtan-1(c/(a−b))<θ<90°を満足するように角度θを設定する。なお、斜め左右の二方向の斜めスリット36ではそれぞれ角度向きの取り方は異なるが、同様な考え方で設定すればよい。
【0059】
斜めスリット36の構成する角度を上述したようにすることで、凹部33の長手方向の延長上で磁性シート3の端部3bの凹部33の幅に相当する部分(辺Cに平行な端部3bの部分すなわち辺Dに相当)から始まり凹部33方向へ延びる斜めスリット36は、辺Cとは交差しない。すなわち、例えば辺Dから始まる斜めスリット36は、辺Dが存在する磁性シートの端辺以外の端辺に到達し、辺Cには到達しない。対して、例えば辺Cに到達する斜めスリット36は、辺D以外の部分の磁性シート3の端部から始まる。
【0060】
したがって、凹部33の長手方向に延長した領域(図3で一点鎖線で囲まれた領域)内で辺Dから始まった斜めスリット36は凹部33の辺Cとは交わらないので、凹部33の長手方向と斜めスリット36の方向とをずらすことができる。すなわち、磁性シート3を凹部33の長手方向を軸として折り曲げた場合でも、凹部33の溝と斜めスリット36とが互いに作用しあって磁性シート3が破断しやすくなるのを防ぐことができる。すなわち、磁性シート3を構成する磁性小片(例えばセラミック小片)の一部が破損しやすくなるため加工が難しくなったとしても、凹部33の溝と斜めスリット36とが互いに作用しあって磁性シート3全体が大きく破断しやすくなるのを防ぐことができる。そして、磁性小片ひとつひとつが破損した場合よりも磁性シート3全体が破損した場合の方が磁性シート3の特性を大きく変化させ、磁性シート3からもれる平面コイル部2のもれ磁束が多くなる。そのため、本願発明は、このような問題を解決し、非接触充電モジュール1の特性が大きく変化することを防ぐことができる。
【0061】
本実施の形態では磁性シート3の柔軟性を備えるために、磁性シート3には間隔2mmで、凹部33の長手方向に対しての角度θが45°の角度で斜めの2方向にV字状の斜めスリット36が形成されている。
【0062】
斜めスリット36は、それぞれの方向(凹部33の長手方向に対して角度が45°または135°である方向)のスリットにおいてそれぞれ略同一の間隔で形成されており、2つの方向の斜めスリット36は互いに直交している。それによって、磁性シートに方向性が生じず、最も効果的である直交する2方向に柔軟性を有することになる。
【0063】
一方、凹部33の長手方向と斜めスリット36とは角度45°で斜めに交差しているので両者のスリットの延びている方向は一致しない。そのために、例えば凹部33の長手方向を軸にして磁性シート3を折り曲げた場合でも斜めスリット36の方向と一致していないので斜めスリット36によって折れ曲がって破損を加速させるという脆弱性を防ぐことができるし、逆に斜めスリット36の1方向を軸にして磁性シート3を折り曲げた場合でも凹部33の方向と一致していないので凹部33によって折れ曲がって破損を加速させるという脆弱性を防ぐことができる。
【0064】
ここで、凹部33の長手方向に対する2つの斜めスリット36の角度θは0°または180°でなければよいが、10°〜80°または100°〜170°、好ましくは30°〜60°または120°〜150°の範囲内の角度であり、磁性シート3の柔軟性を発揮させながらその破損を防止させるには角度が45°または135°であるのが特によい。
【0065】
なお、本実施の形態では凹部33の幅を2mm、斜めスリット36の凹部33の幅方向の間隔を2.2mmとしているが、凹部33の幅は約1〜3mm、斜めスリット36の間隔は約1.2〜6mm内で設定するとよい。
【0066】
このように、斜めスリット36の凹部33の幅方向の間隔を凹部33の幅より長くすることで、凹部33の辺Cと斜めスリット36は最大でも2つとしか交わらず最小では1つも交わらず、磁性シート3を凹部33の長手方向を軸にして折り曲げた場合でも斜めスリット36による磁性シート3への破損加担の影響を最小限に抑えることができる。
【0067】
次に、本発明の非接触充電モジュール1を備えた非接触充電機器について説明する。
【0068】
図4は、本発明の実施の形態における非接触充電モジュールを備える非接触電力伝送機器を示すブロック図である。なお、図4においては磁性シート3に斜めスリット36が入っているようには見えないが、非接触電力伝送機器を分かりやすく説明するために省いているのであって、本来は上記で説明した斜めスリット36を備える磁性シート3を備える。但し、1次側非接触充電モジュール41及び2次側非接触充電モジュール42の少なくとも1つに備えられれば良い。
【0069】
非接触電力伝送機器は、1次側非接触充電モジュール41(送信側非接触充電モジュール)と、2次側非接触充電モジュール42(受信側非接触充電モジュール)とから構成され、電磁誘導作用を利用して1次側非接触充電モジュール41から2次側非接触充電モジュール42に電力伝送が行われる。この非接触電力伝送機器は、約5W以下の電力伝送に使用される。また、電力伝送の周波数は約110〜205kHzである。1次側非接触充電モジュール41は例えば充電器に搭載され、2次側非接触充電モジュール42は例えば携帯電話、デジタルカメラ、PC等に搭載される。上記で説明した非接触充電モジュール1は、1次側非接触充電モジュール41と2次側非接触充電モジュール42との、どちらとしても採用することができる。
【0070】
1次側非接触充電モジュール41は、1次側コイル21a、磁性シート51、共振コンデンサ(図示せず)、電力入力部71を備えて構成される。電力入力部71は、外部電源としての商用電源300に接続されて100〜240V程度の電力供給を受け、所定電流1(直流12V、1A)に変換して1次側コイル21aに供給する。1次側コイル21aは、その形状、巻数及び供給を受けた電流に応じた磁界を発生させる。共振コンデンサは、1次側コイル21aに接続され、1次側コイル21aとの関係により1次側コイル21aから発生させる磁界の共振周波数を決定する。1次側非接触充電モジュール41から2次側非接触充電モジュール42に対する電磁誘導作用は、この共振周波数により行われる。
【0071】
一方、2次側非接触充電モジュール42は、2次側コイル21b、磁性シート52、共振コンデンサ(図示せず)、整流回路72、電力出力部82から構成される。2次側コイル21bは、1次側コイル21aから発生した磁界を受けて、その磁界を電磁誘導作用により所定電流2に変換して、整流回路72、電力出力部82を介して、2次側非接触充電モジュール42の外部に出力する。整流回路72は、交流電流である所定電流2を整流して直流電流である所定電流3(直流5V、1.5A)に変換する。また、電力出力部82は2次側非接触充電モジュール42の外部出力部であり、この電力出力部82を介して、2次側非接触充電モジュール42に接続される電子機器200に電力供給を行う。
【0072】
次に、1次側非接触充電モジュール41を非接触充電器に搭載する場合について説明する。
【0073】
図5は、本発明の実施の形態における非接触充電モジュールを備える非接触充電器の構成を示す図である。なお、図5に示す非接触充電器は、その内部が分かるように示したものである。また、図5においては1次側非接触充電モジュール41の磁性シートに斜めスリット36が入っているようには見えないが、非接触充電器を分かりやすく説明するために省いているのであって、本来は上記で説明した斜めスリット36を備える磁性シートを備える。
【0074】
電磁誘導作用を利用して電力を送信する非接触充電器400は、その外装を構成するケースの内部に1次側非接触充電モジュール41を有する。
【0075】
非接触充電器400は、屋内もしくは屋外に設置された商用電源300のコンセント301に差し込むプラグ401を有する。このプラグ401をコンセント301に差し込むことによって、非接触充電器400は商用電源300から電力供給を受けることができる。
【0076】
非接触充電器400は机上501に設置され、1次側非接触充電モジュール41は非接触充電器400の机面側とは反対側の面402の近傍に配置される。そして、1次側非接触充電モジュール41における1次側コイル21aの主平面を、非接触充電器400の机面側とは反対側の面402に平行に配置する。このようにすることで、2次側非接触充電モジュール42を搭載した電子機器の電力受信作業エリアを確保することができる。なお、非接触充電器400は壁面に設置されてもよく、この場合、非接触充電器400は壁面側とは反対側の面の近傍に配置される。
【0077】
また、1次側非接触充電モジュール41は、2次側非接触充電モジュール42との位置合わせに用いるマグネット30aを有する場合がある。この場合、1次側コイル21aの中央領域に位置する中空部に配置される。
【0078】
次に、2次側非接触充電モジュール42を携帯端末機器に搭載する場合について、説明する。
【0079】
図6は、本発明の実施の形態における非接触充電モジュールを備える携帯端末機器の構成を示す図であり、携帯端末機器を分解した場合の斜視図である。また、図6においては2次側非接触充電モジュール42の磁性シート52に斜めスリット36が入っているようには見えないが、携帯端末520を分かりやすく説明するために省いているのであって、本来は上記で説明した斜めスリット36を備える磁性シート52を備える。また、図6は分かりやすくするために2次側コイル21bが電池パック524側に配置されているように見えるが、実際は磁性シート52の方が電池パック524側に配置される。<
【0080】
携帯端末520は、液晶パネル521、操作ボタン522、基板523、電池パック524等で構成されている。電磁誘導作用を利用して電力を受信する携帯端末520は、その外装を形成する筐体525と筐体526の内部に2次側非接触充電モジュール42を有する携帯端末機器である。
【0081】
液晶パネル521、操作ボタン522が設けられた筐体525の裏面には、操作ボタン522から入力された情報を受信するともに必要な情報を液晶パネル521に表示して携帯端末520全体を制御する制御部を備える基板523が設けられている。また、基板523の裏面には電池パック524が設けられている。電池パック524は、基板523と接続されて基板523に電力供給を行う。
【0082】
更に、電池パック524の裏面、すなわち筐体526側には2次側非接触充電モジュール42が設けられている。2次側非接触充電モジュール42は、電磁誘導作用により1次側非接触充電モジュール41から電力供給を受け、その電力を利用して電池パック524を充電する。
【0083】
2次側非接触充電モジュール42は、2次側コイル21b、磁性シート52等から構成される。電力供給を受ける方向を筐体526側とする場合、筐体526側から順に2次側コイル21b、磁性シート52を配置すると、基板523と電池パック524の影響を軽減して電力供給を受けることができる。
【0084】
また、2次側非接触充電モジュール42は、1次側非接触充電モジュール41との位置合わせに用いるマグネット30bを有する場合がある。この場合、2次側コイル21bの中央領域に位置する中空部に配置される。これは、規格(WPC)によって、円形であること、直径が15.5mm以下であること等が定められている。マグネット30aはコイン形状をしており、その中心が1次側コイル21aの巻回中心軸と一致するように配置されなければならない。これは、1次側コイル21aに対するマグネット30aの影響を軽減させるためである。2次側非接触充電モジュール42に備えられたマグネット30bは、1次側コイル21a及び2次側コイル21b双方のL値を低下させてしまう。
【0085】
2次側非接触充電モジュール42がマグネット30bを有する場合、マグネット30bを配置する1番目の方法として、マグネット30bを磁性シート52の中心部32bの上面に配置する方法がある。また、マグネット30bを配置する2番目の方法として、マグネット30bを磁性シート52の中心部32bの代わりに配置する方法がある。2番目の方法では、マグネット30bが2次側コイル21bの中空領域に配置されるため、2次側非接触充電モジュール42を小型化できる。
【0086】
なお、1次側非接触充電モジュール41と2次側非接触充電モジュール42の位置合わせにマグネットを利用しない場合は、マグネット30bは必要ない。
【0087】
本実施の形態の非接触充電機器は、上記で説明した非接触充電モジュールを備えるため、平面コイル部の断面積を十分に確保して電力伝送効率を向上させた状態で、非接触充電機器を小型化及び薄型化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の非接触充電モジュールによれば、スリットの入った柔軟性を有する磁性シートを採用することによって磁性シートが破損してしまい電力伝送特性に悪影響を与えてしまうことを防止し、かつ非接触充電モジュールの電力伝送効率を大きく低下させることを防止することができるため、携帯電話、携帯用のコンピュータなどの携帯端末、ビデオカメラなどの携帯機器などの様々な電子機器の非接触充電モジュールとして有用である。
【符号の説明】
【0089】
1 非接触充電モジュール
2 平面コイル部
21 コイル
21a 1次側コイル
21b 2次側コイル
22、23 端子
24 足部
3 磁性シート
3a、3b 端部
30a マグネット(1次側)
30b マグネット(2次側)
31 平坦部
33 凹部
36 斜めスリット
41 1次側非接触充電モジュール(送信側非接触充電モジュール)
42 2次側非接触充電モジュール(受信側非接触充電モジュール)
51 磁性シート(1次側)
52 磁性シート(2次側)
71 電力入力部
72 整流回路
82 電力出力部
200 電子機器
300 商用電源
301 コンセント
400 非接触充電器
401 プラグ
402 面
501 机上
520 携帯端末
521 液晶パネル
522 操作ボタン
523 基板
524 電池パック(電力保持部)
525、526 筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導線が巻回された平面コイル部と、
前記平面コイル部のコイル面を載置し、前記平面コイル部のコイル面に対向するように設けられた磁性シートと、
前記磁性シートに設けられ、前記平面コイル部の巻き始めの点から前記磁性シートの端部にまで延び、前記平面コイル部の導線の一部を収納する凹部またはスリットと、
前記磁性シートに柔軟性をもたせる複数の柔軟スリットと、を備え、
前記柔軟スリットは、前記凹部またはスリットの長手方向に対して斜めに交差することを特徴とする非接触充電モジュール。
【請求項2】
前記磁性シートは、その形状が矩形であるとともに、その一辺が前記凹部またはスリットの長手方向に平行であることを特徴とする請求項1に記載の非接触充電モジュール。
【請求項3】
前記磁性シートの前記凹部またはスリットの長手方向に平行である辺の長さをa、前記凹部またはスリットの長手方向の長さをb、前記凹部またはスリットの幅をc、前記柔軟スリットが前記凹部またはスリットの長手方向に対して斜めに交差する角度をθとした時に、前記θがtan-1(c/(a−b))<θ<90°を満たすことを特徴とする請求項2に記載の非接触充電モジュール。
【請求項4】
前記凹部またはスリットの長手方向と斜めに交わる複数の前記柔軟スリットの前記凹部またはスリットの幅方向の間隔長が、前記凹部またはスリットの幅よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の非接触充電モジュール。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の非接触充電モジュールを備えたことを特徴とする非接触充電器。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の非接触充電モジュールを備えたことを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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