面光源装置、液晶表示装置、及びテレビジョン受信機
【課題】液晶表示装置の直下型のバックライト装置において、導光板の前面にLEDからの光を全反射させるように凹部を形成したり、裏面にLEDを収納する凹部を形成したりすると、ローカルディミング時や導光板の熱膨張時に、発光強度の面内一様性が低下する。
【解決手段】LED基板60の前面に開口部を有した反射シート62を積層し、その開口部内にLED素子74を収納する。導光板64は平坦な両面を備え、反射シート62上に積層される。導光板64の前面内にて、LED素子74に対向して位置し当該LED素子74から前面への光の入射角が臨界角未満となる非全反射領域に、白色反射膜90を形成して当該光の少なくとも一部を散乱反射して導光板64内に戻す。導光板64の裏面には白色反射膜92からなるパターンが形成され、光を拡散反射し導光板64の前面から出射させる。
【解決手段】LED基板60の前面に開口部を有した反射シート62を積層し、その開口部内にLED素子74を収納する。導光板64は平坦な両面を備え、反射シート62上に積層される。導光板64の前面内にて、LED素子74に対向して位置し当該LED素子74から前面への光の入射角が臨界角未満となる非全反射領域に、白色反射膜90を形成して当該光の少なくとも一部を散乱反射して導光板64内に戻す。導光板64の裏面には白色反射膜92からなるパターンが形成され、光を拡散反射し導光板64の前面から出射させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は面光源装置、液晶表示装置及びテレビジョン受信機に関し、特に、導光板を用いて、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)等の非面光源から面状の発光を得る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置はパソコン等のディスプレイや液晶テレビに用いられている。液晶表示装置にて画像を形成する液晶パネルの各画素は自ら発光しないため、液晶表示装置は液晶パネルに光を照射する光源を備え、液晶パネルからの透過光や反射光によって液晶パネルが形成する画像を目に見える表示とする。例えば、当該光源として液晶パネルの背後に配置されたバックライト装置と呼ばれる面光源が用いられ、この場合、液晶パネルからの透過光により画像が表示される。
【0003】
バックライト装置では一般的には点光源や線光源(これらを合わせて非面光源と称する)が多数利用され、非面光源から出射される光を導光板等で面状に広げて、導光板の一方面(出射側表面)から光を取り出す。導光板を用いた面光源装置には、導光板の側部の端面に非面光源を配置するエッジライト型又はサイドライト型と呼ばれる方式と、出射側表面とは反対側の表面(入射側表面)に沿って非面光源を配列する直下型と呼ばれる方式とがある。非面光源としては、冷陰極蛍光管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)や、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が用いられる。
【0004】
図13は、従来の直下型の面光源装置の構造を模式的に示す垂直部分断面図である。直下型の面光源装置では、基板6の上に複数の発光素子4が配置され、その基板6上に導光板2が積層される。図13に示す構造は、導光板2の下面に凹部8を形成し、基板6上に配列された発光素子4を凹部8内に収める。一方、発光素子4の直上位置の導光板2の上面にはテーパー形状を有する凹部10が形成される。当該テーパー形状をなす斜面は発光素子4から上方に向かう光に対して全反射条件を満たすように形成される。すなわち、当該光は当該斜面にて全反射されることで導光板2を透過せずに導光板2内に導かれる。図14は従来の直下型の面光源装置の他の構造を模式的に示す垂直部分断面図である。この構造でも、導光板2の上面には発光素子4の直上位置にテーパー状の凹部10を形成し、発光素子4から上へ向かう光を周囲の導光板2内へ反射し透過を阻止する。導光板2内に導かれた光は上面と下面にて全反射を繰り返して面内に広がる。また、下面には拡散反射する白色反射膜を網点状に形成し、当該部分にて導光板の上面から出射される光成分を生成する。下面各所での当該網点の密度や大きさは、導光板2の上面からの発光強度が均一になるように設計される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−149451号公報
【特許文献2】特開2001−133779号公報
【特許文献3】特開2002−298629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
直下型の面光源装置では、導光板の背後に複数の発光素子が配列される。上面又は下面表面に凹部を形成した導光板では、或る発光素子が発した光の伝搬方向に位置する他の発光素子に対する凹部はその伝搬を妨げる。そのため、例えば、導光板の背後に多数、二次元配列されたLEDをローカルディミング制御する場合、発光するLEDの近傍の他のLEDが消灯されると、発光するLEDから見て消灯されるLEDの背後に影ができ、導光板上面からの発光強度にむらが生じるという問題があった。
【0007】
また、基板上に取り付けられたLEDを導光板の下面に設けた凹部に収納する図13に示した構成では、導光板がLEDの発熱等により膨張すると、基板上に取り付けられたLED配列の間隔と導光板における凹部の間隔とに差が生じる。その結果、導光板の上面及び下面の凹部の位置とLEDの位置との間にずれが生じる。図15は、図13に示す構造にて当該ずれが生じた状態を模式的に示す垂直部分断面図である。この図では、導光板2が熱膨張した結果、凹部8,10は左側のLED(発光素子4)に対しては左側にずれ、右側のLED(発光素子4)に対しては右側にずれている。この位置ずれは凹部10の斜面へのLEDが発した光の入射角を変化させ、その結果、斜面にて全反射条件が満たされない光成分が生じる。つまり、当該光成分は導光板2を透過して、面光源装置の発光強度の均一性を劣化させるという問題があった。
【0008】
さらに、熱膨張による位置ずれは、発光素子4と下側の凹部8との接触を生じ得るという問題があった。熱膨張による位置ずれは距離が離れる程、累積して大きくなるので、面光源装置が大面積になるほど発光素子4と凹部8との接触が生じるおそれは大きくなり、また当該接触により導光板2や発光素子4等に生じる応力も大きくなって故障の原因ともなり得る。また、この問題を回避するために凹部8の開口面積を大きくすると、上述したローカルディミング時の発光強度のむらが大きくなる。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、ローカルディミング制御や導光板の熱膨張の影響を受けにくい構造とし、好適な発光強度分布が得られる面光源装置、それを用いた液晶表示装置及びテレビジョン受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る面光源装置は、複数の発光素子が配列された素子配列面を有する発光部と、両表面が平坦であり、前記素子配列面に積層され、前記発光素子が入射側表面へ照射した光を内部にて伝搬して前記入射側表面とは反対側の出射側表面から取り出す導光板と、を有し、前記発光部の前記素子配列面は、前記発光素子を収納する複数の凹部を形成され、前記導光板の前記出射側表面は、前記発光素子に対向して位置し当該発光素子から前記出射側表面への光の入射角が臨界角未満となる非全反射領域に、当該光の少なくとも一部を反射する加工を施され、前記導光板の前記入射側表面は、光を拡散反射する加工を施されている。
【0011】
他の本発明に係る面光源装置においては、前記発光部は、前記発光素子を実装する基板と、前記基板に積層された、表面が光を反射する反射シートと、を備え、前記反射シートは、前記発光素子以上の厚みを有し、前記発光素子の位置に対応して面内に貫通孔を形成しており、当該貫通孔が前記凹部を構成する。
【0012】
上記本発明に係る面光源装置において、前記導光板は、前記出射側表面及び前記入射側表面の前記加工として、表面に白色反射膜を形成されたものとすることができる。前記入射側表面の前記白色反射膜は、その面密度を前記発光素子からの距離に応じて変えて、前記出射側表面からの発光強度を当該距離によらず一様にするように構成することができる。また、前記出射側表面の前記非全反射領域の前記白色反射膜は、前記発光素子から照射された光の一部を透過し、残りを反射するパターンを有し、前記入射側表面の前記白色反射膜は、その面密度を前記発光素子からの距離に応じて変えて、前記非全反射領域からの透過光を含む前記出射側表面からの発光強度を当該距離によらず一様にするように構成することができる。
【0013】
上記本発明に係る面光源装置は、前記発光素子を発光ダイオードとすることができる。
【0014】
別の本発明に係る面光源装置においては、前記非全反射領域に対する前記加工は、前記導光板の熱膨張により前記出射側表面上にて位置が変動する当該非全反射領域を包含する領域に施されている。
【0015】
本発明に係る液晶表示装置は、上記本発明に係る面光源装置と、前記面光源装置から光を照射されて表示を行う液晶パネルと、を有する。
【0016】
本発明に係るテレビジョン受信機は、上記本発明に係る液晶表示装置を用いたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る面光源装置、それを用いた液晶表示装置及びテレビジョン受信機によれば、ローカルディミング制御時において発光強度のむらが低減される。導光板が熱膨張しても発光素子との衝突が起こらず、さらに、発光強度の均一性が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態である液晶表示装置の構成を表す模式図である。
【図2】本発明の実施形態である液晶表示装置の垂直断面の一部を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るバックライトユニットを構成する積層体の垂直断面の一部を示す模式的な断面図である。
【図4】発光体から出射された光の導光板の裏面への入射角と導光板の前面への入射角とを示す説明図である。
【図5】導光板の前面に形成する白色反射膜のパターンの一例を示す、導光板の前面の模式的な平面図である。
【図6】導光板の前面に形成する白色反射膜のパターンの他の例を示す、導光板の前面の模式的な平面図である。
【図7】導光板の前面に形成する白色反射膜のパターンの他の例を示す、導光板の前面の模式的な平面図である。
【図8】導光板の前面に形成する白色反射膜のパターンの他の例を示す、導光板の前面の模式的な平面図である。
【図9】導光板の前面に形成する白色反射膜のパターンの他の例を示す、導光板の前面の模式的な平面図である。
【図10】導光板の裏面に形成する白色反射膜のパターンの一例を示す、導光板の裏面の模式的な平面図である。
【図11】導光板の裏面に形成する白色反射膜のパターンの他の例を示す、導光板の裏面の模式的な平面図である。
【図12】導光板の裏面に形成する白色反射膜のパターンの他の例を示す、導光板の裏面の模式的な平面図である。
【図13】従来の直下型の面光源装置の構造を模式的に示す垂直部分断面図である。
【図14】従来の直下型の面光源装置の他の構造を模式的に示す垂直部分断面図である。
【図15】図13に示す構造にて、導光板の熱膨張が生じた状態を模式的に示す垂直部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態である液晶表示装置30の構成を表す模式図である。
【0020】
図1に示すように、液晶表示装置30は、液晶パネル40、バックライトユニット42、液晶パネル駆動回路44、バックライト駆動回路46及び制御装置48を備える。液晶パネル駆動回路44は走査線駆動回路50と映像線駆動回路52とを含んでいる。
【0021】
液晶パネル40は、透明な一対のガラス基板と、その間に挟まれた液晶と、液晶を挟んだ一対のガラス基板の表示面側及びバックライトユニット側それぞれの表面に貼り付けられた偏光板とを含んだ積層体であり、略矩形の平板形状を有する。
【0022】
バックライトユニット側のガラス基板(TFT基板と呼ぶ)の液晶側の面には、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)が画素配列に対応してマトリクス状に配置される。また、TFT基板には複数の映像信号線Xと複数の走査信号線Yとが互いに直交して形成される。走査信号線YはTFTの水平列ごとに設けられ、当該水平列の複数のTFTのゲートに共通に接続される。映像信号線XはTFTの垂直列ごとに設けられ、当該垂直列の複数のTFTのソースに共通に接続される。また、各TFTのドレインには当該TFTに対応する画素領域に配置された画素電極が接続される。
【0023】
各TFTは走査信号線Yに印加される走査信号に応じて水平列単位でオン/オフを制御され、オン状態とされた水平列の各TFTが画素電極を、映像信号線Xに印加される映像信号に応じた電位に設定する。液晶パネル40は各画素電極に設定された電位により画素毎に液晶の配向を制御して、バックライトユニット42から入射した光に対する透過率を変えることにより表示面に画像を形成する。
【0024】
なお、表示面側のガラス基板にはカラーフィルタが形成され、画像のカラー表示を可能としている。
【0025】
バックライトユニット42は液晶パネル40の裏面側に配置されている。バックライトユニット42は、本発明に係る面光源装置であり、液晶パネル40の裏面に光を照射する。その平面形状は液晶パネル40に対応して矩形で、またその大きさは液晶パネル40に相応している。バックライトユニット42の構成についてはさらに後述する。
【0026】
走査線駆動回路50はTFT基板に形成された複数の走査信号線Yに接続されている。走査線駆動回路50は制御装置48から入力されるタイミング信号に応じて走査信号線Yを順番に選択し、選択した走査信号線YにTFTをオンする電圧を印加する。
【0027】
映像線駆動回路52はTFT基板に形成された複数の映像信号線Xに接続されている。映像線駆動回路52は走査線駆動回路50による走査信号線Yの選択に合わせて、当該選択された走査信号線Yに接続されるTFTのそれぞれに、各画素の階調値を表す映像信号に応じた電圧を印加する。これにより、選択された走査信号線Yに対応する画素に映像信号が書き込まれる。これはラスター画像の水平走査に相当する。ちなみに、上述の走査線駆動回路50の動作は垂直走査に相当する。
【0028】
バックライト駆動回路46は、制御装置48から入力される発光制御信号に応じたタイミングや輝度でバックライトユニット42に配列される複数のLEDを発光させる。バックライト駆動回路46は、LEDの駆動電圧を供給するLED駆動回路の他、LEDに供給される電流が発光制御信号で指示された輝度に応じた大きさであるかをモニタしフィードバック制御する回路も含む。
【0029】
制御装置48は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理回路、及びROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリを備えている。制御装置48は映像データを入力される。映像データは、液晶表示装置30がテレビジョン受信機を構成する場合には、不図示のアンテナやチューナで受信される。また、映像データは映像再生装置など別の装置からも入力され得る。制御装置48はCPUがメモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種の処理を実行する。具体的には、制御装置48は当該映像データに対して色調整などの各種の画像信号処理を行って各画素の階調値を示す映像信号を生成し、当該映像信号を映像線駆動回路52へ出力する。また、制御装置48は入力された映像データに基づいて、映像線駆動回路52、走査線駆動回路50及びバックライト駆動回路46が同期を取るためのタイミング信号を生成し、各駆動回路に向けて出力する。また、制御装置48はバックライト駆動回路46への発光制御信号としてタイミング信号の他、入力された映像データに基づいてLEDの輝度を制御するための信号を生成する。
【0030】
図2は、液晶表示装置30の垂直断面の一部を示す模式的な断面図である。バックライトユニット42は、LED基板60、反射シート62、導光板64、及び光学シート群66が重ね合わされた積層体70と、それらを中に収納する箱形(不図示)の枠であるフレーム72とを含んで構成される。バックライトユニット42の前面に液晶パネル40が重ねられる。
【0031】
バックライトユニット42は直下型であり、LED基板60の導光板64側の表面に複数のLED素子74が例えば、マトリクス状の配置で実装される。LED素子74のパッケージは上面発光型であり、上面(導光板64に対向する面)に発光体80が埋設される。例えば、発光体80は、青色LEDチップとその上を封止する黄色蛍光体とからなる擬似白色方式の構成を有し、LEDの青色光と当該LED光により励起された蛍光体が放射する黄色光とを混色して白色を得る。
【0032】
LED基板60は例えば、液晶パネル40のガラス基板と同様に低熱膨張の素材からなり、一例として、ガラスエポキシ基板を用いることができる。LED基板60にはLED素子74に電源を供給する導体パターンが形成される。例えば、ローカルディミング制御を可能とするために、LED基板60はLED素子74を個々に、又はLED素子74の二次元配列を複数の領域に分割して当該領域毎に駆動できる導体パターンを備える。
【0033】
反射シート62は、表面が光を反射する性質を備えたシート状の部材であり、LED基板60、LED素子74と共に、導光板64の背後に位置し複数の発光素子が配列された素子配列面を有する発光部76を構成する。具体的には、反射シート62はLED基板60のLED素子74を実装する側の面上に載置、又は貼り付けられる。
【0034】
反射シート62にはLED基板60上でのLED素子74の位置に対応して複数の貫通孔78が形成される。反射シート62がLED基板60に積層された状態にて、当該貫通孔78は発光部76のLED素子74が配列される面に凹部を形成し、LED基板60に取り付けられたLED素子74は当該貫通孔78内に収納される。すなわち、反射シート62の厚みは、発光部76での反射シート62の表面が、LED基板60に実装されたLED素子74の上面以上の高さとなるように設定される。例えば、LED素子74の厚みは1mm以下とすることができる。例えば、反射シート62は、発泡基体表面に金属膜を被着したり、超微細発泡反射板を用いたりすればLED素子74より厚くすることができる。
【0035】
なお、貫通孔78の開口は、LED素子74の平面形状より大きく設定される。その際、LED基板60と反射シート62との熱膨張の差を考慮して、LED素子74と貫通孔78の側面との間に間隙を設けることができる。一方、反射シート62による反射効率を確保する観点からは貫通孔78の開口は小さい方が良い。また、二次元配列の1個所に複数個のLED素子74を配置する場合には、貫通孔78はその1個所に複数個のLED素子74をまとめて収納するものとしてもよい。LED素子74が直線に沿って狭い間隔で配列される場合には、貫通孔78として当該直線に沿った細長い溝を設定することもできる。
【0036】
発光部76はその前面に導光板64を配置され、LED素子74から導光板64へ光を照射すると共に、導光板64の裏面から漏れ出る光を反射シート62で反射して導光板64へ戻し、バックライトユニット42の発光効率を向上させる。
【0037】
導光板64は例えば、アクリルやポリスチレン、ポリカーボネートといった透明樹脂で形成された平板である。導光板64は基本的に一様な厚みで、かつ両面は平坦である。ここで、平坦であるとは、上述した従来の導光板2に設けられる凹部8,10のような比較的大きな凹凸がないことを意味する。
【0038】
導光板64の裏面は発光部76から光を入射される面(入射側表面)であり、前面は液晶パネル40へ光を出射する面(出射側表面)である。導光板64は裏面から入射したLED光を前面と裏面とで全反射を繰り返して、面に沿った方向に伝搬させると共に、裏面側には前面から一様な強度で光が出射するように拡散反射を起こさせる構造を備える。
【0039】
光学シート群66は、導光板64の表面から出射される光を拡散して発光面内での光強度の均一性を向上させる拡散シートや、拡散シートから前面の様々な方向へ出射される光を面に垂直な方向を中心として集光させて発光面正面における輝度を向上させるプリズムシートを含む。
【0040】
図3はバックライトユニット42を構成する積層体70の垂直断面の一部を示す模式的な断面図である。図3は1つのLED素子74とその近傍領域を拡大して示している。図3のLED素子74はその上面の中心に発光体80を備え、当該発光体80は実質的に点光源である。すなわち、発光体80からの発光は当該発光体80を中心として放射状に広がる。図4は発光体80から出射された光82の導光板64の裏面84(入射側表面)への入射角θBと導光板64の前面86(出射側表面)への入射角θFとを示す説明図である。裏面84への入射角θBは発光体80の直上点CBで0°であり、この裏面84上の点の直上点CBからの距離rが大きくなるほど当該点での入射角θBは大きくなる。また、LED素子74からの光が裏面84へ入射する際の入射角θBが小さいほど、当該光が導光板64に入射した後、前面86へ入射する際の入射角θFも小さくなる。つまり、裏面への入射角θBが所定角度(αとする)より小さいと、それに対応した前面86への入射角θFは臨界角θM未満となり、全反射条件を満たさず前面86から導光板64の外へ透過する成分が生じる。
【0041】
前面86にてそのような全反射条件を満たさない領域(非全反射領域)は、点光源である発光体80の正面の位置CFを中心とする円形内となる。非全反射領域では発光体80からの光が直接に導光板64を透過して液晶パネル40側へ出射される。そのため、非全反射領域の外側に位置し裏面側の拡散反射で発光する全反射領域に比べて、非全反射領域からは高い輝度での発光が生じ、面内の発光強度の一様性が損なわれる不都合が生じる。これを防ぐために導光板64は非全反射領域に入射光の少なくとも一部を反射する加工を施されている。本実施形態では当該加工として、白色反射膜90を導光板64の前面に印刷により形成する。白色反射膜90は非全反射領域への入射光を高い拡散反射率で反射して導光板64に戻し、これにより、例えば、裏面84及び前面86での全反射によって導光板64内を伝搬する成分が生成される。
【0042】
なお、発光体80と導光板64の裏面84との距離が小さいほど非全反射領域は小さくなり、白色反射膜90の面積を小さくできる。この観点からは、発光体80を導光板64の裏面84に密接して配置させることが好適である。そのために例えば、LED素子74の上面の高さと反射シート62の表面の高さとを同じとすることができる。
【0043】
図5〜図9は、導光板64の前面の模式的な平面図であり、白色反射膜90のパターンの例を示している。各図において斜線部が白色反射膜90の形成領域である。図5に示すパターンでは、非全反射領域の全体に白色反射膜90が形成される。図5に示すパターンを採用したバックライトユニット42では、導光板64の前面における非全反射領域の周囲の領域から非全反射領域の側へ斜めに出射される光が光学シート群66を介して、非全反射領域に対向する液晶パネル40へ向けて出射される。周囲から非全反射領域の前方への入射光量は、導光板64の裏面側での散乱反射の面内強度分布の調整により変化させることができる。
【0044】
ここで、図5に示すパターンにおいて例えば、非全反射領域の直径が大きい場合などには当該調整によっては非全反射領域に対応する部分からの発光量を確保できず、バックライトユニット42全体にて当該部分が暗くなることもある。この場合には、LED素子74から非全反射領域に入射する光の一部を白色反射膜90で導光板64内へ散乱反射させ、残りは導光板64の外へ透過させる構成とすることができる。当該構成では例えば、非全反射領域の一部領域だけに白色反射膜90が形成される。図6〜図9はこの非全反射領域の一部領域だけに白色反射膜90を形成するパターンの例である。非全反射領域に対応する部分からの発光部76の発光量は、白色反射膜90を形成しない領域の割合を大きくすることで増加でき、当該発光量がバックライトユニット42全体の発光強度が一様となるように白色反射膜90の形成領域が設計される。その際、白色反射膜90の形成領域又は非形成領域は非全反射領域内に分散して配置することが好適である。
【0045】
なお、LED素子74から非全反射領域に入射する光の一部を透過させる構成は、上述した非全反射領域の一部領域のみに白色反射膜90を形成するものの他に、例えば、白色反射膜90の膜厚を薄くしたり素材を変えたりして非全反射領域に形成する散乱反射膜自体に或る程度の透過性を持たせることによっても可能である。また、導光板64の表面に微細な凹凸を多数形成し表面粗さを調節することで、LED素子74からの光の一部を散乱し残りを透過させることが可能である。この粗くした表面を非全反射領域全体に形成してもよい。また、非全反射領域の一部領域に白色反射膜90を形成しない上述の構成にてその白色反射膜90を形成しない領域の表面を粗くして、散乱反射を得ると共に透過光も散乱させる構成とすることもできる。
【0046】
上述の加工は前面86の非全反射領域を包含する領域、つまり非全反射領域より広い範囲に施してもよい。具体的には、発光体80を基準として所定の位置関係を有する非全反射領域は、導光板64の熱膨張により前面86内でずれる。そこで、白色反射膜90の形成等の加工を施す範囲は、導光板64の熱膨張により前面86上にて位置が変動する非全反射領域を包含する領域に設定することができる。この熱膨張に対する非全反射領域の包含領域は、発光部76に二次元配列される各LED素子74の位置での導光板64の熱膨張による移動幅及び方向を考慮して設定できる。ちなみに例えば、導光板64をその中心が発光部76に対して移動しないようにフレーム72に支持すれば、当該中心に近いLED素子74ほど非全反射領域の包含領域は小さく設定される。
【0047】
ここまで、導光板64の出射側表面に施す加工について述べた。一方、導光板64の入射側表面は既に述べたように、出射側表面から一様な強度で光が出射するように拡散反射を起こさせる構造を備える。本実施形態では、入射側表面に施す加工により当該構造を形成する。具体的には当該加工として白色反射膜92を導光板64の裏面84に印刷により形成する。白色反射膜92は前面86に形成する白色反射膜90と同様、入射光を高い拡散反射率で反射して導光板64に戻す。白色反射膜92は、前面86からの発光強度が一様になるパターンに形成される。図10〜図12は、導光板64の裏面の模式的な平面図であり、白色反射膜92のパターンの例を示している。
【0048】
白色反射膜92は、その面密度を発光体80の直上点CBからの距離に応じて変えて形成される。図3に示す光線94はLED素子74から前面86への入射する光線のうち入射角θFが臨界角θMとなる光線であり、また点PBは光線94が前面86で反射されて最初に裏面84に入射する点である。ここでは、裏面84の点PBよりも遠くの領域を外側領域96、点PBよりも近くの領域を内側領域98と呼ぶことにする。
【0049】
入射角θFが臨界角θMより大きい光線は裏面84上の外側領域96を照らす。前面86の非全反射領域に形成した白色反射膜90からの散乱反射光は考えに入れず、入射角θFが臨界角θMより大きい光だけを考えれば、外側領域96に対向する発光部76の前面から一様な強度分布の発光を得るには、点PBからの距離が大きいほど白色反射膜92の面密度を大きくして散乱反射の強度を上げる必要がある。図3及び図10に示す例では、外側領域96に白色反射膜92としてドットを分布させたドットパターン92dを形成している。この場合、点PBからの距離が大きいほどドットを大きくしたり、ドットの分布密度を高くしたりすることで、点PBからの距離が大きいほど白色反射膜92の面密度を大きくすることができる。
【0050】
非全反射領域に形成した白色反射膜90が外側領域96に与える影響は点PBからの距離が大きいほど小さくなる。すなわち、白色反射膜90からの散乱反射光の強度は点PBからの距離が大きいほど弱くなる。
【0051】
裏面84上の内側領域98は前面86の白色反射膜90からの散乱反射光で照らされ、これを前面86から出射させるために、図3及び図10に示す例では内側領域98には白色反射膜92としてパターン92iが形成される。点光源である発光体80に対するパターン92iは図10に示すように中心部が空いたドーナツ形状に形成される。当該中心部には、発光体80から導光板64への光の入射を妨げないために白色反射膜92を形成しない領域を設ける必要がある。なお、内側領域98のうち白色反射膜90の縁の直下から内側により深く入った点ほど、当該点での散乱反射光は内側領域98に対向する前面86の発光強度に寄与しにくくなる。よって、パターン92iの内側の縁の位置は、これらの観点での利害得失を考慮して設定される。
【0052】
図10に示すパターン92iはドーナツ形状の領域全体に白色反射膜92を形成しているが、パターン92iの形成密度は、当該領域に対応する前面86での発光強度が他の部分と同レベルとなるように調整することができる。例えば、パターン92iとしてドットパターンを形成する場合には、その形成密度は、外側領域96と同様、ドットの分布密度やドットの大きさで調節することができる。例えば、図11に示す構成では、ドーナツ形状に白色反射膜92からなるドットパターン100を形成する。また、図12に示す構成では、内側のドーナツ形状のドットパターン102よりも外側のドーナツ形状のドットパターン104が形成する白色反射膜92の面密度を低く設定しており、このように内側領域98内、又は内側領域98から外側領域96の一部にかけて面密度に段階的変化又は連続的階調を設定してもよい。
【0053】
一方、内側領域98に形成するパターン92iの密度を下げると、内側領域98から前面86の非全反射領域の前方へ入射する散乱反射光の量が少なくなる。これによる非全反射領域の前方での発光強度の低下は、白色反射膜90を図6〜図9のような一部の光を透過させるパターンとし、当該透過光により補うことができる。
【0054】
以上、前面86の白色反射膜90のパターン設定と、裏面84の外側領域96及び内側領域98の白色反射膜92のパターン設定とに関する事項を定性的に説明した。その内容から理解されるようにそれらパターンは、発光部76の発光の面内強度分布を設定する上で互いに影響を及ぼす。また、導光板64の材質・厚みや白色反射膜90,92の散乱特性などの種々の要因がそれらパターンの決定に際して影響を及ぼす。白色反射膜90,92のパターンはこれらを考慮に入れて、発光部76の面発光強度が一様になるように設定される。具体的には、それらのパターンは例えば、計算機を用いたシミュレーションを実行することにより好適に設定することができる。
【0055】
なお、上述の実施形態では、発光部76に搭載する発光素子は点光源である発光体80を備えたLED素子74としたが、線状の光源であってもよく、またLED以外の発光素子であってもよい。例えば、発光部76の表面に反射シート62の開口部等によって、線状の溝を形成し、この内部にCCFLを収納した構成とすることもできる。
【0056】
上述した液晶表示装置30は、外部機器と接続されて使用されるように構成される他、例えば、テレビジョン受信機やパソコンに組み込まれて使用される。テレビジョン受信機は画像表示部として液晶表示装置30を備え、その他、チューナー、外部機器インターフェース回路、各種信号処理回路、スピーカーなどを備える。
【符号の説明】
【0057】
30 液晶表示装置、40 液晶パネル、42 バックライトユニット、44 液晶パネル駆動回路、46 バックライト駆動回路、48 制御装置、50 走査線駆動回路、52 映像線駆動回路、60 LED基板、62 反射シート、64 導光板、66 光学シート群、70 積層体、72 フレーム、74 LED素子、76 発光部、78 貫通孔、80 発光体、84 裏面、86 前面、90,92 白色反射膜、96 外側領域、98 内側領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は面光源装置、液晶表示装置及びテレビジョン受信機に関し、特に、導光板を用いて、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)等の非面光源から面状の発光を得る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置はパソコン等のディスプレイや液晶テレビに用いられている。液晶表示装置にて画像を形成する液晶パネルの各画素は自ら発光しないため、液晶表示装置は液晶パネルに光を照射する光源を備え、液晶パネルからの透過光や反射光によって液晶パネルが形成する画像を目に見える表示とする。例えば、当該光源として液晶パネルの背後に配置されたバックライト装置と呼ばれる面光源が用いられ、この場合、液晶パネルからの透過光により画像が表示される。
【0003】
バックライト装置では一般的には点光源や線光源(これらを合わせて非面光源と称する)が多数利用され、非面光源から出射される光を導光板等で面状に広げて、導光板の一方面(出射側表面)から光を取り出す。導光板を用いた面光源装置には、導光板の側部の端面に非面光源を配置するエッジライト型又はサイドライト型と呼ばれる方式と、出射側表面とは反対側の表面(入射側表面)に沿って非面光源を配列する直下型と呼ばれる方式とがある。非面光源としては、冷陰極蛍光管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)や、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が用いられる。
【0004】
図13は、従来の直下型の面光源装置の構造を模式的に示す垂直部分断面図である。直下型の面光源装置では、基板6の上に複数の発光素子4が配置され、その基板6上に導光板2が積層される。図13に示す構造は、導光板2の下面に凹部8を形成し、基板6上に配列された発光素子4を凹部8内に収める。一方、発光素子4の直上位置の導光板2の上面にはテーパー形状を有する凹部10が形成される。当該テーパー形状をなす斜面は発光素子4から上方に向かう光に対して全反射条件を満たすように形成される。すなわち、当該光は当該斜面にて全反射されることで導光板2を透過せずに導光板2内に導かれる。図14は従来の直下型の面光源装置の他の構造を模式的に示す垂直部分断面図である。この構造でも、導光板2の上面には発光素子4の直上位置にテーパー状の凹部10を形成し、発光素子4から上へ向かう光を周囲の導光板2内へ反射し透過を阻止する。導光板2内に導かれた光は上面と下面にて全反射を繰り返して面内に広がる。また、下面には拡散反射する白色反射膜を網点状に形成し、当該部分にて導光板の上面から出射される光成分を生成する。下面各所での当該網点の密度や大きさは、導光板2の上面からの発光強度が均一になるように設計される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−149451号公報
【特許文献2】特開2001−133779号公報
【特許文献3】特開2002−298629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
直下型の面光源装置では、導光板の背後に複数の発光素子が配列される。上面又は下面表面に凹部を形成した導光板では、或る発光素子が発した光の伝搬方向に位置する他の発光素子に対する凹部はその伝搬を妨げる。そのため、例えば、導光板の背後に多数、二次元配列されたLEDをローカルディミング制御する場合、発光するLEDの近傍の他のLEDが消灯されると、発光するLEDから見て消灯されるLEDの背後に影ができ、導光板上面からの発光強度にむらが生じるという問題があった。
【0007】
また、基板上に取り付けられたLEDを導光板の下面に設けた凹部に収納する図13に示した構成では、導光板がLEDの発熱等により膨張すると、基板上に取り付けられたLED配列の間隔と導光板における凹部の間隔とに差が生じる。その結果、導光板の上面及び下面の凹部の位置とLEDの位置との間にずれが生じる。図15は、図13に示す構造にて当該ずれが生じた状態を模式的に示す垂直部分断面図である。この図では、導光板2が熱膨張した結果、凹部8,10は左側のLED(発光素子4)に対しては左側にずれ、右側のLED(発光素子4)に対しては右側にずれている。この位置ずれは凹部10の斜面へのLEDが発した光の入射角を変化させ、その結果、斜面にて全反射条件が満たされない光成分が生じる。つまり、当該光成分は導光板2を透過して、面光源装置の発光強度の均一性を劣化させるという問題があった。
【0008】
さらに、熱膨張による位置ずれは、発光素子4と下側の凹部8との接触を生じ得るという問題があった。熱膨張による位置ずれは距離が離れる程、累積して大きくなるので、面光源装置が大面積になるほど発光素子4と凹部8との接触が生じるおそれは大きくなり、また当該接触により導光板2や発光素子4等に生じる応力も大きくなって故障の原因ともなり得る。また、この問題を回避するために凹部8の開口面積を大きくすると、上述したローカルディミング時の発光強度のむらが大きくなる。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、ローカルディミング制御や導光板の熱膨張の影響を受けにくい構造とし、好適な発光強度分布が得られる面光源装置、それを用いた液晶表示装置及びテレビジョン受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る面光源装置は、複数の発光素子が配列された素子配列面を有する発光部と、両表面が平坦であり、前記素子配列面に積層され、前記発光素子が入射側表面へ照射した光を内部にて伝搬して前記入射側表面とは反対側の出射側表面から取り出す導光板と、を有し、前記発光部の前記素子配列面は、前記発光素子を収納する複数の凹部を形成され、前記導光板の前記出射側表面は、前記発光素子に対向して位置し当該発光素子から前記出射側表面への光の入射角が臨界角未満となる非全反射領域に、当該光の少なくとも一部を反射する加工を施され、前記導光板の前記入射側表面は、光を拡散反射する加工を施されている。
【0011】
他の本発明に係る面光源装置においては、前記発光部は、前記発光素子を実装する基板と、前記基板に積層された、表面が光を反射する反射シートと、を備え、前記反射シートは、前記発光素子以上の厚みを有し、前記発光素子の位置に対応して面内に貫通孔を形成しており、当該貫通孔が前記凹部を構成する。
【0012】
上記本発明に係る面光源装置において、前記導光板は、前記出射側表面及び前記入射側表面の前記加工として、表面に白色反射膜を形成されたものとすることができる。前記入射側表面の前記白色反射膜は、その面密度を前記発光素子からの距離に応じて変えて、前記出射側表面からの発光強度を当該距離によらず一様にするように構成することができる。また、前記出射側表面の前記非全反射領域の前記白色反射膜は、前記発光素子から照射された光の一部を透過し、残りを反射するパターンを有し、前記入射側表面の前記白色反射膜は、その面密度を前記発光素子からの距離に応じて変えて、前記非全反射領域からの透過光を含む前記出射側表面からの発光強度を当該距離によらず一様にするように構成することができる。
【0013】
上記本発明に係る面光源装置は、前記発光素子を発光ダイオードとすることができる。
【0014】
別の本発明に係る面光源装置においては、前記非全反射領域に対する前記加工は、前記導光板の熱膨張により前記出射側表面上にて位置が変動する当該非全反射領域を包含する領域に施されている。
【0015】
本発明に係る液晶表示装置は、上記本発明に係る面光源装置と、前記面光源装置から光を照射されて表示を行う液晶パネルと、を有する。
【0016】
本発明に係るテレビジョン受信機は、上記本発明に係る液晶表示装置を用いたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る面光源装置、それを用いた液晶表示装置及びテレビジョン受信機によれば、ローカルディミング制御時において発光強度のむらが低減される。導光板が熱膨張しても発光素子との衝突が起こらず、さらに、発光強度の均一性が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態である液晶表示装置の構成を表す模式図である。
【図2】本発明の実施形態である液晶表示装置の垂直断面の一部を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るバックライトユニットを構成する積層体の垂直断面の一部を示す模式的な断面図である。
【図4】発光体から出射された光の導光板の裏面への入射角と導光板の前面への入射角とを示す説明図である。
【図5】導光板の前面に形成する白色反射膜のパターンの一例を示す、導光板の前面の模式的な平面図である。
【図6】導光板の前面に形成する白色反射膜のパターンの他の例を示す、導光板の前面の模式的な平面図である。
【図7】導光板の前面に形成する白色反射膜のパターンの他の例を示す、導光板の前面の模式的な平面図である。
【図8】導光板の前面に形成する白色反射膜のパターンの他の例を示す、導光板の前面の模式的な平面図である。
【図9】導光板の前面に形成する白色反射膜のパターンの他の例を示す、導光板の前面の模式的な平面図である。
【図10】導光板の裏面に形成する白色反射膜のパターンの一例を示す、導光板の裏面の模式的な平面図である。
【図11】導光板の裏面に形成する白色反射膜のパターンの他の例を示す、導光板の裏面の模式的な平面図である。
【図12】導光板の裏面に形成する白色反射膜のパターンの他の例を示す、導光板の裏面の模式的な平面図である。
【図13】従来の直下型の面光源装置の構造を模式的に示す垂直部分断面図である。
【図14】従来の直下型の面光源装置の他の構造を模式的に示す垂直部分断面図である。
【図15】図13に示す構造にて、導光板の熱膨張が生じた状態を模式的に示す垂直部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態である液晶表示装置30の構成を表す模式図である。
【0020】
図1に示すように、液晶表示装置30は、液晶パネル40、バックライトユニット42、液晶パネル駆動回路44、バックライト駆動回路46及び制御装置48を備える。液晶パネル駆動回路44は走査線駆動回路50と映像線駆動回路52とを含んでいる。
【0021】
液晶パネル40は、透明な一対のガラス基板と、その間に挟まれた液晶と、液晶を挟んだ一対のガラス基板の表示面側及びバックライトユニット側それぞれの表面に貼り付けられた偏光板とを含んだ積層体であり、略矩形の平板形状を有する。
【0022】
バックライトユニット側のガラス基板(TFT基板と呼ぶ)の液晶側の面には、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)が画素配列に対応してマトリクス状に配置される。また、TFT基板には複数の映像信号線Xと複数の走査信号線Yとが互いに直交して形成される。走査信号線YはTFTの水平列ごとに設けられ、当該水平列の複数のTFTのゲートに共通に接続される。映像信号線XはTFTの垂直列ごとに設けられ、当該垂直列の複数のTFTのソースに共通に接続される。また、各TFTのドレインには当該TFTに対応する画素領域に配置された画素電極が接続される。
【0023】
各TFTは走査信号線Yに印加される走査信号に応じて水平列単位でオン/オフを制御され、オン状態とされた水平列の各TFTが画素電極を、映像信号線Xに印加される映像信号に応じた電位に設定する。液晶パネル40は各画素電極に設定された電位により画素毎に液晶の配向を制御して、バックライトユニット42から入射した光に対する透過率を変えることにより表示面に画像を形成する。
【0024】
なお、表示面側のガラス基板にはカラーフィルタが形成され、画像のカラー表示を可能としている。
【0025】
バックライトユニット42は液晶パネル40の裏面側に配置されている。バックライトユニット42は、本発明に係る面光源装置であり、液晶パネル40の裏面に光を照射する。その平面形状は液晶パネル40に対応して矩形で、またその大きさは液晶パネル40に相応している。バックライトユニット42の構成についてはさらに後述する。
【0026】
走査線駆動回路50はTFT基板に形成された複数の走査信号線Yに接続されている。走査線駆動回路50は制御装置48から入力されるタイミング信号に応じて走査信号線Yを順番に選択し、選択した走査信号線YにTFTをオンする電圧を印加する。
【0027】
映像線駆動回路52はTFT基板に形成された複数の映像信号線Xに接続されている。映像線駆動回路52は走査線駆動回路50による走査信号線Yの選択に合わせて、当該選択された走査信号線Yに接続されるTFTのそれぞれに、各画素の階調値を表す映像信号に応じた電圧を印加する。これにより、選択された走査信号線Yに対応する画素に映像信号が書き込まれる。これはラスター画像の水平走査に相当する。ちなみに、上述の走査線駆動回路50の動作は垂直走査に相当する。
【0028】
バックライト駆動回路46は、制御装置48から入力される発光制御信号に応じたタイミングや輝度でバックライトユニット42に配列される複数のLEDを発光させる。バックライト駆動回路46は、LEDの駆動電圧を供給するLED駆動回路の他、LEDに供給される電流が発光制御信号で指示された輝度に応じた大きさであるかをモニタしフィードバック制御する回路も含む。
【0029】
制御装置48は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理回路、及びROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリを備えている。制御装置48は映像データを入力される。映像データは、液晶表示装置30がテレビジョン受信機を構成する場合には、不図示のアンテナやチューナで受信される。また、映像データは映像再生装置など別の装置からも入力され得る。制御装置48はCPUがメモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種の処理を実行する。具体的には、制御装置48は当該映像データに対して色調整などの各種の画像信号処理を行って各画素の階調値を示す映像信号を生成し、当該映像信号を映像線駆動回路52へ出力する。また、制御装置48は入力された映像データに基づいて、映像線駆動回路52、走査線駆動回路50及びバックライト駆動回路46が同期を取るためのタイミング信号を生成し、各駆動回路に向けて出力する。また、制御装置48はバックライト駆動回路46への発光制御信号としてタイミング信号の他、入力された映像データに基づいてLEDの輝度を制御するための信号を生成する。
【0030】
図2は、液晶表示装置30の垂直断面の一部を示す模式的な断面図である。バックライトユニット42は、LED基板60、反射シート62、導光板64、及び光学シート群66が重ね合わされた積層体70と、それらを中に収納する箱形(不図示)の枠であるフレーム72とを含んで構成される。バックライトユニット42の前面に液晶パネル40が重ねられる。
【0031】
バックライトユニット42は直下型であり、LED基板60の導光板64側の表面に複数のLED素子74が例えば、マトリクス状の配置で実装される。LED素子74のパッケージは上面発光型であり、上面(導光板64に対向する面)に発光体80が埋設される。例えば、発光体80は、青色LEDチップとその上を封止する黄色蛍光体とからなる擬似白色方式の構成を有し、LEDの青色光と当該LED光により励起された蛍光体が放射する黄色光とを混色して白色を得る。
【0032】
LED基板60は例えば、液晶パネル40のガラス基板と同様に低熱膨張の素材からなり、一例として、ガラスエポキシ基板を用いることができる。LED基板60にはLED素子74に電源を供給する導体パターンが形成される。例えば、ローカルディミング制御を可能とするために、LED基板60はLED素子74を個々に、又はLED素子74の二次元配列を複数の領域に分割して当該領域毎に駆動できる導体パターンを備える。
【0033】
反射シート62は、表面が光を反射する性質を備えたシート状の部材であり、LED基板60、LED素子74と共に、導光板64の背後に位置し複数の発光素子が配列された素子配列面を有する発光部76を構成する。具体的には、反射シート62はLED基板60のLED素子74を実装する側の面上に載置、又は貼り付けられる。
【0034】
反射シート62にはLED基板60上でのLED素子74の位置に対応して複数の貫通孔78が形成される。反射シート62がLED基板60に積層された状態にて、当該貫通孔78は発光部76のLED素子74が配列される面に凹部を形成し、LED基板60に取り付けられたLED素子74は当該貫通孔78内に収納される。すなわち、反射シート62の厚みは、発光部76での反射シート62の表面が、LED基板60に実装されたLED素子74の上面以上の高さとなるように設定される。例えば、LED素子74の厚みは1mm以下とすることができる。例えば、反射シート62は、発泡基体表面に金属膜を被着したり、超微細発泡反射板を用いたりすればLED素子74より厚くすることができる。
【0035】
なお、貫通孔78の開口は、LED素子74の平面形状より大きく設定される。その際、LED基板60と反射シート62との熱膨張の差を考慮して、LED素子74と貫通孔78の側面との間に間隙を設けることができる。一方、反射シート62による反射効率を確保する観点からは貫通孔78の開口は小さい方が良い。また、二次元配列の1個所に複数個のLED素子74を配置する場合には、貫通孔78はその1個所に複数個のLED素子74をまとめて収納するものとしてもよい。LED素子74が直線に沿って狭い間隔で配列される場合には、貫通孔78として当該直線に沿った細長い溝を設定することもできる。
【0036】
発光部76はその前面に導光板64を配置され、LED素子74から導光板64へ光を照射すると共に、導光板64の裏面から漏れ出る光を反射シート62で反射して導光板64へ戻し、バックライトユニット42の発光効率を向上させる。
【0037】
導光板64は例えば、アクリルやポリスチレン、ポリカーボネートといった透明樹脂で形成された平板である。導光板64は基本的に一様な厚みで、かつ両面は平坦である。ここで、平坦であるとは、上述した従来の導光板2に設けられる凹部8,10のような比較的大きな凹凸がないことを意味する。
【0038】
導光板64の裏面は発光部76から光を入射される面(入射側表面)であり、前面は液晶パネル40へ光を出射する面(出射側表面)である。導光板64は裏面から入射したLED光を前面と裏面とで全反射を繰り返して、面に沿った方向に伝搬させると共に、裏面側には前面から一様な強度で光が出射するように拡散反射を起こさせる構造を備える。
【0039】
光学シート群66は、導光板64の表面から出射される光を拡散して発光面内での光強度の均一性を向上させる拡散シートや、拡散シートから前面の様々な方向へ出射される光を面に垂直な方向を中心として集光させて発光面正面における輝度を向上させるプリズムシートを含む。
【0040】
図3はバックライトユニット42を構成する積層体70の垂直断面の一部を示す模式的な断面図である。図3は1つのLED素子74とその近傍領域を拡大して示している。図3のLED素子74はその上面の中心に発光体80を備え、当該発光体80は実質的に点光源である。すなわち、発光体80からの発光は当該発光体80を中心として放射状に広がる。図4は発光体80から出射された光82の導光板64の裏面84(入射側表面)への入射角θBと導光板64の前面86(出射側表面)への入射角θFとを示す説明図である。裏面84への入射角θBは発光体80の直上点CBで0°であり、この裏面84上の点の直上点CBからの距離rが大きくなるほど当該点での入射角θBは大きくなる。また、LED素子74からの光が裏面84へ入射する際の入射角θBが小さいほど、当該光が導光板64に入射した後、前面86へ入射する際の入射角θFも小さくなる。つまり、裏面への入射角θBが所定角度(αとする)より小さいと、それに対応した前面86への入射角θFは臨界角θM未満となり、全反射条件を満たさず前面86から導光板64の外へ透過する成分が生じる。
【0041】
前面86にてそのような全反射条件を満たさない領域(非全反射領域)は、点光源である発光体80の正面の位置CFを中心とする円形内となる。非全反射領域では発光体80からの光が直接に導光板64を透過して液晶パネル40側へ出射される。そのため、非全反射領域の外側に位置し裏面側の拡散反射で発光する全反射領域に比べて、非全反射領域からは高い輝度での発光が生じ、面内の発光強度の一様性が損なわれる不都合が生じる。これを防ぐために導光板64は非全反射領域に入射光の少なくとも一部を反射する加工を施されている。本実施形態では当該加工として、白色反射膜90を導光板64の前面に印刷により形成する。白色反射膜90は非全反射領域への入射光を高い拡散反射率で反射して導光板64に戻し、これにより、例えば、裏面84及び前面86での全反射によって導光板64内を伝搬する成分が生成される。
【0042】
なお、発光体80と導光板64の裏面84との距離が小さいほど非全反射領域は小さくなり、白色反射膜90の面積を小さくできる。この観点からは、発光体80を導光板64の裏面84に密接して配置させることが好適である。そのために例えば、LED素子74の上面の高さと反射シート62の表面の高さとを同じとすることができる。
【0043】
図5〜図9は、導光板64の前面の模式的な平面図であり、白色反射膜90のパターンの例を示している。各図において斜線部が白色反射膜90の形成領域である。図5に示すパターンでは、非全反射領域の全体に白色反射膜90が形成される。図5に示すパターンを採用したバックライトユニット42では、導光板64の前面における非全反射領域の周囲の領域から非全反射領域の側へ斜めに出射される光が光学シート群66を介して、非全反射領域に対向する液晶パネル40へ向けて出射される。周囲から非全反射領域の前方への入射光量は、導光板64の裏面側での散乱反射の面内強度分布の調整により変化させることができる。
【0044】
ここで、図5に示すパターンにおいて例えば、非全反射領域の直径が大きい場合などには当該調整によっては非全反射領域に対応する部分からの発光量を確保できず、バックライトユニット42全体にて当該部分が暗くなることもある。この場合には、LED素子74から非全反射領域に入射する光の一部を白色反射膜90で導光板64内へ散乱反射させ、残りは導光板64の外へ透過させる構成とすることができる。当該構成では例えば、非全反射領域の一部領域だけに白色反射膜90が形成される。図6〜図9はこの非全反射領域の一部領域だけに白色反射膜90を形成するパターンの例である。非全反射領域に対応する部分からの発光部76の発光量は、白色反射膜90を形成しない領域の割合を大きくすることで増加でき、当該発光量がバックライトユニット42全体の発光強度が一様となるように白色反射膜90の形成領域が設計される。その際、白色反射膜90の形成領域又は非形成領域は非全反射領域内に分散して配置することが好適である。
【0045】
なお、LED素子74から非全反射領域に入射する光の一部を透過させる構成は、上述した非全反射領域の一部領域のみに白色反射膜90を形成するものの他に、例えば、白色反射膜90の膜厚を薄くしたり素材を変えたりして非全反射領域に形成する散乱反射膜自体に或る程度の透過性を持たせることによっても可能である。また、導光板64の表面に微細な凹凸を多数形成し表面粗さを調節することで、LED素子74からの光の一部を散乱し残りを透過させることが可能である。この粗くした表面を非全反射領域全体に形成してもよい。また、非全反射領域の一部領域に白色反射膜90を形成しない上述の構成にてその白色反射膜90を形成しない領域の表面を粗くして、散乱反射を得ると共に透過光も散乱させる構成とすることもできる。
【0046】
上述の加工は前面86の非全反射領域を包含する領域、つまり非全反射領域より広い範囲に施してもよい。具体的には、発光体80を基準として所定の位置関係を有する非全反射領域は、導光板64の熱膨張により前面86内でずれる。そこで、白色反射膜90の形成等の加工を施す範囲は、導光板64の熱膨張により前面86上にて位置が変動する非全反射領域を包含する領域に設定することができる。この熱膨張に対する非全反射領域の包含領域は、発光部76に二次元配列される各LED素子74の位置での導光板64の熱膨張による移動幅及び方向を考慮して設定できる。ちなみに例えば、導光板64をその中心が発光部76に対して移動しないようにフレーム72に支持すれば、当該中心に近いLED素子74ほど非全反射領域の包含領域は小さく設定される。
【0047】
ここまで、導光板64の出射側表面に施す加工について述べた。一方、導光板64の入射側表面は既に述べたように、出射側表面から一様な強度で光が出射するように拡散反射を起こさせる構造を備える。本実施形態では、入射側表面に施す加工により当該構造を形成する。具体的には当該加工として白色反射膜92を導光板64の裏面84に印刷により形成する。白色反射膜92は前面86に形成する白色反射膜90と同様、入射光を高い拡散反射率で反射して導光板64に戻す。白色反射膜92は、前面86からの発光強度が一様になるパターンに形成される。図10〜図12は、導光板64の裏面の模式的な平面図であり、白色反射膜92のパターンの例を示している。
【0048】
白色反射膜92は、その面密度を発光体80の直上点CBからの距離に応じて変えて形成される。図3に示す光線94はLED素子74から前面86への入射する光線のうち入射角θFが臨界角θMとなる光線であり、また点PBは光線94が前面86で反射されて最初に裏面84に入射する点である。ここでは、裏面84の点PBよりも遠くの領域を外側領域96、点PBよりも近くの領域を内側領域98と呼ぶことにする。
【0049】
入射角θFが臨界角θMより大きい光線は裏面84上の外側領域96を照らす。前面86の非全反射領域に形成した白色反射膜90からの散乱反射光は考えに入れず、入射角θFが臨界角θMより大きい光だけを考えれば、外側領域96に対向する発光部76の前面から一様な強度分布の発光を得るには、点PBからの距離が大きいほど白色反射膜92の面密度を大きくして散乱反射の強度を上げる必要がある。図3及び図10に示す例では、外側領域96に白色反射膜92としてドットを分布させたドットパターン92dを形成している。この場合、点PBからの距離が大きいほどドットを大きくしたり、ドットの分布密度を高くしたりすることで、点PBからの距離が大きいほど白色反射膜92の面密度を大きくすることができる。
【0050】
非全反射領域に形成した白色反射膜90が外側領域96に与える影響は点PBからの距離が大きいほど小さくなる。すなわち、白色反射膜90からの散乱反射光の強度は点PBからの距離が大きいほど弱くなる。
【0051】
裏面84上の内側領域98は前面86の白色反射膜90からの散乱反射光で照らされ、これを前面86から出射させるために、図3及び図10に示す例では内側領域98には白色反射膜92としてパターン92iが形成される。点光源である発光体80に対するパターン92iは図10に示すように中心部が空いたドーナツ形状に形成される。当該中心部には、発光体80から導光板64への光の入射を妨げないために白色反射膜92を形成しない領域を設ける必要がある。なお、内側領域98のうち白色反射膜90の縁の直下から内側により深く入った点ほど、当該点での散乱反射光は内側領域98に対向する前面86の発光強度に寄与しにくくなる。よって、パターン92iの内側の縁の位置は、これらの観点での利害得失を考慮して設定される。
【0052】
図10に示すパターン92iはドーナツ形状の領域全体に白色反射膜92を形成しているが、パターン92iの形成密度は、当該領域に対応する前面86での発光強度が他の部分と同レベルとなるように調整することができる。例えば、パターン92iとしてドットパターンを形成する場合には、その形成密度は、外側領域96と同様、ドットの分布密度やドットの大きさで調節することができる。例えば、図11に示す構成では、ドーナツ形状に白色反射膜92からなるドットパターン100を形成する。また、図12に示す構成では、内側のドーナツ形状のドットパターン102よりも外側のドーナツ形状のドットパターン104が形成する白色反射膜92の面密度を低く設定しており、このように内側領域98内、又は内側領域98から外側領域96の一部にかけて面密度に段階的変化又は連続的階調を設定してもよい。
【0053】
一方、内側領域98に形成するパターン92iの密度を下げると、内側領域98から前面86の非全反射領域の前方へ入射する散乱反射光の量が少なくなる。これによる非全反射領域の前方での発光強度の低下は、白色反射膜90を図6〜図9のような一部の光を透過させるパターンとし、当該透過光により補うことができる。
【0054】
以上、前面86の白色反射膜90のパターン設定と、裏面84の外側領域96及び内側領域98の白色反射膜92のパターン設定とに関する事項を定性的に説明した。その内容から理解されるようにそれらパターンは、発光部76の発光の面内強度分布を設定する上で互いに影響を及ぼす。また、導光板64の材質・厚みや白色反射膜90,92の散乱特性などの種々の要因がそれらパターンの決定に際して影響を及ぼす。白色反射膜90,92のパターンはこれらを考慮に入れて、発光部76の面発光強度が一様になるように設定される。具体的には、それらのパターンは例えば、計算機を用いたシミュレーションを実行することにより好適に設定することができる。
【0055】
なお、上述の実施形態では、発光部76に搭載する発光素子は点光源である発光体80を備えたLED素子74としたが、線状の光源であってもよく、またLED以外の発光素子であってもよい。例えば、発光部76の表面に反射シート62の開口部等によって、線状の溝を形成し、この内部にCCFLを収納した構成とすることもできる。
【0056】
上述した液晶表示装置30は、外部機器と接続されて使用されるように構成される他、例えば、テレビジョン受信機やパソコンに組み込まれて使用される。テレビジョン受信機は画像表示部として液晶表示装置30を備え、その他、チューナー、外部機器インターフェース回路、各種信号処理回路、スピーカーなどを備える。
【符号の説明】
【0057】
30 液晶表示装置、40 液晶パネル、42 バックライトユニット、44 液晶パネル駆動回路、46 バックライト駆動回路、48 制御装置、50 走査線駆動回路、52 映像線駆動回路、60 LED基板、62 反射シート、64 導光板、66 光学シート群、70 積層体、72 フレーム、74 LED素子、76 発光部、78 貫通孔、80 発光体、84 裏面、86 前面、90,92 白色反射膜、96 外側領域、98 内側領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子が配列された素子配列面を有する発光部と、
両表面が平坦であり、前記素子配列面に積層され、前記発光素子が入射側表面へ照射した光を内部にて伝搬して前記入射側表面とは反対側の出射側表面から取り出す導光板と、
を有し、
前記発光部の前記素子配列面は、前記発光素子を収納する複数の凹部を形成され、
前記導光板の前記出射側表面は、前記発光素子に対向して位置し当該発光素子から前記出射側表面への光の入射角が臨界角未満となる非全反射領域に、当該光の少なくとも一部を反射する加工を施され、
前記導光板の前記入射側表面は、光を拡散反射する加工を施されていること、
を特徴とする面光源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の面光源装置において、
前記発光部は、
前記発光素子を実装する基板と、
前記基板に積層された、表面が光を反射する反射シートと、
を備え、
前記反射シートは、前記発光素子以上の厚みを有し、前記発光素子の位置に対応して面内に貫通孔を形成しており、当該貫通孔が前記凹部を構成すること、
を特徴とする面光源装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の面光源装置において、
前記導光板は、前記出射側表面及び前記入射側表面の前記加工として、表面に白色反射膜を形成されていること、を特徴とする面光源装置。
【請求項4】
請求項3に記載の面光源装置において、
前記入射側表面の前記白色反射膜は、その面密度を前記発光素子からの距離に応じて変えて、前記出射側表面からの発光強度を当該距離によらず一様にすること、を特徴とする面光源装置。
【請求項5】
請求項3に記載の面光源装置において、
前記出射側表面の前記非全反射領域の前記白色反射膜は、前記発光素子から照射された光の一部を透過し、残りを反射するパターンを有し、
前記入射側表面の前記白色反射膜は、その面密度を前記発光素子からの距離に応じて変えて、前記非全反射領域からの透過光を含む前記出射側表面からの発光強度を当該距離によらず一様にすること、を特徴とする面光源装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の面光源装置において、
前記発光素子は、発光ダイオードであること、を特徴とする面光源装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の面光源装置において、
前記非全反射領域に対する前記加工は、前記導光板の熱膨張により前記出射側表面上にて位置が変動する当該非全反射領域を包含する領域に施されていること、を特徴とする面光源装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の面光源装置と、
前記面光源装置から光を照射されて表示を行う液晶パネルと、
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項8に記載の液晶表示装置を用いたテレビジョン受信機。
【請求項1】
複数の発光素子が配列された素子配列面を有する発光部と、
両表面が平坦であり、前記素子配列面に積層され、前記発光素子が入射側表面へ照射した光を内部にて伝搬して前記入射側表面とは反対側の出射側表面から取り出す導光板と、
を有し、
前記発光部の前記素子配列面は、前記発光素子を収納する複数の凹部を形成され、
前記導光板の前記出射側表面は、前記発光素子に対向して位置し当該発光素子から前記出射側表面への光の入射角が臨界角未満となる非全反射領域に、当該光の少なくとも一部を反射する加工を施され、
前記導光板の前記入射側表面は、光を拡散反射する加工を施されていること、
を特徴とする面光源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の面光源装置において、
前記発光部は、
前記発光素子を実装する基板と、
前記基板に積層された、表面が光を反射する反射シートと、
を備え、
前記反射シートは、前記発光素子以上の厚みを有し、前記発光素子の位置に対応して面内に貫通孔を形成しており、当該貫通孔が前記凹部を構成すること、
を特徴とする面光源装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の面光源装置において、
前記導光板は、前記出射側表面及び前記入射側表面の前記加工として、表面に白色反射膜を形成されていること、を特徴とする面光源装置。
【請求項4】
請求項3に記載の面光源装置において、
前記入射側表面の前記白色反射膜は、その面密度を前記発光素子からの距離に応じて変えて、前記出射側表面からの発光強度を当該距離によらず一様にすること、を特徴とする面光源装置。
【請求項5】
請求項3に記載の面光源装置において、
前記出射側表面の前記非全反射領域の前記白色反射膜は、前記発光素子から照射された光の一部を透過し、残りを反射するパターンを有し、
前記入射側表面の前記白色反射膜は、その面密度を前記発光素子からの距離に応じて変えて、前記非全反射領域からの透過光を含む前記出射側表面からの発光強度を当該距離によらず一様にすること、を特徴とする面光源装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の面光源装置において、
前記発光素子は、発光ダイオードであること、を特徴とする面光源装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の面光源装置において、
前記非全反射領域に対する前記加工は、前記導光板の熱膨張により前記出射側表面上にて位置が変動する当該非全反射領域を包含する領域に施されていること、を特徴とする面光源装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の面光源装置と、
前記面光源装置から光を照射されて表示を行う液晶パネルと、
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項8に記載の液晶表示装置を用いたテレビジョン受信機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−182023(P2012−182023A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44398(P2011−44398)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
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