非接触光書き込み装置
【課題】安価で既に記録されているラインの記録の一部を消去状態することが無く記録の品質を向上すること。
【解決手段】半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRの主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向の下流側に遮光部材10を設け、現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の少なくとも中温度になる領域gにおける半導体レーザビームRを遮光する。
【解決手段】半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRの主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向の下流側に遮光部材10を設け、現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の少なくとも中温度になる領域gにおける半導体レーザビームRを遮光する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばサーマルヘッド等の加熱装置を直接接触することなく、非接触で感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな感熱記録媒体に対して非接触で情報記録を行う非接触光書き込み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロイコ染料系、ジアゾ化合物系感熱材料を利用した感熱記録方式や、特定温度で発色と消色とを繰り返すことを可能とする可逆性の感熱記録紙等の感熱記録媒体が存在する。この感熱記録紙は、例えば複数の発熱体素子を配列して成るライン状のサーマルヘッド等の加熱装置を用いて加熱されて発色、消色される。このような感熱記録紙に対する記録方式は、例えばサーマルヘッド等の記録ヘッドを直接接触させる方式が主流となっている。
【0003】
かかる感熱記録紙を用いた情報記録の技術としては、例えば特許文献1がある。この特許文献1は、可逆性感熱記録媒体の画像の書き換えの際に、残像(発色むら)の無い良好な記録画像を得る初期化方法及び書き換え方法並びにその装置に関し、加熱温度又は加熱後の冷却速度の違いにより発色又は消色する可逆性感熱記録媒体の全面或いは記録領域をサーマルヘッドにより発色温度に加熱して発色させて記録層を均一化する操作を施すことを開示する。
このようなサーマルヘッドを用いた記録方式は、サーマルヘッドと感熱記録紙とを接触させるために、感熱記録紙の保護層を傷付けるおそれがある。このため、感熱記録紙に情報を記録するリトライ回数が本来期待されるリトライ回数に達しないことがある。
【0004】
このような実情によりレーザ光源を用いて感熱記録媒体に非接触で情報の記録を行う方法が提案されている。レーザ光源を用いた記録方法には、例えば次の2方法がある。図6は第1の記録方法を示す。この第1の記録方法は、例えばレーザプリンタ等で使用される。半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRをポリゴンミラー2に照射し、このポリゴンミラー2の回転によって半導体レーザビームRを感熱記録媒体3の主スキャン方向aにスキャンする。このとき、感熱記録媒体3は、副スキャン方向bに搬送されているので、感熱記録媒体3の記録面の2次元面上に情報が記録される。
【0005】
図7は第2の記録方法を示す。この第2の記録方法は、複数の半導体レーザ等のレーザ光源をライン状に配列したライン光源4を感熱記録媒体3の上方で主スキャン方向aに沿って配置し、このライン光源4から出力された複数の半導体レーザビームを感熱記録媒体3の記録面上に照射する。このとき、感熱記録媒体3は、副スキャン方向bに搬送されているので、感熱記録媒体3の記録面の2次元面上に情報が記録される。
【0006】
可逆性の感熱記録媒体3は、特定温度の加熱制御により発色と消色とを繰り返し、感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな可逆性の媒体である。図8は感熱記録媒体3の発色、消去特性を示す。この感熱記録媒体3は、例えば融点180℃以上をかけると印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して発色する。一方、感熱記録媒体3は、ゆっくり冷却すると、染料と顕色剤とがそれぞれ結晶化するので、発色状態を保てず、消去状態になる。さらに、感熱記録媒体3は、染料と顕色剤との融点以下でもある一定時間の加熱により染料と顕色剤とが徐々に分離して結晶化し、消去状態となる温度域、例えば約130℃〜170℃程度もある。このように感熱記録媒体3は、温度と時間とを厳密にコントロールして印字・消去を行う。
【特許文献1】特開2001−341429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、第1の記録方法のように半導体レーザビームRをポリゴンミラー2等により感熱記録媒体3の主スキャン方向aにスキャンする場合、感熱記録媒体3の記録面上において例えば図9に示すように現ラインを記録することにより、既に記録済みの前ラインの一部を消去してしまう。すなわち、感熱記録媒体3上には、例えば半導体レーザビームRが主スキャン方向aにスキャンされ、かつ感熱記録媒体3の副スキャン方向bへの搬送により複数ラインLnの記録が行われる。例えば1ライン目L1の記録が行われた後、2ライン目L2の記録を行う場合、既に記録済みの前ラインである1ライン目L1の記録の一部を消去してしまい消去エリアe1が生じる。同様に、2ライン目L2の記録が行われた後、3ライン目L3の記録を行う場合、既に記録済みの前ラインである2ライン目L2の記録の一部を消去してしまい消去エリアe2が生じる。
【0008】
このように各消去エリアe1〜en−1が生じるのは、半導体レーザ等のレーザ光源1から出力される半導体レーザビームRのプロファイルが図10に示すようなガウス分布を形成しているからである。例えばレーザ光源1の発光中央部は、光量が多く、感熱記録媒体3を加熱しやすい。一方、レーザ光源1の発光端部は、光量が少なく、感熱記録媒体3を加熱しにくい。このようなレーザ光源1から出力される半導体レーザビームRを感熱記録媒体3に走査して記録を行うと、1ライン目L1の記録のときには、半導体レーザビームRにおけるガウス分布の中央部によって正常な記録が得られる。
【0009】
しかしながら、2ライン目L2の記録のとき、1ライン目L1の記録は、既に発色状態すなわち記録完了にある。従って、図11に示すように2ライン目L2の記録のとき、半導体レーザビームRにおけるガウス分布の端部が1ライン目L1の記録の一部に照射され、既に発色状態すなわち記録完了にある1ライン目L1の記録の一部を消去状態にし、記録を消去してしまう。同様に、3ライン目L3以降の記録のときも、前ライン目L2の記録の一部を消去してしまう。
一方、第2の記録方法は、複数のレーザ光源をライン状に配列したライン光源4を用いるためにコスト高になる。
【0010】
本発明の目的は、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態することが無く記録の品質を向上できる安価な非接触光書き込み装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、少なくとも感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を搬送すると共に、感熱記録媒体上における搬送方向に対して垂直方向にレーザビームをスキャンして感熱記録媒体に情報を記録する非接触光書き込み装置において、レーザビームのスキャン位置よりも搬送方向の下流側に設けられ、感熱記録媒体上にスキャンされるレーザビームの照射領域のうち感熱記録媒体が少なくとも消去状態となる領域に照射されるレーザビームの一部を遮光する遮光部材を具備する非接触光書き込み装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態することが無く記録の品質を向上できる安価な非接触光書き込み装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図6と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図1は非接触光書き込み装置の構成図を示す。感熱記録媒体3の記録面の上方には、遮光部材10が設けられている。この遮光部材10は、半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRの主スキャン位置よりも感熱記録媒体3の搬送方向の下流側に設けられている。又、遮光部材10は、感熱記録媒体3の記録面の僅か上方の高さ位置に配置される。この遮光部材10と感熱記録媒体3の記録面との高さ間隔は、主スキャンされたときの半導体レーザビームRが回折して遮光部材10と感熱記録媒体3の記録面との隙間に入り込まない程度に設定される。又、遮光部材10は、半導体レーザビームRの主スキャン方向aに沿った直線状の縁部11を有する板状に形成されている。
【0014】
この遮光部材10は、図2に示すように感熱記録媒体3の記録面上に現在主スキャンされる半導体レーザビームRの照射領域のうち感熱記録媒体3が少なくとも消去状態となる領域に照射される半導体レーザビームの一部を遮光する。すなわち、半導体レーザビームRは、ガウス分布のレーザパワーを有する。これにより、半導体レーザビームRを感熱記録媒体3の記録面上に照射すると、感熱記録媒体3の記録面上には、図3に示すように半導体レーザビームRの中心部でレーザパワーが大きく発色状態の高温度(例えば融点180℃)になる領域fと、この領域fの外環で消去状態の中温度(例えば約130℃〜170℃程度)になる領域gと、この領域gの外環で感熱記録媒体3の記録面上に変化のない中温度以下の領域hとを生じる。なお、図2は半導体レーザビームRの照射により発色状態の高温度になる領域fを実線により示し、消去状態の中温度になる領域gを点線により示す。
【0015】
従って、遮光部材10は、現在の半導体レーザビームRの主スキャン位置Qにおいて、半導体レーザビームRの一部、すなわち半導体レーザビームRのうち消去状態の中温度になる領域gの半導体レーザビームRを遮光する。すなわち、遮光部材10は、半導体レーザビームRの現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の中温度になる領域gの半導体レーザビームR、すなわち感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域E側の半導体レーザビームRを遮光する。実際に遮光部材10は、中温度になる領域gと中温度以下の領域hとにおける半導体レーザビームRを遮光する。
【0016】
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
半導体レーザ等のレーザ光源1は、半導体レーザビームRを出力する。この半導体レーザビームRは、ポリゴンミラー2に照射される。このポリゴンミラー2は、回転し、半導体レーザビームRを感熱記録媒体3の主スキャン方向aにスキャンする。感熱記録媒体3は、例えば一定の搬送速度で副スキャン方向bに搬送されているので、感熱記録媒体3の記録面の2次元面上に情報が記録される。
【0017】
ここで、半導体レーザビームRを感熱記録媒体3の主スキャン方向aにスキャンするとき、遮光部材10は、半導体レーザビームRの主スキャン位置よりも感熱記録媒体3の搬送方向の下流側、すなわち感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域E側に設けられている。具体的には、遮光部材10の直線状の縁部11が現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側にあって、発色状態の高温度(例えば融点180℃)になる領域fと中温度(例えば約130℃〜170℃程度)になる領域gとの境界上に配置されている。これにより、遮光部材10は、現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の中温度になる領域gの半導体レーザビームR、すなわち感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域E側の半導体レーザビームRを遮光する。実際に遮光部材10は、中温度になる領域gと中温度以下の領域hとにおける半導体レーザビームRを遮光する。これら感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の中温度になる領域g及び中温度以下の領域hは、感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域Eである。
【0018】
このとき遮光部材10は、感熱記録媒体3の記録面の僅か上方の高さ位置に配置されているので、主スキャンされたときの半導体レーザビームRが回折して遮光部材10と感熱記録媒体3の記録面との隙間に入り込まない。
【0019】
しかるに、感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域Eに半導体レーザビームRのうち消去状態の中温度になる領域gの半導体レーザビームRが照射されることが無くなり、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態にすることが無い。
【0020】
このように上記第1の実施の形態によれば、半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRの主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向の下流側に遮光部材10を設け、現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の少なくとも中温度になる領域gにおける半導体レーザビームRを遮光する。これにより、感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域Eに半導体レーザビームRのうち消去状態の中温度(例えば約130℃〜170℃程度)になる領域gの半導体レーザビームRが照射されることが無くなり、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態にすることが無く、記録の品質を向上できる。その上、板状の遮光部材10を設けるだけなので、安価である。
【0021】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図4は非接触光書き込み装置の構成図を示す。遮光部材10における直線状の縁部11の一方の端部には、レーザセンサ20が設けられている。このレーザセンサ20は、ポリゴンミラー2によって主スキャンされる半導体レーザビームRを検出し、この半導体レーザビームRの受光量に応じたレーザ検出信号を出力する。なお、ポリゴンミラー2は、レーザセンサ20の配置位置まで半導体レーザビームRを主スキャンすることは言うまでもない。
【0022】
センサ出力モニタ21は、レーザセンサ20から出力されるレーザ検出信号を入力し、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量をモニタ出力する。
マスクシート位置調整機構22は、遮光部材10を感熱記録媒体3の搬送速度すなわち半導体レーザビームRの副スキャン方向bに沿った矢印c方向である感熱記録媒体3の搬送方向の上流側Uと下流側Dとの各方向に移動可能とする。このマスクシート位置調整機構22は、モータ等の駆動部23の駆動によって遮光部材10を移動する。
【0023】
位置制御部24は、センサ出力モニタ21からレーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量を受け取り、この受光量が予め設定された基準受光量内にあるか否かを判断し、基準受光量内にあれば現在の遮光部材10の位置を維持する。ここで、基準受光量は、半導体レーザビームRにおける感熱記録媒体3の記録面上に照射したときの温度が中温度になる領域g及び中温度以下の領域hに相当する半導体レーザビームRを受光したときの受光量である。従って、遮光部材10が感熱記録媒体3の搬送方向の上流側Uにずれると、レーザセンサ20は、半導体レーザビームRにおける発色状態の高温度になる領域fを受光するようになるので、受光量は基準受光量を超える。一方、遮光部材10が感熱記録媒体3の搬送方向の下流側Dにずれると、レーザセンサ20は、半導体レーザビームRにおける中温度以下の領域hを多く受光するようになるので、受光量は基準受光量を下回る。
【0024】
しかるに、位置制御部24は、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量が基準受光量を超えれば、遮光部材10が感熱記録媒体3の搬送方向の上流側Uにずれているので、遮光部材10を感熱記録媒体3の搬送方向の下流側Dに移動させる制御信号を駆動部23に送出する。又、位置制御部24は、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量が基準受光量を下回れば、遮光部材10が感熱記録媒体3の搬送方向の下流側Dにずれているので、遮光部材10を感熱記録媒体3の搬送方向の上流側Uに移動させる制御信号を駆動部23に送出する。
【0025】
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
上記第1の実施の形態と同様に、半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRは、ポリゴンミラー2によって感熱記録媒体3の主スキャン方向aにスキャンされ、かつ遮光部材10によって感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域E側の半導体レーザビームRが遮光されて感熱記録媒体3の記録面上に照射され、感熱記録媒体3の記録面の2次元面上に情報が記録される。
【0026】
このとき、レーザセンサ20は、ポリゴンミラー2によって主スキャンされる半導体レーザビームRを検出し、この半導体レーザビームRの受光量に応じたレーザ検出信号を出力する。センサ出力モニタ21は、レーザセンサ20から出力されるレーザ検出信号を入力し、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量をモニタ出力する。
【0027】
位置制御部24は、センサ出力モニタ21からレーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量を受け取り、この受光量が予め設定された基準受光量内にあるか否かを判断する。この判断の結果、基準受光量内にあれば、位置制御部24は、現在の遮光部材10の位置を維持する。
【0028】
一方、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量が基準受光量を超えれば、遮光部材10が搬送方向の上流側Uにずれているので、位置制御部24は、遮光部材10を感熱記録媒体3の搬送方向の下流側Dに移動させる制御信号を駆動部23に送出する。これにより、遮光部材10は、マスクシート位置調整機構22によって矢印c方向のうち感熱記録媒体3の搬送方向の下流側Dに移動する。この遮光部材10の移動によってレーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量は、基準受光量内に入るようになる。そうすると、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量は予め設定された基準受光量内に入り、位置制御部24は、遮光部材10の位置を維持する。
【0029】
又、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量が基準受光量を下回れば、遮光部材10が感熱記録媒体3の搬送方向の下流側Dにずれているので、位置制御部24は、遮光部材10を搬送方向の上流側Uに移動させる制御信号を駆動部23に送出する。これにより、遮光部材10は、マスクシート位置調整機構22によって矢印cのうち感熱記録媒体3の搬送方向の上流側Uに移動する。この遮光部材10の移動によってレーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量は、基準受光量内に入るようになる。そうすると、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量は予め設定された基準受光量内に入り、位置制御部24は、遮光部材10の位置を維持する。
【0030】
この結果、遮光部材10の位置は、センサ出力モニタ21からレーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量が予め設定された基準受光量内になる位置に制御される。しかるに、感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域Eに半導体レーザビームRのうち消去状態の中温度になる領域gの半導体レーザビームRが照射されることが無くなり、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態にすることが無い。
【0031】
このように上記第2の実施の形態によれば、遮光部材10における直線状の縁部11の一方の端部にレーザセンサ20を設け、このレーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量に応じて遮光部材10を感熱記録媒体3の搬送方向の上流側U又は下流側Dに移動制御する。これにより、遮光部材10が感熱記録媒体3の搬送方向の上流側U又は下流側Dに位置ずれすることはなく、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態にすることなく、感熱記録媒体3の記録面の2次元面上への情報記録の信頼性を向上できる。
【0032】
又、レーザセンサ20、センサ出力モニタ21、マスクシート位置調整機構22、駆動部23及び位置制御部24は、一体化して遮光部材の位置調整装置を別途構成することが可能である。かかる遮光部材の位置調整装置を例えば本装置の製造工程に用い、遮光部材10の位置を現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の少なくとも中温度になる領域gにおける半導体レーザビームRを遮光する位置に調整して固定し、この後に、本装置を出荷することができる。
【0033】
又、かかる遮光部材の位置調整装置を例えば本装置に組み込むことも可能である。本装置に組み込めば、例えば定期的に遮光部材10の位置を現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の少なくとも中温度になる領域gにおける半導体レーザビームRを遮光する位置に調整できる。
さらに、半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRは、経年変化によりレーザパワーが減少し、これに伴ってガウス分布が変化、すなわち発色状態の高温度になる領域fや中温度になる領域g、中温度以下の領域hの大きさが変化する。このように中温度になる領域gが変化しても、この変化に応じて現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の少なくとも中温度になる領域gにおける半導体レーザビームRを遮光する位置に遮光部材10を調整できる。
なお、遮光部材10の位置の調整は、マスクシート位置調整機構22を用いて自動的に行うのに限らず、例えばマイクロメータを用いて作業員の手作業によって行ってもよい。
【0034】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図5は非接触光書き込み装置の構成図を示す。搬送速度センサ30は、搬送機構に設けられ、感熱記録媒体3の副スキャン方向bへの搬送速度を検出し、搬送速度検出信号を出力する。
傾斜機構31は、遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを可変する。
傾斜角度制御部32は、搬送速度センサ30から出力された搬送速度検出信号を入力し、感熱記録媒体3の搬送速度に応じて傾斜機構31による遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを制御する制御信号を傾斜機構31に送出する。すなわち、感熱記録媒体3の副スキャン方向bへの搬送速度が高速化した場合、半導体レーザビームRを主スキャン方向aにスキャンすると、実際の感熱記録媒体3の記録面上に主スキャンされる半導体レーザビームRの軌跡は、主スキャン方向aに対して感熱記録媒体3の搬送速度に応じた傾斜角度αを有するものとなる。
【0035】
このような構成であれば、上記第1の実施の形態と同様に、半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRを感熱記録媒体3の主スキャン方向aにスキャンして感熱記録媒体3の記録面に情報を記録中に、搬送速度センサ30は、搬送機構に設けられ、感熱記録媒体3の副スキャン方向bへの搬送速度を検出し、搬送速度検出信号を出力する。傾斜角度制御部32は、搬送速度センサ30から出力された搬送速度検出信号を入力し、感熱記録媒体3の搬送速度に応じて遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを制御する制御信号を傾斜機構31に送出する。この傾斜機構31は、傾斜角度制御部32からの制御信号を入力して遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを可変する。この傾斜角度αは、感熱記録媒体3の搬送速度が速くなるに従って大きく制御される。
【0036】
このように上記第3の実施の形態によれば、感熱記録媒体3の搬送速度に応じて遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを制御するので、感熱記録媒体3の搬送速度が高速化し、実際の感熱記録媒体3の記録面上に主スキャンされる半導体レーザビームRの軌跡が主スキャン方向aに対して傾斜角度αを生じても、この傾斜角度αに応じて遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを制御でき、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態にすることなく、感熱記録媒体3の記録面の2次元面上への情報記録の信頼性を向上できる。
【0037】
本実施の形態は、感熱記録媒体3の搬送速度に応じて遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを制御しているが、感熱記録媒体3の搬送速度が予め一定に設定されていれば、この搬送速度に応じた傾斜角度αに遮光部材10を固定配置してもよい。この場合、搬送速度センサ30、傾斜機構31及び傾斜角度制御部32は、設ける必要がない。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
レーザセンサ20は、遮光部材10における直線状の縁部11の一方の端部に設けられているが、これに限らず、直線状の縁部11の両端部に設けてもよい。直線状の縁部11の両端部にそれぞれ各レーザセンサ20を設けた場合、これらレーザセンサ20により検出される各受光量が共に予め設定された基準受光量内になるように遮光部材10の位置を制御する。
【0039】
又、図4に示す第2の実施の形態と図5に示す第3の実施の形態とを組み合わせ、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量に応じて遮光部材10を感熱記録媒体3の搬送方向の上流側U又は下流側Dに移動制御し、かつ感熱記録媒体3の搬送速度に応じて遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る非接触光書き込み装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置における遮光部材により遮光する半導体レーザビームを示す模式図。
【図3】同装置における半導体レーザビームの遮光する領域を示す図。
【図4】本発明に係る非接触光書き込み装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図5】本発明に係る非接触光書き込み装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図6】従来におけるレーザ光源を用いた感熱記録媒体への第1の記録方法を示す図。
【図7】従来におけるレーザ光源を用いた感熱記録媒体への第2の記録方法を示す図。
【図8】感熱記録媒体の記録・消去特性を示す図。
【図9】従来において感熱記録媒体に生じる消去エリアを示す図。
【図10】半導体レーザビームのガウス分布を示す図。
【図11】各ラインのスキャンによるレーザビームにおけるガウス分布と消去状態の部分との関係を示す図。
【符号の説明】
【0041】
1:半導体レーザ等のレーザ光源、2:ポリゴンミラー、3:感熱記録媒体、10:遮光部材、11:直線状の縁部、20:レーザセンサ、21:センサ出力モニタ、22:マスクシート位置調整機構、23:駆動部、24:位置制御部、30:搬送速度センサ、31:傾斜機構、32:傾斜角度制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばサーマルヘッド等の加熱装置を直接接触することなく、非接触で感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな感熱記録媒体に対して非接触で情報記録を行う非接触光書き込み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロイコ染料系、ジアゾ化合物系感熱材料を利用した感熱記録方式や、特定温度で発色と消色とを繰り返すことを可能とする可逆性の感熱記録紙等の感熱記録媒体が存在する。この感熱記録紙は、例えば複数の発熱体素子を配列して成るライン状のサーマルヘッド等の加熱装置を用いて加熱されて発色、消色される。このような感熱記録紙に対する記録方式は、例えばサーマルヘッド等の記録ヘッドを直接接触させる方式が主流となっている。
【0003】
かかる感熱記録紙を用いた情報記録の技術としては、例えば特許文献1がある。この特許文献1は、可逆性感熱記録媒体の画像の書き換えの際に、残像(発色むら)の無い良好な記録画像を得る初期化方法及び書き換え方法並びにその装置に関し、加熱温度又は加熱後の冷却速度の違いにより発色又は消色する可逆性感熱記録媒体の全面或いは記録領域をサーマルヘッドにより発色温度に加熱して発色させて記録層を均一化する操作を施すことを開示する。
このようなサーマルヘッドを用いた記録方式は、サーマルヘッドと感熱記録紙とを接触させるために、感熱記録紙の保護層を傷付けるおそれがある。このため、感熱記録紙に情報を記録するリトライ回数が本来期待されるリトライ回数に達しないことがある。
【0004】
このような実情によりレーザ光源を用いて感熱記録媒体に非接触で情報の記録を行う方法が提案されている。レーザ光源を用いた記録方法には、例えば次の2方法がある。図6は第1の記録方法を示す。この第1の記録方法は、例えばレーザプリンタ等で使用される。半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRをポリゴンミラー2に照射し、このポリゴンミラー2の回転によって半導体レーザビームRを感熱記録媒体3の主スキャン方向aにスキャンする。このとき、感熱記録媒体3は、副スキャン方向bに搬送されているので、感熱記録媒体3の記録面の2次元面上に情報が記録される。
【0005】
図7は第2の記録方法を示す。この第2の記録方法は、複数の半導体レーザ等のレーザ光源をライン状に配列したライン光源4を感熱記録媒体3の上方で主スキャン方向aに沿って配置し、このライン光源4から出力された複数の半導体レーザビームを感熱記録媒体3の記録面上に照射する。このとき、感熱記録媒体3は、副スキャン方向bに搬送されているので、感熱記録媒体3の記録面の2次元面上に情報が記録される。
【0006】
可逆性の感熱記録媒体3は、特定温度の加熱制御により発色と消色とを繰り返し、感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな可逆性の媒体である。図8は感熱記録媒体3の発色、消去特性を示す。この感熱記録媒体3は、例えば融点180℃以上をかけると印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して発色する。一方、感熱記録媒体3は、ゆっくり冷却すると、染料と顕色剤とがそれぞれ結晶化するので、発色状態を保てず、消去状態になる。さらに、感熱記録媒体3は、染料と顕色剤との融点以下でもある一定時間の加熱により染料と顕色剤とが徐々に分離して結晶化し、消去状態となる温度域、例えば約130℃〜170℃程度もある。このように感熱記録媒体3は、温度と時間とを厳密にコントロールして印字・消去を行う。
【特許文献1】特開2001−341429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、第1の記録方法のように半導体レーザビームRをポリゴンミラー2等により感熱記録媒体3の主スキャン方向aにスキャンする場合、感熱記録媒体3の記録面上において例えば図9に示すように現ラインを記録することにより、既に記録済みの前ラインの一部を消去してしまう。すなわち、感熱記録媒体3上には、例えば半導体レーザビームRが主スキャン方向aにスキャンされ、かつ感熱記録媒体3の副スキャン方向bへの搬送により複数ラインLnの記録が行われる。例えば1ライン目L1の記録が行われた後、2ライン目L2の記録を行う場合、既に記録済みの前ラインである1ライン目L1の記録の一部を消去してしまい消去エリアe1が生じる。同様に、2ライン目L2の記録が行われた後、3ライン目L3の記録を行う場合、既に記録済みの前ラインである2ライン目L2の記録の一部を消去してしまい消去エリアe2が生じる。
【0008】
このように各消去エリアe1〜en−1が生じるのは、半導体レーザ等のレーザ光源1から出力される半導体レーザビームRのプロファイルが図10に示すようなガウス分布を形成しているからである。例えばレーザ光源1の発光中央部は、光量が多く、感熱記録媒体3を加熱しやすい。一方、レーザ光源1の発光端部は、光量が少なく、感熱記録媒体3を加熱しにくい。このようなレーザ光源1から出力される半導体レーザビームRを感熱記録媒体3に走査して記録を行うと、1ライン目L1の記録のときには、半導体レーザビームRにおけるガウス分布の中央部によって正常な記録が得られる。
【0009】
しかしながら、2ライン目L2の記録のとき、1ライン目L1の記録は、既に発色状態すなわち記録完了にある。従って、図11に示すように2ライン目L2の記録のとき、半導体レーザビームRにおけるガウス分布の端部が1ライン目L1の記録の一部に照射され、既に発色状態すなわち記録完了にある1ライン目L1の記録の一部を消去状態にし、記録を消去してしまう。同様に、3ライン目L3以降の記録のときも、前ライン目L2の記録の一部を消去してしまう。
一方、第2の記録方法は、複数のレーザ光源をライン状に配列したライン光源4を用いるためにコスト高になる。
【0010】
本発明の目的は、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態することが無く記録の品質を向上できる安価な非接触光書き込み装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、少なくとも感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を搬送すると共に、感熱記録媒体上における搬送方向に対して垂直方向にレーザビームをスキャンして感熱記録媒体に情報を記録する非接触光書き込み装置において、レーザビームのスキャン位置よりも搬送方向の下流側に設けられ、感熱記録媒体上にスキャンされるレーザビームの照射領域のうち感熱記録媒体が少なくとも消去状態となる領域に照射されるレーザビームの一部を遮光する遮光部材を具備する非接触光書き込み装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態することが無く記録の品質を向上できる安価な非接触光書き込み装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図6と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図1は非接触光書き込み装置の構成図を示す。感熱記録媒体3の記録面の上方には、遮光部材10が設けられている。この遮光部材10は、半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRの主スキャン位置よりも感熱記録媒体3の搬送方向の下流側に設けられている。又、遮光部材10は、感熱記録媒体3の記録面の僅か上方の高さ位置に配置される。この遮光部材10と感熱記録媒体3の記録面との高さ間隔は、主スキャンされたときの半導体レーザビームRが回折して遮光部材10と感熱記録媒体3の記録面との隙間に入り込まない程度に設定される。又、遮光部材10は、半導体レーザビームRの主スキャン方向aに沿った直線状の縁部11を有する板状に形成されている。
【0014】
この遮光部材10は、図2に示すように感熱記録媒体3の記録面上に現在主スキャンされる半導体レーザビームRの照射領域のうち感熱記録媒体3が少なくとも消去状態となる領域に照射される半導体レーザビームの一部を遮光する。すなわち、半導体レーザビームRは、ガウス分布のレーザパワーを有する。これにより、半導体レーザビームRを感熱記録媒体3の記録面上に照射すると、感熱記録媒体3の記録面上には、図3に示すように半導体レーザビームRの中心部でレーザパワーが大きく発色状態の高温度(例えば融点180℃)になる領域fと、この領域fの外環で消去状態の中温度(例えば約130℃〜170℃程度)になる領域gと、この領域gの外環で感熱記録媒体3の記録面上に変化のない中温度以下の領域hとを生じる。なお、図2は半導体レーザビームRの照射により発色状態の高温度になる領域fを実線により示し、消去状態の中温度になる領域gを点線により示す。
【0015】
従って、遮光部材10は、現在の半導体レーザビームRの主スキャン位置Qにおいて、半導体レーザビームRの一部、すなわち半導体レーザビームRのうち消去状態の中温度になる領域gの半導体レーザビームRを遮光する。すなわち、遮光部材10は、半導体レーザビームRの現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の中温度になる領域gの半導体レーザビームR、すなわち感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域E側の半導体レーザビームRを遮光する。実際に遮光部材10は、中温度になる領域gと中温度以下の領域hとにおける半導体レーザビームRを遮光する。
【0016】
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
半導体レーザ等のレーザ光源1は、半導体レーザビームRを出力する。この半導体レーザビームRは、ポリゴンミラー2に照射される。このポリゴンミラー2は、回転し、半導体レーザビームRを感熱記録媒体3の主スキャン方向aにスキャンする。感熱記録媒体3は、例えば一定の搬送速度で副スキャン方向bに搬送されているので、感熱記録媒体3の記録面の2次元面上に情報が記録される。
【0017】
ここで、半導体レーザビームRを感熱記録媒体3の主スキャン方向aにスキャンするとき、遮光部材10は、半導体レーザビームRの主スキャン位置よりも感熱記録媒体3の搬送方向の下流側、すなわち感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域E側に設けられている。具体的には、遮光部材10の直線状の縁部11が現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側にあって、発色状態の高温度(例えば融点180℃)になる領域fと中温度(例えば約130℃〜170℃程度)になる領域gとの境界上に配置されている。これにより、遮光部材10は、現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の中温度になる領域gの半導体レーザビームR、すなわち感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域E側の半導体レーザビームRを遮光する。実際に遮光部材10は、中温度になる領域gと中温度以下の領域hとにおける半導体レーザビームRを遮光する。これら感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の中温度になる領域g及び中温度以下の領域hは、感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域Eである。
【0018】
このとき遮光部材10は、感熱記録媒体3の記録面の僅か上方の高さ位置に配置されているので、主スキャンされたときの半導体レーザビームRが回折して遮光部材10と感熱記録媒体3の記録面との隙間に入り込まない。
【0019】
しかるに、感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域Eに半導体レーザビームRのうち消去状態の中温度になる領域gの半導体レーザビームRが照射されることが無くなり、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態にすることが無い。
【0020】
このように上記第1の実施の形態によれば、半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRの主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向の下流側に遮光部材10を設け、現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の少なくとも中温度になる領域gにおける半導体レーザビームRを遮光する。これにより、感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域Eに半導体レーザビームRのうち消去状態の中温度(例えば約130℃〜170℃程度)になる領域gの半導体レーザビームRが照射されることが無くなり、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態にすることが無く、記録の品質を向上できる。その上、板状の遮光部材10を設けるだけなので、安価である。
【0021】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図4は非接触光書き込み装置の構成図を示す。遮光部材10における直線状の縁部11の一方の端部には、レーザセンサ20が設けられている。このレーザセンサ20は、ポリゴンミラー2によって主スキャンされる半導体レーザビームRを検出し、この半導体レーザビームRの受光量に応じたレーザ検出信号を出力する。なお、ポリゴンミラー2は、レーザセンサ20の配置位置まで半導体レーザビームRを主スキャンすることは言うまでもない。
【0022】
センサ出力モニタ21は、レーザセンサ20から出力されるレーザ検出信号を入力し、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量をモニタ出力する。
マスクシート位置調整機構22は、遮光部材10を感熱記録媒体3の搬送速度すなわち半導体レーザビームRの副スキャン方向bに沿った矢印c方向である感熱記録媒体3の搬送方向の上流側Uと下流側Dとの各方向に移動可能とする。このマスクシート位置調整機構22は、モータ等の駆動部23の駆動によって遮光部材10を移動する。
【0023】
位置制御部24は、センサ出力モニタ21からレーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量を受け取り、この受光量が予め設定された基準受光量内にあるか否かを判断し、基準受光量内にあれば現在の遮光部材10の位置を維持する。ここで、基準受光量は、半導体レーザビームRにおける感熱記録媒体3の記録面上に照射したときの温度が中温度になる領域g及び中温度以下の領域hに相当する半導体レーザビームRを受光したときの受光量である。従って、遮光部材10が感熱記録媒体3の搬送方向の上流側Uにずれると、レーザセンサ20は、半導体レーザビームRにおける発色状態の高温度になる領域fを受光するようになるので、受光量は基準受光量を超える。一方、遮光部材10が感熱記録媒体3の搬送方向の下流側Dにずれると、レーザセンサ20は、半導体レーザビームRにおける中温度以下の領域hを多く受光するようになるので、受光量は基準受光量を下回る。
【0024】
しかるに、位置制御部24は、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量が基準受光量を超えれば、遮光部材10が感熱記録媒体3の搬送方向の上流側Uにずれているので、遮光部材10を感熱記録媒体3の搬送方向の下流側Dに移動させる制御信号を駆動部23に送出する。又、位置制御部24は、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量が基準受光量を下回れば、遮光部材10が感熱記録媒体3の搬送方向の下流側Dにずれているので、遮光部材10を感熱記録媒体3の搬送方向の上流側Uに移動させる制御信号を駆動部23に送出する。
【0025】
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
上記第1の実施の形態と同様に、半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRは、ポリゴンミラー2によって感熱記録媒体3の主スキャン方向aにスキャンされ、かつ遮光部材10によって感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域E側の半導体レーザビームRが遮光されて感熱記録媒体3の記録面上に照射され、感熱記録媒体3の記録面の2次元面上に情報が記録される。
【0026】
このとき、レーザセンサ20は、ポリゴンミラー2によって主スキャンされる半導体レーザビームRを検出し、この半導体レーザビームRの受光量に応じたレーザ検出信号を出力する。センサ出力モニタ21は、レーザセンサ20から出力されるレーザ検出信号を入力し、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量をモニタ出力する。
【0027】
位置制御部24は、センサ出力モニタ21からレーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量を受け取り、この受光量が予め設定された基準受光量内にあるか否かを判断する。この判断の結果、基準受光量内にあれば、位置制御部24は、現在の遮光部材10の位置を維持する。
【0028】
一方、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量が基準受光量を超えれば、遮光部材10が搬送方向の上流側Uにずれているので、位置制御部24は、遮光部材10を感熱記録媒体3の搬送方向の下流側Dに移動させる制御信号を駆動部23に送出する。これにより、遮光部材10は、マスクシート位置調整機構22によって矢印c方向のうち感熱記録媒体3の搬送方向の下流側Dに移動する。この遮光部材10の移動によってレーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量は、基準受光量内に入るようになる。そうすると、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量は予め設定された基準受光量内に入り、位置制御部24は、遮光部材10の位置を維持する。
【0029】
又、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量が基準受光量を下回れば、遮光部材10が感熱記録媒体3の搬送方向の下流側Dにずれているので、位置制御部24は、遮光部材10を搬送方向の上流側Uに移動させる制御信号を駆動部23に送出する。これにより、遮光部材10は、マスクシート位置調整機構22によって矢印cのうち感熱記録媒体3の搬送方向の上流側Uに移動する。この遮光部材10の移動によってレーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量は、基準受光量内に入るようになる。そうすると、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量は予め設定された基準受光量内に入り、位置制御部24は、遮光部材10の位置を維持する。
【0030】
この結果、遮光部材10の位置は、センサ出力モニタ21からレーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量が予め設定された基準受光量内になる位置に制御される。しかるに、感熱記録媒体3の記録面に既に記録済みの領域Eに半導体レーザビームRのうち消去状態の中温度になる領域gの半導体レーザビームRが照射されることが無くなり、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態にすることが無い。
【0031】
このように上記第2の実施の形態によれば、遮光部材10における直線状の縁部11の一方の端部にレーザセンサ20を設け、このレーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量に応じて遮光部材10を感熱記録媒体3の搬送方向の上流側U又は下流側Dに移動制御する。これにより、遮光部材10が感熱記録媒体3の搬送方向の上流側U又は下流側Dに位置ずれすることはなく、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態にすることなく、感熱記録媒体3の記録面の2次元面上への情報記録の信頼性を向上できる。
【0032】
又、レーザセンサ20、センサ出力モニタ21、マスクシート位置調整機構22、駆動部23及び位置制御部24は、一体化して遮光部材の位置調整装置を別途構成することが可能である。かかる遮光部材の位置調整装置を例えば本装置の製造工程に用い、遮光部材10の位置を現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の少なくとも中温度になる領域gにおける半導体レーザビームRを遮光する位置に調整して固定し、この後に、本装置を出荷することができる。
【0033】
又、かかる遮光部材の位置調整装置を例えば本装置に組み込むことも可能である。本装置に組み込めば、例えば定期的に遮光部材10の位置を現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の少なくとも中温度になる領域gにおける半導体レーザビームRを遮光する位置に調整できる。
さらに、半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRは、経年変化によりレーザパワーが減少し、これに伴ってガウス分布が変化、すなわち発色状態の高温度になる領域fや中温度になる領域g、中温度以下の領域hの大きさが変化する。このように中温度になる領域gが変化しても、この変化に応じて現在の主スキャン位置Qよりも感熱記録媒体3の搬送方向bの下流側の少なくとも中温度になる領域gにおける半導体レーザビームRを遮光する位置に遮光部材10を調整できる。
なお、遮光部材10の位置の調整は、マスクシート位置調整機構22を用いて自動的に行うのに限らず、例えばマイクロメータを用いて作業員の手作業によって行ってもよい。
【0034】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図5は非接触光書き込み装置の構成図を示す。搬送速度センサ30は、搬送機構に設けられ、感熱記録媒体3の副スキャン方向bへの搬送速度を検出し、搬送速度検出信号を出力する。
傾斜機構31は、遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを可変する。
傾斜角度制御部32は、搬送速度センサ30から出力された搬送速度検出信号を入力し、感熱記録媒体3の搬送速度に応じて傾斜機構31による遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを制御する制御信号を傾斜機構31に送出する。すなわち、感熱記録媒体3の副スキャン方向bへの搬送速度が高速化した場合、半導体レーザビームRを主スキャン方向aにスキャンすると、実際の感熱記録媒体3の記録面上に主スキャンされる半導体レーザビームRの軌跡は、主スキャン方向aに対して感熱記録媒体3の搬送速度に応じた傾斜角度αを有するものとなる。
【0035】
このような構成であれば、上記第1の実施の形態と同様に、半導体レーザ等のレーザ光源1から出力された半導体レーザビームRを感熱記録媒体3の主スキャン方向aにスキャンして感熱記録媒体3の記録面に情報を記録中に、搬送速度センサ30は、搬送機構に設けられ、感熱記録媒体3の副スキャン方向bへの搬送速度を検出し、搬送速度検出信号を出力する。傾斜角度制御部32は、搬送速度センサ30から出力された搬送速度検出信号を入力し、感熱記録媒体3の搬送速度に応じて遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを制御する制御信号を傾斜機構31に送出する。この傾斜機構31は、傾斜角度制御部32からの制御信号を入力して遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを可変する。この傾斜角度αは、感熱記録媒体3の搬送速度が速くなるに従って大きく制御される。
【0036】
このように上記第3の実施の形態によれば、感熱記録媒体3の搬送速度に応じて遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを制御するので、感熱記録媒体3の搬送速度が高速化し、実際の感熱記録媒体3の記録面上に主スキャンされる半導体レーザビームRの軌跡が主スキャン方向aに対して傾斜角度αを生じても、この傾斜角度αに応じて遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを制御でき、既に記録されているラインの記録の一部を消去状態にすることなく、感熱記録媒体3の記録面の2次元面上への情報記録の信頼性を向上できる。
【0037】
本実施の形態は、感熱記録媒体3の搬送速度に応じて遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを制御しているが、感熱記録媒体3の搬送速度が予め一定に設定されていれば、この搬送速度に応じた傾斜角度αに遮光部材10を固定配置してもよい。この場合、搬送速度センサ30、傾斜機構31及び傾斜角度制御部32は、設ける必要がない。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
レーザセンサ20は、遮光部材10における直線状の縁部11の一方の端部に設けられているが、これに限らず、直線状の縁部11の両端部に設けてもよい。直線状の縁部11の両端部にそれぞれ各レーザセンサ20を設けた場合、これらレーザセンサ20により検出される各受光量が共に予め設定された基準受光量内になるように遮光部材10の位置を制御する。
【0039】
又、図4に示す第2の実施の形態と図5に示す第3の実施の形態とを組み合わせ、レーザセンサ20により受光された半導体レーザビームRの受光量に応じて遮光部材10を感熱記録媒体3の搬送方向の上流側U又は下流側Dに移動制御し、かつ感熱記録媒体3の搬送速度に応じて遮光部材10のスキャン方向aに対する傾斜角度αを制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る非接触光書き込み装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置における遮光部材により遮光する半導体レーザビームを示す模式図。
【図3】同装置における半導体レーザビームの遮光する領域を示す図。
【図4】本発明に係る非接触光書き込み装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図5】本発明に係る非接触光書き込み装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図6】従来におけるレーザ光源を用いた感熱記録媒体への第1の記録方法を示す図。
【図7】従来におけるレーザ光源を用いた感熱記録媒体への第2の記録方法を示す図。
【図8】感熱記録媒体の記録・消去特性を示す図。
【図9】従来において感熱記録媒体に生じる消去エリアを示す図。
【図10】半導体レーザビームのガウス分布を示す図。
【図11】各ラインのスキャンによるレーザビームにおけるガウス分布と消去状態の部分との関係を示す図。
【符号の説明】
【0041】
1:半導体レーザ等のレーザ光源、2:ポリゴンミラー、3:感熱記録媒体、10:遮光部材、11:直線状の縁部、20:レーザセンサ、21:センサ出力モニタ、22:マスクシート位置調整機構、23:駆動部、24:位置制御部、30:搬送速度センサ、31:傾斜機構、32:傾斜角度制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を搬送すると共に、前記感熱記録媒体上における前記搬送方向に対して垂直方向にレーザビームをスキャンして前記感熱記録媒体に情報を記録する非接触光書き込み装置において、
前記レーザビームの前記スキャン位置よりも前記搬送方向の下流側に設けられ、前記感熱記録媒体上にスキャンされる前記レーザビームの照射領域のうち前記感熱記録媒体が少なくとも消去状態となる領域に照射される前記レーザビームの一部を遮光する遮光部材を具備することを特徴とする非接触光書き込み装置。
【請求項2】
前記遮光部材は、前記感熱記録媒体の僅か上方に配置されることを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項3】
前記遮光部材は、前記レーザビームのスキャン方向に沿った直線状の縁部を有する板状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項4】
前記遮光部材は、前記感熱記録媒体に照射されたときの温度が消去温度及び当該消去温度以下の温度となるレーザパワーを有する前記レーザビームの前記一部を遮光することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項5】
前記遮光部材は、前記感熱記録媒体の搬送速度に応じて前記レーザビームの前記スキャン方向に対して傾斜して設けられることを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項6】
前記遮光部材に設けられ、前記スキャンされる前記レーザビームを検出する少なくとも1つのレーザセンサと、
前記遮光部材を前記搬送方向に移動させる位置調整機構と、
前記レーザセンサから出力される検出信号に基づいて前記位置調整機構による前記遮光部材の前記搬送方向への移動を制御し、前記感熱記録媒体が消去となる領域に照射される前記レーザビームの一部を遮光する位置に前記遮光部材を調整する位置制御部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項7】
前記遮光部材は、前記レーザビームのスキャン方向に沿った直線状の縁部を有する板状に形成され、
前記レーザセンサは、前記遮光部材における前記直線状の縁部のいずれか一方の端部又は両端部に設けられることを特徴とする請求項6記載の非接触光書き込み装置。
【請求項8】
前記遮光部材を前記スキャン方向に対して傾斜させる傾斜機構と、
前記感熱記録媒体の搬送速度を検出する搬送速度センサと、
前記搬送速度センサにより検出された前記搬送速度に応じて前記傾斜機構による前記遮光部材の前記スキャン方向に対する傾斜角度を制御する傾斜角度制御部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項1】
少なくとも感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を搬送すると共に、前記感熱記録媒体上における前記搬送方向に対して垂直方向にレーザビームをスキャンして前記感熱記録媒体に情報を記録する非接触光書き込み装置において、
前記レーザビームの前記スキャン位置よりも前記搬送方向の下流側に設けられ、前記感熱記録媒体上にスキャンされる前記レーザビームの照射領域のうち前記感熱記録媒体が少なくとも消去状態となる領域に照射される前記レーザビームの一部を遮光する遮光部材を具備することを特徴とする非接触光書き込み装置。
【請求項2】
前記遮光部材は、前記感熱記録媒体の僅か上方に配置されることを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項3】
前記遮光部材は、前記レーザビームのスキャン方向に沿った直線状の縁部を有する板状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項4】
前記遮光部材は、前記感熱記録媒体に照射されたときの温度が消去温度及び当該消去温度以下の温度となるレーザパワーを有する前記レーザビームの前記一部を遮光することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項5】
前記遮光部材は、前記感熱記録媒体の搬送速度に応じて前記レーザビームの前記スキャン方向に対して傾斜して設けられることを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項6】
前記遮光部材に設けられ、前記スキャンされる前記レーザビームを検出する少なくとも1つのレーザセンサと、
前記遮光部材を前記搬送方向に移動させる位置調整機構と、
前記レーザセンサから出力される検出信号に基づいて前記位置調整機構による前記遮光部材の前記搬送方向への移動を制御し、前記感熱記録媒体が消去となる領域に照射される前記レーザビームの一部を遮光する位置に前記遮光部材を調整する位置制御部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項7】
前記遮光部材は、前記レーザビームのスキャン方向に沿った直線状の縁部を有する板状に形成され、
前記レーザセンサは、前記遮光部材における前記直線状の縁部のいずれか一方の端部又は両端部に設けられることを特徴とする請求項6記載の非接触光書き込み装置。
【請求項8】
前記遮光部材を前記スキャン方向に対して傾斜させる傾斜機構と、
前記感熱記録媒体の搬送速度を検出する搬送速度センサと、
前記搬送速度センサにより検出された前記搬送速度に応じて前記傾斜機構による前記遮光部材の前記スキャン方向に対する傾斜角度を制御する傾斜角度制御部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−143002(P2008−143002A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−332168(P2006−332168)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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