説明

非接触式眼圧計

【課題】 眼圧の影響を受ける度合いが極力少なくかつ被検者の負担の軽減を図ることのできる非接触式眼圧計を提供する。
【解決手段】 本発明の非接触式眼圧計は、被検眼Eの角膜Cに気流を吹き付けて角膜Cを変形させる気流吹きつけ手段12、14Aと、気流吹き付け手段12、14Aによる角膜Cの変形を光学的に検出して光量強度信号を出力する角膜変形検出手段50と、気流吹きつけ手段12、14Aの作動開始時点から計時を開始しかつ光量強度信号の立ち上がりの裾の部分に対応する所定時点を計時して所定時点での光量強度信号を取得させる計時手段80と、光量強度信号を角膜変形量に換算すると共に角膜変形量と被検眼Eの角膜Cに実際に吹き付けられる気流の所定時点での圧力に対応する気流吹きつけ手段12、14Aの内圧との関係から角膜Cの剛性を求める演算手段80とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角膜の硬さ(角膜の剛性)を測定できる非接触式眼圧計の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触式眼圧計には、被検者の眼の角膜に気流を吹き付け、角膜への気流の吹き付け開始から角膜の所定変形量時点までの時間を検出して眼圧を測定すると共に、角膜が圧平されてから陥没し、陥没した角膜が元の圧平状態に復元するまでの時間が角膜の硬さによって異なることから、この復元時間を計測することにより角膜の硬さを推定し、眼圧を補正する構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、一般に、眼圧が高いと角膜の変位量(陥没量)は小さく、眼圧が低いと角膜の変形量は大きく、その従来の非接触式眼圧計では、角膜の圧平時点からこの角膜を更に陥没させてこの陥没した角膜が元の圧平状態に復元するまでの復元時点までの時間を計測する構成を採用して角膜の硬さを測定しているので、角膜の硬さの測定に際して、眼圧の影響を受ける度合いが大きいという問題点がある。
【0004】
また、角膜を陥没させて角膜の硬さを測定するため、被検者の受ける負担も大きい。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、眼圧の影響を受ける度合いが極力少なくかつ被検者の負担の軽減を図ることのできる非接触式眼圧計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、被検眼の角膜に気流を吹き付けて前記角膜を変形させる気流吹きつけ手段と、前記気流吹き付け手段による角膜の変形を光学的に検出して光量強度信号を出力する角膜変形検出手段と、前記気流吹きつけ手段の作動開始時点から計時を開始しかつ前記光量強度信号の立ち上がりの裾の部分に対応する所定時点での前記光量強度信号を取得させる該所定時点を計時する計時手段と、前記光量強度信号を角膜変形量に換算すると共に該角膜変形量と前記被検眼の角膜に実際に吹き付けられる気流の前記所定時点での力に対応する気流吹きつけ手段の内圧との関係から前記角膜の剛性を求める演算手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記気流吹き付け手段には内圧測定センサが設けられ、前記演算手段は前記気流吹き付け手段の作動開始時点から前記所定時間までの内圧を時系列的に求めることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記演算手段が前記角膜変形検出手段の光量強度信号と前記気流吹き付け手段の内圧との関係から前記被検眼の眼圧を演算することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記角膜の剛性を報知することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、被検眼の角膜に気流を吹き付けて前記角膜を変形させる気流吹きつけ手段と、前記気流吹き付け手段による角膜の変形を光学的に検出して光量強度信号を出力する角膜変形検出手段と、前記気流吹きつけ手段の作動開始時点から計時を開始しかつ前記光量強度信号が立ち上がりの裾の部分に対応する所定光量強度信号に到達した時点を計時して該所定時点での前記光量強度信号を取得する計時手段と、前記光量強度信号を角膜変形量に換算すると共に該角膜変形量と前記被検眼の角膜に実際に吹き付けられる気流の前記所定時点での力に対応する所定の光量強度信号に到達する際の前記計時手段による時間との関係から前記角膜の剛性を求める演算手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記演算手段が前記角膜の剛性が考慮される補正された眼圧を演算することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、以上説明したように構成したので、眼圧の影響を受ける度合いが極力少なくかつ被検者の負担の軽減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明に係わる非接触式眼圧計の発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0014】
(実施例1)
図1、図2において、Sは装置本体である。この装置本体Sは、被検眼Eの前眼部を観察する前眼部観察系10、XY方向のアライメント検出・角膜変形検出用の指標光を被検眼Eの角膜Cに正面から投影するXYアライメント指標投影光学系20、被検眼Eに固視標を提供する固視標投影光学系30、XYアライメント指標光の角膜Cによる反射光を受光して装置本体Sと角膜CのXY方向の位置関係を検出するXYアライメント検出光学系40、XYアライメント指標光の角膜Cによる反射光を受光し角膜Cの変形量を検出する角膜変形検出光学系(角膜変形検出手段)50、角膜Cに斜めからZ方向のアライメント用指標光を投影するZアライメント指標投影光学系60、Zアライメント指標光の角膜Cによる反射光を前眼部観察光学系10の光軸に対して対称な方向から受光し装置本体Sと角膜CのZ方向の位置関係を検出するZアライメント検出光学系70とを備えている。
【0015】
前眼部観察光学系10は、被検眼Eの左右に位置して前眼部をダイレクトに照明する複数個の前眼部照明光源11、気流吹き付けノズル12、前眼部窓ガラス13、チャンバー14A、チャンバー窓ガラス14、ハーフミラー15、対物レンズ16、ハーフミラー17、18、CCDカメラ19を備え、O1はその光軸である。ここで、気流吹き付けノズル12、前眼部窓ガラス13、チャンバー14A、チャンバー窓ガラス14、は図示を略すロータリソレノイドと共に被検眼Eの角膜Cに向けて気流を吹き付け、角膜Cを変形させる気流吹き付け手段として機能する。
【0016】
前眼部照明光源11によって照明された被検眼Eの前眼部像は、気流吹き付けノズル12の内外を通り、前眼部窓ガラス13、チャンバー窓ガラス14、ハーフミラー15を透過し、対物レンズ16により集束されつつハーフミラー17、18を透過してCCDカメラ19上に形成される。なお、前眼部窓ガラス13は、ノズル12内外の光束をCCDカメラ19上に結像させるパワーを持っている。
【0017】
XYアライメント指標投影光学系20は、赤外光を出射するXYアライメント用光源21、集光レンズ22、開口絞り23、ピンホール板24、ダイクロイックミラー25、ピンホール板24に焦点を一致させるように光路上に配置された投影レンズ26、ハーフミラー15、チャンバー窓ガラス14、気流吹き付けノズル12を有する。
【0018】
XYアライメント用光源21から出射された赤外光は、集光レンズ22により集束されつつ開口絞り23を通過し、ピンホール板24に導かれる。そして、ピンホール板24を通過した光束は、ダイクロイックミラー25で反射され、投影レンズ26によって平行光束となってハーフミラー15で反射された後に、チャンバー窓ガラス14を透過して気流吹き付けノズル12の内部を通過し、図3に示すようにXYアライメント指標光Kを形成する。図3において、XYアライメント指標光Kは、角膜Cの頂点Pと角膜Cの曲率中心との中間位置に輝点像Rを形成するようにして角膜表面Tで反射される。なお、開口絞り23は投影レンズ26に関して角膜頂点Pと共役な位置に設けられている。
【0019】
固視標光学系30は、可視光を出射する固視標用光源31、ピンホール板32、ダイクロイックミラー25、投影レンズ26、ハーフミラー15、チャンバー窓ガラス14、気流吹き付けノズル12を有する。
【0020】
固視標用光源31から出射された固視標光は、ピンホール板32、ダイクロイックミラー25を経て、投影レンズ26により平行光とされ、ハーフミラー15で反射された後に、チャンバー窓ガラス14を透過し、気流吹き付けノズル12の内部を通過して被検眼Eに導かれる。被検者はその固視標を固視目標として注視することにより視線が固定される。
【0021】
XYアライメント指標投影光学系20により角膜Cに投影され、角膜表面Tで反射された反射光束は、ノズル12の内部を通りチャンバー窓ガラス14、ハーフミラー15を透過し、対物レンズ16により集束されつつハーフミラー17でその一部が透過し、ハーフミラー18でその一部が反射される。
【0022】
ハーフミラー18で反射された光束は、センサ41上に輝点像R’1を形成する。センサ41はPSDのような位置検出可能な受光センサである。XYアライメント検出回路42は、センサ41の出力を基にして、装置本体Sと角膜Cの位置関係(XY方向)を公知の手段によって演算し、その演算結果をZアライメント検出補正回路74及び制御回路80に向けて出力する。
【0023】
一方、ハーフミラー18を透過した角膜Cによる反射光束は、CCDカメラ19上に輝点像R’2を形成する。CCDカメラ19はモニタ装置に画像信号を出力し、図4に示すように、被検眼Eの前眼部像E’、XYアライメント指標光の輝点像R’2がモニタ装置の画面Gに表示される。なお、Hは図示しない画像生成手段によって生成されたアライメント補助マークである。
【0024】
さらに、ハーフミラー17によって反射された一部の光束は、角膜変形検出光学系50に導かれ、ピンホール板51を通過してセンサ52に導かれる。センサ52はフォトダイオードのように光量検出可能な受光センサである。
【0025】
Zアライメント指標投影光学系60は、赤外光を出射するZアライメント用光源61、集光レンズ62、開口絞り63、ピンホール板64、ピンホール板64に焦点を一致させるように光路上に配置された投影レンズ65を有し、O2はその光軸である。
【0026】
Zアライメント用光源61を出射した赤外光は、集光レンズ62により集光されつつ開口絞り63を通過してピンホール板64に導かれる。ピンホール板64を通過した光束は、投影レンズ65によって平行光とされて角膜Cに導かれ、図5に示すように、輝点像Qを形成するようにして角膜表面Tで反射される。なお、開口絞り63は投影レンズ65に関して角膜頂点Pと共役な位置に設けられている。
【0027】
Zアライメント検出光学系70は、結像レンズ71、Y方向にパワーを持ったシリンドリカルレンズ72、センサ73、Zアライメント検出補正回路74を有し、O3はその光軸である。
【0028】
Zアライメント指標投影光学系60によって投影された指標光の角膜表面Tにおける反射光束は、結像レンズ71によって集束されつつシリンドリカルレンズ72を介してセンサ73上に輝点像Q’を形成する。センサ73はラインセンサやPSDのように位置検出可能な受光センサである。センサ73からの情報はZアライメント検出補正回路74に導かれる。そのZアライメント検出補正回路74による補正は特開2000−212号公報に詳述されているので、その詳細な説明は省略する。
【0029】
なお、XZ平面内では、輝点像Qとセンサ73は結像レンズ71に関して共役な位置関係にあり、YZ平面内では、角膜頂点Pとセンサ73が結像レンズ71、シリンドリカルレンズ72に関して共役な位置関係にある。
【0030】
つまり、センサ73は開口絞り63と共役関係にあり(このときの倍率は、開口絞り63の像がセンサ73の大きさよりも小さくなるように選んである)、Y方向に角膜Cがずれたとしても角膜表面Tにおける反射光束は、効率良くセンサ73に入射するようになる。
【0031】
ここでは、チャンバー14A内にはチャンバー14A内の圧力を測定する圧力センサ14Bが設けられている。検者は図4に示すモニタ画面で前眼部像E’を観察しながら、輝点像R’2がアライメント補助マークHの中に入り、かつ、ピントが合うように装置本体SをXYZ方向に手動で移動させ、アライメント調整を行う。
【0032】
このとき、制御回路80はXYアライメント検出回路42及びZアライメント検出補正回路74の出力が所定範囲内に入った場合、気流吹き付け手段を作動させ、気流吹き付けノズル12から角膜Cに向けて気流を吹き付ける。なお、この発明の実施の形態では、自動的に気流吹き付け手段を作動させる構成としているが、図示を略すトリガースイッチを作動させ、気流の角膜Cへの吹き付けを開始させても良い。
【0033】
気流の角膜Cへの吹き付けを開始すると、時間tの経過と共にチャンバー14A内の圧力が図6に符号F1で示すように上昇する。ついで、チャンバー内の圧力(実線で示す)F1の上昇に若干遅れて、角膜Cに実際に吹き付けられる気流の力が符号F2で示すように上昇する。
【0034】
この角膜Cに実際に吹き付けられる気流の力(二点鎖線で示す)F2に若干遅れて角膜Cが図7に示すように変形を開始し、センサ52からの光量強度信号Sの出力は図8に示すように時間tの経過と共に上昇し、角膜Cが偏平に達したときに最大となる。その図7において、実線は角膜Cの変形前の状態を示し、一点鎖線はその角膜Cの圧平状態を示し、破線は角膜Cが変形を受ける前から圧平されるまでの途中の状態を示す。Δは角膜Cの気流吹き付けによる変形量を示す。この変形量Δは、変形前の角膜Cの頂点Pから変形後の角膜Cの頂点Pまでの間隔により求まる。
【0035】
角膜Cの変形量Δと光量強度信号Sとの間には、図8に示すように、角膜Cの変形量Δが小さい初期段階、すなわち、光量強度信号Sの立ち上がりの裾の部分Saでも、角膜Cの変形量Δと光量強度信号Sとの間には、相関関係があることが実験により判明した。
【0036】
この相関関係は、高感度高速カメラにより被検眼の角膜Cを横から連続的に撮影する一方、その各撮影時刻における光量強度信号Sの値を求めることにより、角膜Cの気流吹き付け初期における角膜Cの変形量Δと光量強度信号Sの値とを関連づけることにより得られる。図9はその相関分布図を示し、相関係数は約0.7である。
【0037】
制御回路80は、気流吹き付け手段の作動開始時点t0から計時を開始しかつ光量強度信号Sの立ち上がりの低い裾の部分Saに対応する所定時点t1を計時してこの所定時点t1での光量強度信号Sを取得する計時手段を有する。その所定時点t1は、気流吹き付け手段の作動開始時点t0から例えば約10msであり、図9に示す相関分布図はその光量強度信号Sと変形量Δとの相関関係を示している。
【0038】
制御回路80は、この光量強度信号Sを角膜変形量Δに換算し、この角膜変形量Δと被検眼Eの角膜Cに実際に吹き付けられる気流の力F2に対応する気流吹き付け手段の内圧F1との関係から、F2=k・Δの関係式に基づき角膜Cの剛性kを求める。角膜Cの変形量Δが微小の範囲内であるので、眼圧の影響はほとんど受けていないと考えられる。
【0039】
制御回路80は、気流吹き付け手段の作動開始時点t0からその角膜Cが偏平に達した所定時点(所定時間)t2を計時して、この所定時点(所定時間)t2に対応する内圧F3を取得する。内圧F3と眼圧F4との間には対応関係があるので、角膜Cが圧平した時点での内圧F3を取得することにより被検眼の眼圧F4を求めることができる。
【0040】
なお、制御回路80は、角膜変形検出手段の光量強度信号Sと気流吹き付け手段の内圧F1との関係から被検眼Eの眼圧を演算しても良い。また、角膜Cの剛性を5段階(0(柔らかい)から5(硬い)までの5段階)に区切って、モニタ画面に報知させても良い。また、角膜Cの剛性を音声により報知する構成を採用しても良い。
【0041】
日本人には、正常眼圧緑内障患者が多いが、この発明の実施の形態によれば、眼球剛性の影響を排した眼圧測定ができるので、正常眼圧緑内障患者の早期発見が実現する。
(実施例2)
実施例1では、光量強度信号Sを角膜変形量Δに換算すると共に角膜変形量Δと被検眼Eの角膜Cに実際に吹き付けられる気流の所定時点t1での力F2に対応する気流吹きつけ手段の内圧F1との関係から角膜Cの剛性を求めることにしたが、図10に示すように、光量強度信号Sの裾の部分Saに閾値SLを設定し、角膜Cが所定変形量ΔLに達するに要する時間t1’を求める。
【0042】
角膜Cが柔らかい場合には、角膜Cが所定変形量ΔLに達するまでの時間は短くかつその力F2も小さい。角膜Cが硬い場合には、角膜Cが所定変形量ΔLに達するまでの時間は長くかつその力F2も大きい。従って、図11に示す時間−力相関曲線が得られ、気流吹き付け手段による吹き付け開始時点t0からの時間を測定することにより、力F1を求めることができる。
【0043】
その図11において、時間t1’は角膜Cが仮に柔らかいとした場合の所定変形量ΔLに達するに要する時間を示し、時間t2’は角膜Cが仮に硬いとした場合の所定変形量ΔLに達するに要する時間を示し、この時間t1’、時間t2’から時間−力相関曲線を用いて、角膜Cに与えられている力F2’、F2”が求まり、これにより、角膜Cの剛性kが求まることになる。
【0044】
また、上述の実施例1及び実施例2等の方法で求められた眼剛性を用いて測定された眼圧値を補正することも可能である。これは、例えば求められた眼剛性又はそれに係わるパラメータと測定された眼圧値とに対応する補正された眼圧値を示す相関関係を用いることにより行われる。また、補正された眼圧値を測定結果として表示するのみでなく、補正前の眼圧値、眼剛性についても同時に表示する態様とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明に係わる非接触式眼圧計の光学系の平面配置図である。
【図2】図1に示す非接触式眼圧計の光学系の側面配置図である。
【図3】角膜に正面から照射されたアライメント光束の反射の説明図である。
【図4】モニタの画面に表示された前眼部像を示す図である。
【図5】角膜に斜め方向から照射されたアライメント光束の反射の説明図である。
【図6】気流吹き付け手段のチャンバー内の力と実際に角膜に吹き付けられる気流の吹き付け圧力との関係を示す図である。
【図7】角膜の変形状態を示す説明図である。
【図8】光量強度信号と角膜変形との関係を横軸を時間軸として表した説明図である。
【図9】光量強度信号と角膜変形量との相関分布図である。
【図10】光量強度信号の裾の部分の拡大図である。
【図11】時間−力相関曲線を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
12…ノズル(気流吹き付け手段)
14A…チャンバ(気流吹き付け手段)
50…角膜変形検出光学系(角膜変形検出手段)
80…制御回路(計時手段、演算手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検眼の角膜に気流を吹き付けて前記角膜を変形させる気流吹きつけ手段と、前記気流吹き付け手段による角膜の変形を光学的に検出して光量強度信号を出力する角膜変形検出手段と、前記気流吹きつけ手段の作動開始時点から計時を開始しかつ前記光量強度信号の立ち上がりの裾の部分に対応する所定時点での前記光量強度信号を取得させる該所定時点を計時する計時手段と、前記光量強度信号を角膜変形量に換算すると共に該角膜変形量と前記被検眼の角膜に実際に吹き付けられる気流の前記所定時点での力に対応する気流吹きつけ手段の内圧との関係から前記角膜の剛性を求める演算手段とを備えていることを特徴とする非接触式眼圧計。
【請求項2】
前記気流吹き付け手段には内圧測定センサが設けられ、前記演算手段は前記気流吹き付け手段の作動開始時点から前記所定時間までの内圧を時系列的に求めることを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計。
【請求項3】
前記演算手段が前記角膜変形検出手段の光量強度信号と前記気流吹き付け手段の内圧との関係から前記被検眼の眼圧を演算することを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計。
【請求項4】
前記角膜の剛性を報知することを特徴とする請求項1に記載の非接触式眼圧計。
【請求項5】
被検眼の角膜に気流を吹き付けて前記角膜を変形させる気流吹きつけ手段と、前記気流吹き付け手段による角膜の変形を光学的に検出して光量強度信号を出力する角膜変形検出手段と、前記気流吹きつけ手段の作動開始時点から計時を開始しかつ前記光量強度信号が立ち上がりの裾の部分に対応する所定光量強度信号に到達した時点を計時して該所定時点での前記光量強度信号を取得する計時手段と、前記光量強度信号を角膜変形量に換算すると共に該角膜変形量と前記被検眼の角膜に実際に吹き付けられる気流の前記所定時点での力に対応する所定の光量強度信号に到達する際の前記計時手段による時間との関係から前記角膜の剛性を求める演算手段とを備えていることを特徴とする非接触式眼圧計。
【請求項6】
前記演算手段が前記角膜の剛性が考慮される補正された眼圧を演算することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の非接触式眼圧計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−262990(P2006−262990A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−82074(P2005−82074)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【出願人】(000220343)株式会社トプコン (904)