説明

非貫通型回転スライド式吊り鉄筋金具機構

【課題】防水シートに穴を開けず、鉄筋を固定する目的はそのままで、安価で、作業性の良い、確実性及び信頼性のある回転スライド式吊り鉄筋金具を提供する。
【解決手段】その為には、防水シートに穴を開けないで、簡単に安価な信頼性のある吊り鉄筋金具が必要になっている、そこで本願発明は台座1に防水シートを固着するためにガイドレール付回転プレートを開発した、その回転プレート2を防水シートと共に台座1に挿入、さらに回転プレートを90度右回転させてガイドレール3を押し広げ台座の係合部に防水シートを固着し、同時に吊り鉄筋金具の固定も完了する機構。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明はトンネル工事の二次覆工を鉄筋コンクリートで施行する場合のシート防水工に関する。
【発明の背景】
【0002】
トンネル工事に於いて漏水を防ぐ為にシート防水工が施工されている。二次覆工コンクリートを鉄筋で補強する鉄筋コンクリート覆工の場合防水シートの内空側に鉄筋を配置し所定の位置に固定している。このため、吹き付けコンクリートに固定される鉄筋組み立て用金具としていわゆる吊り鉄筋金具が用いられている。この吊り鉄筋金具は防水シートを岩盤側に固定し、なおかつ内空側に鉄筋を固定すると言う2つの役目を担う特徴をもっている。吊り鉄筋金具は貫通型と呼称されているあらかじめ鋼製支保工にボルト付きプレートを溶接しシートに穴を開けボルトを内空側に出し、シール方法(図7)を用い漏水防止をしてナットにて固定する方法と、防水シートに穴を開けないで防水シートを固着する非貫通型と種々な金具が発明されて現在に至っている。しかし現実的に作業性の悪さ、単価の問題等で一般的に使用されているのは少ないのである。
【発明の開示】

【発明が解決しようとしている課題】
【0003】
本願発明は上記課題に着目してなされたもので、防水シートに穴を開けず、鉄筋を固定する目的はそのままで、安価で、作業性の良い、確実性及び信頼性のある回転スライド式吊り鉄筋金具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため本願発明にかかる非貫通型回転スライド式吊り鉄筋金具は台座(角板の両端を起立させその先端を内側に折曲げ、内側に係合部を形成しその板部を鋼製支保工にあらかじめ溶接しておく雌金具)と、回転プレート(長方形角板の長手右対角を40R円形に形成し、角板の中央には穴を開けて、鉄筋を固定する高ナットが板の裏側に一部突出させて溶接されている、また、裏側に突出したナットは、前記雌金具の径合部に係合する薄角板の溝が合致する溝が形成される、薄角板は一辺を立上げ湾曲させ薄角板の長手中央にナットの溝に合致する溝が形成される、その薄角板は一枚ずつナットの溝に薄角板の溝を嵌め込み長方形角板の長手方向の一辺に接するようにした雄金具)を構築した。前記雌金具のうえに防水シートを延張させて雄金具を防水シートと共に雌金具に挿入させ長方形角板に溶接されているナットを90度右回転させると薄角材は長方形角板に形成された40R円形によって押し広げられて雌金具の係合部に防水シートを係合することが出き、それと共に長方形角板も固定されるので吊り鉄筋金具も固定される特徴とするものである。
【実施例】
【0005】
次に本願発明にかかる非貫通型回転スライド式吊り鉄筋金具の具体的実施例を図に基きその詳細を説明する。図1は本実施例の構成を示すもので全体の行程の流れを側面図にて表したものである、図1−A、▲1▼台座(角板の両端を起立させその先端を内側に折曲げ係合部4を形成する)をE鋼製支保工に溶接にて溶着する、その台座の上に防水シートを延張し、▲5▼回転プレート
【図2】
(長方形角板の長手方右対角を40R円形▲11▼に形成し、角板の中央に鉄筋を固定する高ナット▲12▼を固定する穴を開け、長方形角板の裏側に高ナットの一部を突出させて高ナットと長方形角板を溶接にて固着する、裏側に突出させたボルトには溝▲10▼を形成しておく、▲3▼ガイドレール
【図3】
は薄角板の端面を起立させその先端を内側に湾曲させ、長手方向の中央にはボルトの溝に合致する溝
【図3−8】
を形成、そのガイドレールを長方形角板に溶接されたボルトの溝に長方形角板の長手方に一枚ずつ嵌め込み完成とする)を防水シートの上に置く。図1−Bは▲5▼回転プレートを防水シートと共に▲1▼台座に挿入した側面図である。図1−Cは回転プレートを90度右回転しガイドレールが長方形角板の40R円形部によって押し広げられ防水シートが係合固定された状態である。
【0006】
次にガイドレール▲3▼の重要な働きを説明する、ガイドレール▲3▼の長手方向中心に溝が加工されている、又回転プレート▲2▼に溶接されている鉄筋固定を目的にした高ナットには溶接側の反対側にガイドレール▲3▼の溝が入る溝(図2−10)が加工されている、回転プレート▲2▼の溝にガイドレール▲3▼の溝を差込み回転プレート▲2▼の長手方向に上下2枚を装着する、図1、参照。回転プレート▲2▼を右回転させると回転プレートの40R円形によりガイドレール▲3▼上下が押し広げられ台座▲1▼の溝に誘導され固定される、このとき長方形角板の中心の位置にボルトがあるのでガイドレールは長方形角板の中心から外れることはなく正確に台座に係合する。
【効果】
【0007】
上記構成により、本願発明は以下に列挙する効果を奏する。
防水シートにボルトの穴を開けない為に、従来の防水シール方式のボルト穴からの漏水を防ぐことが出来る。
【0008】
又、回転プレート▲2▼がガイドレール▲3▼を押し広げる方式の為に,直接防水シートに回転プレート▲2▼が触れないことから回転による防水シートの切断を防止する事が出来る。上記のことから部品点数を少なく構成することが出来、作業性の良い信頼のある機構を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の行程図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルのコンクリート覆工工事に於いての二次覆工作業に用いられる、H型鋼製支保工に所定の間隔に係止部材を固着し、その後トンネル内空側に延張した防水シートの上から前記係止部材の中に防水シートと共に回転式固定プレートを挿入し、固定プレートを90度右回転させてガイドプレートを押し広げ、防水シートを固着し、同時にその固着によって吊り鉄筋の固定を確立した特長を持つ。

【図2】回転プレートの平面図と側面図である
【図3】ガイドレールの平面図と側面図である
【図4】本実施例の挿入斜視図である。
【図5】本実施例の回転後の斜視図である。
【図6】従来の貫通型吊り鉄筋金具の側面図である。
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−291686(P2006−291686A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−143193(P2005−143193)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【出願人】(593034116)
【Fターム(参考)】