説明

非線形補償装置、方法及び送信機

【課題】チャンネル内の非線形性を補償する非線形補償装置、方法及び送信機を提供する。
【解決手段】かかる装置は、送信端の入力パルス信号のシンボル情報シーケンスを取得する情報シーケンス取得ユニットと、現在時刻に対する1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用項の重み付け和を計算し、所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得し、取得した前記摂動量に対して所定の位相回転を行う摂動量取得ユニットと、前記シンボル情報シーケンスと前記位相回転後の前記摂動量との差を計算し、補償後のシンボル情報シーケンスを取得し、送信端に、前記補償後のシンボル情報シーケンスに基づいて信号を送信させる信号補償ユニットと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信分野に関し、特に、チャンネル内非線形性(Intra-channel Nonlinearity)を補償する非線形補償装置、方法及び送信機に関する。
【背景技術】
【0002】
チャンネル内非線形性は、伝送システム中の一種の固有の特性劣化であり、カー効果に起因するものである。シングルチャンネルの転送レートが40〜60Gbits/s以上に達する時に、分散(Dispersion)の効果により、同一チャンネル内のパルスは、大きく広がり、また互いに重なり合うこともあるので、非線形作用により、互いに重なり合ったパルスの間は、エネルギー交換が生じることがある。この場合、受信端にてリンク(Link;伝送路)中の残留分散に対して補償を行っても、システムは、依然として、非線形性による重大な損傷を受けることがある。チャンネル内非線形性によるシステムへの影響は、タイミングジッタ、信号振幅変動、及びゴーストパルスの発生を含む。
【0003】
近年、光伝送システムの容量が高くなるにつれて、より複雑な多次元変調技術が簡単な強度変調フォーマットに次第に取って代わり、研究のホットスポットになる。複雑な変調フォーマットが十分な信号対雑音比を得るために、リンクシステムがより高い入力パワーを有する必要があるが、これは、システムの非線形ペナルティを増大させてしまう。
【0004】
長距離光通信システムでは、如何にチャンネル内の非線形ペナルティを補償又は抑制するかは、重要な研究課題となっている。関連する研究は、リンク設計、受信機のディジタル信号処理、及び送信信号のエンコーディングなどの多くの面において行われている。従来技術では、送信機端にて非線形摂動を引いた方法によって非線形性を軽減する方法が既に開示されている。この方法は、1倍オーバーサンプリングに基づくものであり、そのうち、摂動項が一系列の三項(3つの時刻のシンボル情報データ)の乗積の重み付け和に等しく、重み付け値がリンクの分散、利得/減衰、及び非線形係数により決定される。この方法の利点は、複雑度を軽減することにあり、特に、PSKシステムでは、波形を予め補償することが完全に加減算により実現され得る。
【0005】
しかし、従来技術には、NRZ(Non-return-to-zero)コードに対して性能(パフォーマンス)がよくなく、システムの性能を更に向上させる必要があるという欠点がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】IEEE PTL Vol. 12, No.4, 2000, Antonio Mecozzi et al.
【非特許文献2】L. Dou, Z. Tao, L. Li, W. Yan, T. Tamimura, T. Hoshida, and J. C. Rasmussen, “A low complexity pre-distortion method for intra-channel nonlinearity”, Proc. OFC/NFOEC2011 Conf., Los Angeles, USA, March 2011, paper OThF5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、システムの性能、特に、NRZコードの性能を更に向上させることができる非線形補償装置、方法及び送信機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明の実施例によれば、非線形補償装置が提供される。この非線形補償装置は、送信端の入力パルス信号のシンボル情報シーケンスを取得するための情報シーケンス取得ユニットと、現在時刻に対する1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用項の重み付け和を計算し、所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得し、取得した前記摂動量に対して所定の位相回転を行うための摂動量取得ユニットと、前記シンボル情報シーケンスと前記摂動量との差を計算し、補償後のシンボル情報シーケンスを取得し、前記送信端に、前記補償後のシンボル情報シーケンスに基づいて信号を送信させる情報補償ユニットと、を含む。
【0009】
本発明の実施例によれば、送信端の入力パルス信号のシンボル情報に対して補償を行うことができる。この非線形補償装置を送信機に用いると、送信機は、補償後のシンボル情報シーケンス(系列)を用いてパルス成形及び変調を行い、それから、信号を送信することができる。これらの信号は、光ファイバー伝送リンクの非線形効果を受けた後に、受信機において理想的な無損失の信号になる。
【0010】
また、1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用の重み付け和を計算し、取得した摂動量に対して位相回転を行った後にオリジナル情報シーケンスに対して補償を行うことにより、システムの性能、特に、NRZコードの性能を更に向上させることができ、且つ、計算方法が簡単であるので、単一偏波及び偏波多重システムに応用され得るとともに、任意の変調フォーマットとの交換性も有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来の光通信システムを示す図である。
【図2】本発明の実施例による非線形補償装置の構成図である。
【図3】本発明の実施例による非線形補償装置の他の構成図である。
【図4】本発明の実施例による分散補償無しのDP−QPSKシステムが異なる非線形補償を受けた後の性能を示す図である。
【図5】本発明の実施例による単一偏波NRZ−QPSK前(pre)補償システムが増幅係数及び回転位相に応じて変化する傾向を示す図である。
【図6】本発明の実施例による非線形補償方法のフローチャートである。
【図7】本発明の実施例による摂動量取得ステップのフローチャートである。
【図8】本発明の実施例による送信機の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、説明の便宜のため、本発明の実施形態では、光通信システムを例として説明を行っているが、本発明の実施形態は、非線形性による損失が存在する全ての通信システムに適用できる。
【0013】
図1は、従来の光通信システムを示す図である。図1に示すように、送信機が送信した信号は、伝送リンク(伝送路)中の異なる部品(光ファイバー、光増幅器、分散補償ファイバーなど)を経由して受信機に到着する。本発明の実施例では、非線形補償装置を用いて、送信端の入力パルス信号のシンボル情報シーケンス(系列)に対して補償を行うことにより、送信端に、特定の変形を受けた後の信号を送信させる。これらの信号は、光ファイバー伝送の非線形効果を受けた後に、受信機において理想的な無損失の信号になる。
【0014】
図1に示すシステムにおいて、送信端の入力パルス信号に対して補償を行うためには、本発明の実施例において、まず、チャンネル内の非線形モデルを築き上げ、そして、この非線形モデルに基づいて、入力パルス信号に対して補償を行う。
【0015】
通常の場合、スペクトル効率を最大限に高めるために、送信機端はしばしば偏波多重方式を採用するので、以下、双偏波の場合を例として、チャンネル内の非線形モデルの取得過程について説明する。
【0016】
まず、ベクトル信号について、伝送用光ファイバーは、下記「数1」に示すように、Manakov方程式によりモデル化され得る。
【数1】

【0017】
ただし、uH(t,z)及びuV(t,z)は、それぞれ、水平方向H及び垂直方向Vの偏波状態における信号の電場成分を表す。α(z)、β2(z)、及びγ(z)は、それぞれ、伝送距離における光ファイバーリンク中の減衰係数、分散係数、及び非線形係数の分布を表す。
【0018】
次に、送信機により生成された信号はしばしば光パルスで構成されるので、送信機端における電場成分は、下記「数2」で表してもよい。
【数2】

【0019】
ただし、AKH及びAKVは、それぞれ、水平方向H及び垂直方向Vの偏波状態におけるk番目のパルスのシンボル情報を表す。Tは、パルス間隔を表す。g(t)は、各パルスの波形を表す。なお、送信機の出力信号が任意の波形の光信号であっても、時間間隔Tを十分小さく設定すれば、出力されている光信号は、依然として、上記「数2」の形式と看做され得る。
【0020】
最後に、「数2」の入力信号を「数1」に与える。ここで、入力パワーがさほど大きくない(即ち、光ファイバーリンクの非線形性がさほど強くない)ときは、摂動理論で「数1」を解いてもよく、この場合、下記「数3」が得られる。
【数3】

【0021】
上記「数3」において、受信機端のk番目のパルスサンプリング時刻における電場値は、送信端のk番目のパルスの電場値及び摂動量から構成される。摂動量は、複数の相互作用項の重み付け和であり、各項は、1つ又は複数の時刻における送信パルスのシンボル情報の乗積である。なお、摂動理論で上記「数1」を解く処理においては、高次項を無視して低次項のみを利用して計算が行われている。
【0022】
よって、「数3」においては、例えば、k番目のパルスサンプリング時刻に対して、3つの異なる時刻、即ち、m+k番目の時刻、n+k番目の時刻、及びm+k+n番目の時刻におけるパルス相互作用の重み付け和のみが、計算のために必要となる。ただし、計算処理で高次項も考慮する場合には、k番目のパルスサンプリング時刻に対して、3つ以上の異なる時刻におけるパルス相互作用の重み付け和が、計算のために必要となる。
【0023】
k番目のパルスについて採用される3つの時刻におけるパルスは、任意のものでなく、それらの間の時間関係は、(m+k)+(n+k)-(m+n+k)=kを満たす必要がある。そのうち、m、n及びkは、等しくてもよく、即ち、パルスサンプリング時刻は、現在時刻に対しての1つ又は複数の時刻であってもよい。なお、本発明は、これに限られず、3つのパルスは、他の形式の組み合わせを有してもよく、この場合、その対応する係数は、適切に変更する必要がある。
【0024】
以下、すべて3つのパルス相互作用の重み付け和を例として説明を行う。なお、本発明は、これに限定されず、3つよりも多くのパルスが存在する構成又は方法は、3つのパルスが存在する構成又は方法と同様であるので、詳しい記載は省略する。
【0025】
上記「数3」から分かるように、現在偏波状態における摂動項は、2つの部分を含んでいる。一方は、自偏波状態から生成され、他方は、直交偏波状態から生成される。例えば、水平方向の偏波状態については、自偏波状態から生成される部分が、Am+kHAn+KH(Am+n+kH)*であり、直交偏波状態から生成される部分が、Am+kHAn+KV(Am+n+kV)*である。なお、垂直方向の偏波状態については、水平方向の偏波状態と同様であるので、詳しい記載は省略する。
【0026】
Manakov方程式「数1」において、2つの偏波状態のシンボル情報は、常に互いに対称であるので、水平方向及び垂直方向の偏波状態における摂動項の係数は、最終的に互いに一致することになる。ここで、これらの係数は、リンクの配置(Link Configuration)、及び、現在時刻におけるパルスの位置に対する相互作用のパルスの位置(m,n)のみに関係又は依存する。
【0027】
上述の非線形モデルによれば、送信端は特定の変形を受けた後の信号を送信し、これらの信号は、光ファイバー伝送の非線形効果を受けた後に、受信側で理想的な無損失の信号になる。ここで、チャンネルの線形損傷は、他の方法で補償されているとする。
【0028】
さらに、上記「数3」に対して処理を行うことにより、下記「数4」のような等価式を得ることができる。
【数4】

【0029】
「数4」において、等号の右側の2番目の項は、現在シンボル情報AkH又はAkVを含み、且つ現在シンボル情報に対して乗算演算を行う。係数C(m,n)は、mn=0のときに、虚部が実部より遥かに大きいので、近似的に純虚数と看做され得る。また、exp(jθ)≒1+jθを考慮することにより、上記「数4」中の2番目の項は、一種の角度回転操作と看做されてもよく、その後の2つの項は、現在シンボル情報を含まず、且つ加算性摂動である。
【0030】
PSK信号について、各シンボルのモジュラス(Modulus)が同じであるので、上記「数4」中の等号の右側の2番目の項において現在シンボル情報に掛けた因子が定数である。この因子が虚数であるので、受信端で現れた効果がコンステレイション図全体の回転である。コヒーレント受信機がしばしば位相回復アルゴリズムを有するので、この回転は、完全に是正することができる。
【0031】
よって、非線形作用を実際に考察する際には、この項の作用を無視してもよく、即ち、現在時刻におけるシンボル情報を捨て、上記「数4」中の等号の右側の最後の2つの加算性摂動の影響のみを考慮してもよい。このようにして、上記「数4」は、下記「数5」になる。
【数5】

【0032】
他の非恒モジュラス(Non-constant Modulus)変調信号、例えば、QAM又はOFDM信号等について、リンクの累計分散がかなり大きいときに、相互作用のパルスの数がかなり多いが、平均効果により、非線形性による位相回転が近似的に等しいため、上記「数5」が依然として成立する。上記「数5」は、非線形性による加算性歪みのみを考慮している。偏波多重信号について、この摂動は、自偏波状態及び直交偏波状態から生成される。
【0033】
以上、双偏波信号を例として詳細に説明したが、チャンネルに伝送の信号が単一偏波信号であれば、上記「数5」は、下記「数6」になる。
【数6】

【0034】
上述の分析に基づき、以下、図1に示す光通信システム及びこの光通信システムの非線形モデルを例とし、本発明の実施例による非線形補償装置、方法及び送信機について詳細に説明する。
【0035】
図2は、本発明の実施例による非線形補償装置の構成図である。図2に示すように、この非線形補償装置は、情報シーケンス取得ユニット201、摂動量取得ユニット202、及び信号補償ユニット203を含む。
【0036】
情報シーケンス取得ユニット201は、送信端の入力パルス信号のシンボル情報シーケンスを取得するために用いられる。摂動量取得ユニット202は、現在時刻に対する1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用項の重み付け和を計算し、これにより、所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得し、また取得したこの摂動量に対して所定の位相回転を行うために用いられる。信号補償ユニット203は、シンボル情報シーケンスと、位相回転された後の摂動量との差を計算し、これにより、補償後のシンボル情報シーケンスを取得し、送信端に、補償後のシンボル情報シーケンスに基づいて信号を送信させるために用いられる。
【0037】
本実施例では、情報シーケンス取得ユニット201が取得したシンボル情報シーケンスは、補償前のシンボル情報であり、このシンボル情報は、採用される変調フォーマットに関係し、異なる変調フォーマットによって異なる。例えば、OOK変調フォーマットの場合、このシンボル情報シーケンスは、0、1であり、BPSK変調フォーマットの場合、このシンボル情報シーケンスは、−1、1であり、QPSK変調フォーマットの場合、このシンボル情報シーケンスは、1、j、−1、−jである。
【0038】
本実施例では、摂動量取得ユニット202は、各送信シンボル(送信時刻)について摂動量を計算することができ、この摂動量は、複数の相互作用項の重み付け和に等しく、また各相互作用項とは、1つ又は複数の異なるシンボル間の乗積と指す。
【0039】
本実施例では、信号補償ユニット203は、具体的に、情報シーケンス取得ユニット201が取得したシンボル情報シーケンスから、摂動量取得ユニット202が取得した位相回転後の摂動量を引いた結果を用いて、現在時刻における補償後のシンボル情報シーケンスを取得する。
【0040】
具体的な実施に当たっては、加算器、乗算器又は論理演算回路などのようなハードウェア回路を採用してもよい。例えば、PSK信号の場合は、シンボル間の乗算が参照テーブルにより実現されてもよく、PSK信号とCoefとの間の乗算が論理演算及び加算器により実現されてもよい。なお、実際には、従来の素子により実現され得るので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0041】
上述の実施例から分かるように、この非線形補償装置は、送信端の入力パルス信号のシンボル情報に対して補償を行うことができ、これにより、この非線形補償装置を送信機に用いると、送信機は、補償後のシンボル情報によりパルス成形及び変調を行い、それから、信号を送信することができる。このように送信された信号は、光ファイバー伝送リンクの非線形効果を受けた後に、受信端で理想的な無損失の信号になる。
【0042】
また、この非線形補償装置は、1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用の重み付け和を計算し、また、取得した摂動量に対して位相回転を行った後にオリジナル情報シーケンスに対して補償を行うことにより、システムの性能を更に向上させることができ、且つ、計算方法が簡単であるので、単一偏波及び偏波多重システムに応用され得るとともに、任意の変調フォーマットとの交換性も有する。
【0043】
図3は、本発明の実施例による非線形補償装置の他の構成図である。図3に示すように、この非線形補償装置は、情報シーケンス取得ユニット301、摂動量取得ユニット302、及び信号補償ユニット303を含み、これらのユニットの機能は、図2に示す非線形補償装置の対応するものと同様であるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0044】
本実施例では、摂動量取得ユニット302は、次のような構成を採用して計算を行い、摂動量を処理してもよい。具体的には、図3に示すように、この摂動量取得ユニット302は、シンボル情報取得部3021、摂動量計算部3022、及び摂動量処理部3023を含んでもよい。
【0045】
シンボル情報取得部3021は、複数の項の各々の、現在時刻に対しての1つ又は複数の時刻におけるパルスのシンボル情報を取得するために用いられる。
【0046】
摂動量計算部3022は、各項の、現在時刻に対しての1つ又は複数の時刻におけるパルスのシンボル情報、及び予め取得した各項の対応する重み係数を用いて、各項の、現在時刻に対しての1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用の重み付け値を計算し、また、各項の重み付け値に基づいて上述の複数項の重み付け値の和を計算し、所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得するために用いられる。
【0047】
摂動量処理部3023は、取得した摂動量を所定の位相だけ回転する。
【0048】
さらに、摂動量計算部3023は、複数項の重み付け値の和を計算した後に、現在時刻におけるシンボル情報を含むそれらの3項の乗積を捨て、それから、所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得してもよい。これにより、計算を更に簡素化し、単一偏波及び偏波多重システム(特に、非恒モジュラス変調システム、例えば、QAM又はOFDMシステム等)に応用され得るとともに、任意の変調フォーマットとの交換性も有する。
【0049】
以下、k番目のパルスサンプリング時刻に対して3つの時刻、即ち、m+k番目の時刻、n+k番目の時刻、及びn+m+k番目の時刻におけるパルス相互作用の重み付け和を例として説明を行う。ここで、若干の項の、現在時刻に対しての3つの時刻におけるパルス相互作用の重み付け和を計算するための「項の数」は、所定の(m,n)の値により決定される。
【0050】
なお、m、n、及びkは、(m+k)+(n+k)-(m+n+k)=kを満たす。ここで、m、n、及びkは、等しくてもよく、即ち、パルスサンプリング時刻は、現在時刻に対しての1つ又は複数の時刻であってもよい。
【0051】
さらに、具体的な実施例では、mn≠0であってもよく、これは、m及びnの何れもゼロでないことを示し、これにより、(m+k)と(n+k)とは等しくてもよいが、(m+n+k)に等しくない。即ち、パルスサンプリング時刻は、現在時刻に対しての少なくとも2つの時刻であってもよい。
【0052】
このようにして、摂動量取得ユニット302は、具体的に、現在時刻、例えば、k番目の時刻に対して3つの時刻、例えば、m+k、n+k、及びm+n+k番目の時刻におけるパルス相互作用の重み付け和を計算し、これにより、現在のk番目の時刻における非線形効果が所定長さの伝送リンクを経過している間に生じた摂動を取得するために用いられる。
【0053】
具体的には、単一偏波信号について、摂動量取得ユニット302は、下記「数7」を用いて複数項の重み付け値の和を計算してもよい。
【数7】

【0054】
ただし、Δkは、k番目の時刻における若干の項の重み付け値の和を表す。C(m,n,z=L)は、各項の重み係数を表す。Am+k及びAn+kは、それぞれ、m+k番目及びn+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表す。(Am+n+k)*は、m+n+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報の複素共役を表す。
【0055】
また、双偏波信号について、摂動量取得ユニット302は、下記「数8」を用いて複数項の重み付け値の和を計算してもよい。
【数8】

【0056】
ただし、ΔkH及びΔkVは、それぞれ、k番目の時刻における若干の項の水平方向及び垂直方向の偏波状態の重み付け値の和を表す。C(m,n,z=L)は、各項の重み係数を表す。Am+kH及びAm+kVは、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のm+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表す。An+kH及びAn+kVは、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のn+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表す。(Am+n+kH)*及び(Am+n+kV)*は、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のm+n+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報の複素共役を表す。
【0057】
本実施例では、シミュレーションによれば、加算性摂動を位相θだけ回転した後に、この前補償後(予め補償された)の波形がシステムの性能を更に有効に向上させることができる。そのため、単一偏波信号について、摂動量取得ユニット302は、下記「数9」を採用して摂動量に対して位相回転を行ってもよい。
【数9】

【0058】
また、双偏波信号について、摂動取得ユニット302は、下記「数10」を採用して摂動量に対して位相回転を行ってもよい。
【数10】

【0059】
なお、上記「数9」又は上記「数10」中の位相θは、時間に応じて変化せず、システムのリンクの配置及び非線形の強弱に関係する。同様に、θの具体的な値は、従来の最適化方法により取得してもよく、例えば、受信端のシステム性能(例えば、ビットエラー率)などを検査・測定することにより取得してもよい。
【0060】
実際の光ファイバー通信システムでは、入力パワーがしばしばP0にロック(Lock)される必要がある。前補償後の信号のパワーがP0に等しいときに、オリジナル信号部分が占めるパワーは、P0よりも小さい。しかし、摂動項の計算において、オリジナル信号のパワーがP0であると仮定するので、増幅係数(Amplitude Coefficient)ζを用いて摂動項の大小を調整する必要がある。
【0061】
本実施例では、さらに、摂動量に対して位相回転を行った上で、摂動量取得ユニット302は、予め設定されている(所定の)増幅係数により、摂動量に対して調整を行ってもよい。
【0062】
具体的には、単一偏波信号について、摂動量取得ユニット302は、下記「数11」を用いて摂動量を調整してもよい。
【数11】

【0063】
また、双偏波信号について、摂動量取得ユニット302は、下記「数12」を用いて摂動量を調整してもよい。
【数12】

【0064】
ただし、ζは上記増幅係数を表し、θは上記位相を表す。一般的には、増幅係数ζは、0よりも大きく且つ1よりも小さい実数である。システムの非線形性が大きければ大きいほど、増幅係数ζは小さい。増幅係数ζの具体的な値は、従来の最適化方法により取得してもよく、例えば、受信端のシステム性能(例えば、ビットエラー率)などを検査・測定することにより取得してもよい。
【0065】
本実施例では、2つのパラメータ、即ち、増幅係数ζ及び位相θを、最適化により事前に取得する必要があるので、使用時に二次元問題となる。具体的な実施に当たっては、二次元組み合わせ最適化などのような従来技術を採用してもよいので、ここでは、詳しい説明を省略する。
【0066】
また、シミュレーションによれば、2つのパラメータζ及びθの間には、かなり強いカップリング作用がないので、実際には、複雑度を軽減するために、それぞれスキャンして最適化することにより得られてもよい。よって、増幅係数及び位相は、二つの一次元最適化により得られてもよく、即ち、まず、増幅係数の最適値を決定し、そして、この最適値に基づいて位相の最適値を決定してもよく、或いは、まず、位相の最適値を(1つの非ゼロ増幅係数が与えられている条件で)決定し、そして、この最適値に基づいて増幅係数の最適値を決定してもよい。
【0067】
具体的な実施に当たっては、θ及びζを得た後に、両者の作用が係数C(m,n,z=L)により吸収され得るので、下記「数13」が得られる。
【数13】

【0068】
よって、実際の応用では、θ及びζは、余計な複雑度をもたらすことがない。二次元組み合わせ最適化に比べ、複雑度を大幅に軽減することができる。
【0069】
以上、摂動量取得ユニット302が如何に実現されるかについて詳細に説明したが、当業者は、上述の開示に基づいて適切な変形又は変換を行ってもよい。言い換えると、本発明の上述の式は、例示的なものだけであり、本発明は、それらに限定されない。
【0070】
本実施例では、信号補償ユニット303は、摂動量取得ユニット302が取得した位相回転後の摂動量に基づいて信号の補償を行うことができる。好ましくは、単一偏波信号について、情報補償ユニット303は、下記「数14」を用いてもよい。
【数14】

【0071】
また、双偏波信号について、信号補償ユニット303は、下記「数15」を用いてもよい。
【数15】

【0072】
ただし、BkH及びBkVは、それぞれ、前補償後の二つの偏波状態のk番目の時刻におけるシンボル情報を表し、AkH及びAkVは、それぞれ、二つの偏波状態のk番目の時刻におけるオリジナルシンボル情報を表す。上記「数14」及び「数15」は、前補償後の情報シーケンスが、オリジナル情報シーケンスから、非線形効果が距離Lの位置に生じたベクトル加算性摂動項を引いた後の結果に等しいと理解され得る。この摂動項は、異なる時刻における3つのパルス相互作用の重み付け和より構成される。
【0073】
本実施例では、C(m,n,z=L)は、現在時刻に対してのm番目、n番目、及びm+n番目の時刻におけるパルス相互作用の重み係数に対応する。なお、偏波多重システムでは、3つの相互作用のパルスが、同一の偏波状態から生成されてもよく、異なる偏波状態から生成されてもよい。各項が対応する重み係数は、予め取得して、摂動量計算部3022が重み付け値を計算するために用いられてもよい。
【0074】
図3に示すように、この非線形補償装置は、係数取得ユニット304を更に含み、係数取得ユニット304は、シミュレーション方式により各項の対応する重み係数を取得する、又は、実験方式(測定方式)により各項の対応する重み係数を取得する、又は、伝送リンクの配置、及び現在時刻におけるパルスの位置に対する1つ又は複数の時刻における相互作用パルスの位置に基づいて各項の対応する重み係数を取得するために用いられる。
【0075】
シミュレーション又は実験の方法に基づいて重み係数を得るときは、シミュレーション又は実験中に異なる送信信号を用意し、受信信号に基づいて重み係数の値を導出することができる。この方法は、精度が高い。
【0076】
係数取得ユニット304が、伝送リンクの配置、及び現在時刻におけるパルスの位置に対する異なる時刻における相互作用パルスの位置に基づいて各項の重み係数を取得するときは、重み係数を計算するために、係数取得ユニット304は、下記「数16」を使用してもよい。
【数16】

【0077】
現在時刻がk番目の時刻であれば、現在時刻に対する3つの異なる時刻は、m+k番目の時刻、n+k番目の時刻、m+n+k番目の時刻である。また、予め決められている複数の(m,n)の値の各々は、異なる重み係数C(m,n,z=L)に対応する。m、nは、例えば、負の無限大から正の無限大までの間の任意の整数値であってもよく、現在時刻(k番目の時刻)の前及び後の時刻における値にともに関連する。
【0078】
また、一般的には、(m,n)の絶対値は大きくなると、対応するC(m,n,z=L)の絶対値は徐々に小さくなる。よって、要求された計算精度に基づいて、所定数の(m,n)の値で摂動量を計算することができる。
【0079】
この場合、m、nは、次のように決定してもよい。即ち、与えられたm、nに基づいて得られた係数C(m,n,z=L)のモジュラス|C(m,n,z=L)|が、所定値以上であれば、m、nは採用され、そうでないときは、m、nは採用されない。この所定値は、すべての係数の最大モジュラス値の比例係数に基づいて決定してもよい。例えば、正規化された係数Cは、|C(m,n,z=L)|>1e-3*max(|C(m,n,z=L)|)を満足するm、nのすべての組合せを採用し得る。
【0080】
p(z)は、伝送リンク上で送信端からzだけ離れた位置の信号のパワーを表す。s(z)は、伝送リンク上で送信端からzだけ離れた位置における累積された総分散値を表す。τは、パルスの半値幅を表す。Tは、パルス間隔を表す。γ(z)は、伝送リンク上で送信側からzだけ離れた位置の非線形係数を表す。
【0081】
或いは、伝送リンクに分散補償モジュールが存在せず、信号伝送中の減衰が無視できる程度であり、且つ分散係数及び非線形係数が伝送距離に応じて変化しないときは、係数取得ユニット304は、下記「数17」を用いて重み係数を計算してもよい。
【数17】

【0082】
ただし、γは、非線形係数を表す。P0は、送信端における信号のパワーを表す。β2は、分散係数を表す。expintは、指数積分関数を表し、下記「数18」のように表される。
【数18】

【0083】
また、この非線形補償装置は、記憶ユニット(図示せず)を更に含み、この記憶ユニットは、取得した重み係数を保存するために用いられ、この重み係数は、重み付け値を計算する時に用いられる。また、記憶ユニットは、重み係数を計算するためのチャンネルパラメータ、例えば、非線形係数γ、分散係数β2、及び伝送リンク長さL等のパラメータを保存してもよい。
【0084】
以上、本発明の実施例による非線形補償装置について詳細に説明した。以下、分散補償無しのDP−QPSKシステムを例として、異なる非線形補償を受けた後の性能について対比を行う。ここで、システムのパラメータは、下記「表1」に示されている。
【表1】

【0085】
図4は、分散補償無しのDP−QPSKシステムが異なる非線形補償を受けた後の性能を示す図である。具体的には、前補償を行わない、位相回転無しの前補償を行う、及び位相回転後に前補償を行うという三種類のケースについて異なる入力パワーにおいての性能向上の対比を含む。図4に示すように、位相回転を導入した後に、前補償の性能は、RZ及びNRZファーマットで、ともに、大きく向上した。よって、位相回転は、前補償システムにとって非常に有効且つ必要である。
【0086】
図5は、単一偏波NRZ−QPSK前補償システム(リンクは、上記「表1」に示されいる。)が増幅係数ζ及び回転位相θに応じて変化する傾向を示す図である。入力光のパワーが3dBmにロックされる。図5に示す二つの矢印は、それぞれ、二つのパラメータζ及びθに対して最適化を行った経路を示す。図5から分かるように、一次元最適化の方式を採用することにより、システムが達し得る性能は、二次元最適値に非常に近い。
【0087】
上述の実施例によれば、この非線形補償装置は、送信端の入力パルス信号のシンボル情報に対して補償を行うことができ、これにより、この非線形補償装置を送信機に用いると、送信機は、補償後のシンボル情報によりパルス成形及び変調を行い、最後に信号を送信することができる。このように送信された信号は、光ファイバー伝送リンクの非線形効果を受けた後に、受信端で理想的な無損失の信号になる。
【0088】
また、この非線形補償装置は、1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用の重み付け和を計算し、また、取得した摂動量に対して位相回転を行った後にオリジナル情報シーケンスに対して補償を行うことにより、システムの性能を更に向上させることができ、且つ、計算方法が簡単であるので、単一偏波及び偏波多重システムに応用され得るとともに、任意の変調フォーマットとの交換性も有する。
【0089】
また、本発明の実施例は、非線形補償方法も提供する。図6は、本発明の実施例による非線形補償方法のフローチャートである。なお、ここでは、上述の実施例と同じ内容を省略する。
【0090】
図6に示すように、この非線形補償方法は、次のようなステップを含む。
【0091】
ステップ601:送信端の入力パルス信号のシンボル情報シーケンスを取得する。
【0092】
ステップ602:現在時刻に対する1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用項の重み付け和を計算し、所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得し、また取得した摂動量に対して所定の位相回転を行う。
【0093】
ステップ603:シンボル情報シーケンスと、位相回転後の摂動量との差を計算し、補償後のシンボル情報シーケンスを取得し、これにより、送信端に、補償後のシンボル情報シーケンスに基づいて信号を送信させる。
【0094】
図7は、本発明の実施例による摂動量取得ステップのフローチャートである。図7に示すように、ステップ602は、次のようなステップを含む。
【0095】
ステップ701:現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における複数項の各々のパルスのシンボル情報を取得する。
【0096】
ステップ702:現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における各項のパルスのシンボル情報、及び予め取得した各項の対応する重み係数を用いて、現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における各項のパルス相互作用の重み付け値を計算し、また各項の重み付け値に基づいて複数項の重み付け値の和を計算し、これにより、所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得する。
【0097】
ステップ703:取得した摂動量を所定の位相だけ回転する。
【0098】
また、ステップ702では、複数項の重み付け値の和を計算した後に、現在時刻におけるシンボル情報を含む摂動項を捨ててもよい。
【0099】
さらに、ステップ703では、予め設定されている所定の増幅係数により摂動量に対して調整を行ってもよい。
【0100】
具体的な実施に当たっては、増幅係数及び位相の取得は、二次元組み合わせ最適化を採用してもよく、二つの一次元最適化を採用してもよく、即ち、まず、増幅係数の最適値を決定し、そして、この最適値に基づいて位相の最適値を決定してもよく、或いは、まず、位相の最適値を決定し、そして、この最適値に基づいて増幅係数の最適値を決定してもよい。
【0101】
一実施例では、入力パルス信号が単一偏波信号であり、この場合、ステップ602は、下記「数19」を採用してもよい。
【数19】

【0102】
ただし、Δkは、k番目の時刻における若干の項の重み付け値の和を表す。ζは、増幅係数を表す。θは、位相を表す。C(m,n,z=L)は、各項の重み係数を表す。Am+k及びAn+kは、それぞれ、m+k番目及びn+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表す。(Am+n+k)*は、m+n+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報の複素共役を表す。
【0103】
他の実施例では、入力パルス信号が双偏波信号であり、この場合、ステップ602は、下記「数20」を採用してもよい。
【数20】

【0104】
ただし、ΔkH及びΔkVは、それぞれ、k番目の時刻における若干の項の水平方向及び垂直方向の偏波状態の重み付け値の和を表す。ζは、増幅係数を表す。θは、位相を表す。C(m,n,z=L)は、各項の重み係数を表す。Am+kH及びAm+kVは、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のm+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表す。An+kH及びAn+kVは、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のn+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表す。(Am+n+kH)*及び(Am+n+kV)*は、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のm+n+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報の複素共役を表す。
【0105】
上述の実施例から分かるように、この非線形補償方法は、送信端の入力パルス信号のシンボル情報に対して補償を行うことができ、これにより、この非線形補償方法を送信機に用いると、送信機は、補償後のシンボル情報によりパルス成形及び変調を行い、最後に信号を送信することができる。このように送信された信号は、光ファイバー伝送リンクの非線形効果を受けた後に、受信端で理想的な無損失の信号になる。
【0106】
また、この非線形補償方法は、1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用の重み付け和を計算し、また、取得した摂動量に対して位相回転を行った後にオリジナル情報シーケンスに対して補償を行うことにより、システムの性能を更に向上させることができ、且つ、計算方法が簡単であるので、単一偏波及び偏波多重システムに応用され得るとともに、任意の変調フォーマットとの交換性も有する。
【0107】
また、本発明の実施例は、送信機も提供する。図8は、本発明の実施例による送信機の構成図である。図8に示すように、この送信機は、非線形補償装置801、パルス成形装置802、及び信号送信装置803を含む。
【0108】
非線形補償装置801は、入力パルス信号のシンボル情報シーケンスに対して補償を行うことができ、また上述の実施例による非線形補償装置を採用するので、ここでは、詳しい説明を省略する。
【0109】
パルス成形装置802は、非線形補償装置801が取得した補償後のシンボル情報シーケンスに基づいてパルス成形を行い、各パルスの波形を取得する。
【0110】
信号送信装置803は、パルス成形装置802が出力した各パルスの波形を受信し、また受信した波形を変調してから送信する。
【0111】
本実施例では、非線形補償装置を送信機に用い、このような送信機は、分散前補償機能(即ち、分散を予め補償する機能)を有するシステムを含む任意の光通信システムに応用されてもよい。また、このような送信機は、分散前補償装置(図示せず)を更に含んでもよい。分散前補償機能を有するシステムでは、チャンネル内非線形性を予め補償する非線形補償装置を、分散前補償装置の前に設置してもよい。異なる時刻の各々におけるパルス相互作用の重み付け値の対応する重み係数は、上述の実施例のように計算することができる。なお、分散の配置は、分散前補償モジュールを考慮する必要がある。
【0112】
上述の実施例によれば、送信機は、補償後のシンボル情報を利用してパルス成形及び変調を行い、それから、信号を送信することができる。これらの信号は、光ファイバー伝送リンクの非線形効果を受けた後に、受信機において理想的な無損傷の信号になる。
【0113】
また、この送信機は、非線形補償により、1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用の重み付け和を計算し、取得した摂動量に対して位相回転を行った後にオリジナル情報シーケンスに対して補償を行うことにより、システムの性能を更に向上させることができ、且つ、計算方法が簡単であるので、単一偏波及び偏波多重システムに応用され得るとともに、任意の変調フォーマットとの交換性も有する。
【0114】
また、上述の装置及び方法は、ハードウェアにより実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、本発明は、プログラムにも関し、このプログラムは、論理部品(例えば、コンピュータ)により実行される時に、論理部品に、上述の装置又は構成部品を実現させ、或いは、論理部品に、上述の各種方法又はステップを実現させる。さらに、本発明は、上記プログラムを記憶しているコンピュータ読み出し可能な記憶媒体にも関し、この記憶媒体は、例えば、ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、DVD、フラッシュメモリなどを含む。
【0115】
また、上述の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0116】
(付記1)
非線形補償装置であって、
送信端の入力パルス信号のシンボル情報シーケンスを取得する情報シーケンス取得ユニットと、
現在時刻に対する1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用項の重み付け和を計算し、所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得し、取得した前記摂動量に対して所定の位相回転を行う摂動量取得ユニットと、
前記シンボル情報シーケンスと、前記位相回転後の前記摂動量との差を計算し、補償後のシンボル情報シーケンスを取得し、送信端に、前記補償後のシンボル情報シーケンスに基づいて信号を送信させる信号補償ユニットと、を含む非線形補償装置。
【0117】
(付記2)
付記1に記載の非線形補償装置であって、
前記摂動量取得ユニットは、前記現在時刻に対する少なくとも2つの時刻におけるパルス相互作用の重み付け和を計算する、非線形補償装置。
【0118】
(付近3)
付記1に記載の非線形補償装置であって、
前記摂動量取得ユニットは、
前記現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における前記各パルス相互作用項のパルスのシンボル情報を取得するシンボル情報取得部と、
前記現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における前記各パルス相互作用項のパルスのシンボル情報と、予め取得した前記各パルス相互作用項の対応する重み係数とにより、前記現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における前記各パルス相互作用項のパルス相互作用の重み付け値を計算し、前記各パルス相互作用項の前記重み付け値に基づいて前記各パルス相互作用項の重み付け値の和を計算し、前記所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得する摂動量計算部と、
取得した前記摂動量に対して前記所定の位相回転を行う摂動量処理部と、を含む、非線形補償装置。
【0119】
(付記4)
付記3に記載の非線形補償装置であって、
前記摂動量計算部は、前記各パルス相互作用項の重み付け値の和を計算した後に、前記現在時刻におけるシンボル情報を含む摂動量を捨てる、非線形補償装置。
【0120】
(付記5)
付記3又は4に記載の非線形補償装置であって、
前記摂動量計算部は、さらに、予め設定されている増幅係数により、前記摂動量に対して調整を行う、非線形補償装置。
【0121】
(付記6)
付記5に記載の非線形補償装置であって、
前記増幅係数及び前記位相の取得は、二次元組み合わせ最適化方式を採用する、非線形補償装置。
【0122】
(付記7)
付記5に記載の非線形補償装置であって、
前記増幅係数及び前記位相の取得は、二つの一次元最適化方式、即ち、まず前記増幅係数の最適値を決定し、それから、前記増幅係数の最適値に基づいて前記位相の最適値を決定する方式、或いは、まず前記位相の最適値を決定し、それから、前記位相の最適値に基づいて前記増幅係数の最適値を決定する方式を採用する、非線形補償装置。
【0123】
(付記8)
付記5に記載の非線形補償装置であって、
前記入力パルス信号は、単一偏波信号であり、
前記信号補償ユニットは、
【数21】


を用い、ここで、Δkは、k番目の時刻における前記各パルス相互作用項の重み付け値の和を表し、ζは、前記増幅係数を表し、θは、前記位相を表し、C(m,n,z=L)は、前記各パルス相互作用項の重み係数を表し、Am+k及びAn+kは、それぞれ、m+k番目及びn+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表し、(Am+n+k)*は、m+n+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報の複素共役を表す、非線形補償装置。
【0124】
(付記9)
付記5に記載の非線形補償装置であって、
前記入力パルス信号は、双偏波信号であり、
前記信号補償ユニットは、
【数22】


を用い、ここで、Δk及びΔkは、それぞれ、k番目の時刻における前記各パルス相互作用項の水平方向及び垂直方向の偏波状態の重み付け値の和を表し、ζは、前記増幅係数を表し、θは、前記位相を表し、C(m,n,z=L)は、前記各パルス相互作用項の重み係数を表し、Am+kH及びAm+kVは、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のm+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表し、An+kH及びAn+kVは、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のn+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表し、(Am+n+kH)*及び(Am+n+kV)*は、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のm+n+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報の複素共役を表す、非線形補償装置。
【0125】
(付記10)
付記3に記載の非線形補償装置であって、
シミュレーション方式により前記重み係数を取得する、又は、実験方式により前記重み係数を取得する、又は、伝送リンクの配置及び現在時刻におけるパルスの位置に対する1つ又は複数の時刻における相互作用のパルスの位置に基づいて前記重み係数を取得する係数取得ユニットを更に含む、非線形補償装置。
【0126】
(付記11)
非線形補償方法であって、
送信端の入力パルス信号のシンボル情報シーケンスを取得する情報シーケンス取得ステップと、
現在時刻に対する1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用項の重み付け和を計算し、所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得し、取得した前記摂動量に対して所定の位相回転を行う摂動量取得ステップと、
前記シンボル情報シーケンスと、前記位相回転後の前記摂動量との差を計算し、補償後のシンボル情報シーケンスを取得し、送信端に、前記補償後のシンボル情報シーケンスに基づいて信号を送信させる信号補償ステップと、を含む非線形補償方法。
【0127】
(付記12)
付記11に記載の非線形補償方法であって、
前記摂動量取得ステップは、前記現在時刻に対する少なくとも2つの時刻におけるパルス相互作用の重み付け和を計算することを含む、非線形補償方法。
【0128】
(付記13)
付記11に記載の非線形補償方法であって、
前記摂動量取得ステップは、
前記現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における前記各パルス相互作用項のパルスのシンボル情報を取得するシンボル情報取得ステップと、
前記現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における前記各パルス相互作用項のパルスのシンボル情報と、予め取得した前記各パルス相互作用項の対応する重み係数とにより、前記現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における前記各パルス相互作用項のパルス相互作用の重み付け値を計算し、前記各パルス相互作用項の前記重み付け値に基づいて前記各パルス相互作用項の重み付け値の和を計算し、前記所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得する摂動量計算ステップと、
取得した前記摂動量に対して前記所定の位相回転を行う摂動量処理ステップと、を含む、非線形補償方法。
【0129】
(付記14)
付記13に記載の非線形補償方法であって、
前記摂動量計算ステップは、前記各パルス相互作用項の重み付け値の和を計算した後に、前記現在時刻におけるシンボル情報を含む摂動量を捨てることを含む、非線形補償方法。
【0130】
(付記15)
付記13又は14に記載の非線形補償方法であって、
前記摂動量計算ステップは、さらに、予め設定されている増幅係数により、前記摂動量に対して調整を行うことを含む、非線形補償方法。
【0131】
(付記16)
付記15に記載の非線形補償方法であって、
前記増幅係数及び前記位相の取得は、二次元組み合わせ最適化方式を採用する、非線形補償方法。
【0132】
(付記17)
付記15に記載の非線形補償装置であって、
前記増幅係数及び前記位相の取得は、二つの一次元最適化方式、即ち、まず前記増幅係数の最適値を決定し、それから、前記増幅係数の最適値に基づいて前記位相の最適値を決定する方式、或いは、まず前記位相の最適値を決定し、それから、前記位相の最適値に基づいて前記増幅係数の最適値を決定する方式を採用する、非線形補償方法。
【0133】
(付記18)
付記15に記載の非線形補償方法であって、
前記入力パルス信号は、単一偏波信号であり、
前記信号補償ユニットは、
【数23】


を用い、ここで、Δkは、k番目の時刻における前記各パルス相互作用項の重み付け値の和を表し、ζは、前記増幅係数を表し、θは、前記位相を表し、C(m,n,z=L)は、前記各パルス相互作用項の重み係数を表し、Am+k及びAn+kは、それぞれ、m+k番目及びn+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表し、(Am+n+k)*は、m+n+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報の複素共役を表す、非線形補償方法。
【0134】
(付記19)
付記15に記載の非線形補償装置であって、
前記入力パルス信号は、双偏波信号であり、
前記信号補償ユニットは、
【数24】


を用い、ここで、Δk及びΔkは、それぞれ、k番目の時刻における前記各パルス相互作用項の水平方向及び垂直方向の偏波状態の重み付け値の和を表し、ζは、前記増幅係数を表し、θは、前記位相を表し、C(m,n,z=L)は、前記各パルス相互作用項の重み係数を表し、Am+kH及びAm+kVは、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のm+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表し、An+kH及びAn+kVは、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のn+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表し、(Am+n+kH)*及び(Am+n+kV)*は、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のm+n+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報の複素共役を表す、非線形補償方法。
【0135】
(付記20)
送信機であって、
付記1ないし10の何れか1つに記載の非線形補償装置と、
前記非線形補償装置が取得した補償後のシンボル情報シーケンスに基づいてパルス成形を行い、各パルスの波形を取得するパルス成形装置と、
前記パルス成形装置が出力した前記各パルスの波形を受信し、受信した前記各パルスの波形を変調して信号送信を行う信号送信装置と、を含む、送信機。
【0136】
(付記21)
コンピュータに、付記11ないし19の何れか1つに記載の各ステップを実行させるためのプログラム。
【0137】
(付記22)
付記21に記載のプログラムを記憶しているコンピュータ読み出し可能な記憶媒体。
【0138】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の技術範囲に属する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非線形補償装置であって、
送信端の入力パルス信号のシンボル情報シーケンスを取得する情報シーケンス取得ユニットと、
現在時刻に対する1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用項の重み付け和を計算し、所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得し、取得した前記摂動量に対して所定の位相回転を行う摂動量取得ユニットと、
前記シンボル情報シーケンスと、前記位相回転後の前記摂動量との差を計算し、補償後のシンボル情報シーケンスを取得し、送信端に、前記補償後のシンボル情報シーケンスに基づいて信号を送信させる信号補償ユニットと、を含む非線形補償装置。
【請求項2】
前記摂動量取得ユニットは、
前記現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における前記各パルス相互作用項のパルスのシンボル情報を取得するシンボル情報取得部と、
前記現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における前記各パルス相互作用項のパルスのシンボル情報と、予め取得した前記各パルス相互作用項の対応する重み係数とにより、前記現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における前記各パルス相互作用項のパルス相互作用の重み付け値を計算し、前記各パルス相互作用項の前記重み付け値に基づいて前記各パルス相互作用項の重み付け値の和を計算し、前記所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得する摂動量計算部と、
取得した前記摂動量に対して前記所定の位相回転を行う摂動量処理部と、を含む、請求項1に記載の非線形補償装置。
【請求項3】
シミュレーション方式により前記重み係数を取得する、又は、実験方式により前記重み係数を取得する、又は、伝送リンクの配置及び現在時刻におけるパルスの位置に対する1つ又は複数の時刻における相互作用のパルスの位置に基づいて前記重み係数を取得する係数取得ユニットを更に含む、請求項2に記載の非線形補償装置。
【請求項4】
前記摂動量計算部は、さらに、予め設定されている増幅係数により、前記摂動量に対して調整を行う、請求項2又は3に記載の非線形補償装置。
【請求項5】
前記増幅係数及び前記位相の取得は、
二次元組み合わせ最適化方式を採用し、
或いは、
まず前記増幅係数の最適値を決定し、それから、前記増幅係数の最適値に基づいて前記位相の最適値を決定する方式、又は、まず前記位相の最適値を決定し、それから、前記位相の最適値に基づいて前記増幅係数の最適値を決定する方式を採用する、
請求項4に記載の非線形補償装置。
【請求項6】
前記入力パルス信号は、単一偏波信号であり、
前記信号補償ユニットは、
【数25】


を用い、ここで、Δkは、k番目の時刻における前記各パルス相互作用項の重み付け値の和を表し、ζは、前記増幅係数を表し、θは、前記位相を表し、C(m,n,z=L)は、前記各パルス相互作用項の重み係数を表し、Am+k及びAn+kは、それぞれ、m+k番目及びn+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表し、(Am+n+k)*は、m+n+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報の複素共役を表す、請求項4に記載の非線形補償装置。
【請求項7】
前記入力パルス信号は、双偏波信号であり、
前記信号補償ユニットは、
【数26】


を用い、ここで、Δk及びΔkは、それぞれ、k番目の時刻における前記各パルス相互作用項の水平方向及び垂直方向の偏波状態の重み付け値の和を表し、ζは、前記増幅係数を表し、θは、前記位相を表し、C(m,n,z=L)は、前記各パルス相互作用項の重み係数を表し、Am+kH及びAm+kVは、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のm+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表し、An+kH及びAn+kVは、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のn+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報を表し、(Am+n+kH)*及び(Am+n+kV)*は、それぞれ、水平方向及び垂直方向の偏波状態のm+n+k番目の時刻におけるパルスのシンボル情報の複素共役を表す、請求項4に記載の非線形補償装置。
【請求項8】
非線形補償方法であって、
送信端の入力パルス信号のシンボル情報シーケンスを取得する情報シーケンス取得ステップと、
現在時刻に対する1つ又は複数の時刻におけるパルス相互作用項の重み付け和を計算し、所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得し、取得した前記摂動量に対して所定の位相回転を行う摂動量取得ステップと、
前記シンボル情報シーケンスと、前記位相回転後の前記摂動量との差を計算し、補償後のシンボル情報シーケンスを取得し、送信端に、前記補償後のシンボル情報シーケンスに基づいて信号を送信させる信号補償ステップと、を含む非線形補償方法。
【請求項9】
前記摂動量取得ステップは、
前記現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における前記各パルス相互作用項のパルスのシンボル情報を取得するシンボル情報取得ステップと、
前記現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における前記各パルス相互作用項のパルスのシンボル情報と、予め取得した前記各パルス相互作用項の対応する重み係数とにより、前記現在時刻に対する1つ又は複数の時刻における前記各パルス相互作用項のパルス相互作用の重み付け値を計算し、前記各パルス相互作用項の前記重み付け値に基づいて前記各パルス相互作用項の重み付け値の和を計算し、前記所定長さの伝送リンクに発生の摂動量を取得する摂動量計算ステップと、
取得した前記摂動量に対して前記所定の位相回転を行う摂動量処理ステップと、を含む、請求項8に記載の非線形補償方法。
【請求項10】
送信機であって、
付記1ないし7の何れか1つに記載の非線形補償装置と、
前記非線形補償装置が取得した補償後のシンボル情報シーケンスに基づいてパルス成形を行い、各パルスの波形を取得するパルス成形装置と、
前記パルス成形装置が出力した前記各パルスの波形を受信し、受信した前記各パルスの波形を変調して信号送信を行う信号送信装置と、を含む、送信機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−74624(P2013−74624A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−211392(P2012−211392)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】