非接触型電力伝送装置
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、電動シェーバー(電動ひげそり器)、コードレス電話機、携帯用電話機、電動歯ブラシ等の家庭用電気機器の電源、或いは各種OA機器等の電源として利用される非接触型電力伝送装置に関する。
【0002】非接触型電力伝送装置は、前記のように携帯用電話機、電動シェーバーなど、充電を必要とする2次電池を利用した機器が普及するに従い、感電等の事故を防ぐ目的で利用が増大している。非接触型電力伝送の原理は、送信側と受信側を磁気的に結合させ、電気的に絶縁した状態で電力を伝送するものである。従って、簡単に言えば、伝送すべき電気エネルギーを高周波電力に変換して送信側コイルを駆動し、送信側コイルの近傍に置かれた受信側コイルに誘起する電圧を利用すれば良い。
【0003】しかしながら、利用範囲が家庭用機器に広がったため、価格が十分に下げられないと実用的ではない。そのため、非接触型電力伝送装置で最も価格の高い高周波エネルギー発生手段、すなわち送信側の発信回路に色々な工夫がなされている。更に要求される特性としては、小型であること、ラジオ、テレビ等への妨害となる不要電波輻射が少ないこと、電力伝送効率の良いことなどであり、このような特性を満たした非接触型電力伝送装置の開発が要望されていた。
【0004】
【従来の技術】以下、従来例について説明する。
§1:従来例1の説明・・・図10参照図10は従来例1の説明図である。図10中、1はスタンド、2は電源プラグ、3は歯ブラシの柄、4は電源コード、5は2次電池、L1 、L2 は1次コイル、L3 は2次コイル、D1 、D2 はダイオード、Trはトランジスタ、C1 、C2 、C3 はコンデンサ、R1 は抵抗を示す。
【0005】従来、負荷に電力を供給する装置として、非接触で電力伝送を行う非接触型電力伝送装置が知られていた。この装置は一般的に、送信ユニットと受信ユニットで構成されており、送信ユニットには送信用コイルを有する高周波発振器を備え、受信ユニットには受信コイルを備えている。そして、送信ユニットの送信コイルと受信ユニットの受信用コイルが電磁結合することで、非接触で電力伝送し、受信用コイルで受信した電力を負荷に供給するものである。以下、負荷を2次電池とした例について説明する。
【0006】この場合、負荷が2次電池なので、非接触型電力伝送装置を構成する送信ユニットが充電部であり、受信ユニットが充電用の2次電池を備えた被充電部となる。制御充電部と被充電部を備え非接触式充電を行う装置として、例えば、図10に示した装置が知られていた(実開昭60−8636号公報参照)。
【0007】この装置は、電動歯ブラシの例であり、スタンド1に充電部があり、歯ブラシの柄3に被充電部がある。そして、スタンド1の充電部には、トランスの1次コイルL1 、L2 、トランジスタTr、抵抗R1 、コンデンサC2 、C3 で構成された高周波発振器(自励振型発振回路)を備えており、前記高周波発振回路から外部に電磁界を発生するように構成されている。
【0008】また、歯ブラシの柄3の被充電部には、充電部の1次コイルL1 、L2 と電磁結合して電圧を誘起させるために、トランスの2次コイルL3 を設けると共に、整流用のダイオードD2 、2次電池(Ni−Cd電池)5等が設けてある。この電動歯ブラシは、歯ブラシの使用時には、人が歯ブラシの柄3を持ってスタンド1から取り出して使用するが、使用しない時は図示のように歯ブラシをスタンド1に建てて保管する。
【0009】この状態で、充電部の1次コイルL1 、L2 と、被充電部の2次コイルL3 が電磁結合するので、被充電部の2次コイルL3 には電圧が誘起する。そして、この誘起した電圧によりダイオードD2 を介して2次電池5が充電される。
【0010】§2:従来例2の説明・・・図11参照図11は従来例2の説明図である。図11中、20は送信ユニット、21は受信ユニット、L5 は送信用コイル、L6 は帰還用コイル、L7 は受信用コイル、Q1 はトランジスタ(FET)、d5 はダイオード、C5 はコンデンサ、R5 、R6 は抵抗を示す。
【0011】従来例2の非接触型電力伝送装置は、送信ユニット20と受信ユニット21からなり、送信ユニット20に図示構成の発振回路が設けてある。前記発振回路は、反結合発振回路として知られているもので、送信用コイルL5 と磁気的に結合したトランスを構成する帰還用コイルL6 、及びトランジスタQ1 がオンの時のゲートバイアス電圧を安定化するためのダイオードd5 と抵抗R5 の直列回路からなるバイアス安定化回路を備えている。
【0012】前記反結合発振回路は、トランジスタQ1 のドレイン電圧と同相の電圧をゲートに帰還することで発振回路を構成するものである。良く知られているように、トランジスタ増幅器ではトランジスタ(FET)のゲートとドレインは逆相となるから、同相帰還のためにはトランスでの位相反転は不可欠である。
【0013】なお、送信側ユニット20において、抵抗R6 はバイアス抵抗、コンデンサC5 は直流遮断用のコンデンサである。また、受信側ユニット21において、受信用コイルL7 は送信用コイルと電磁結合して電力の受信を行うものである。
【0014】前記送信側ユニット20に設けた発振回路の動作は次の通りである。送信用コイルL5 に蓄えられるエネルギーは、流れる電流の2乗及びその継続時間、つまりトランジスタQ1 のオン時間に比例する。トランジスタQ1 のオン時間はゲートバイアス時間で決まるので、ダイオードd5 と抵抗R5 からなるバイアス安定化回路がない場合、電源電圧が上昇するとトランジスタQ1 のバイアス電圧が高くなり、ドレイン電流が増大し、その結果送信用コイルL5 に蓄えられるエネルギーが増大する。
【0015】この時、受信ユニット21側で負荷を少なくすると送信用コイルL5 に蓄えられたエネルギーは、逃げ場がなく、結果として送信用コイルL5 の両端電圧が異常に増大しトランジスタQ1 が破壊される。これを防ぐため、バイアス電圧が不必要に上がらない手段が必要である。
【0016】このため、前記バイアス安定化回路は、トランジスタQ1 のオン時間、つまりドレインがGND電位と等しい時のみ、コンデンサC5 に保持されたバイアス電圧をドレイン側に逃がしてオン時間を短縮する働きをする。従って、トランジスタQ1 のオン時間は、コンデンサC5 、及びバイアス安定化回路を構成するダイオードd5 と抵抗R5 で決まる時定数で制御され、電源電圧が上昇した場合でもオン時間が短縮されるので、送信用コイルL5 に蓄えられるエネルギーは減少し、送信用コイルL5 の両端電圧が不必要に増大することを防いでいる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来のものにおいては、次のような課題があった。
(1) :前記従来例のようにトランジスタ1個の発振回路では、反結合発振回路を用いざるを得ず、送信用コイルに帰還用コイルを付加する、つまり、トランスを構成しなければならなかった。このことは、送信用コイルの構造を複雑化し、例えば送信用コイルとしてボビンレスの単一巻線コイルが利用できないなど、価格アップの原因ともなっていた。
【0018】(2) :前記従来例の発振回路では、発振がパルス的に行われるため、不要輻射が極めて大きくなる。そのため、ラジオ、テレビ等の他の機器へのノイズの影響が大きくなる。
【0019】(3) :前記従来例2では、バイアス安定化回路に用いるダイオードは、トランジスタのドレイン電圧変動をゲートに帰還させないため、接合容量の小さなダイオードが必要となる。一方、この回路のダイオードはドレインにかかる高電圧に耐えなければならないため、通常、500V以上の逆耐圧が必要である。一般に高逆耐圧で小容量のダイオードは極めて高価である。従って、非接触型電力伝送装置のコストアップの原因となっていた。
【0020】(4) :送信用コイルとして安価なボビンレスの単一巻線コイルを利用し、かつ帰還コイルを持つトランス構造とするため、帰還コイルを回路基板上にプリントコイルとして構成したものは既に提案されていた。しかし、前記提案されたものは、プリントコイルを回路基板上に構成するため、プリント基板の面積を増大したり、それを避けるため、両面プリント基板を用いれば、片面プリント基板より高価になることは避けられなかった。
【0021】本発明は、このような従来の課題を解決し、■:十分安価で不要輻射が少ないこと、■:高価となる原因の帰還巻線を含まないこと、■:高価な小容量ダイオードを含まずにバイアス安定化が達成されること、等の条件を満たし、小型、安価で高効率の電力伝送を可能にすることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明図である。本発明は前記の目的を達成するため、次のように構成した。
(1) :発振回路を含み、該発振回路で発生した電力を送信する送信ユニット20と、送信ユニット20から送信された電力を受信する受信ユニット21からなり、送信ユニット20から受信ユニット21に対して非接触で電力の伝送を行う非接触型電力伝送装置において、前記発振回路に、第1の電極E1(ベース、又はゲート)を制御信号入力用とし、第2の電極E2(エミッタ、又はソース)をGND接続用とし、第3の電極E3(コレクタ、又はドレイン)を負荷接続用としたトランジスタQを備えた。
【0023】そして、トランジスタQの第3の電極E3と電源間に第1のコイル25(送信用コイル)を接続し、第1の電極E1とGND間に直流遮断手段(コンデンサ35)を有し、かつ第1のコイル25とは磁気的に結合していない第2のコイル26を接続し、第1の電極E1と電源間にバイアス用抵抗37を接続すると共に、第1の電極E1と第3の電極E3間にはコンデンサ28による帰還手段を接続した。
【0024】(2) :発振回路を含み、該発振回路で発生した電力を送信する送信ユニット20と、送信ユニット20から送信された電力を受信する受信ユニット21からなり、送信ユニット20から受信ユニット21に対して非接触で電力の伝送を行う非接触型電力伝送装置において、前記発振回路に、第1の電極E1(ベース、又はゲート)を制御信号入力用とし、第2の電極E2(エミッタ、又はソース)をGND接続用とし、第3の電極E3(コレクタ、又はドレイン)を負荷接続用としたトランジスタを備えた。
【0025】そして、トランジスタQの第3の電極E3と電源間に第1のコイル25(送信用コイル)を接続し、第1の電極E1とGND間に直流遮断手段(コンデンサ35)を有し、かつ第1のコイル25とは磁気的に結合していない第2のコイル26を接続し、第1の電極E1と電源間にバイアス用抵抗37を接続し、第1の電極E1と第3の電極E3間にはコンデンサ28による帰還手段を接続すると共に、第1の電極E1と第3の電極E3間に、アノードを第1の電極E1側としてダイオード42を接続した。
【0026】(3) :前記(1) 又(2) の非接触型電力伝送装置において、受信ユニット21に受信用の第3のコイル27を備え、第3のコイル27と送信ユニット20の第1のコイル25の極性を逆にし、フライバックコンバータ方式による電力の伝送を可能にした。
【0027】(作用)前記構成に基づく本発明の作用を、図1に基づいて説明する。非接触型電力伝送装置を使用する場合は、送信ユニット20に電源を接続し、受信ユニット21に負荷Lを接続すると共に、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置する。そして、前記第1のコイル25と第3のコイル27は、その極性を逆にして、フライバックコンバータ方式により電力伝送ができるようにしておく。この状態での動作は次の通りである。
【0028】送信ユニット20に電源が印加されると、送信ユニット20の発振回路では発振動作を開始する。この発振動作では、第1のコイル25と第2のコイル26と、帰還用のコンデンサ28からなる共振回路が所定の共振周波数で共振し、この共振動作によりトランジスタQがオン/オフ動作を繰り返して行うことにより、高周波発振を行う。
【0029】この場合、第1のコイル25と第2のコイル26のインダクタンス値と、帰還用のコンデンサ28の容量値で決まる周波数で発振を行う。そして、前記発振回路の発振動作により発生した高周波電力は第1のコイル25から高周波の電磁波による電力の送信を行う。
【0030】前記のように、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置した状態で送信ユニット20の発振回路を動作させると、送信ユニット20から高周波の電磁界が発生する。この場合、第1のコイル25と第3のコイル27はフライバックコンバータ方式により電磁結合する。
【0031】このため、第3のコイル27には電圧が誘起するので、第3のコイル27と共振用のコンデンサ30からなる並列共振回路は、所定の周波数で共振する。そして、前記並列共振回路の出力はダイオード32により整流されコンデンサ31で平滑化され、コンデンサ31の端子に平滑化された直流電圧を発生させる。このコンデンサ31の直流電圧により、定電流回路33が定電流を出力し負荷Lに供給する。このようにして、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置することにより非接触で送信ユニット20から受信ユニット21への高周波電力の伝送が可能になる。
【0032】以上のようにして、不要輻射が少なく、高価となる原因の帰還巻線を含まず、高価な小容量ダイオードを含まずに安定した発振動作を行うことができる。そのため、小型、安価で高効率の電力伝送が可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態における各例を図面に基づいて説明する。
§1:非接触型電力伝送装置の基本的な説明・・・図2参照図2は非接触型電力伝送装置の基本構成図である。図示のように非接触型電力伝送装置は、電力を送信する送信ユニット20と、送信ユニット20から送信された電力を受信する受信ユニット21からなり、送信ユニット20から受信ユニット21に対して非接触で電力を伝送する装置である。
【0034】前記送信ユニット20には送信用の電力を発生させるための発振回路22と、発振回路22で発生した電力を送信するための第1のコイル25(送信用コイル)が設けてある。そして発振回路22には、逆相増幅器23と、帰還用のコンデンサ28と、第2のコイル26が設けてある。なお、第1のコイル25は送信用コイルであるが、前記発振回路の素子も兼ねている。
【0035】また、受信ユニット21には、送信ユニット20から送信された電力を受信するための第3のコイル27(受信用コイル)と、共振用のコンデンサ30と、整流用のダイオード32と、平滑用のコンデンサ31と、定電流回路33が設けてあり、定電流回路33の出力側には負荷として2次電池34が接続されている。なお、受信ユニット21では、前記第3のコイル27とコンデンサ30とで並列共振回路を構成している。前記送信ユニット20と受信ユニット21の動作は次の通りである。
【0036】(1) :発振回路22の発振原理の説明逆相増幅器23の入力(P1側)に対し、逆相増幅器23の出力(P2側)は、前記入力とは逆相となるが、帰還用のコンデンサ28と第2のコイル26との接続点(P1)では、180°の位相変位が生じるので、入力に対し同相で帰還される。このため、前記の構成により発振回路は発振動作を行うことができる。
【0037】(2) :送信ユニット20と受信ユニット21間の非接触電力伝送の説明送信ユニット20と受信ユニット21が接近して対向するように位置決めする。この時、第1のコイル25と第3のコイル27が対向配置されるようにする。この状態で、送信ユニット20の発振回路22が発振動作を開始すると、送信ユニット20には高周波電力が発生し、第1のコイル25から高周波電力が送信される。
【0038】この時、第1のコイル25と第3のコイル27が電磁結合し、第3のコイル27に電圧が誘起する。そして、前記第3のコイル27に誘起した電圧により共振用のコンデンサ30にも電流が流れ、第3のコイル27とコンデンサ30からなる並列回路は並列共振状態となる。そして、前記並列共振回路の出力はダイオード32で整流され、コンデンサ31で平滑化されて直流電圧に変換される。そして、コンデンサ31の電圧により定電流回路33で定電流化した電流を出力し、2次電池34に定電流を供給することで2次電池34を充電する。以下、前記非接触型電力伝送装置の基本構成を基に具体化した各例について説明する。
【0039】§2:例1の説明・・・図3参照図3は例1の説明図である。以下、図3に基づいて例1の非接触型電力伝送装置を説明する。
【0040】(1) :回路構成の説明例1は、前記発振回路22を構成する逆相増幅器23として、バイポーラ型のトランジスタ39を使用した例である。図示のように、非接触型電力伝送装置は、送信ユニット20と受信ユニット21からなり、送信ユニット20から受信ユニット21に対して非接触で電力が伝送できるように構成されている。
【0041】前記送信ユニット20には、前記逆相増幅器を構成するバイポーラ型のトランジスタ39と、帰還用のコンデンサ28と、第2のコイル26と、直流遮断用のコンデンサ35と、電流調整用の抵抗37及び可変抵抗38からなる発振回路が設けてあり、この発振回路の出力側に第1のコイル25が接続されている。この場合、第1のコイル25は前記発振回路の素子も兼ねている。
【0042】すなわち、前記発振回路において、トランジスタ39には第1のコイル25(送信用コイル)がコレクタ負荷として接続され、ベースには第1のコイル25とは磁気的に結合してない第2のコイル26が接続されている。また、第2のコイル26には、トランジスタ39のベースに印加するバイアス電圧がGNDに接続されないように直流遮断用のコンデンサ35が直列に接続されている。
【0043】更にトランジスタ39のベースは、電流調整用の抵抗37及び可変抵抗38の直列回路を介して電源に接続されており、前記可変抵抗38の調整によりトランジスタ39のバイアス電流を調整できるようになっている。なお、コンデンサ36はバイパス用のコンデンサである。
【0044】コンデンサ28はトランジスタ39のコレクタからベースへの帰還用のコンデンサであり、このコンデンサ28と第2のコイル26によりコレクタ信号は位相が反転されてベースへ帰還されるようになっている。また、コンデンサ28は第1のコイル25、第2のコイル26と共に共振回路(直列共振回路)を構成しており、この共振回路の共振周波数に応じてトランジスタ39が動作することにより、この発振回路は正弦波発振を行うように構成されている。
【0045】前記構成において、第1のコイル25と第2のコイル26は、磁気的に結合しない独立した別のコイルであるから、第1のコイル25には安価なボビンレスコイルが使用でき、第2のコイル26としては安価な汎用の固定コイルが使用できる。
【0046】(2) :例1の動作説明・・・図4参照図4は例1の動作説明図である。以下、図4に基づいて例1の非接触型電力伝送装置の動作を説明する。
【0047】非接触型電力伝送装置を使用する場合は、送信ユニット20に直流電源(電圧:VIN)を接続し、受信ユニット21の負荷として、定電流回路33の出力側に2次電池34を接続すると共に、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置する。この場合、第1のコイル25と第3のコイル27は極性を逆にし、フライバックコンバータ方式により電力伝送できるようにしておく。この状態での動作は次の通りである。
【0048】送信ユニット20に直流電源(電圧:VIN)が印加すると、送信ユニット20の発振回路では発振動作を開始する。この発振動作では、第1のコイル25と第2のコイル26と、帰還用のコンデンサ28からなる共振回路(直列共振回路)が所定の共振周波数で共振し、この共振動作によりトランジスタ39がオン/オフ動作を繰り返して行うことにより、高周波発振を行う。
【0049】この場合、第1のコイル25と第2のコイル26のインダクタンス値と、帰還用のコンデンサ28の容量値で決まる周波数で発振を行う。そして、前記発振回路の発振動作により発生した高周波電力は第1のコイル25から高周波の電磁波による電力の送信を行う。
【0050】前記のように、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置した状態で送信ユニット20の発振回路を動作させると、送信ユニット20から高周波の電磁界が発生する。この場合、送信ユニット20の第1のコイル25と受信ユニット21の第3のコイル27はトランスのフライバックコンバータ方式による1次コイルと2次コイルの関係と同じ状態(逆極性)で電磁結合する。
【0051】このため、第3のコイル27には電圧が誘起する。この誘起電圧により、第3のコイル27と共振用のコンデンサ30からなる並列共振回路は、所定の周波数で共振状態となる。また、この時、第3のコイル27の電圧によりダイオード32を介して平滑用のコンデンサ31に電流が流れ、コンデンサ31を充電する。このようにしてコンデンサ31には平滑化された直流電圧が発生する。そして、コンデンサ31で平滑化された直流電圧により定電流回路33で定電流を出力し、この定電流により2次電池34を充電する。
【0052】このようにして、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置することにより送信ユニット20から受信ユニット21へ非接触で高周波電力を伝送することができる。この場合の各部の波形は図5に示した通りである。
【0053】図5において、■はトランジスタ39の状態(オン/オフ)、■はトランジスタ39のコレクタ・エミッタ間電圧VCE、■はトランジスタ39のコレクタ電流IC 、■はトランジスタ39のベース・エミッタ間電圧VBE、■は帰還用のコンデンサ28に流れる電流I1 、■は第3のコイル27に発生する電圧VS 、■は共振用のコンデンサ30に流れる電流IS を示す。
【0054】前記のように送信ユニット20の発振回路が発振動作を行うと、トランジスタ39は、■のようにオン/オフ動作を繰り返して行う。この時トランジスタ39のコレクタ・エミッタ間電圧VCEは、■のようにトランジスタ39がオン状態の時VCEは略0となり、オフ状態の時VCEは正弦波状に大きくなる。
【0055】また、トランジスタ39のコレクタ電流Icは、■のようにトランジスタ39がオン状態の時大きく、オフ状態の時殆ど流れないが、トランジスタ39がオン時の電流が少し遅れるので、トランジスタ39がオフになってもコレクタ電流は少し流れる)。
【0056】トランジスタ39のベース・エミッタ間電圧VBEは、■のようにトランジスタ39がオン状態の時略一定の電圧(エミッタに対しベース側が高い電位)であり、オフ状態の時逆方向に正弦波状の大きな電圧(エミッタに対しベース側が低い電位)となる。帰還用のコンデンサ28に流れる電流I1 は、■のように略正弦波状の共振電流が流れる。
【0057】一方、受信ユニット21では、第3のコイル27は送信ユニット20の第1のコイル25に対して、フライバックコンバータ方式により結合(逆極性で結合)しているため、第3のコイル27に発生する電圧VS は■のようになる。すなわち、第3のコイル27に発生する電圧VS は、トランジスタ39がオンになってコレクタ電流が大きくなった時のみ、略正弦波状の大きな電圧(正弦波の半波状の誘起電圧)が発生する。また、コンデンサ30に流れる電流IS は■のような電流が流れる。
【0058】前記動作において、送信ユニット20の入力電源の電圧をVIN、入力電流をIINとし、受信ユニット21の出力電圧(定電流回路33の出力電圧)をVO 、出力電流をIO とし、電力伝送効率をηとするとηは次の通りである。すなわち、入力電力はVIN×IIN(W)であり、出力電力はVO ×IO (W)であるから、電力伝送効率ηは、η=VO ×IO /VIN×IIN(%)となる。
【0059】(3) :その他の説明前記非接触型電力伝送装置において、第1のコイル25と第3のコイル27との電磁結合は、フライバックコンバータ方式による結合と、フォワードコンバータ方式による結合とがあり、両方の結合方法で実施した結果、図4R>4のA図、B図に示した結果が得られた。図4のA図はフライバックコンバータ方式による波形図であり、B図はフォワードコンバータ方式による波形図である。
【0060】図4のA図及びB図に示したように、トランジスタ39のコレクタ・エミッタ間電圧VCEに対してコレクタ電流IC は図示のように流れるが、前記両波形の重なった部分において電力の損失が発生する。この場合、A図に示したフライバックコンバータ方式による場合の損失をPA(W)、B図に示したフォーワードコンバータ方式による場合の損失をPB(W)とし、A図のコレクタ電流のピーク値をIC1、B図のコレクタ電流のピーク値をIC2とすると、IC1<IC2(例えば、IC1=400mA、IC2=600mA)、PA<PBの関係になる。
【0061】前記のように、第1のコイル25と第3のコイル27の極性を逆にし、フライバックコンバータ方式による電力伝送では、トランジスタ39がオンの時、受信ユニット21のダイオード32がカットオフ状態となる。このため、第3のコイル27のインダクタンスによりトランジスタ39のピーク電流IC1が低減され(IC1<IC2)、トランジスタ39のオフ時の損失電力PAが低減できる(PA<PB)。
【0062】その結果、フライバック結合により電力伝送した場合には、フォーワード結合により電力伝送した場合に比べて、電力伝送効率η(η=VO ×IO /VIN×IIN)が改善される。
【0063】§3:例2の説明・・・図6〜図8参照図6は例2の説明図、図7は例2の動作説明図、図8は例2の特性図である。以下、図6〜図8に基づいて例2の非接触型電力伝送装置を説明する。例2は前記逆相増幅器として電界効果型のトランジスタ(FET)を用いた例であり、基本的には前記例1と同じである。
【0064】(1) :例2の構成の説明送信ユニット20には、前記逆相増幅器として電界効果型のトランジスタ40が設けてあり、前記トランジスタ40のドレインには送信用コイルを構成する第1のコイル25が負荷として接続され、第1のコイル25とは磁気的に結合していない第2のコイル26がゲートに接続されている。この例でも、第1のコイル25と第2のコイル26は磁気的に結合しない独立した別のコイルであるから、第1のコイル25には安価なボビンレスコイルが使用でき、第2のコイル26としては、安価な汎用の固定コイルが使用できる。
【0065】前記第2のコイル26の一端(P3)は、直流遮断用のコンデンサ35を介してGNDに接続され、他端(P1)は抵抗43を介してトランジスタ40のゲートに接続されている。前記第2のコイル26の他端(P1)と電源との間には抵抗37、可変抵抗38が接続されている。
【0066】また、トランジスタ40のドレインとゲート間には、抵抗43を介して帰還用のコンデンサ28が接続されると共に、前記コンデンサ28に対し、ダイオード42がアノードをゲート側にして並列接続されている。なお、コンデンサ36はバイパス用のコンデンサであり、44はヒューズである。
【0067】前記のようにトランジスタ40のゲートには、抵抗43を介してバイアス電圧が加えられており、ドレイン側の電圧は帰還用コンデンサ28、及び抵抗43を介してゲートに帰還されている。そして、送信ユニット20の発振回路では、第1のコイル25、及び第2のコイル26のインダクタンス値と、コンデンサ28の容量値で決まる周波数で発振(高周波発振)するように構成されている。
【0068】前記発振回路で発生した電力は第1のコイル25から送信され、この送信された電力は受信ユニット21で受信される。この場合、発振回路に設けたダイオード42は、直流負帰還用のダイオードであるが、従来例とは異なりトランジスタ40はパルス的な動作ではなく、線型動作に近いため、直流的にはゲートバイアス電圧が一定になるような負帰還回路として動作するものである。
【0069】ダイオード41は、トランジスタ40のゲート電位が何らかの原因で負になった時、トランジスタ40のゲート、ソース間が破壊されることを防ぐためのダイオードである。ダイオード42はコンデンサ28と並列に接続され、その接合容量は帰還用のコンデンサ28の容量に加わるだけであるから、もし、接合容量が大きければ、その分、帰還用コンデンサ28の容量を減らせば良く、従来のように、接合容量の存在が回路動作を不安定にすることはない。
【0070】また、例2の発振回路では前記のように線型動作に近い動作をするため、トランジスタ40のドレイン電圧、ドレイン電流共に正弦波に近く、高周波成分が非常に少ないため、不要な電磁界輻射は極めて少ない。
【0071】(2) :例2の動作説明・・・図7参照図7は例2の動作説明図である。以下、図7に基づいて例2の非接触型電力伝送装置の動作を説明する。
【0072】非接触型電力伝送装置を使用する場合は、送信ユニット20に直流電源(電圧:VIN)を接続し、受信ユニット21の負荷として、定電流回路33の出力側に2次電池34を接続すると共に、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置する。この場合、第1のコイル25と第3のコイル27は極性を逆にし、フライバックコンバータ方式により電力伝送できるようにしておく。この状態での動作は次の通りである。
【0073】送信ユニット20に直流電源VINが印加されると、送信ユニット20の発振回路では発振動作を開始する。この発振動作では、第1のコイル25と第2のコイル26と、帰還用のコンデンサ28からなる共振回路が所定の共振周波数で共振し、この共振動作によりトランジスタ40がオン/オフ動作を繰り返すことにより、高周波発振を行う。
【0074】この場合、第1のコイル25及び第2のコイル26のインダクタンス値と、帰還用のコンデンサ28の容量値で決まる周波数で発振を行う。そして、前記発振回路の発振動作により発生した高周波電力は第1のコイル25から高周波の電磁波による電力の送信を行う。
【0075】前記のように、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置した状態で送信ユニット20の発振回路を動作させると、送信ユニット20から高周波の電磁界が発生する。この場合、送信ユニット20の第1のコイル25と受信ユニット21の第3のコイル27はトランスのフライバックコンバータ方式による1次コイルと2次コイルの関係と同じ状態で電磁結合(逆極性で結合)する。
【0076】このため、第3のコイル27には電圧が誘起し、この誘起電圧により第3のコイル27と共振用のコンデンサ30からなる並列共振回路は、所定の周波数で共振状態となる。また、この時、第3のコイル27の電圧によりダイオード32を介してコンデンサ31に電流が流れ、コンデンサ31を充電する。このようにしてコンデンサ31には平滑化された直流電圧が発生する。そして、コンデンサ31で平滑化された直流電圧により定電流回路33で定電流を出力し、この定電流により2次電池34を充電する。
【0077】このようにして、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置することにより非接触で送信ユニット20から受信ユニット21への高周波電力の伝送を行う。前記のように送信ユニット20の発振回路が発振動作を行うと、トランジスタ40はオン/オフ動作を繰り返して行う。この時トランジスタ40のドレイン・ソース間電圧はオン状態で略0となり、オフ状態で正弦波状に大きくなる。また、トランジスタ40のドレイン電流はオン状態で大きく、オフ状態で殆ど流れないが、トランジスタ40がオン時の電流が少し遅れるので、トランジスタ40がオフになってもドレイン電流は少し流れる。
【0078】トランジスタ40のゲート・ソース間電圧は、オン状態では略一定の電圧(ソースに対しゲート側が高い電位)であり、オフ状態では逆方向に正弦波状の大きな電圧(ソースに対しゲート側が低い電位)となる。帰還用のコンデンサ28に流れる電流は、略正弦波状の共振電流である。
【0079】一方、受信ユニット21では、第3のコイル27は送信ユニット21の第1のコイル25に対して、フライバックコンバータ方式による結合をしているため、第3のコイル27に発生する電圧は、トランジスタ40がオンになってドレイン電流が大きくなった時のみ、略正弦波状の大きな電圧(正弦波の半波状の誘起電圧)が発生する。
【0080】前記動作において、送信ユニット20の入力電源をVIN、入力電流をIINとし、受信ユニット21の出力電圧(定電流回路33の出力電圧)をVO 、出力電流をIO とし、電力伝送効率をηとするとηは次の通りである。すなわち、入力電力はVIN×IIN(W)であり、出力電力はVO ×IO (W)であるから、電力伝送効率をηは、η=VO ×IO /VIN×IIN(%)となる。
【0081】(3) :その他の説明非接触型電力伝送装置において、第1のコイル25と第3のコイル27との電磁結合は、フライバックコンバータ方式による結合と、フォワードコンバータ方式による結合とがあり、両方の結合方法で実施した結果、図7のA図、B図に示した結果が得られた。図7のA図はフライバックコンバータ方式による波形図であり、B図はフォワードコンバータ方式による波形図である。
【0082】図7のA図及びB図に示したように、トランジスタ40のドレイン・ソース間電圧VDSに対してドレイン電流ID は図示のように流れるが、前記両波形の重なった部分において電力の損失が発生する。この場合、A図に示したフライバックコンバータ方式による場合の損失をPA(W)、B図に示したフォーワードコンバータ方式による場合の損失をPB(W)とし、A図のコレクタ電流のピーク値をID1、B図のコレクタ電流のピーク値をID2とすると、ID1<ID2、PA<PBの関係になる。
【0083】前記のように、第1のコイル25と第3のコイル27の極性を逆にし、フライバックコンバータ方式による電力伝送では、トランジスタ40がオンの時、受信ユニット21のダイオード32がカットオフ状態となる。このため、第3のコイル27のインダクタンスによりトランジスタ40のピーク電流ID1が低減され(ID1<ID2)、トランジスタ40のオフ時の損失電力PAが低減できる(PA<PB)。
【0084】その結果、フライバックコンバータ方式により電力伝送した場合には、フォーワードコンバータ方式により電力伝送した場合に比べて、電力伝送効率η(η=VO ×IO /VIN×IIN)が改善される。
【0085】前記のように動作を行う例2の装置において、フライバックコンバータ方式による電力伝送効率とフォワードコンバータ方式による電力伝送効率を比較するため実験を行った結果、図8のような特性が得られた。図8において、横軸は出力電流IO (mA)、縦軸は電力伝送効率η(%)であり、■はフライバックコンバータ方式による電力伝送効率の特性、■はフォワードコンバータ方式による電力伝送効率の特性を表す。
【0086】実験例では、フライバックコンバータ方式により電力伝送した場合(図8の■の特性)には、フォーワードコンバータ方式により電力伝送した場合(図8の■の特性)に比べて、電力伝送効率η(η=VO ×IO /VIN×IIN)が13%改善された。なお、実験によれば、例2による非接触電力伝送時の電力伝送効率は、50%を越え、パルス的な動作を行う従来の装置に比べて遜色はなかった。
【0087】§4:例3の説明・・・図9参照図9は例3の説明図である。例3は前記例2の非接触型電力伝送装置において、前記発振回路に設けた直流遮断用のコンデンサ35の挿入位置を変えた例であり、他の構成は例2と同じである。
【0088】前記直流遮断用のコンデンサ35は例2のようにGND側に挿入する必要はなく、例3のように、第2のコイル26とトランジスタ40のゲートの間に挿入しても良い。また、この場合電源とトランジスタ40のゲートとの間に抵抗37を接続する。なお、例3の動作は実質的に前記例2の動作と同じなので説明は省略する。
【0089】(他の実施の形態)以上実施の形態について説明したが、本発明は次のようにしても実施可能である。
【0090】(1) :受信ユニットの回路構成は、前記実施の形態例に示したものに限らず、他の任意の回路にも適用可能である。但し、受信用コイルは必要である。
(2) :受信ユニットの負荷は、2次電池に限らず、他の任意の負荷で実施可能である。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次のような効果がある。
(1) :発振回路には、従来のような高価となる原因の帰還巻線を含まないので、安価で、かつ小型の非接触型電力伝送装置が実現できる。
【0092】(2) :発振回路は、従来のようなパルス的な動作ではなく、線型的な動作をするので、不要輻射が少なくなる。このため、他の電気機器等に対してノイズによる悪影響を与えない。
【0093】(3) 発振回路において、高価な小容量ダイオードを含まずにバイアス安定化が達成されるので、安価で安定した発振動作を行う装置が実現できる。
(4) :発振回路において、第1のコイルと第2のコイルは、磁気的に結合しない独立した別のコイルであるから、第1のコイルには安価なボビンレスコイルが使用でき、第2のコイルとしては安価な汎用の固定コイルが使用できる。従って、小型、安価で高効率の電力伝送が可能な非接触型電力伝送装置を実現することができる。
【0094】(6) :受信ユニットの第3のコイルと送信ユニットの第1のコイルの極性を逆にし、フライバックコンバータ方式による電力の伝送を可能にしたので、フォワードコンバータ方式による電力伝送に比べて、電力伝送効率が大幅に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】実施の形態における非接触型電力伝送装置の基本構成図である。
【図3】実施の形態における例1の説明図である。
【図4】実施の形態における例1の動作説明図である。
【図5】実施の形態における例1の各部の波形図である。
【図6】実施の形態における例2の説明図である。
【図7】実施の形態における例2の動作説明図である。
【図8】実施の形態における例2の特性図である。
【図9】実施の形態における例3の説明図である。
【図10】従来例1の説明図である。
【図11】従来例2の説明図である。
【符号の説明】
E1 第1の電極(ベース、又はゲート)
E2 第2の電極(エミッタ、又はソース)
E3 第3の電極(コレクタ、又はドレイン)
Q トランジスタ
20 送信ユニット
21 受信ユニット
22 発振回路
23 逆相増幅器
25 第1のコイル
26 第2のコイル
27 第3のコイル
28、30、31、35 コンデンサ
32、41、42 ダイオード
33 定電流回路
37、43 抵抗
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、電動シェーバー(電動ひげそり器)、コードレス電話機、携帯用電話機、電動歯ブラシ等の家庭用電気機器の電源、或いは各種OA機器等の電源として利用される非接触型電力伝送装置に関する。
【0002】非接触型電力伝送装置は、前記のように携帯用電話機、電動シェーバーなど、充電を必要とする2次電池を利用した機器が普及するに従い、感電等の事故を防ぐ目的で利用が増大している。非接触型電力伝送の原理は、送信側と受信側を磁気的に結合させ、電気的に絶縁した状態で電力を伝送するものである。従って、簡単に言えば、伝送すべき電気エネルギーを高周波電力に変換して送信側コイルを駆動し、送信側コイルの近傍に置かれた受信側コイルに誘起する電圧を利用すれば良い。
【0003】しかしながら、利用範囲が家庭用機器に広がったため、価格が十分に下げられないと実用的ではない。そのため、非接触型電力伝送装置で最も価格の高い高周波エネルギー発生手段、すなわち送信側の発信回路に色々な工夫がなされている。更に要求される特性としては、小型であること、ラジオ、テレビ等への妨害となる不要電波輻射が少ないこと、電力伝送効率の良いことなどであり、このような特性を満たした非接触型電力伝送装置の開発が要望されていた。
【0004】
【従来の技術】以下、従来例について説明する。
§1:従来例1の説明・・・図10参照図10は従来例1の説明図である。図10中、1はスタンド、2は電源プラグ、3は歯ブラシの柄、4は電源コード、5は2次電池、L1 、L2 は1次コイル、L3 は2次コイル、D1 、D2 はダイオード、Trはトランジスタ、C1 、C2 、C3 はコンデンサ、R1 は抵抗を示す。
【0005】従来、負荷に電力を供給する装置として、非接触で電力伝送を行う非接触型電力伝送装置が知られていた。この装置は一般的に、送信ユニットと受信ユニットで構成されており、送信ユニットには送信用コイルを有する高周波発振器を備え、受信ユニットには受信コイルを備えている。そして、送信ユニットの送信コイルと受信ユニットの受信用コイルが電磁結合することで、非接触で電力伝送し、受信用コイルで受信した電力を負荷に供給するものである。以下、負荷を2次電池とした例について説明する。
【0006】この場合、負荷が2次電池なので、非接触型電力伝送装置を構成する送信ユニットが充電部であり、受信ユニットが充電用の2次電池を備えた被充電部となる。制御充電部と被充電部を備え非接触式充電を行う装置として、例えば、図10に示した装置が知られていた(実開昭60−8636号公報参照)。
【0007】この装置は、電動歯ブラシの例であり、スタンド1に充電部があり、歯ブラシの柄3に被充電部がある。そして、スタンド1の充電部には、トランスの1次コイルL1 、L2 、トランジスタTr、抵抗R1 、コンデンサC2 、C3 で構成された高周波発振器(自励振型発振回路)を備えており、前記高周波発振回路から外部に電磁界を発生するように構成されている。
【0008】また、歯ブラシの柄3の被充電部には、充電部の1次コイルL1 、L2 と電磁結合して電圧を誘起させるために、トランスの2次コイルL3 を設けると共に、整流用のダイオードD2 、2次電池(Ni−Cd電池)5等が設けてある。この電動歯ブラシは、歯ブラシの使用時には、人が歯ブラシの柄3を持ってスタンド1から取り出して使用するが、使用しない時は図示のように歯ブラシをスタンド1に建てて保管する。
【0009】この状態で、充電部の1次コイルL1 、L2 と、被充電部の2次コイルL3 が電磁結合するので、被充電部の2次コイルL3 には電圧が誘起する。そして、この誘起した電圧によりダイオードD2 を介して2次電池5が充電される。
【0010】§2:従来例2の説明・・・図11参照図11は従来例2の説明図である。図11中、20は送信ユニット、21は受信ユニット、L5 は送信用コイル、L6 は帰還用コイル、L7 は受信用コイル、Q1 はトランジスタ(FET)、d5 はダイオード、C5 はコンデンサ、R5 、R6 は抵抗を示す。
【0011】従来例2の非接触型電力伝送装置は、送信ユニット20と受信ユニット21からなり、送信ユニット20に図示構成の発振回路が設けてある。前記発振回路は、反結合発振回路として知られているもので、送信用コイルL5 と磁気的に結合したトランスを構成する帰還用コイルL6 、及びトランジスタQ1 がオンの時のゲートバイアス電圧を安定化するためのダイオードd5 と抵抗R5 の直列回路からなるバイアス安定化回路を備えている。
【0012】前記反結合発振回路は、トランジスタQ1 のドレイン電圧と同相の電圧をゲートに帰還することで発振回路を構成するものである。良く知られているように、トランジスタ増幅器ではトランジスタ(FET)のゲートとドレインは逆相となるから、同相帰還のためにはトランスでの位相反転は不可欠である。
【0013】なお、送信側ユニット20において、抵抗R6 はバイアス抵抗、コンデンサC5 は直流遮断用のコンデンサである。また、受信側ユニット21において、受信用コイルL7 は送信用コイルと電磁結合して電力の受信を行うものである。
【0014】前記送信側ユニット20に設けた発振回路の動作は次の通りである。送信用コイルL5 に蓄えられるエネルギーは、流れる電流の2乗及びその継続時間、つまりトランジスタQ1 のオン時間に比例する。トランジスタQ1 のオン時間はゲートバイアス時間で決まるので、ダイオードd5 と抵抗R5 からなるバイアス安定化回路がない場合、電源電圧が上昇するとトランジスタQ1 のバイアス電圧が高くなり、ドレイン電流が増大し、その結果送信用コイルL5 に蓄えられるエネルギーが増大する。
【0015】この時、受信ユニット21側で負荷を少なくすると送信用コイルL5 に蓄えられたエネルギーは、逃げ場がなく、結果として送信用コイルL5 の両端電圧が異常に増大しトランジスタQ1 が破壊される。これを防ぐため、バイアス電圧が不必要に上がらない手段が必要である。
【0016】このため、前記バイアス安定化回路は、トランジスタQ1 のオン時間、つまりドレインがGND電位と等しい時のみ、コンデンサC5 に保持されたバイアス電圧をドレイン側に逃がしてオン時間を短縮する働きをする。従って、トランジスタQ1 のオン時間は、コンデンサC5 、及びバイアス安定化回路を構成するダイオードd5 と抵抗R5 で決まる時定数で制御され、電源電圧が上昇した場合でもオン時間が短縮されるので、送信用コイルL5 に蓄えられるエネルギーは減少し、送信用コイルL5 の両端電圧が不必要に増大することを防いでいる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来のものにおいては、次のような課題があった。
(1) :前記従来例のようにトランジスタ1個の発振回路では、反結合発振回路を用いざるを得ず、送信用コイルに帰還用コイルを付加する、つまり、トランスを構成しなければならなかった。このことは、送信用コイルの構造を複雑化し、例えば送信用コイルとしてボビンレスの単一巻線コイルが利用できないなど、価格アップの原因ともなっていた。
【0018】(2) :前記従来例の発振回路では、発振がパルス的に行われるため、不要輻射が極めて大きくなる。そのため、ラジオ、テレビ等の他の機器へのノイズの影響が大きくなる。
【0019】(3) :前記従来例2では、バイアス安定化回路に用いるダイオードは、トランジスタのドレイン電圧変動をゲートに帰還させないため、接合容量の小さなダイオードが必要となる。一方、この回路のダイオードはドレインにかかる高電圧に耐えなければならないため、通常、500V以上の逆耐圧が必要である。一般に高逆耐圧で小容量のダイオードは極めて高価である。従って、非接触型電力伝送装置のコストアップの原因となっていた。
【0020】(4) :送信用コイルとして安価なボビンレスの単一巻線コイルを利用し、かつ帰還コイルを持つトランス構造とするため、帰還コイルを回路基板上にプリントコイルとして構成したものは既に提案されていた。しかし、前記提案されたものは、プリントコイルを回路基板上に構成するため、プリント基板の面積を増大したり、それを避けるため、両面プリント基板を用いれば、片面プリント基板より高価になることは避けられなかった。
【0021】本発明は、このような従来の課題を解決し、
【0022】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明図である。本発明は前記の目的を達成するため、次のように構成した。
(1) :発振回路を含み、該発振回路で発生した電力を送信する送信ユニット20と、送信ユニット20から送信された電力を受信する受信ユニット21からなり、送信ユニット20から受信ユニット21に対して非接触で電力の伝送を行う非接触型電力伝送装置において、前記発振回路に、第1の電極E1(ベース、又はゲート)を制御信号入力用とし、第2の電極E2(エミッタ、又はソース)をGND接続用とし、第3の電極E3(コレクタ、又はドレイン)を負荷接続用としたトランジスタQを備えた。
【0023】そして、トランジスタQの第3の電極E3と電源間に第1のコイル25(送信用コイル)を接続し、第1の電極E1とGND間に直流遮断手段(コンデンサ35)を有し、かつ第1のコイル25とは磁気的に結合していない第2のコイル26を接続し、第1の電極E1と電源間にバイアス用抵抗37を接続すると共に、第1の電極E1と第3の電極E3間にはコンデンサ28による帰還手段を接続した。
【0024】(2) :発振回路を含み、該発振回路で発生した電力を送信する送信ユニット20と、送信ユニット20から送信された電力を受信する受信ユニット21からなり、送信ユニット20から受信ユニット21に対して非接触で電力の伝送を行う非接触型電力伝送装置において、前記発振回路に、第1の電極E1(ベース、又はゲート)を制御信号入力用とし、第2の電極E2(エミッタ、又はソース)をGND接続用とし、第3の電極E3(コレクタ、又はドレイン)を負荷接続用としたトランジスタを備えた。
【0025】そして、トランジスタQの第3の電極E3と電源間に第1のコイル25(送信用コイル)を接続し、第1の電極E1とGND間に直流遮断手段(コンデンサ35)を有し、かつ第1のコイル25とは磁気的に結合していない第2のコイル26を接続し、第1の電極E1と電源間にバイアス用抵抗37を接続し、第1の電極E1と第3の電極E3間にはコンデンサ28による帰還手段を接続すると共に、第1の電極E1と第3の電極E3間に、アノードを第1の電極E1側としてダイオード42を接続した。
【0026】(3) :前記(1) 又(2) の非接触型電力伝送装置において、受信ユニット21に受信用の第3のコイル27を備え、第3のコイル27と送信ユニット20の第1のコイル25の極性を逆にし、フライバックコンバータ方式による電力の伝送を可能にした。
【0027】(作用)前記構成に基づく本発明の作用を、図1に基づいて説明する。非接触型電力伝送装置を使用する場合は、送信ユニット20に電源を接続し、受信ユニット21に負荷Lを接続すると共に、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置する。そして、前記第1のコイル25と第3のコイル27は、その極性を逆にして、フライバックコンバータ方式により電力伝送ができるようにしておく。この状態での動作は次の通りである。
【0028】送信ユニット20に電源が印加されると、送信ユニット20の発振回路では発振動作を開始する。この発振動作では、第1のコイル25と第2のコイル26と、帰還用のコンデンサ28からなる共振回路が所定の共振周波数で共振し、この共振動作によりトランジスタQがオン/オフ動作を繰り返して行うことにより、高周波発振を行う。
【0029】この場合、第1のコイル25と第2のコイル26のインダクタンス値と、帰還用のコンデンサ28の容量値で決まる周波数で発振を行う。そして、前記発振回路の発振動作により発生した高周波電力は第1のコイル25から高周波の電磁波による電力の送信を行う。
【0030】前記のように、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置した状態で送信ユニット20の発振回路を動作させると、送信ユニット20から高周波の電磁界が発生する。この場合、第1のコイル25と第3のコイル27はフライバックコンバータ方式により電磁結合する。
【0031】このため、第3のコイル27には電圧が誘起するので、第3のコイル27と共振用のコンデンサ30からなる並列共振回路は、所定の周波数で共振する。そして、前記並列共振回路の出力はダイオード32により整流されコンデンサ31で平滑化され、コンデンサ31の端子に平滑化された直流電圧を発生させる。このコンデンサ31の直流電圧により、定電流回路33が定電流を出力し負荷Lに供給する。このようにして、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置することにより非接触で送信ユニット20から受信ユニット21への高周波電力の伝送が可能になる。
【0032】以上のようにして、不要輻射が少なく、高価となる原因の帰還巻線を含まず、高価な小容量ダイオードを含まずに安定した発振動作を行うことができる。そのため、小型、安価で高効率の電力伝送が可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態における各例を図面に基づいて説明する。
§1:非接触型電力伝送装置の基本的な説明・・・図2参照図2は非接触型電力伝送装置の基本構成図である。図示のように非接触型電力伝送装置は、電力を送信する送信ユニット20と、送信ユニット20から送信された電力を受信する受信ユニット21からなり、送信ユニット20から受信ユニット21に対して非接触で電力を伝送する装置である。
【0034】前記送信ユニット20には送信用の電力を発生させるための発振回路22と、発振回路22で発生した電力を送信するための第1のコイル25(送信用コイル)が設けてある。そして発振回路22には、逆相増幅器23と、帰還用のコンデンサ28と、第2のコイル26が設けてある。なお、第1のコイル25は送信用コイルであるが、前記発振回路の素子も兼ねている。
【0035】また、受信ユニット21には、送信ユニット20から送信された電力を受信するための第3のコイル27(受信用コイル)と、共振用のコンデンサ30と、整流用のダイオード32と、平滑用のコンデンサ31と、定電流回路33が設けてあり、定電流回路33の出力側には負荷として2次電池34が接続されている。なお、受信ユニット21では、前記第3のコイル27とコンデンサ30とで並列共振回路を構成している。前記送信ユニット20と受信ユニット21の動作は次の通りである。
【0036】(1) :発振回路22の発振原理の説明逆相増幅器23の入力(P1側)に対し、逆相増幅器23の出力(P2側)は、前記入力とは逆相となるが、帰還用のコンデンサ28と第2のコイル26との接続点(P1)では、180°の位相変位が生じるので、入力に対し同相で帰還される。このため、前記の構成により発振回路は発振動作を行うことができる。
【0037】(2) :送信ユニット20と受信ユニット21間の非接触電力伝送の説明送信ユニット20と受信ユニット21が接近して対向するように位置決めする。この時、第1のコイル25と第3のコイル27が対向配置されるようにする。この状態で、送信ユニット20の発振回路22が発振動作を開始すると、送信ユニット20には高周波電力が発生し、第1のコイル25から高周波電力が送信される。
【0038】この時、第1のコイル25と第3のコイル27が電磁結合し、第3のコイル27に電圧が誘起する。そして、前記第3のコイル27に誘起した電圧により共振用のコンデンサ30にも電流が流れ、第3のコイル27とコンデンサ30からなる並列回路は並列共振状態となる。そして、前記並列共振回路の出力はダイオード32で整流され、コンデンサ31で平滑化されて直流電圧に変換される。そして、コンデンサ31の電圧により定電流回路33で定電流化した電流を出力し、2次電池34に定電流を供給することで2次電池34を充電する。以下、前記非接触型電力伝送装置の基本構成を基に具体化した各例について説明する。
【0039】§2:例1の説明・・・図3参照図3は例1の説明図である。以下、図3に基づいて例1の非接触型電力伝送装置を説明する。
【0040】(1) :回路構成の説明例1は、前記発振回路22を構成する逆相増幅器23として、バイポーラ型のトランジスタ39を使用した例である。図示のように、非接触型電力伝送装置は、送信ユニット20と受信ユニット21からなり、送信ユニット20から受信ユニット21に対して非接触で電力が伝送できるように構成されている。
【0041】前記送信ユニット20には、前記逆相増幅器を構成するバイポーラ型のトランジスタ39と、帰還用のコンデンサ28と、第2のコイル26と、直流遮断用のコンデンサ35と、電流調整用の抵抗37及び可変抵抗38からなる発振回路が設けてあり、この発振回路の出力側に第1のコイル25が接続されている。この場合、第1のコイル25は前記発振回路の素子も兼ねている。
【0042】すなわち、前記発振回路において、トランジスタ39には第1のコイル25(送信用コイル)がコレクタ負荷として接続され、ベースには第1のコイル25とは磁気的に結合してない第2のコイル26が接続されている。また、第2のコイル26には、トランジスタ39のベースに印加するバイアス電圧がGNDに接続されないように直流遮断用のコンデンサ35が直列に接続されている。
【0043】更にトランジスタ39のベースは、電流調整用の抵抗37及び可変抵抗38の直列回路を介して電源に接続されており、前記可変抵抗38の調整によりトランジスタ39のバイアス電流を調整できるようになっている。なお、コンデンサ36はバイパス用のコンデンサである。
【0044】コンデンサ28はトランジスタ39のコレクタからベースへの帰還用のコンデンサであり、このコンデンサ28と第2のコイル26によりコレクタ信号は位相が反転されてベースへ帰還されるようになっている。また、コンデンサ28は第1のコイル25、第2のコイル26と共に共振回路(直列共振回路)を構成しており、この共振回路の共振周波数に応じてトランジスタ39が動作することにより、この発振回路は正弦波発振を行うように構成されている。
【0045】前記構成において、第1のコイル25と第2のコイル26は、磁気的に結合しない独立した別のコイルであるから、第1のコイル25には安価なボビンレスコイルが使用でき、第2のコイル26としては安価な汎用の固定コイルが使用できる。
【0046】(2) :例1の動作説明・・・図4参照図4は例1の動作説明図である。以下、図4に基づいて例1の非接触型電力伝送装置の動作を説明する。
【0047】非接触型電力伝送装置を使用する場合は、送信ユニット20に直流電源(電圧:VIN)を接続し、受信ユニット21の負荷として、定電流回路33の出力側に2次電池34を接続すると共に、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置する。この場合、第1のコイル25と第3のコイル27は極性を逆にし、フライバックコンバータ方式により電力伝送できるようにしておく。この状態での動作は次の通りである。
【0048】送信ユニット20に直流電源(電圧:VIN)が印加すると、送信ユニット20の発振回路では発振動作を開始する。この発振動作では、第1のコイル25と第2のコイル26と、帰還用のコンデンサ28からなる共振回路(直列共振回路)が所定の共振周波数で共振し、この共振動作によりトランジスタ39がオン/オフ動作を繰り返して行うことにより、高周波発振を行う。
【0049】この場合、第1のコイル25と第2のコイル26のインダクタンス値と、帰還用のコンデンサ28の容量値で決まる周波数で発振を行う。そして、前記発振回路の発振動作により発生した高周波電力は第1のコイル25から高周波の電磁波による電力の送信を行う。
【0050】前記のように、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置した状態で送信ユニット20の発振回路を動作させると、送信ユニット20から高周波の電磁界が発生する。この場合、送信ユニット20の第1のコイル25と受信ユニット21の第3のコイル27はトランスのフライバックコンバータ方式による1次コイルと2次コイルの関係と同じ状態(逆極性)で電磁結合する。
【0051】このため、第3のコイル27には電圧が誘起する。この誘起電圧により、第3のコイル27と共振用のコンデンサ30からなる並列共振回路は、所定の周波数で共振状態となる。また、この時、第3のコイル27の電圧によりダイオード32を介して平滑用のコンデンサ31に電流が流れ、コンデンサ31を充電する。このようにしてコンデンサ31には平滑化された直流電圧が発生する。そして、コンデンサ31で平滑化された直流電圧により定電流回路33で定電流を出力し、この定電流により2次電池34を充電する。
【0052】このようにして、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置することにより送信ユニット20から受信ユニット21へ非接触で高周波電力を伝送することができる。この場合の各部の波形は図5に示した通りである。
【0053】図5において、
【0054】前記のように送信ユニット20の発振回路が発振動作を行うと、トランジスタ39は、
【0055】また、トランジスタ39のコレクタ電流Icは、
【0056】トランジスタ39のベース・エミッタ間電圧VBEは、
【0057】一方、受信ユニット21では、第3のコイル27は送信ユニット20の第1のコイル25に対して、フライバックコンバータ方式により結合(逆極性で結合)しているため、第3のコイル27に発生する電圧VS は
【0058】前記動作において、送信ユニット20の入力電源の電圧をVIN、入力電流をIINとし、受信ユニット21の出力電圧(定電流回路33の出力電圧)をVO 、出力電流をIO とし、電力伝送効率をηとするとηは次の通りである。すなわち、入力電力はVIN×IIN(W)であり、出力電力はVO ×IO (W)であるから、電力伝送効率ηは、η=VO ×IO /VIN×IIN(%)となる。
【0059】(3) :その他の説明前記非接触型電力伝送装置において、第1のコイル25と第3のコイル27との電磁結合は、フライバックコンバータ方式による結合と、フォワードコンバータ方式による結合とがあり、両方の結合方法で実施した結果、図4R>4のA図、B図に示した結果が得られた。図4のA図はフライバックコンバータ方式による波形図であり、B図はフォワードコンバータ方式による波形図である。
【0060】図4のA図及びB図に示したように、トランジスタ39のコレクタ・エミッタ間電圧VCEに対してコレクタ電流IC は図示のように流れるが、前記両波形の重なった部分において電力の損失が発生する。この場合、A図に示したフライバックコンバータ方式による場合の損失をPA(W)、B図に示したフォーワードコンバータ方式による場合の損失をPB(W)とし、A図のコレクタ電流のピーク値をIC1、B図のコレクタ電流のピーク値をIC2とすると、IC1<IC2(例えば、IC1=400mA、IC2=600mA)、PA<PBの関係になる。
【0061】前記のように、第1のコイル25と第3のコイル27の極性を逆にし、フライバックコンバータ方式による電力伝送では、トランジスタ39がオンの時、受信ユニット21のダイオード32がカットオフ状態となる。このため、第3のコイル27のインダクタンスによりトランジスタ39のピーク電流IC1が低減され(IC1<IC2)、トランジスタ39のオフ時の損失電力PAが低減できる(PA<PB)。
【0062】その結果、フライバック結合により電力伝送した場合には、フォーワード結合により電力伝送した場合に比べて、電力伝送効率η(η=VO ×IO /VIN×IIN)が改善される。
【0063】§3:例2の説明・・・図6〜図8参照図6は例2の説明図、図7は例2の動作説明図、図8は例2の特性図である。以下、図6〜図8に基づいて例2の非接触型電力伝送装置を説明する。例2は前記逆相増幅器として電界効果型のトランジスタ(FET)を用いた例であり、基本的には前記例1と同じである。
【0064】(1) :例2の構成の説明送信ユニット20には、前記逆相増幅器として電界効果型のトランジスタ40が設けてあり、前記トランジスタ40のドレインには送信用コイルを構成する第1のコイル25が負荷として接続され、第1のコイル25とは磁気的に結合していない第2のコイル26がゲートに接続されている。この例でも、第1のコイル25と第2のコイル26は磁気的に結合しない独立した別のコイルであるから、第1のコイル25には安価なボビンレスコイルが使用でき、第2のコイル26としては、安価な汎用の固定コイルが使用できる。
【0065】前記第2のコイル26の一端(P3)は、直流遮断用のコンデンサ35を介してGNDに接続され、他端(P1)は抵抗43を介してトランジスタ40のゲートに接続されている。前記第2のコイル26の他端(P1)と電源との間には抵抗37、可変抵抗38が接続されている。
【0066】また、トランジスタ40のドレインとゲート間には、抵抗43を介して帰還用のコンデンサ28が接続されると共に、前記コンデンサ28に対し、ダイオード42がアノードをゲート側にして並列接続されている。なお、コンデンサ36はバイパス用のコンデンサであり、44はヒューズである。
【0067】前記のようにトランジスタ40のゲートには、抵抗43を介してバイアス電圧が加えられており、ドレイン側の電圧は帰還用コンデンサ28、及び抵抗43を介してゲートに帰還されている。そして、送信ユニット20の発振回路では、第1のコイル25、及び第2のコイル26のインダクタンス値と、コンデンサ28の容量値で決まる周波数で発振(高周波発振)するように構成されている。
【0068】前記発振回路で発生した電力は第1のコイル25から送信され、この送信された電力は受信ユニット21で受信される。この場合、発振回路に設けたダイオード42は、直流負帰還用のダイオードであるが、従来例とは異なりトランジスタ40はパルス的な動作ではなく、線型動作に近いため、直流的にはゲートバイアス電圧が一定になるような負帰還回路として動作するものである。
【0069】ダイオード41は、トランジスタ40のゲート電位が何らかの原因で負になった時、トランジスタ40のゲート、ソース間が破壊されることを防ぐためのダイオードである。ダイオード42はコンデンサ28と並列に接続され、その接合容量は帰還用のコンデンサ28の容量に加わるだけであるから、もし、接合容量が大きければ、その分、帰還用コンデンサ28の容量を減らせば良く、従来のように、接合容量の存在が回路動作を不安定にすることはない。
【0070】また、例2の発振回路では前記のように線型動作に近い動作をするため、トランジスタ40のドレイン電圧、ドレイン電流共に正弦波に近く、高周波成分が非常に少ないため、不要な電磁界輻射は極めて少ない。
【0071】(2) :例2の動作説明・・・図7参照図7は例2の動作説明図である。以下、図7に基づいて例2の非接触型電力伝送装置の動作を説明する。
【0072】非接触型電力伝送装置を使用する場合は、送信ユニット20に直流電源(電圧:VIN)を接続し、受信ユニット21の負荷として、定電流回路33の出力側に2次電池34を接続すると共に、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置する。この場合、第1のコイル25と第3のコイル27は極性を逆にし、フライバックコンバータ方式により電力伝送できるようにしておく。この状態での動作は次の通りである。
【0073】送信ユニット20に直流電源VINが印加されると、送信ユニット20の発振回路では発振動作を開始する。この発振動作では、第1のコイル25と第2のコイル26と、帰還用のコンデンサ28からなる共振回路が所定の共振周波数で共振し、この共振動作によりトランジスタ40がオン/オフ動作を繰り返すことにより、高周波発振を行う。
【0074】この場合、第1のコイル25及び第2のコイル26のインダクタンス値と、帰還用のコンデンサ28の容量値で決まる周波数で発振を行う。そして、前記発振回路の発振動作により発生した高周波電力は第1のコイル25から高周波の電磁波による電力の送信を行う。
【0075】前記のように、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置した状態で送信ユニット20の発振回路を動作させると、送信ユニット20から高周波の電磁界が発生する。この場合、送信ユニット20の第1のコイル25と受信ユニット21の第3のコイル27はトランスのフライバックコンバータ方式による1次コイルと2次コイルの関係と同じ状態で電磁結合(逆極性で結合)する。
【0076】このため、第3のコイル27には電圧が誘起し、この誘起電圧により第3のコイル27と共振用のコンデンサ30からなる並列共振回路は、所定の周波数で共振状態となる。また、この時、第3のコイル27の電圧によりダイオード32を介してコンデンサ31に電流が流れ、コンデンサ31を充電する。このようにしてコンデンサ31には平滑化された直流電圧が発生する。そして、コンデンサ31で平滑化された直流電圧により定電流回路33で定電流を出力し、この定電流により2次電池34を充電する。
【0077】このようにして、送信ユニット20と受信ユニット21を対向配置することにより非接触で送信ユニット20から受信ユニット21への高周波電力の伝送を行う。前記のように送信ユニット20の発振回路が発振動作を行うと、トランジスタ40はオン/オフ動作を繰り返して行う。この時トランジスタ40のドレイン・ソース間電圧はオン状態で略0となり、オフ状態で正弦波状に大きくなる。また、トランジスタ40のドレイン電流はオン状態で大きく、オフ状態で殆ど流れないが、トランジスタ40がオン時の電流が少し遅れるので、トランジスタ40がオフになってもドレイン電流は少し流れる。
【0078】トランジスタ40のゲート・ソース間電圧は、オン状態では略一定の電圧(ソースに対しゲート側が高い電位)であり、オフ状態では逆方向に正弦波状の大きな電圧(ソースに対しゲート側が低い電位)となる。帰還用のコンデンサ28に流れる電流は、略正弦波状の共振電流である。
【0079】一方、受信ユニット21では、第3のコイル27は送信ユニット21の第1のコイル25に対して、フライバックコンバータ方式による結合をしているため、第3のコイル27に発生する電圧は、トランジスタ40がオンになってドレイン電流が大きくなった時のみ、略正弦波状の大きな電圧(正弦波の半波状の誘起電圧)が発生する。
【0080】前記動作において、送信ユニット20の入力電源をVIN、入力電流をIINとし、受信ユニット21の出力電圧(定電流回路33の出力電圧)をVO 、出力電流をIO とし、電力伝送効率をηとするとηは次の通りである。すなわち、入力電力はVIN×IIN(W)であり、出力電力はVO ×IO (W)であるから、電力伝送効率をηは、η=VO ×IO /VIN×IIN(%)となる。
【0081】(3) :その他の説明非接触型電力伝送装置において、第1のコイル25と第3のコイル27との電磁結合は、フライバックコンバータ方式による結合と、フォワードコンバータ方式による結合とがあり、両方の結合方法で実施した結果、図7のA図、B図に示した結果が得られた。図7のA図はフライバックコンバータ方式による波形図であり、B図はフォワードコンバータ方式による波形図である。
【0082】図7のA図及びB図に示したように、トランジスタ40のドレイン・ソース間電圧VDSに対してドレイン電流ID は図示のように流れるが、前記両波形の重なった部分において電力の損失が発生する。この場合、A図に示したフライバックコンバータ方式による場合の損失をPA(W)、B図に示したフォーワードコンバータ方式による場合の損失をPB(W)とし、A図のコレクタ電流のピーク値をID1、B図のコレクタ電流のピーク値をID2とすると、ID1<ID2、PA<PBの関係になる。
【0083】前記のように、第1のコイル25と第3のコイル27の極性を逆にし、フライバックコンバータ方式による電力伝送では、トランジスタ40がオンの時、受信ユニット21のダイオード32がカットオフ状態となる。このため、第3のコイル27のインダクタンスによりトランジスタ40のピーク電流ID1が低減され(ID1<ID2)、トランジスタ40のオフ時の損失電力PAが低減できる(PA<PB)。
【0084】その結果、フライバックコンバータ方式により電力伝送した場合には、フォーワードコンバータ方式により電力伝送した場合に比べて、電力伝送効率η(η=VO ×IO /VIN×IIN)が改善される。
【0085】前記のように動作を行う例2の装置において、フライバックコンバータ方式による電力伝送効率とフォワードコンバータ方式による電力伝送効率を比較するため実験を行った結果、図8のような特性が得られた。図8において、横軸は出力電流IO (mA)、縦軸は電力伝送効率η(%)であり、
【0086】実験例では、フライバックコンバータ方式により電力伝送した場合(図8の
【0087】§4:例3の説明・・・図9参照図9は例3の説明図である。例3は前記例2の非接触型電力伝送装置において、前記発振回路に設けた直流遮断用のコンデンサ35の挿入位置を変えた例であり、他の構成は例2と同じである。
【0088】前記直流遮断用のコンデンサ35は例2のようにGND側に挿入する必要はなく、例3のように、第2のコイル26とトランジスタ40のゲートの間に挿入しても良い。また、この場合電源とトランジスタ40のゲートとの間に抵抗37を接続する。なお、例3の動作は実質的に前記例2の動作と同じなので説明は省略する。
【0089】(他の実施の形態)以上実施の形態について説明したが、本発明は次のようにしても実施可能である。
【0090】(1) :受信ユニットの回路構成は、前記実施の形態例に示したものに限らず、他の任意の回路にも適用可能である。但し、受信用コイルは必要である。
(2) :受信ユニットの負荷は、2次電池に限らず、他の任意の負荷で実施可能である。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次のような効果がある。
(1) :発振回路には、従来のような高価となる原因の帰還巻線を含まないので、安価で、かつ小型の非接触型電力伝送装置が実現できる。
【0092】(2) :発振回路は、従来のようなパルス的な動作ではなく、線型的な動作をするので、不要輻射が少なくなる。このため、他の電気機器等に対してノイズによる悪影響を与えない。
【0093】(3) 発振回路において、高価な小容量ダイオードを含まずにバイアス安定化が達成されるので、安価で安定した発振動作を行う装置が実現できる。
(4) :発振回路において、第1のコイルと第2のコイルは、磁気的に結合しない独立した別のコイルであるから、第1のコイルには安価なボビンレスコイルが使用でき、第2のコイルとしては安価な汎用の固定コイルが使用できる。従って、小型、安価で高効率の電力伝送が可能な非接触型電力伝送装置を実現することができる。
【0094】(6) :受信ユニットの第3のコイルと送信ユニットの第1のコイルの極性を逆にし、フライバックコンバータ方式による電力の伝送を可能にしたので、フォワードコンバータ方式による電力伝送に比べて、電力伝送効率が大幅に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】実施の形態における非接触型電力伝送装置の基本構成図である。
【図3】実施の形態における例1の説明図である。
【図4】実施の形態における例1の動作説明図である。
【図5】実施の形態における例1の各部の波形図である。
【図6】実施の形態における例2の説明図である。
【図7】実施の形態における例2の動作説明図である。
【図8】実施の形態における例2の特性図である。
【図9】実施の形態における例3の説明図である。
【図10】従来例1の説明図である。
【図11】従来例2の説明図である。
【符号の説明】
E1 第1の電極(ベース、又はゲート)
E2 第2の電極(エミッタ、又はソース)
E3 第3の電極(コレクタ、又はドレイン)
Q トランジスタ
20 送信ユニット
21 受信ユニット
22 発振回路
23 逆相増幅器
25 第1のコイル
26 第2のコイル
27 第3のコイル
28、30、31、35 コンデンサ
32、41、42 ダイオード
33 定電流回路
37、43 抵抗
【特許請求の範囲】
【請求項1】発振回路を含み、該発振回路で発生した電力を送信する送信ユニットと、前記送信ユニットから送信された電力を受信する受信ユニットからなり、前記送信ユニットから受信ユニットに対して非接触で電力の伝送を行う非接触型電力伝送装置において、前記発振回路に、第1の電極を制御信号入力用とし、第2の電極をGND接続用とし、第3の電極を負荷接続用としたトランジスタを備え、前記トランジスタの第3の電極と電源間に第1のコイルを接続し、前記第1の電極とGND間に直流遮断手段を有しかつ前記第1のコイルとは磁気的に結合していない第2のコイルを接続し、前記第1の電極と電源間にバイアス用抵抗を接続すると共に、前記第1の電極と第3の電極間にはコンデンサによる帰還手段を接続したことを特徴とする非接触型電力伝送装置。
【請求項2】発振回路を含み、該発振回路で発生した電力を送信する送信ユニットと、前記送信ユニットから送信された電力を受信する受信ユニットからなり、前記送信ユニットから受信ユニットに対して非接触で電力の伝送を行う非接触型電力伝送装置において、前記発振回路に、第1の電極を制御信号入力用とし、第2の電極をGND接続用とし、第3の電極を負荷接続用としたトランジスタを備え、前記トランジスタの第3の電極と電源間に第1のコイルを接続し、前記第1の電極とGND間に直流遮断手段を有しかつ前記第1のコイルとは磁気的に結合していない第2のコイルを接続し、前記第1の電極と電源間にバイアス用抵抗を接続し、前記第1の電極と第3の電極間にはコンデンサによる帰還手段を接続すると共に、前記第1の電極と第3の電極間に、アノードを第1の電極側としてダイオードを接続したことを特徴とする非接触型電力伝送装置。
【請求項3】前記受信ユニットに受信用の第3のコイルを備え、前記第3のコイルと前記送信ユニットの第1のコイルの極性を逆にし、フライバックコンバータ方式による電力の伝送を可能にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の非接触型電力伝送装置。
【請求項1】発振回路を含み、該発振回路で発生した電力を送信する送信ユニットと、前記送信ユニットから送信された電力を受信する受信ユニットからなり、前記送信ユニットから受信ユニットに対して非接触で電力の伝送を行う非接触型電力伝送装置において、前記発振回路に、第1の電極を制御信号入力用とし、第2の電極をGND接続用とし、第3の電極を負荷接続用としたトランジスタを備え、前記トランジスタの第3の電極と電源間に第1のコイルを接続し、前記第1の電極とGND間に直流遮断手段を有しかつ前記第1のコイルとは磁気的に結合していない第2のコイルを接続し、前記第1の電極と電源間にバイアス用抵抗を接続すると共に、前記第1の電極と第3の電極間にはコンデンサによる帰還手段を接続したことを特徴とする非接触型電力伝送装置。
【請求項2】発振回路を含み、該発振回路で発生した電力を送信する送信ユニットと、前記送信ユニットから送信された電力を受信する受信ユニットからなり、前記送信ユニットから受信ユニットに対して非接触で電力の伝送を行う非接触型電力伝送装置において、前記発振回路に、第1の電極を制御信号入力用とし、第2の電極をGND接続用とし、第3の電極を負荷接続用としたトランジスタを備え、前記トランジスタの第3の電極と電源間に第1のコイルを接続し、前記第1の電極とGND間に直流遮断手段を有しかつ前記第1のコイルとは磁気的に結合していない第2のコイルを接続し、前記第1の電極と電源間にバイアス用抵抗を接続し、前記第1の電極と第3の電極間にはコンデンサによる帰還手段を接続すると共に、前記第1の電極と第3の電極間に、アノードを第1の電極側としてダイオードを接続したことを特徴とする非接触型電力伝送装置。
【請求項3】前記受信ユニットに受信用の第3のコイルを備え、前記第3のコイルと前記送信ユニットの第1のコイルの極性を逆にし、フライバックコンバータ方式による電力の伝送を可能にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の非接触型電力伝送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図11】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図11】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【特許番号】特許第3357233号(P3357233)
【登録日】平成14年10月4日(2002.10.4)
【発行日】平成14年12月16日(2002.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−332928
【出願日】平成7年12月21日(1995.12.21)
【公開番号】特開平9−182322
【公開日】平成9年7月11日(1997.7.11)
【審査請求日】平成11年5月7日(1999.5.7)
【出願人】(000003067)ティーディーケイ株式会社 (7,238)
【参考文献】
【文献】特開 平6−339271(JP,A)
【登録日】平成14年10月4日(2002.10.4)
【発行日】平成14年12月16日(2002.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成7年12月21日(1995.12.21)
【公開番号】特開平9−182322
【公開日】平成9年7月11日(1997.7.11)
【審査請求日】平成11年5月7日(1999.5.7)
【出願人】(000003067)ティーディーケイ株式会社 (7,238)
【参考文献】
【文献】特開 平6−339271(JP,A)
[ Back to top ]